資料3-1 大学発イノベーションのための対話の促進について(案)

1.議論の背景 -これからの大学に求められること-

・これまでの産学官連携の取組みにより、大学の「知」を技術の形で社会に還元する体制が整備された。
・経済的停滞や少子高齢化の傾向が続く我が国社会においては、大学の創出する「知」を単なる研究成果(論文)及び技術(共同研究、特許等)の形態で社会に還元するだけでは不十分。
・大学発のイノベーションとは、大学の「知」によって、来るべき社会をデザインし、同時に、大学の「知」をどのような形で社会に貢献させるのかを問い続けることで生み出されると仮定。
・大学が未来の社会像をデザインし、これに貢献する「知」の在り方を常態として大学自らが考えることできるような新たなシステムの整備が必要。

2.作業部会の目的

多様な参加者の対話に基づき、大学発のイノベーションを創出する確率を高める方法について検討する。

3.検討事項

【発散プロセス】
従来にない斬新な発想を可能な限り数多く得ることを目的とした議論の方法について検討する。(例えば、従前の産学連携の枠組み([ものづくり企業]-[産学連携コーディネーター]-[大学工学部教員])の発想を超える参加者、議論の進め方等)

【収束プロセス】
上記【発散プロセス】により得られた斬新な発想について、あるべき社会像や社会の潜在的なニーズの輪郭に重ねること等により、具体的な技術の研究開発に当該議論を収束させるための方法について検討する。

【課題解決プロセス】
理想の社会像をデザインすることにより、その実現に必要な技術を想定し、【収束プロセス】における基軸の一つとする。このため、あるべき社会の像を得るための議論の方法について検討する。

【参加者の効用を高める方法】
上記プロセスを体験することが有益であり、プロセスの結果得られたアウトプットに継続的コミットメントが得られるよう、参加者の効用を高める方法について検討する。

4.プロセスの実行の確保について

3.の検討事項に加えて、次に例示するように、大学等の現場において【プロセス】を実行を確保するための具体的な手法(以下「ツール」という。)に必要な要素について検討し、抽出する。
【ツールに必要な要素の例】
- 事前準備事項(課題設定、ステークホルダーの特定、検討チームの組成、議論の材料、メディア対策等)
- 参加者の選定方法(大学内外の協力の求め方、多様性の確保策等)
- リソースの検討(ワークプランの策定、予算、会場、期間の確保等)
- 議論の進め方・ファシリテーターの役割
- 意見抽出のための軸となる事項

お問合せ先

科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室)