研究者の研究開発活動、広く経済社会活動を安定的かつ効果的に支える、以下の4つのもの。
物差しの目盛りが物差し毎に異なっていると、計量・計測値の信頼性に疑問が生じることとなる。このため、科学的に信頼性のある計量・計測を行うには、共通の計量・計測ルールを持つとともに、標準となる物差しを決めることが必要不可欠となる(これを計量標準という)。
この標準となる物差し(計量標準)を用いて、それぞれの物差しと比較することにより、科学的信頼性のある計量・計測が可能となり、ひいては、国民生活の安心・安全の確保や、国内外における経済社会活動を安定的かつ効果的に支えることが可能となる。
2004年 | 2010年の目標 | |
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微生物(株数) | 約29万 | 約60万 |
動物細胞(株数) | 約34,600 | 約3万 |
動物 (マウス、系統数) |
約3,050 (マウス胚:約6万5千) |
約4千 (マウス胚:約24万) |
植物遺伝資源 ・作物遺伝資源 ・シロイヌナズナ |
約34万7千 約9万9千 |
約60万 約9万 |
2004年 | 2010年の目標 | |
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物理標準 | 179種 | 約250種 |
標準物質 | 184種 | 約250種 |
2004年 | 2010年の目標 | |
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ライフサイエンス分野の計測方法・機器 | 海外に多くを依存している | 国際競争力があり最高水準の性能を有するものの供給を可能とする |
2004年 | 2010年の目標 | |
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ゲノム配列等のデータベース(塩基対数) | DDBJに平成15年10月~平成16年9月に登録された塩基配列データ数:1040![]() |
DDBJに1年間に登録された塩基配列データ数:6000![]() |
タンパク質構造の解析データに関するデータベース(データ数) | タンパク3000プロジェクトによるPDB登録970(平成16年5月現在) | 2005年までにタンパク質全ファミリー構造(約10,000~12,000種類)の1/3以上 |
人間特性データベース | 男女34,000人の178項目の寸法データと3次元画像データ | 体型等が時代とともに変化すことを踏まえて、基本的な寸法データの更新を推進 |
材料物性データベース | 約1,150,000 | 約1,800,000 |
化学物質の安全性データベース(データ数) | 約10,800 | 約4,500 |
地理情報データベース(GIS) | 2002年度末にインターネットを通じて提供・実証実験を行った | 2005年までにインタネットを通じて流通利用する仕組みを構築 |
地質データベース | ・ 20万分の1地質図幅 105図幅 ・ 5万分の1地質図幅 921図幅 |
・ 20万分の1地質図幅全124図幅の整備とシームレス化 ・ 5万分の1地質図幅全1274図幅中956図幅の整備と地質情報データファイル化 |
我が国における知的基盤の整備は米国に比較して大きく遅れており(表1、2)、今後、我が国オリジナルな技術の開発が促進され、国際市場を獲得していくためには、効率的な研究開発を支援する知的基盤の整備に加え、その研究開発成果の価値を評価するための評価分析手法とともに、計量標準(物理標準、標準物質)の整備が必要。このため、戦略的な知的基盤整備に取り組んでいくことが重要。
日本(2004年) | 米国(2001年) | |
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物理標準 | 179種類 | 約300種 |
標準物質 | 184種類 | 約250種 |
生物資源整備 中核機関の規模 生物資源保存 |
約40,000 (独立行政法人 製品評価技術基盤機構) |
ATCC約78,000株 |
日本 独立行政法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター(NMIJ) |
米国 National Institute of Standards and Technology(NIST) |
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職員数 | 約270人 | 約3,000人 |
予算 | 約80億円 | 約770百万ドル |
経済産業省産業技術環境局知的基盤課より
○ 文部科学省「ナショナルバイオリソースプロジェクト(平成14年度開始)」において、バイオリソースのうち、国が戦略的に整備することが重要なものについての体系的な収集・保存・提供等を行うための体制整備を推進している。
○ 厚生労働省・国立医薬品食品衛生研究所「細胞バンク事業」において、培養細胞の収集・品質管理・分譲を開始し、毎年約50種を目標に新規資源の収集を行う。また、「薬用植物資源保存供給事業」において、薬用植物資源250種(前年比増減なし)2,600株(同、増減なし)を収集・同定・保存・分譲している。
○ 農林水産省・独立行政法人農業生物資源研究所「ジーンバンク事業」において、植物23万点(前年比増減なし)、動物896点(同、増減なし)、微生物2.0万株(同、増減なし)、DNA23.1万点(同、7.8万点増)を収集保存、提供しており、新たにゲノム情報を活用したコアコレクションの作成、公開に関する事業を加えた。
○ 農林水産省林野庁・独立行政法人林木育種センター「森林・林業に関するジーンバンク事業」において、林木遺伝資源の探索・収集、保存を推進し、林木29,000点(前年比1,000点増)を保存している。
○ 農林水産省水産庁・独立行政法人水産総合研究センター「水産生物の遺伝資源保存事業」において、遺伝資源の収集・保存を推進し、アマノリ類97点、コンブ類67点、その他の大型海草類74点、微細藻類51点、微生物類1,562点を保存している。また、通常と異なる性質を示す水生生物17点を遺伝子抽出が可能なアルコール固定し保存している。
○ 経済産業省・独立行政法人製品評価技術基盤機構(生物遺伝資源部門)において、欧米並み(2010年までに10万の生物遺伝資源)に生物遺伝資源を整備することを目指し、2005年までに約5万の有用微生物等、微生物を中心とした生物遺伝資源の探索、収集、分離、同定、保存、提供に取り組んでいる。
○ 環境省・独立行政法人国立環境研究所「環境微生物、試験用生物の整備」において、環境微生物、試験用生物の収集・保存・提供に取り組み、環境微生物1,400株を保存している。
○ 経済産業省・独立行政法人産業技術総合研究所(計量標準総合センター)において、欧米並み(2010年までに物理標準250種類程度、標準物質250種類程度)に計量標準を整備することを目指している。
○ 文部科学省「先端計測分析技術・機器開発プロジェクト(平成16年度開始)」において、先端的な計測方法・機器の開発を進めている。その実施方針を決定する「先端計測分析技術・機器開発小委員会」においては、計測分析技術・機器に関する、次期基本計画を見据えた政策の方向性について以下のようにまとめている。(平成16年12月)
アジア・コンソーシアムの設立(2004年10月)(PDF:30KB)(※下記参照)
科学技術・学術政策局計画官付