参考資料1 科学技術・学術審議会 第3回基本計画特別委員会における主な意見(項目別整理)

日時

平成21年7月27日(月曜日) 15時~17時30分

場所

東海大学校友会館 阿蘇の間(霞ヶ関ビル35階)

<科学技術・イノベーションの国際戦略について>

【国際戦略の必要性】

  • 何故、国際戦略が必要なのかを明確にすることが重要。現在の日本は鎖国のような状況にあり、世界が大きく変化している実状を国民全体に知らせていくためのメッセージが必要。
  • 国際戦略の意義は、日本人の価値観の正当性を海を越えて理解してもらう、その結果として信頼感を得るということ。
  • 我が国は諸外国と比べて、国としての国際戦略が明確ではなく、産業競争力の強化に向けて、科学技術によって先端分野を切り拓かないと生き残れない、と明確に位置づけることが必要。
  • イノベーションの観点では、人材の多様性が決定的に重要。新たな価値は、互いの意識をぶつけあうことで生まれてくるため、どのように世界から知的人材を日本に取り込むか、特にアジアの人材を取り込んでいくかが重要。

【国際戦略の在り方】

  • 「戦略」ということであれば、どこに、どのくらいの資金が必要で、その結果、どのような成果が出るのか、という点を明確にすることが必要。
  • 国際協力・国際協調のための国際戦略をどのように進めるのか、我が国が強みを有する部分がどこか、どのような国や地域と付き合っていくのか、という具体的な議論を進めることが必要。
  • 日本の科学技術は評価軸が曖昧であり、誰もが理解でき、納得できるグローバルな評価軸を明確にすることが国際化のために必要。

【頭脳循環(ブレインサーキュレーション)】

  • 「世界中から優秀な人材を採り、科学技術創造立国で立つ」という姿勢を、国の意志として明確にすべき。
  • 現在の日本社会は、多様な人材を受け入れて活用していくための社会の仕組みがインフラとして整備されていないことが問題。
  • 海外に留学しない理由のみならず、海外に留学した経験のある人は、何故リスクを取ってでも留学したのか等の理由を調査すべき。
  • 日本人と外国人の研究者の価値観の違い、あるいは国籍を乗り越えるためには、外国人と研究開発を積極的に行う必然性を見い出せる仕組みを構築することが必要。

【我が国の情報発信力】

  • 情報発信力については、研究者レベルではある程度の取り組みが行われているが、政治家や、官僚、さらにはマスメディアの発信力が弱いことが問題。
  • 日本が国際化を進めたとしても、現実には、日本に来た研究者は多少の日本語を話すことが求められることから、日本も中国の孔子学院に相当するような海外の日本語教育の場を設けるとともに、海外で日本の魅力・文化・情報を発信していくべき。
  • 科学技術アタッシェの役割は非常に重要。日本では、職務のローテーションが短く、諸外国の方々とのネットワークが作れていないことが問題。人の絆は長い人間関係から作られるものであり、スペシャリストとして長く職務を続けていくことができる仕組みをつくり、信頼関係を構築していくことが不可欠。
  • 国際的なプレゼンスの向上に資するよう、Ph.D人材をどのように配置していくべきか考えるべき。

【その他】

  • 大学院生は企業のニーズに極めて敏感であり、日本がより一層国際化を進めるに当たっては、企業側から強力なメッセージを出していくことが必要。
  • 博士号取得者に求める能力について、大学と企業との間にミスマッチがあるのは確かだが、一方で、博士号取得者を採用した企業の満足度は高い面もあることから、互いにコミュニケーションを取るための場を設けるべき。
  • 日本の大学院生の英語力が下がっており、きちんとした語学力をつけさせることが必要。
  • 国際標準は知財戦略の一環としてではなく、ODA、共同研究、ブレインサーキュレーション等のあらゆる施策や考えを総動員して取り組むべき問題。また、先進国のみではなく途上国とも協力した取り組みも必要。

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)