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人材委員会(第87回) 議事録

1.日時

令和元年10月1日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 科学技術・学術政策研究所からの報告(「民間企業の研究活動に関する調査報告2018」、「科学技術指標2019」及び「科学研究のベンチマーキング2019」について)
  2. 科学技術・学術審議会総合政策特別委員会「中間取りまとめ(案)」について
  3. ポストドクター等の雇用に関する小委員会の設置について
  4. 令和2年度概算要求について
  5. その他

4.出席者

委員

宮浦主査、宮田主査代理、長我部委員、勝委員、小林委員、隅田委員、高橋(修)委員、竹山委員、塚本委員、藤垣委員、八木委員、柳沢委員、横山委員

文部科学省

菱山科学技術・学術政策局長、梶原大臣官房審議官、真先文部科学戦略官、奥野人材政策課長、楠目人材政策推進室長

5.議事録

科学技術・学術審議会人材委員会(第87回)

令和元年10月1日


【宮浦主査】  それでは、ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会(第87回)を開催致します。本日の会議は、冒頭より公開となっておりますので、よろしくお願い致します。
 本日は狩野委員、川端委員、柴原委員、高橋真木子委員の4名が御欠席です。13名の委員に御出席いただいており、定足数を満たしておりますので、開催とさせていただきます。
また、事務局に人事異動がございましたので、御紹介お願い致します。


○菱山科学技術・学術政策局長、梶原大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、真先文部科学戦略官、奥野人材政策課長、満田人材政策課長補佐より異動の挨拶。


【宮浦主査】  それでは、審議に入る前に、事務局より本日の資料の確認をお願い致します。
【満田人材政策課長補佐】  本日の会議は、ペーパーレスによる運営とさせていただいております。お手元のタブレットのデスクトップにあるフォルダーを開いていただきますと、議事次第から資料1-1、1-2、資料2-1、2-2、資料3-1、3-2、資料4及び資料5がそれぞれ保存してございます。議事進行の過程で不備などございましたら、事務局の方までお知らせ願います。
  以上でございます。
【宮浦主査】  それでは、議題1に入ります。科学技術・学術政策研究所におきまして本年に入ってから3つの研究人材関連の調査結果が公表されていますので、その御報告を頂きたいと思います。それでは、科学技術・学術政策研究所から20分以内で御説明お願いします。
【磯谷科学技術・学術政策研究所長】  科学技術・学術政策研究所長の磯谷でございます。7月9日付けで研究振興局長の方からNISTEPの所長に異動致しました。よろしくお願い致します。
 先ほど主査から紹介がありましたように、3つの調査について御紹介したいと思います。まず、「民間企業の研究活動に関する調査2018」については富澤研究官の方から中身について詳細に御説明させていただきたいと思います。それから「科学技術指標2019」と「ベンチマーキング2019」は科学技術・学術基盤調査室長の伊神から御説明させていただきます。いずれにしましてもほぼ毎年こうした調査を出しておりまして、本日は人材委員会ということなので、大学院の学生の状況や人材に関する点をピックアップして御紹介したいと思います。それではよろしくお願いします。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  それでは、お手元の資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」をご覧ください。この調査はNISTEPが毎年実施している統計調査です。1ページ目に概要のスライドがあります。左側にこの調査の概要、右側に関連する統計調査が書いてあります。関連する統計調査の1つは総務省の科学技術研究調査、もう一つは私どもが実施しております全国イノベーション調査です。こちらの方はどちらも国際標準に沿ったよりジェネラルな統計ですが、私どもが行っている左側の調査は、その2つの統計調査を補うような位置付けのものです。
 ポイントは左下に記載しているこの調査の対象についてです。対象は研究開発を実施している一定規模以上の企業であり、具体的には総務省の科学技術研究調査の前年に行った調査で「研究開発を実施している」と回答した企業のうち、資本金1億円以上の民間企業になります。その数は母集団でいうと3,728社で、回答の回収率は52.3%になります。この調査では、民間企業の研究活動、研究開発に関して伺っているのですが、本日は人材委員会ということで、研究開発者の採用などに絞ってご説明します。
 2ページ目のグラフですが、横軸が年度、縦軸が「研究開発者を採用した」と回答した企業の割合を示しており、調査対象企業全体を100%としてそのうち様々なカテゴリーごとに研究開発者をどれだけ採用したかどうかということを示しています。1人でも採用したらカウントしており、企業の採用活動に焦点を当てた集計となっています。
 こちらをご覧いただくと、全体として右肩上がりとなっており、つまり研究開発者の採用が現在非常に盛んに行われていることとなります。特に最新の2017年度ですが、過去にない盛んな採用が行われているということが分かります。なお、一番上の折れ線が研究開発者(新卒)で、一番多くなっています。もちろん中途採用も増えています。2番目の折れ線が修士号取得者(新卒)で、昔から日本の民間企業の研究者の採用は修士の新卒が中心というような動向となっています。博士課程に関しては、下から2番目であり、近年増えている傾向はありますが、依然としてそれほど高くないという状況です。
 3枚目のスライドについては、2枚目のスライドのグラフを少し細かくしたようなものとなっております。これは先ほどの折れ線グラフの最新2年間、2016年度と2017年度の部分を企業の規模、資本金で3つのグループに分け、それぞれの内訳がどこに寄与しているか示したものとなっております。
 左側に学士と修士がありますが、学士と修士は2017年度に採用が非常に盛んになっており、特に資本金が10億円以上100億円未満の中規模企業の部分が非常に増えています。大企業、資本金100億円以上の企業もそれなりに増えていますが、むしろより小さい企業の方が増えており、これはいわば採用する企業の裾野が広がっているという状況かと思います。それから一番右に中途採用がございます。中途採用についてはどの資本金企業についても全体的には伸びていますが、大企業の部分は若干減少しており、これについても規模の小さい企業が増えているという状況です。
 次に4ページ目のスライドについてですが、企業に採用された人数に基づく集計となっています。これは毎年回答している企業が異なるため、単純な人数では比較できませんが、採用された研究開発者の全体を100%として、その内訳を示しております。一番上の折れ線グラフが修士号取得者(新卒)ということで、先ほどの傾向と似ていますが、人数で見てもやはり民間企業の研究開発者の中心は修士の新卒であるということが分かります。それから2番目の折れ線が注目すべき点なのですが、中途採用です。2017年度のみ少し減少していますが、過去4年ほど中途採用が徐々に増えているということは言えるかと思います。
 これについても5ページ目のスライドで、先ほどと同じように企業の規模でブレークダウンしたものを示しております。学士と修士について大企業(資本金100億円以上)は横ばいであまり増えていませんが、規模の小さい企業の方が増えています。それから中途採用については、大企業はむしろ減っていますが、中期的には中途採用が増える傾向にあるので、それが一段落したような状況かと思っております。
 6ページ目は、研究開発者に対してどのような考え方を持っているかという採用後の印象を学歴別で聞いております。こちらは「ほぼ期待どおり」が大部分の9割近くを占めています。それから、「期待を上回った」というのは「期待を下回る」より大抵のカテゴリーで高くなっており、全般的には採用後の印象は良好と言っていいかと思います。中でも、特に「期待を上回った」という割合が最も高いのは博士課程修了者であり、それから「期待を下回る」という割合で見ても博士課程修了者はそこまで悪くないということで、相対的には博士課程修了者の評価が高いと言えるかと思います。
 またスライド7では、研究開発者全体に研究開発人材を採用するにあたって必須と考える能力を、企業の採用動向により企業を3つに区分し調査しました。全体で見ると、1番目は「問題解決力」、2番目が「関連する研究分野に幅広い知識を持つこと」と並んでおり、特に博士課程修了者を採用した企業の特徴的なところを赤い枠で囲っております。2番目の「関連する研究分野に幅広い知識を持つこと」、5番目の「技術変化への順応性」については、博士課程修了者に直接要求しているわけではございませんが、博士課程修了者を採用するような企業はこのようなことを重視しているということが表れているかと思います。
 最後にスライド8ですが、博士課程修了者を採用する企業の行動とほかの研究開発に関する活動の間に相関があるかどうかということを調べております。縦軸に幾つかの活動を示しております。なお、イノベーションを7種類に分け、様々なイノベーションを実現したかどうかという相関を見ると、博士課程修了者の採用活動との相関はほとんど見られませんでした。ところが、国外の大学等・公的研究機関と連携している企業が博士課程修了者の採用活動と相関が高くなっています。またベンチャー企業や起業家と連携する活動と、博士課程修了者の採用との相関が比較的高いという結果が出ております。
【磯谷科学技術・学術政策研究所長】  次は科学技術指標2019とベンチマーク2019です。では、伊神室長の方から説明させていただきます。
【伊神科学技術・学術基盤調査研究室長】  では、資料1-1「科学技術指標2019 科学研究のベンチマーク2019」に基づいて、指標とベンチマークについて御説明致します。
 まず、スライド4をご覧ください。これは科学技術指標といいまして、研究者や研究開発等の指標の報告書のポイントになります。本日は、主に4つのポイントについて御説明します。1つ目は主要な指標における日本の動向、2つ目は企業の研究開発の状況、3つ目は博士人材の育成・活用の状況、4つ目は動きの見られる指標ということで御紹介します。
 まず主要な指標ですが、一番上に書いてございますように、産業も含む日本全体では、日本は研究開発費で第3位、研究者数も第3位、論文数に関しては4位、9位、特許に関しては1位というような状況です。この順位自体は前年の報告書と変わっておりません。
 このうち研究者数については、スライド6をご覧ください。スライド6は主要国の研究者数の推移を示しております。日本(FTE)に関しましては、主要国の中では第3位ですが、最近の伸びを見るとほかの国に比べて伸びが余り芳しくないという状況です。あと、右の部門別の状況を見てみますと、どの国も企業の研究者が一番多い状況になっています。大学について比べますと、企業に次ぐ数になっているということになります。
 スライド7、8は後ほど御説明しますので、続いてスライド9をご覧ください。こちらは主要国における企業部門の産業分類別研究開発費について示しており、製造業と非製造業のバランスに注目しております。この図表で上が製造業に分類されるもの、下が非製造業です。これを見ますと、国によってバランスが違いまして、例えば日本、ドイツ、韓国に関しては製造業に重みを持っており、フランス、英国は非製造業に重きを置いていて、米国はその中間というような研究開発費の分布になってございます。個別に注目しますと、アメリカに関しては、情報通信の研究開発費が一番大きいです。ドイツ、日本に関しては輸送用機器、韓国に関してはコンピュータ、電子工学ということで、産業のどこに重きを置いているかということの違いが見えてくるということになります。
 続いて、スライド10をご覧ください。このような産業の構造を踏まえて、貿易の構造にも違いが見られます。これは主要国における貿易額の推移を示しておりますが、上が輸出額です。輸出額に注目しますと、韓国、ドイツ、日本はサービスの割合が小さく、英国、米国、フランスはサービスの割合の大きいということになってございます。ここのポイントは、いずれの国もサービスの割合は過去20年で増えているということです。なので、貿易におけるサービスの割合が増えているというような結果が出てございます。
 スライド11をご覧ください。これは当所でも実施しておりますイノベーション調査を用いまして、主要国のプロダクトイノベーションの実現企業割合を示しております。各国、絶対値が若干違いますので、各国の全体を基準に企業規模別、製造業、サービス業、情報通信サービス業ということでお示ししております。ここで1つポイントなのは、製造業と情報通信サービス業を比べると、どの国も情報通信サービス業におけるイノベーション実現の割合が高くなっているということです。ですので、企業の分類としての情報通信サービス業で今盛んにイノベーション実現が行われているというような結果になっているということでございます。
 続いてスライド12以降は、知識集約型社会への移行ということで、博士人材の育成・活用や、科学知識の産業での活用という観点からデータを幾つか御紹介致します。スライド12は、主要国の人口100万人当たりの博士号取得者数の推移でございます。赤色が日本ですが2000年代初めを見ていただきますと、実は日本と米国、フランス、韓国に関して100万人当たりの取得者数はあまり違いがありませんでした。ただ、この20年間でどんどん差が付いており、現在、米国、韓国は日本のおよそ倍の数になっています。他方、ドイツ、英国は、もともと数が多いのに加えて、時系列でも増えている状況になっており、国によってかなり状況が違う様子が見えているということになります。
 13ページをご覧ください。これはデータの制約から日米比較しかできないのですが、産業別の研究人材集約度と高度研究人材活用度を示しております。横軸が従業員に占める研究者の割合、縦軸が研究者に占める博士号保持者の割合です。例えば日本の場合、医薬品製造業は研究者に占める博士号保持者が2割近くおり、高度人材活用力が非常に高いということになります。他方、日本の特徴は、研究者に占める博士号保持者の割合が5%以下のところが多く、米国は、研究者に占める博士号保持者の割合が全ての産業分類で5%以上ということで、研究者、特に企業の研究者に占める博士号保持者の割合に違いが見られるということがこのような結果から見えています。
 14ページは、少し視点を変えて、科学知識の活用という意味で、特許の中でどれぐらい論文を引用しているかというのを分析した結果です。左は、各国の特許の中で論文を引用しているものの数です。数を見ますと、日本は世界で米国に次いで第2位であり、赤い枠にあるとおり、論文を引用している特許、パテントファミリーの割合が9.1%ということで、ほかの国に比べて割合が低くなっています。一方、右は、論文のうち特許に引用されているものの数ですが、これも世界2位で、論文の中で特許に引用されているものの割合は4.1%であるため諸外国と大きく変わりません。日本の科学知識は様々な国から活用されていますが、日本の技術側が科学知識をどれぐらい活用しているかというと、この分析ではやや低く見えているということになります。
 15ページ、16ページは、動きがある指標ということで、15ページは研究者に占める女性の割合を示しております。左は主要国の女性研究者数の部門ごとの割合を示しておりますが、企業、公的機関、大学等、いずれもここに示した国の中で、日本は低い状態になっております。企業が9.6%ですが、右のグラフに記載の通り、これは新規採用における女性研究者の割合を示しておりますが、最新では18.7%とかなり高くなっていることから、今後、左の9.6%というのも割合が増えていく可能性が見えていると思われます。
 17ページ以降は、科学研究のベンチマークという論文分析について御紹介します。
 18ページをご覧ください。基本的にはご存じのとおり、論文生産において日本のポジションが低迷していること、また国際化の状況や日本の論文生産の構造というところを御紹介します。
 スライド19をご覧ください。スライド19は、主要国の論文数、注目度の高い論文数におけるランクの過去30年間の変動を示しております。日本の最新値は論文で4位、Top10%及びTop1%補正論文数で9位となり、ここ数年はランクに変動はないというような状況です。
 スライド20をご覧ください。変動がないといっても分野によってかなり濃淡あることがわかります。ここでお示しした中で、実は環境、臨床に関しては、論文数もTop10%及びTop1%補正論文数も増えていますが、化学、材料、物理に関しては減っています。おそらく研究者数の動きとも関係しているのではないかなということを我々は考えています。
 スライド21は、国際化ということで国際共著の状況をお示ししておりますが、日本の最新値の国際共著率は32.9%です。この10年間で9.4%上昇しており、国際化は着実に進んでいると思います。ただ、欧州に比べると国際共著率が低く、アジア諸国の中では高いというような状況が見えています。
 スライド22をご覧ください。ここで1つ気になるのは、論文数を共著形態別で見ると、日本は2か国以上の国際共著論文は増えている反面、国内論文が減っているため、全体としては減っている状況になっています。一方、ドイツは国内論文数を維持しながらも国際論文数も増やしており、国によって状況が違うということが見えてきます。
 最後にスライド23をご覧ください。これは日本の論文産出構造を部門別に少し細かく見たものです。日本の部門別・大学グループ別論文数に示しているとおり、日本の論文の7割は大学部門が作っており、その中でもグループ1、2、3、4の大学がそれぞれ同じぐらいの論文数を寄与しています。一方、Top10%補正論文数は、1グループ(東京・京都・大阪・東北大学)が大きくなり、このような構造を持って日本の論文が作られているということになります。また、Top10%補正論文数は近年、第1Gの論文がやや減っているため、今後深掘りが必要だと考えてございます。以上、駆け足ですが、一通り御説明致しました。
【磯谷科学技術・学術政策研究所長】  以上です。よろしくお願いします。
【宮浦主査】  ありがとうございました。それでは、意見交換に入りたいと思います。ただいま御説明いただきました資料1-1の方は、特に研究開発人材の民間企業における採用の動向等についてで、資料1-2の方は、研究開発費や論文含めましてその動向についてまとめていただいたものでございます。今の資料に関しまして、御質問、御意見などをお願いします。
【八木委員】  では、2点お聞きしたいと思います。1点目が資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」ページ8の最後の赤枠で掛けていただいているものの意味がよく聞き取れませんでした。国外の大学という話をしておられたと思うのですが、もう一度教えてください。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  外国の大学と連携している企業が日本の大学でなくて、海外の大学とか公的機関と連携したかどうかということを聞いており、連携するという活動と、博士課程を採用するという活動の間に、その変数の間に相関が比較的強いということを表しています。
【八木委員】  博士課程というのは、日本人博士課程という意味ですか。それとも、海外も含むということですか。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  先ほどのグラフで示したように、一部外国人博士課程を含む可能性はございますが、ほとんどが日本人博士課程です。
【八木委員】  分かりました。あともう一点お聞きしたいのが、いろいろと統計分布を見せていただきましたが、博士課程の問題を捉えたときに、分野別で特性の違いがかなりあると思います。分野間での特性の調査は実施されているのでしょうか。例えば最近ですと、AIがブームの中で何か変わってきているとかありますでしょうか。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  科学技術指標の中で分野別ということは、博士後期課程への進学者を分野別で示しております。そこでよく言われるのは2003年から進学者が多くの分野で減少しているという話ですが、保健だけは2003年とあまり変わらない状況です。一方、工学、理学は減っていますが、ここ数年、工学の入学者が少し増えていることが分かり、細かく見ると分野別に状況が若干違うのは見えています。ただ、やはり統計だと、工学のレベルでしか分からないので、AI等の細かい部分では分からない状況になっています。
【八木委員】  ありがとうございます。
【宮浦主査】  そのほかいかがでしょうか。高橋委員、どうぞ。
【高橋(修)委員】  資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」に関して質問です。博士課程の就職先の前提として、資本金1億円以上のところのデータで3つに切られていたと思います。昨今、大学発のベンチャーなどが博士課程の受け皿、キャリアとして注目をされている中で、やはり資本金1億円以下の企業の動向も重要ではないかと思っています。そのような中小企業、スタートアップ、ベンチャーに関して何かデータをお持ちでしょうか。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  この調査は民間企業の中でも、資本金1億円未満になると、急に数も増え、研究開発を実施している割合も低くなり、調査負担との関係で絞らざるを得ませんでした。ただ、当研究所がやっております全国イノベーション調査ではさらに小さい規模の企業も対象としています。
 製造業ですと、資本金3億円未満が中小企業となるので、中小企業が全く含まれてないわけではございません。ただおっしゃるように、大学発ベンチャーなどは、余り網羅されてないのが正直なところです。それに関しては、この調査では対象外としており、別の分析をトライしているところですが、はっきりとした結果はまだ出ておりません。
【宮田主査代理】  それに関していいですか。やはりそれは早めに何らかの対策を考えないといけないと思います。この頂いたスライドの6枚目でも分かりますが、大企業、いわゆる資本金100億円以上の企業が命数を終えて、企業が代謝し始めています。ですから、100億円以上の大きな企業が倒産し、そこから中途退職者が10億あるいは1億以下のベンチャーに移っていくという流れができているので、それを捉えることができないとこの調査の本質的な意味がないと思っています。今年はしょうがないですが、来年以降是非工夫をなさっていただきたいと思います。
 それともう一つ、資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」ですが、全般的に日本が振わなくなっており、あらゆる論文や指標で大体2004年ぐらいがピークになっているように感じられるのですが、これは国立大学法人化と合致するということでしょうか。
【伊神科学技術・学術基盤調査研究室長】  様々なデータを見ると、2000年前半ぐらいから動きがありますが、法人化と本当に因果関係があるかというところまでは見えていません。例えば博士後期課程の学生が減り始めたのは、2003年がピークです。人口動態等の影響もあると思いますが、法人化ですぐに減少していくのかなど、その辺りは我々も相互の指標の間の関係を見ていく必要があると考えています。
【宮田主査代理】  なるべく分析をなさって、悪い政策は直せばいいし、いい政策は拡大すればいいので、それはしっかり指標としてやった方がいいと思います。ただ、単に並行関係である可能性もあるので、そうすると、見掛け上で批判を受ける可能性もあります。そういったことも含めてきちんと何らかの分析をしておいた方がいいだろうと思います。
【磯谷科学技術・学術政策研究所長】  宮田先生の御指摘のとおりで、結局だから何なのという御意見が出る場合と、それから今先生御指摘のように、数字の出し方によっては誤解を招いてしまう部分があるので、そこは気を付けながらやりたいと思います。
 御指摘のように、我々が今お見せしたのはかなりまだ断片で、またブロードな結果なので、アウトプットの中でのクロスをするなど、もう少し細かく見られないかと思っています。先ほどのベンチャー企業の話もそうですし、それからインプット・アウトプットの分析をしないと全体構造が見えてこないところもありますので、深掘りの調査も含めて、また追々御報告をしていきたいと思っております。
【宮田主査代理】  よろしくお願い致します。
【宮浦主査】  隅田委員、次に勝委員お願いします。
【隅田委員】  もしデータがあればお教えいただきたいのですが、資料1-1「科学技術指標2019 科学研究のベンチマーキング2019」のスライド2で修士や博士の新卒データがありますが、博士と修士を両方採用しているのか、片方だけなのか、教えてください。
【富澤第2研究グループ総括主任研究官】  これは重複しておりまして、例えば博士を採用している企業は、大抵の場合、修士や博士も採用しているというような状況で重複をしています。
【隅田委員】  分かりました。2点目は、資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」スライド14のパテントファミリーのところで、引用が少ないということがございましたが、2007年から2014年のデータはそれ以前からもあった日本の傾向なのか、それとも最近の傾向なのか教えていただければと思います。
【伊神科学技術・学術基盤調査研究室長】  このデータに関しては、残念ながらまだ時系列分析ができておりませんので、今後進めていきたいと思います。
【隅田委員】  分かりました。大学も最近、予算難で電子ジャーナルを購読できなくなってきていて、本当に文献を見るのが苦しくなっているというところです。
【宮浦主査】  よろしいですか。では、勝委員、どうぞ。
【勝委員】  詳細な説明、大変ありがとうございました。資料1-2「民間企業の研究活動に関する調査2018」スライド3について、先ほど分類について質問がございましたが、研究者、開発者の採用が増えているというのは非常に望ましい流れですが、これはやはり景気変動ともかなり大きく連動する部分もあり、この辺も考慮していかなくてはいけないかなと思います。
 あともう一点は、同じ資料のスライド8で人材能力のニーズについての回答割合というアンケート調査がありますが、これは非常に重要な示唆というか、インプリケーションがあり、やはり博士人材を採用するということが非常にプラスの効果をもたらしているということも示されていると思いますので、是非こういったことは広く広報していただいて、特にイノベーションとの関わりやベンチャー、起業との関わりというところも強調するような形で広く知らしめていくべきかと思います。
 それから、次に論文ですが、この辺はずっと我々も見ている数字で、なかなかその部分での改善が見られないというのは非常に様々な課題があるからだということだと思います。例えばスライド12の博士号取得者数の推移にしても、これは長らく議論されているわけですが、イギリスなどは社会科学系が相当の部分を占めていて、そこが非常に構造的に日本と違うというか、日本の場合は社会科学系の博士人材というのは企業の博士人材雇用が進まないことから、かなり少なくなっているので、この辺の構造的要因もやはり考えていかなくてはいけないかなと思いますので、実態がどうであるかということを把握するには、少しミスリードになるのかなと思います。
 それから、論文数に関しましても、特に大学の論文生産数が減っているなかで、企業はむしろ増えているため、ここの部分が一番重要になってきます。政策対応ということを考えた場合でも、大学での論文生産、これは生産性も低いと考えていいのか、つまり、1人当たりの教員の論文生産数は低下していると考えていいのか、この辺教えていただければと思います。
【伊神科学技術・学術基盤調査研究室長】  まず1点目の100万人当たりの博士号取得者についてですが、確かに分野別で自然科学系と人社系を見ると、やはり日本は人社系の博士の方が非常に少ないです。他国の場合は人社系の部分も増えており、また自然科学系の部分も増えており、そういうもともとの分野構造の違いと時系列の動きが両方とも見えているのかなというところです。報告書の方では分野別も示しておりますが、その辺りは今後説明していきたいと思います。
 スライド23の論文ですが、まず私の説明が悪かったので1つ確認しますが、論文数で企業に関しては長期的に減少しています。公的研究機関はかなり増えてきていますが、近年はまた伸びがあまり大きくない状況です。
 1人当たりの論文生産性は、計算の仕方でどうにでも変わってしまうというとこがあり非常に難しいです。例えば教員をヘッドカウントすると教育の部分が入りますし、それを考慮するためにFTEとすると、今度また他国とどう比較するのかという問題があるため、単純に割った数で生産性が高い・低いと言うのは少し危険かなと思っています。ただ一方で、インプットとアウトプットの関係を見ていかないと、因果が分からないので、今後扱いに注意しながら分析を進めていきたいと考えております。
【宮浦主査】  ありがとうございます。後ほどポストドクター関連の意見交換もございますので、もし御質問が残っているようでしたら、その機会も含めてこの調査関連でまた御意見を頂きたいと思います。ありがとうございました。
それでは、議題2に進みたいと思います。議題2と致しましては、科学技術・学術審議会総合政策特別委員会で議論されている中間取りまとめ(案)について御報告いただきたいと思います。事務方から10分程度で御説明をお願い致します。

○事務局より、資料2-1、2-2に基づいて説明

【宮浦主査】  ありがとうございます。科学技術イノベーション政策の展開に向けた中間取りまとめ(案)ということで現状を御説明いただきました。ただいまの御説明に関連致しまして、御意見、御質問はいかがでしょうか。
 本体について御説明いただいた部分は、現在動いている政策とリンクして、更に重要な部分を強化していくという政策の展開に関わるものがかなり強化されているかなと思って拝見したところでます。人材委員会の委員の中にはこちらの委員に入られている先生もいらっしゃると思いますので、それとの関連も含めて何か御意見いかがでしょうか。塚本委員、何かコメントございますか。
【塚本委員】  ありがとうございます。先週の議論のときには、人材のところに関しては、委員の皆様からのご意見はありませんでした。再度意見をインプットする機会があると思いますので、もしも御意見がございましたら、竹山委員と是非協働して提案いたしますので、おっしゃっていただければと思います。ありがとうございます。
【宮浦主査】  ありがとうございます。ほか何かございますか。どうぞ。
【横山委員】  恐れ入ります。御説明大変ありがとうございます。各論になって大変恐縮ですが、16ページ⑨女性研究者のところで、今後こうした観点も少し必要ではないかということで申し上げたいと思います。中堅の女性研究者の間で最近よく話題になりますのが、共同研究に女性が締め出される傾向があることです。特に食事や飲み会の席で共同研究体制が男性陣によって決まってしまい、女性が締め出されるという傾向があると耳にします。仕方なく、女性は女性で固まってしまう傾向があるというのも、そういうところが要因として考えられるかと思います。我々世代になると、なるべく男女のバランスが取れた共同研究体制を取ろうということが意識的に行われて、私のグループも半々にジェンダーバランスを取るようにしているようなところもございますが、そうした意識が恐らく広まっていないのかもしれない。やはり共同研究に積極的に女性を取り入れて次のリーダーに育てていくというような、そうしたアンコンシャスバイアスを取っていくような取組というのが今後一層必要になるのではないかと思いまして、一言申し添えさせていただきました。
【宮浦主査】  ありがとうございます。その辺りの反映を検討していただきまして、日本古来の様式ではなく、日中の意見交換で共同研究も進めたいという重要な御指摘かと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。そのほか御意見ございますか。どうぞ。
【藤垣委員】  10ページ④学術研究の全体像の中の多様性の確保というところですが、論文数や被引用度のみによらない評価手法の検討ということで、かなり前から言われていたことではありますが、画期的なことが書かれております。ただ、この資料2-1の御指摘は、先ほど科学技術・学術政策研究所で御報告いただいた資料1-1あるいは1-2の研究力指標ということにも関わってまして、今後国の研究力を何で測るか、これから育てようとする人材の研究力を何で測るか、これからどういう研究力を持つ人を育てたいか、ということにも関わってまいりますので、うちの委員会にもとても重要な点かと思われます。
【宮浦主査】  ありがとうございました。どうぞ。
【宮田主査代理】  ありがとうございます。12ページ目「2.若手研究者の自立促進・キャリアパスの安定」の基本的方向性というのはそのとおりですが、この背景に博士課程や修士課程へ進学する人たちが減っているという認識が全く書かれていないのは危機感の薄さを示すのではないかと思いました。これはあくまでも一般論で、若者がイノベーションすると書いてあるだけですが、私どもの今の最大の問題は、そういう若者が科学あるいは大学の高等教育課程を望まなくなっているというところに大きな問題があると思うので、そこの危機感をここに反映させるということが極めて重要ではないかと思います。それは暗に今までの5期科学技術基本計画が失敗であったということを意味するわけではないですが、これだけしっかり基本計画を立てておきながら科学に進む若者たちが減っているという矛盾に関して、やはり危機意識を持ってこのパラグラフを書くべきだと思います。
【宮浦主査】  ありがとうございました。若手研究者、中堅研究者とか個別の議論はかなり書いてありますが、基本的にイノベーション創出に挑戦する人材が進学を含めて減っているという危機的状況をしっかり書き込んだ上で施策に落とし込むという点を是非加筆いただけるとありがたいということで、よろしくお願い致します。
 それでは、お時間も限られておりますので、一応こちらの案件はここまでとさせていただきまして、議題3に入りたいと思います。議題3と致しましては、ポストドクター等の雇用に関する小委員会の設置について御議論いただきたいと思います。まず、事務局から10分程度で御説明をお願い致します。

○事務局より、資料3-1、3-2に基づいて説明

【宮浦主査】  御説明ありがとうございます。
 小委員会の設置にかかる内容としては、ポストドクター等の若手の支援といいますか、ガイドラインを作成していくための小委員会を設置したいという趣旨でございまして、どういうことを議論するかは、最後のページにございましたように、ポスドクは各機関で様々な条件で雇用されている現状がございます。そこを一度きっちり議論した方がいいだろうということが第1点目。第2点目は、研究環境に関する部分で、それぞれのプロジェクトで雇用されている場合、あるいは運営費で雇用されている場合等様々ですが、共用機器利用や、研究力向上の研究環境の面で一度きっちり議論した方がいいだろうということ。第3点目は、御本人のキャリア開発の支援についてで、それぞれのプロジェクトで雇用されている場合には、システム上、必ずしもキャリア支援がきっちり行われていないケースも考えられ、このような視点で議論する小委員会を、人材委員会の下に立ち上げたいということでございます。何を議論するか、この小委員会の設置の趣旨、あるいはその内容も含めて御議論いただければと思います。いかがでしょう。竹山委員。
【竹山委員】  当然のように雇用主は大学等の研究機関だと思いがちではありますが、必ずしもそれだけではありません。例えば、JSTのさきがけ研究員はJST雇用です。研究場となる研究機関とは出向等の契約を結んでおり、雇用環境の健全化を図っています。一方、歴史のあるJSPSのPDにおいては給与を支給しているにも関わらず雇用関係はなく、保険も国民健康保険、身分保障もありません。研究中、もしくは研究場への移動中に事故にあっても保障母体がない状況です。この点は、改善がされていないのが現状です。予算的な面から、多くのPD採用が優先され雇用条件は二の次になってきた経緯があります。現在、PD採用の条件がいろいろ厳しくなったこともあり、申請数が減っては来ています。また、大型予算でのポスドク枠も出てくると、博士号取得機関でのきちんとした雇用下での継続した研究を希望する研究者も増えているのではと思います。ですので、現在国内で存在するポスドク雇用と思われる制度の詳細をきちんと把握してその課題を論じる必要があるかと思います。
【宮浦主査】  ありがとうございます。ポスドクといいましても、今、御指摘いただきましたように雇用主が様々でございまして、大学のみならず、国研も非常に多くのポスドクを雇用しております。また、JSPSのPDが、所属している機関との雇用関係がありませんので、身分証を再発行してもらえないですとか、共用機器が使えないですとか、門から入れないですとか、過去には様々な問題が出てきたところを、今、かなり改善に向かって動いているところでございます。
 やはり所属する機関の温度差もございますし、JSPSのPDの話題も含めて、大学、国研、大学といいましても、非常に慣れている国立大学、大型大学に比べて、比較的ポスドクが少ない大学、単科大学等も含めてバリエーションが非常にございます。運営費で雇用されている場合の雇用条件が悪いですとか、PDは給与体系は比較的良いが身分が安定していないですとか、様々なケースがあると思いますので、ここで一度きっちり雇用の契約に関する問題や、環境、あるいは御本人のキャリアパスに関する問題を小委員会できっちり議論していただくのがいいのではないかという結論に至っているところであります。ほか、いかがでしょうか。小林委員。
【小林委員】   今から30年以上前ですか、1980年代後半ぐらいに今の特別研究員制度ができて以来、先ほどの御指摘の問題はずっと抱え込んでいて、特に法人化後、非常に問題になってきた点だと思います。それはちょっと置いておきまして、実はポストドクター等という対象が、今、非常に多様化している上に、捉えにくくなっている部分があると思うんです。
 例えば、プロジェクト雇用ということで言えば、これは極端かもしれませんが、WPIの雇用はどうなのでしょうか。あれもプロジェクト雇用といえばプロジェクト雇用なわけです。それ以外のいろいろな大型の資金による研究活動だと、教授クラスも幾らでもプロジェクト雇用の場合もあり、一方で、URAのような形で活動されているような方たちが、半ばポスドクとポスドクでないような中間的な存在として、過渡的なポジションになっていることもあります。極端なことを言うと、私学等の場合には子会社に所属するような形で、実際には研究の活動に携わっている皆さんがいます。この問題が議論されるようになって時間がたっている間に非常に多様化してきたため、ここできちんと現状を踏まえた上で、議論をしなくてはいけないとつくづく痛感します。以上です。
【宮浦主査】  ポスドク等の「等」に非常にバリエーションが出てきて、それぞれのプロジェクトはもちろんですが、特に政府の大型資金が動いたときのポスドク、あるいはURAにチャレンジしているときの準ポスドク的な方ですとか、いわゆる特任教員が非常に増えてきていて、ポスドクとの境界線が分からなくなりつつあるとか、その辺りの多様性を一度小委員会でも整理して、その上で議論を深めて、最終的にはガイドラインのようなものをきっちり示せるようなところまで持っていけたらいいかなと思います。はい、どうぞ。
【八木委員】  今のお話は、私もつくづく思っておりまして、基本的に有期雇用の問題が大きく関わっていると思っています。ポスドクおよび特任教員は、有期雇用であることによって、今は特に雇い止めの問題が明確にあり、その人が人生設計できないという状況が存在、現存しているということが一番大きなポイントだと思います。
 それとはまた違う観点で、有期でなかったとしても、若手の教員の方々が一番欲しているのは、時間がない、時間が欲しいいうことを一番大きい意見として出していると思います。そのため若手研究者の方々が、本当の意味で研究できる環境がきちんと確保されているのかということも併せて議論すべきだろうと思います。特に、若手教員が疲れた顔をしていると誰もドクターに行かなくなるんです。やはり教員がいつも楽しく研究して初めて、自分もドクターに行こうかなと思うようになると思うので、その意味でも、ここを単に雇用の問題で考えるだけではなくて、研究者はこんな魅力的なんだと思えるようなガイドラインにまとまると非常にいいのではないかと思います。
【宮浦主査】  ありがとうございます。若手研究者の研究のための時間の確保ということは非常に本質的な御指摘で、これまでも実質的な研究時間が減っているということが調査でもかなり明確になっております。またいわゆる技官職等が減って、若手教員や助教の方をどんどん採用してしまったために、結局様々なメンテナンスや教育の基盤を支える方に非常に時間を取られてしまい、本来の研究時間が減っているというのはアンケート調査等でも非常に明確になっておりますので、その辺りも含めて議論をできたらと思います。
 また、研究者そのものが生き生きしていないと研究者になる気が起こらないというのは御指摘のとおりでありまして、学生は周りをよく見ていますので非常に本質的なところかと思います。そして若手教員の方が有期雇用3年や5年で非常に苦労している姿を見て、自分はやめておこうという方向になる有期雇用の問題も、大きな問題点であろうかと思います。ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。御意見ございますか。室長、お願いします。
【楠目人材政策推進室長】  御意見いただきまして、ありがとうございます。説明不足で申し訳ないのですが、ポストドクター等の調査を現在行っているところですが、雇用関係にない者も一定数おり、雇用契約に関する事項と記載してありますが、様々な雇用に関することについては、主査からも御指摘いただいたように、当然対象にして検討をしていただけるように我々も準備させていただきたいと思います。
 また、いろいろと御指摘いただいたように、若手研究者全般につきまして、昨年、大学院部会との合同会議も設けて議論させていただき、その結果、国立大学の教員向けに人事給与マネジメントのガイドライン等も出すことができました。ポストドクター等については、対象外というわけではありませんが、直接的な対象となっていないところもあるので、この際に様々な課題等を整理し、ガイドラインのような形のものを示せればと思っております。議論の方は幅広く意見を頂きながら、実際のケースで様々なことが出てきているというお話も頂きましたので、ヒアリング等で丁寧に現場の状況をお聞きできるよう、事務局としても準備を進めていきたいと思いますので、またどうかよろしくお願い致します。
【宮浦主査】  宮田主査代理。
【宮田主査代理】  話を聞いていると相当闇がありそうなので、是非それをきちんと究明していただきたいと思いますが、ガイドラインというと画一性を求める感じがあるので、多様性が悪いのかと実は思っています。国立大学を法人化したときのそもそもの趣旨は、多様性を追求できるようにしたので、人道的に許せないみたいなミニマムリクワイアメントをガイドラインにしてほしいと思います。
【宮浦主査】  ありがとうございます。隅田委員、どうぞ。
【隅田委員】  おそらくポスドクは今後、外国人留学生も多く出てくると思うので、そういう人への配慮も観点として入れていただけるとよろしいかなと思います。
【宮浦主査】  ありがとうございます。ご指摘の通り、外国人留学生の視点が若干欠けているかと思います。留学生は、日本で数年ポスドクをしてから母国に帰るパターンも多いと思いますので、身分保障や研究していただくための保障も必要かと思います。
 あとは、宮田主査代理がおっしゃったように、画一的過ぎると多様性に欠けるおそれがありますので、雇用契約の画一的なガイドラインというよりは、ある程度問題点や課題を含めた幅広い議論の上で示せるものを見せていくという方向でよろしいでしょうか。
そのほか、御意見をお願いします。
【梶原大臣官房審議官】  八木委員に質問をさせてください。先ほど若手の方は時間がないというお話をされました。ポスドクや若手教員の方々は雇用契約を結んでいますが、その雇用契約に書かれていないことをやっているから時間がないのか、それとも雇用契約に書かれているからこそ、その割合の問題なのか、どちらが大きいのでしょうか。
【八木委員】  少なくとも昔の教員に関しては、極端に言うと小講座で1・1・2といったように組織が作られていたものが、1・1となり、しかし1つの教室で行わなければならない作業量は変わらないということから、負担が増えてきています。また学生にも手が掛かるようになってきており、一個一個の物事に対して一つずつ作業が増えていっているような気がします。
【梶原大臣官房審議官】  それは、雇用契約等で縛ることはできないんですか。要するに、もともと雇用契約に書いていないことをやっているということですか。
【八木委員】  いえ、雇用契約に書いていないことをしているわけではないと思います。
【梶原大臣官房審議官】  その雇用契約の中に、研究以外のことが書かれているということですか。
【八木委員】  雇用契約の中にですか。
【梶原大臣官房審議官】  雇用契約の中にどういう業務が書かれていて、その契約をされているのではないんですか。少し細かくなってしまいますが。
【八木委員】  いわゆる承継ポストの教員の場合には、教育義務から大学の運営義務まで一通りの業務があります。その一個一個に手が掛かるようになっていっているような気はします。それから、昔はやらなくてもよかったような様々な委員会も増えていっているのは事実です。例えば、以前は医学系のヒトに関する研究倫理の委員会はありませんでしたが、そういうものができて、1個、作業量が増える。そういうことが積み重なってきているのは事実だと思います。
【梶原大臣官房審議官】  ありがとうございます。
【宮浦主査】  しかし今の点ですが、研究者が雇用契約の時間の縛りの中だけでやっていけるかというと、いろいろな面で難しい点が出てきています。例えば、助教に至っては、人件費削減のあおりで、以前2名いたところが1名になると、その1名が学生の教育や広報など様々なことをやる。そうすると、自分の研究時間が1日の中でどんどん後ろにずれて、それも含めて5時に終わるかというと、とても終わらない、もっと時間が欲しいと、そういうジレンマが現場で生じていると思っていますが、そういうニュアンスでよろしいですか。
【八木委員】  そういうニュアンスです。それは教員だけではなくて、事務職員も当然削減されておりますが、大学における事務量は変わらないという実態はあると思います。
【宮浦主査】  ありがとうございます。そういった課題が多い現状がございますので、多様性や現状の課題も含め、小委員会の方で整理して進めていければと思っております。
 小委員会設置については、お認めいただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【宮浦主査】  ありがとうございます。それでは、進めさせていただきたいと思います。
 小委員会の委員のメンバー等につきましては、運営規則第2条第2項に基づいて主査が指名することになっております。後ほど、事務局と御相談させていただき、お知らせをさせていただきたいと思っております。また、この小委員会が発足しましたら、審議状況については本人材委員会の方にも適宜、御報告いただきながら、引き続き議論していきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。はい、どうぞ。
【柳沢委員】  すみません、ちょっと出遅れてしまったんですけども、この委員会で話し合う「ポスドク等」というのはどこまで入っているんですか。つまり、先ほどのお話だと、一応、名前は助教で承継職員であったとしても、実績にはいわゆるPIでない方はたくさんいるわけで、そういう方はここに入るのでしょうか。要はキャリアを形成していく上で、どこかの段階で優秀な人が独立研究者になる、PIになるということはものすごく大事なことで、例えばアメリカでは、PIかどうかが全てを決めるわけです。私が先日出ていた日本の神経科学学会のキャリアパスを話し合うディスカッションの会があって、そこで話題になっておりましたが、極端な話、さきがけやAMED-PRIMEなど取っていても、そのお金が実質的には大ボスのプールマネーになっています。要するに、その大きなグループの一部でしかなく、それでPRIMEを取ろうが、さきがけを取ろうが、全然PI扱いされていない若手研究者がどうもたくさんいるらしいです。
 その際に引き合いに出ていたのが、アメリカでK99という新しく作られつつあるグラントがあって、これは最初に採択されると1年または2年以内に、独立したということをホスト側、大学側、ないしは研究機関側と自分自身側で、そこでどういう条件でどういう環境で雇用されますということを証明しないと本格的な支援をもらえない仕組みになっています。望ましいのは、元いたインスティテューションから動きなさいということらしいですが、そのような本当に優秀で若い人が、形式的にも実質的にも独立していけるようなメカニズムを積極的に作らないといけない状況であり、ポストドクター等ということであれば、そういう要素も是非話し合っていくべきなのではないかという気がしました。
【宮浦主査】  ありがとうございます。竹山委員お願いします。
【竹山委員】  例えばJSTのさきがけ研究員ですが、当然PIとしての研究体制が要件となります。しかし、一人でコツコツ独自に研究をしている場合は良いかもしれませんが、学生や他の研究者等の人員がいて研究が成り立つ場合が多いのが現状です。すでに独立した研究室を持っているか、それに準じた研究室に席がないと難しい場合が多いかと思います。さきがけ研究員によっては、その環境で成果を上げて、プロモーションとともに晴れて独立をする場合もあります。さきがけ研究員の場合は、プロジェクトのあとの把握が重要かと思います。
【柳沢委員】  だから申し上げたかったのは、例えばさきがけやCRESTレベルのお金をもらえるというのは、既に相当選ばれたエリートで、そういうのをどこで持っていくかということです。さきがけがボスのプールマネーでいいのか、ということが言いたいわけです。
【宮浦主査】  今の御指摘の点ですが、PI独立型はこの議論に含めないとなるとリスクを負うことにもなるので、そのカテゴリーとは異なるという考え方も1点です。しかし、やはり日本型PIといいますか、現在それぞれの機関で次のポストを取れるかどうかという集団も含めて議論するかという点は非常に重要です。ポスドク1年目の方とPI直前の方では、キャリアも能力も相当異なる部分で一括のガイドラインには恐らく収まらないと思いますので、小委員会が立ち上がりましたから、最初の段階で整理して、独立PIを全部取りましょう、削除しましょうということではなく、どこまでのカテゴリーで決めていくかを議論していただくということも、一つの方法ではないかと思います。
 なかなかケース・バイ・ケースで、ポスドクを3年、特任助教を2年といったそれなりのグラントを取った方と、ポスドク1年目の方では全然違うと思いますので、同じ議論の枠には入らないと思うんです。恐らく3段階ぐらいで、1、2年目、4、5年目、あるいはほぼPIを取れた直前みたいな多様性ということがありましたけれども、ポスドク等の「等」にあまりにバリエーションがありますので、立ち上がった時点で整理して、こういう方向で議論を始めるということを小委員会からもフィードバックいただくというのはいかがでしょうか。非常に重要な点です。室長、どうぞ。
【楠目人材政策推進室長】  若干補足させていただきますと、ポスドク等については、これまでも文部科学省の各種調査や人材委員会などでも御報告させていただいているポストドクター等の調査などにあるような集団が、まず念頭にございます。具体的な定義としては、博士の学位を取得した者、又は満期退学者のうち任期付で採用されている方で、大学や大学共同利用機関で研究業務に従事して、教授、准教授、助教、助手等、いわゆる学教法上の職にない者、又は独立行政法人等の公的研究機関で研究業務に従事する者で、研究グループのリーダーや主任研究員等の管理的な職にない者ということで、現在データ等を取って、様々な課題等を確認しております。まずはその集団の方が対象になると思われますが、おっしゃられたとおり、その方々の中にも長くやられている方や、非常に優秀な方から一般的な方まで非常に幅広い方がいらっしゃいますし、雇用形態もいろいろな形がございます。
【塚本委員】  PIは対象外ですか。
【楠目人材政策推進室長】  そうですね。今回は、有期雇用など比較的弱い立場にあり、次の安定的なポストにステップアップしていただく際のキャリア開発や、そういったことが課題になっているポストドクターのガイドラインを作るということが、従来の人材委員会等でも課題になっていますので、まずはそこをターゲットとして、今回検討させていただきたいということで、こういった定義にさせていただいております。
【宮浦主査】  趣旨と致しましては、比較的ポスドク歴が短い方など数年程度で苦労を伴うポピュレーションをメインターゲットにする。PI人材は一定程度任期があるものの、相当トップの方でリスクを取って勝負する方はメインのターゲットではないというニュアンスでよろしいでしょうか。ただその議論を排除するものではありませんので、小委員会で、この辺りのターゲットをメインに考えていくのだという方向性も含めて進めていただければと思います。一応、ニュアンスとしてはよろしいですか。
【宮田主査代理】  すみません、いいですか。
【宮浦主査】  はい、どうぞ。
【宮田主査代理】  確認ですが、多分、2つのことが議論されています。1つは、PIになるような輝かしい優秀な研究者をどのようにピックアップして、それを支援するようなグラウンディングシステムみたいものを作るか。今、裏でボスプールのために使われているようなものをどうやって排除するか、あるいは違うデザインにするかということ。もう一つは、もっと下流のポスドクについてはまだ奴隷解放が道半ばで、その奴隷解放をどのように解決するかという2つの問題がどうもあると思っていまして、そちらの方の人道的なミニマムリクワイアメントのガイドラインを是非作っていただきたい。これは喫緊の課題だと思います。
 それで、もう少しPIにするようなキャリアパスを非常に明確にしていく。申し訳ないですが、全員はPIになれないので、なれなかった方に次のキャリアパスを用意するというのが、おそらく人材委員会の全体的なスコープだと思うので、今回の小委員会に関しては、問題の洗い出しを全部やってほしいのですが、時間もないと思うので、洗い出した上で主査が先ほどおっしゃったように3段階ぐらいに分けて、今年はこれを中心にやろうと、小委員会は1年だけではなくて2年続けてもいいのではないかと思っております。
【宮浦主査】  ありがとうございます。この小委員会で議論することは、恐らく今までさんざん問題だと言いながら、なかなか解決に至っていない点が多いと思いますので、課題の洗い出しと、実際に実動するところまで貢献できるような小委員会にできればいいと思います。また今御指摘がありましたように、ニュアンスとしては3段階ぐらいで、1番目は比較的初期のポスドクの方、学生から見てあのパターンは絶対にやめようというような状況にはならないことが進学推進のためにも非常に重要です。中間的には、100%はPIになれないということも含めたPIを目指す段階の上での中間層。第3段目としては、トップを走るPIをいかに引き上げるかという部分、有期雇用で不安定な部分も含めて議論する。小委員会では、まずそこを議論した上で、第1段、第2段辺りを中心に議論していただきたいと、そういう方向でよろしいでしょうか。
 それでは、おおむね御意見を頂戴致しましたので、その方向で小委員会を設置させていただき、小委員をお願いしました先生とはその辺りも含めて意思の疎通をしっかりしていきたいと考えております。ありがとうございました。
 それでは、議題4に入ります。議題4としては、令和2年度、来年度の概算要求、特に科学技術イノベーション人材の育成・確保関連につきまして御報告を頂きたいと思います。事務局から、10分程度でお願い致します。

○事務局より、資料4に基づいて説明

【宮浦主査】  ありがとうございました。
 令和2年度、来年度の概算要求について御説明いただきました。御質問、御意見、いかがでしょうか。塚本委員。
【塚本委員】  概算要求を拝見しておりますと、小学校から高校生まで、更に大学、博士まで、経年的にも、面的にも支援しているように見えるのですが、それでもイノベーションに取り組みたい!という人が増えていかないというのはどうしてだと思われますか。予算や規模など、いろいろ足りないところはあるようにも思われますが。
【宮浦主査】  施策を打っている効果はどうなのだろうと。
【塚本委員】  いろいろと取り組んでおられるように見えるのに、どうして結果として、先ほど宮田主査代理がおっしゃった、イノベーション人材の減少のようなことになるのかと思いまして。
【宮浦主査】  また道半ばという解析と、来年度の概算要求ですが、継続は力なりと信じる部分とありますね。御意見、どうぞ。
【八木委員】  大学の現場の立場から見たときに、なぜ学生がドクターに上がらないかというと、1つは年収の問題があり、例えばDCの年収は年間約240万円です。就職すると、民間企業に入れば少なくとも年収400万円以上にはなります。親にドクターに行こうかと言ったときに、240万円でどうやって生活していくのかということになってくる部分も少しあるのかなという気がします。うちで、民間企業からの予算を使って月額25万円に上げる、それでも民間企業よりは安いが、300万円もらえるというと少し顔色がよくなります。本当は、こういう金額も社会の実態に合わせて考えておく必要があるのではないかという気がします。
【宮浦主査】  御意見いただきました。DCやPDは数がまだまだ少ないということと、やはり給与単価も問題があると、両方あろうかと思います。塚本委員から、これだけすきまなくやっているのに、何で進学者、あるいはイノベーション人材を目指す若者が減ってきているのかという貴重な御指摘です。どうぞ、課長。
【奥野人材政策課長】  一応、今の施策体系全体の考え方を御説明致します。
 確かに、各キャリアパスの段階に関して施策を打っておりますが、あくまでも人材育成施策というのは一種の誘導的施策や、また面的に広げている施策はある種限られた資源の中での基盤的な最低必要ラインの対応という形になっております。したがって、人材施策そのものを予算という政策ツールによって国費で支えることというのは、本来、有限な政策資源においては不可能でございますので、各段階では打っていますが、面的にこれでもって全てが解決できるかというと、そういうわけではありません。基本的な考え方は、新規の誘導施策としてモデルを作っている。ただ、財政当局から言われると、予算投入における誘導施策的というのは、政策論的にはかなり様々な議論があるところでございます。
 特別研究員等については、御指摘ありましたとおり、やはり十分な水準が欲しいという観点はありますが、主査からも御指摘のとおり、こちらの領域はむしろ面的に、可能な限り必要最小限度の面積が要るような施策として打っています。
 この2つの政策を組み合せておりますので、当然この施策のみで全てのニーズを充足することは、そもそも枠組み的に不可能だとは考えてございます。
【宮浦主査】  一つ重要な施策は、やはり卓越研究員事業だと思います。これは、民間に流れる、大学や研究機関に流れる、両方を狙っている事業ですし、またマッチングシステムも新たに導入されましたので、この辺りが将来的に発展して定着すると、人材としては非常にいいかなと思っているところですので、この予算規模を縮小せず、拡大する方向でお願いできると有り難いと思っているところでございます。
 概算要求事項関連、よろしいでしょうか。ほか、御意見。はい、どうぞ。
【柳沢委員】  基本的知識が足りないので、1つだけ教えてほしいのですが、スーパーサイエンスハイスクールは、本当に研究に興味を持ってくれる高校生が増える制度であるため、その側面から言うと非常に効果があるように見えます。一方で、そういう研究者になりたいと思い始めた子が、いい大学に受かりません。何が聞きたかったかというと、SSHに入る高校というのは、やはり各都道府県でのAランクレベルの高校が多いと思ってよろしいのでしょうか。ほとんどそうだと思ってよろしいのでしょうか。
【宮浦主査】  はい、どうぞ。
【小田人材政策課長補佐】  スーパーサイエンスハイスクールを担当しています小田と申します。正直申し上げますと、SSHの採択において生徒の学力は審査項目に入っておりません。確かに、一部いわゆる超進学校と言われる学校も入っておりますけれども、そういったところを伸ばすというよりは、やはり生徒の資質の伸びが、3年間でいかに科学技術人材育成のために図られているかというところを見ておりますので、一部そういった進学校もありますけれども、やはり地域によって様々です。申請するのは管理機関になりますので、トップ校を更に伸ばすという地域もあれば、いわゆる2番手をてこ入れするためにスーパーサイエンスハイスクールという制度を活用している部分もあるというのが実情です。
【柳沢委員】  SSHの最終的な目的は何か、どこに置くかによりますが、ここにいるような先生方は大学人や研究所の目から見ておりますが、やはり現実問題として、日本の高校はかなりきちんとランク化されてしまっていて、現実にプロの研究者になるのは、旧帝大クラスの理学部や医学部に入らないとほとんど無理なんです。そうでない人も、たまにすごい研究者がいますが、それは例外的であって、やはりいわゆる基本的な地頭が良いというのは日本では高校ぐらいでもうそれが決まっているところがあるんですよね。だから今おっしゃったような、選考のクライテリアにその要素が全く入っていないというのは、現実からちょっと乖離しているのではないかと思ってしまいます。
【宮浦主査】  課長からどうぞ。
【奥野人材政策課長】  御指摘の点もあろうかと思います。ただ、次世代の人材育成というのは、我が国で提供する教育が全てトップサイエンティストをやるとするならば、SSHのような大規模な事業が果たして合理的なのかという議論はあります。SSHは、あくまでも高校生段階における、高校生としての理科の探求だとか、そういったものの底上げを図るということを政策目標に置いておりますので、そういう観点で必ずしもトップだけと限定等を付しておりません。一方で、ハイレベル研究者は高校生段階からというのは、ここの中の例でありましたら、右にある科学の甲子園ですとか、コンテスト、科学オリンピックに生徒を出す、若しくはグローバルサイエンスキャンパスのように、優れた自発性のある生徒に大学の研究室で一緒に活動していただいております。したがって、政策ツールとしては、トップレベルの生徒向けに提供するプログラムと、全体の基盤的な生徒全体の理科の教育水準を高めるという観点があります。SSHは、やや後者の側面が強く出る施策、前者の側面は、今言ったグローバルサイエンスキャンパスですとか、科学オリンピックという形で、政策体系としては整理して進めているところです。
【柳沢委員】  よく分かりました。
【宮浦主査】  SSHは、歴史も非常にあり、人気の高い継続的な事業で、評価も高く、高校全体の底上げと理解しています。グローバルサイエンスキャンパスの方は、かなりモチベーションの高い高校生を大学が引っ張ってきて、もう一段階上で育てているものが既に動いているので、この2つをうまく組み合わせることで、高大接続的な部分もあるのかなと思っているところです。SSHの担当者の方から、何かコメントございますか。
【小田人材政策課長補佐】  実は、大学における人材育成と高校の人材育成の乖離を少し埋めるという形で始めさせていただいていますのが、今年度から申請させていただいています高大接続枠という重点枠が一つございます。確かに、学力も科学技術人材として大変必要な要素ではありますが、高校と大学が一緒になって生徒の指導法、あるいは入試改革、入試制度への反映も踏まえた評価手法を開発するというのが高大接続枠でございます。そうした問題意識をたくさんの方から頂いておりますので、そうしたところもより科学技術人材の育成につなげるような形で、今後、こうした取組も詰めていきたいと思いますし、来年度も1件、要求の中で入れさせていただいております。
【宮浦主査】  ありがとうございました。では、お時間もございますが。
【宮田主査代理】  ちょっとだけ言わせてほしいんだけれども、そうは言うけれども、大学も悪いんだよ。そういう人材を落としている。僕ら、鶴岡市の慶應大学先端生命科学研究所で、近隣の高校生を30人ぐらい特別研究生として雇ったり、受け入れたりしています。そのときの条件は、入試はしないでください、受験勉強はやめてくださいと言っている。最初はものすごい反発を食らいましたけれども、彼らに科学をやらせて、論文発表も学会発表もすると、自ら目覚めて、研究者の道をたどるために努力をし始めます。現実に、OA入試などで慶應大学がすくったりしているので、大学の方もやはり高大接続で、本当にきらきらした人材をプロの研究者、やりたいことをやるために自分のキャリアを開くような道をやはり開けてあげないといけないと思います。
【柳沢委員】  それは、大学はかなりやっていますよ。少なくとも筑波大学は相当やっていますよ。
【宮田主査代理】  だったら、スーパーサイエンスハイスクールの悲劇を何とか救うような形も一緒に考えるべきです。国もそれに動き始めていることは事実だけれども、当然、まだ不十分なので、一緒にやらなければいけないということです。
【宮浦主査】  高校を対象とする事業の場合は、やはり入試が必ずリンクしていきますので、推薦、AO入試も含めた斬新な取組を今後考えたいということで、まとめさせていただきます。それでは、最後にスケジュール等について事務局よりお願い致します。
【満田人材政策課長補佐】  次回の人材委員会につきましては、来年の初め頃を予定しております。議題につきましては、先ほどのポスドクの小委員会からの報告などを予定しております。また、委員の皆様と別途、日程調整をさせていただきまして、主査と御相談の上、御連絡をさせていただきます。
 本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にお目通しいただき、主査に確認の上、文部科学省のホームページを通して公表させていただきたいと思います。
 本日の資料につきましては、机の上に残しておいていただきましたら、追って事務局より郵送をさせていただきます。以上でございます。
【宮浦主査】  それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
―― 了 ――

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