2.科学技術関係人材の養成・確保 3.次代を担う人材の裾野の拡大

(1)理数好きの子どもの裾野の拡大

 次代を担う人材養成に向けては、初等中等教育段階から子どもが科学技術を学び、親しむ環境が人的・物的に充実される必要がある。
 理科や数学が好きな子どもの裾野を広げるため、優れた研究者や技術者等の顔が子どもに見える機会を拡大するとともに、意欲ある教員、ボランティアの取組や大学、公的研究機関、企業等と学校の連携等を支援することで、観察・実験等の体験的・問題解決的な学習の機会を充実する。また、不足や老朽化が著しい小・中・高等学校等の実験器具等の設備に関し、理科教育設備整備補助制度を充実し、積極的に整備を進める。
 高度・先端的な内容の理科・数学等の教科をわかり易く教え、魅力ある授業を行うことができる教員の養成と資質の向上のため、大学における教職課程の教育内容・方法の一層の見直しと充実を図る。特に、教員養成系大学は、その特性に応じ、教育内容・方法の見直しや充実に主体的に取り組むことが期待される。また、教職員の専修免許状の取得のための取組を推進するとともに、高い専門性と実践的な指導力を発揮できる教員の養成を行うことができるよう、教員養成における専門職大学院制度の活用やその在り方を検討する。さらに、幼稚園から高等学校に至るあらゆる段階の教員養成大学附属学校等において、大学の研究成果を取り入れた理数教育を行うなど、大学と連携した実践的な取組を継続的に実施する。

(2)興味・関心の高い子どもの個性や能力の伸長

 理科や数学に興味・関心の高い子どもに対して、効果的な理数教育を行い、科学技術分野において卓越した人材を養成する。このことは、国全体の科学技術振興に資するものであり、地域の自主的取組のみに期待することは適当でないことから、国としての取組を強化する。このため、「スーパーサイエンスハイスクール」や「目指せスペシャリスト」事業の成果を踏まえ、各地域の拠点となる高等学校等を数的・質的に充実するとともに、競争原理に基づく選定・評価を一定期間毎に行いつつ、支援制度を継続する。
 また、高等学校と大学の接続、いわゆる高大接続に関しても、例えば、高等学校段階において顕著な実績をあげた生徒が、アドミッション・オフィス(AO)入試等の方式により適切な評価が得られるようにすることや、大学の協力を得ながら優れた科学技術人材養成のための特別な教育課程を高等学校が編成すること、さらに、高校生を科目等履修生などとして大学に受入れたり大学の教員が高等学校に出向いて授業を行うなど高校生が大学レベルの教育研究に触れる機会を提供する取組を行うことなど、工夫・改善を促進する。

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(科学技術・学術政策局計画官付)