人材委員会(第114回)議事録

1.日時

令和8年3月24日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館 15F 科学技術・学術政策局1会議室 及び Web 会議(Zoomウェビナー)

3.出席者

委員

狩野委員、天野委員、稲垣委員、江端委員、川越委員、杉山委員、武田委員、水口委員、湊委員、宮崎委員、和田委員

文部科学省

西條科学技術・学術政策局長、福井大臣官房審議官、井上科学技術・学術総括官兼政策課長、奥人材政策課長、中村人材政策推進室長

4.議事録

科学技術・学術審議会 人材委員会(第114回)

令和8年3月24日

 
 
【狩野主査】  それでは、ただいまから第114回の科学技術・学術審議会人材委員会を開催いたします。
 本日は2件議題がございます。
 本日の出席状況は15名の方々に出席いただいておりまして、定足数が満たされております。
 それでは、議事に入ります前に、まず、本日の委員会の開催に当たりまして、事務局から注意事項と資料確認をお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】  本日の会議は、対面とオンラインのハイブリッドでの開催となり、100名以上の方に傍聴いただいております。御発言の際には、対面で御出席の委員は挙手または名立てなどで合図を、オンラインで御出席の委員はボタンを押していただくようお願いいたします。主査より指名を受けましたら、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。機材の不具合などがございましたら、対面で御出席の委員は会場の事務局にお声がけいただき、オンラインで御出席の委員はZoomのチャット機能でコメント、あるいは事務局への御連絡をお願いいたします。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。事前に送付させていただきました資料としまして、議事次第、資料1-1から1-5、資料2、そして参考資料がございます。資料につきましては、Zoom上での共有も行います。議事進行の過程で不備などがございましたら、事務局までお知らせ願います。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 では、これから議事に入ります。恐縮ですが、プレスの皆様は退出をお願いするタイミングでございます。ありがとうございました。
 引き続き150名以上の方に傍聴いただいているということで、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事でございますけれども、議題の1番目は、今後の科学技術人材政策の方向性についてということで、1つ目が、科学技術職員の人事制度に関するガイドラインについて、それからダイバーシティの確保について、もう一つ、産業・科学革新人材事業についてということに分かれております。以上の3つについての議題1になりますけれども、まず、技術職員の人事制度に関するガイドラインについてということで進めてまいります。
 これまで、この科学技術人材多様化ワーキンググループに検討いただいてきました技術職員の人事制度等に関するガイドラインについて、まずは内容をしっかりと事務局より説明をお願いしたいと思います。では、大場さん、お願いします。
【大場人材政策室長補佐】  資料は資料1-1、資料1-2、参考資料の2になります。
 科学技術人材多様化ワーキングにて議論検討を行っていたところです。前身のワーキングを含めますと、11機関の方々にヒアリングにお越しいただきまして、ワーキングでヒアリングを行ったところです。昨年12月開催のワーキングに試算を提出し、意見を踏まえ、2月22日のワーキングにて再度案を提出いたしました。そこでの議論を経て提出するものが、このたびの案です。本日の議論を経て、今月中に公表する予定でございます。
 まず、概要から説明させていただきます。
 こちら、ガイドラインを一枚紙として簡潔にまとめたもので、目的、対象、そして構成を簡単に説明しております。
 まず、この目的を読み上げさせていただきます。
 我が国の科学技術イノベーション創出には、研究大学等がその研究力を最大限に発揮し、社会課題の解決や新たな価値の創出に貢献し続けることが不可欠。そのためには、技術職員が研究者と協働する高度専門人材として、我が国の研究環境の向上に向けて果敢に取り組んでいくことが重要。研究大学等が、機関の研究戦略と連動させ、技術職員の活躍を促進するための組織体制の整備、人事制度の構築及び人材育成等の取組を進める際に活用するためのガイドライン。対象としましては、研究大学等。構成としまして、1章から5章まであります。第1章が経営層のリーダーシップとコミットメント、第2章が技術職員の組織的・戦略的マネジメント、第3章に入って人事制度の構築ということで、ここで人事制度の話が出てきます。第4章、高度専門人材としての育成、第5章が組織体制の強化に向けた財源の確保です。
 では、ガイドラインに沿って、説明させていただきます。
 資料の1-2、はじめにの真ん中よりやや上のところ、「こうした」のところでございますが、研究大学等における変革や科学研究手法の進展に伴い、技術職員一人一人が我が国の研究環境の向上に向けて果敢に取り組んでいくことが重要である。技術職員がその有するスキルを十分に発揮し、我が国の研究力強化に貢献していくためには、職員の業務の組織化・一元化や、職階及び評価の確立及びそれに伴う処遇の充実・改善を含めた人事制度の確立、人材育成制度及びキャリアパスの構築が必要。研究力強化を実現する上で核となるのは、研究者、技術職員、研究開発マネジメント人材、事務職員等といった多様なステークホルダーが、それぞれの専門性を発揮しながら連携できる組織をつくることであり、こうした組織づくりを指導することこそが、研究大学等の経営層に求められる役割である。経営層が多様な人材間の連携を促す環境の整備に責任を持つことで、初めて制度が実効的に機能し、研究基盤の強化と大学経営の高度化が実現すると。本ガイドラインは、技術職員を個別の研究室や研究プロジェクトにおける補助的存在ではなく、研究者や研究開発マネジメント人材、事務職員等と「二人三脚」で研究大学等の研究開発を推進する高度専門人材と位置づけ、研究大学等における技術職員の組織体制や人事制度の整備に向けた基本的な考え方を示すものである。参考として、多様な先行事例も紹介しております。
 またのところでございますが、研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインが出来上がったものです。それから、今年度の6月に公表しました研究開発マネジメント人材の人事制度等に関するガイドラインがございます。これらと一体的に活用されることを前提として作成しており、これらと併せて活用することで、研究大学等における取組が相乗的に進むことが期待されるとしております。こちらの簡潔につきましては、また、後ほど参考資料の2で説明させていただきます。
 対象とする技術職員でございますが、教育研究系技術職員を念頭に置いております。しかし、研究大学等の経営戦略の、次のページにありますが、多様性を鑑み、教育研究系技術職に限らず、研究者とともに研究活動に関わる技術系職員を含み得るものとするとしております。
 次に、4ページ、第1章、経営層のリーダーシップとコミットメントについてです。こちら、もともととしましては第2章から始まる予定でしたが、このガイドラインの中に経営層に簡潔に伝わる内容が必要だろうということで、第1層として、経営層に対してのものという文脈で作成したのがこちらになります。
 総論のところについて、技術職員の活躍は不可欠であり、そのための具体策として、技術職員の組織的・戦略的マネジメント、人事制度の構築、高度専門人材としての育成、組織体制の強化に向けた財源確保に取り組むことが求められる。これらの取組は、研究大学等がそれぞれのミッション・ビジョンに沿って実行する研究戦略の内容として位置づけられるべきものであり、理事長、学長、理事、副学長等の軽装の主体的関与なしには実現しない。したがって、研究大学等の経営層は、本ガイドライン第2章から第5章までの記載を参照しつつ、以下の事項に取り組むことが重要だということとしております。
 それぞれが各章の概要となりますが、第2章が経営マターとして書かせていただいているものなので、簡潔に説明させていただきます。
 経営層は、自大学等の技術職員に求められるスキルや配置の在り方を的確に把握した上で、その組織化を図り、技術系部門の高度化に向けた施策を立案・実行する責務を果たさなければならない。その際、研究大学等としてのミッション・ビジョンに基づく中長期的な計画の下で、技術職員に関する組織体制の整備と人事制度改革を一体的に進めることが肝要である。また、これらの取組は研究設備・機器等の整備とも連携して進める必要がある。すなわち、機関内に存在する設備・機器・サービスの全体像や今後の導入計画を的確に把握し、その機能を最大限化する上で必要となる技術職員の戦略的な確保・育成を図るための研究開発マネジメントを確立することで、研究大学等の研究力を支える研究基盤の持続的発展が実現できる。つまりは、技術系部門のマターではなくて、経営のマターなのだというところをここで示させていただきました。
 次のページに移らせていただきます。
 第2章、第3章、第4章につきまして、また後ほど説明いたしますので、ここでは割愛させていただきまして、また大きな経営マターとして第5章ございます。それは組織体制の強化に向けた財源の確保というところで、5ページにて、技術職員に求められる役割を踏まえた組織的・戦略的マネジメントを行うこととともに、優れた技術職員の採用や処遇、計画的育成を実行することは極めて重要である。このため、これらの取組を安定的・持続的に実施する上で必要となる財源の確保は、研究大学等の経営における最も重要な課題と言える。経営層は、運営費交付金等の基盤的経費のほか、多様な外部資金の活用など、あらゆる方策を検討しながら、研究大学等としてのミッション・ビジョンの実現に向けた投資として、技術職員の活躍促進に必要な財源を確保することが求められると記載しております。
 次のところで事例紹介しております。ここに書かれている4つの事例でございますが、組織体制をつくっただけではなく、つくったことによって何を目指すのか、どういったことを実現したのかのようなところまで書かせていただいております。そういった大学の取組を記載させていただきました。
 北海道大学について、理事または副学長を本部長に置くITeCHにより、技術職員人事の実質的な一元化を実現しています。そこの組織の中に、司令塔組織としてPM室を設置し、本部長の指示の下、大学のビジョンを反映した統合的な施策管理と戦略的意思決定の推進体制を構築したと。2つ目のポツについて、PM室の下に置く専門部会に技術職員が構成員として参加し、将来構想、技術連携広報、研修実施等の検討を行っている。ビジョンに基づいて、技術職員が企画機能として果たしているというところでございます。そういったところでの出てきた内容、フィードバックを丁寧に収集して、これをPM室が本部施策へと具体的に反映させることで、組織全体の実効性と生産性の向上につなげている。
 次、東京科学大学も紹介させていただきます。こちらは、リサーチインフラ・マネジメント機構に全学の技術職員を一元化、ここの機構に設置した研究基盤戦略会議等により、経営層のビジョンを技術職員と共有。そこの下にある各種委員会に技術職員が参加し、技術職員指導により設備マスタープランの策定、技術職員のキャリアパスや人事制度、TCカレッジをはじめとした研修制度の企画立案を実施しているというところでございます。
 その下の信州大学、山口大学もありますけども、同様でございます。
 経営層がビジョンを掲げ、それと同じ方向を技術職員が向き、彼らが現場の課題だとかを共有することで企画機能まで持っているというふうな例示として、こちらの4つを挙げさせていただきました。
 次に、第2章でございます。
 技術職員の組織的・戦略的マネジメント。(1)職員に求められる役割で第2段落です。今後、技術職員には、従来実施されてきた教育研究活動を支える幅広い業務を担うことを基本としながらも、研究大学等の研究力の強化のためのさらなる役割もまた期待される。これらの業務をどのように実現していくか、技術職員に期待される役割を研究大学等は戦略的に描いていく必要がある。同時に、技術職員が期待される役割を十分に担い、活躍していくためには、技術職員と協働する多様なステークホルダーの理解が不可欠である。研究大学等の経営層だけではなくて、研究者や研究開発マネジメント人材、事務職員も、技術職員が高度専門人材として活躍できるよう、必要な体制整備等に積極的に関与していくことが期待される。例えば、研究に必要な技術支援への対価は、適切に評価された上で、技術系部門の体制整備等のための経費として扱うことが必要であると。技術職員に期待される役割として、3つ、1つ目が研究基盤の確保と書かせていただいております。2つ目が研究者との協働で次のページ、3つ目が技術力を生かした社会との連携というところで、今日の説明で割愛させていただきますけれども、そういったことの詳細を書かせていただいております。
 次、技術職員の組織化になります。10ページの(2)です。
 1つ目としまして、技術系部門の組織化と実効性ある体制の構築。技術職員がその専門性を十分に発揮し、研究大学等の研究力強化に貢献するためには、学部や研究室単位での独立した人事制度とするのではなく、全学的な組織マネジメントを実践することが重要であること。
 次の段落になりますが、研究基盤の確保は研究戦略と一体的に進めるものであるから、技術職員の組織化に当たっては、研究開発マネジメント部門との連携が不可欠。また、経営層が研究基盤の現状や課題を把握し、人材の確保・育成も考慮しながら、経営戦略として研究基盤の確保を進める必要があることから、技術系部門のトップに理事や副学長を置くことが重要であると。技術部門の組織化に際しては、組織を学部・研究科単位で分けるのではなく、機器や技術領域ごとに業務を整理・構築することが有効であると。
 次の段落でございますが、多様な専門性を持つ職員が相互に連携しながら業務を遂行できる環境を整備することで、研究大学等間での人事交流やクロスアポイントメント制度の活用、遠隔支援を通じた人材のシェアリングなど、中長期的な人事計画の下で柔軟な組織設計が可能となる。構築した体制が十分に機能するためには、技術職員が担当する職務を全うすることができるよう、必要な研修等の人材育成体制も整備していく必要がある。
 事例として筑波大学を挙げておりますが、これはクロスアポイントメント制度の事例でございます。特別共同研究事業の下、高度な計測装置を扱える企業の技術者を高度専門人材として、クロスアポイントメント制度を活用し、教職員で雇用していると。大学が持っていない技術を企業のほうからクロアポで来てもらい、そして大学がその研究基盤力を持つ。さらに、技術職員や研究者、加えて学生もそういった技術を研さんする機会を得ることができるということで、クロアポを活用している事例でございます。
 次、丸2が組織改革と人事制度の改革の一体的な推進です。ここ、ワーキングのときに最も議論が活発化し、意見が出て共感が得られたのがここの内容だったのかなと思っております。技術職員の組織体制に関する改革を進めるに当たっては、技術職員の人事制度に関する改革を同時に実施することが重要であると。これらを段階的に分けて実施した場合、時間の経過や担当者の交代などにより、改革の目的や方向性が一貫性を欠き、制度間の連携が損なわれるおそれがある。例えば、組織を一元化したにも関わらず、人事制度が旧来の枠組みにとどまれば、組織体制が形骸化し、実効性のない運用が続く可能性がある。特に、組織体制のうち人事・財務に関連する制度は、相互に密接に関係しており、個別に改定するのではなく、全体を俯瞰した上で統合的に議論、・設計する必要があり、経営層のリーダーシップにより、制度の目的と運用が乖離しないよう、改革の初期段階から一体的な方針を打ち出すことが重要であると。東京科学大学が、こちら、それぞれの都市にどんなことをしているのかということが書いておりますが、共通することとしては、一体的に行ったというところになるのかなと思います。
 (3)の研究支援体制や職務内容の可視化です。丸1、研究基盤や技術支援サービスの可視化。研究大学等がその研究力を持続的に強化していくためには、技術職員の業務を体系的に整理し、学内の研究基盤や技術支援サービスの内容を正確に把握することが不可欠であると。次の段落でございますが、研究者にとっては、利用可能な支援体制が明確になり、研究活動の効率化や質の向上につながる。また、外部の研究機関や企業に対しては、研究大学等の研究基盤や技術支援サービスを示すことで、連携や共同研究の促進に加え、産学連携を進める際、民間企業が機関の技術職員の役割を理解し、共同研究費に技術職員の人件費等を適切に計上することへの理解促進にも寄与する。さらに、民間企業との人事交流や、民間企業から機関への人材確保の可能性を広げる契機にもなり得ると。また、技術職員が担う役割や必要な知識・スキルを明示でき、責任範囲を明確することも可能になると。これにより、業務の効率化や人材育成の計画的推進が実現し、さらに人事戦略や評価制度の適正化にもつながる。
 丸2が職務内容の可視化でございます。こちらは、内側の話になりますが、技術職員の専門性や貢献を適切に評価し処遇改善につなげることにも有効だと。また、技術職員の役割に対する社会的理解を深め、高度専門人材としての地位の向上にも寄与するといったことを書いております。事例紹介として、北大以下の例をここでは紹介させていただいております。
 次のページをお願いします。
 第3章が人事制度の構築になります。(1)優秀な人材の確保で丸1、業務内容に応じた柔軟性ある処遇の実現です。
 2段落目です。技術職員の採用時の給与は、画一的な給与体系に基づく一律的な設定ではなく、業務の専門性、必要とされるスキル、実務経験、人材市場の状況などを総合的に勘案した柔軟な決定が求められる。特に、先端的な研究分野においては、高度な機器操作やデータ解析、研究支援の実績を有する人材への需要が高まっており、採用段階から専門性や経験に応じた処遇を設計することが、優秀な人材の確保と定着に直結すると。例えばと挙げておりますが、民間企業において研究開発業務に従事し、実践的な経験や高度スキルを培ってきた人材は、研究大学等における臨時職員としても大きな力を発揮し得ると考えられると。こうした人材の知見や経験を適切に評価し、採用時の処遇に反映させることが重要であると。
 次の段落は、博士号取得者でなければ対応が難しいような領域も存在します。そのような人材に対しては、博士号取得をインセンティブとする給与設定を行うということが重要だと。技術職員の業務は多様であり、専門性や市場需要に応じた柔軟な給与体系を導入することで、人材の安定的に確保・育成することが可能となると。
 次の段落でございますが、国立大学について触れております。国立大学は法人化しており、現状として自由な給与設定ができるのですが、承継枠があるからできないというような、誤解が生じているところもあるのではないかというところで、明確化するために承継職員の定義から書かせていただいております。国立大学法人におけるいわゆる「承継職員」は、退職手当精算時において、当該職員が国家公務員であると仮定計算した退職手当額を上限に特殊要因経費が措置される対象職員を指すものであり、承継職員であることをもって、各法人における独自の処遇設計を制限するものではない。したがって、国立法人においても、研究大学等が求めるスキルと、採用する人材の専門性や経験を踏まえ、柔軟な給与設定による雇用することが可能。国家公務員の俸給表を参考とする場合でも、採用段階から上位級を適用することや、法人独自の手当を設けることができると。また、承継ポストを用いず年俸制による雇用形態を導入することも可能。これは、民間企業等でスキルを磨いて比較的高い年齢層で雇用する場合など、退職手当が処遇面で大きな魅力とならないケースがあるかと思います。そういった場合には有効な制度と考えられます。なお、年俸制は必ずしも任期付として雇用する必要はなく、期間の定めのない雇用とすることで人材の定着を図ることが可能になると考えられる。
 こちらの事例として、大阪大学です。大阪大学は、職位別のポイント制というのを技術職員にも適用されておりまして、さらに技術教員ということも創設しております。これによって、民間から高度専門人材を高い待遇で雇うということが可能となる。また、大学にいるポストドクター等の新たなキャリアパスとしても活用できるということで考えていると伺っております。
 丸2の多様な採用ルートについて、14ページをご確認ください。
 従来の採用慣行にとらわれず、東京大学等の実情に応じて柔軟な採用方法を活用することが有効な方策の1つとなる。具体的には、民間企業も含めた他機関での経験が豊富な人材を採用する方法(キャリア採用)や、機関間で人事交流やクロアポの活用、退職予定者の技術継承を目的に当該退職予定者が在籍している間に後継人材を採用する方法などがあると。研究者から技術職員への展開を可能とするキャリアパスの構築も重要だと。その際には、給与体系や人事制度の違いが流動の阻害要因にならないよう、制度間の整合性を確保するとともに、キャリア転換に対するインセンティブの設計が不可欠となると。
 下から2つ目の段落でございますけれども、技術職員として職種の魅力を学生に伝える手段として、ジョブ型インターンシップを通じて研究者とともに最先端の研究活動を支える経験を提供するということも有効。こうした取組は、博士人材にとって技術職員をキャリアパスの1つとして認識する契機ともなり得るということを書かせていただきました。
 次からは事例紹介でございます。クロアポの事例としましては、KEKの事例を紹介させていただいております。
 続いて、15ページ、評価に基づく処遇と業績評価の在り方です。ここでは、レポートラインに基づく評価体制構築というところで、やはり組織である以上は、上司部下の関係での評価が重要だということと、ただし現場の意見を聞くというプロセスも考えられるだろうというところで、それぞれ、金沢大学や山口大学の取組を事例として紹介しております。
 次に、17ページをお願いいたします。
 (3)キャリアパスの構築です。技術職員が長期的に専門性を高めながら活躍し続けるためには、高度専門人材としての知識・技術が評価され処遇に反映される仕組みの構築が不可欠である。このため、技術職としてのキャリアパス(マネジメント系統)のみだけではなくて、高度な専門性に見合った高い処遇がなされるキャリアパス(スペシャリスト系統)の構築が求められると。ほかの研究大学等や企業等への出向制度や共同研修制度を整備し、技術職員が多様な現場で経験を積めるようにすることも考えられる。研究大学等の規模によっては、技術職員数が少ないために、学内でジョブローテーションが限定となることも考えられることから、他機関との連携によるキャリアパスの整備はより効果的であると。研究開発マネジメント人材や研究者への転換など、人材の適性に応じて他職種へのキャリア展開を可能とする制度設計も重要であると。
 事例紹介のところが幾つかございます。1つ目が、キャリアパスの複線化の例として、北海道大学であれば、マネジメントのキャリアパス以外として、TSポスト、信州大学であれば専門職ポストとして主幹技術専門員を新設、岡山大学はマイスター制度、ダブルトラック制度を設けている。山口大学も同様。職種間を移行するキャリアパスとして、東京科学大学、岡山大学、国立天文台。経営人材のキャリアパスとして岡山大学を紹介させていただいております。
 次、19ページをお願いいたします。
 技術職員のキャリアパスをイメージする図として用意したのが、19ページの上側にある図でございます。技術職員の業務・キャリアパスのイメージ。役職名はイメージとしております。左側がマネジメント系統、右側がスペシャリスト系統で色も少し分けています。
 一番下御覧ください。業務例として記載しておりますが、左側が教育研究の形系統が強いもの、右側が研究開発の強いもの、採用が多様な採用ルートの確保ということで、地区別採用であったり独自採用、キャリア採用だったりということがあるかと思います。係員のときに入っていって主任、その次ぐらいから上位職に上がるにつれてマネジメントトラック、課長、技術部門長、副理事等にいくか、もしくはスペシャリスト系統として匠を極めるものとして、上席、主幹、上席主幹といったものがあるということで記載しております。その際に重要なのは、右側にアカデミア・企業というのを記載しております。そこからキャリアチェンジされる方を取ると。そのときに係員や主任ではなくて、彼らが持っている技能というのを評価して、例えばいきなり上席主幹だとか主幹だとかにするという方法があるかと思います。そういった際に必要となってくるというのがインセンティブ設計だということで、丸で囲わせていただいております。さらには、右側に研究開発マネジメント人材として経営層に入っていくということも、マネジメント層の中には出てくるのかなというところで、技術職員のキャリアパスの色とはちょっと違う、緑色として入れさせてもらっています。図の説明は以上でございます。
 次、(4)の学内表彰制度も書かせていただいております。
 説明は割愛させていただきまして、第4章です。高度専門人材としての育成。(1)機関における技術研さん機会の確保。継続的な技術研さんにより、そのスキルを維持・向上していくことが求められる。このため、研究大学等は、職員の業務を限定的に捉えることなく、技術職員の業務エフォートの一定割合を技術検査に充てることや、研究者や企業との研究活動への参画、学会や外部研修への参画を認め、その有するスキルの向上を図ることを努める必要がある。また、技術研さんについて、研究大学等の中長期的な人材育成計画に位置づけるとともに、業績評価の評価基準に加えることも必要であると。つまり、技術職員が技術研さんするということは業務の1つであるということを位置づけ、エフォート策ということをするというものでございます。
 (2)が機関横断的な技術研さん機関の構築・活用。研究大学等においては、多様なスキルを持っている方々がいらっしゃる一方で、各技術職員が類似の業務・スキルを有する職員と関わる機会が貴重な場合も多く見られると。そういった場合には、機関を超えた取組が有効だと。技術職員の人材育成に当たっては、各研究大学等における取組に加えて、地域や分野を軸とした技術職員の技術伝承・研さんの場の構築・活用が期待されると。機関を超えた人材育成を推進することで、技術職員の人的ネットワークの構築や流動性の促進につながることも期待すると。これらは、共用を含む研究基盤の確保や、研究大学等と企業との連携において重要だと。
 (3)研修に係る情報の共有と体系化。ここで実施カレッジ、大学共同利用間の活用について取り上げさせていただきます。TCカレッジにおける取組としまして、最初の段落で今の取組を書いております。2つ目の段落として、これから期待していくこと、世の中が変わっていく変革していくというときに、何が現場で必要なのかということの文脈です。TCカレッジには、国と連携し、技術現場からの課題の収集・分析や重要となる技術分野の把握、各機関の研修情報の共有基盤の構築など、研修体系全体を支える中核的な役割を担うことが期待されると。事例を紹介させていただいています。
 丸2が大学共同利用機関における取組で、この事例として、どういった取組を実際に今現在やっているのかというところを書かせていただきました。
 次、24ページをご確認ください。
 組織体制の強化に向けた財源確保。技術職員は重要だということでございますが、財源確保をどうするのかという話を第2段落に書いておりますが、これが経営における重要課題の1つだと書かせていただいております。優秀な技術職員を確保する観点から、研究大学等が職員の雇用の安定を制度的に担保する方策を講じることが求められる。国立大学においては、運営費交付金によるもののほか、例えば、競争的研究費や企業との共同研究に伴う経費、ここでは直接経費も含めます。間接経費もいずれも含むと。財源として、期間の定めのない雇用を念頭に置いた人件費の創出などに取り組むことが求められる。特に、技術系部門の活動により獲得した外部資金について、一定程度技術職員の処遇改善等に含む技術系部門の体制強化に活用することが必要。財源確保は大学経営改革の一環であり、構成員、特に研究者が技術職員の役割を適切に評価し、研究プロジェクト等の直接経費に職員の人件費を計画的に組み込むという発想への転換が求められる。そのためには、経営層は明確なリーダーシップとコミットメントを示し、技術職員の職務が研究大学等の研究力向上に直結するという認識を組織全体に浸透させ、技術系部門の体制強化の必要性への理解を組織文化として定着させていくことが不可欠であると。
 3つの方策を書かせていただいています。1つが、競争的研究費や民間企業との共同研究及び委託研究における直接経費の活用です。研究プロジェクトにおいて、技術職員が機器の運用やデータの取得・解析支援など、研究遂行に不可欠な役割を担う場合には、そのエフォートに応じた人件費を直接経費として計上することが可能でありますし、考えられます。例えば期間の定めのない雇用の技術職員が研究者の要請を受けてプロジェクトに参画し、成果創出に直結する業務を担う場合には、そのエフォートに応じて人件費を直接経費に計上するということが考えられる。関係府省申合せがございます。その表の府省共通経費取扱区分表、ここには具体的な支出の例示として技術補佐員と書かれておりますが、ここの技術補佐員という職名に限らず、期間の定めのない労働契約を締結している議事職員にも適用することが可能。つまり、直接経費としてパーマネントの技術職員の人件費を競争的研究費から充てることが可能となっております。また、競争的研究費の直接経費から研究代表者(PI)本人の人件費の支出が可能であり、それにより確保された財源を技術職員の人件費や活動資金の安定財源に充てることも考えられます。こういった取組というのは、民間企業との共同研究で拡大することも考えられます。
 2つ目が、人件費に対する目的積立金の効果的活用です。国立大学法人等においては、一定のインセンティブの下、弾力的かつ効果的・効率的な業務運営を行う仕組みとして目積が認められており、教育研究の質の向上、業務運営の改善など各法人における中期目標に基づき、物件費・人件費に使用することができる。また、目的積立金は、文部科学大臣の承認を受けることで、中期目標期間だけではなくて期をまたいで使用することも可能だと。ここがあまり認識されてない期間多いので書かせていただきました。
 3つ目です。民間企業との共同研究等におけるインセンティブの活用。こちらも技術職員組織による基盤的支援によって支えられており成果が出るというふうな考えに基づけば、共同研究におけるインセンティブの活用に際して、技術系部門を成果創出の基盤として位置づけ、その一部を技術職員の人件費や研修等の活動資金として充てるということも十分考えられるのではないのかなというところで書かせていただいております。
 ここは本文の説明でありまして、もう一つ、参考資料2がございます。
 こちら、6月に公表しました研究開発マネジメント人材の人事制度等に関するガイドライン、技術職員の人事制度等に関するガイドライン、それから研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインが令和4年3月に公表されております。こちら、3つのガイドラインの関係性ということを書かせていただきましたが、下側はそれぞれのガイドラインですが、上側です。ポイントとしましては、背景、ここは書かれてない、目的も入っておりますが、実はこの3つのガイドラインは、目的とすることが同じで、この3つのガイドラインを有効に活用するということで、大学の研究力の強化につながっていくと。それに対して必要なのは何かというと、3つのガイドラインに共有することでございますけれども、経営層のリーダーシップだと。それは実現するためには何が必要なのかというと、経営層だけではなくて事務職員、研究者、それから研究開発マネジメント人材、そして技術職員、これが同じ方向、ビジョンを共有しながら進んでいくことが重要だというところを、この一枚紙でまとめております。
 すいません、少し時間オーバーしてしまいましたが、説明は以上になります。
【狩野主査】  大場さん、大変ありがとうございました。詳細な内容を教えていただきました。実はこの会議をもちまして、このガイドラインの「案」を取って確定させたいということなので、それに向かって皆様から御意見を頂戴できればと思っております。どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。
 もし私が振ってもよければ、稲垣先生や江端先生は、このワーキンググループに出ていた立場から何か追加ございますか。
【稲垣委員】  稲垣から。一通り御説明がありましたので、中身については触れませんけれども、このガイドラインは、最後のスライドにもありましたように、研発マネジメント人材と技術職員を明確に研究推進人材として位置づけて論じているものです。事例もいろいろ載せていただいておりますので、各大学の戦略ですとか特性を踏まえて、自分たちでどうしたいというものを明確に持った上でこのガイドラインを活用し、各大学の研究力強化につなげていっていただければというメッセージを込めております。
 前例がないからできないとかというのが多いと思うのですけれども、文科省側の方は、結構オープンでして、こうしたいのだけどと持っていったら、どうも相談に応じてくださりそうなので、各大学の人事の方とか、前例がないからとかではなくて、大学としてこうしたいというものがあれば、積極的に文科省のほうに相談に行くといいのかなと。これは余計なことかもしれませんけれども、思いますので、ぜひ各大学のビジョンに基づいて活用いただければなというふうに思います。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございました。応援演説をいただきました。
 江端先生、何かございますか。
【江端委員】  ありがとうございます。稲垣先生からもお話があったように、研究開発マネジメント人材と技術職員の役割の明確化については、かなりの時間をかけて詳細に議論を行ないました。研究開発マネジメント人材と技術職員の人事制度について、これまでなかなか踏み込めなかったところまで踏み込んだガイドラインを策定していただきました。
 これらのガイドラインは人事制度にとどまらず、教育研究環境に関する政策的な課題も含め、人やファシリティ、分析機器、さらには施設を含めたスペースマネジメントといった要素を含めて一体的に議論され、それらを整理・集約していただいた点が、非常に重要なポイントであると考えております。
 ガイドライン案の19ページ(資料1-2)に示されている「技術職員業務のキャリアパスのイメージ」は、文科省の皆様に取りまとめていただいたものです。このイメージは、各大学のさまざまな好事例を踏まえると、概ねこのような形に収まると考えられ、モデルケースとして非常に参考になるものだと思っています。各大学においては、これまでの文化を踏まえ、人事制度改革の方向性や記載の仕方は異なってくると思いますが、技術職員という職種においてもマネジメントは非常に重要であり、その点も含めてキャリアパスが明確に描かれているところは非常に重要だと思います。
 最後に示されているスペシャリスト系統の部分では、アカデミア企業というのが右側にありますが、これは研究者から専門性の高いスペシャリストへとキャリアアップしていくイメージに加え、企業側からも、そういった人事交流があるというところもイメージとしてまとめていただいたものと理解しております。
 こうした点を踏まえ、多くの大学において本ガイドラインを参考に、人制度等も含めて、研究開発マネジメント人材および技術職員が活躍できる場がさらに広がっていくことを期待しています。
 以上になります。ありがとうございます。
【狩野主査】  ありがとうございました。今のように、私も伺っているところによると、ワーキンググループでは、その構成範囲内で大変よい議論をされて、その中で網羅的におつくりになったというふうにお伺いしております。とはいえ、多分その中でもう少し入れてもいいかもしれない視点を私としては幾つか思いついたところがあって、何となく関係の方に聞いてみたいんですけど、1つ目は、研究大学系が比較的発想の中心なんだけど、国研とかではどうかなということも思いまして、この辺りはいかがでしょうか。宮崎先生、ぜひお願いします。
【宮崎委員】  宮崎です。先ほど御説明いただいて、こういうポジションがきちんと明確化されるということは重要かなというふうに思います。
 昨今のURAみたいなものに関してはしっかり、何となくそういう人たちがポジションとしてあるなというのが見えてきているので、その成り手がいるんですけれども、ここはどういう人たちが入ってくるかというイメージを持つと、ポジションの明確な、こういうポジションだって見せていくことの、ある意味のブランド化なんですけれども、それができないとなる人がいないだろうなというところがポイントだと思います。これは弊所の中でも同じ問題意識を持っているんですけれども、そういった意味で、実はお話をお伺いしながら、各大学でこのガイドラインに従ってそれぞれやってくださいといったときに、ポジションの名前が、例えば、いろんな格好いい名前がつくのかもしれないんですけど、ばらばらになることによって逆にブランド化されなくて、何とか(例えばテクニカルエキスパート)と言われた人が次のポジションに変えようとしたときにそれが通じないというようなことになったりしないかとか、そういう意味では、実はこういう制度の名前の重要さはあるんじゃないかと思っていて、各大学、横串を通してでも、大学の教授であれば、例えば教授である人が教授で移るとか、准教授が教授に移るとかってポジションに重みがあるので、それで動けるんですけど、こういうところの技術者も、研究者と同じように流動性があるほうがいいと思っているので、当然そうなると想定されていると思いますので、どういう職位で、ある意味、文科省が中心なのかもしれませんが、横串を通すところが必要なのかなと思ったんです。そういうことによって、そうなる人たちの今後のモチベーションにつながると思いますし、流動性もつくれていくと思います。
 さらには、専門性のワークで重要なのは、多分他大学の同じようなポジションの人たちと交流するような横串のネットワークが必要だと思うんです。例えばあるMMRの装置の分析に関してであれば、そのスペシャリスト同士の横串で情報交換するような場をあえて設定してあげるとか、そうすることによって、それぞれのスキルアップをつくっていくということも、実は技師として割と中身、内向きに向けさせると、そこの中ばかりを見てなかなか成長しないというところもあったり、各大学が工夫されるということですので、そういう情報を本人たちの間でもうまく流していけるような仕組みがあるといいかなと思いました。
 我々結構エンジニアリング人材みたいなのを採っているんですけど、全く違うことをやっている人たちを、1つの会議を定期的に一月に1回合わせて議論させてやり取りすると。研究者とうまくいかないやり方についても意見交換するみたいなこともやっていますので、そういうネットワークをきちっと構築するといいかなと思いました。
 私のほうからは以上です。
【狩野主査】  貴重な御意見ありがとうございました。おっしゃるとおりかと思いました。
 今のお話に続いて、ブランディングについて考えるとすると、今回の内容が比較的理工系を中心に書かれているんですが、ほかの分野においても技術職員になる方々がしてくださったらうれしい内容もあるのかなと思って聞いていたんですが、例えば人社系であればフィールド調査の助力であるとか、あるいはデータのマネジメントであるとか、それは情報系もそうだと思いますけど、あるいは分析するところとか、こういうことについては、何かもう少し書き加えると、その方向からも技術職員という方々のブランディングにつながると、そういう御見解がないかなと思ったんですが、例えば唐沢先生、いかがでしょうか。
【唐沢委員】  人社系にとって、実際技術職員の方と接する機会というのは大学の中でほとんどなくて、存在が見えていない、何をなさっているのか分からないというような状況かと思います。そのことがもたらす問題の1つは、技術職員の方が優劣で、大学の重要なメンバーとして、全体として大学の研究競争力を高めるのに貢献する役割が人社系からは見えなくなってしまうということであり、この観点からも、人社系の研究にも何かサポートいただけるという道を見いだすということは大事だと思います。
 ただ、何をサポートいただけるのかは、実は、現在の多くの人社系の教員には分からない。こういうところはサポートしてほしいという声を上げようとしても、内容が思いつかない状況だと思うんです。これに関しては何か事例があるとか、技術職員の方々からのサジェスチョンがあるとかですと、そこをきっかけとして、人社系もお願いできることを考え、新しいことに取り組めるかもしれない。今は、交流がない状態ですので、何かと言われても動けないので、まず、きっかけをつくるということだと思います。
 それから、どういうところでサポートいただけるかですが、研究が自分の分野だけに閉じるのではなく、以前からある言葉ですけど、文理融合、また総合知が求められ、研究プロジェクトが大型化している中で、人社系と理系が協働するプロジェクトも多く出ている。そのようなところで、人社系ができることを、技術を使って拡張していく可能性を踏まえると、こういう技術ならこれができるという見通しが必要になるし、特に、AIの活用は重要になってくるのではないか。それから、様々な機器、ハードウェアも、より高性能のものが使えると、研究できることが増えるかもしれません。ただ、ここでも、実際にどうしたらよいか、人社系には分からないという状況もあると思います。
いずれにせよ、今いただいた人社系へのサポートという観点は重要ですので、接点をどうするか、具体的にどういう形で関係を作り広げていけるかなどは、難しいことがあるかもしれませんが、事例を増やす、そのために、交流の機会を持つ場に人社系も関わっていくことも、重要なポイントになると思いました。
【狩野主査】  大変ありがとうございました。
 続いては、湊先生、もしよろしければデータ関連で。
【湊委員】  私、旧電電公社のNTTに14年ぐらいいて管理職までやっているので、この辺もすごく、先ほどの宮崎委員のお話、すごく同感でして、昔、技師という職階がありまして、主任技師、主幹技師、技師長というのがあって、非常に尊敬されていたというのがありますので、スペシャリストの方がそういう肩書の統一された肩書でそういうふうに職階を上がっていくということにすると、例えばほかの大学に移って承認していくということもしやすくなるかなと思います。今は、例えば特任准教授とか、そういう名前になっているんですけど、准教授とかという名前がついていると、どうしても研究業績で評価されてしまいがちで、本来のスペシャリストとしての能力でなかなか他大学に移るというのが難しくなったりするんです。今は何とかスペシャリストとか大学によってまちまちの名前になっていて、実際この人はどのぐらいの人なのかというのが、そういうコンセンサスがなかなか難しいということがあるので、この19ページの図の右側のところに、技師という名前がいいのか分かりませんけれども、文科省が統一的に、昔、助教授を准教授にしてから助教授もPIになりやすくなったということがありますので、統一的なそういうブランドをしていただくということが非常に重要かと思います。
【狩野主査】  データのマネジメントというんでしょうか、プレゼンができるとか、それから収集するときに適切なものを入れるとか、それも技術職員の方にお願いするような発想でしょうか。
【湊委員】  今、例えば私、京大の情報環境機構の副機構長をやっていますけれども、例えば教育を今、オンラインで教育するための環境ですとか、あと一番大変なのが情報セキュリティーで、ウイルスが入ってきそうになったときに、どこでどう遮断するかとか、そういうところというのは、普通の教員では全く難しいことですので、専門人材がいないと、回らないと。しかも、それはリアルタイムに緊急でやらなきゃいけないこととかもいっぱいあって、授業中に何か起こったときにどうするかとか、そういう話もありますので、そういう専門人材の重要性というのはものすごく大きくなっていると思います。
【狩野主査】  大変ありがとうございます。その辺りも、本当はこれで主査一任で入れていいのかよく分からないぐらいたくさんいただきました。ありがとうございました。
 今の湊先生のお話に続いてもう少し伺ってみたいと思っているのは、このキャリアパスに進むことが勝ちパターンの1つにも見えるようにするためには、多分大学、国研等以外にも、産業界でも同様の資質を持っていると活躍の場があるという、そういう設定もいいのかなと思ったんですけど、こういう問いの立て方をしたときに、例えば玉田先生、そのほかの産業も御経験の方から、ぜひ御意見がいただければと思った次第ですが、どうでしょうか。いきなり名前を挙げてすいません。
【玉田委員】  今考えながら聞いていたのは、日本の大学の場合は、教員に関するガイドラインが必ずしも明確ではないので、民間からの高度人材が大学で教員と共存していくときに、どういう立てつけになるのかな、と。民間の人材乗り入れのときに、どういう人材が「技術職員」になり、どういう人材が「教員」になるのかというところですが、あくまで「教学」の専門家としての教員の役割というのを明示して、プラス「研究」あるいは「技術」ということで職名を決め、広めていく必要があるのか、あるいはむしろ境界がない状態のままのほうがいいのか。そういうようなことを考えながら聞いていました。人材の流動化が進むであろうというところを前提にして。あとは、博士人材についてですが、教員候補としての博士人材も十分に確保できていない状況であるわけですが、博士人材にとって魅力的な職として、「技術職員」になるケースと、あと「教員」になるケースと、その違いをどう説明するのかなというところも考えていました。
【狩野主査】  ありがとうございます。もしよかったら、技師長という名前そのものの御経験の武田先生、いかがですか。何かお考えがあったらぜひ。
【武田委員】  ありがとうございます。企業においては、研究者と技術者の役割がしばしばシームレスであり、所属する組織によって、研究員または技師と呼ばれるなど、その定義が必ずしも明確ではない場合が多く見受けられます。ただ、人材育成の観点からは、組織としてスペシャリストとジェネラリストに区分し、それぞれに応じた育成計画を策定する傾向があります。技術者として卓越した能力を持ち、組織としてその専門性を伸ばすべきと判断される人材については、スペシャリストとしての育成を進め、専門職としてのキャリアパスを歩んでいただくことになります。一方で、研究そのものを自ら推進するよりも、研究管理や組織運営に適正を持つ人材については、ジェネラリストとして育成を行います。今回のガイドラインにおいて、研究に大きく貢献できる技術者の処遇を、相応に引き上げるべきであると記述された点は、極めて重要であります。企業でもスペシャリストとして育成された人材の処遇においては、それなりに優れた人材に対しては、理事など役員相当の待遇にすることがあります。大学や研究機関でも同様の処遇があって然るべきだと思います。これまで技術者を支援者や補助員と表現することが多かったのですが時代は大きく変わりつつあります。AIが高度な知的作業を担えるようになり、論文の読解や執筆すら可能となりつつある一方で、今回議論されている技術者は、論文などで言語化されていないノウハウや暗黙知を持つ人材も含まれており、AIが容易に代替できない領域を担っています。こうした暗黙知はデータ化されていないため、AIが学習し再現することは現時点で困難です。従って、技術者の希少性や価値は、これまで以上に高まり、その人でなければ成し得ない仕事が一層際立つ時代に入っているのではないかと思います。ゆえに、卓越した能力を持つ技術者に対しては、思い切った処遇改善を図ることが極めて重要です。今回のガイドラインは、その方向性を示す大きな一歩であり、今後さらに積極的に取り組みを進めていくべきだと考えます。
【狩野主査】  御意見大変ありがとうございます。右下のほうに書いてあるAIフォーサイエンスの逆張りですね。それを進めるためもあるんだけど、それが進んでいくので、なお必要な方々であるというそういうブランディングもあるということですね。
 迫田先生、お願いします。
【迫田委員】  ありがとうございます。遅れてすいません。
 お話伺っていて非常にいいなと思ったのは、多様な人たちが必要だということを皆さん認識しているということです。大学の中を私は大学にはやはり研究の人も必要だし、それから教えることに特化した人も必要です。それから技術スペシャリストとしてやっていく人もネジメント人材も必要なのだと思います。多様な人たちが自らを高めていく多様な人たちが活躍でき多様な人たちにみんなが憧れるというふうにしていかないと成り立たないと思います。
 改革が本当にうまくいくには人事が重要であり、人はそこを見ていると思います例えば研究でとがった大学でいえば、スペシャリストの方がちゃんと高く評価されて理事になったり、学部長になったりという道必要だと思います。マネジメント人材で言うと、学部長とか学長ポジションを目指すであれば、こういうマネジメントの経験を積まないとなれないと示すことが重要ですこういう職務がエリートコースである理解しない限りは、なかなかうまく進みません。企業の中でよく起こることですが、新事業が大事だと言いながら、そこにいい人を充てないと必ず失敗します。多様な方々が活躍し、人事も含めしかるべく処遇されるということを見せていくということをぜひやっていただきたいなというふうに思いました。
 中身自体は非常によく理解できると思います。特に19ページの図は非常にいいなと思いますし、各大学の事例も入れているのも非常にいいかなと思いました。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございます。お褒めをいただきまして、関係者の皆さん、おめでとうございます。
 梶原先生、何かぜひお願いします。
【梶原委員】  よろしいですか。19ページを皆さんがおっしゃるので、私は19ページを見て最初にいいなと思ったのは、実は表彰制度です。やはり学内を変えていくという形になるので、学内でビジビリティーを上げる、自らがこの人を推薦するという表彰が何らかの形で起きてくると、自大学でもこういうことが起こっているのを認識できます。全てのことが整わなくても、今実行している人たちの表彰は容易にできると思いますので、こういうのはすごくいいと思いました。加えますと、事例があるといいと思いました。好事例が他大学へ展開されて変化が進んでいくというのは非常に重要なことだと思います。そして、一番重要と思うのが財源です。この財源のところも考えられるというような表現ですが、具体的に他大学の例を示す、あるいは文科省へのお願いとしては、こういうところに対するエンカレッジする新しい施策をどんどんこの視点で打っていくというのも重要と思います。大学自身の工夫で財源確保ももちろんあるでしょうけれども、そこをもっとエンカレッジするような、企業からのお金の得方もあるでしょうし、もしくは政府のほうでいろいろやっている研究開発の案件に対して、こういった人材に対する直接人件費としてのカウントの仕方が今までできていなかったというのであれば、ぜひそういったところを取り入れるなど、必要性とか価値という意味で非常に重要な要素だと思いますので、進めていければと思いました。
【狩野主査】  ありがとうございます。内閣府もご担当されている方から強い発言をいただきまして、感謝いたします。
 続いて、もしよかったらスタートアップ的な視点を入れて、水口先生、お願いします。
【水口委員】  ありがとうございます。技術職員のキャリアパスの1つとして、スタートアップの創出も視野に入れてもらえるとよいかなと思います。事例はまだ少数ですが、技術職員がPI(研究代表者)とともに立ち上げメンバーとして参画するケースが見受けられます。例えば、PIの退官に合わせて技術職員も共にスピンアウトするような形です。目的に掲げられている「社会課題の解決」につなげていくためには、研究成果の社会実装が非常に重要であり、大学発のスタートアップはその中核を担うものと考えます。もちろん、スタートアップには失敗のリスクが伴い、トライ・アンド・エラーを増やす形にはなりますが、技術職員がスタートアップの創出に伴走し挑戦する。仮にうまくいかなかったとしても、再び大学の技術職員のプールへと戻る。こうした循環を繰り返すことで、スタートアップの実務を経験した知見豊富な人材が学内に蓄積され、エコシステムが強化されていきます。また、事業が成功した際には、参画した技術職員に大きなインセンティブを還元できる可能性もあります。このようなサイクルを回すことは、技術職員のモチベーション向上のみならず、職種自体の価値向上にも寄与するものと考えます。
【狩野主査】  ありがとうございます。
 杉山先生と和田先生については、もしよかったら、最後に経営的視点をぜひ加えていただければと思っていまして。あとお二方先に伺わせていただいてから、よければお願いします。今、水口先生がいろいろ加えてくださいましたけれども、よければ、同じような経験をお持ちだと思います天野先生、いかがでしょうか。
【天野委員】  ありがとうございます。
 ちょっとアカデミアでイメージ的な話になってしまうんですけれども、研究者というと、PIの先生がいて、徒弟制みたいな、ずっと同じテーマでやってきている人、技術者というと、そうとは限らずに、ある技術を本当に極めるために、どのテーマと関わらず、こだわらずにやってこられている方というイメージです。
 なので、技術者の方のほうがスキル的にもいろいろ多面的な見方で解決策なんかも切っていくことができるというところでは、今、水口さんがおっしゃったように、スタートアップでいろいろ経験しないことを切り開いていくというところで、もしかしたら研究者よりも適正がある方が多いかもしれないなというふうに、ちょっとイメージですけれども感じています。
 そういう方がスタートアップを経験されて、さっき水口先生がおっしゃっていたようなプールのところに戻られたときに、もしかしたら支援人材としてスタートアップ支援をする側の高度支援人材のような、そういう新しい道というのも開けるかもしれないなというふうに思っていて、また、技術職員から高度支援人材という新しい流れ、マネジメントのほうに行く方というのも出てくるような仕組みに変わっていくといいのかなというふうに感じています。
 すいません。考えながら話していたので、まとまりがありませんが。
 以上です。
【狩野主査】  いえいえ、ありがとうございました。貴重な御意見ありがとうございます。
 川越先生に伺いたかったのは、つまり、SSH事業も含めて、大学に入る手前の段階でこういうキャリアパスもあるんだけどというのをどういう人たちにどうやって見せていったらいいかなというのを、少しお考えを聞きたくなりました。
【川越委員】  ありがとうございます。
 中高生など、まだ若い世代は、理系に進んだら研究者しかないのではないか、というイメージがあるように思います。だからこそ、理系にはこういった様々なキャリアパスがあるという点を幅広く伝えていく必要があると考えています。
 そのためには、高校生に直接伝えることも重要ですが、学校の進路指導に当たっている先生方に、いかにこうした情報を伝えるかが非常に重要だと思います。
 また、高校の先生に伝えた後は、大学に入った後も、研究者や教員、もちろん技術職員の方々も含め、様々なキャリアパスや可能性があるという情報を広く知ってもらう仕組みが非常に大事です。新しいガイドラインに則って取り組むにしても、経営層だけでなく、大学全体での情報共有と、多様な方々が協力して取り組んでいくという意識を醸成することが重要です。こうした取り組みが進むことで、高校生や若い世代にも波及していくと考えています。
【狩野主査】  ありがとうございます。
 とある国の取組として、裏取りはしていないんですけれども、さっき調べていて出てきたのは、高校から大学に行くぐらいの過程のときに、企業のそういう技術系の仕事の経験を、ジェンダーにかかわらず経験してもらって、そういう仕事の仕方があるんだというのを知ってもらった上でキャリアパスを考えてもらうと、そのような人材が増えるんじゃないかというものもありそうでした。そういう取組があるとうれしかったんですけれども、いかがでしょうか。
【川越委員】  そうですね。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 すいません。ということで、杉山先生と和田先生、お待たせいたしました。本当は、章立てから言うと、経営層の主体的な関与ということが書いてあったので、最初にお伺いしようかと思ったんですけれども、あまりに初めに伺うのは重いかと思いましたので、お待たせしてしまいましたが。杉山先生、お願いいたします。
【杉山委員】  財源のところで、人件費を例えば直接経費として計上することが考えられるというふうなかなり踏み込んだことが書いてあるんですけれども、これが出ると、例えば、今はほとんどの技術職員をうちは承継で雇っているわけですが、その承継の方たちの人件費をプロジェクトの直接経費で巻き替えられるとは今のシステムでは思えないんだけれども、ガイドラインがこう書いてあるとできるかのように思いますが、そこら辺を文科省的にはどう考えているんでしょうかというのが1つ目の質問です。
 まだ幾つかあるんですけれども、まず、ここだけ聞かせてください。
【狩野主査】  奥課長、お願いします。
【奥人材政策課長】  杉山先生、ありがとうございます。
 競争的資金の直接経費の中に必要な人件費分、エフォート対価としての必要な人件費分が載っていないということは、それは教員・研究者も含めて問題だというふうに我々は思っています。新しい後ほど御説明させていただく産業革新人材事業も同じですが、あらゆる競争的資金の中で、研究者、技術職員、研究開発マネジメント人材、こうした人たちが研究に参画するのであれば、そのエフォート相当分というのをこの競争的資金から出し、運営費交付金分からの負担を軽減するということが今後の方向性ではないかなというふうに思っています。
 承継職員も含めて、そこの人件費の在り方を大学の中で考えていく必要があるというふうに思っておりまして、そのきっかけにこれがなればと思っております。
【杉山委員】  気持ちはよく分かりました。奥さんの持論がそこで出てくるわけですけれども。それはそのとおりだと思うんですが、ただ、技術職員のクロスアポイントメントみたいなものを進めたいというような気持ちですよね。ある意味。直接経費ということで払い込めるとしたら。
 それが、ここで書くことが本当に、要するに、これを受け取った大学側がどう思うかというのは若干微妙かなという気はするので。一応、表現ぶりは少し気を遣った感じにはなっているんです。「考えられる」とか。でも、ちょっとそこは、システムの変更とセットになっているのかなというふうにはちょっと思いました。
 それから、ついでに聞いておくと、この文章は非常によく書かれていて敬意を表するということをまず言いたかったんですけれども、「研究大学」という言葉は文科省的には定義されているんですか。そこがよく分かっていないんですけれども。
【奥人材政策課長】  ありがとうございます。
 明示的に定義というものではありません。一般論としての研究を主目的とするような大学というふうな包括したイメージとして捉えていただければ。
【杉山委員】  技術職員がいるのは研究大学ぐらいに思って書いているんですか。
【奥人材政策課長】  そうです。
【杉山委員】  対象になっているのが「研究大学等」となっていて、「研究大学等とは、研究大学と大学共同利用機関を指す」と書いてあるので、「大学共同利用機関」は明確に分かりますけれども、「研究大学」という定義されていないものを指すと言われてもどうなのかなというのは、これは法律の条文じゃないのでいいんですけれども、ちょっとどうかなという感じはしました。
 それから、あともう2つぐらいお聞きしたいのが、技術職員の方々にこの案は見ていただいたりしているんでしょうか。彼ら彼女らはそれなりに非常に誇りを持って仕事に当たっているので、いろいろ問題点とかもちろん考えているので、これでちゃんと思いに応えられているのかなというのは1回チェックはしておいたほうがいいかなと思ったんですけれども、そこはされているんでしょうか。
【奥人材政策課長】  科学技術人材多様化ワーキンググループのメンバーにも技術職員の方に入っていただいておりますし、江端先生も、技術職員ではないですが、技術で精通されている方ということで、きちんと御意見を伺ってまとめさせていただきます。
【杉山委員】  それから、先ほどちょっと話にあった職階についてというのは、私も同じような思いがあって、できるだけいろいろな大学で統一できたら本当はいいかなと。
 うちだと、主席技師、主任技師、技師、副技師みたいな感じで職階をつくっているんですけれども、これは別に文科省の決まりでも何でもないと思うので、確かにほかの大学に移ったりするときのキャリアとかそういうことを考えると、何か指針を出すのが本当はいいのかなという気はしますけれども。ここの範囲内で書くのかどうかはちょっと分からないですが、先ほどのポンチ絵の中の名前だと、もう一つかなという感じでした。ごめんなさい。
 それから、あとは本当に細かいことですけれども、文章の中に若干気になる、2ページ目に「二人三脚」という言葉が出てくるんですけれども、「二人三脚」って2人で走るから二人三脚ですよね。対象が技術職員と事務職員と教員と何とか4つぐらい並べて、それで二人三脚ってないよなとか、日本語の崩れがあるかなと思って若干見ていました。すいません。細かいところで。
 ただ、我々としても、こういう研究を支援する人材というのは我々協働する、一緒にやっていく人材だというふうに今認識していますので、キャリアパスも含め、もちろんお金の問題はありますけれども、柔軟な給与制度とか、そういうのはまさに取り組んでいかなきゃいけないところだと思っていますし、人材の交流というのも含めて、しっかりとしたサポートを大学としてもしていきたいなと思っています。
 以上です。
【狩野主査】  大変ありがとうございました。
 和田先生、お待たせいたしました。お願いいたします。
【和田委員】  ありがとうございます。大変よく練られた文章であると思います。本当におまとめいただきましてありがとうございます。
 その中で、人としての尊厳とか誇りというのを明記されています。ここは人材委員会としても1つの見識ではないかとまず強く感じました。ありがとうございます。
 その上で、人事制度に関する2つのガイドラインができ、また、1つの共用のガイドラインもできる。このセットが1つ大きな基盤になっていくなということを感じています。
 それをどのように活用していくか。恐らく、今出ておりますように、企業であったり、国研であったり、あるいは大学であったり、いろいろなところに使われると思います。大学に関して言えば、例えば、理工系だけではなくて、人文社会学系、ライフサイエンス系など、非常に多くのところにも活用できると思います。また、融合領域もきっと活用できると思います。
 そうすると、広い視野、それを涵養するための頭脳循環、あるいは産学官の流動性というところが非常に大事だと思います。また、それをつなげていくためにも、入り口としての初等中等教育、あるいは大学院の博士課程との連携、キャリアパスということも、今後、具体的に進んでいくと良いと思いました。
 その中で、流動性があればあるほど、標準化であったり、あるいは、共用される認定であったり、先ほどから出ています名称の問題や、一定の標準化されたものがあるほうが、流動性のある中では評価されやすくなるだろうと思います。今後はそういったように展開されるのかと伺っていました。
 技術職員あるいは研究開発マネジメント人材の重要性というのは、論をまたないのだと僕は思います。その中で、例えば、手前みそで恐縮ですけれども、つい最近、我々の研究基盤統括本部、URAであったり技術職員の方が所属する部署が、山本進一記念賞を頂きました。先ほど顕彰という言葉がでましたが、ビジブルにしていくということは非常に重要だと私も感じています。 人を大事にすること、人こそ宝であること自体が経営そのものだと僕は思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございます。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 もしよろしければ、今、経営層のという言い方にこれがなっておる結果として、和田先生、杉山先生、同じ相当の役割をしておられる先生方がこれを受け入れやすくするために、何か改善点が考えつかれたら教えていただけますか。特にはないでしょうか。
【杉山委員】  これは当然の方向性だと思うし、いろいろな大学の実例も出ていますので、やらなきゃいけない方向だと思います。ただ、予算的な問題が常にあるので、最後の先ほど私が質問したところですよね。財源のところが書かれているのはすごくいいんですけれども、そこが現実的にやっていけるという感じがもうちょっと経営層の側から見えてくると、こういう使い方もできるのかというふうな非常に参考にはなると思って見ていました。
【和田委員】  ありがとうございます。
 私自身も、財源の問題と、その方がどういう形のキャリアパスでステップアップしていけるのかというところが見えると、皆さんより使いやすくなるのかなと思いました。ありがとうございます。
【狩野主査】  大変ありがとうございました。
 江端先生、もう一回ですね。お願いします。
【江端委員】  ありがとうございます。今、委員の先生方からコメントをいただいたとおり、今回のガイドラインにつきましては、本当に新しい一歩であったと、私自身も強く感じています。
 特に、和田先生もおっしゃいましたが、「人を大事にすること」は当たり前ですが、非常に重要な視点だと考えています。技術職員に関しては、その当たり前が特にできていなかった職種であり、これまで大学の中でも処遇や位置づけの面において、全学的な組織として十分に議論されてこなかった側面がありました。今回ガイドラインが策定され、多くの先生方に認識していただけたことは、本当に重要な機会であったと感じています。
 また、技術職員の方々からの意見という意味では、大学技術職員組織研究会の会員や、私が代表理事を務めます一般社団法人研究基盤協議会のTAMARIBAや若手ネットワーク等をはじめとした様々なコミュニティやイベント等において行われてきた本ガイドラインに繋がる議論を、可能な限り取りまとめて反映してきたつもりです。技術職員のみならずステークホルダーとなる大学構成員や民間企業をはじめとした学外者等多くの方々が重要だと思われているところ、課題だと思われているところを、しっかりと盛り込無ことができたという点を、改めて強調させていただきたいと思います。
 最後になりますが、皆さんがおっしゃっているとおり、技術職員に関する職名、いわゆる名称の問題に関しましては、大学のオリジナリティーというかアイデア勝負で、「こう言ったらかっこいいのではないか」「うちの大学は先行していて初めてこのような名称を名乗っています」といった組織間での競い合いがいまだに続いている状況は、非常にもったいないと感じています。
 この点については、大学のみならず国研も含め、日本全体の技術者ネットワークの中で共通して用いることのできる名称をしっかりと検討・整備していくことが重要であり、その礎として今回のガイドラインを多くの機関で活用いただき、次の議論へと発展させていただければと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 少し長めに取ってしまったんですけれども、皆様から温かい思いのある御発言をたくさんいただきまして、ありがとうございました。また、原案をまとめていただきましたワーキンググループの先生方、そして文科省の事務局の皆様に御礼を申し上げます。
 それでは、今日いろいろと御意見をいただきまして、一定の修正が必要であるというふうに認識されますので、ここについては、恐縮ですが、主査としての私に一任をいただきまして、反映をさせていただきたいというふうに存じます。よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。事務局の皆様と一緒にまたよりよいものにして案を取りたいというふうに思っております。ありがとうございました。
 では、議題1の続いてのテーマに移りたいと思います。次の議題は研究活動におけるダイバーシティの確保についてということです。ダイバーシティの主なところは、今のところジェンダーということになっているんですが、この点についてのお話に移りたいと思います。
 それでは、まず、中村さんから御説明お願いできるでしょうか。
【中村人材政策推進室長】  よろしくお願いいたします。
 資料1-3を御覧いただけますでしょうか。研究活動におけるダイバーシティ確保ということでタイトルでございますが、今回御議論いただきたいのは、副題にありますとおり、女性研究者の活躍促進という観点でございます。
 1枚おめくりいただきまして、1ページ目に中間まとめのポイントを載せております。まさにこの人材委員会で昨年おまとめいただきました中間まとめにおいても、女性研究者の活用促進について御提言いただいたところでございます。
 おさらい的に触れますと、3ページのところです。3ページのところで、左下の赤枠で囲っておりますが、制度・システム改革の推進というところで、ダイバーシティ確保、女性研究者の活躍促進というところが御提言をいただいております。
 最後、枠で囲っていないですけれども、右上のほうに、大きな2番の(2)のところ、小・中・高等学校におけるというところで、丸2番で女子中高生の理系選択支援というところもありまして、裾野の部分も含めて、こうしたところも関係してくるのかなというふうに思っているところでございます。
 4ページ目、各記述の詳細を抜粋しておりますけれども、基本的な考え方として、ダイバーシティの確保は極めて重要だという問題、認識をいただいた上で、現状・課題というところで、これまでの一定の取組はございましたというところであります。一方、課題ということで、依然として諸外国と比較して割合が低い水準である。特に上位職に占める女性研究者の割合が低いということで、課題を指摘いただいております。
 さらに、1-3の取組・方向性というところで、女性研究者の一層の登用促進であるとか、上位職への登用・処遇改善というところの推進でありますとか、また、既存の取組であるRPDに関する支援の継続、また、研究環境のダイバーシティ確保に向けた取組の中で、これまでの実績なんかを踏まえて見直しを検討・推進するというところまで中間まとめのほうで御提言いただいたところでございます。
 さらに1枚おめくりいただきまして、5枚目でございます。今月中に閣議決定されるという予定の第7期の科学技術・イノベーション基本計画におきましても、教員の中での教授等に占める女性割合について数値目標を掲げております。それに合わせて、関連の施策についても記載されているという見通しでございます。
 さらに、その下、第6次の男女共同参画基本計画、こちらは13日に閣議決定をされたというところでございますけれども、同じように女性の割合の目標を定めるとともに、具体的な施策についても記載をしているところでございます。
 6ページ目が、男女基本計画における成果指標ということで、今回、助教以上の分野別の割合というものを掲げております。一番右下の「教授等(学長、副学長及び教授)」で2030年というところが、この部分が第7期の科学技術・イノベーション基本計画の目標とも一致していくというような形になってございます。
 さらに1枚おめくりいただきまして、7ページ目でございますが、こちらも以前から言われておりますとおり、女性研究者の割合としては、過去、年々右肩上がりで増えてきているというところでございますが、一方で、右側の国際比較で見ますと、依然として低いというような状況でございます。
 さらに、8ページ目です。各機関別の在籍割合を見てみますと、ここから国際比較になっておりますが、それぞれの所属機関ごとの棒グラフになってございまして、一番左が日本となりまして、その中の薄緑、大学というところがございますが、大学は比較的、相対的には日本の中では高い形になってございます。一方で、企業の割合が少ないというところもまた我が国の課題の一つかなというふうに考えております。
 さらに、9ページ目と10ページ目は、先ほどお示しした目標の具体的な数値の部分です。時間の関係上飛ばさせていただきますが。
 11ページ目です。学生と教員における女性割合というところでございまして、こちらも進学が進むにつれ、更に職が上がるにつれ、だんだんと減っていくというような状況でございまして、分野別に並べておりまして、それぞれ差異がございます。大きく見ますと、学部から大学院に行くタイミングで、特に理工系は下がっているところがあります。工学は博士のところで上がっておりますが、さらに、研究者になってからも、特に助教・講師から准教授・教授等への上位職への登用のタイミングでまた下がるというような傾向が見てとれます。
 こうしたところも踏まえまして、12ページのところ、既存の施策を列挙しております。細かいので個別には説明しませんが、左上のダイバーシティ研究環境実現イニシアティブということで、こちらが平成27年から長らくやってきておる中で、いろいろ衣替えをしながら進めております。特にこの近年は、太字で書いておりますが、女性リーダー育成型ということで、令和4年度から女性研究者の上位職への登用促進ということの集中的に進めるというような施策をやっております。
 こちらは令和4年度から始めていて、令和8年、来年度5年目を迎えるというところで、令和9年度からまた組替えなんかも想定されるというところですので、本日御議論いただきましたような内容もこうした中にも反映していければなというふうに思っているところでございます。
 さらに、1枚おめくりいただきまして、ここから、今申し上げたダイバーシティ研究環境実現イニシアティブの事業で取り組まれた取組例ということでございます。幾つか例を挙げておりますけれども、それぞれ意欲的に女性研究者の上位職登用というものを進めていただきまして、それぞれ大学のマネジメント職に登用がなされていたりとか、管理職の比率が上がったりとか、幾つか成果が見えてきているというところでございます。
 14ページのほうにまた更に細かく記載しておりますが、時間の関係上、説明は省略させていただきます。
 最後、15ページのところでございます。本日御議論いただければというところで、こうした現状を踏まえまして、さらに中間まとめの方向性から具体策を検討していくに当たりまして、どういったことが考えられるかというところ忌憚なく御指導いただければと思っています。
 主な論点案ということで3つ書いておりますが、1つは、上位職における女性の割合が低い要因として、若い世代のときに様々なライフイベントの重なりがあるということで、研究成果の創出・蓄積がなかなかなし得ていないのではないかというような課題意識で、2つ目としては、大学の組織として継続的に女性研究者の活躍を促進するような体制であるとかビジョンがまだ不足しているのではないか。
 また、3つ目といたしまして、学部から大学院に進学していくというところの裾野拡大というところも併せて進めていく必要があるのではないかというところをざっくりと考えているところでございますが、これらに限らず、先生方、まとまった御意見をいただければというふうに思っております。
 私からは取りあえず以上でございます。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 私が1つ目の議題にたくさんの時間を使ったせいで、あとは、御意見のある方だけお伺いするようなことになってしまいそうですけれども。いかがでございましょうか。お願いいたします。水口先生、お願いします。
【水口委員】  11ページの図がすごく分かりやすくて、今回伺ったんですが。工学系はそもそも、学士課程でもう既に相当少ないんですけれども、そもそも受験生に女子学生が非常に少ないという、そういうところがまずあって、そこを何とかしないとどうしようもないということがあると思います。
 例えば、大学の定員、学生定員のうち3分の1ぐらいは工学部ですので、そこは非常にドミナントな、支配的なところになっているということも言えるかと思います。
 博士課程が一瞬増えているのは、これは多分、留学生に女子率が非常に高くて、留学生で博士を取った後は国に帰ることが多くて、あと就職したりとかで、なかなか日本の大学にそのまま残るという人は少ないというのもあるかなと思います。
 私からは以上です。
【狩野主査】  ありがとうございました。最後の視点も、重要な視点をありがとうございました。
 いかがでしょうか。
【川越委員】  よろしいですか。
 そもそも大学に入る女性、特に理系の女性が少ないという現状を考えると、高校生の段階から裾野を広げて、人数を増やすことで、最終的に博士課程に進む人や研究者、技術者になっていく人も増えていくのではないかと思います。そういう意味でも、中高生向けの対策はとても大事だと思っております。
 そういった中で、東大のSTELLAという、理系の高校生向けの取組ですが、受講生の半数以上が女子となっており、女子生徒が非常に活躍しています。このプログラムはSTEAM教育ということで文理融合で取り組んでいるのですが、どちらかというと女子生徒のほうが、社会的課題の解決や社会に貢献したいというような意識から、科学技術を使ってどう課題解決するのかというところで理系に興味を持つケースもあると思います。そう考えると、もちろん学校の勉強を主体としつつも、理科を通して何ができるのかという点も早い段階から伝えていく必要があると思います。
 また、先ほども少し申し上げましたが、進路指導の場面で、女子であれば理系に行くなら医歯薬系かなとか、男性だったら工学部だねといった形で振り分けてしまうこともあるようです。そのため、学校の先生に向けてもお伝えする必要があります。加えて、学校の理科の先生に女性が少ないという現状もあると思うので、理科は男性から習うものというイメージを持っている可能性もあると思います。この点については、教員研修や教員養成の段階から強化していく必要があるのではないかと思います。
 最後に、ロールモデルの提示も非常に大事です。ただ、どうしても、とても活躍しているキラキラした、いわばスーパーな方を紹介するというケースが多いかなと思います。それがかえって、自分には難しいのではないかというハードルを感じさせてしまう可能性もあると思います。そのため、そうした非常に活躍している方に加えて、より身近な立場で活躍している方、例えば、企業で働く研究者など、大学の研究者以外にも多様な活躍の場があることを示していくことが重要です。そうしたより身近なロールモデルを示すことが、大学進学へのファーストステップになるのではないかなと思います。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございます。
 最頻値に対することと、それから飛び出た人に対すること、両方要りますよね。
【川越委員】  そうですね。
【狩野主査】  ありがとうございます。
 天野先生、お待たせしました。どうぞ。
【天野委員】  今、川越先生のお話を伺って、本当にそうだなと思いました。きらきらしていないロールモデル、すごく大事ですし、進路指導の先生や理科の先生を増やしていくとか、あと、家庭ぐるみですね。特に娘さんの場合、母親の意識というのが非常に強力なので、家族ぐるみで意識を変えていくような取組も必要なんだろうなと感じています。
 それに加えまして、具体的な大学の施策のところになってしまうんですけれども、どうしても助教・講師レベルのライフイベントの女性教員の支援となると、当事者の支援に注力しがちなんですが、バックアップする教員に対する支援、インセンティブを付与するですとか、あとは、パートナーになっている男性教員向けの支援というのを拡充しないと、結局、当事者の女性ばっかり休むことになって、本当の意味での支援、サステナブルな支援というのは進んでいかないなというふうに感じています。
 例えば、北海道大学ですと、男性教員が看護休暇を取ろうとすると、母子手帳を出してくださいというふうに言われるんですよね。親子関係を確認するためなんですけれども。それって男性教員、母子手帳がぱっと出てくるわけではないので、本当に当事者の女性が休むように設計されてしまって、きっと各大学、似たような落とし穴があるんだろうなと思って感じています。
 あと、北海道大学の女性上位職のプロジェクトを採択いただいていますけれども、それで女性教授もたくさん確かに誕生したんですが、結局、准教授・講師レベルに女性の層が厚いところは女性教授を誕生させられたんですけれども、例えば、講師・准教授の女性が1人もいないような部局ですと、結局、女性教授は誕生できなくて、引き続きダイバーシティが進まないままという現状になっています。
 その辺りも何かうまい施策というか、考えていかないと、中間層を増やしていくようなところも充実させていかないと片手落ちになってしなうなというふうにちょっと見ていて感じたところでした。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございます。
 今までこういうことの意思決定に関わっている人の持っていた家族のイメージと今の家族構造がまた違ってきているところもしかしてあるかもしれず、本当はそういうところを明らかにしていくようなことが必要なときもあるかなと思ったりはしています。すいません、仮説ですが。
 宮崎先生、お待たせしました。お願いします。
【宮崎委員】  宮崎です。ありがとうございます。
 さきのお二人の御意見と同じような感覚を持っていますけれども。弊所で実は、全体でエンゲージメント・アンケートを取ったんですけれども、エンゲージメント、毎年取っているんですが、実は女性のグループリーダー、大学で言えば准教授あたりのポスト、准教授・教授あたりになるんですけれども、若手の40前後の方たちのエンゲージメントが所内で最も低いです。職層別で見たときに。若手の女性研究者や、それから子育てを終えてきた、ライフイベントを終えてきた女性たちと比べても、圧倒的に低い。そこの問題意識というのはどこにあるのかということは十分検討しなくてはいけない。まだちょっと詳細が詰め切れていないですけれども。
 いろいろなマネジメントをこなし始めるときと、支援が欲しいというところでのエンゲージメントの下がりではないかなというふうに私も思っておりますので、そこの支援というのは、本人だけではなくて、周囲のバックアップというか、補佐するような業務支援者をどうやって充てていくかとか、チームでどうそこをクリアしていくかというところの問題意識をしっかり持っていくということかと思います。
 それから、キャリアアップのところに関しては、つい最近、民間の企業の方とも実は意見交換をしたところなんですけれども、女性の数を増やしていかなくてはいけないというポイントにおいては、企業の中においてさえも、民間の企業においても、係長・課長クラスからずっとスケジュール感を引いている。最後のポストまで行くために、何人か候補に挙がってきたら、それをどう育成していくかというところをすごく長期ビジョンを見ているというところがあろうかと思いますので。
 弊所も北大のケースと全く同じです。下のレイヤーに女性がいないと、途端に、上のポストに上げようと思っても、人がいないという問題意識があるというところ。
 もう一点は、大学の中に人を入れるときと、弊所も同じですけれども、この講座に人を採ろうとして教員を選ぶという採用制度を取っていると、どうしても、限られた母集団の中から採用してきますので、女性というのは取りにくいと思います。
 以前、元東京科学大学におられた益先生と意見交換したときに、何をやってでもいいから、このぐらいのことをやっている工学部で教えられる教員を採りたいというふうに枠を緩めて広げると、すごく優秀な女性を採ることができる。大学としても女性を採りたいということは同じだと思うので、弊所も、分野はあまりこだわらないんですけれども、広くこういう工学的なことをやりたいという人を募集しますと言うと、途端に応募者は増えます。そして、優秀な人が採れます。
 だから、そういったような採用制度も含めて女性をうまく取る方法、入れてくること、そして、それをどうやってプロモーションさせていくかという長期ビジョンを引くことという合わせ技の制度をきちんとそれぞれの組織で持っていかないと、なかなか管理職まで人を引っ張っていけないなということを、現実、今感じています。
 私からは以上です。
【狩野主査】  ありがとうございました。ここはもしかしてガイドラインとか政策的インセンティブが要るかもしれませんね。
 あと二、三分のうちにあと3件質問いただきたいと思います。質問というか、御意見いただきたいと思います。迫田先生、お願いいたします。
【迫田委員】  ありがとうございます。
 企業のほうでの数が少ないという点についてですが、10ページのところを見ていただきたいのですが、企業では、研究者というと理工系がほとんどですが、理工系だけではこの辺が限界だと思います。私はかつて採用の責任者をやっていましたけれども、女性の理工系を20%採るという非常に高い目標でした大学でも10%程度のところを20%採るというのは結構大変なことであります。
 それで、8ページのところを見て、不思議だなと思ったのが、これは理工系だけなのか、いわゆる自然科学系だけなのかということであります海外で、数多くのシンクタンクがあり、人文社会系の研究者がたくさん活躍していますまた様々なリサーチ会社でも経済学他人文社会系のドクターを持っている方々がたくさん活躍しておられるので、この8ページは自然科学だけなのかという点が疑問に思いました。
【狩野主査】  ありがとうございます。もしかすると、後でどなたかお答えになるかもしれませんが、先に御意見をいただきたいと思います。
 江端先生、お願いします。
【江端委員】  ありがとうございます。私からは直接的というよりは、間接的な観点からコメントさせていただきたいと思います。
 今回の議論では、女性「研究者」が中心にフォーカスされているかと思いますが、女性研究者の活躍促進を考える上では、本委員会でこれまでに何度も議論されてきた、多様な科学技術人材全体像におけるジェンダーバランスの課題として大きな視点で捉えていく必要があると考えています。
 研究者のみを対象とすると母数が少ないので、その部分だけを広げようとしても、全体としてのバランスの中で裾野を広げていくことはなかなか難しいと感じています。先ほど宮崎先生からお話しいただいたように、弊学では当時学長だった益先生が主導をし、一気に女性研究者の枠を拡大し、30%程度まで増やしていくという大きな目標を掲げて取り組んできました。
 私としてはこの目標を実現するためには、研究者に限らず、これまで本委員会で議論されてきた、多様な科学技術人材の方々においても同様に捉え、業界全体の文化として定着させていくことが必要ではないかと思っております。
 本日の資料の中では、そこまで踏み込んだ言及はまだなされていないように思いますが、環境をつくっていくという意味では、そうした点まで視野を広げて言及していくことが必要ではないかと思いましたので、コメントさせていただきました。ありがとうございます。
【狩野主査】  貴重なコメントありがとうございました。
 杉山先生、お願いいたします。
【杉山委員】  これは非常に重要なことだと思っていて、我々名古屋大学も随分前から必死で取り組んできて、女性教員の割合を何とか1%ずつ増やして、多分、今、大きな大学の中では一番多いぐらいだと思いますけれども。阪大といつも競っているんですが。
 その中で、これを出していただいて、結構皆さん頑張り切っていると思うんですよね。だから、だったらもっと中学段階から理系に進めるようにちゃんと教育しようとかいう気持ちになるのは大変よく分かるところであります。
 そもそも日本は理系と文系を分けて受験をしているのが一番の諸悪の根源で、将来、そんな16ぐらいのところで理系・文系を分けて将来を決めてしまっていいのかというのは随分疑問に思うところです。その辺りから少し入れていかないといけないのかなというのは思うところです。
 皆さんおっしゃっていることはそのとおりだと思うんですけれども、うちで下のレイヤーから一生懸命教授まで育てると、某T大学にすぐ取られてしまうということが次々と起きていまして。教授から採るというのは、我々としてはやりきれないんですが、本人のキャリアとしてはもちろんアップということもあるのかもしれないし、東京で一緒に暮らせるみたいな話はパートナーにとってはいいということもあったりするので、何とも言えないんですけれども。自分たちもちゃんと下のレイヤーから育てろよなと私は思ったりします。それが1つ目。そこは非常に重要だと思っていて。
 そういう意味では、11ページの図はちょっとだけミスリーディングだと思うのは、学生のほうはいいんですけれども、教員の側が助教・講師から准教授・教授への上位職への登用のタイミングというところですごく減っているように見えるんですが、これはひょっとすると、恐らく助教・准教授のところは結構増えてきているんだけれども、それがまだ次のところまで波及していないということをあるかと思うんですよね。時間差みたいなものですよね。
 だから、必ずしもそこのところでセレクション行われて女性教員がぐっと減らされるわけではなくて、まだまだ助教のところは何とか増やしてきたんだけれども、それが准教授のところまで行っていない、さらに教授のところまで行っていない、そこの少しの時間差もあると思うので、そこはちょっと精査したほうがいいのかなというふうには思っていました。
 我々ほかにいろいろやっていることがたくさんあるので、あんまり時間がないので、例えば、教授の最終選考を我々は全学の委員会でやっているんですけれども、全ての教授について、そこには必ず女性教員を入れる。女性の副総長を入れるようにしています。
 こういうこと1つ1つでよくはなってくるということで、だから、そういう意味では、今回のこの提言は、いろいろな大学のグッドプラクティスもすごく集めてやるといいのかなというふうに思いました。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 時間の関係で、もし中村さん一言お返事があれば、お願いします。
【中村人材政策推進室長】  多方面に御議論いただきまして、ありがとうございます。
 また、データの部分はもう少し精査が必要なところもたくさんあると思います。また、時間が解決する部分というのはあるとは思いますが、裾野を広げていくという点が今後の大きな課題になってくると思いますので、そういった部分も含めて、積極的に取り組まれる大学とともに、一緒に何ができるかいろいろと考えていきたいと思っております。ありがとうございます。
【狩野主査】  すいません。詰め込んだコメントをいただいてしまいまして。ありがとうございました。
 では、時間の関係で、恐縮ですけれども、議題1の中の次の議題に行きたいと思います。こちらは産業科学革新人材事業についてでございますけれども、まずは西川さんから御説明いただいて、その後、若干の御質問、御意見の時間がいただけると思います。お願いします。
【西川人材政策課長補佐】  ありがとうございます。
 資料1-4と1-5がございますけれども、基本的に1-5のほうで御紹介できればと思います。前回のこの委員会でも説明がありましたので、かいつまんで説明させていただきます。
 6ページまで飛んでいただいて、資料の6ページがこの事業の基本的方向性ということで、3つの基本方針を定めるということを前回も説明させていただきましたが、丸1番の産官学による先端技術分野を設定するということと、丸2番は、国として政策的に重点的な資源配分を行うとともに、産業界においても大学等への投資を抜本的に促進していくことが重要ということでございます。丸3番が、こういった取組を実際行うに当たって、大学自身が自らの経営力・財政力を一層強化、改革をしていくということで、人事や処遇等を含めたマネジメント改革を推進していくことが重要ということで、この事業の3つの方針を掲げてございます。
 次のページがこの事業の全体像を表す1枚の紙でございまして、前回記載がなかった部分もございますが、真ん中の黄色の箱のところ、この事業の支援の対象としましては、今のところ20大学程度ということで、1大学当たり年間3から5億円程度ということを想定してございます。事業の実施期間は、左下にありますとおり、6年間ということで想定してございます。
 この事業で取り組んでいただきたいというものが丸1から丸5の全てでございまして、その中身が次の2つのページにございますけれども、まず、8ページに、丸1番のところ、大学・企業等による双方の雇用等によって産学における人的交流・人材流動を促進していきますということ。丸2番は、人材流動・人材交流の仕組みというものも使いながら、新たな研究者・技術者の育成ということで、この分野の質的・量的な人材の規模の拡大というものを目指していくというものでございます。丸3番が、この分野に付随する教育プログラムの開発実施というものでございます。
 次のページが、丸4、丸5とございますけれども、まさに今日の議論にも少し関わってきますが、丸4番が大学における学内の組織体制の整備構築ということで、その下の白背景のところに少し取組のイメージも書いてございますけれども、3つ目の丸に、例えば、研究開発マネジメント人材や技術職員等の専門人材の新規登用、処遇改善、キャリアパスの整備を行っていく、こういったことを大学において進めていただければなと考えてございます。
 最後、丸5番は、民間投資を拡大するための機能・仕組み、これを充実・強化いただきたいというものでございまして、1つ目のポツにありますように、従来の組織、制約や慣習にとらわれず、企業との連携強化に取り組むことができる組織や横断部局、こういったものを整備いただきたいというものでございます。
 次のページが分野の説明でございます。基本方針の1つ目で御紹介した先端技術分野というものでございますが、文科省に設置しているガバニングボードで決定させていただくことで考えてございます。それを踏まえつつ、申請する大学においては、1つまたは複数の領域分野を対象に、この事業の先ほど御紹介した丸1から丸5の取組を実施いただくという形で考えてございます。
 一気に14ページまで飛んでいただければと思います。この実施体制、前回も少し御紹介しましたけれども、今御紹介したようなガバニングボードによって、まさにこの委員会で何度か御議論いただいた内容を踏まえながら、この事業の基本方針というものを策定していきたいと思います。今御紹介している資料1のほうと資料1-4の基本的考え方、これを踏まえた形で事業の基本方針というものを策定していきたい。
 スケジュールでございますが、今後、ガバニングボードを開催いたしまして、基本方針を決めて、その後公募という流れになってございます。公募開始は恐らく4月以降になるのではないかと思いますが、できるだけ早めに事業を開始できるような形で進めていきたいと思います。
 この資料の御紹介はここまでですが、資料1-4について少しだけ触れさせていただきたく、資料1-4の最後のページ、7ページでございますけれども、まさに今日前半御議論いただいた技術職員のガイドラインもありますが、(7)のその他のところで、計画の策定に当たってはということで2段落目に書いてございます。各種のガイドライン、今日の技術職員のガイドラインも含めて各種のガイドラインをちゃんと参照いただいて、それを参考にしながら、ぜひこの事業の研究開発、人材育成の計画というものをつくっていただければなとに考えてございます。
 以上でございます。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 前回との差分は、特に最後に強調されたところでしょうか。
【西川人材政策課長補佐】  そうです。加えて、あとは金額の部分です。すいません。今日御紹介は抜けておりましたが、企業との連携のところで、スタートアップを含めて等、細々したことは入れさせていただいておりますが、今日は割愛させていただきました。
【狩野主査】  ありがとうございました。すいません。私の時間配分がいまいちで。
 では、御意見いただきたいんですが、特に前回お出になっていなかった方々はいかがでしょうか。前回、結構たくさんの方にお伺いしましたので。湊先生と川越先生ですかね。よろしければ何か。
【狩野主査】   川越先生、何かございますか。
【川越委員】  ありがとうございます。前回は出席できていなかったのですが、以前の議論でクロスアポイントメントについて話題になっていたと認識しています。今回の資料からは、その点が少し読み取りにくい部分もありましたので、改めて確認させていただければと思います。
 クロスアポイントメントについては、仕事が増えるといった側面もある一方で、企業と連携することによって、大学も企業もどちらの研究者にとってもインセンティブになるような仕組みが必要だと思います。そういった点が本資料に書かれていると思いますが、よりわかりやすく伝わるような形で示すことで、産学連携や社会とのつながりについて、多くの方が認識できる内容になっていくといいなと思っています。
 その中には、学部生の教育という観点も入っていたと思います。先ほど触れられていた技術職員や高度マネジメント人材といった視点についても、こういう分野で必要な役割やキャリアのあり方など、学生に幅広く知ってもらうような、そういう仕組みも含めた教育制度になっていくといいのかなと感じました。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 先ほど少し御見解があった、社会に向かったところに興味が多めの皆様がジェンダー的に多いのではないかということについて、そうしたものを大学に行った後にどこが受けてくれるかということがあまり明確じゃない場合がまだまだあるなと思っておりまして、そういうことにこの事業がつながっていくようになると本当はいいなと思いながら、さっきも聞きながら思っておりました。ありがとうございます。
【川越委員】  ありがとうございます。
【湊委員】  いいですか。
【狩野主査】  ぜひお願いします。
【湊委員】  社会人博士のところをもっと重点化すべきだなと僕は個人的には思っていまして。優秀な人材が結構修士で就職してしまっているんですけれども、日本国内ですと、修士でも立派な人材というふうに見られるんですが、欧米ですと、修士というのは博士を諦めた残念な人という、そういうイメージで見られてしまいがちで、特に外資系だとか、あと海外とやり取りをするというところでは、博士号は非常に重要ですので、特に優秀な人材の人に社会人ドクターを出せるような、そういう後押しする制度があるといいなと思っています。
 以上です。
【狩野主査】  ありがとうございました。ドクターを出すときに、アカデミア的厳しさをどこまで当てはめるかという議論も今後あり得るかなとは思っておりました。
 時間がいまいちないので、よろしいでしょうか。また次の機会に更に御意見を賜れればということでよろしゅうございますか。
 では、この内容は非常に重要なことをたくさん含んでおりますし、この委員会からの皆様の御意見に基づいて策定されたというふうに思っておりますので、またよろしくお願いいたします。御一緒に育てていただければと思います。ありがとうございました。
 では、残りもう一つ議題がございまして、こちらが議題2と書いてあったんですが、あと5分しかなくなってしまったんですけれども。科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業というのがSPRINGになる前にございましたが、それについて事後評価を委員会としてしないといけないということで、これの御説明をいただいて、その後、少し議論をさせていただきたいと思います。髙橋さん、お願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】  それでは、資料2を御覧いただければと思います。時間も限られておりますので、今回、御説明いたしますが、後ほどメールなどで御意見いただければと思いますので、そこは時間の許す限りでいたします。
 次のページお願いいたします。2ページ目をお願いします。科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業の概要ということで、フェローシップ創設事業と呼ばせていただきますが。博士支援といいますとSPRINGを思い浮かべるかと思いますが、同じようなタイミングで博士支援をするということで、このフェローシップ創設事業を開始しておりました。
 課題感としては、日本の研究力強化、イノベーションの創出に向けて、博士人材の活躍が重要である。一方で、他国と比して日本の博士学生の数が少ない、増えていかないというところから、それの課題として、経済的な不安、あるいはキャリアパスの不安、こういったところを解決するための事業としてこの事業を始めた次第です。
 仕組みとしては、事業概要のところにありますとおり、文部科学省あるいはJSTから大学を支援する事業となっております。大学において博士後期課程学生の経済的支援あるいは研究費の支援をしつつ、加えてキャリアパスの支援もするという構成になっております。
 次の3ページ目お願いいたします。令和2年度の補正予算から始まりまして、その後、当初予算30億円前後で事業を推進してまいりました。支援大学数は、そちらにあるとおり47機関でして、支援学生数は、一番多いときで3,000人弱といった状況でございます。
 一方で、SPRINGも令和2年度補正予算から開始したこともありまして、その後、SPRINGに事業としては一本化、一体化してきたというところで、博士支援はSPRINGで今も行っておりますが、この事業としては令和6年度をもって終了したということで、このタイミングで事後評価をさせていただければと思っています。
 今回、この事後評価を行いまして、事業を実施していただきましたJSTのほうで、振り返りということで事後評価的なものをまとめております。参考資料で入れております。その内容も踏まえまして、必要性、有効性、効率性、この3つの観点からまとめています。
 まず、4ページ目になりますが、こちら必要性ということで、政策的な必要性など書いております。重なってしまいますが、他国における博士後期課程学生の数の伸びに比して、日本においては伸びていかない。それに対する対応が必要ということで、経済的支援及びキャリアパス支援を行う大学を支援するというところが必要性として掲げられ、この事業が始まった。
 そういった内容自体は、第6期の科学技術・イノベーション基本計画しかり、あるいは、今議論中の第7期の基本計画にも掲げられているところ、そういったこの事業の必要性はあったというふうに評価しております。
 続きまして、5ページ目に、有効性になります。ここに書いてあるものと、あと6ページ目、7ページ目でグラフを入れております。
 まず、5ページ目について、経済的支援とキャリアパス支援、これは2つ、丸1、丸2という形で分けておりますけれども、まず、経済的支援について、学生に対してアンケートを取っております。そのアンケート結果からは、生活費相当額は「足りている」または「おおむね足りている」と回答した学生が6割以上であったことから、一定程度、学生の満足度は得ている。また、「研究時間が増えた」または「やや増えた」と回答した学生が8割以上であったことから、このような生活支援というのが結果的に研究時間の増加にも貢献したと考えているところです。
 また、フェローシップ、この事業を実施した大学における学生の博士後期課程学生の進学者数については、令和2年度以降、微増してきているといったことからも、この事業の一定の成果が出ているんじゃないかと考えています。
 続きまして、丸2のキャリアパスになります。キャリアパスについても学生に対してアンケートを取っておりまして、「役に立っている」「やや役に立っている」が半数を超えているということ。また、実際の就職状況につきましても、全支援終了学生の58%が就職をしていまして、その後、学業を継続された方を除くと就職率は81.7%ということで、博士後期課程全体では70%ぐらいのところ、この支援を受けている方の就職率は高いという結果になっています。
 また、その進路につきましても、アカデミアだけではなく民間に就職する方もたくさんおりまして、約48%の方が国内あるいは海外の企業、あるいは官公庁といった多様なキャリアパスを歩んでいるということになります。
 以上のことから、この事業における支援の有効性もあったというふうに評価をしております。
 最後、8ページ目が効率性ということで、事業全体を実施するに当たっての効率性の評価になります。同じ話になってしまいますが、この事業は学生個人を直接的に支援するものではなく、大学を通じて学生に対する経済的支援及びキャリアパスを支援すると、そういった構造の支援になります。
 こういった形を伴うことによって、各大学あるいは大学を取り巻く状況を踏まえた柔軟な運用というのができたのではないかと思っておりまして、効果的・効率的な支援ができたというふうに評価しています。
 また、博士の学生やキャリアパスということですと、個人に任せる、あるいは研究室に依存するというところがこれまで多く見られたところかと思いますけれども、こういった事業を行うことによって、大学として博士後期課程学生をしっかりと支援していく、こういった意識改革にもつながったのではないかと思っております。
 最後に、また、SPRINGという事業も同じようなタイミングで走っていたことから、大学あるいは学生にとってもなかなか非効率な面もあったというところで、SPRINGに全て一体化したということから、事業の効率性も図ったというところで、全体として効率性はあったと評価をしております。
 最後、まとめになりますが、9ページ目で、それぞれの3つの項目について評価をしております。また、今現在SPRINGにおいて博士支援をやっているということから、このフェローシップでのある種学びというものはSPRINGで生かしておりまして、先ほど生活費満足度は一定程度ありましたけれども、昨今の物価上昇なども踏まえて、SPRINGでは、上限額を引き上げるであるとか、あるいは、大学においてしっかりと学生を支援するということから、大学に対する経費の支援というのも手厚くする、こういったことをSPRINGでも行っております。
 同じタイミングですので、あくまで前身とは言い切れないのですが、こういった形で事業をすることによって、ある種このフェローシップの学びをSPRINGに生かせたという意味で、パイロット的な役割を果たせたのではないかというふうに評価をしております。
 最後、この事業に限らない話になりますが、今後の展望としましては、SPRINGは引き続き行っていきますので、しっかりとこのSPRINGの支援を行うというのが1つ。
 また、順番が前後して恐縮ですが、3つ目のポツにあるとおり、いずれこういったSPRINGでも事後評価などをすることも見据えると、学生のアンケートではないですが、しっかりとデータを取っていくこともやるべきである。
 加えまして、こういったフェローシップのような生活の支援というやり方もしつつも、更なる学生の支援を増やしていくという観点からは、多様な財源を活用して博士後期課程学生への給与の支給という形も、方策も検討すべきではないかというふうに結んでおります。
 時間が押していますので、もし御意見があればいただきますが、後日メールなどでいただければ幸いです。
【狩野主査】  ありがとうございました。
 今御説明いただいたもの、とりわけ9ページ目の内容を委員会の見解としてよろしいかという、そういうことでございましたけれども、今すぐに何か御反応ございますでしょうか。よろしければ、期限を切っていただいて、それまでに御意見が……。
【髙橋人材政策課長補佐】  また御連絡させていただきます。
【狩野主査】  もし何かございましたら、それを踏まえて、主査一任ということでまとめさせていただきたいと存じます。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、すいません、時間が過ぎてきてしまっておりますが、せっかくの機会ですので、福井さんから一言何かいただいて終わりを迎えたいと思います。
【福井大臣官房審議官】  時間がない中ではございますが。ありがとうございます。本日、委員の先生方から様々な御意見、ありがとうございました。
 まず、技術職員のガイドラインにつきましては、主査一任いただいたということで、この後、本日の意見を踏まえて修正させていただくところはあるかと思いますが、完成しましたらぜひ広く大学中心に皆さんに使っていただいて、できてからが肝腎だと思いますので、しっかり使っていただけるように努力していきたいと思います。
 また、今日の議論でも名称の話とかが結構ありました。また、技術職員の標準化というところ、今後の課題に残されたかと思いますが、このガイドラインを1つの意見交換のアイテムとして、そういった問題にも迫っていければというように思っております。
 ダイバーシティの確保については、御意見いただきまして、この後、夏に向けて、また施策につなげていこうということでの今日の議論でございました。女性活躍という観点でございましたけれども、私も人事をやっていた時期がありまして、適材適所を考えると、女性のみならずいろいろな方を組織に置いておくということは大変重要だなという実感もございましたので、女性活躍の目標に合わせて、そういったダイバーシティであってよかったみたいな話もいただくと施策の深みが出るのかなというふうに思っております。
 今日御意見いただきまして、申し上げましたが、今後の施策につなげていきたいと思っております。
 本日はありがとうございました。
【狩野主査】  簡潔にいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、時間になってまいりましたので、最後に、事務局から連絡をお願いして閉じることになろうと思います。お願いします。
【髙橋人材政策課長補佐】  本日の議事録につきましては、委員の皆様に御確認いただいた後、文部科学省のホームページにて公表させていただきます。
 以上です。
【狩野主査】  それでは、本日はこれにて閉会としたいと思います。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課