令和7年6月30日(月曜日)15時00分~17時00分
文部科学省内会議室及び Web 会議(ZOOM)
小泉委員、稲垣委員、江端委員、桑田委員、近藤委員、重田委員、杉原委員、中村委員、正城委員
井上科学技術・学術政策局長、福井大臣官房審議官、先崎科学技術・学術総括官、奥人材政策課長、髙見人材政策推進室長、髙橋人材政策課長補佐、滝沢人材政策課長補佐、大場人材政策推進室長補佐
科学技術・学術審議会人材委員会
科学技術人材多様化ワーキング・グループ(第4回)
令和7年6月30日
【小泉主査】 では、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会科学技術人材多様化ワーキング・グループの第4回を開催したいと思います。本日の会議は、冒頭より傍聴者に公開しておりますので、よろしくお願いいたします。
本日は、10名の委員にご出席いただいておりまして、定足数を満たしていると考えております。よろしいでしょうか。
それでは、議事に入る前に、事務局より注意事項と、本日の資料確認をお願いいたします。
【大場人材政策推進室室長補佐】 事務局でございます。本日の会議は対面とオンラインのハイブリッドでの開催となります。対面で御出席の委員は、御発言の際には挙手または名立てなどで合図をしてください。オンラインで御出席の委員は挙手機能により挙手ボタンを押していただき、主査より指名を受けましたら、お名前をおっしゃっていただいた上でご発言ください。
機材の不具合等がございましたら、対面で御出席の委員は会場の事務局にお声がけいただき、オンラインで御出席の委員はマニュアルに記載の事務局連絡先にご連絡ください。
資料につきましては、Zoom上での共有も行いますが、会場ではお配りしておりますので、皆様お手元の資料をご覧ください。
それでは、資料の確認をさせていただきます。事前に送付させていただいた資料としまして、議事次第、資料1-1から資料5、参考資料1から参考資料2-2でございます。議事進行の過程で不備等ございましたら、事務局までお知らせください。
以上でございます。
【小泉主査】 ありがとうございます。今日はかなりボリュームのある資料となっておりますので、ご確認いただければと思います。よろしくお願いします。
では早速ですが、議題1に入っていきたいと思います。本日も引き続き、技術者、技術職員の在り方を検討するため、2件のヒアリングをさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ではまず、近藤委員からよろしくお願いします。「長岡技術科学大学の技術職員組織と技学コアファシリティネットワーク」と題しまして、近藤委員からご発表をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【近藤委員】 ご紹介ありがとうございます。長岡技術科学大学技術支援センターの近藤でございます。よろしくお願いいたします。では、スライドの共有をお願いいたします。
それでは、「長岡技術科学大学の技術職員組織と技学コアファシリティネットワーク」につきまして、発表させていただきます。
次のスライドをお願いいたします。本学は、来年創立50周年を迎える大学院に重点を置いた工学系の大学です。創設以来、実践的な技術開発を主眼として、社会を牽引する指導的技術者の養成を目的としてまいりました。本学の特色の主な3点を挙げますと、第1に、学生の約8割が高等専門学校である高専からの卒業生であり、高専と緊密に連携している点です。第2に、学部4年時には、大学院進学予定者全員が実務訓練として企業などへ長期間派遣され、実社会で実践経験を積むことです。第3に、学部から大学院修士課程までの一貫教育を行っている点となります。
では、次のスライドをお願いします。本学技術職員が所属する技術支援センターは、2011年に組織化されました。組織化以前、技術職員は事務局学務課に所属していましたが、キャリアパス、特に上位職への昇進機会がないことや、モチベーションの維持・向上に課題を抱えていました。こうした状況を打開するため、技術職員からの発意をきっかけに組織化の検討が始まりました。加えて、2004年度の国立大学法人化に伴う人件費管理への移行や、2007年度の学校教育法改正といった制度上の変化も組織化を後押しする要因となりました。これらの背景から、大学執行部も教育研究活動を効果的に推進することを目的に積極的に関与し、組織化が実現しました。
組織体制としては、大学経営層との連携を密にするため、センター長に理事が就任し、技術長が実務上の責任者を務めています。また、従来の役職に加え、技術長、副技術長、グループ長、主任といった独自の役職を設け、職責の明確化を図りました。これにより、任免、勤務評価、昇格といった人事をセンター内で機動的に行うことが可能となっています。
業務は、各系からの依頼に対応する業務依頼形式を採用しています。この仕組みにより、技術職員は多様なニーズの中で幅広い経験を積み、スキルアップを図ることができます。運用面では、技術職員が週報に記録した業務時間に基づき、年度末に各系への支援時間割合に応じた教育研究チャージ料をご負担いただいております。このチャージ料は、技術職員の専門性をさらに高めるための研修費用として活用しています。なお、予算に関する重要事項は、センター長、各系長、技術長、副技術長で構成される技術支援企画調整会議において審議、決定されます。
では、次のスライドをお願いいたします。近年は、技術職員が大学の重点プロジェクトへ積極的に参画し、教員が主導する教育研究の環境づくりやアイデアの具現化を支えております。また、学長のリーダーシップの下、プロジェクトに参画する人材として数名の技術職員が新たに採用されております。2025年度の組織体制におきましては、各支援グループを率いるグループ長を、グループ長及び技術主任の中から選出することとしております。
人材育成としては、既に第2回ワーキングで江端先生からの御発表にございましたTCカレッジへ2022年度からサテライト校として参画しております。TCカレッジサテライト校の取組については、後ほどのスライドにてご紹介させていただきます。そのほかにも、新潟県主催の次世代女性リーダー育成セミナーに参加しております。このセミナーでは、県内の多様な業種の女性リーダーとの交流を通じ、新たな視点やネットワークを培っております。また、学内受賞においては、技術職員の日々の活動が高く評価され、教員と並び教育活動表彰や女性躍進賞を受賞する職員も出てきております。さらに、自身の研究テーマを持ち、積極的に奨励研究や各種助成財団の研究助成に採択されている技術職員もおります。
次のスライドをお願いいたします。では次に、技学コアファシリティネットワーク構想についてご紹介いたします。この構想は、本学と豊橋技術科学大学、そして12校の高専が連携し、研究機器の遠隔利用やDX化を推進することで先導的な機器共用ネットワークを構築する取組です。本構想を通じて、ここに示す3つの目標達成を目指しております。これらの目標を達成するには、技術職員は必要不可欠な人材となっております。
次に、研究機器が集約されている本学の分析計測センターについてご紹介いたします。次のスライドをお願いいたします。分析計測センターは、学内の分析機器を集中管理する施設として1980年に設立されました。現在のスタッフは、センター長、副センター長の教員2名、URA1名、技術職員10名、技術補佐員3名の合計16名で構成されております。技術職員は10名体制で、うち6名がセンター常駐、4名が兼務となります。2011年の組織化以来、段階的に担当の技術職員の増員を行い、現在は約50台の分析機器をスタッフが協働し管理しております。
では、次のスライドをお願いします。次に、技術職員の高度化による支援と研究機器の利用促進についてです。学生の主体的な機器利用を促進するため、自己測定を認めるインストラクター制度を導入しています。本制度は、技術職員による講習と、試験に合格した学生が自身の研究のために装置の予約から測定まで行えるようにするものです。この取組により、技術職員の負担軽減と、割引適用による学生の利用促進を両立しています。資格取得者は年々増加しており、令和6年度にはインストラクター資格付与件数が503件に達するなど制度の活用が着実に広がっております。充実した技術職員による丁寧な指導が本制度を支えており、学生の研究力向上と分析機器の利用活性化及び利用料金収入の増加につながることで、さらなる運営基盤の強化に貢献しております。
では、次のスライドをお願いします。高専及び外部機関からの依頼分析・遠隔利用への対応としまして、技術職員はそれぞれの担当装置を持ち、機器の維持管理から技術相談までを対応しております。遠隔機器利用状況と成果に示しますように、まず、各登録機器における学外利用の総和のグラフでは、令和4年では現地利用分が減少しておりますが、遠隔利用が増加し、また、ネットワーク外の利用が増加するとともに遠隔利用も進んでいるのが分かります。また、右の登録機器を活用した成果のグラフでは、投稿論文、学会発表、外部資金、高専の卒業研究の各項目において件数が増加し、研究、教育、外部資金獲得への活用が進んでいることが分かります。
次のスライドをお願いします。機器の遠隔操作の利用促進に向けて、リモート教育コンテンツの開発も行っております。技学コアファシリティ動画コンテンツは、技術職員が分析機器の紹介や計測時の要点をまとめた動画を撮影、編集、アップロードしております。これらの動画は現在92件作成し、技術職員のスキルアップと動画閲覧者の知識・技能取得の機会として期待されております。技術職員の今までの取組に対して、令和4年度、5名の技術職員が共用分析機器の支援体制構築とリモート化への貢献により文部科学大臣賞の研究支援賞を受賞しました。
次のスライドをお願いします。機器の遠隔操作の普及と技術職員の人材育成として、TCカレッジと連携し、遠隔分析DX系TCコースを担当しております。本コースのカリキュラム作成や運営を行い、現在、本コースの受講生3名とTC取得者2名の専門人材を育成し、遠隔技術のパイオニアとして、高専ネットワークのみならず、大阪公立大などの他大学への遠隔技術の普及を行っております。必須科目である機器遠隔化・活用スクールでは、TCカレッジの他のコースの北海道大、東京科学大、鳥取大、琉球大などからもご参加いただいております。また、遠隔分析DX講究では、機器メーカーの取組などの講演会を令和5年度に3回開催しました。今年度も機器メーカーと連携し、10月に講演会を実施する予定でございます。
次のスライドをお願いします。遠隔分析技術を活用した人材育成の一環として、こちらも機器メーカーと連携し、走査電子顕微鏡のオンラインワークショップを毎月開催しております。このワークショップは、初めて走査電子顕微鏡を使用する高専生を中心に多くの方にご参加いただいております。そのほか、大学の講義や学生実験、高専への出前授業など幅広い教育の場で本技術を活用しております。
次のスライドをお願いします。見える化・DX化の取組として、共用設備・機器の見える化では、設備・機器の設置状況と担当技術職員の氏名を掲示しております。また、利用申込みの見える化から利用料金集計のDX化において、センター内では利用中の機器・ユーザーをリアルタイムで表示し、利用料金の集計まで可能としております。さらに、装置担当者の見える化をセンター内及びウェブで行っております。
次のスライドをお願いします。機器共用と遠隔利用を推進するため、講演会や広報活動を多角的に展開しております。学内向けには毎年、分析計測センター説明会を実施しており、本年度は連携機関である新潟県の公設試験研究機関からも技術職員の方々にご参加いただきました。さらに、短期留学生を対象とした遠隔機器体験会や、技術職員が主体となってJASISなどの分析展示会へ出展する広報活動にも力を入れており、今年度のJASIS2025にも出展いたします。
では、次のスライドをお願いします。では最後に、継続的発展としまして、まず、技術職員の組織化を進め、分析計測センターの担当者を増員することで、装置の拡充にも対応可能な体制を整えてきました。次に、主要機器の遠隔化を推進したことで、高専との連携が強化され、双方の研究力向上とセンター利用者、利用収入の増加につながっております。現在はTCカレッジのサテライト校として遠隔分析DX系TCコースを運営しており、これを機に他大学の技術職員とのつながりが生まれました。このネットワークから遠隔での共同分析や新たな依頼分析へと発展しております。さらに、昨年令和6年度に採択されましたJ-PEAKSにおいても、他大学との効果的な連携を通じて研究の効果的な向上と成果創出への貢献を目指すとともに、これら一連の取組の輪が全国に広がり、研究力を高める好循環となることを目指しております。
以上となります。ご清聴ありがとうございました。
【小泉主査】 近藤委員、ありがとうございました。とても先駆的な取組をされているなというのがよく分かったところです。
では、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見がある方はぜひ、オンラインでも現地でも何かありましたらお願いいたします。
桑田先生、お願いします。
【桑田委員】 ありがとうございます。すごくよく分かりやすく、理解が深まりました。ありがとうございました。
すみません、小さなことなのですが、教えていただきたいことが2点あります。6ページ目の分析計測センターのスタッフの構成の中にURAが1名いるのですけれども、このURAの役割はどのような役割をされているのでしょうか。
【近藤委員】 本学の分析計測センターに常駐しますURAの役割としては、技術相談の窓口として対応しているほか、このコアファシリティネットワークのプロジェクトの取りまとめに関しても対応している人材となります。
【桑田委員】 分かりました。あともう1点教えていただきたいです。最後のページなのですけれども、いつもこの手の話はよく出てくると思うのですけれども、利用料による自立化を目指されているのか、あるいは目指していないまでも、利用効率が上がってくることによって収益が上がってきて、何らかの利用料の効果的な使い方が出てきているのか、その辺りの実態を教えていただければと思います。
【近藤委員】 利用料の増加は、具体的にはやはり装置のメンテナンスに現状は予算を充てている状況です。しかしながら、将来的にはこの分析計測センターの収入にて全てを賄えるのが将来的な目標ではございますが、なかなか装置がたくさんありますとメンテナンス費用に経費がかかりまして、そこまではまだ現状行かないような感じであります。
【桑田委員】 近藤先生、ありがとうございました。
【近藤委員】 ご質問ありがとうございました。
【小泉主査】 ありがとうございます。では、稲垣先生、どうぞ。
【稲垣主査代理】 ご説明ありがとうございます。4ページ目の技術支援センターのまず何か規模というか、何人ぐらい? これは多分、教育担当の技術職員の方とかも入った組織なのですか。
【近藤委員】 本学の技術職員の構成人数としては、技術長以下全員含めて32名となります。
【稲垣主査代理】 そのうち、この技術支援センターにいるのが10人ぐらいという?
【近藤委員】 分析計測センターに関わっている職員は32名中10名となります。
【稲垣主査代理】 ありがとうございます。あと、桑田先生の質問にも関連するのですけれども、学内利用収入が増えてきていると思うのですが、学外の利用収入もそれなりに増えているというふうに考えてよろしいですか。
【近藤委員】 そうですね。遠隔の取組をすることにより、学外のネットワーク外からの問合せや依頼分析も増えていますので、学外の収入も現在は増えております。
【稲垣主査代理】 学内の利用料と学外の利用料は結構な差があるのですか。
【近藤委員】 はい。まず、学内と学外とは利用料金体制が異なりまして、やはり学外向けの利用料金は少し高めになっております。
【稲垣主査代理】 さらにお伺いすると、アカデミアの利用料と企業の利用料とさらに分かれているのですか。
【近藤委員】 はい、分かれております。アカデミアの利用料の方が、企業の利用料よりも低く設定されています。
【稲垣主査代理】 分かれていて、企業はそれなりに取るという?
【近藤委員】 そうですね。
【稲垣主査代理】 ありがとうございます。
【小泉主査】 では、中村先生、正城先生の順に行きます。中村先生。
【中村委員】 長岡と言えば遠隔なので、技術的なところをお伺いしたいのですけれども、今日は人材委員会なのでそれはまた別に。3ページ目のところの、運営費に加えて教育研究チャージ料を取って、これを技術職員の研修に充てているというのは非常に面白いと思うのですが、これはどのぐらいの規模感というか金額感なのか、あと、教員はもう喜んで出している感じなんですか。
【近藤委員】 まず、このチャージ量に関しては、金額的には100万ちょっとの金額でございます。各系から頂いております。一応、企画調整会議という会議で、系長やセンター長が参加される会議で承認をいただいておりますので、快くご負担いただいている現状です。
【中村委員】 利用するたびに払うというわけではない?
【近藤委員】 ではなくて、年にまとめて。そのために技術職員が週報をつけておりまして、その技術職員がその系にどれぐらい業務を割いているかというので、割合に応じてご負担いただいている現状です。
【中村委員】 了解しました。ありがとうございます。
【小泉主査】 では、正城先生、その後、重田先生に行きます。正城先生、お願いします。
【正城委員】 ご説明ありがとうございました。最初の2ページの特色のところで、学生の8割が高等専門学校の卒業生で、大学院進学予定者が実務訓練をするというのは、私も不勉強で存じ上げませんでしたが、すごく特色のおありの大学だなと思いました。近藤先生のお感じになられているところで結構なのですけれども、いわゆる総合大学の工学部の学生と貴学の学部生・修士課程の学生はどういうところが違うと思われているかというのを伺いたいのが1点です。
それに関連して、高専卒業生から修士を卒業した方のキャリアとしてメーカーに就職する方も多いと思うのですが、このワーキングで議論しているような人材にも非常に親和性の高い教育をされているような印象を持ちましたので、2つ目の質問としては、どういったキャリアの特徴があるかという点です。
1つ目の質問は、学生の特徴と、2つ目は、卒業後、修了後のキャリアの特徴を、お感じになられているところでお伺いできればと思います。
【近藤委員】 ご質問ありがとうございます。まず、1点目に関して、学生に関してですが、個人的な意見も入りますけれども、やはり4年生で社会に一旦数か月出て帰ってくると、やはりちょっと一段と大人になって成長しているといいますか、やはり行く前と行った後の成長感は明らかに違うなというのは、学生と接しても実感しております。なので、通常、実務訓練に行かない工学部の学生さんと比べるとというご質問ですけれども、本学の事例として私の感じ方としては、やはり実務訓練に行くことによって企業での実務体験を数か月体験しておりますので、それなりのタイムスケジュールなり何なり、そこら辺の基本的なマネジメントなりを実感して身につけてきているような感じでは私としては実感しております。
また、2点目の、どのようなキャリアを形成しているかということですけれども、基本的にほとんどの学生が修士を卒業してということですので、やはり専門的な技術者人材としてメーカーに就職する者もおりますし、就職先はいろいろですけれども、基本的にはやはり技術者ということで送り出しているような感じになります。
【正城委員】 ありがとうございます。
【小泉主査】 ありがとうございます。重田先生、お願いします。
【重田委員】 説明ありがとうございました。2点質問があるのですけれども、まず1点目は、今の学生に関することなのですけれども、7ページの学生の自己測定制度(インストラクター制度)というのがあって、非常に特徴的な取組かなと思っているのですけれども、こちらについては、大学でこのインストラクター制度に対してある意味認定書とかそういったものが発行されるのかということと、そういった認定書をもって例えば企業の就職に対して何かインセンティブになったりとか、そういった事例があったかどうかについて1点お伺いさせていただきたいのがあります。
次は、もっと戻るのですけれども、今度はこの技術支援センターについて伺いたいのですけれども、この組織は2011年に出来て、17年に改組、そして2025年に現在の組織となるということで、いろいろと変遷されているというふうな感じだと思うのですけれども、どのような変遷があったかということをお伺いしたいというのがあります。特にこの組織について、技術職員がマネジメントとかそういったところに関わるのに要した時間とか、そういったものの変遷とともに、この内部の技術職員がどういうような形でキャリアアップしていったかについて教えていただければと思います。
以上です。
【近藤委員】 ご質問ありがとうございます。まず、1点目のインストラクター制度に関する認定書に関しましては、学内のインストラクターに認定書は発行していないのが現状です。ただ、今、試行段階にあるのですけれども、このインストラクター制度を、遠隔操作インストラクターということで今、遠隔で行う高専の技術職員や学生に関してもインストラクター制度を導入するという試行を現在行っております。そちらに関しては、認定証を発行する形で行っています。
では次、2点目の本学技術支援センターの組織変遷に関しまして説明させていただきます。まず、2011年に組織化したときは、技術長のみが管理職でした。1名のみでした。その後、2017年の組織改編において、技術長と主任副技術長、2名が管理職になり、この2017年の際に、業務管理グループというグループを設置し、そこで技術支援センター内の勤務時間管理とか総務的な内容をここの業務管理グループが一気に引き受けて行うというような形になっております。
また、今年度2025年4月1日に一部組織を改編して、副技術長を1名増員し、今まで副技術長3名だったところを1名増員し、現状5名となっております。マネジメントといたしましては一応、グループ長はグループの中のマネジメントをしており、また、グループが今現状6グループありまして、でも、技術職員の組織構成上、やはり40代前半にかなり人が固まっている状況とかもありますので、やはりグループ長を経験する機会を増やすということでも、技術主任とグループ長は同じ技術専門職員でありますので、そこは技術主任にもグループ長の機会を与えるように現状はグループ長を選任している状況になります。
ご説明はこちらでよろしかったでしょうか。
【重田委員】 ありがとうございます。もう1点だけお伺いしたいのが、グループ長に1回なったらずっとなり続けるのか、それとも、ローテーションで何か、技術主任とグループ長というのを行ったり来たりできるのかというのは、どういうような形になっているか教えていただければと。
【近藤委員】 1度グループ長になっても、技術主任に戻って、またグループ長というのもあり得ます。やはり上の技術専門員になるためには、グループ長を経験していないとその上の副技術長には昇進できないということもありまして、技術主任、グループ長は、交互じゃないですけれども、行ったり来たりができるような今現状の体制を取っております。
【重田委員】 ありがとうございました。
【近藤委員】 ご質問ありがとうございました。
【小泉主査】 ありがとうございます。では最後、江端先生、お願いします。
【江端委員】 ありがとうございます。長岡技術科学大学での取り組みの状況を詳細に教えていただき、大変参考になりました。
この場でいろいろお伺いしたいこともあるのですが、現在の技術職員を取り巻く状況の中で一番重要なポイントは、技術職員の確保の方法だと考えています。貴学は東京科学大学とは異なる特徴を持った技術職員がいらっしゃるのではないかと勝手に想像しておりますが、技術職員の確保はどの程度できる流れを確立されているかということと、確保の方策として何かご検討されていることがあればぜひ共有いただきたいと思っています。
特に高専とのネットワークは非常にしっかりしたところがあると思いますので、高専を卒業された学生さんが技術職員になった事例があったのかというところも含めて、現状を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【近藤委員】 ご質問ありがとうございます。技術職員の確保といたしましては、先ほど高専のお話も出てきましたが、近くに長岡高専がありますので、長岡高専へのリクルートということで長岡高専の就職担当の教員に連絡して、こちらから、今こういう公募があるのですけれどもいかがでしょうかというご案内をかけたり、また、そこで興味のある高専の学生さんへのZoomでの質問の受付や、あとは実際行ったこととしては、職場見学を希望されている学生さんに職場見学を対応したりということは実際行っております。
そのほかに関しましては、現状、ほかの大学さんも同様に行われているかと思いますが、JREC-INに掲載したりとか、一般的な全国の希望者に対して募集をかけてはいますけれども、なかなか地方ですので、何かしら長岡なり新潟なりにご縁がないと応募してくる、来ていただける人材は少ないのが現状でございます。なので、やはり1回公募をかけましてもなかなか応募がない状況もあったり、それが公募を次また続けるという状況も今まではございました。なので、今後の対応としましても、そこら辺の技術職員、現状大学にいる学生に対しても技術職員をもう少しアピールしたりとかそういうので、現状の大学にいる学生さんへのリクルートも今後もう少しアピールできればなとは思っております。
以上です。
【江端委員】 ありがとうございます。ぜひ高専の学生さんが技術職員となり活躍していただけるような新たな方法、ブレークスルーを生み出していただけると、総合大学や他大学にとっても非常に参考になる事例になると思います。ぜひ御検討をよろしくお願いします。
以上です。ありがとうございました。
【近藤委員】 ありがとうございます。コメント、ありがとうございました。
【小泉主査】 ありがとうございました。近藤委員、ありがとうございました。ご丁寧にご質問にもお答えいただいて、ありがとうございました。
続きまして、もう1件、今回ヒアリングがございます。東北大学大学院理学系研究科准教授の富田賢吾先生です。僕は前職が自然科学研究機構でしたので、国立天文台の連中から、東北大には富田先生という優秀な先生がいるというのはもう、知っている人はもうよく知っている富田先生でございますが、富田先生、どうぞよろしくお願いします。「大学におけるコンピューター技術支援人材の必要性」と題しましてご発表いただきます。
富田先生、では、よろしくお願いいたします。
【東北大学(富田様)】 ご紹介いただきありがとうございます。今日はオンラインで失礼します。こういう場でお話しするのは初めてですので緊張していますが、どうぞよろしくお願いします。
今日は、現場の研究者の立場から、こういうタイプの技術支援人材が欲しいという現場の事情をご紹介させていただければと思います。あくまでこれは僕自身の立場ですので、現場でも天文学以外でも分野によってもいろいろな事情があるとは思うのですが、一つの事例として聞いていただければと思いますので、よろしくお願いします。
次のページお願いします。まず、簡単に自己紹介させていただきたいと思うのですが、僕自身は天文学の研究をしておりまして、例えば太陽みたいな星とかその周りの惑星がどのように出来るのかというのをコンピューターシミュレーションを使って研究しています。そのためのシミュレーションプログラムを自分自身で開発して研究すると、そういう形で研究を進めております。今日のお話のメインテーマの一つでもあるのですが、スーパーコンピューターを使ったシミュレーションをずっとやってきていまして、「富岳」のような大型のコンピューターも使用しています。
今日はソフトウエアの開発に関する特に人材についてお話しさせていただこうと思います。文科省でも皆さんでもコアファシリティ化を進めておられると思うのですが、ハードウエアに関してはスーパーコンピューターというのはまさにコアファシリティなのですが、それに関わる人材というのもコアファシリティ化の流れに沿うというお話をさせていただきたいと思います。
次お願いします。まず、全体の趣旨から説明させていただきます。まず、今日の研究現場では、僕のような理系の分野に限らず、文系でも例えば経済学の分野とかでも、あらゆる場面でコンピューター技術が不可欠というのはもう共通の認識であると思います。なんですが、研究者というのは実はコンピューターのプロではないというのが僕の常々感じている問題です。というのは、近年コンピューターの技術がすごく専門化したり先鋭化していまして、研究者はそういうものに対して必ずしもプロフェッショナルではないので、研究者が最先端の技術がなかなか手に負えないというレベルになってきているというのがあると思います。
その足りない部分を補ってコンピューターの性能を最大限に引き出すとか、最新の技術を提供して研究をどんどん発展させるという意味で、そういう共通の研究基盤としてコンピューター技術を提供・支援する人材の需要が高まっている。これを研究機関として整備提供する必要があるのではないかという提案です。特に最先端の研究に関する必要な技術を担う人材がやっぱり大事ですので、その人材を研究機関内で養成して、かつ維持する仕組みが必要であると思います。これは研究者だけではない、研究に関する人材のキャリアパスの多様化という話にもつながっていくのではないかと思います。
あと、今日メインにはソフトウエアとか人材のお話をさせていただくのですが、これは、スパコンみたいな特定のハードウエアとは少し異なっていて、特定の機関や地域、あるいは今という世代、これから何年間だけ効果があるとかではなく、長期的な波及効果や高い費用対効果が期待できるので、ぜひとも投資効果の高い分野ではないかというお話です。一言でまとめますと、技術とか人材をコアファシリティ化するという流れをつくれないかなと常々考えているところであります。
次お願いします。今日これから、研究現場で計算機技術者が必要であるというお話をします。一言で計算機技術者といいましても、計算機の技術というのは非常に幅広くて、いろいろなタイプの人材あるいは技術が必要です。今日メインにお話しするのは、研究に関する、特に僕はシミュレーションをやっているので、シミュレーションをはじめとするソフトウエア開発に関わるエンジニアが必要であるという話をしますが、それ以外にも、例えば研究成果を社会実装したり製品化するとか、あるいはそれを広報普及に出すためには、アプリケーションとかデザインができるエンジニアが必要だと思います。
それから、シミュレーションをしたり、観測データを取得した後も、その解析を支援したり、また、その成果をやはり広報普及するためには、そのデータを非常に見栄えのよい形で可視化するという技術が必要になります。これは動画の制作とかデザインも含みますが、そのようなデータ可視化のスペシャリストも必要でしょう。
あと、近年すごく技術的に高まっているのは、AIないしは機械学習のような、あるいはビッグデータと呼ばれるような、そういう最先端の情報技術に特化したような人材です。このようなAIとか機械学習技術は研究現場での需要は日々高まっているわけですが、研究者がそれを個別に勉強して導入するというのはなかなか敷居が高い、余裕がないという面もありまして、そういうものをサポートできるような人材も必要だと思います。
次は、データサイエンティストとかキュレーターと呼ばれる、研究に必要なデータがどうやったら手に入るのか、手に入れたらそういうデータをどうやって扱えばいいのかという、データの取得・管理・解析を支援するようなデータのプロも今後必要になっていくと思います。
あと、今日の趣旨からは少しずれるのですが、大学におけるネットワークやハードウエアの管理をするプロの管理者というのも必要だと思います。現状、いろいろな大学でこれは各専攻の教員が担当することになっていて、これは結構現場の負担になっているだけではなくて、プロではない人が管理をしているのはセキュリティーリスクになるわけで、これは問題ではないかと僕は思っております。ただ、今日のメインの話と少しずれるので、この話はここまでにしておきます。
次お願いします。研究に関してソフトウエアが必要という話で、もうちょっと具体的な話をさせていただきたいのですが、研究用のソフトウエアといってもその用途はもう非常に多岐にわたります。例えば僕自身は、スーパーコンピューターを利用した数値シミュレーションをやっていますが、それ以外にも、例えば天文分野であれば望遠鏡、例えば実験装置、加速器とか電子顕微鏡であれば、そういう分析機器のデータ解析をするソフトウエア、例えば実験装置を動かしたり、あと例えば僕らの分野だったら人工衛星の制御とか運用をするためのソフトウエアというのも大事ですし、そもそもそういう装置や建造物を設計する、昔はCADとか言っていたような分野ですけれども、そういうものも必要になると思いますし、あらゆる分野で様々なソフトウエアが必要になると思います。
このようなソフトウエアをどのように入手して、あるいは利用するかとかどうするかというのは、分野によって様々です。一番分かりやすいのは例えば既製品です。企業から提供されている既製品を購入して実行するというのがあります。例えば流体力学の分野であればAnsys Fluentというソフトウエアなどが有名です。そのほかに共同利用機関、海外なり国内なりの大手の研究機関で開発されている業界の標準的なコードを使用する。例えばOpenFOAMという流体力学のソフトウエアがこれに該当すると思います。それから、コミュニティーベースで開発されたいわゆる公開コードと言われるものを利用する。これは僕自身もこういうものの開発に関わっていまして、私が関わっているのはこのAthena++というコードですが、こういうものを利用するという方法があります。最後が、個人ないしは研究室レベルで開発したシミュレーションプログラムを利用して研究するという方法があります。
これも(1)から(4)までいろいろあるのですが、その利用方法についても、入手したソフトウエアをそのまま使う場合もあれば、それを自分たちの研究に合わせて改造して利用するという場合もあると思います。この中で今日はシミュレーションを例にとって、つまり、(A)についてお話ししたいのですが、その中で、企業から購入したり企業に発注する場合は少し話が変わってくるのですけれども、オープンで入手できるコードないしは自分たちが開発したコードを使って、それを自分たちである程度開発して実行するという研究形態を想定してお話しします。
次お願いします。こういうシミュレーションコードを開発するというのは、基本的にはプログラミングです。プログラミングなのですが、先ほども申し上げましたが、研究者というのは研究のプロであって、プログラミングないしはコンピューター技術のプロではないということです。このようなソフトウエアを開発するためには、まず、そもそもどういう問題を解くか、その問題はどういう物理的な性質やあるいはほかの問題ごとの性質があって、どうやって解けばいいのかというのは、これはもちろん問題ごとに変わりますので、これは各研究分野の専門性ということになります。
次に、その問題をどうやってどういうアルゴリズムで解けばいいのかというのは、これは分野ごとの専門性もありますが、どちらかというと計算機科学ないしは数理科学の分野の専門性に該当するようなことになります。
ここまでは、研究者にとって知っておくべき、専門性の非常に近い分野なので、多くの研究者は1の専門性は当然持っています。2の専門性は、持っている人もいれば持っていない人もいるという感じですが、3、4のソフトウエアを開発するというプログラミングの専門性とか、そのソフトウエアを今使っている特定の計算機に合わせて並列化するとか高速化するという、特定のアーキテクチャーやシステムないしは最新技術にキャッチアップしていくという意味での専門性を持っている研究者というのは必ずしも多くありません。
これが、現場の研究の、例えば計算機の性能を引き出してより大規模な計算をするとかいうことの足を引っ張っているというのが僕は常々感じていることです。僕自身はやろうと思えばできるし、やっているのですが、やはり大学の教員となると必ずしも全部自分で100%やる時間もなかなか取れないので、そういうところをプロフェッショナルな人材がいれば、できるのではないかと。これは、要するに、例えば電子顕微鏡とか加速器みたいな実験装置とか分析技術の装置の運用とかデータの分析とかを専門家が運用するという必要性と全く同じ構図ですので、これはいわゆるコアファシリティ化の流れに完全に沿うものであると考えています。
次お願いします。特に今まさに現在、コンピューターのシミュレーションの開発でどういうことが問題になっているかというのを少しお話しさせてください。もちろん本当にいろいろあるのですが、端的に現状の問題を挙げると、まず、シミュレーションソフトウエアを高速化するためには、例えば今のCPU、コンピューターのハードウエアの性質をよく知っていないと、実は計算機の性能を引き出すことはすごく難しいです。
しかも、それは全ての計算機に共有のものではなくて、例えば皆さんのパソコンに入っているようなインテルの計算機とか、あるいは「富岳」のCPUというArmという非常に特殊な、特殊なという言い方はおかしいですけれども、ちょっと普通のCPUとは違うタイプの、携帯に入っているものと近いようなタイプの省電力で高性能なCPUのArmというのが入っているのですが、これで性能を引き出すのは、特に「富岳」の場合はCPUのデザイン上かなり性能を出すのは難しくて、現場ではかなり苦労しています。今後それとは違うアーキテクチャーがまだまだ登場することが見込まれています。こういう異なるCPUでもきちんと高い性能を出すためには、CPUに合わせた技術が必要である。これはやっぱり研究者にとっては、自分の専門を超える内容ですので、それをオフロードというのですかね、専門家に任せられたら良いのではないかということを考えております。
次に、並列化です。特に大規模な並列化です。これまでもう既にスーパーコンピューターの利用者は、並列計算というのはもう現代のスーパーコンピューターは全て並列計算値ですから、並列計算するようにプログラミングをしているわけですが、本当に最大規模の「富岳」のような並列計算機のちゃんと性能を引き出そうと思うと、数万から場合によっては数百万、数千万並列という計算が必要になります。そういう計算機の性能を引き出すためには、すごくディテールな並列化に対する知識が必要ですし、場合によってはネットワークのハードウエアの知識まで必要になります。こういうものも非常にプロフェッショナルな技術であると。
最後に、今まさに起こっていることなのですが、近年のスーパーコンピューターはGPUを中心とする、いわゆるアクセラレーター、演算加速器の搭載がすごく進んでいます。特に世界最速規模のものは大体これに替わっています。こういう状況で、GPUというのは普通のCPUとは違って、今まで動いていたコードをもう1回このGPUに持っていけばそのまま動くというものでは残念ながらないのですね。GPUは速いという話だけはよく聞くとは思うのですが、本当にその性能を引き出そうと思うと、問題に合わせて、かつハードウエアに合わせて、シミュレーションプログラムを書き換える必要があります。それは簡単ではなく、なかなか現場の負担になっていますので、これも非常に専門性の高い技術であると。以上このように研究者の専門性とは全く異なる計算機技術の専門性というのが高まっているということを日々感じています。
次お願いします。では、どういう問題があるのか。要するに、ほとんどの研究者はプログラミングのプロではないので、もちろんできる人もいますけれども、コードの性能について、無頓着、無知、あるいはそれをやる余裕がないわけです。そうすると、問題を解けることがまず重要で、それをより速くするということは優先順位は必ずしも高くないのですね。先ほど申し上げましたように、コードの高速化には様々な専門的な技術が必要なので、なかなか研究者にとっては負担が大きいということになります。
ですが、この後お見せしますが、実はこういうところをきちんとやると、簡単に数倍の性能差が出ます。数倍の性能差というのは生産性とか予算に直結しまして、例えばスーパーコンピューターのサイズを2倍にしようと思うと非常に予算がかかるわけですが、それをソフトウエアで解決できる、ソフトウエアの工夫で2倍ぐらい性能を向上させることができるのであれば、同じ計算を速くできるとか、あるいはより小規模な予算で同じ計算ができるという意味で、これは経営の効率化という意味でも非常に重要だと思います。
次お願いします。こちらは我々が開発しているAthena++というシミュレーションコードを例にとってちょっと解説させていただきます。こちらの図は、これはスーパーコンピューターで使うような並列計算の性能を測るグラフになっています。横軸が何コアで並列計算をしたかという並列数になっていまして、縦軸が1コア当たりの性能を表している図になっています。なので、よく出来たシミュレーションコードというのは、できるだけ数字が高くて、できるだけ平らになっている、つまり、コア数を増やしても性能が落ちないというのが良いコードのわけです。
こちらの左のグラフで、我々が開発するAthena++というのは、こういう並列化を非常に最初のときから意識して、プロのエンジニアとも協力しながら非常に詰めてやった結果、ほかのコードと比べて、下に並んでいるのは天文分野で使われている公開コードで全く同じアルゴリズムで全く同じ問題を解いた比較になっていますが、黄色とか緑とかオレンジのコードというのはそれぞれ別の公開コードなのですが、これらと比べて2倍以上、場合によっては10倍もの性能差が出てしまうということで、きちんとやれば、コードの性能をより引き出すことは実は伸び代が結構あるのですね。逆に言うと、こういうことをきちんとやらないと、どれだけ大きいスーパーコンピューターを買ってもその性能を無駄にしている可能性があるわけです。こういうものをきちんとやることは、右に示したように、「富岳」のようなさらに大規模な計算機で性能を引き出すためにはより重要性が高まってきます。
次お願いします。今のお話はCPUだったのですが、先ほども申し上げましたが、GPUへの対応というのが今この手のスーパーコンピューティングの業界では非常に大きな関心事になっています。というか、もう大分進んでいて、少し遅れているとすら言ってもいいかもしれませんが、現在はこの手のGPUの導入が非常に進んで、計算機アーキテクチャーの一大変革期であるというのが共通認識だと思います。というか、もう既に特に非常に大型の計算機に関してはGPUの導入が非常に進んでいまして、これはGPUのほうが電力に対して性能費がよいのですが、上位のスーパーコンピューターのトップ500のリストのうち、この間のリストでは237機が演算加速器を搭載しています。特に上位10位の中で、CPUメインの計算機は「富岳」だけです。「富岳」後継機もこのようなアクセラレーターを導入することはほぼ確実ですので、当面はこの傾向は継続すると考えられます。
ですが、GPUというのは、先ほども言いましたが、コードを持っていってポンとEnterキーを押せば速くなるというものでは全くありません。GPUはCPUとは違って、単純な演算を大量に実行することに特化しているので、そのような演算にフィットするようなコードで、かつそれをGPUがうまく実行できるようなコードに書き換えてやる必要があるのです。あまり詳細には踏み込みませんが、各ベンダー、メーカーの専用のプログラミング言語に書き換えるか、もうちょっと汎用性が高い指示文と呼ばれるものを使うか、あるいはこういうものを実現してくれるためのパブリックなソフトウエア、ライブラリーというものがあって、Kokkosというのが一番有名な例ですが、これを利用するというのが必要になっている。
特にGPUの性能を最大限に引き出すためには専用言語に書き換える必要があるのですが、これはソフトウエアの全面的な書き換えが必要で、しかも、例えばNVIDIAとかAMDのように、書き換えると特定のベンダーの機材にどうしても束縛されるという問題があります。いずれの使用であっても、本当に性能を引き出すためには、GPUの特性を理解した上でコードを書き換える必要があるのですね。
なので、これは研究現場としてはやらなければいけないし、より大きな計算をするためにやりたいと思っているのですが、なかなかその人的リソースを割ける人が必ずしも全員ではないということで、結構大きな負担になっています。なので、繰り返しますが、こういうソフトウエア技術の需要は高まっています。例えば東京大学と筑波大学が合同で運営している「Miyabi」という最新のスーパーコンピューターではGPUが導入されたのですが、こちらでNVIDIA社と提携して移行のサポートが提供されています。
次お願いします。では、こういうのをどうやれば、研究者をサポートして、研究の効率を高めて技術レベルを上げることができるのかというのを僕なりに考えたイメージをご紹介します。これはまず学内での技術共有と水平展開を狙って、全学的な組織、学内にソフトウエアに関するコンサルティンググループを設置するようなのはどうでしょうかと。少なくとも数名からのソフトウエアエンジニアと、その活動を統括するコーディネーターを雇用して、良い待遇できちんと雇用して、プロフェッショナルなエンジニアとして活動していただくと。
特にそれを、今までも計算センターとかでは計算機のサポートをする方はいらっしゃるのですが、基本的には受動的で、研究者からの質問があったら答えるという形になっているのですが、より積極的・能動的に研究者に対して働きかけて、学内のソフトウエア開発を支援するようなチームがあるとよいのではないかと思っています。そういうチームで最先端の技術を収集・蓄積して、あとは研究者とも日常的に交流して、技術交流を軸としてグループ間をつなぐハブとして機能していくようなのがいいのではないかと。
次お願いします。こういうものができると、人材確保とか育成のパスになるわけです。例えば後で紹介しますが、海外の大学とか研究所では、こういう研究をサポートするソフトウエアエンジニアをきちんと無期の技術職員的なポジションできちんと雇用しています。一方、日本の現状の大学ではこういう技術専門職のポジションは減少していますし、正直、いわゆる旧来の技官というのはあまり給料も良くないし、昇進のパスもあまり明確ではない、かなり難しいポジションだったと思いますので、それを改めて高い専門性を評価して、人材を有効活用できるような仕組みを構築する必要があると思います。
特に現場の意識として、アカデミアに残りたい、研究は好きなのだけれどという人はもちろんたくさんいるわけですが、今、アカデミアに残ろうと思うと教員になる以外のパスはないわけですね。ですが、研究者とか教育者以外の形で研究に関わりたいという人もいるはずで、そういう人は現状、民間にどうしても流出しています。民間に行くことが悪いと言っているわけじゃないですけれども、大学でキャリアパスを多様化して、そのような人材を確保することはプラスになると思います。
次お願いします。その他いろいろできることがあるでしょうということなのですが、これは飛ばしましょう。
次お願いします。海外の事例なのですが、僕がポスドクをしていたプリンストン大学では、計算センター、Princeton Research Computingという組織で学内向けの計算機を運用しているんですが、ハードウエアだけではなくて、40名以上のResearch Software Engineerを雇用していまして、これで各部局の研究を支援しているというのがありました。お願いすると、コードを預かって最適化とかをいろいろやってくれて、相談しながらコードの改良を進めるということができるようになっていました。似たような組織では、イギリスの例で、University College Londonでも、やはり40名以上のResearch Software Engineerに加えて、20名以上ものData Scientist、Data Stewardと呼ばれる人々を雇用しているというので、先進的な事例ではないかと思います。
次お願いします。というわけで、そのようなソフトウエア開発に関わる技術者をまとめてやるというのはある種のコアファシリティとして機能するのではないかというお話をしてきました。ただ、それに関して想定Q&Aを幾つか用意しましたのでお話しさせていただきます。
まず、各研究グループで雇用すればいいのではないかという意見があると思います。ですが、研究のソフトウエアというのは開発する時期と、それを使って研究する時期があって、常に開発者が必要なわけではないのです。なので、ずっと研究グループの中で個別に雇うというのは必ずしもコスパがよいやり方ではありません。あと、研究対象が違ってもプログラミング技術というのは共通点がありますので、そういう技術を開発すると、グループを超えて水平展開すれば、技術の相乗作用を期待することができます。あと、グループではなかなか難しいですが、大学とか大きな組織で安定した財源で雇用すれば、あと、それでキャリアパスを確立することができれば、より効率的にこういうシステムが機能するのではないかと考えています。
次に、共同利用機関や計算機センターで雇用すればよいのか。これは全くそのとおりで、そういう方法はあり得ると思います。ただ、現状、なかなかそういうスーパーコンピューティングセンターとかでは、どうしてもハードウエアの運用が一番のミッションですので、なかなか手いっぱいで、人員に必ずしも余裕がないという問題が一つあります。僕自身は国立天文台の計算機センターとかをよく使いますけれども、そこの人々とお話ししてもなかなか厳しいという現状があります。それ以外にも、計算機センターでそういうのをやると、そこの計算機センターが持っているハードウエアに紐づけになってしまうのですが、そうではなくて、ソフトウエアというのはもっと汎用性の高いものですから、もっと一般に支援があったほうが良いのではないかと考えています。あとは、質問対応という受け身な支援にどうしてもなりがちなのですが、そうではなくてより積極的に能動的に支援する仕組みがあるほうが良いのではないかと思いますので、計算機センター、共同利用機関で運用するのは一つの方策だと思いますが、運用の仕方は注意が必要かと思います。
次お願いします。あと、業者に委託すればよいというのは、これももちろん可能性としてあり得るわけですが、現状のアカデミアでは予算的には厳しいですし、業者に委託するにしてもふだん研究用ソフトウエアに関与しない会社は技術がありません。あと、業者に委託すればその場では問題は解決するかもしれませんが、研究で関わった人材とか技術が研究機関やコミュニティーには蓄積されませんので、これは必ずしも投資効果、費用対効果としては良いものではないと思います。
あと、これは多分懸念だと思うのですけれども、研究用ソフトウエアは専門的過ぎて、技術者がいても駄目で、研究者がやっぱり自分でやらなければ駄目なのではないかという懸念があると思います。もちろん研究ごとに専門的な要素を要求するのは当然あるのですが、僕が今回言っているのは、そうではない、むしろ研究に共通したベーシックな部分でもプロフェッショナルな技術が必要なところがあって、かつ研究者には足りてない部分があります。そういうところを補えば、全体としての研究のレベルが上がるのではないかという考えです。
あと最後、最近は、AIにやらせればもうプログラミングなんて終わりでしょうという、vibe codingというのが最近はやりですけれども、AIが得意なのは、既に十分学習できるだけの情報・事例が蓄積されたことだけで、それを再現することなのです。なので、本当に最先端の誰もやったことがないことをやるというのは、必ずしもAIができるとは限りません。例えば最適化とかは実はAIができるようになっていく可能性は確かにあると思います。あると思いますが、現状はまだまだそのハードルは高いですし、その方法論はまだ研究現場には負担が大きい状況で、こういうことをやるにしても、そういうことを理解した専門家の技術が必要ではないかと考えています。
次お願いします。というわけで、長々お話ししてきたものをまとめさせていただきますと、ソフトウエアというのは、現代の研究のインフラストラクチャーであると僕は考えています。そのための技術者というのは、例えば図書館の司書さんとか実験装置のオペレーターに匹敵するインフラの担い手に相当すると思います。なので、こういう人たちを雇うことができれば、研究者に不足している高い専門性を補って研究力を向上させるという効果があると思います。
今あまりお話ししませんでしたが、良いソフトウエアを開発すると、こういうものは大学を超えて、あるいは組織を超えて、国を超えて、共同研究のテーマとか、あとはそれを教材として次世代の育成のために例えばスクールを開くとか、そういう人材育成の教材にもなるわけです。なので、非常に費用対効果が高い投資になると思います。次もそうですね。共同研究は国際協力のツールとして波及効果があります。
あと、先ほど申し上げましたが、こういう人材を雇用できるようになると、研究に関わる人材に多様なキャリアパスを提供することができます。特に研究者というのは、これはよくないことだと思うのですけれども、教員ではない技術者の人を下に見るようなカルチャーは良くないと思うのですね。なので、高い専門性を評価して、お互い尊敬できるような待遇を用意するのは大事だと思います。
まとめますと、こういう形でソフトウエアに関する人材を集約・育成すれば、研究装置のコアファシリティ化と同様に、研究のより効率化、研究力の向上に資するのではないかと考えています。
以上です。ありがとうございました。
【小泉主査】 富田先生、ありがとうございました。
大分時間もなくなってきたところですので。富田先生、すごい熱量のある、先生の切迫感はすごくよく理解できたところです。僕のほうから少しと、あと、ぜひ、シミュレーションといえば重田先生だと思うので、重田先生からもコメントがあればと思いました。
僕のほうからまずお聞きしたいのは、先生が最後に言われていたように、大学共同利用機関とかそういったところへやったほうが良いのではないかという気はしたところです。
ただ、大学共同利用機関も、国立天文台とか分野に分かれてしまっているとあまり意味がなくて、コーディングの部分は多分、例えば、天文学に使うコーディングと核融合に使うコーディングは同じような技術が使えるはずなので、機器と結びついても駄目だし、分野と結びついても駄目だし、だから、現在の大学共同利用機関でやるかというと、それでも駄目なような気もして。ただ、集約的にセントラライズしてやったほうが良いのではないかなというふうに思ったのが1つと。
それから、もう一つは、アルゴリズムとコーディングが分けられるというところが先生の主張だと思うのですけれども、例えば、先生がやられているようなアルゴリズム、Particle-in-Cellとかそういうアルゴリズムと、それがいろいろな分野にもアルゴリズムとしては使えて、アルゴリズムとコーディングの関係というのも密なんじゃないかなと。そこは本当にきれいさっぱりアルゴリズムは研究者、コーディングからはこっちと分けられるのかなというのが思ったところです。
だから、分野による違いもあるのは、分野を融合して何かできないかというのが1つと、それから、本当にアルゴリズムとコーディングをきれいに分けられるのかどうかというところが僕の質問でした。
【東北大学(富田様)】 できるだけ手短にですが、まず、分野間を連携するという意味で、今、こういうのを担うべき組織のレイヤーがあるとしたら、いわゆるHPCIというスパコンを運用している機関の連合のところでそういう組織を立ち上げていただくというのが1つ方法としてあり得ると思います。
もう一つは、ここで僕が想定しているような大学ですね。つまり、大学の中にはいろいろな分野がありますので、大学として、そういうのをまず大学レベルでやるというのが1つあり得ると思います。
それから、計算機の技術と個々の研究を完全に分離できるかというと、完全にはやはり難しいと思います。なんですが、そこをきちんと担う人とがいてくれて、研究者とそこがお互い話しながらやると、今まで研究者が苦手だったそういうのを補ってくれるし、研究者のほうから、これはこういうアルゴリズムでこういうふうになっているのだというのをインプットすると、技術を持っている人たちのほうも成長するというので、一方的、片利的というか、全く分離してしまうのではなくて、そういう人たちと協力してつくり上げていくという形にするのが望ましいと思います。
そんな感じでよろしいでしょうか。
【小泉主査】 よく分かりました。ありがとうございます。
重田先生、お願いします。
【重田委員】 ご説明ありがとうございます。
私の専門でもあるので、よく内情等も存じ上げているところでありますけれども。こういったソフトウエアを開発する人というのは非常に重要で、我々の研究センターでも、アプリ側、つまり、先生と同じような天文をやっている人が、計算機側、つまり、アルゴリズムを開発したり、あるいは高性能の計算のシステムをつくっている人たちとタッグを組まないと、高速な計算というのは実現できませんし、それをもって我々の筑波大学のほうでは、そういったコ・デザインという形で計算機側とアプリ側がタッグを組んでやるというような研究を進めてきているところです。
そういったような取組というのを全国的にも広めていって、各大学で持つのか、あるいはいろいろなところに集約するのか、大学の規模に応じてやる必要があるかなと思うのですけれども、1つ克服しなければいけないのが、こういったことは、期間限定の補助金のような形でそういったものを雇用して、そういったようなプロジェクトが終わったらまたそういった人たちがどこか別のところに行かなければならないということを防ぐ必要があるかなと思っていまして。先生がおっしゃるとおり、大学が自己財源でもって、あるいは、こういったもので恒久化して雇えるような仕組みというのをつくっていけるというのが非常に重要だと思っています。
その上で非常に重要になってくると思うのが、研究者であれば、非常に分かりやすい、例えば、ペーパーを何本書いた、あるいは、研究費を幾ら取ったからこういった人が准教授、教授という形で昇進できるのに対して、ソフトエンジニアというのがどういうものをもって評価されて、それでそういったキャリアパスを開いていくかというのがまだ確立できていないというところも問題かと思いますので、そういったことについてもし先生アイデアがありましたら、教えていただけるといいかなと思います。よろしくお願いいたします。
【東北大学(富田様)】 ありがとうございます。大変おっしゃるとおりだと思います。現状だと、こういうソフトエンジニア、例えば、「富岳」成果創出加速プログラムみたいな短期的なポジションで一応雇用できることはないわけではないのですが、現状、パーマネントなポジションはないというのはなかなか難しいところだと思います。
今回スライドから削除させていただいたのですが、東北大学では、国際卓越の枠組みで高度技術人材と高度専門人材というのを雇用するということを公約にしていまして、その流れで、こういう人を、こういうソフトウエアチームみたいなのをつくれないかというのを計算機センターを通じて提案させていただきまして、一応それは実現の方向で今進めているところです。ただ、僕自身が運用に関われないところに行ってしまったので、これがどうなるかはちょっと分かりません。すいません。
どうやって評価するかなんですけれども、先程こういうのにコーディネーターが必要だと言ったのはそういうところで、要するに、例えば、何本のコードをどれだけ開発したかとか、そのために必要な技術をどれぐらい持っているかというのを研究とは違う視点できちんと評価できる、そういう評価できる人材というのも必要なのではないかと思います。
すみません。具体的にどうしたらいいかというのはなかなか思いつかないのですけれども。例えば、企業がどういうふうにそういう人たちを評価して育てているのかというのは参考になるのではないかとは思います。
【重田委員】 ご意見ありがとうございます。私も似たようなことを考えておりましたので、こういったところを一歩進められればいいかなというふうに個人的に思います。
また、先生のご発表でもあったところなのですが、海外はすごく進んでいて、例えば、こういう画像を作ってほしいとかという、最近では生成AIで自分でも作れますけれども、昔は、例えば、ジャーナルのカバーみたいなのをこういうイメージで作ってくださいというような形で、学内で依頼するとそういったものが出てきたりとか、いわゆるIT技術者だけではなくて、いろいろな形でコンピューターのスペシャリストが学内にいて、それがかなり迅速にいろいろなことを解決してくれるという、ある種お助け隊みたいなそういった人たちがいたというのがあったので、そういうのも日本で増えていくと、研究者がわざわざ研究時間を割いてまで細かいことをしなくてよくなるかなというふうに思います。
ありがとうございます。
【東北大学(富田様)】 ありがとうございます。
【小泉主査】 ありがとうございました。どうぞ。
【杉原委員】 私も宇宙ではなくて医療系データの支援を結構するのですが、こういった人材は、今は引っ張りだこで、ベンチャー企業を立ち上げれば、ものすごいお給料で雇用されているのが現実なのですよね。
【東北大学(富田様)】 おっしゃるとおりだと思います。
【杉原委員】 恐らく、大学でこういった人件費をいかに賄おうと思っても、今、ベンチャー企業が想定している人件費とは雲泥の差があるところが実情でして、むしろ、そういったベンチャー等で活躍されていることを良しとして、そういった方に、いかに大学としてコミットしていくかという次の手を考えたほうがいいのではないかと思っています。
例えば、我々はそういったベンチャーの方に共同研究講座をつくっていただいて、大学の中にそういった知恵を残していくような手が、次の手段じゃないのかなと思って動いているところです。こういったベンチャー等で活躍いただきながらアカデミアにも知恵を残すような手みたいなのはないのでしょうかね。もちろん、ほかの知恵もあるのではないのかと思うのですけれども。
【小泉主査】 富田先生、お願いします。
【東北大学(富田様)】 僕自身も実はこういうのは自分でビジネスにできるのではないかとすら少し思ったところがありまして、そういう方法は実はあり得ると思います。
例えば、大学の中のそういう収益性の高い部署を大学スピンオフのベンチャーとして立ち上げて、大学には少し割引価格でやってもらうとか、そういう協力関係を築くというのは1つ、それは企業側としても安定経営の上で重要な、あるいは実績づくりとして重要なことだと思うので、それは実はウィン・ウィンの関係を築くことができるのではないかと思っています。
一方で、もう一つは、そういうベンチャーに行くというリスクを取りたくないという人も多分いるので、大学がそういう人たちに対してオファーできるのは安定性だと思うのですよね。安定性ないしは住み慣れた研究環境を提供するということだと思うので、多様化が大事かなと。いろいろな人をうまく使えるような仕組みを大学としても用意できたらいいのかなという感じで考えています。
【杉原委員】 ありがとうございます。
【小泉主査】 ありがとうございます。
ハードウエアの技術職員だけでなくて、こういったソフトウエアの技術職員の重要性というのは、また、杉原先生からお話いただいたような点も含めて、いろいろと解決しなければいけない問題があるなと思いました。この分野に関しては、天文学では富田先生だし、化学分野では重田先生が僕としては日本で有数な人物だと思っているので、特に富田先生、重田先生あたりが一緒に考えていただくといいのかなと思ってお聞きしていたところです。
富田先生、どうも長い時間ありがとうございました。
【東北大学(富田様)】 いえ、ありがとうございました。
【小泉主査】 それでは、時間が過ぎてきておりますけれども、議題2に入りたいと思います。今後の科学技術人材政策の方向性・概要についてということで、今後の科学技術人材政策の方向性(中間まとめ)概要(案)のご説明に先立ちまして、6月13日に行われた第109回人材委員会における本ワーキング・グループ関係の主な意見と、技術者の育成に関する現状・課題・今後の具体的な取組(案)と、それから、研究開発マネジメント人材の育成に関する現状・課題・今後の具体的な取組(案)について、事務局より御説明をお願いします。
【髙見人材政策推進室長】 人材政策推進室の髙見です。私から、資料2と資料3-1丸1、それから資料4-1丸1に基づきましてご説明をいたします。
資料2がこれまでの主なご意見というところですが、これの7ページをご覧いただければと思います。今、小泉先生からもおっしゃっていただいた、6月13日に開催されました人材委員会におけます主なご意見について、端的にご紹介いたします。
まず、「技術職員」についてというところですけれども、人事制度によってモチベーションを上げるために、大学における技術職員の位置付けをしっかり設計することが必要であるといったご意見。そして、競争的研究費等をうまく活用して、技術職員が活躍できる場の拡大を図っていくことを検討することが必要だというご意見がございました。
「技術士」については、AI時代において、技術士が従来の専門性を生かすためにAIを活用する等、生成AIですとかDXの視点で技術士制度について検討することが必要であるといったご意見がありました。
研究開発マネジメント人材関係では、1つ目の丸ですが、研究開発マネジメント人材と研究者、事務職などの他の職種との流動性についても確保できるような仕組みも検討してもよいのではないかといったご意見がありました。
1枚おめくりいただいて8ページですけれども、一番上の丸です。研究開発マネジメント人材につきまして、策定するガイドラインを生かし、どういった職なのかを社会に訴えていくことが必要であるといったご意見。そして、それの発展形のようなことですけれども、研究開発マネジメント人材のガイドラインで出てくる事例について、各組織の取組による個人の変化が見えるとよいと、ロールモデル事例集をつくってはどうかといったご意見もいただきました。
こうしたご意見も踏まえまして、それから前回のご指摘も踏まえて直したものが、まず、「技術者」については、資料3-1丸1が見え消しのバージョンになっております。
1ページ目、2ページ目、大きく変えているように見えるのですけれども、ここの変更の趣旨といたしましては、ここの基本的な考え方といいながら、本ワーキングで議論をする技術者の範囲についてという定義のようなことを中心に書いていたものですから、もともと、この技術者・技術職員の育成・確保に関する議論をする必要性みたいなところを、以前お示ししている文書の中から、改めてここの中に書き起こしをしております。
1つ目の丸にありますが、3行目辺りです。質の高い技術者の育成・確保ですとか、多様な場での活躍促進に向けた取組を戦略的に推進していくことが重要である。技術者と研究者がこれまで以上に連携をしていって、最新の科学的知見に根差して、新たな研究成果や技術的進展を組み合わせることで、新たな製品・サービス等の生産から高度な社会システム等の創出までを実現していくことが期待される。こういう世界観を持ちながら技術者に関する議論をしていただいているということを改めて書いております。
そして、2つ目の丸の下の3行ですけれども、科学技術の推進に当たっては、最先端の研究施設・設備・機器等の管理運営や活用等が不可欠であって、大学の技術職員の活躍促進が重要であるということを書いております。下の脚注に定義的な部分を、先日来ご確認いただいた内容というのを書き込んでおります。
2ページ目をご覧いただければと思います。これの上から2つ目の丸、「並行して」というところです。質の高い技術者に対し適切なポジションと評価を用意し、成果の見える化を進めることで、社会における処遇の改善を促進する必要があるというのを共通認識に書き込みをしております。
そして、いろいろなご意見をいただいたところを課題・指摘事項として追記しておりますが、4ページの技術者の育成・確保に関する課題・指摘事項といたしまして、前回のこちら多様化ワーキングでのご指摘がありました、技術者の活躍を促進するために、バイネームで技術者が指名されるような環境の構築が必要であるといったことを書いております。
そして、技術職員に関しては、次の5ページですけれども、下のほうになりますが、人事制度の構築に当たっては、技術職員のモチベーション向上につながるよう、技術職員の位置付け等の設計を着実に行うといったこと、そして、先ほどの人材委員会の指摘ですが、技術職員の活躍の場の拡大に向けて競争的研究費の活用も図ることが必要だということを書いております。
そして、6ページの下のほうですけれども、これも人材委員会でございました、AI時代における技術士が従来の専門性を生かすためにAIを活用するということで、生成AIですとかDXの視点で技術士制度について検討することが必要だということを加筆しております。
最後、8ページ目をご覧いただければと思います。こちら技術職員の関係で幾つか追記をしておりますけれども、研究開発マネジメント人材のほうには書いておりました、国立大学法人等――「等」は大学共同利用機関法人を含んでおります。第5期中期計画に向けた議論というのが今後始まりますけれども、そこにおいて技術職員を含む研究推進体制の整備を求めることを検討するというのを研究開発マネジメント人材の並びで加筆しております。
そして、その1つ下の追記したものですけれども、これもマネジメント人材のほうでの指摘もございましたことも踏まえ、国は大学における技術職員のロールモデル事例集の作成を検討するということも加筆をしております。
そして、その2つ下ですが、大学等は技術職員の人材不足等に対応するため、流動性の促進も考慮したキャリアパスや人材育成の仕組みを検討するということで書いてございます。
そして、(3)の技術士のところは、先ほどの生成AIですとかDXの活用といった視点で見直すといったこと。
そして、下から2つ目のポツですが、大学企業等は、技術者の育成・確保のための手段の1つとして、技術士制度の活用を検討するよう努めるということを書いております。
以上が「技術者」のほうでありまして、資料4-1丸1をご覧いただければと思います。こちらは研究開発マネジメント人材のほうですけれども、3ページをご覧いただければと思います。先生方のご協力をいただきまして、実は本日付で「研究開発マネジメント人材の人事制度等に関するガイドライン」を公表させていただいております。あらかじめ皆様にはお送りしておりますけれども、参考資料2-2として配付をしておりますので、少し体裁をきれいにしながら、中身は皆様にご議論いただいた内容でセットしております。
この中の6ページ、参考資料2-2の6ページにも同じものがございますが、研究開発マネジメント人材のコア業務構造ということで、少しイラスト化したものを入れております。中身はこれまでと一緒でございます。
資料4-1丸1のほうに戻っていただきますと、その後の4ページ、5ページのところでは、研究開発マネジメント人材の位置付け・役割の明確化のところを少し変えておりますけれども、この趣旨といたしましては、全体のストーリーが流れますように順序の入替えを行ったという趣旨でございます。1つ目の丸のガイドラインの下にコア業務構造を位置付けるであるとか、5ページのほうは、URAスキル認定制度の話をした後に認定専門URAのことなどを配置するように順序を見直したという趣旨でございます。
7ページをご覧いただければと思います。研究開発マネジメント人材の育成・確保・活躍促進というところで、基礎力育成研修を、必要に応じ内容の見直しを行うとしか書いていなかったところがありまして、今後見直しを行う視点として、こちらのワーキングの中でも議論いただきました、スキル標準を基盤とした15科目ではカバーし切れない研究セキュリティ・インテグリティ等々のこういったところへの対応など、新たな役割を含めて研修内容の見直しを行うといったことを加筆しております。
そして、最後、9ページです。先ほどの人材委員会の意見も踏まえまして、国は研究開発マネジメント人材のロールモデル事例集の作成を検討するといったことで加筆をしております。
私の説明は以上でございます。
【小泉主査】 髙見室長、ありがとうございました。
今日最後というところで、まとめの段階だと思っておりますので、特に研究開発マネジメント人材の育成に関する現状・課題・今後の具体的な取組に関しては、本日、先ほど髙見室長からもお話がありましたように、ガイドラインとして公表した部分が一番かなと思っております。なので、論点は大分整理できているのかなと思います。
技術者の育成に関しましても、これまで皆さんにお聞きしたところを踏まえて書き込んでおりますので、よくまとめていただいたなとは思っているのですけれども、何かコメントがあれば。桑田先生、お願いします。
【桑田委員】 いいですか。資料3-1丸1なんですけれども。いつも適切におまとめいただきありがとうございます。それから、多くの意見が反映されているので、この形式になるのかなと思っていたのですけれども、実は少し違和感が拭い切れないので、コメントとして申し上げておきたいと思います。
1ページ目なのですけれども、この前提はとにかくいいと思うのですが、上から2個目の白丸のところなのですが、要するに、人材が3種類出てくるのです。技術職員という人と、それからテクニシャンという人と研究者という人が出てきていて、ここでは技術職員を中心に議論しているので、技術職員がテクニシャンと研究者とは違うのだということを明示しているのです。そういう側面で見ることもできなくはないと思うのですが、実は1つ目の違和感としてはここにあります。
前回も申し上げたとおり、業務の内容によってぴしっと線が引けないようなところがある。例えば、スーパーカミオカンデに行けば、研究者がテクニシャンの仕事をしていて成立しているというようなこともあれば、技術職員があるフェーズで研究をやっている場合もあるので、両者に違いがあるとはっきり言い切ってしまっていいのかというのは最後まで疑問に残るということです。
それで、この言い方については、もし可能であれば少し考えていただけると私的にはうれしいです。また、この脚注のところが実は定義になっていて、ここには誤解と思われる箇所が2つあるような気がしているので申し上げておきたいと思います。
1個目の誤解かなと思うのは、3行目ぐらいにあるのですが、「産業界において事業部などに籍を置きながら新たな製品・サービスの開発研究に従事する人材」ということを言っていて、「籍を置きながら」というのはおかしくて、産業界の事業部に籍を置いた人間は、新たな製品・サービスの開発研究をする人そのものなのです。なので、相反するような、こういうポジションにいながらやっているという言いっぷりは少し違うような気がします。事業部は製品開発をする、サービスの開発をするところです。
もし産業界において研究をしているという人を指すならば、それは事業ドメインに対する原理開発をしている人、原理研究をしている人ということになりますので、少し言い方が変わってくるので、いずれにしても誤解を招きやすい表現かなと思いました。
2つ目の誤解があると思われるのは、最初から2行目ぐらいに関して、「これらの研究基盤を担う高度専門人材」と言っていて、今回のフォーカス人材について言っているんですけれども、これに関しても、貢献しているのが製品・サービス、新製品を開発したりサービスをつくるというだけではなくて、研究自身の進化とか進歩とかそういうものに対する貢献もしているので、ここでくくりとしては、新しい製品・サービスを開発すると言うだけにとどめてしまって果たしてこういう高度専門人材の定義として合っているのかどうかというのが甚だ疑問になったということです。この定義の仕方がかなり違和感があるということになります。
文面の中には載ってこなかったのですけれども、そういう意味で、技術職員の役割は大きく2つあって、技術的な支援、例えば、装置の運用・維持、データの測定とレポートの提供、それから実験支援・コンサル、そして先端装置の動向調査と導入へのコンサル・提言などが技術支援のワークではないかと。
そして、同じ技術職員がいる現場での研究という行為があって、その研究行為についても、先端技術による装置の開発とか、最適な実験の系の開発とか、これらの成果を学術界へ展開をすると、論文なんかを書いていくというような仕事も入っているということで、同じ人間でも、グラデーションと前も申し上げたとおり、研究と研究支援の役割を担っているというところが存在するというような気がします。そこはもし可能であれば、この取組、この文書の中で認めていくということはしてもいいのではないかと思います。
あと、これは今後の話になると思うのですけれども、それを認めた上で、例えば、研究職と技術職のローテーションがあるとか、組織によっていろいろとマネジメントの仕方が違うので、例えばそういうやり方があったり、例えば、今、富田先生のお話でソフトの話があったのですけれども、あれも技術職員の人がやる場合と、ソフトウエア研究そのもののケースの場合もあるので、あるフェーズで研究をしているのであれば、研究の組織とか拠点とかそういうものを基幹的につくっていくというような運営も、選択肢としてあるのではないかと考えます。大学側、運営する側で選択でき、現場に即した運営の仕方を選べるということになるべきではないかと思いました。
後から意見を申し上げて申し訳ないですが、技術支援と研究というものが技術術員の中に2つ役割として存在するということについての違和感をもう少しだけ何か整理ができるようになっていると、私としては、これを頂いて大学で運営をする側としても、大変にうれしいと思った次第です。
以上です。
【小泉主査】 桑田先生、ありがとうございます。桑田先生が繰り返しおっしゃられているところだと思いますので。
【桑田委員】 すみません、しつこくて。
【小泉主査】 このメンバーは十分に理解している部分だと思うので、そういった意味では、文章にどう落とすか。内容としては理解している部分だと思います。
施策として技術者研究者というのをどう分けていくのかと、技術職をどう分けていくのか、施策として考えると、そこを分けて考えていかなければいけない部分があるのと、でも、実際には同じ人が技術をやったり研究をやったり、いろいろな流動性というか、いろいろな側面を持っているというのも分かるので、そこをどういうふうに書くかという部分は、一旦、引き取らせていただいてもいいでしょうか。
【桑田委員】 はい。
【小泉主査】 ありがとうございます。せっかくですが、ごめんなさい。時間も大分押しているのですけれども、ほかにご意見あればぜひ。今言っておかないと。
大丈夫ですか。僕ではなく髙見室長に。でも、基本的には、ありがとうございました。今の桑田委員のものも含めて、ただいまいただいたご意見を踏まえた修正については、私に一任いただきまして、髙見室長をはじめ皆さんとご相談しながらやらせていただければと、審議のまとめに反映させていただければと思っておりますが、よろしいですか。
【桑田委員】 もちろんです。すみません。しつこくて申し訳ありません。
【小泉主査】 いえいえ。すごく理解しているつもりではおりますので。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
では、続きまして、今後の科学技術人材政策の方向性(中間まとめ)概要(案)ということで、こちらは奥課長のほうからご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【奥人材政策課長】 時間があれなので、本当に簡潔にやらせていただきたいと思います。資料の5をご覧いただければと思います。
これまでこのワーキング・グループで4回ご議論いただきまして、それ以外に人材委員会の本体、それとあと次世代のワーキング・グループと別のワーキング・グループを設けて、それぞれ項目を分けてご議論いただきました。それを中間まとめとして今後まとめていくのですが、それに先立って概要という形で整理をさせていただきましたので、このワーキング・グループの所管外のところも含めて簡単にご紹介させていただきたいと思います。
2ページ目、3ページ目辺りは、科学技術イノベーションであるとか科学技術人材を取り巻く状況の変化というのを書かせていただいていますが、釈迦に説法ですので、ここは省略させていただきます。
5、6、7の3つのページで、今後の科学技術人材政策の方向性という形でポイントをまとめさせていただいています。まず、5ページ目ですけれども、基本的な考え方として、科学技術イノベーション政策は人材政策そのものだということで、人材を中心に据えた上で今後の取組を進めていく必要があるというのを基本的な考え方として示しています。
今回、3つ基本方針として、左下にありますが、挙げさせていただいています。まず1つ目が、人的な投資というのを抜本的に拡充していこうということ。2つ目、今回の議題でもありますが、研究者のみならず、技術者であるとか技術職員、それと研究開発マネジメント人材、いろいろな人材がおりますので、こうした人材が多様な場・機会で活躍する機会を増やしていこうということ。3つ目として、人は1人で育つわけではないので、組織であるとか機関の役割が大事だというこの3つの考え方の下で、今回、政策全体を3つの柱で整理しています。
右側になりますが、多様な人材の育成・活躍促進、いわゆる職種別の人材育成で、研究者、技術者、技術職員、それと研究開発マネジメント人材の活躍促進が1つ目。2つ目が教育段階別での人材育成ということで、初等中等教育段階から高等教育段階まで、さらに社会教育の段階まで一気通貫に進めていくということが2つ目です。3つ目として、こうした人材に関わるような制度・システム改革の取組を進めていくということで、政策全体を3つの柱で整理しています。
6ページ目が、1つ目の柱の多様な人材の育成活躍促進で、1つ目で研究者、2つ目で技術者、ここで議論いただいているもので、3つ目として高度専門人材とありますが、この中で特に今回は、研究開発マネジメント人材の育成・活躍促進というのを柱の1つとして挙げています。中身は後ほどにさせていただいて。
次、7ページ目で、教育段階別での人材育成、1つ目が大学・大学院、2つ目が初等中等教育段階での人材育成、3つ目が社会教育として科学コミュニケーションの展開という形で3つに整理をしています。
また、3つ目の柱として制度・システム改革の促進で、多様な人材が活躍できるような環境整備。女性であるとか、海外からの優れた研究者の招聘であるとか、産学官での人材流動のような話。2ポツ目として、制度・規範面の整備として、研究インテグリティ、研究セキュリティ、あるいはELSIに関する取組というのを書かせていただいているところです。
8ページ目からは検討経緯になっていまして、検討体制、委員の名簿、それとあと審議状況というのをまとめさせていただいています。
11ページ目に飛んでいただいて、政策文書の中で、今回、科学技術人材というのをここの審議会で集中的にご議論いただきましたので、いわゆる骨太の方針ですね、11ページ目ですと左側の真ん中辺り、科学技術人材の育成強化という辺りを入れさせていただいたりとか、12ページ目、これと並ぶものとして新資本の実行計画というのがあるのですが、右側の真ん中辺りに、科学技術人材育成に関してパッケージとして一体的に遂行するという辺りを、政府全体の政策文書の中でも明確に位置付けさせていただいたというところになります。
13ページ目からが、先ほどの柱に沿った形で具体的に中身を書かせていただいています。1つ目が、14ページ目からは研究者の育成・確保になります。問題意識を共有させていただくと、14ページ目の下に、国立大学法人の経常収益の推移という図があります。少し分かりにくいですが、黄緑色が運営費交付金でして、平成19年度以降、右肩下がりで下がっています。一方で、右側にある深い緑色、ここは競争的資金でして、ここがどんどん増えていって、大学として総収入としては増えている一方で、右側にある法務教員数の推移にあるように、薄い水色ですけれども、特に若手の研究者の無期のポストというのが半分以下になっている。
こういう問題意識の下で研究者の育成・確保をどうしていくのかという辺りを書かせていただいているのが15ページ目以降からです。今後の具体的な取組・方向性ということで、まず、研究費、安定したポスト、それと活躍の場・機会の拡大、組織における環境整備と4つの柱で整理をしています。
まず、研究費については、質的・量的な充実・確保というのはもとより、重要な科学技術分野・産業分野について、研究開発と人材育成を一体的に進めるような新しい制度的な枠組みをつくってはどうかということを書かせていただいています。
それと並行して、競争的資金制度の改革というのを入れていまして、直接経費であるとか間接経費においてパーマネントのポストをどんどん増やしていこうということで、人件費に対する支出拡大を図っていくということ。
(2)の安定したポストのところでも、基盤的経費の一層の充実・確保はもとより、(2)、次の16ページ目の上、競争的資金をはじめとする外部資金を使って、特に間接経費などを使って安定ポストをどんどん増やしていく、あるいは処遇改善につなげていくということを書かせていただいています。
また、(3)では、海外からの研究者の招聘であるとか、産学官での人材流動、それに当たってのクロスアポイントメント制度の活用促進であるとか、(4)ですと、組織体制の整備で、ここのワーキング・グループでもご議論いただいたように、先端研究施設・設備の共用であるとか、あるいは、そのための技術職員の確保、それと研究開発マネジメント人材の確保をはじめとする体制整備という辺りを書かせていただいているところです。
17ページ目以降は参考資料ですので、飛ばさせていただきます。特に19ページ目のところでは、先ほど申し上げた競争的資金制度の改革といった話についても書かせていただいています。
21ページ目からが技術者の育成・確保でして、こちらでご議論いただいた内容というのをエッセンスとしてまとめさせていただいています。説明は省略しますが、22ページ目で、大学・大学院・高専における工学系教育の充実、それと産学で活躍するような技術者の育成・確保、この中で官民での技術者の養成と大学における技術職員の確保というのを書かせていただいています。
その中でも特に、技術職員に関する人事制度のガイドラインを今後策定するということで、今回、資料の中でも柱立てを書かせていただいていますが、このワーキング・グループで継続的にここはご議論いただきたいと思っています。それと技術士制度の活用促進というのもここでは触れさせていただいています。
23ページ目以降は参考資料です。こちらも省略をさせていただきます。
28ページ目からは高度専門人材の育成・確保ということで、この中では特に、高度専門人材といってもいろいろな職種があると思いますが、特に研究開発マネジメント人材の育成というのを重点的に御議論いただきました。
29ページ目になります。今回、本日付けでガイドラインを決定させていただきましたが、こうしたものを使って各大学における人事制度の構築というのを促進する。我々として、今年度から新しい体制整備事業というのを始めさせていただいています。今まさに公募中ですけれども、これの趣旨としては、教員、事務職に次ぐ第3の職種として、この研究開発マネジメント人材というのをきちんと職種として確立するとともに、キャリアパスもきちんと整備するということを目的としています。
こうしたものを先行事例として、丸3にありますが、いろいろな大学に活躍の場・機会というのを拡大していく、その一環として、こうしたガイドラインに基づくような制度整備というのを競争的資金の採択等の加点要件とするという辺りも書かせていただいているところです。
ここまでが1つ目の柱になります。32ページ目から2つ目の柱で、次世代の科学技術人材の育成・確保。教育段階別での人材育成になります。ここは簡単に触れさせていただきます。
34ページ目、大学・大学院における教育研究活動の充実・強化ということで、1つ目、博士人材の育成・確保・活躍促進を挙げています。博士支援についていろいろな制度がありますけれども、今回、制度自体の、事業趣旨を踏まえて、事業全体の制度設計をきちんとするということで、DCと特にSPRINGについての制度見直しというのを挙げています。新聞で一部報道されていますけれども、DCは単価上げをやるとともに、SPRINGについては、事業趣旨を踏まえて、日本人と留学生と社会人について、支援の内容について差を設ける。それとともに、国・地域の多様化を図っていくという辺りをここでは書かせていただいています。
さらに、博士人材、社会の多様な場での活躍促進が大事ですので、民間企業とも協力した形で、そのロールモデル集とか展開を図っていくという辺りを書かせていただいています。
36ページ目がSPRINGの制度的な見直しについてまとめたペーパーになっています。
37ページ目から、初等中等教育段階における人材育成ということで、こちらはトップ層を伸ばしていくというところと裾野拡大と2つの側面があります。
38ページ目で、1つ目、先進的な理数系教育の充実・強化で、いわゆる才能教育的な、各大学において高度の研究に児童・生徒に参画してもらうということで、次世代のチャレンジプログラム、STELLAという事業があります。ここの実施拠点の拡大であるとか。それとスーパーサイエンスハイスクールです。こちらは全学校の5%、250校というのを目標に、今、支援をしていますが、ここの制度設計の見直しというのを今回初めてやらせていただきました。それ以外にも小中高における理数系教育の充実ということで、男子生徒も含めて理工系に進むような児童・生徒を増やしていくという取組を書かせていただいています。
39ページ目は、SSHの今回の見直しを簡単に書かせていただいていますが、ポイントは3つありまして、全体、これまで支援26年間、最長26年間だったのを、最後の先導期に至るまでの期間というのを短縮して、全体を20年の支援期間にするということ。それと、卒業した後、認定枠というのに移行した後、今まで資金的な支援がなかったのですが、加速支援という資金的な支援の枠組みを新しくつくるということ。
それと、今回、学校の取組の差に応じて金額的な支援に差を設けようということで、類型化というのを今回考えています。それが41ページ目でして、類型の丸1というのが、SSHで全学的に理数系教育を充実させるところ。丸2は、特に高度な研究者・技術者、ここでもあるような技術者であるとか、高度専門人材を主に育成する学校。丸3はグローバルで活躍する人材を育成する学校。こうしたところで支援に差を設けてはどうかという辺りを書かせていただいています。
44ページ目に移って、44ページ目からは社会教育の一環としての科学コミュニケーションの展開になります。45ページ目に書いていますが、2つ目、3つ目の丸、目的とか対象に応じて科学コミュニケーションの活動というのも様々になっていますので、こうしたところをきちんとエビデンスベースで政策を立案していくであるとか、あるいはSTEAM教育と連携を図っていくということ、それと、科学コミュニケーターのような人材の育成・確保を図っていくという辺りをここでは書かせていただいています。
最後、47ページ目からが、3つ目の柱の制度・システム改革になります。48ページ目で、いわゆる女性であるとか、海外の研究者の招聘、それと産学での人材流動の促進、クロアポ制度の活躍促進といった環境整備に関する取組というのを書かせていただいているのと、最後、50ページ目、制度・規範の整備・推進ということで、研究インテグリティ、研究セキュリティ、研究公正に加えて、ELSIというのは全ての研究者が基本的に身につけるべき素養だと思っていますので、ここを展開していくような取組というのを充実させていこうという辺りを書かせていただいています。
まだこれは中間まとめの案の概要でして、人材委員会、親の委員会を来月の9日と30日に開きます。そこの場で最終的な決定をしたいと思っていまして、このワーキング・グループの所掌に関わらず、広くご意見等いただければ大変ありがたいなと思っています。
駆け足で恐縮です。以上です。
【小泉主査】 奥課長、ありがとうございました。
これだけまとまった形で人材政策を俯瞰するようなまとめというのは初めてじゃないかと思うのですけれども、すごくよくまとまっているのではないかと個人的には思ったところです。ありがとうございます。
何かコメントとか。正城先生。
【正城委員】 ご説明ありがとうございました。
1本目の柱としてご説明いただいた、ブルーのバーところの部分に関して、全体的な方向性ということで整理されているので、非常に重要だと思いました。先ほどの議題のときにもありましたけれども、技術者の部分のまとめ、現状・課題、今後の具体的な取組のところで、桑田委員からもちょっと違和感があるという話がありましたけれども、私もそこはかとない違和感を持っていました。
こういう全体の方向性を考えたときに、技術者に関する現状・課題、具体的な取組として、どこをまとめていくかという観点で、ぜひ小泉主査にもまとめていただければなと思います。全ての委員の方の意見に対応するとよく分からなくなると思います。例えば、私は前身のワーキングで、当時の定義の技術職員というのは研究開発マネジメント人材に入れるべきじゃないかということを実は申し上げていたのですけれども、今それをここで持ち出しても仕方がないことなので、今のは特殊な例かもしれませんが、全部に対応しようとするとよく分からなくなるところがあると思いますので、ぜひこういったグランドデザインに書かれているトータルで考えたときにどこを出していくべきなのかという観点で、先ほどの部分もまとめていただければいいのかなと思いました。
以上でございます。
【小泉主査】 ありがとうございます。
ほかに、ぜひコメントをいただければと思うのですけれども、いかがですか。よろしいですか。
また何かございましたら……。先ほどの桑田先生や正城先生のご意見も踏まえて、我々のほうでできることがあればと思っておりますので、奥課長、引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。では、議題は以上となりますけれども、本日は御報告いただく案件があると聞いておりますので、事務局より、研究開発マネジメント人材のガイドラインの件だと思っています。大場補佐のほうからでしょうか。よろしくお願いします。
【大場人材政策推進室室長補佐】 会議の中でも何回か出てきた件でございますけれども、研究開発マネジメント人材の人事制度等に関するガイドラインが本日13時に公表されました。研究大学等においては、研究開発人材が意欲を持って活躍できるよう環境整備を大学等で行っていただくことで、それによって研究者が研究により専念できる環境ができるものだと考えます。
また、大学等の研究開発に係るマネジメント機能も高めることができ、研究力が推進されることは文部科学省、当課としまして期待しているところでございます。また、こちらは、作ってホームページに上げましたでは終わることなく、周知等をしっかり図っていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
【小泉主査】 どうもありがとうございます。
この件、ガイドラインの件も含めて、全体を通じてご意見等あれば、最後いただければと思うのですが、いかがでしょうか。みんな満足しているということですね。
【江端委員】 小泉先生、1点だけよろしいですか。
【小泉主査】 江端先生、お願いします。
【江端委員】 こういったガイドラインをまとめていただけたことは、これまでマネジメントに関する多くの課題を抱えていた大学が前に進むために非常に重要な取組だと考えています。
今回のガイドラインは、多くの方にヒアリングをいただき、本ワーキング・グループの有識者の皆さんにご議論いただいてまとめたものではありますが、実際これを共有した後の現場の反応につきましては、何らかの形でフィードバックをいただいく必要があるのではないかと思います。
実際にこれまでもこのようなガイドラインが公開されると、本学内はもちろんのこと関係機関の大学の皆さんから新たな視点をいただくこともありますので、まず、本ガイドライン現場の方々にどう見ていただくかという双方向のコミュニケーションがあるとより良いものになると思いますし、それを踏まえてより内容を理解いただき、うまく活用していただけるのではないかと思いましたので、その点も含めて、今後、ご検討いただければと思います。
以上です。
【小泉主査】 ありがとうございます。
ガイドラインがちゃんと仏に魂が入るためにも、現場とのディスカッションというのが重要かなと思っています。特に、例えば、RA協議会とかUNITTさんとかで話をするとかそういうところもありますし、おっしゃるとおりだと思っています。
大場補佐から何かありますか。
【大場人材政策推進室室長補佐】 おっしゃるとおりだと思います。ご指摘ありがとうございます。
【小泉主査】 ぜひ、これを使ってディスカッションしていければと思っているところです。やはり、先ほど奥課長の話の中にもありましたが、技術人材のほうもこういったものをつくっていかなければいけないという思いも強く持ったところです。研究開発マネジメント人材のほうは、これでリリースされましたので、これをいかにインプリメンテーションしていくかというところ。技術人材も同じようにつくっていくのかなと思っているところです。ありがとうございます。
ほかにございますか。全体を通じて。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、ありがとうございました。本日の議論を踏まえまして、まずは、事務局から、閉会の前に一言ずつご発言いただければと思っております。井上局長、まず、よろしくお願いいたします。
【井上科学技術・学術政策局長】 今日もありがとうございました。大変貴重なご報告、ご意見をいただいたと思っております。そして、技術者の育成についても、今後の取組について一定的な議論のめどが大分ついたのかなと思いました。
やはり今日のご意見を聞いていても思いますのは、私、文部科学省も悪い面があったなと思うのですが、これまで、いろいろなところ、競争的資金を増やしてくる流れの中で、各大学のマネジメントもいろいろ変えてもらいたいということで、例えば、大学の皆さんに向けたいろいろな拠点の形成とかマネジメント改革、いろいろな施策を打ってきたのですけれども、これをずっと続けていく中で、皆さん、各大学がみんな競争、競争みたいになっていって、大学のマネジメントの皆さん、これはやっぱり、まずは自分の大学をよくするということが大事で、我々もそれぞれの大学にどんどんよくなっていただきたいという思いなのですけれども。
これで大分、大学の取組、それぞれ競争的な感覚に大分染まってきているなと思っていて。私はこれをできるだけみんな協調していくというのがこれからの日本の鍵だと思っていまして。今日も、コアファシリティや、またコンピューター技術の支援人材の話も聞いていても、やはりこれはオールジャパンで取り組んで、一緒につくっていくようなものかなと思いました。
特に、今日、コンピューター技術の支援人材のお話がありましたけれども、ある種、リアルなコアファシリティを支援する人材よりも、これは遠隔で大分仕事ができる領域だと思うのですよね。それでしたら、各大学にそういったコーディングとか、あとはソフトウエア開発とかで非常に有能な技術職員の方、技術者の方がいらっしゃると思いますので、例えば、組織横断でソフトウエア開発支援センターみたいなのをつくってしまえばいいのではないかとか思うんですよね。何なら、それを法人化したほうがよければ法人化して、ベンチャー企業か分かりませんけれども、むしろそうすることで、ちゃんとそこに参画してくださる技術職員の方などは、クロスアポイントメントなんかでより処遇を上げていただくとか、そういったことも導入して、1つの大学だけとかではなくてオールジャパンでやっていける、またいいネタをいただいたなと思いました。
そういうことで、私は最近は、いろいろなことで各大学がどんどん協調していく部分をつくっていって、そして、いろいろな大学だけじゃなく大学共同利用機関や法人も一緒になってオールジャパンの基盤をつくっていく、こういうことが大事だなと改めて思った今日の会議でございました。ありがとうございました。
【小泉主査】 井上局長、ありがとうございます。全く、100%同感です。ありがとうございます。
続いて、福井審議官、よろしくお願いします。
【福井大臣官房審議官】 本日もご議論いただき、ありがとうございました。
当多様化委員会もこれで一区切りということで、私自身は、技術者の話、私自身は工学部出身ですけれども、あまり技術者、研究者と考えないで生きてきましたが、技術者というのはどういうものかということについて、非常に勉強になったと思います。
あと、今日、研究開発マネジメント人材のガイドラインを出しましたとありますけれども、これはぜひ各大学でぜひ使ってもらえるように努力していかなきゃということと、出たということを、使っていただいて、ご批判もぜひいただきながら、今後、第2版、第3版が出るようなものにできたらいいなというふうに思いました。ありがとうございました。
【小泉主査】 ありがとうございます。
続いて、先﨑総括官、お願いします。
【先﨑科学技術・学術総括官】 今回も本当に勉強になりました。ありがとうございました。
コアファシリティの観点は、2つの切り口からのプレゼンテーションがございまして、いろいろな大学を、今、J-PEAKSの関係で拝見させていただいているんですけれども、コアファシリティとか技術職員に対する取組は、かなり各大学によって温度差があって、執行部は理解しているのだけれども、それに着手できないというようなところもあれば、今日ご発表いただいたように、どんどん成果を出して、更に新しい課題にチャレンジしているところまで、非常にラダーがあるということですので、まずは、これをどう横展開していくのか。しっかりと横展開を図っていく必要があるなという気が改めていたしました。
あとは、URAについては、今日もガイドラインリリースということもございまして、本当にありがとうございました。これは今後、研究推進体制全体の中にどう位置付けていくのかということが、大学全体、特に国立大学全体として求められていく。折しも、第5期の中目、中計のフェーズに令和10年から、2028年から入っていくということになりますので、今日の我々の説明のほうにもありましたけれども、この委員会等の成果をどう中目の中に、中計の中にしっかり位置付けていくのかということも、今後、文科省として検討していかなければいけない課題だなということも改めて認識をさせていただきました。ありがとうございました。
【小泉主査】 ありがとうございます。
最後になりますが、ありがとうございました。本ワーキング・グループ第1回を5月13日に開催して、本日で4回目ということで、駆け足で開催してまいりましたけれども、皆さんに活発にご議論いただき、ありがとうございました。
人材委員会の下、研究開発マネジメント人材の人事制度等に関するガイドラインを取りまとめて、6月13日の人材委員会にも提出いたしましたし、また、本日皆さんからいただいた意見を、中間まとめというところでご意見にも反映しつつ、また、この7月9日に人事委員会がありますので、そこにも我々の意見としても提出していきたいと思っております。
それから、今年度中に、技術者・技術職員の、特に技術職員ですね、人事制度等に関するガイドラインというのをつくらなければいけないというところが宿題として残っているわけですけれども、本日、研究開発マネジメント人材のガイドラインも発表いたしましたし、一旦、本日のワーキング・グループで1つの区切りを迎えたと思っております。
先生方には活発なご議論をいただき、ありがとうございました。これまでご協力いただいたワーキング・グループの皆様には、心より御礼を申し上げるとともに、引き続き、ガイドラインを出して終わりではないので、この後、先ほど来ご意見が出ておりますが、インプリメンテーションに向けて、やれることはいろいろやっていくようにできればなと思っているところです。引き続き、ご協力いただければと思っております。ありがとうございました。
最後に、事務局より事務連絡をお願いいたします。
【大場人材政策推進室室長補佐】 先ほど小泉主査からご案内のとおり、今後は、本日までに本ワーキング・グループで議論いただいた内容を踏まえ、人材委員会において中間まとめの審議を進めてまいります。委員の皆様には多大な貢献をいただきましたこと、お礼申し上げいたします。なお、技術職員のガイドラインについては、引き続きご議論をお願いできたらと存じます。
本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にお目通しいただき、主査にご確認の上、文部科学省のホームページを通じて公表させていただきます。
次回のワーキング・グループの日程につきましては、また改めてご連絡させていただきます。
以上でございます。
【小泉主査】 それでは、本日はこれにて閉会としたいと思います。文科省の皆さんも、そして委員の皆様も、どうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 人材政策課