創造的で質の高い研究開発システムの構築 競争的資金の改革と拡充

競争的資金の改革と拡充 1

主な意見の概要

○ 競争的資金の拡充は必要。
○ 競争的資金と基盤的資金については、様々な意見。

意見の例

● 競争的資金の拡充と基盤的経費について

  1. 日本の競争的資金はもっと増やした方がよい。(大学教授/専門分野:遺伝子多型研究)
  2. 基盤的資金を減らして競争的資金を増やすのは良いが、それによって、研究者の事務仕事が増えてしまうのは問題。(大学助教授/専門分野:ロボット工学)
  3. 基盤的経費を減らし、競争的資金を増額するという方向性は良い。(大学教授/専門分野:超伝導材料)
  4. 大学は余りにぬるま湯の中で何十年も来ているので現状維持の人が多い。基盤的経費が減らされるぐらいで、ようやく緊張感が出てくる。優秀な人が報われるべき。(大学教授/専門分野:行政法、知的財産法)
  5. 中規模の研究費が継続的に措置され安心して研究ができるのが一番ありがたいという声が優秀な研究者も含め多い。
  6. 基盤的経費で研究の場が確保された上で競争的資金の増額を検討することが順当。(新聞記者)
  7. 基盤的資金はあまり削らないほうが良い。競争的資金は、資金を倍にしたからといって、成果が倍になるわけではない。(公的研究機関チームリーダー/専門分野:発生学)
  8. 基盤的資金は組織の資金であり、競争的資金は個人や個人の集合体の資金であるので、この二つをバーターとして考えるべきではない。(公的研究機関グループリーダー/専門分野:ライフサイエンス)

● 間接経費について

  1. (間接経費の)趣旨は資金を獲得した本人の環境整備と考えるので、間接経費は大型資金をとってきたところの事務体制の整備に充てることを望む。(大学の若手研究者/専門分野:農学、工学、理学)

競争的資金の改革と拡充 2

主な意見の概要

○ 競争的資金の審査では、明確な不採択理由が示されず、公正さに疑問。若手を評価委員にすべき。
○ 競争的資金の申請に手間を取られている。

意見の例

● 競争的資金の審査

  1. 科研費は近年実力によるシビアな評価が働いていてよい。
  2. 評価者の増加を望む。PDの給与を2%下げてでも人数を増やす方が良い。(大学教授/専門分野:数理解析学)
  3. 日本の審査は明確な不採択理由が通知されず、公正な評価が行われているかが疑問。不採択理由も、数行程度では全く不十分。(工学博士/専門分野:コンピュータサイエンス)
  4. (競争的資金について)第一線で活躍中の研究者が評価しているとは限らないために、先駆的な課題が見捨てられたり、結局仲間内の研究だけを高く評価し合ったりしているのでは。拡充に併せて評価体制の改善が必要。(大学教授/専門分野:超伝導材料)
  5. 評価委員のレベルが低い。もっと若手を評価委員にした方が良い。若手は評価委員になりたがらない傾向があるが、競争的資金をもらっている人はDutyとして考えなくてはならない。(ベンチャー経営者/専門分野:ライフサイエンス)
  6. 審査・評価において誰が評価者となるのか、どういった観点で評価をするのかが重要。若手の研究者や民間人を評価者に登用すべきである。(大学教授/専門分野:大脳生理学)
  7. 評価者が学協会からの推薦で決まることが問題。別建ての評価機関を作るとなると、高度な専門性を有する人材が要求され、ポスドクの受け皿となる。(大学の若手研究者/専門分野:農学、工学、理学)
  8. 競争的資金による評価疲れもあるところ。(大学教授/専門分野:憲法)

● 申請時の課題

  1. 外部資金の申請の際、事務局、教員とも、しっかりした書類を提出しなくてはいけないとの意識が強すぎて、米国に比べ必要以上に煩雑になってしまっているのではないか。このため以前に比べて大学教員が研究が出来ないほど忙しくなり、学生に対し学問のおもしろさを教授するという大学本来の意義が損なわれ始めている。(大学教授/専門分野:政治学)
  2. 競争的資金の申請書の作成に非常に時間を取られている。申請フォーマットをもっと簡易化すべき。(公的研究機関の若手研究員/専門分野:ナノテクノロジー・材料)

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)