参考資料1 科学技術・学術審議会 第4回基本計画特別委員会における主な意見(項目別整理)

日時

平成21年8月19日(月曜日) 15時~17時30分

場所

東海大学校友会館 阿蘇の間(霞ヶ関ビル35階)

<科学技術・イノベーションの人材戦略について>

【総論】

  •  戦後続いてきた古き良き時代が終わり、企業も大学も従来の方法では立ちゆかなくなってきたということを共通認識として持ち、今後の科学技術・イノベーション政策を実現していくためには、人材育成を政策の中核に据えなければならないという姿勢を明確にすべき。
  •  科学技術人材の育成について検討する際には、工学や理学など、それぞれの分野の現状を踏まえて議論すべきである。例えば、数量的に十分なのか、あるいは質が確保されているのか等を明確にしていくべき。
  •  大学のグローバルな人材獲得競争という世界の潮流から日本は孤立しており、世界の中での我が国の人材養成の位置づけを考えていくべき。

【学生の質の確保】

  •  学生支援機構の奨学金の多くの部分は返還しなければならず、大学や国からの経済的支援が少ない状況で、大学院生の質を確保するのが困難な状況。
  •  工学系のドクターのレベルを産業界と一緒に考える機会が必要。分野によって状況は様々であり、きめ細かい対応を検討すべき。
  •  社会人ドクターについて、週末に1回だけ授業を受けて博士号を取るような状況で良いのか疑問。社会人が博士号を取得するための仕組みを考えるべき。
  •  就職が決まった途端に、学生が勉強しなくなるという問題について、自分や親が払ったコストを元にして自分磨きを行うという、自立した精神が、初等・中等教育の段階で身についていないことが問題である。
  •  企業や組織の中でのイノベーション創出を実現するため、中核となる人材をどのように継続的に生み出していくのかを考える上では、日本が本来強みを有する学士等の中堅層の厚さを保持あるいは強化していくことが必要。
  •  諸外国に比べ、教員の数に対して学生の定員数が多すぎることが問題。

【テニュア・トラック制】

  •  テニュア・トラック制について、「いい人材を残す制度」という趣旨をより明確にすることが必要。今後、テニュア・トラック制の運営の在り方について指針を出すべき。
  •  現在の20倍もの応募状況では、優秀な学生であったとしてもリスクが高く挑戦しにくい。これでは「競争」ではなく「くじ引き」になってしまう。キャリアパスとして確立できるよう、テニュア・トラック制をより充実していくべき。

【その他】

  •  科学技術人材の育成は重要だが、より幅の広い人材育成の観点も必要であり、社会科学、人文科学等のバックグランドを持つ科学技術人材の育成を進めていくことが、我が国の幅広い人材の育成につながるのではないか。
  •  はみ出し人材をどのように育てていくかが課題。米国では各州で子どもたちの才能教育を行う仕組みがあり、そこで育った子どもたちが様々な場で活躍するなど、多様なキャリアパスを特別の才能教育が支えており、日本においても検討すべき。
  •  学生が大学院博士課程に進学しない理由として、博士の研究の能力が給料等に適切に反映されない点が挙げられる。
  •  SSH(スーパーサイエンスハイスクール)について素晴らしい成果があがっており、中長期的に全国の全ての高校に広げていくべき。
  •  (秋田県を例として)博士号取得者を小中学校の教員として特別に採用するという試みを全国的に進めれば、新たなキャリアパスとなる。こうした取組を初等中等教育に採り入れるべきではないか。

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)