資料7 研究活動の不正行為への対応についての論点(たたき台)

1.研究活動の不正行為への対応を考える上での基本的事項

1 不正行為が起こる背景

(1)研究現場の現状

 不正行為が起こる背景としての研究現場の現状はどうなっているのか。研究環境はどうなのか。

(2)研究者の意識

 研究者の意識や指導者の姿勢はどうなのか。意識を高める教育の現状はどうか。

2 研究活動の不正行為に対する基本的考え方

(1)研究活動の不正行為とは何か

 捏造、改ざん、盗用、重複発表、オーサーシップ違反などが指摘されるが、科学研究の上での非倫理行為ととらえてよいか。この他にどのような行為が当てはまるのか。

(2)研究活動の不正行為に対する基本姿勢

 研究活動の不正行為は科学への背信行為であり、研究費の多寡や出所の如何を問わず許されないという毅然とした姿勢で臨むということでよいか。

(3)研究者、研究者コミュニティの自律

 不正行為の防止に対する研究者自ら、あるいは研究者コミュニティの自律の必要性。

(4)研究機関、学協会の研究活動の不正行為への取り組み

  1. 行動規範や不正行為への対応規程等の作成
    研究機関や学協会が研究者の行動規範や、不正行為の疑惑が指摘されたときの対応規程等の明文化の促進。
  2. 防止のための取り組み
    研究者モラルの向上のための取り組み、研究ノートの保管等の研究管理に関する規程の明文化や研究者、学生への指導など。

(5)文部科学省における競争的資金に係る研究活動の不正行為への対応

 競争的資金に係る研究活動の不正行為への対応について、研究機関等に対するガイドラインの提示とルールづくりの促進。

2.研究活動の不正行為への対応の具体的検討事項

不正行為への対応のガイドラインにおいて考慮すべきと考えられる事項例

(1)ガイドラインの対象範囲

 行政的な措置等を考えると、ガイドラインの対象となる不正行為は、国費による競争的資金(委託、補助)を活用した研究活動における捏造、改ざん、盗用とすることでよいか。

(2)告発等の受付

 窓口の設置とそのあり方(機関の中での一元化など)、告発等の受付方法など。

(3)調査・事実確認

  1. 実施機関
    原則として被告発者が所属する研究機関が実施することの是非。被告発者が研究機関に所属していない場合や辞めている場合はどうか。
  2. 実施体制
    調査委員会の構成、第三者の参画、学会の協力
  3. 実施方法等
    調査の実施方法(予備調査と本調査の二段階)、調査の期間、被告発者の弁明を聞く機会、判定、調査中の被告発者の研究への措置など。
  4. 不正行為の有無の認定
    認定主体、悪意に基づく告発の認定など。
  5. 競争的資金の交付の停止など
    資金配分機関による、本調査の対象となった被告発者に対する未交付の競争的資金の交付の停止や採択の保留など。

(4)調査・事実確認の妥当性の審査

  1. 妥性審査の必要性
    研究機関が行った調査・事実確認の妥当性を審査する必要性の有無。
  2. 審査の主体・体制
    審査主体は競争的資金を配分した機関でよいか。審査委員会の設置・構成など。
  3. 審査の実施方法等
    研究機関が行った調査・事実確認の手続と体制の審査、調査報告書の審査、研究機関のヒアリング、審査期間など。
  4. 審査結果の取扱い
    研究機関が行った調査・事実確認を適切とした場合の措置、不適切とした場合の措置。

(5)告発者・被告発者の保護

  1. 不利益の防止
    告発者が告発したことによって不利益を受けない、被告発者が告発されたことのみをもって不当に不利益を受けない措置など。
  2. 情報管理
    告発者が特定されない、公表まで被告発者や調査内容が漏出しない措置など。
  3. 調査結果などの公表時期
    不正行為が認定されたとき、処分や行政措置が決定されたときなど、どの時期が適切か。
  4. 悪意に基づく告発の防止
    悪意に基づく告発を行った者に対する措置、告発に根拠を求めることの是非など。

(6)不正行為と認定された場合の措置

  1. 措置の対象
    措置の対象となる者の範囲。
  2. 不正行為の内容や認定された者の公表
    不正行為と認定された者の公表の是非、公表の内容・時期など。
  3. 競争的資金の不交付・打ち切り
    未交付研究費の不交付、不正行為と認定された者に交付されている、不正行為に係る研究費とは異なる競争的資金の打ち切りの是非など。
  4. 不正行為に係る競争的資金の返還
    不正行為と認定された研究に係る競争的資金の返還の是非。
  5. 競争的資金の申請制限
    競争的資金の申請制限の範囲と期間。

(7)不正行為と認定されなかった場合の措置

  1. 被告発者の名誉回復・不利益回復措置
    不正行為でなかったことの周知、調査開始以来とられた措置の解除など。
  2. 悪意に基づく告発者に対する措置
    刑事告発、懲戒処分など。

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科学技術・学術政策局政策課

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(科学技術・学術政策局政策課)