科学技術・学術審議会人材委員会(第78回)における主なご意見

参考資料2-2

科学技術・学術審議会人材委員会(第78回)(平成29年5月9日)主なご意見


○ 博士課程等若手研究者にフォーカスが当てられているが、シニア研究者であったり、企業との連携の視点であったり、全体的な視点で検討しないと若手研究者の問題は解決できないのではないか。(萩谷委員)

○ 議論の整理にあたっては、俯瞰マップ上に数値を加えていくことで、具体的な議論ができるのではないか。(隅田委員)

○ 現在の日本の社会や文化において、科学は一体何のために推進するということが了解されているか、という点から見直してみるのはどうか。(狩野委員)

○ 何を目的にして議論するかというのは非常に重要。経済学の観点からは、潜在成長率を引き上げるためにはトータル・ファクター・プロダクティビティ(TFP)が重要であり、TFPを上昇させるには科学技術、テクノロジーが重要であるという認識がある。(勝委員)

○ 例えばセクター間の人材流動、国際間の人材流動、論文数など低迷しているほか、博士課程の外国人割合が増加しているなどの状況にあり、科学技術を向上させるためにはこうした裾野の取組が重要であるが、このためには、研究大学の運営費交付金の在り方や、私大への補助金、企業との連携など、日本型社会という構造的な点について考えるべきではないか。(勝委員)

○ 人材政策を検討するにあたり、特にビジョンの共有やエビデンスの共有は非常に重要。どれだけの若手研究者を育成していくべきか明らかになれば卓越研究員事業の人数などの議論ができる。第5期科学技術基本計画の目標値の達成に向け、具体的な方策については内閣府の中では十分議論していないので、人材委員会において議論していくべき。(林委員)

○ 例えば、若手研究者の雇用自体は不安定になっているが、研究者数は増えている一方、国からはそれだけの人数を雇用できる人件費が支援されており、資金の問題ではなく制度上の問題と考えられる。このような議論に基づく対策が実態として機能するかどうか、委託調査などによりエビデンスに基づいた対応策を打ち、課題解決に向けた計画を立てるべき。(林委員)

○ 若手の雇用の不安定さについて、安定雇用は本当に難しいのかということをもう一度しっかり考え直した方が良いのではないか。(宮浦主査)

○ これからの議論としては、局面的な議論と大局的な議論の両方の視点が必要。第5期科学技術基本計画で提唱された問題を検証して、どう解決していくのかという5年程度の局面的な問題がある一方で、人材について10年単位で大局的な問題として考えていかないといけない。(宮田主査代理)

○ 高校生の段階、場合によっては中学の段階から理系・文系に分けてしまい、理系を選ばないともう理系人材にはならないという状況が問題ではないか。(萩谷委員)

○ 少子化は避けられない。国内の大学が海外から留学生を数多く集める実力がなければ大学の数は減るのは必然。(宮田主査代理)

○ 科学が発達した土壌は、「私」という個が大事であるが一方説得すべき「あなた」がいる、という西洋的文化が背景にある。一方、グローバリズムによって、東洋的な社会規範である「あなた」と「私」は同じという考え方の転換を要求している。だとすれば、「あなた」の取組を、どう評価し支援すればいいか、文化的な特性を考慮し、人材育成を進めていくべきではないか。(狩野委員)

○ 「ビジョンの共有」は重要であるが、知のプロフェッショナルである博士人材ということについて、“誰と”ビジョンを共有するのか、日本の人口のどれくらいの割合がそのように思っているか。ビジョンの幅広い共有が必要であり、広報宣伝など幅広に理解を深める方法についても議論が進めばいい。(塚本委員)

○ URAやPMといった新しい職というのは、取り巻くステークホルダーが、新しい職を理解し活用するという姿勢を示すことが必要になる。個人的な経験からは、任期付き雇用であっても、任期の中で実績を積み、希望するキャリアにつながった。周囲の理解のおかげであり、任期制を活用するための関係者の理解も大事。(高橋(真)委員)

○ 博士の学生数やポスドクの数を、何人、どのようにするのが理想像として向かっているのかということが、立場や考え、分野等によって随分ぼんやりしており、目標を明確にしていくべきではないか。(髙橋(修)委員)

○ リーディング大学院やEDGEプログラムなど、様々な仮説の下事業が推進されているものであり、単に報告書や事業評価のみならず学術的な研究として分析・検証していくことが必要ではないか。(髙橋(修)委員)

○ 大学の中で、自分の研究成果を社会に実装していくようなスタートアップの人材不足が深刻。(髙橋(修)委員)○ 今の博士の社会活躍の状況が一体どうなっているかをはっきりさせる必要がある。特にここ数年、企業側で博士に対する採用や期待にかなりの変化が起こっているにも関わらず、いまだに10年前の企業が感じる博士のイメージや博士の意識等ドクターの社会活躍に関する古いデータに振り回されている。(川端委員)

○ 研究者になりたい人がいなくなってきている。研究者になるための障害を除けばいいという前提が崩れている。ドクターに行きたくなるような施策について、学生目線で作る必要がある。(川端委員)

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