国で実施している理数科教育に関する教員研修について

 教員に対する研修は、国と地方公共団体が役割を分担しつつ相互に関連をもって実施している。
 国は、全国的な教育水準の維持・向上に関する責任を有しており、こうした観点から都道府県等において指導的な役割を果たすことが期待される教員を対象とした研修、全国的な教育上の喫緊の課題に関する研修を、各都道府県教育委員会等から派遣された教員に対して実施している。
 また、教員の研修については、教員の任命権者である都道府県教育委員会等が一義的な責任を有しているが、国は全国的な教育水準の向上を図る観点から、教育公務員特例法に採用1年目の全教員を対象とした初任者研修を任命権者(都道府県教育委員会等)に義務づけている。さらに、平成15年度より、教職経験10年を経過した教員に対する個々の教員の能力、適性等に応じた「10年経験者研修」を創設し、教科指導・生徒指導等に関する指導への向上を図っているところである。これらの研修において、理数科教育についてもその指導力の向上をめざしている。
 なお、国において実施している理数科教育に関する研修としては、以下のような研修がある。

1.独立行政法人教員研修センター

(1)教職員派遣研修(理科教育)[科学教育研究室研究生]

ア 目的

 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び盲・聾・養護学校の理科教育の担当教員に対し、理科教育に関する基礎的研究を行う機会を与え、もって理科教育担当教員の資質向上を向上し、その指導力の強化を図る。

イ 研究方法・内容

 都道府県教育委員会等の推薦を受け、研究生として当該教員を大学に派遣し、理科教育に関する新しい実験の方法及び教具の開発、地域に則した教材の研究等、理科教育の指導のための研究を行う。

ウ 研究期間

 3ヶ月以上1年以内

エ 派遣実績

平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
受入大学数 18 17 16 15
派遣人員 75 76 72 60

2.独立行政法人国立科学博物館

(1)理科担当教員研修

ア 目的

 小学校、中学校、高等学校等の理科担当教員等に対し、動物・植物・地学・人類の4分野でテーマを設定し、実習を中心に知識・技術の向上を図り、理科教育の充実・発展に資する。

イ 内容

 動物・植物・地学・人類の4コースの選択制で、教材作製等の実習を中心に3日間の研修を実施する。

ウ 研修参加者数

平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
参加人員 67 71 70 70

(2)科学教育指導者研修

ア 目的

 科学教育に携わる教員等を対象に、実習を中心とした研修を行い資質の向上に資する。

イ 内容

 教材や標本等の作成方法等について、実習を中心とし5講座で各1日実施する。

ウ 研修参加者数

平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度
参加人員 124 144 139 116

3.文部科学省科学技術・学術政策局

(1)サイエンス・パートナーシップ・プログラムにおける教員研修への支援

ア 事業の概要

 文部科学省では、科学技術・理科大好きプランの一環として、サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)事業を行っており、その中の取組の一つとして教員等に対して先進的科学技術・理科に関する研修を行う際の支援を実施。当該教員研修は、科学技術・理科、数学に関する特定の主題について教員の理解を深めるため、講義、観察、実験等により構成されるものを想定している。

イ 支援対象となる研修

  1. 都道府県教育委員会等が、大学、研究機関等の研究者、技術者を講師として所管する教育センター等に招へいし、小学校、中学校及び高等学校等の教員を対象として、科学技術・理科、数学について講義等を行わせるもの。
  2. 大学、研究機関等が、都道府県教育委員会等と連携しつつ、当該大学、研究機関等において、小学校、中学校及び高等学校等の教員を対象とした科学技術・理科、数学に関する研修プログラムを実施するもの。

 平成15年度は全国で112件の科学技術・理科、数学に関する教員研修の実施を支援。

お問合せ先

科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

-- 登録:平成21年以前 --