産業連携・地域支援部会 地域科学技術施策推進委員会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成24年10月31日(水曜日)16時~18時

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室 東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 「先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」に関する中間評価について(非公開)
  2. 平成25年度概算要求の概要について
  3. 地域イノベーション創出に向けた人材育成・確保のあり方について
  4. 地域科学技術施策推進委員会の当面の予定について
  5. その他

4.議事要旨

科学技術・学術審議会 産業連携・地域支援部会
地域科学技術施策推進委員会(第6回)議事概要

平成24年10月31日

  1. 「先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラム」に関する中間評価について(非公開)事務局から資料1に基づき説明した後、各委員から了承を得た。
  2. 平成25年度概算要求の概要について事務局から資料2に基づき説明した後、質疑応答。
  3. 地域イノベーション創出に向けた人材育成・確保のあり方について、鹿児島大学中武教授から資料3に基づき説明、財団法人上田繊維科学振興会岡田理事から資料4に基づき説明いただいた後、意見交換。
  4. 地域科学技術施策推進委員会の当面の予定について事務局から資料5に基づき説明。

その他、主な意見概要は以下のとおり。

 

【中武委員】 大学、高専において、産学連携・地域貢献が教育研究と並ぶ中心的な活動の一つと見なされるようになっており、地域社会の一員としての役割が地域から強く期待されている。
【中武委員】 大学・高専の理系卒業生採用企業が非採用企業に比べ、産学連携により活発に取り組んでおり、表層の産学連携だけではなく、人的ネットワークを介して地域社会と地域産業界と大学がつながっていることを意識する必要がある。具体的には、大学・高専は学生の産業教育、就職、社会人技術者教育まで含めたより広い意味での産学連携実施体制を構築していく必要がある。
【中武委員】 地域イノベーションを創出するために、プロジェクトマネージャーや戦略ディレクターなどの人材を育成するとともに、それらの人材が地域や所属組織の中でどのように位置づけられ、どういう責任と権限が付与されるべきか議論していただきたい。
【中武委員】 新たな人材が従来の組織に入っていくときに非常に負荷を強いられる場合があるので、現場の方の支援をするような環境を整備するとともに、起こり得る衝突を予期した対策を準備することが重要。
【中武委員】 事業化、実用化に向けた連携活動を推進するだけでなく、研究者の環境整備、研究段階、インセンティブなどを配慮して、産学官連携システムに組み込んでいくことにより、持続的なイノベーション創出の源泉になるのではないか。
【中武委員】 国として典型的な地域発課題を特定した上で、標準のソリューションも用意するようなプログラムが必要であると認識しており、広域化を考える際には、地域ブロックで考えるのではなく、分野や領域の近接性、共通性を加味していただきたい。
【中武委員】 地域発課題解決型イノベーションの拠点に戦略ディレクターなどのイノベーション人材を配置して、全国を広く見ながら、特定地域の課題にも取り組むことができればいいのではないか。また、地域性を持った基盤的な取組については、自律的に取り組む仕組みを整備していただきたい。
【松原委員】  産学官連携拠点をつくる場合、その拠点のアンカー企業や対象となる企業をどう捉えるかは、業種別や企業間のネットワークなどの地域特性を考慮する必要がある。スーパークラスターを形成する際に、地域ブロックをどう捉えていくかはネットワークを考慮するなど、新たな視点で地域イノベーションの創出を検討できないか。
【中武委員】 イノベーション創出や、企業との連携がプラスに評価されるような仕組みが大学、地域に埋め込むことができるかが大きなポイント。
【受田委員】 COI(センターオブイノベーション)とCOC(センターオブコミュニティ)をいかに有機的に結びつけていくかが、持続的に地域イノベーション創出を考える上では重要。
【受田委員】 地域間の競争下において課題解決を考える際に、基盤となるプラットフォームは共通で、地域の特色を生かせるところは各地域が取り組んでいく。また、地域の中だけではなく全国展開、国際展開も踏まえて、地域の課題に向かっていくことが重要。
【清水委員】 大学の中における産学官連携体制が脆弱であり、マッチング活動も重要であるが、コーディネータが外部のニーズを踏まえて新しい知見や研究に結びつけるための資金提供やサポートをしていくことが重要。
【中武委員】 現場はニーズにあわせて取組を実施することが多いが、テーマ性、シナリオを持って、国内や海外にも直接つながるネットワークを構築し、先駆的市場を意識する形をとれれば、さらに規模の拡大や、質的な向上ができるのではないか。
【有信主査】  地域の価値の生産量をいかに増やすかが重要な課題であり、イノベーションはあくまで価値生産の手段である。そのため、目的を明確にしておかないといけない。
【岡田理事】 大学のコーディネータと企業情報を持った財団のコーディネータ同士で密な連携をとることで、取組を戦略的に練ることができる。
【岡田理事】 地域における産学官連携において、ディレクターの役割は事業を継続させることであり、組織のスリム化、資金集めの工夫など色々なことが必要。また、コーディネータやアドバイザーの自主性を本当に発揮できるような組織にすることが必要。
【岡田理事】 地域外の取組を知っていることも大事だが、やはり自分たちの地域をしっかりと知っておくことが必要。
【岡田理事】 ディレクターの役割としては戦場選びが重要であり、TLOなどの色々な支援機関をうまく活用して戦術、戦略を選んでいく。
【岡田理事】 数々のステークホルダーと協調しつつ、ディレクターやコーディネータがイノベーションを起こしていきたいという理念を見せる必要がある。
【岡田理事】 私見ではあるが、ディレクターには情熱、執念があること、長期間携わること、プロデューサー資質、覚悟を決めて突破する精神力が必要。
【岡田理事】 学位を取っている方は、何か問題発見能力から自分で実績を出して、広報して発表していく。さらには自分の研究を進めるためにどういうふうに資金を得ていったらいいか、若い段階で一通りトレーニングをされているので、
【清水委員】  博士号取得者について、問題発見能力を持っており、意思設定や解決策を考えること、色々な国の資金を獲得し、仕組みの変更を考えること長けており、大学でのアカデミックなトレーニングを重視すべきである。
【高橋(真)委員】 コーディネータに関しては女性や若手を育成していくことが今後の課題として挙げられており、ミドルの年齢層が少ない。一方で現在活躍しているのはシニアの年齢層の企業経験の方々であり、コーディネータやアドバイザーの知識や意見をディレクターにしっかり報告してもらう仕組みが必要。
【高橋(真)委員】 現在は、様々なセクターに類似の職種が存在しており、スキルがある人がしっかり評価されて、中心的な役割を果たせるようにするには、色々な職種の共通職務と特異的職務を整理する必要があるのではないか。
【清水委員】 優秀なコーディネータを組織内で育成、活用することによりシーズを社会に還元する際に重要な役割を果たす。そのため、企業との連携に取り組んでいくのであれば、収入を得て産学官連携機能を維持することが必要であり、コーディネータにしっかりした処遇を与え、人事システムとして確立するため、試行的に取り組んでいくことが必要。

 

── 了 ──

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