8.科学技術活動の国際展開

意見の例

  1. 研究水準の国際化、研究評価の国際化の為には、工夫が必要。特に研究発表の方法、発表物に対する評価の方法。研究発表は、外向けには英語で行なわれなければならない。米国においても最近は、科学者の多くは、外国生まれで、non-native speakであり、この問題を解決する為に、各大学・研究には英語が充分に理解出来るScientific Editorがいる。(57歳、男、大学教授、東京都)
  2. 国際的な場で議論をリードできる人間が極めて不足。自分のことを主張できる人間は増えたが、それはまったく別の能力。英語が話せても議論ができることにはならない。(大学教授、東京都)
  3. 科学研究者の語学教育について、ドイツ人は英語でのディスカッションをトレーニングする機会を積極的に作っている。研究室のゼミは英語で行われ、大学院生の英語での質議応答をトレーニングする場になっている。日本人が英語を修得するには、ドイツ人の10倍努力しなければならないと思う。が、実際にそれにかけている時間は10分の1程度であると思う。(38歳、女、ポストドクター、ドイツ)
  4. 日本で発行される学会誌・論文誌のなかに世界で広く読まれるものがきわめて少ない。論文誌による、日本からの世界に向けての科学技術研究の成果発信はきわめて重要。(大学助教授、東京都)
  5. 国際的には、アジア圏を強く意識した考え方が欲しい。孤立化が懸念される現況からの脱却には対アジアから広く門戸を開けるべきだと考える。(55歳、男、会社員)
  6. 日本は世界的に見ても省エネ技術、環境技術が高いレベルにあり、研究開発も進んでいる。しかし残念ながら、日本における技術導入の潜在的市場が小さい。一方、高度経済成長が期待される中国、インドなどアジア発展途上国にとって、上記技術の導入がエネルギー安定供給問題、大気汚染、酸性雨汚染、地球温暖化問題の解決にきわめて重要。したがって、日本とその他アジア諸国の悩みを同時に解決できる方法は、日本が持つ技術とアジア諸国の潜在市場をアジア地域で共有し、協力しあうこと。(42歳、男、中学校教員、佐賀県)
  7. フロントランナーとしての人材が不足している。国内での人材育成は短期間でできるものではないため、外国人研究者の受け入れを進めるべき。受け入れのためには、制度的見直しに加えて、日本で研究したいとのインセンティブを持ってもらうように、まず、魅力ある研究ができる研究拠点を作り、そこで、アジア、欧米の研究者が日本で研究することを望むような環境(最先端の研究設備、研究テーマ等)をつくるべき。地球シミュレータ、SPring-8、スーパーカミオカンデのような世界的な研究設備の構築とそれらを広く利用させることが必要。(会社員、東京都)

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)