6.国際交流における人材育成について

○ 我が国が世界をリードする科学技術水準を保持し続けるために、研究人材の国際的好循環の一翼を担うための方策優秀な留学生や外国人研究者にとって魅力ある拠点の形成など、国際交流という観点からの人材育成方策について議論してはどうか

※日本を世界に開かれた国とし、アジア、世界との間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大する「グローバル戦略」の展開の一環として位置づけ、新たに「留学生30万人計画」の具体化に向けた検討が中央教育審議会・留学生特別委員会において進められている。
※大学における研究者の海外への長期派遣者数が減少している状況。
※日本人の海外留学者の半数程度が留学するアメリカにおいて、近年日本人留学生数が減少している状況。

(参考1)政府の諸会議の動向

○ 「革新的技術戦略中間とりまとめ」(平成20年4月10日第74回総合科学技術会議配付資料)(抜粋)

【トップクラスの挑戦する人材の育成・獲得と流動性の確保】(再掲)

  • 世界最先端の研究施設・拠点に優れた外国人を受け入れるための魅力ある研究・生活環境を整備するとともに、研究機関毎に目標(例えば、大学に教授、准教授としての外国人の採用比率を2011年までに倍増)を設定し、世界から優れた頭脳を受け入れ
  • 学生やポスドク、教員等の海外派遣を飛躍的に拡充し、国際的競争環境下での研鑽を推進するとともに、テニュア・トラック制度の導入などにより、世界で戦える若手や女性を能力にふさわしい処遇で迎え、人材の還流を促進

○ 「大学・大学院の研究システム改革-研究に関する国際競争力を高めるために-」(平成19年11月28日第71回総合科学技術会議配付資料)(抜粋)

 優秀な頭脳の国際的循環が急速に進展している昨今では、研究の国際競争力が高い大学・大学院に世界中から優秀な人材が集まり、そのことにより研究水準が更に高まり、国際競争力が増すという、研究人材の国際化と研究水準の向上の相乗効果が生じている。このため、世界各国とも、研究費や奨学金の拡充等により、優秀な人材の獲得にしのぎを削っているところである
 この観点から我が国の大学・大学院を見ると、留学生・外国人教員比率が欧米諸国と比べて著しく低く我が国の大学・大学院卒業者の海外の研究機関や企業への就職も限定的であるなど、研究人材の国際的循環から疎外されている。
 我が国が研究面でのグローバルな競争に勝ち抜くためには、国際的に活躍する人材を我が国の大学・大学院から輩出するとともに、留学生・外国人研究者を惹き付けられる魅力ある研究環境を構築することが不可欠である。

【我が国の研究人材の海外での活躍の場の拡大】

 我が国が研究人材の国際的循環の一つのコアとして国際的に認知されるためには、我が国の人材の海外での活躍、我が国の研究水準の海外への発信力の強化も大きな課題である。
 このため、学生の海外派遣を拡充し、博士課程在籍者の1割程度を1年間留学させる、英語による授業を標準とする等により、国際的な研究者コミュニテイで自己主張できる人材を早くから養成することを目指す。学生の海外派遣、若手研究者の国際学会での発表等の支援を拡充する。また、研究者の海外での就職も支援し、双方向の交流を目指す。

【外国人研究者等の受入の拡充】

 外国人研究者の受入の拡充については、その必要性が学内で認識されているものの、一向に進展していない現状に鑑み、外国人教員採用比率の倍増等の受入目標値を設定するとともに、研究者の国際公募外国人研究者のスタートアップ時の支援柔軟な給与体系の整備等を実施し、大学全体として外国人の受入を飛躍的に拡充する。
 また、留学生や外国人ポスドクの受入を拡充するために、大学院の教育カリキュラム改革国内での就職を見据えた産学連携の強化事務局の英語対応を推進するとともに、住環境を含め、国際的にも魅力あるキャンパスを整備する。

(参考2)人材委員会における意見(第36回~39回)

○ 日本全体の国力、競争力を考えた場合、18歳人口が減少するので、特にインドや中国から優秀な大学院の留学生をたくさん採用し、彼らが日本の企業に採用されるシステムをつくっていかなければいけない。(第38回)
○ 海外との交流については、就職などの面について大学院がどのようにして支えるのか。いつまで日本の大学院は全て日本語で教育しているのかなど、抜本的に変えなければいけない。(第38回)

(参考3)関連審議会

○ 科学技術・学術審議会国際委員会
○ 中央教育審議会大学分科会留学生特別委員会

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科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

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