4.今後の検討について

 キャリアパスに関する問題については、画一的な方策のみによっては解決することが難しいと考えられる。これまでとりまとめた基本的な考え方を元に、ポスドクが現在直面している課題への速やかな対処という観点と、今後10年、20年先を見通した人材養成という観点の双方を踏まえた上で、より実効性ある施策の実施に向け、国や関係機関において、「博士課程を修了したら全員が大学の研究者になるのが当然」というような価値観に縛られず、キャリアパスの多様化に対応した改革を進めることが強く望まれる。
 知の大競争時代にあって、科学技術に関わる多様な人材を養成・確保すること、特に優れた若手人材の多方面での活躍を促進することは、我が国が直面している喫緊の課題として社会全体で認識されなければならない。このため、業種や分野等の枠を超え、大学等の研究機関、産業界、学協会等の関係者が幅広く集い、我が国の持続的な発展のためにどのような科学技術関係人材が求められているか、そのような人材をいかに養成し、活躍を促進していくかを協議していくこと等により、様々な主体が相互に協力して取り組む機運を醸成していくことが重要である。
 人材委員会としても、今回の検討の整理や、三次までの提言の内容に関して、若手研究者や関係機関などの意見を幅広く聴取し、研究機関や産業界、さらには社会全体で、実際にどのようなことが起きているのか、これまでに実施された施策が狙い通りに機能しているか、改善の兆しは見られるのかといったことも確かめながら、さらに議論を深め、社会に対して強くメッセージを発信すべく、引き続き検討を継続していくこととする。

お問合せ先

科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)