人材委員会(第78回) 議事録

1.日時

平成29年5月9日(火曜日)

2.場所

文部科学省 3F2特別会議室

3.議題

  1. 議事運営等について
  2. 科学技術イノベーションを担う多様な人材の育成・活躍促進について
  3. その他

4.出席者

委員

宮浦主査,宮田主査代理,飯澤委員,勝委員,狩野委員,川端委員,隅田委員,髙橋(修)委員,高橋(真)委員,竹山委員,塚本委員,豊田委員,萩谷委員,林委員,原田委員,柳沢委員

文部科学省

伊藤科学技術・学術政策局長,真先大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当),勝野科学技術総括官,塩崎人材政策課長,唐沢人材政策推進室長 他

5.議事録

科学技術・学術審議会人材委員会(第78回)

平成29年5月9日


○議題1については非公開

【宮浦主査】 私は科学技術・学術審議会の濵口会長から,第9期の人材委員会における主査の指名を受けました宮浦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 冒頭でまず御挨拶させていただきます。
 人材委員会では非常に課題が多いところでございますが,特に博士人材の問題,若手の問題,ダイバーシティ,女性の問題,また,外国人の登用の問題,さらには,産業界とアカデミア等々のいわゆるセクター間に人材がなかなか動かないということに対する課題,また,博士人材につきましては,特に全国的に任期付きポストがもう常態化しておりまして,我が国の若手人材が活躍する場やポストが限られています。科学技術の発展のためには人が重要であるということは各種委員会や会議等々で常に話題になるところでございますが,抜本的な議論をするのが正にこの人材委員会ではないかと考えております。
 すぐできることから,中長期的にじっくり考えていくべきことまで,課題が多いところではございますが,委員の皆様と是非,将来につながる積極的な議論をさせていただきたいと考えておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 引き続きまして,主査代理に御就任いただきました宮田委員からも,一言御挨拶を頂戴したいと思います。

【宮田主査代理】 日経BP社の宮田と申します。今期,皆さんと楽しい議論をすることを期待しております。
 今回,委員名簿を拝見してみますと,今までは大学と産業界だけでしたが,高等学校に関係する方もいらっしゃるということで,少し幅広に議論できるので,今期は期待できるのではないかと思っております。
 昨年は,なかなか予定が合わなかったのですが,今期は何とか精勤賞は頂けるぐらい頑張りたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 それでは引き続きまして,本日は第9期最初の人材委員会でございますので,事務局を代表して伊藤局長より御挨拶を頂戴したいと思います。

【伊藤科学技術・学術政策局長】 御紹介いただきました科学技術・学術政策局長の伊藤でございます。委員の皆様方に,新しく委員をお引き受けいただきました方々には,お忙しい中御参画いただきまして,ありがとうございます。
 第5期の科学技術基本計画に沿って,我々は科学技術分野イノベーションの行政の政策を進めているところでございますが,この中でも,若手研究者のキャリアパスの問題や,博士課程,ひいては,若手研究者を目指す優秀な学生が減少している,産学官のセクター間における人材の流動性が低い等,様々な問題が具体的に指摘されているところでございます。
 それに加えまして,昨年の大隅先生のノーベル賞受賞以来,日本の基礎科学力に対する危機感が,関係者のみならず,マスコミも含めて共有されつつあり,その中でも特に若手研究者の問題は,このまま放置すれば,日本の将来の科学技術が大変危うい状況にあるということは我々も危機感を持って認識しているところでございますが,そういった喫緊の問題に対しまして,この人材委員会で,是非具体的,かつ,外の若手研究者あるいは学生の目から見て,明るい将来が描けるような提言を是非期待したいと思いますので,よろしくお願いいたします。

【宮浦主査】 ありがとうございました。
 それでは,議題2に移らせていただきます。議題2は,科学技術イノベーションを担う多様な人材の育成・活躍推進について議論いただきたいと思います。
 本日は,第9期の最初の人材委員会でもございますので,今回新たに委員に御就任いただいた方も多数おられますので,今後の議論の参考とさせていただくために,まずは本委員会の関連する政府方針等につきまして事務局より御説明を頂き,現状の情報を共有したいと考えております。
 それでは,事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局より資料2-1に基づいて説明

【宮浦主査】 ありがとうございました。
 後ほど,自由討論の時間を設けておりますが,ただ今御説明いただきました点につきまして,御質問ございましたらここでお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。これまでの流れ,及び新たに動いている,今年度動いている事業も含めまして,今御説明がございましたので,何かご不明な点等ございましたら,御発言いただければと思いますが,ございますか。川端委員。

【川端委員】 ありがとうございます。
 1点だけ,卓越研究員に関しては,平成28年度からスタートして,かなり大規模に全国一斉に若い人たちに対して,民間も大学も一緒にポストを同時期に出して,みんなで考えるという事業でした。それはそれなりに良い面と,まだなかなか上手くいかなかった部分が幾つかあったと思うのですが,本29年度に対して,何か変えられた点や新たな点があれば教えていただければと思います。

【宮地人材政策課課長補佐】 卓越研究員事業の変更につきましては,様々な声をお聞きしながら事業を推進しているところでございます。例えば,スケジュールが非常にタイトである,面接審査が重複している,機関と研究者のマッチングが分野ごとに上手くいっていないといった改善すべき点がございました。 本年度についてまず,スケジュールを見直すとともに,面接のスキームとして,面接試験を省略してより実施者の便利に資することをしたり,マッチングでは,例えば大学や企業等ポスト提示機関,研究者への説明会を開いたりといったことをいたしました。
 第77回の人材委員会でお示ししたものですが,一番下の「産学官の研究機関で活躍し得る意欲や柔軟性」といったところはしっかり測れるように,その審査基準の見直しなど,細かい部分ではあるものの行っております。
 以上でございます。

【宮浦主査】 いかがでしょうか。川端委員。

【川端委員】 結果として,企業からの手の挙がり方,昨年は企業が多数手を挙げてくれても,マッチングが余り上手くいかなかったという結果を受けて,まだもう少し付き合いましょうというような企業が結構いたのか,それともかなり離れていってしまっているという状況なのか,その1点お伺いしたい。

【宮地人材政策課課長補佐】 企業につきましては,昨年は23機関でポストを公開していただいたところ,今年度については21機関でポストを公開したところでございます。ポスト数としては昨年度から減少しておりますが,機関としては,昨年出してくれたところについては,離れていく先もあれば今回新しく開拓できたものもございました。
 特徴としては,通常の採用ルートではなかなか採用が困難であるようなベンチャー企業等が手を挙げてくれていることもあり,制度の2年目で徐々にその形を変えながら改善している状況でございます。
【宮浦主査】 ありがとうございます。
卓越研究員事業についてでございましたが,その他の事業等も含めて御質問はございますでしょうか。豊田委員。

【豊田委員】 第8期の人材委員会の中での方向性というものの中で,具体的には,当面取り組む方策の方向性,(1)博士人材,大学,民間企業等の関係者の意識改革という中に,データベースに関する議論が掲載されていたかと思います。
 この内容を見る限りですが,企業等いわゆる公募サイド側の情報をより手厚くというような議論が中心になっているように見受けられます。例えば逆側の個人サイドの情報をもっとオープンにするというような議論はあったのでしょうか。

【宮浦主査】 データベースにつきましては,特に博士人材の部分ですね。前期の委員会で話題にさせていただいた1つが,JREC-INをもっと企業の方のポストに活用する方向性について,これは私からもすぐにできることではないかということで話題に入れさせていただき,後ほどもう一度資料が出て参りますが,昨年のまとめた骨子にも入れたところです。
 ただ,なかなかJREC-INだけでは網羅できない部分もございますので,博士人材特有の人材サイト,あるいはおっしゃるように,個々のデータを見られるようなシステム等,新たな取組が必須であろうという議論にはなってきていると思います。よろしいでしょうか。

【豊田委員】 はい。ありがとうございます。

【宮浦主査】 その点,後ほどまたもう一度是非議論していただければと思います。
 その他いかがでしょうか。
 それでは,後ほどまた議論の時間がございますので一旦ここで締めさせていただき,資料2-2の今後の第9期人材委員会における検討の方向性について,議論させていただきたいと思います。
 まず事務局より素案を御説明いただき,その後に,委員の皆様から御意見を頂きたいと思っております。
 それでは,事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局より資料2-2に基づいて説明

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 これから意見交換に移りたいと思います。
 今説明がございましたように資料2-2の冒頭に第5期科学技術基本計画の中で,人材関連の柱が7本ございます。若手研究者の問題,URAと第三の職種の問題,第3に博士後期課程の学生の経済的支援を含めた大学院教育の関連,第4にイノベーション人材をいかに育成するか。また,多様性につきましては,女性の活躍推進,6番にございますように,外国人の受入れも含めました国際的なネットワークの重要性,そして,7本目としては,クロスアポイント制度も含めたいわゆるセクター間の人の流動性,こうした点の議論が非常に活発になってきているところでございます。
 この第5期の基本計画を基準にして人材委員会として議論していく方向性でございますが,非常に課題が多い状態であり,1つに拘(こだわ)ることなく,ある程度幅広に考えていく部分と,ある程度集中して議論すべき点もあるのではないかと考えております。
 本日は第9期の人材委員会初回ですので,御出席いただいている各委員に全員から自己紹介も交え御意見やお考え等を,自由に御発言をいただければ有り難いと思っているところでございます。
 今の御説明に関する内容に限定せず御意見いかがでしょうか。どうぞ。

【萩谷委員】 よろしいですか。御説明いただいての感想ですが,博士課程等若手研究者にフォーカスが当てられていると思いますが,そうではなく,もう少し全体的なことを考えないと若手の問題も解決できないのではないかという一般的な印象を持ちました。
 例えば優秀な学生が大学に残らないというのは,例えばこういう委員会に出席したりと忙しくしている教授の姿を見て,大学に残ることを躊躇(ためら)うということがありますが,人材の流動性にしても若手だけの流動性ではなく,シニアの研究者の流動性があって,初めて若手の流動性も生きてくると思います。
 それから,博士の学生が企業に就職するということに関しても,それはやはりもう少し広く大学と企業の間の連携といった流れの中で自然に博士の学生が企業に行くということがより太くなっていくという姿が望ましいと思われます。
 そのため若手だけをいろいろ制度改革をしても,もちろんそれは効果があるところもあると思いますが,もう少し全体的な視野も常に持つ必要があるのではないかと思いました。

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり,人材が動かないということ,アカデミアの教員ポストにあまり流動性がない,あるいは教員そのものが,産業界も含めてなかなか移動しないということを見ていて,博士人材だけを考えていても,抜本的な解決にはならないのではないかという御意見でございます。
 この流動性,博士人材のみならず総合的な流動性を考えるべきだという御意見に関連して,何かございますでしょうか。柳沢委員。

【柳沢委員】 筑波大学の柳沢でございます。私はこの場は初めてですが,呼ばれた理由は,私自身はキャリア30余年のうちの大部分24年をアメリカで過ごしており,数年前に日本に戻ってきたので呼ばれたと理解しています。
 私がアメリカで見聞きした視点で言うと,例えばこの産学官の間のセクター間の流動といいますが,これを見ていて思うのは,正直言って官の部分がほとんど入っていないです。例えばこのタスクフォースですが,文部科学省の中で議論されたもの,これが,何か文部科学省自体が議論の対象から外れていて,自分たちは関係ないところにいるという印象があります。
 何が申し上げたいかというと,本当に人材の流動化を図りたいのであれば,まず文部科学省のビューロクラシーです。そのシステムを流動化させないといけないのではないかと。そこで模範を示していただきたい。
 なぜこのようなことを言うかというと,例えばアメリカの科学技術政策関連のビューロクラットとは,かなりの人が元研究者です。元研究者や,あるところから,大学人からアドミニストレーションの方面に替わっていった人というのは相当多いです。もちろん,こうした政策決定するようなところですらその状況で,もっと実際の現場寄りの例えばNIHをはじめとして,お金を配る部署に至っては,ほとんど上席の方々は,単にPh.D.とか,そういうレベルではなく元PIです。現場でやってきた人がかなりいるわけで,ここにいらっしゃる文部科学省の方々の中でそういう方が一人でもいるかという話です。
 なぜそれが大事だと思うかというと,やはり国の政策を決める方々がそういう視点を持っていると,全然後が違ってくるということです。特に,キャリア官僚の方々の採り方というのでしょうか。そういった点も変えるというぐらいの覚悟を持ってやるべきではないかというのが私の感想です。

【宮浦主査】 原田委員。

【原田委員】 このようなことが可能かどうか分かりませんが,今のことに関連して,例えば文部科学省ではなくお金を配る立場である財務省に女性の研究者出身の人がいてくれたら良いと私は以前から感じています。そのようなことはできないのでしょうか。

【宮浦主査】 産学官の官の部分が人材交流を含めてもっと積極的に流動して,研究者側と交じるようなシステムがあればお互いに理解が進むのではないかという御意見かと思います。
 私自身は詳しく存じ上げませんが,中途採用等も含めまして,研究者サイドの人材等も入られているのではないかと思いますが,この点について官の方からコメントを頂戴することは可能でしょうか。

【塩崎人材政策課長】 人事システムの話なので,私の方から話すのはなかなか難しいところではありますが,宮浦主査が言われましたように,この役所の中のシステムの中にも,人事交流で民間の方も入っていただいておりますし,研究者の方々も入っていただいているところもございます。
 ただ,日本独自の役所のシステムというか,どちらかといえば,海外は1つのポストに長くとどまる方々が多いですが,日本の場合には1年か2年でどんどんその職場を替えていくということなので,なかなか研究者があるところにとどまるということは馴染まないところがあると考えています。
 他方先ほど申し上げましたように,特定のところに専門的な知見を入れるということで,色んな人材交流という形で様々な方々が入ってきて,そうした中で政策も協力しながら作っているというのが実態であると理解しております。

【宮浦主査】 竹山委員。

【竹山委員】 博士人材のキャリアパスを討議している文部科学省に博士人材がいないというのは課題ではないかと考えています。現時点で数名いるらしいとは聞いていますが,是非,キャリアパスの一つとして展開していただきたいと思います。
研究現場に近いところでは,JST等に博士人材の雇用を促進していると聞いていますが,是非加速していただきたいと思います。博士キャリア人材の育成として5年一貫教育も含めて文部科学省の制度が走っています。その教育課程の中で,研究だけではなく社会の仕組みを知りながら,研究をやっていく上での多様なスキルを学んだ俯瞰力のある人材が育成されています。そこでは,研究行政で是非自分を役立てたいと思っている人材が多くおります。
 今後,文部科学省関連部署においてお手本となるように是非博士人材雇用を数名から数十名に上げていくような積極的な試みそろそろされても良いのではと考えております。

【宮浦主査】 柳沢委員。
【柳沢委員】 私も,JSTは確かにそういう方向でやっていらっしゃるというのはよく見えています。それで先ほど,塩崎課長が解説していただいた点は全くその通りだと思いますが,キャリア組は全員総合職で数年ごとにローテーションしていく,そのシステムについてどうしても言いたいことがあります。そのシステムのせいで,例えば今御紹介いただいたこの卓越研究員事業もいい例だと思いますが,私のような長く大学にいる者から見ていると,政策のスパンが非常に短い。しかもリニューアラブルじゃない。少なくともよくやっていたら,リニューアルできるようにしていただきたいが,そうではないため非常に困ることがある。
 例えば今,卓越大学院をやっておりますが,その前のリーディング大学院についても,7年で終わってしまった。現場の感覚からすると大学院を作るという政策が7年のスパンで終わるというのはあり得ない話です。
 それがどうつながるかというと,結局やはりビューロクラットの方々のインセンティブが,自分がある部署にいる間に何か変えないと業績にならないということだと思っています。そうしたインセンティブの働き方が良くも悪くも短視野な政策につながりやすいのではないかなと感じます。こうした実態が,専門家がなかなか偉くなっていけないというシステムとつながりもあると思っています。

【宮浦主査】 ありがとうございます。隅田委員。

【隅田委員】 少し議論が戻りますが,資料2-2の俯瞰マップは良いと感じています。こうした議論を整理するときに,俯瞰マップに加えて,数字が入るところを入れていったら良いのではないかと考えます。どこで何%行ったのか,どこら辺でぐっと落ちているのか,どこの流動性が弱いのか等,数値を入れていくことで,具体的な議論ができるのではないかというのが1点。
 加えて,言葉の問題として,優秀・卓越・多様といった言葉の概念整理が余りできていないと感じています。既に事業を走らせている大学はたくさんありますから,やはりそれぞれの大学が何かしら定義をしてやっていくべきだと思っています。そうしたものを少し集めて整理すると,具体例を踏まえて,方向性が議論できるのではないかと思いました。以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。狩野委員。

【狩野委員】 まず私の発言の背景を申し上げます。日本学術会議の若手アカデミーのメンバーを経験させていただいてきたこと,そこから世界の同様な集団であるグローバル・ヤング・アカデミーのメンバーを経験してきたこと,そういう意味で,国内外の両方の状況を見てきた気がしております。もう一つは,政府関係の委員も複数経験させていただいて,こうしたことの議論の機会を頂いてきました。一般的な大学教員というだけでなく,これらの経験も踏まえた発言をさせていただきます。
 現在の日本の社会,文化において,科学は,一体何のために推進するということが了解されているか,ここから見直してみるのはいかがでしょうか。バブル経済がはじけた頃に,科学技術立国という言葉が注目されたと思います。その頃は,他のことに投資するよりは,科学技術に投資をした方がいいのではないかということで科学技術投資がたくさん増えたと理解しております。結局,それは科学が「役立つもの」であるから推進するという意味合いがあったのではないかと思います。それから,それより前に,もともと,何で日本が科学や大学制度を西洋から輸入したかというと,やはり役立つから,富国強兵のため,殖産興業のためだったかと思います。
 こうしたことのつながりの上に,今の日本の大学,あるいは,科学技術があると思われるわけですが,そもそも,その科学技術の根底にある考え方,あるいは,科学という考え方自体は日本の文化から醸成されたものではなくて,西洋文明から出てきたものであるわけです。一体その中の何を,日本文化としては今後大事にしていきたいと思っているのか,その結果として,社会としては,科学からあるいは科学教育から何を得たいと思っているのでしょうか。そこを科学者側・大学教員側もしっかり表現できないと,社会から引き続き支援しましょうという意見は引き出せないのではないかと思っております。
 私の思案として,先に隅田委員がおっしゃっていた,何を優れたというふうに定義するのかということも関係してくると思います。目的に従って何が優れており,目的に従って,何が卓越であるということが決まってくると思います。そのときに,今,科学者の我々が常識として持っている「優れた」は何かというと,論文業績,あるいは,その論文業績における引用数ということを主にして考えていて,ではこれは,何を目的にしたときに大事かというふうに考えると,まず,同業者の中で認められているかということだと思います。ではその科学者の同業者同士が認める卓越性,優秀性が,いま社会から求められている卓越性,優秀性と同じであるかということは,一度問い直す必要があるかと思います。
 つまり,科学者同業者内で常識とされている卓越性,優秀性と,社会からの期待あるいは社会での必要に齟齬があるかと思うのです。科学の同業者内では大事だと思われている対象を追っているのであっても,「科学者個人がやりたい事を追っ掛ける」のにどうして税金を使うんですか,という質問が最近たくさんあるわけです。そこに対して,「~だからです」と言えることがもしできる説明が存在するのであれば良いと思います。
 そのときの説明としてよく使われるのは「真理探究」です。これが長いスパンで見たときに重要だというのは科学者として様々な科学の発展の歴史を知れば,確かにそうなのです。別の言い方をすれば,数十年スパンで回収ができるかもしれません。ただ,それだけで上手く世の中が回るかというと,そうでもない,とすると,この財政状況では,加えて,どんな価値観があれば世の中から信用いただけるかということは考えざるを得なくなってきているなとは思います。
 さて,そうすると,「真理探究」に加えてもう一つの可能性としては,「社会課題の解決」というものもあるかもしれません。それをもし目的にしたとすると,優秀性,卓越性とは何か,今,常識とされている優秀性,卓越性の定義だけでよいのか,ということは考えた方が良いと思います。
 それに付随して,アカデミアや産業界においても,どんな目的のもとに人材を育てるか,その目的のもとに定義された「優秀性」「卓越性」を持った人は一体世の中でどういう役割が果たせるのか,というふうに組み立て直しがあると良いのかなと思っている次第です。

【宮浦主査】 勝委員。

【勝委員】 今,狩野委員が言われたように,何を目的にして議論するかというのは非常に重要だと思います。私は経済学が専門なので,その点から言うと,やはり90年代以降,潜在成長力が非常に低下してしまっている。成長会計から考えれば,インプットである資本,労働力のうち労働人口の増加率が低下している。それから,資本ストックも減少している。唯一,トータル・ファクター・プロダクティビティ(TFP)が潜在成長率を引っ張るためには重要で,TFPを上昇させるには,やはり科学技術,テクノロジーというのは非常に重要であるという認識があるかと思います。
 そう考えると,例えば博士人材の活用について,文部科学省では少ないという話がありましたが,これは官庁全てに言えることで,例えばヨーロッパであると,政策立案者はほとんどがPh.D.を持っていますし,そういったところで,日本の社会というものが企業も含めやはり博士人材をなかなか受け入れないという構造的な問題というのもあるということを認識して,何をしていくべきかということを考えていくべきであろうと思います。
 データの話も出ましたが,第8期からの議論を少し考えてみますと,例えばセクター間の人材流動が少ない,あるいは,国際間の人材流動が少ない。なおかつ,論文数,これが世界的にみて非常に低迷してしまっている。やはり科学技術を向上させるためには,そういった裾野を広げていくということが非常に重要なわけですが,その数値が非常に芳(かんば)しくない。これは長期的に日本に大きな影響を与えていく懸念が非常に大きいので,やはり今の時点で何かをすべきだというのは正にその通りだと思います。ただ,その中でも,やはり日本型社会という構造的な問題というものを考えなくてはいけないし,その中で博士人材の育成の主体である大学というものはどう変わっていくべきかについても考えていく必要があるかと思います。
 私は国際化部分で大学の経営に少し関わっていたわけですが,今までの文部科学省の政策で,例えばスーパーグローバルや,スーパーサイエンスハイスクール,スーパーグローバルハイスクールで,地盤を整えるという意味ではある程度進んできていると思います。一方で,大学院の学生数が今どんどん減ってきている中で,例えば,私どもの大学院では優秀な外国人の留学生が非常に増えているということもあります。これだけグローバル化が進んでいる中で,やはり人材の育成というのは日本の今後を左右する非常に重要な視点だと思いますので,人材委員会の議論というのは非常に重要になると思います。
 やはり具体的に今何をすべきなのかということは構造的なことを考えると非常に難しいと思いますが,国立大学,研究大学の運営費交付金の在り方であるとか,あるいは,私大への補助金,企業との連携なども含めて,様々なリソースをどうすべきかなども考えていくべきではないかと思います。
 以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。林委員。

【林委員】 先ほど,事務局の方から御説明いただいた方向性,大まかには賛同いたします。特にビジョンの共有やエビデンスの共有の辺りは,非常に重要だと思っています。第8期もこの委員会に出させていただきましたが,何か隔靴掻痒(かっかそうよう)の感があります。例えば先ほどの卓越研究員事業,100人くらい雇用されましたといっても,それが若手人材の安定雇用という課題に対して,その100人が焼け石に水なのかどうなのかもよく分からない。我々は一体どのくらいの若手研究者,安定した若手研究者を育成していくべきであるのかという話がもし先にしっかり議論できていれば,それに対して例えば100人くらいの卓越研究員がどうなのかという議論ができます。そう考えると,ビジョンとエビデンスを,両方共有していくというのは非常に重要な話だと思っています。
 私自身は科学技術政策や高等教育を研究している者ですが,先ほどの話の関連で言うと,第5期科学技術基本計画の策定の委員会に関わっておりましたので,その絡みで幾つか申し上げたいと思います。先ほど,基本計画の中で,抜粋,引用されましたが,資料2-1の1ページ目の下から十行目のところに,「しかし」ということで,「我が国の科学技術イノベーション人材を巡る状況,とりわけ,その重要な担い手である若手研究者を巡る状況は危機的である」という形で,この基本計画を作る時点から,やはり若手の雇用が不安定であって,そして,それに伴って研究力が,日本の研究力が落ちているのは非常に危機的な状況であるということは前提で議論を進めました。
 その上で,3ページの上から8行目に「こうした取組を通じ,まずは,大学における若手教員割合が増えることを目指す。具体的には,第5期基本計画期間中に,40歳未満の大学本務教員の数を1割増加させるとともに,将来的に3割以上となることを目指す。」幾つか非常に少ない数の目標値を基本計画では上げましたが,その中の一つがこれでございまして,基本的に,この5年の間に,この40歳未満の教員の数を1割増加させることが国として必要だという認識はあると。
 では,具体的にどうするかという議論は内閣府の中では十分していませんので,この話を受け取って議論すべきところは恐らくこの委員会であろうと思いますので,ここをしっかり我々は議論をすべきだと思います。
 ただ,基本計画の中でも,全くこんな目標だけを言って何も具体的な話をしてないわけではなく,2ページの下から2パラぐらいに「大学及び公的研究機関においては」というところで,幾つか処方箋のようなことを上げていて,「ポストドクター等として実績を積んだ若手研究者が挑戦できる任期を付さないポストを拡充することが求められる。その際」ということで,「シニア研究者に対する年俸制やクロスアポイントメント制度の導入,人事評価の導入と評価結果の処遇への反映,再審査の導入,外部資金による任期付雇用への転換促進といった取組を進めることが必要である」うんぬんと。
 それから,もう一点だけしっかり強調しておきたいのが,3ページ4行目ですが,「その一環として,国立大学における人事給与システム改革の実施を前提として,公募型資金の直接経費から研究代表者等への人件費支出が可能となるよう直接経費支出の柔軟化に向けた検討を進め,必要な措置を講ずる」とあります。
 これはどういうことかというと,この委員会でも前期で議論がありましたし,基本計画でも議論がありましたが,例えば東京大学を見ても,任期付きの研究者の数を入れれば,教員プラス研究者の数は増えている。つまり,国から出すお金はそれだけの人数を雇える人件費分は何らかの形で出されている。でも,同じ額を出しているのでありながら,昔と違って,今は若手だけが不安定な雇用になっている。
 これはお金がないという問題ではなくて,制度上の問題であって,そこをクリアすれば,安定雇用は実現できるはずであると。先ほど申し上げたそれが,特に若手だけではなくて,シニアの人も研究費のところから人件費を出すことができれば,その分を若手に振り向けることができるだろうと,そういう話です。
 これに限らず,幾つか基本計画を作る段階で考えた処方箋はある。ただ,これが現状どういう状況にあって,幾つかもし優れた事例があれば,それが機能していると言えるのか,それとも,ここで上げた案というのはもう机上の空論でしかなく,こんなことをやったって,安定雇用の問題は解決されないのかどうかが今,現状として分からないので,それをきっと突き詰めていかなければいけない。
 この人材委員会は第8期でも,何か新たな調査をするということは余りやらなかったと思っておりますが,現状の課題は本当にこのレベルの処方箋案を出したところで,それがどういう状況になっているかという課題を,必要であれば,何か委託調査とか出してでも,エビデンスに基づいて把握して,そして,対応策を打ち,そして,本当に5年の間に認識されている課題が解決できるような計画を立てるということをきっとやらなければいけないのではないかと思います。
 今,若手研究者の話だけを申し上げましたが,同じように,モビリティの話も結局,なかなか進めようとしても上手くいかないというのが現状です。モビリティが進まないと言って,課題だねと言っていた時代はもう終わったので,それを解決する策を考えなければいけないという段階で,幾つか,例えば産業界との共同教育プログラムを作って,そうすれば人材の交流が進むんじゃないかとか,幾つか案はあるので,具体的にそういうのが本当に機能するのかどうかということを議論すべきだろうと思います。
 最後,1点だけもう一個付け加えれば,経済産業省との間で,理工系人材の産学官の円卓会議をやっていらっしゃって,そこでもミスマッチングの議論をしていて,IT人材が少ないという話をしています。そこで議論になっているのは,博士人材,あるいは,博士号取得者のIoT再教育という話だけではなく,学士課程レベルでIT人材がいなくて,例えば人文社会系の卒業者も,IT人材として実際には働いているという状況にあるので,少し幾つか他でやられている議論も含めて,他の委員もおっしゃったように,例えば博士人材とか,余り前提として絞らずに,もうちょっと幾つか主要な課題について少し広めにエビデンスを取って議論をしていくことが必要かなというふうに思います。
 以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 若干整理させていただきますと,一つ,新たな視点として出てきました話題が,科学者の評価法,定義,優秀とは卓越とどう違うのかというその定義の問題,論文で評価してそれは絶対的か。あるいは,基礎研究の重要性というのを真理の探究ということで言われている一方で,社会実装化の重要性,役立つという部分を人に,科学者にどう位置付けるかというその評価法の定義の問題が一つ新しい話題ではないかと思います。
 もう一つは政策の短さで,スパンが短いこと,例えば新たな大学院を作る政策が6年,7年で作るというのは非常に難しい。博士人材1サイクル回るだけで5,6年掛かることに対し,7年では2学年しか回らないというような政策の短さの問題。
 あと,規模感の問題。先ほど卓越研究員事業でお話がございました100人がどのように影響できるのか,ただ,規模感ではなくて,システムの導入こそ今後考えると重要であるという考えも成り立つとは思います。
 その辺り,政策の規模や短さ,長さ,規模感をここで新たに考えていくべきだというお話だと思います。
 産学官の人の流動性,それが産学で議論されがちなところを,官も是非話題に上るべきということでございますが,その話題の根底には,恐らく日本型の採用システムが大きく影響しているのではないかと思います。
 いわゆる学部生,あるいは,修士の学生を全国で新卒一括採用するシステムが日本型で動いておりますが,それを中心に考えると,じゃあ,どのように動くのか,いわゆる中途採用が本当にマッチングできているのかという途中の流動性のことを,博士人材を中心に議論すべきところで,そこは採用システムを博士独特,あるいは,分野を超えた新たな採用システムを考える必要があるかもしれないという話題につながるのではないかと思います。
 また,若手の雇用の不安定さということはこれまでも言われてきております。その安定雇用は本当に難しいのかということをもう一度しっかり考え直した方が良いというお話であったと思います。運営費交付金が減額する中で,ポストは増えない。現実問題として採択されたプロジェクトで若手を3年あるいは5年で雇用しているのがアカデミアで常態化しているという中で,本当に採用は難しいのかということをもう一度,データも含めて,考え直すべきだという御意見であったと思います。
 また,課題を抽出している段階でなく,解決する段階に入るべきだというお話で,すぐできることから解決の段階に入っていくべきだという御意見もあったと思います。
 そのような視点が幾つか頂戴しているところでございます。

【萩谷委員】 私はコンピュータサイエンス,もう少し広い分野ですと,情報学という分野が専門で,平成28年度も文部科学省のIT人材の議論に加わらせていただいております。先ほど,林委員からありましたように,文系出身でITの産業に関わる方が非常に多く,IT企業によっては,約50%が文系の出身という状況もあります。
 その是非は置いておいて,実際に情報分野ではそうした分野間の流動性が現実のものとなっております。それに関連して,女性の活躍のところで,女子中高生の理系進路選択に関して,文系,理系に分けてしまうという日本の根源的な問題があると思います。特に高校生の段階,場合によっては中学の段階から,理系,文系に分けてしまい,理系を選ばないと,もう理系人材にはならないという状況がやはり問題ではないかと思っています。
 高校生でそういう決断をしなくても,大学に入ってからも,文系,理系を変えられるような,そういうことが一般的になりますと,理系に行って活躍するという進路ももう少し広がるのではないかと思いました。

【宮浦主査】 ありがとうございます。分野間の流動性の問題はおっしゃるとおりで,これも日本型の進路選択の影響が非常にあって,高校2年生ぐらいでもう文系,理系に分けてしまうことがやはりダイバーシティの面でも非常に大きく影響していて,基本的に,学部,学科で選択して入学してくる。いわゆる1年次,初年次は分野を超えて教養的なことをやって,それから選択ということはごく一部の大学でしかやられていない。その辺りのことですね。

【萩谷委員】 ええ。理系ではなく文系の高校生を理系に教育していくというのはもちろん非常に大変なことだと思いますが,そういうパスもあるべきではないかと思いました。

【宮浦主査】 その辺り,産業界から御覧になって,宮田委員の御意見はどうですか。

【宮田主査代理】 文系と理系というのはやはり日本の特有の習慣であって,全く意味がないというふうに考えています。
 それから,もう一つは,文系の教育を受けた人が,理系を自ら学べないのか。何か教えなければいけないということを皆さんずっと議論していますけど,それは間違いなのではないかというふうに考えています。
 まず,これからの議論を楽しみたいと思っていますが,局面的な議論と大局的な議論,両方皆さんとやりたいと思います。先ほど,林委員がおっしゃっていたのは局面の議論で,第5期科学技術基本計画で提唱された問題を検証して,本当にこれをやるためにはどうしたらいいのかという局面的な問題を皆さんと議論しながら,一方で,もう少し大局的な問題を考えていかないと,科学技術基本計画も5年計画だから,先ほど言ったように,人材というのは10年,20年,ひょっとしたら,30年ぐらい掛かるようなものだと思うので,その二つの視点がまず必要だと考えます。
 そうすると,専門家というのはもう不必要ではないかと言われているわけです。AIやインターネットによる情報共有。本当にSiriもすごく頭が良くなってきているので,今までの皆さんが今思っているような専門家がただ知識を伝授するという大学の教育の在り方を根本的に変えないと,間違ってくると思っています。
 そういう意味では,文系,理系の議論なんていうのはある意味,局面の議論であって,大局からすれば,もう全く意味がない。だから,今,文系の子が複雑な波動関数だって,AIに教わることができる時代になってきているので,そこが実は大学の危機だと思います。さっき狩野委員もおっしゃっていたけど,本当に私たちはどういう人材育成をすれば,この日本の国民,あるいは,国を幸せにできるのか。そういったことを考えなければいけない。それが大局的な議論をすべきだろうと思っています。
 あえて言わせていただくと,私の編集部にはマスターを大体卒業した人を入れていますが,彼らの知識の半減期がここのところ急速に短くなっています。昔は2年ぐらいもったのですが,今はもう半年もたない。つまり,本当は,学ぶ力,あるいは,ある種の好奇心みたいなもの,実際に現場に行って人と会って質問をしてくる力とか,そういったものが実は必要であって,それこそが社会を前にする力だと思います。私たちはその力を教えてくれる仕組みを作っているのか。
 私はJSTでずっとポスドク問題をやっていました。特にライフサイエンス分野の人たちの雇用がポスドクまで行った,行き詰まって,もう行方不明というのが結構出ていたという状況になったけれど,これが何で起こるんだろうと考えたときに,日本の産業界がライフサイエンスのイノベーションに対する対応が全く遅れて,製薬企業は21世紀に入って,ほとんど抗体医薬を作れてない。今,抗体医薬というのは全世界で七十二,三,商品化されているのが,日本企業からは三つしかないという状況にある。
 これは企業の変わり目も遅い。でも,同時に,大学の学問としての変化,自分は専門家だから専門分野のみ研究していればいいというような知的な怠惰の人たちが集まって今のような惨状をしたということに対して,何も考えてないというのが一番大きな問題で,本当に21世紀の専門家,あるいは,知的プロフェッショナルの中身というのはどうすべきかということを是非皆さんと議論したいと思います。
 僕はMITの論文で一番おどろいたのは,学生に脳波を付けて,その脳波で知的興奮度を測れるらしいのですが,テレビを見ていると,全部フラットなのです。自分で手を動かして料理を作っていたりすると,結構脳波が動く。だけど,MITの大学の講義を聞いているとフラットなのです。それでMITは,物事を教えるのではなくて,もっとプロアクティブに,議論したり,クリエーションしたりというところに学校の仕組みを変え始めているのですが,それが根本的に我が国で行われてないというところに僕は大きな問題が実はあるのではないかと思っています。
 それから,もう一つ,少子化です。少子化は避けられない。したがって,もし海外から留学生をどんどん集められるぐらいの実力がなければ大学の数は減るに決まっている。オーストラリアでは大学は輸出産業とカテゴライズされています。それはなぜかというと,留学生が学費を払うからです。
 だから,そういう意味の大きな変化があるということも,大局的に,皆さん,頭の中に入れておいていただいて,一方で,この1年間の議論でそういう哲学論だけでなく,局面的な議論に対してもしっかりしたある種の仮説で,5年間ぐらいで検証可能な仮説で,こうやったらいいのではないかというものを出してみてもいいかなというふうに思っています。

【宮浦主査】 ありがとうございます。根本的な大学院・大学教育,人を育てるとは何かというその根幹に係る議論で,特に政策を考える際にも,根本的に考え直す部分が必要ではないかという御意見を頂戴したと思います。いわゆる専門家と言われる分野分けで人を育てようとしているそのスタンスそのものがもう通用しなくなっている。ミスマッチとは言っているのですが,ミスマッチと言っている考え方そのものがおかしい可能性があるという御意見でございます。
 ほか。狩野委員。

【狩野委員】 まず,なぜ変わらなければいけないか,というところについてです。グローバリズムとは何なのか。戦後すぐ仁科芳雄先生が会議で欧州に行った日記が読めますが,4回,5回ぐらい飛行機を乗り換えて数日かけてやっと着いていたとあります。それが今や数時間,直行便で現地に到着できる。それだけの変化が数十年の間に起きているわけです。
 日本は,海に囲まれているので,そのような急激な移動手段の変化が起きるまでの長い間,日本の中で上手につきあいながらやっていればよかった時代が続いてきたのだと思います。それが,例えばそうした移動手段の変化で,そうはいかなくなってきた。他の文化圏の人々ともより近い距離で付き合う必要が出てきた。こういうことが我々に対する大きな外圧となって,今,押し寄せているのであろうと思います。では,そういう日本ではどのような教育をしてきたというと,もちろん,自分は個であるよりまず集団の一員であると考える東洋文化を引き継いで,組織と公の関係としては,組織の所属者としてそこの一員として役割を果たすことが大事だという,そうした感覚でやってきたのではないかと思います。
 それに対して,科学が発達した土壌がどのように違うかを考えます。西洋的文化では,個人は個人であって,その個人同士が違うのが前提なのです。あなたと私は違うのです。それが当たり前なので,違うところをどうやってすり合わせていくかを考えましょうという,コミュニケーションスタイルが発達した。科学はこれに基づいた方法だと思います。
 科学というのは,まず,その人しか思い付けないものを追い掛けるというところで個が大事だと言っております。なおかつ,追いかけている内容は今までの考え方と違うのだが,それでも正しいと信じるので,まだそう考えていない「あなた」を説得しなければいけない,そのために皆が認めることができる理由が必要という考え方です。だから,実験をしたり観察をしたりして証拠を集めるということが必要になります。
 そうすると,今までの日本,あるいは,東洋的な地域が社会規範として持っていた,「あなた」と「私」は同じはずである,ということと違う,「あなた」と「私」は違うはずである,という発想を要求しているわけです。こういう違うものを要求しているが,ではなぜ,今やらなければいけないかというと,一つには先ほど申し上げたように,その方法で勝ってきた勢力が外から押し寄せてきて,我々もそれに上手く立ち回らないと,結局我々は他者のペースに合わせていくしかなくなるというような運命にありうるからだというふうに私は勝手に理解しております。
 だとすると,その中で科学を高めていくというのはやっぱり結局大事なんだというふうにもし結論付けてよければ,今申し上げたような,「あなた」だけしか持ってないアイデアを持たせるにはどういうふうに背中を押してあげたらいいでしょうか,その「あなた」しか持ってないアイデアを高めるための証拠集めというところを頑張るというときには,どのように支援したらいいでしょうか,どれだけのお金を支援する必要があるのでしょうか,ということを考える必要があるのではないでしょうか。その支援の仕方として,その証拠が嘘ではないことが確認できる範囲で,他の人が分からないアイデアを追い掛けている人がいたときに,どうやって評価して,どうやって支援するんでしょうかという話に持っていかないと,多分,科学の人材育成としては上手くいかないのです。
 ここが文化的な特性の考慮とさっき申し上げたところでありまして,こうした違いをどれぐらい取り入れる元気があるかということをこの場では考えないと,議論は方法論のみに終わってしまうと考えます。

【宮浦主査】 ありがとうございます。塚本委員いかがですか。

【塚本委員】 ありがとうございます。先ほどおっしゃっていたビジョンの共有は大変大事なことだと思います。“誰と”ビジョンを共有するのかということをずっと考えていました。
 知のプロフェッショナルである博士人材というのは,こちらに御参加のかたや関係者側の人たちは皆そのように思っていると思いますが,日本の人口のどれぐらいの割合の人がそのように思っているのでしょうか。反対に,思いを共有する割合がクリティカルマスというか,2割,3割いれば,ドクターをみんな取得するようになるでしょうし,卓越研究員事業についても企業がこぞって手を挙げたりするのではないでしょうか?いわば,持参金付きで就職してくれるような非常に有り難い制度なのに,二の足を踏む企業があるというのは,やっぱりこの知のプロフェッショナル育成人材ということについて,幅広くビジョンを共有する必要があるのではないかと考えます。
 従いまして,すでに御意見がございましたように,本質的な深い議論をしつつ,さらに,短期的な対処療法のものも考え,もう少し広報宣伝というものを上手く行い,幅広に理解を深めるための方法も議論ができれば,非常に意義深いのではないかと思います。

【宮浦主査】 ありがとうございます。飯澤委員いかがでしょうか。

【飯澤委員】 先ほどから話題になっている2年生から文系,理系に分けている高校です。私がこちらに呼んで頂いた理由は,スーパーサイエンスハイスクールという取組を実施しているということがあると思っています。我々にとっては,今後生徒がどういう人生を歩むのか,どういうふうに社会に貢献していくのかというのがすごく大事なことで,課題解決,あるいは,問題発見を楽しめる人になってほしいということを考えています。
 現在の日本に課題は売るほどあるという認識はもう共有していると思います。その解決を楽しめる,こんな問題があったということを発見する,それは科学的なことに限らず,社会的な問題も含めて,そこを楽しめたら,もう非常にハッピー,社会全体もハッピーになるだろうという考え方です。そのためには高校で何ができるかというと,その課題を発見する仕方や解決の仕方を学ぶ授業というのをやろうと,2年生の半年間で自分でテーマを決めて研究をして論文を書くということをやらせています。
 もちろん,研究といっても,新知見が出るわけではないのですが,教育的な価値は非常に大きいと思っています。本当に課題設定を一からするなんていうのはとても難しい,研究されている方は,課題設定ができたらもう7割ぐらいできたようなもんだというような感覚がおありかと思いますが,本当にそういう感覚を生徒が身に付けて,そして,学んでいることを実際に自分のために使う経験をさせつつ,課題解決の仕方を学ばせています。
 先ほど,社会システムのことで言うと,「役に立つ」ということにすごく敏感な生徒もいるわけです。一方で,自分の好きなことだけしたいという子もいて,多様です。我々は生徒に「役に立つ」の意味というのは,お金が手に入るとか,そういう役に立つもあるけれども,自分が分かってうれしい,とか,それを知りたがっていた人に,こういうことなんだね,ありがとう,といわれるというような役に立ち方もあるわけで,社会に対して役に立ち方って山ほどあるんだよということをまず伝えています。
 役に立つこと,ということの多様性を理解している人が増えると,意味のないことにお金を出すのはちょっと嫌だよねという人も減っていくかなと。意味がないことに,ということを言う人も,例えば占いにお金を払ったりするわけですから,何に意味があるかというのは個人が決めることだと思うので,その中で,科学的なこととか,ある意味,真理探究的なことも,自分はやらないけど誰かがやってくれた結果には興味がある,と思えるような素養をつけるということを高校が担っているのかなと思っています。
 もちろん高校ではお金がないわけですから,少ないお金で工夫をして問題解決をしていくということも学べるわけですし,そういったことが将来的に博士課程でもう少し研究をやってみたいなという子が増える可能性もあるわけで,実際に博士課程に,全国国平均よりは多く進んでいるという実績も出ています。スーパーサイエンスハイスクール校それぞれの学校も恐らく卒業生の追跡調査をしていけば,実際にどれぐらい,その生徒の人生にインパクトを与えたかというのは出ると思いますので,この場のエビデンスには出し得ることなのかなと思っております。以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。高橋委員お二人はいかがでしょうか。

【高橋(真)委員】 ありがとうございます。では手短に2点。
 まず,1点目は,今までの御議論に関連するもので,『ライフシフト』という本を読まれた方もいらっしゃるかと思います。100歳寿命が視野に入る中で,我々が対象と考えているその若手研究人材を考える必要があるのではないか,という点で。若手の想定が22歳ぐらいから30歳ぐらいまでとすると,彼らが30年後,まだ50代なので多分現役で,かつ,100歳寿命だといったときには,まだ人生半分という捉え方になると思います。
 そうすると,2つあって,30年後も,今我々が想定している研究活動が同じような形で50歳の彼らがやっているのかということを想像の範囲に入れておく必要があるかと思います。もう1つは,同じ分野と我々が定義しているコンポーネントがそのまま存在していて,セクターの移動も今と同じ意味を維持しているのかということも視野にいれる方が良いと思います。
 先ほど,お2人,宮浦主査と宮田主査代理がおっしゃっていたように,大局的な話という観点からすると,やはり長寿命社会という環境,その下での職種やその活動の再定義という文脈を捉えて話ができればというのがまず1つ目の話です。
 2つ目の話は,私の経験からこの会議に貢献できるかと思う部分ですが,URAやPMに類する仕事をこの十数年,大学や研究機関などの公的セクターでやってまいりました。
 新しい職というのは,プレーヤーとして現場で担う実務者はまず大変だと思います。なぜならステークホルダーとの合意が必要だからです。そこで必要になるのは,取り巻くステークホルダーが,新しい職を理解し活用する,という姿勢を示すことだと思います
 大学などにおける第3の職というのは,そこにアサインされた当事者は頑張るのは当然なのですが,それ以外に,環境がエンカレッジするようなものが必要で,この15年くらいの施策の中で打たれてきた様々な人事政策そのもの自体は良いと思いますが,ここでもう一つ考えなくてはいけない新しい要素として,それを取り巻く大学の執行部や事務方との調和性も含めた周辺環境との調和というのが,施策の実効性を維持・活用するために重要なことだと思っています。
 一つ分かりやすい私の経験を申し上げますと,今,教員をやっていますが,この15年の大半は任期制雇用できました。私自身このキャリアはハッピーだと感じております。なぜハッピーかというと,個々の現場で,上司や,周りの人の理解があったので,任期制ではあるものの,その任期の中で実績を積むということを応援してくださり,自分の希望する次のキャリアを得ることができたと思っております。多様な人事施策を活用するためには,任期制を活用するための関係者の理解も大切なことと思っています。この点はまたそのトピックが出たときに,具体的にお話させていただければと思います。以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。髙橋委員。

【髙橋(修)委員】 髙橋と申します。どうぞよろしくお願いします。この人材委員会に,3期前から参加させていただいていますが,以来疑問を持ち続けていることは,博士の学生数やポスドクの数を,何人,どういうふうにするのが理想像としてまず向かっているのかということが,恐らく,皆さんの立場やお考え,分野等にもよって,もう随分ぼんやりしているんじゃないかなと。
 その目標が変わっても良いとは思いますが,まず第一にここを目指そうというものがないと,そもそも動きようもないなと。一方で,そういう中でリーディング大学院だったり,EDGEだったり,あるいは,スーパーサイエンスハイスクールだったり,様々な施策は動いているわけですが,そのゴールがあってこその検証をしていくべきものだと思っています。
 そういう意味では,リーディング大学院やEDGEなどの検証というのも,各大学や,SSHの高校などからの報告書を事業評価のような形でやるのではなく,同じような予算枠で,もちろん個性はありながらも,様々な仮説が実際に実行されたわけですから,学術の観点,研究として検証するための予算があったら良いのではないかなと思います。
 特に総合大学でリーディング大学院やEDGEが動いているのは本当に惜しいなと思っていて,担当している先生方はすごく頑張っていらっしゃるけれど,結果として参加した学生の満足度が幾つでしたといったような報告で終わってしまっているものも多い印象です。こういうプログラムは良かった,あるいは,失敗したというのをちゃんと検証をしていればたとえ失敗をしたところにだって継続的に予算が付いて良いと私は個人的には思っておりますが,ともかくそういう検証をしないことには,前へ進まないのではないかということを考えています。
 あと,一方で,私は職業柄,スタートアップ支援や,ベンチャーサイドの人間ですので,そういうのをチャレンジする先生方と一緒に活動するケースが非常に多いのですが,それこそ,それが全てだとは思いませんが,大学の中で,自分の研究成果を社会に実装していくようなスタートアップの人材不足が深刻です。
 たとえ資金調達して次に優秀な専門人材の雇用という壁にぶつかるケースが多い。人を雇いたいけれどいない。やりたい人が集まらないのですね。それはすごく大きな問題だなと思っています。一方で,大学院を探している学生が,ベンチャーにチャレンジしている先生や,社会に役立つ研究をしているラボへ進学したいという声はよく聞くわけなのですが,実は情報がまとまっていない。横断的に研究活動や社会実装をまとめていくと,何か面白い活動ができるのではないかなと思います。
 それで,実は今,関連会社で「日本の研究.com」というサイトを最近立ち上げました。何かというと,研究者番号をお持ちの先生方がどういう研究をしていて,どういう共同研究者とどういうつながりをしているか,そういう履歴みたいなものが予算から分かるというサイトです。立ち上げてみて,少し意外だったのは大学院生たちが希望する先生を見付けていたりするのに使い始めている。さらには,個別の研究テーマを機械学習を使って関連するキーワードや共同研究者との比較だ何だと様々な解析をしてみると,分野突破して動くような行動特性を持っている先生というのも実は分かってくるのです。
 論文のインパクトファクター以外のプラスの評価軸を,プラスの部分で色んな観点から,分野を突破する先生方や,あるいは,ベンチャーとかそういうところにチャレンジしている先生といった多面的な評価ができるような,何かそういうものが見えてくると,ミスマッチも減っていくのではないかということを考えています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【宮浦主査】 ありがとうございます。川端委員。

【川端委員】 一言だけ。私は人材育成関係を20年ぐらい前から携わっていて,教員になっているのですが,この大学院重点化で博士の人間は非常に増えて,その後,ポスドク問題が起こって,それで,キャリアパスという,アカデミアだけではなくて,社会全体で活躍させましょう,それが日本全体の力になるだろうという流れでスタートして,もう20年経った。議論の上の議論はもういいでしょうという考えです。水戸黄門みたいな話になっていますけど。
 先ほど少し出たような今の博士の社会活躍の状況が一体どうなっているかをはっきりさせる必要がある。いまだにまだ10年前の企業が感じる博士のイメージや博士の意識等が語られており,ドクターの社会活躍に関する古いデータがまだ振り回されている。特にここ数年,今,企業側で博士に対する採用や期待にものすごく変化が起こっています。この数年を捉えたデータというのがどこかでまとめられないか,それがドクターや関係者に提供すべき,また議論すべき情報なのだろうと思います。
 もう一点は,今まで様々な政策論の話などがありますが,1点は,そろそろオリンピックチームの事業はもうやめた方がいいのではないかという私の提案です。
 SSHもそれに近いし,それから,卓越研究員事業もそうですし,様々な施策や取組がそうですが,昔はすごい人にお金を与えて,実績を上げたら,一般的な人も付いていくと信じられていた。でも実は誰も付いていかないという,それが今,日本中で起こっているドクター離れと言われている現象ではないかと思います。
 そういう意味では,そろそろオリンピックチーム型ではなくて,各拠点だとか大学の個性がありますので,個性を中心にした取組であるとか,様々な好事例というものが一体どういうふうに展開されるかということをもっと表に出すような施策を打っていった方が,世の中全体のマスが動くのではないか,そういうふうに思っています。
 最後の1点は,博士離れ,イコール,学生はアカデミアに興味をなくしているという状態なのです。要するに,どんなすごい研究をします,何とかしますといったところで,研究者になりたい人がいなくなってきている。
 こうした状況で,幾らそこにお金を積んだところで,良い人が集まらないという意味では,リクルーティングであるとか,今まで,ドクターに行くのは大学院に行った人間は当たり前,彼らは希望しているからそれに対して障害があるから,それを取り除けば,必ず彼らはみんな付いてくると,こう思っているけど,その前提が崩れているという気がしています。是非,ドクターが行きたくなるように,ドクターに行きたくなるような施策の打ち方というものを,学生目線のものを作る必要があるだろうと思っています。以上です。

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 非常に多岐な御意見を頂いたところですが,今期の人材委員会では,是非,先ほど話題にしていただいたURA等の第三の職種,それを分野,文理を超えて,人事システムも含めて,是非ひとつ具体的な議論としてやるべきではないかと考えております。
 また,情報提供について何人かの委員からお話しいただき,日本型のリクルートシステムに風穴を開けるようなことをやらないと,なかなか今のシステムを保持したまま,どのようにしたら博士が各分野に流せるなど,そういう各論をしていても,恐らく解決できないことが多々あって,それは今までも議論してきたわけです。
 その日本型のリクルートシステムを少し変えるような具体的な議論ができれば良いのではないかと思っております。
 その一つに,JREC-INの話をさせていただいたところですが,博士ならではの情報を企業側からも個人からも,お互いに情報を共有できるようなサイトですとか,髙橋委員からも,それは一つの例として,共同研究の中身が分かるような新たなコンテンツを入れると,見る方が格段に上がるとか,人材も各個人が情報をアップする,企業も見られる,個人もアプライできるような,博士の人数は学部に比べて格段に少ないわけですから,博士ならではのシステムを是非作れれば,それが卓越研究員などもみんなで共有するというようなシステムができると,まだまだマッチングできてないところ,それはすぐできることとして,そういうことができるのではないか,是非やってみたいと思っているような次第です。
 そのほか,こういう若手の雇用の問題や,科学者の定義の問題は新しい視点,幾つか言われていて,川端委員から,もう20年やって今に至って,今後何をやろうかという御意見,あと10年やると30年になりますので,30年を検証する立場ではないと思いますが,5年,ここ3年でできること,逆に言うと,ここ1年でできること,解決できることを今すぐやる。いわゆる5年のスパンでやるべきことなどを,今までにない視点で,この委員会で,具体化,具体的な施策も含めて,議論をさせていただけると有り難いと思っているところです。
 今期の委員の皆様,高校から産業界はもちろん,あるいは,企業でもリクルート,システムの御専門,あるいは,ベンチャー,あるいは,各種,宮田委員からコメントいただいたように,各種のお立場の方が入られているので,是非その課題解決に向けて,一歩,二歩前進したいと思っているところでございます。
 ありがとうございます。
 最後になりました。事務局から連絡事項をお願いいたします。

【宮地人材政策課課長補佐】 事務局より連絡事項を申し上げます。
 次回の委員会の開催日時については,先ほど9月頃目途という形で示させていただいておりますが,本日の議論も踏まえまして,主査と御相談させていただき,委員の皆様の日程と調整の上,改めて御連絡させていただきたいと思っております。
 また,本日の会議の議事録につきましては,作成次第,委員の皆様にお目通しいただき,主査に御確認の上,文部科学省のホームページを通じて公表させていただきます。
 以上でございます。

【宮浦主査】 ありがとうございます。
 本日はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。


―― 了 ――

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