7.科学技術と社会の関わり 科学技術に関する国民意識

科学技術に関する国民意識 1

意見の例

  1. 我が国では、自然科学のことを国民が話題にして語ることは極めて稀でほとんど見られない。それは、科学が国民に文化として根付いていないから。科学技術創造立国を目指すには国民全体の科学への関心を高める必要がある。(64歳、男、大学教授、岡山県)
  2. 天動説を信じている子ども、「オウム真理教」「パナウエーブ研究所」などの迷信の信者。今日、日本ではまるで中世に戻ったかのような非科学的文化の蔓延が進行しつつある。彼らはなぜ科学的知識を欠き、あるいは否定し、本当のことを知らないのだろうか?それには、「科学の行き過ぎ」を憂慮するポーズをとるだけで、文化人と見てもらえる日本の文化背景があると思われる。科学技術振興には、一般市民の科学に対するいわれのない否定的思考を排除する政策的努力が不可欠である。(39歳、男、助教授、愛知県)
  3. いわゆる教育番組の視聴率は1%にも満たず、多くの国民はワイドショーやニュース、情報バラエティ番組などから、断片的で歪曲、誇張された情報しか得ていない。しかしながら高校進学後、理系に進む人材が文系の半分にも満たないことを考えると、そのような偏った情報源から科学技術情報の真意を判断する能力は非常にかけていると思われる。(独立行政法人職員)
  4. いかに国民に一般的関心を高めて行くかが肝要、単なる広報活動だけでなく初等教育から充実する必要がある。いわゆる先端技術に対するアレルギーとか、そのうらがえしである神話信仰とかを除けて、一般の正しい理解と判断を促すことにもつながる。また、将来の人材育成にもつながる。広い基礎があってこそ、世界一流の人材が生まれるチャンスも増える。(匿名)
  5. 一般の人、特に主婦は「科学」についての興味が薄い人が多い。「科学は自分とは関係ないもの」と思ってしまっている。子供にとって一番身近な存在である母親が科学に興味を持っていないと、子供も「科学」に触れ合うことが少なくなるのは必然。親子で科学者や研究者と触れ合うことができる機会を増やせばいいのではないだろうか?(34歳、女、会計士、東京都)
  6. 一般国民へ認知してもらう事、さらには次世代を担う子供たちへの投資、に重点を置いても良いのではないかと思います。教育カリキュラム見直し、良質な教員の育成、科学技術館の整備・拡充、良質なドキュメント番組の作成、など。また、国として、今後も技術立国として生きていく事への、一般国民への強い意思表示が重要かと思います。(37歳、男、会社員)

科学技術に関する国民意識 2

意見の例

  1. 科学技術の振興には、国民に科学技術の必要性を認めてもらい、広く受け入れられることが基本である。広く国民が科学技術の成果に接する場としての、科学技術展示館、未来社会体験館のような場を多く作るべきである。(会社員、東京都)
  2. 既存のプラネタリウムの運営活動を助成すべきである。プラネタリウムは、自然と科学・技術を連続的に学ぶ場として、強力な設備である。現在、特に小規模なプラネタリウムが、数十万円の機器メンテ費用の捻出に苦労し、長期休止、閉館を検討している。小規模な設備でも毎日運営すれば年間数万人が利用できる。わずかな助成で、大きな効果がある。(36歳、科学館学芸員、大阪府)
  3. NHK制作の「プロジェクトX」は科学技術の実際の姿を専門でない人間にもわかりやすく伝えることができる優れた作品群です。小学生・中学生・高校生に見せても、分かるし感動するでしょう。そして、多くの子供が自分も科学技術の発展のために力を尽くしたいと考えるようになるでしょう。動機が大切なのです。(49歳、男、大学教授、兵庫県)
  4. 研究者による普及活動を業務として認め、科学者と市民が触れ合える機会の創出を望む。国の研究機関に属する研究者は普及活動が業務として認められにくいために、そのような場を設定しにくい。(23歳、男、大学院生、東京都)
  5. 科学コミュニケーター(科学ジャーナリスト等を含む)は、現在需要が限られているため、その雇用状況を調査しつつ、欧米のように科学コミュニケーションを担う人材養成に取り組んで頂きたい。たとえば大学の副専攻として科学コミュニケーション教育を取り入れることも考慮して頂きたい。また科学コミュニケーション関係の職業へのインターンシップの促進は、試みる価値があるのではないか。(32歳、男、医師、兵庫県)
  6. 民間、自治体、政府資金によるさまざまな科学コミュニケーション活動が広がりつつある。人材の質や力量の不足、ビジネスモデルの欠如のために、まだよい循環ができていない。大学や研究機関が、NPOや教員組織、地域の科学教育グループ、科学館、プラネタリウムなどと連携してビジネスモデルを構築できるよう、現行の資金投入のあり方を見直す必要がある。(37歳、男、ジャーナリスト、東京都)

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)