1.全般 取り組むべき科学技術

取り組むべき科学技術 1

意見の例

  1. 少子高齢化がますますすすみ、高齢者への医療費がかかる将来にそなえて、健康で暮らせればかからない医療費、介護費を削減していくための科学技術;高齢者の予防医学、および予防医学を支える科学技術がもっとも大切な課題。(34歳、男、大学講師、埼玉県)
  2. 高齢化社会と若年労働力不足がさらに進行することを考え、労働力、老化体力維持に取って代わるロボット開発に向けた取り組みが重要。工業用・産業用ロボットが発達している現状を生かし、癒し型頭脳ロボットへの応用を図り、日常生活支援・基本的な生活様式援助や郊外や田畑の工作作業の労働力不足などに対し、安定的に労働力を供給するため、ロボットを開発発展させることが今後の大きな課題。(56歳、男、無職、京都府)
  3. 科学技術政策の目指すべき方向
    1)量子力学を超える、生命科学の理論を構築すること。
    2)ナノテクより精密なピコテク技術の開発、構造生物学に基づく理論創薬技術への応用。
    3)原子レベル(ピコメーター・レベル)での蛋白質構造ダイナミクス制御技術開発。
     上記手法の確立による、癌やアルツハイマー病等の蛋白構造異常に基づく難治性疾患治療薬の開発。
     人類の願いは現在治療法のない疾患の治療薬開発。高度付加価値を有するこのような薬剤開発によって、日本経済を立て直すとともに、人類の平和と健康に貢献する、そのような科学技術の振興を政府は行うべき。(男、研究センター長、岐阜県)
  4. 材料は社会の基盤。第2期科学技術基本計画において材料研究は「ナノテクノロジー・材料」として重点4分野のひとつに位置づけされているが、実際には材料研究開発への直接的資源投入は不十分であった。このため世界トップの日本の材料研究に黄信号が灯っている。材料研究開発への直接的資源投入と学協会を研究開発資源配分の受け皿として活用することを強くお願いする。(57歳、男、社団法人事務局長、宮城県)
  5. 将来を担う人材(例:希望学生数)が減少、特に材料・機械分野で顕著、次世代を託せる人材は乏しい。電子、機械、自動車など今を支える産業の基盤となる材料研究に注力が必要。若手研究者にとって魅力あるものに。「材料立国」キャンペーン、目標や材料ロードマップの具体的明示と議論の活性化、研究資源の投入を期待。また、学生を「コンビニから研究室へ」戻せる抜本施策を期待。(56歳、男、会社員、京都府)
  6. ソフトウェアは、企業の基幹業務システム・生産システム、銀行の決済システムなどの大規模業務ソフトウェアから、携帯電話、情報家電等を始めとする製品の組込みソフトウェアに至るまで、我が国の経済社会活動の根本を支えている。ソフトウェアの開発力を強化することが、これからの我が国の競争力強化に必要不可欠。(47歳、男、団体職員、東京都)
  7. 日本では欧米追随(模倣)型が重視されてきた。これからは、日本独自の「日本発」となる科学技術の振興が重要。例えば「醸造」、醸造の根幹をなす微生物の研究においても、日本独自のオリジナリティーの高い研究を大切にするという視点が必要。(39歳、男、上席研究員)

取り組むべき科学技術 2

意見の例

  1. エネルギー供給が一国の盛衰を左右する。将来のエネルギーは水素エネルギーを主体とした新しい枠組みへと移行する。現行の水の電気分解は経済的水素製造に適合しない。そこで植物における低エネルギーでの水の分解を手本とした革新的水素製造システムを作る必要がある。アメリカにおいては、H2 Economyと称し国策として進めている。その必要性がより高い我が国において国家存立の基盤となる本課題を最重点課題の一つとして提案。(大学教授、福岡県)
  2. 持続可能型社会の形成に向け、国内再生可能エネルギーのみならず、海外再生可能エネルギー利用技術(例えば、オーストラリアの豊富な太陽エネルギーや同国南海岸の豊富な風力)並びに搬送技術(次世代液体燃料であるDME等)により、国際グリーン市場経済に呼応した新産業創生や雇用増大に資する方向性を目指した科学技術。(57歳、男、大学教授、東京都)
  3. 新しい原理ならびに新しい現象を測定し実証するための超高精細・その場計測分析装置、極限的人工環境における物質合成・解析装置、生命の機能・物質動態・環境の模擬・シミュレーション・解析装置、ナノレベルでの物質加工・物性測定解析装置等、あらゆる科学技術分野に共通して強力な牽引力となる先端的基盤科学技術に注力、次期基本計画の主要な柱の一つとする。(64歳、男、大学教授、東京都)
  4. 生産性だけを考えますと工業にはとても太刀打ちできない、農業、林業、水産業等一次産業を支える科学技術基盤、特に農業・植物科学基盤、特に農業、植物科学は、食糧のみならず、エネルギー資源、環境保全の観点からも極めて重要な科学技術・学問であり、宇宙開発、あるいは核燃料に掛けると同程度の支援が必要。(51歳、男、大学教員、京都府)
  5. 昨今の安全科学の重要性の高まりに対して、様々な爆発が起きたときに、どのようにその被害を回避するかという問題を、学際的に解決する必要を感じます。非定常の流体力学、火薬学、安全工学、シミュレーション、構造力学、火山学、原子力工学、そして集団心理などを含んだ人文情報科学等の横断的繋がりが、重要。(44歳、男、教授、宮城県)
  6. 「旅客安全技術を国産航空機開発のキーテクノロジーに」
     我が国の旅客機製造はYS11以来、ないといっても過言ではない、しかし、エアバス社、ボーイング社に出来ない技術を開発できれば希望はある。両社の開発コンセプトは事故を起こさない航空機。筆者提案の開発コンセプトは事故が起きても旅客が生還できる航空機。旅客安全航空機の検討を始めるべき時代。(62歳、男、大学教授)
  7. 医学系補助金が多額すぎる。日本の平均寿命はすでに世界1レベル。これ以上、わけのわからない高度医療(臓器移植、遺伝子組み換え)に、多額の補助金を出すのはやめて。
    日本が遅れているのは、例えば半導体。バランスをとるためにも、せめて医学系補助金を1/4まで減らして、遅れている他の分野の技術を発展させていくことが、これからの日本に必要。(匿名)

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