参考資料1 科学技術・学術審議会 第7回基本計画特別委員会における主な意見(項目別整理)

○ 日時:平成21年10月16日(金曜日)16時~18時30分
○ 場所:文部科学省第2講堂

<世界的教育研究・研究開発拠点の形成」及び「科学技術・イノベーションの研究環境・基盤整備>

【研究開発法人の在り方】

○ 非常に重要だけれども、やってみないとわからない研究、ハイリスク・ハイリターンな研究及び時間がかかる研究については現行の評価の枠組みでは窮屈感がある。評価の仕方も含めた研究開発法人の在り方について検討していくべき。
○ 研究開発法人が税金を投入して何をやるべきか、研究開発法人にしかできないことに絞り込んで投資することを考えるべき。
○ 研究費を増やす一方、人件費を減らす、という本末転倒な要請が来ている。研究開発が活性化すれば人件費も上がるものであることを理解すべき。
○ 施設設備の維持について、新しい施設を次々作る一方で、作った施設を維持することが考えられていないように感じる。補正予算が無いと施設を維持できない状況は改善すべき。
○ 人事・雇用の方式について国家公務員の仕組みを引きずっているが、法人独自の人事管理・評価の在り方が必要。
○ ドクターを育てる一方で、その人達が安定して働ける場所を削減している。人件費については削減を止めるだけでなく、むしろ増やす必要がある。知識基盤社会の創造に向けた強いメッセージを出す必要がある。
○ 研究開発法人のあり方については、総合科学技術会議を中心に検討し、必要な措置を行うことになっている。総合科学技術会議におかれては、本日の議論を踏まえ、速やかに、そして具体的な検討作業を進めていただきたい。

【世界トップレベルの拠点形成】

○ 世界的な教育研究大学を5~10程度作ろうとすると、優秀な若手人材の分布はピラミッドではなく八ヶ岳的な構造になっている必要がある。このためには優秀な学生の流動性を高める必要がある。そうしないと海外からも優秀な学生はやってこない。

【研究支援体制の在り方】

○ 大学の研究支援者を増やすことは重要だが、大学の人事は教員か事務職のどちらかという二元体制であり、どのように対応していくのか総合的に考えていくべき。
○ 研究開発を持続的に発展させるため、英国では施設や支援人材にかかる費用も見積もった上で研究費申請する仕組みが導入されており、こうした動きも踏まえた上で取り組みを進めるべき。

【施設設備の整備】

○ 研究のアクティビティが高まるほど、スペース不足が深刻になる。老朽化施設の改修も必要だが、スペース不足を改善する手だても必要である。
○ 大学の施設を一般的な箱モノと同じように扱うのは間違い。また、老朽再生や耐震補強など後追いばかりではなく、国際化や先端研究を考えるならば積極的な整備が必要。
○ 高等教育機関に対する公的財政支出のうち、資本的支出が少ない状況は問題。
○ 臨床医学研究のスペースが必要。特に大学病院所属の助教の基準面積はゼロで計算されており、改善するべき。
○ 大学の環境整備の方向性として、例えば、大学のキャンパスそのものが低炭素社会実現のための諸施策・諸技術のショーケースとして機能し、学生に社会のサステナビリティについて考えるセンスを与えるなどの方法は非常に重要。

【知的基盤整備】

○ 研究を支える先端的な実験機器等の知的創造基盤の充実こそが全ての研究やイノベーションの基礎を作ることを明確にすべき。また、こうした基盤の維持管理やメンテナンスを行う資金やインセンティブを与えるべき。

【研究情報基盤の整備】

○ 科学の方法論が転換期にあり、今後最も重要視されるものがe‐サイエンスだろう。これを充実していくために研究情報基盤を整備する、というシナリオの下で取り組みを進めていくべき。
○ 我が国の科学技術に関する情報発信が海外に依存している状況は、真理を希求する学問の本質に関わる問題であり、我が国発の情報発信基盤が必要。
○ 第三期基本計画期間中に大きな進展を見せた機関リポジトリについて、公的資金で行った研究成果は誰もが見ることができるよう、義務化するようなことも検討すべき。

【その他】

○ 科学技術・イノベーション政策を、社会・公共政策の一環として捉えるのであれば、世界トップの先端研究だけでなく、既存の知識を上手くつなぐことや、ノーベル賞受賞者よりもっと身近にいる研究者にあこがれを抱くような取り組みが必要。

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科学技術・学術政策局計画官付課

(科学技術・学術政策局計画官付課)