2.将来の経済・社会の姿

(1)わが国は、科学技術によって、第2期基本計画の理念をより具体化した、次のような国家・社会を目指すべき。

第2期基本計画の基本理念 基本理念の具体化
国際競争力があり持続的発展ができる国 強みのある製造業を核にした価値創造型「モノ」創り国家の実現、エネルギーの安定供給と省エネ・省資源型の環境立国の実現
安心・安全で質の高い生活ができる国 高齢化のもとでも、健康長寿で、活力のある社会の実現、広義の安全保障の確保により、安心・安全な社会の実現
知の創造と活用により世界に貢献できる国 世界の科学技術の発展にわが国がリーダーシップを発揮している社会の実現

(2)産業界としても、科学技術をベースにした国際競争力の強化、新産業の創出、雇用の確保に、全力で取り組む。

我が国は、将来においても、科学技術創造立国と同時に貿易立国でなければならない。

 アジアにおけるエネルギー需要予測のグラフ

出典:2003年貿易統計より作成
(単位:兆円)

政策として目指すべき目標
⇒ 価値創造型「モノ」創りによる製造業の競争力の維持・強化
⇒ 資源、エネルギー、食糧の安定確保

強みのある製造業を核にした価値創造型「モノ」創り国家を実現すべき。

  1. 情報家電、次世代自動車など、これからの新しいシステムやサービスの開発を進める中で、日本が強い材料やデバイスとの融合・連鎖がますます重要。
  2. 生産やサービスが海外に移ったとしても、それを支える材料・デバイスに関する知的競争力を維持すべき。
  3. ユビキタス・ネットワークなど、ITを活用して、特にサービス産業における生産性・利便性を向上させることも重要。

矢印

⇒ 価値創造型「モノ」創りを実現する技術(材料、デバイス、システム・ソフトなど)とその融合が重要。

エネルギーの安定供給と省エネ・省資源型の環境立国を実現すべき。

単位:石油換算百万トン

アジアにおけるエネルギー需要予測

  1. エネルギー安定供給、環境適合、経済性の3Eの問題を同時に解決する技術、
  2. エネルギー・資源の安全保障に関わる技術、
  3. 限られた資源・エネルギーからの効率的生産技術、が重要。

⇒ 資源・エネルギーの安全保障に関わる技術に関しては、アジア(特に中国)との連携が不可欠。

将来の経済・社会の姿の実現に向けて、不可欠な重要技術のイメージは次の通り。

将来の経済・社会の姿 実現に不可欠な重要技術のイメージ
強みのある製造業を核とした価値創造型「モノ」創り国家 価値創造型「モノ」創りを実現する技術(材料、デバイス、システム・ソフトなど)とその融合。IT活用して、特にサービス産業における生産性・利便性を向上させる技術(ユビキタスネットワークなど)。
環境立国 エネルギー安定供給、環境適合、経済性の3Eの問題を同時に解決する技術。エネルギー・資源の安全保障に関わる技術(アジアの安全保障を含む)。限られた資源・エネルギーからの効率的生産。
健康長寿で、活力のある社会 高齢者が元気に活躍できるようにするための技術(個人情報を核とした健康管理・活用、生活支援)
安心・安全な社会 セキュリティに関する技術(デュアルユースを含む)。食糧の安全保障に関わる技術。安全・安心な生活空間を実現する社会インフラ・システムに関する技術。
世界の科学技術の発展に貢献する社会 科学技術の発展への大きなインパクトが発揮できる技術(ITER(イーター)、スパコンなど)

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)