令和8年5月13日(水曜日)14時00分~16時00分
文部科学省15F局1会議室及び Web 会議(Zoomウェビナー)
尾上委員、梶原委員、狩野委員、川越委員、重松委員、永井委員、登本委員、原田委員、水口委員
西條科学技術・学術政策局長、福井大臣官房審議官、俵科学技術・学術総括官、奥人材政策課長、相原人材政策推進室長、髙橋人材政策課課長補佐、益田人材政策課課長補佐、白川人材政策課課長補佐
科学技術・学術審議会 人材委員会
次世代人材育成ワーキング・グループ(第6回)
令和8年5月13日
【狩野主査】 では、定刻でございますので、ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会の次世代人材育成ワーキング・グループの第6回を開催いたします。
今日は9名の委員の方に御出席いただいておりまして、定足数は満たされております。
では、議事に入ります前に、事務局より本日の資料確認等をお願いしたいと思います。白川さん、お願いします。
【白川人材政策課課長補佐】 それでは、資料確認をさせていただきます。事前に送付させていただいた資料といたしまして、議事次第、そして資料1-1から資料2、参考資料1から参考資料3でございます。
また、4月1日付で事務局に人事異動がございましたので、紹介いたします。
科学技術・学術総括官に俵幸嗣が着任しております。
【俵科学技術・学術総括官】 よろしくお願いします。
【白川人材政策課課長補佐】 また、人材政策課人材政策推進室長に相原恵子が着任しております。
【相原人材政策推進室長】 相原です。よろしくお願いいたします。
【白川人材政策課課長補佐】 以上でございます。
【狩野主査】 ありがとうございました。
それでは早速、議題の1に入りたいと思います。議題1の名前は「今後の初等中等教育段階での科学技術人材育成の在り方について」ということでありますけれども、今日は琉球大学様と、それから金沢大学様から話題提供のお願いをしております。それに先立って、この議題に関連した内容を、事務局から説明をお願いしたいと思います。白川さん、お願いします。
【白川人材政策課課長補佐】 それでは、資料1-1に基づいて御説明させていただきます。
1ページ目を御覧ください。本人材委員会では、昨年の7月30日付で、先生方に御審議をいただいて、中間まとめを公表した次第でございます。その後、本年2月の第113回人材委員会におきまして、中間まとめからの取組の進捗状況や、今後の課題について御報告をいたしました。この1ページ目はその際の資料の抜粋でございまして、初等中等教育段階からの科学技術人材育成に関するページでございます。
1ポツの取組の主な進捗状況に関しまして、一つ一つの項目についての御説明は、時間の都合上、割愛をさせていただくのですが、特にスーパーサイエンスハイスクール事業、SSHに関しましては、(1)の上から3つ目の丸にございますように、同事業に関する令和9年度からの本格的な事業改革の実装に向けて、発展期の類型化の考え方や、各類型に期待する取組など制度設計の具体化を進め、各教育委員会などへの周知、指定校との意見交換を進めているところでございます。また、発展期の一部の類型に関しましては、言わばそのプロトタイプとなるような意欲的な取組について、参考資料の8ページ目というところになりますけれども、8ページ目にございますように、こうした意欲的な取組を追加支援する重点配分というものを、事業の見直しの試行実施のような形で令和8年度に実施をさせていただいております。ここに記載のとおり、6校の取組を現在支援しているところでございます。こうしたスーパーサイエンスハイスクールに関する取組については、この資料の5ページ目以降に参考資料としておつけをしておりますので、この場で御報告をさせていただきます。
2ポツ目の今後の主な課題でございますけれども、1つ目の丸と2つ目の丸に関しては、中間まとめでいただいた方向性について着実に取組を進めていくことということで書かせていただいておりますが、本日は、残る3つ目、黄色でハイライトしてございますけれども、初等中等教育機関と高等教育機関との組織対組織での連携による次世代科学技術人材の育成、裾野の拡大の促進というところについて、より今後取り組んでいくべき事項の具体化を図っていきたいということで、本日の議題1とさせていただいております。
具体的に御議論いただきたい点でございます。2ページ目を御覧ください。下のところに茶色の枠囲みで2点書かせていただきました。1つ目が、高等教育機関と初等中等教育機関とが連携して、初等中等教育段階からの科学技術人材育成の取組を実施するに当たり、継続性・持続可能性を確保しながら取組を進めていくことが可能となるような大学の学内体制、地方公共団体や企業など学外との連携体制の在り方について。2つ目が、初等中等教育段階からの科学技術人材育成の取組と、大学・大学院教育との接続など、大学にとって次世代科学技術人材育成に取り組むことの付加価値を高めるための取組についてということで書かせていただいております。
本日、琉球大学様、そして金沢大学様に、この後、話題提供をいただく予定としておりますが、両大学様は、この資料の4ページ目に付してございます次世代科学技術チャレンジプログラム、私どもSTELLA事業と呼んでおりますが、このSTELLA事業の実施機関として、理数系に優れた意欲・能力を持つ小中高校生を対象に、大学として取組を進めてくださっている大学様でございます。また、本日御参加いただいている川越委員も、東京大学でこのSTELLA事業を実施、進めていただいておりまして、実は第2回のワーキング・グループのときも取組について御発表いただきましたし、また、本年の3月に、この会議とはまた別の会議で取組について御発表をいただきまして、その資料を参考資料として入れさせていただいてございます。参考資料の1ということでございます。本日は、この両機関のお話を踏まえながら、先生方の茶色囲みに関する御意見をいただければと思っているところでございます。
2ページ目の上に箇条書で書かせていただいている項目、これは何かと申し上げますと、本日の御議論いただいく点に関連しまして、これまでの人材委員会、そして次世代人材育成ワーキング・グループ、また関係者ヒアリング、これは中間まとめの策定までの間で私ども事務局として、様々な大学様、研究機関様などを訪問し、御意見をいただいてきて、その内容を既に公表させていただいておりますけれども、そこから関係する意見を抜粋して掲載させていただいております。
1つ目の丸の3行目にございますとおり、初等中等教育段階からの理数教育を大学として組織的・全学的にやっていくことが必要だというような御意見もいただいている一方で、3つ目の丸にございますとおり、なかなか予算等の呼び水がないと大学として動きにくいという御意見や、大学が小中高校生の人材育成に関わるに当たって、そのことの付加価値、大学としての付加価値ということについても深掘りが必要ではないかという御意見もいただいてまいりました。また、私どもSTELLAに関しまして、児童生徒の移動可能距離ということを踏まえれば、できるだけ多くの場所に実施機関があったほうがいい、1都道府県に1つというようなことを申し上げておりますが、そういう状態を定常化することを目指すのであれば、予算による支援が終了した後も定常的に動かすことができるような仕組みというものも実装していく必要があるというお話もいただいております。
最後5つ目、6つ目というところでは、次世代人材育成に大学教員の方に関わっていただくときに、どうしても熱意のある方に、ともすればボランタリーに協力いただくようなシーンが起こり得ているところ、そうした方々が評価・認知を受けられるようなメカニズムや、大学教員が高校生を指導することのメリットの明確化、モチベーションの向上ということにつながる仕組みづくりも必要ではないかと、こういった指摘をいただいてきたところでございます。
こういったところを背景といたしまして、本日特に御議論いただきたい点、2点書かせていただいているところでございまして、この後お話しいただく両大学様のお話、こういったところも踏まえながら、先生方の御審議いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【狩野主査】 ありがとうございました。白川さんから端的に説明いただいたとおり、今日は質問をいただく回というよりかは、具体例を伺って、意見をいただく回ということでございますので、ぜひお願いできたらと存じます。
それでは早速に、琉球大学様、その後に金沢大学様の順番でお願いしたいと存じます。では、琉球大学の宮國先生、御準備よろしいでしょうか。
【宮國特命准教授】 はい。では、まずは改めまして、琉球大学の宮國です。
【狩野主査】 よろしくお願いします。
【宮國特命准教授】 資料共有してもよろしいでしょうか。
【狩野主査】 お願いいたします。映りました。どうぞお願いします。
【宮國特命准教授】 それでは、我々琉球大学の次世代人材育成事業の紹介と、これらの定着に当たっての課題等や、「こういうものがあったらいいな」というものの議題を話題提供させていただこうと思います。琉球大学の宮國です。今日はよろしくお願いいたします。
まず、琉球大学は次世代人材育成事業として、もちろんJSTからいただいているSTELLAプログラムを中核として行っておりますが、それ以外にも次世代人材育成やその環境づくり、あるいはコンソーシアム構築を目的とした各事業が有機的につながった人材育成に関する総合パッケージとして実際運用しております。中心となるのはJSTのSTELLAプログラムになりますが、それ以外にも大学の自己財源で行う主に3つのプログラム、連携しながら行っています。
1つ目はサイエンスソウゾウ部ということで、小中学生、STELLAプログラムがいわゆる才能育成として、選抜されたトップ層の育成だとするならば、サイエンスソウゾウ部はボトムアップ型で、一般の小中学生や保護者等に対するキャリア教育や科学的啓蒙活動というものを中心に行っております。また、OASESやOFSISという、中高生の理系文系、社会課題の研究内容を発表することを支援するような活動などを通して、研究発表を通してしか育成できない研究者的な能力を育成するような支援をしております。さらに、STELLAプログラムの修了生が本学に進学した場合には、大学の自己資金で行います研究費支援企画等を行って、これらのさらに能力アップを図るようなプログラムを実施するという、こういった総合的なパッケージとして、初等中等段階における長期的なプログラムを展開しているところです。
その中でも、先ほど説明しました大学進学後の支援プログラムに関しては、本学、10年ぐらい続けておりますと、中学生とか高校生が大学生になっていくわけですが、これらの子たちに関しては1年次や2年次の段階から、研究活動や研究費支援を行うようなことをしております。さらに、主にこれらの子たちを対象とした大学共通科目を開講しながら、さらに能力を育成しようという取組や、今ちょっと検討中のものとして、新たな学環プログラムの設置等を検討しながら、さらにこれらの能力アップをすべく、現在モデルプログラムを構築しています。さらに我々は、このSTELLAプログラムの修了生で構築するOB/OG会などを重視しておりまして、修了後も地域の内外に蓄積される人材ネットワークのリソースを重要視しているというところです。
本来であれば各プログラムについて紹介したいところですが、今日はちょっとお時間の都合もありますので、全体概要を説明するのみにとどまらせていただいて、後半部分の参考資料のほうに各プログラムの特徴等を記載しておりますので、気になる方はそちらを御覧ください。
さらに、こういったプログラム、やはり我々単体だけではなくて、地域の事業体や教育機関等とも連携しながら行っております。次世代人材育成連絡協議会という地域コンソーシアムもありますし、その他、学校や教育機関、県の教育庁や沖縄経済同友会等とも情報共有等しながら、地域の人材育成拠点として各組織や機関とも連携しています。
これらも背景として、この構築に約10年ぐらい我々は取り組んで、ようやくこういった体制をつくってくるんですけど、やっぱり最初は個別の実践者、各大学に存在するこういう教育に理解のある人たちの個別実践者というのを集めてネットワークをつくって、そこでより育てていくという感じになります。さらに我々は、これらのプログラムを教育開発、研究や開発の一環として行っていて、それらの中での事業成果の可視化や効果の可視化というものを行った上で、学会発表したりもあるし、研究発表したりもするし、これらの内容を関係者に周知することによって内外に理解者のネットワークを増やしていくと、このようなことを繰り返していく中で、これだけ御理解をいただいてきたのかなというふうに我々は思っております。
このようなプログラムを通して、初等中等段階あるいは保護者や学校関係者の理解を得ながらSTELLAプログラムを中心に行っている形になるんですが、我々のプログラム、女子生徒の応募者数が多いというふうな女子理系人材の育成とかに効果があったりだとか、あとは我々のほうで把握している限りで、大学進学者が出てくるわけなんですけれども、本学に進学している子や、ほかの大学に進学している子が大体1対1、少なくとも我々が把握している範囲で1対1ぐらいの形になっているという形です。そういう意味で、ほかの機関に人材供給を行ったりだとか、琉大に進学するような子たちの早期育成をやっているという形です。さらに琉大からは、県内就職や県外に就職するパターン、さらにOISTなどに進学する、ほかの大学院に進学する層などがいまして、これら教育界の人材育成や、県内の産業界への人材供給なども行っているという形です。そういう意味で地域貢献型大学として、次世代を担う人材の発掘や育成を総合的に行っているという形になるかと思います。
さらに我々、追跡調査も重視しておりまして、幾つか追跡調査をしております。その中で、こういったプログラムへの参加が重要なきっかけになりましたか、あるいは、こういったプログラムがなかったら自分の進路が変わっていると思いますかというものに対してアンケート調査をすると、やっぱり肯定的な意見が多くなります。特に注目すべきは、やはり大学院生などに関しては特に肯定的な意見が多くて、こういったプログラムに参加しなかったら大学研究者を目指さなかったかもしれないというようなコメントが多く得られておりまして、こういったプログラムが理系進路や研究職を目指す重要な幼少期のトリガーになったのではないかなというふうに思っております。
ただ一方で、10年ぐらい続けておりますと、いろいろな課題感であったりだとか、「こういうものがあったらいいな」というふうなものも見えてくるという形になります。やはり一番、10年ぐらい続けていて何度も何度も直面する課題としては、こういった次世代人材育成事業を行うときには、学内においても、何で大学が小中学生を教育するのかだったりだとか、機器を利用しようとしても大学生以外は利用できませんとかということだったりだとか、あるいはこういった関係教員の協力もなかなか研究や教育と比較して、地域貢献とかは評価されにくいだったりだとかというふうな問題が出てきました。
やはりこれらの背景には、もともとこれまでの少子化を迎える前の大学では、高校までに育った人材を採るというふうな、我々は遠洋漁業型と言っていますが、そういった育った人材を採るというタイプで、かつ教育とかの人材育成の対象も大学生とか社会人、大学進学以上の子たちを想定しているわけなんですけども、そういった前提に立った場合にはこういった認識が出てくるのかなというふうに思っております。
一方で、少子化や人口減少を迎える社会においては、これからはこれらに加えて、育てて採る育成漁業型であったりだとか、次世代や小中高生を対象とした人材育成を行い、そういった大学教育に資する人材を大学自身が育てるようなことが重要じゃないかと思っております。特にこれらは地域の人材輩出拠点になる地域貢献型大学では重要ではないかと思っております。
これらを定着するのに後押しするような有効かなと思われる施策としては、下に書いてありますように、人材育成の大学ミッション化だったりだとか、こういった事業に取り組むものだったり、そういった組織を持つ大学に対して、何か有効的な評価が得られるといいなというふうに思っております。また、次世代人材育成を行う組織の構築とか維持にはやはり予算がどうしても必要になってきますので、こういった部分で予算措置などがあると大変助かるなというふうに思っているところです。
また、近年では大学に求められる社会貢献の役割というのが非常に多くなっております。多分別の会議で議論されていると思いますが、特定分野に特異な才能のある児童生徒の対応や、N-E.X.Tハイスクール構想、また、アントレプレナーシップもそうなんですけど、大学と協力して取組みなさいよというふうなことは非常に多くあります。一方、探究疲れにもありますように、そういった部分で大学が、こういう状態にありますので、専門の部署を持っているわけではありません。そういった意味で一部の先生に仕事が集中したりするようなこともあるので、これらの施策を担当できる専門部署とか人員の配置が必要かなというふうに思っております。
実際のところ現在は、こういった各学部に所属する先生方が個別に対応しているような事例があると思いますが、これだと地域からしても、どこに相談していいのか分からないというふうな課題感があったりします。こういうのに関して新しい部署などで、そういった専門的な知識、ちょっと難しいんですけど、特に教育にも理解があって、研究にも興味があってコーディネーター経験もあるみたいな人材を配置することができれば、そういった問題が解決しやすいのかなというふうに思っているところです。
これらを後押しする提言として、下に書いてある施策ですが、こういうものができれば、特に地域貢献型大学という都市部への人材輩出の拠点のため以外のところでの、大学の価値づけや意義、役割が十全に果たせるのではないかと我々は考えていて、今後も努力してまいろうかなというふうに思っている次第です。
琉大からの説明は以上となります。以降は参考資料となって、個別のプログラムの特徴等を説明しておりますので、質疑応答の際に御活用ください。
【狩野主査】 宮國先生、大変ありがとうございました。とても有意義な内容をいただいたと思います。とりわけ人を育成して活用していくというところのセンスをこれからもっと強力にしなくてはというところは、私にはとても響きまして、それに資するような政策がここでつくれたらいいなと思いながら伺った次第です。
それでは、時間の関係もございまして、続いて早速ですが、金沢大学様からもお話を伺えればと存じます。金沢大学は本田光典先生が御担当くださいます。よろしくお願いします。
【本田学長補佐】 皆さん、こんにちは。金沢大学の本田でございます。本日は、このような機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
それでは、パワーポイントを共有させていただきます。しばらくお待ちください。
【狩野主査】 表示されました。お願いいたします。
【本田学長補佐】 それでは、私のほうから、本プログラムの概要と、それから御依頼がありました点につきまして御説明させていただきます。
まず、私どものプログラムを企画した背景と目的は、こちらにお示ししたとおりです。ここでは高い意欲や資質を持つ小中高生を発掘し、伸ばす取組を実施したいと考えまして、従来本学で行ってまいりましたジュニアドクター育成塾とグローバルサイエンスキャンパスで得たノウハウを生かしまして、傑出した人材の育成に取り組んでおります。
プログラム全体の流れは、こちらにお示ししたとおりです。小中学生を対象としたジュニアコース、ここでは講座中心のAステージを1年半、研究を行うBステージを学年に応じて1年から3年受講できる建て付けとしております。一方、高校生等を対象としたシニアコースでは、講義を受けながら研究テーマを策定するCステージがおよそ半年、その後実際に研究を行うD1、D2ステージが各1年としています。各ステージの間には選抜を設けているのですけれども、ジュニアコースとシニアコースはシームレスにつなげたいと考えておりまして、このプログラム、開始から3年が経過しまして、いよいよBステージ修了者がCステージにステップアップするところです。なお、このCステージの修了者には、本学が実施しておりますKUGS特別入試の出願資格を与えております。
こちらには、本プログラムで育てたい人材像と、持つべき資質・能力をお示ししています。小中学生はこちら、高校生はこちらですが、全体を通して、簡単にはへこたれない「尖ったキワモノ」を育成していきます。
こちらのスライドには、具体的なスケジュールと受入れ人数をお示ししています。先ほど御説明しましたジュニアコースとシニアコースを並走させておりまして、現在、4年目が始まる、ここら辺にいることになります。ここではマックスで、ジュニア80名強、シニア50名程度を指導する計画としております。
ジュニアコースの2024年度生の具体的な研究テーマをこちらにお示ししました。ここでは学年や経験の差が大きく表れておりまして、独自に研究が進んでいるものから調べ学習的なものまで、状況は様々となっております。また、ジュニアコースのAステージの対面講座と、その後の教員との交流、また学生メンターによる指導や交流の様子をお示ししています。この後、成果発表会の評価を経て、次のBステージでは個人研究を進めています。
こちらにはジュニアコースの選抜や評価で用いておりますルーブリックをお示ししております。字が小さくて申し訳ございません。ジュニアコースで育てたい3つの能力・資質に対しまして、それぞれ5段階で判定する仕組みとしています。また、各ステージにおいて達成レベルの基準を設けております。
一方、こちらは高校生等を対象とするシニアコースにおける受講生の研究テーマをお示ししています。ここではCステージで練り上げた研究計画を、Dステージにて実践する流れとしています。
研究の一例としまして、ここには、環境に優しい材料として米ぬかを用いた土壌改質の研究の写真を示しています。指導教員の協力の下、地震による液状化を防ぐことを目指した研究です。
こちらにはシニアコースのルーブリックをお示ししています。高校生に求める7つの能力・資質について、こちらもやはり5段階で判定する内容となっております。こちらも字が小さくて申し訳ございません。
こちらには受講生の成果を示しております。ここに目標と実績を記しておりますけれども、おおむね目標を達成しております。また、下半分に示しておりますとおり、多くの受講生が高い評価を得ております。昨年末に開催されましたJST主催のサイエンスカンファレンスでは、理事長賞を受賞する受講生もおりました。
こちらには修了生の主な進学状況をお示ししております。こちらに示しますとおり、多くの修了生が国公立大学、有名私立大学の理工系、医療系へ進学しております。これは本事業が高大接続にうまく寄与できていることを示しているものと考えております。
こちらには実施体制をお示ししております。本学に5つの連携機関が加わって、受講生のあらゆるニーズに応えています。また、各教育委員会、地元の博物館や関連企業様に御協力いただいて、コンソーシアム連絡協議会を構成しています。その配下に運営委員会を設置して、この事業を統括しました。
先ほどのスライドで御紹介しましたコンソーシアムでは、このプログラムの効果を検証しておりますし、また、外部有識者による評価をフィードバックしております。一方、修了生のオンラインアンケートを実施しておりまして、追跡調査を行っております。
本企画で得られましたノウハウは、こちらに示しますような学会、ウェブ等を通じて発信を行っております。また、他のプログラム採択校との情報共有を行いまして、それ以外に企業との連携を拡大しています。
本事業は、小中高大院連携の新たなモデルであるとともに、次世代育成事業の柱と我々は捉えておりまして、今後はこちらに示しますような点を対応、拡充していく予定です。
以上、私どものプログラムの全体概要を御説明いたしました。JSTからも高い評価を受けておりまして、さらなる成熟を期待されております。
それでは、ここからは、さきにいただいたお題に対しまして、我々の考えをお示しいたしました。
まず、本学が次世代人材育成事業を重視する意義としましては、科学、技術の啓発が、理系及び、理系だけではなくて、文理融合した高等教育につながるものと考えております。その結果、偏差値等の成績の輪切りではなくて、やりたいことを実践するために大学を選んでもらえると考えております。また、次世代人材育成はそもそも大学の使命であり、本学の教育環境を活用すべきとも考えております。
次に、持続可能な体制づくりとしまして、本学では全学出動体制を取っておりますし、また地域全体の協力が大切で、その上で学内、関連する大学等、または地域の理解と賛同を得ていくことが不可欠です。また、修了生をロールモデルとして、循環する体制づくりも重要と考えております。
次に、予算終了後のポイントとしましては、本学が実施しているような次世代人材育成事業を大学進学へつなげたり、また、企業からの協力で、出資は企業、そして人材育成を大学が担当し、これをもって国内産業の活性、企業に定着するといった好循環を構築していきたいと考えております。
次に、インセンティブの設計についてですが、本学では学内の教員評価におきまして、本プログラムを担当することが通常の講義担当に相当するとして扱っておりますが、ほかにもこちらに示しますようなことを検討しております。例えば受講生が受賞するなどあった場合には、指導教員も同じように評価する、また、協賛企業の理解の下、表彰、奨励金の授与があればとも考えております。また、参加していただく学生の方々には、奨学金免除の申請の際にプログラムへの貢献が評価対象とできればというようなことを考えております。
以上、雑駁ではございますが、本学からの御説明とさせていただきます。どうもありがとうございます。
【狩野主査】 こちらも時間どおり、大変ありがとうございました。内容はよくまとめてくださいましたし、琉球大に比べると、どちらかというと研究大学的な在り方についての例を伺えたのかなということを思いました。また、そのときにどういうふうに学内でやる気を出していただけるかというような御知見もいただけたなというように思います。ありがとうございました。
それではここから、先ほど初めの白川さんの御説明にあったように、この政策をどういうふうにより改善していけるか、あるいはより新しいものにしていけるかということを踏まえたという御意見をいただけたらと思います。また、その中にもし御質問があった場合には、後でまとめてお答えいただくということでお願いしたいと存じます。
それでは、どなたからでも結構ですが、どなたかございますか。
重松先生、どうぞお願いします。
【重松委員】 琉球大学様と金沢大学様、御発表ありがとうございます。大変参考になりました。
一番お聞きしたいのは、結局、大学という組織として、どういうふうにSTELLAを大学の組織の中に位置づけるかという難しい取組のことです。特にそういう形で、幼稚園、幼児教育からか分かりませんけども、そういう方々に対して大学の教員がきちんとサポートできるような体制として、大学でどういうふうにアピールしてこられたのか。組織的にはお話をお聞きしましたけども、まだまだなかなか全ての先生がそれに賛同されるということに関わって難しい点があると思います。もしもそういう点で何かいい御示唆がありましたらお聞きしたいのが1点と、もう1点は、このSTELLA事業を逆に、対象の生徒さん、子供さんたちにどうアピールするか。学校あるいは保護者の方々に、どういうふうにうまく、こういう事業の必要性というか意義というものが届くのかどうか、何かそういうふうなことの工夫を大学としてどのようにしておられるか、この2点をお聞きできればと思います。どうぞよろしくお願いします。
【狩野主査】 ありがとうございます。ご質問は溜めておきまして、後でまとめてお返事をお願いしようと思います。
では続いて、原田先生、お願いできますでしょうか。どうぞ。
【原田委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。両者とも大変すばらしいプログラムで、私も実は重松先生の御質問と全く一緒で、1人でも多くこのようなプログラムに賛同する、自分たちの子供を進ませたいというふうに思ってもらえる保護者、関係者を増やしていくことが重要と思っております。保護者、関係者の意識として、女子はそこまでやらなくてもという意見が少なからずありそうなんですね。かなり手ごわくて、子供たちはそういうスポンサーである保護者の意見を取り入れて、自分の進路を変えてしまうという場合が多々あります。せっかくの才能の芽を摘んでしまうことになるため、大変もったいないことですので、こういった子供たちが相談をする身近な保護者、関係者への効果的な働きかけ、取組、これについて何か具体的に行っていることがありましたら、ぜひとも共有していただきたいと思いました。
以上です。
【狩野主査】 大変ありがとうございました。私もちょっと最近、幼小中の担当者をやってみるとそれをすごく思いますし、そういう場を活用できるといいなということも思っております。より保護者の距離が近いものですから。ありがとうございます。質問的に取っていただいた場合には、後でまたお答えいただければと思います。
では続いて、どなたかいかがでしょうか。例えば大学経営的な気持ちで何かお話をされますか。
【尾上委員】 よろしいですか。尾上でございます。御説明ありがとうございます。ちょっと不勉強なところがあって申し訳ないですけども、例えば、この琉大の資料、あるいは金沢大の資料とかを見せていただいても、教育学部とかがあるような大学というのは、こういうプログラムを実行する、したメリットというのが何か出せないのかなというのを少し感じました。うちにはないんですけども、そういうところであるとか、あるいは金沢大学の資料は、石川高専とかとコンソーシアムを組んでいただいている。これ高専と組んでいくというのも結構、やっぱり高専の方々が教えている生徒の範囲というのが大学とは違っているところがあるので、そういうところをうまく活用していくというところが、何かこのプログラムをうまく回すためのメリットなのかなというふうに感じたところです。
大学経営的には、この琉球大学様の資料で専門の組織をつくってという、これはもう本当にこういうことをやらないと、必ず属人的になってしまって、熱意のある先生が。その先生方、うちとかでもいろいろお話を聞くとやっぱり、大学生に教えていてもなかなかレスポンスがあんまりよくないんだと、小中高の本当に輝いた目を見るとすごくやる気が出てくるという、それがすごくその熱意のモチベーションになっているという話をお聞きして、それはそれでいいんですけども、やっぱり組織化、あるいはそれを大学のリソースをどういうふうに配分できるかというところがやっぱりキーだなというふうに感じました。そのために、やはり大学の基幹的な活動にどういうポジティブな影響があるかというところをうまく整理できるというのが一番大事かなと思いました。
【狩野主査】 大変ありがとうございます。多分政策のつくり方としても、個人手挙げ式にするのか、機関申請型にするのかとかいうことも考えどころなのかなと思いますので、また御意見ございましたらお願いいたします。ありがとうございました。
同じような大学経営的な視点でお願いてきればというかたとしては永井先生がおられるんですが、いかがでしょうか。よろしいですか。お願いします。
【永井委員】 ありがとうございます。私自身は、やっぱり大学経営側が組織的に非常にきちんとした対応をしていくような体制をつくる責任があると思っています。それが社会に対する大学の責任でもあると思います。それには個々の大学の努力が必要なのですけれども、それをまとめるネットワークも必要なんじゃないかなと思っていて、個々の大学の努力も重要なんだけども、それを全体として、面の構造で、日本社会の中でこうした次世代人材を育成していくんだよというような仕組みを政策としてもきちんと打ち出していただきたいなと思います。そういうバックアップがあると、個々の先生方、実績を上げた方々の評価というのが非常に高い正当性を持って認識されていくんじゃないかと思っています。
それで、日本のこうした取組は、やはり世界的な潮流の中にもあるので、こういう取組でもっと学びたいとか自分のスキルを上げたいと思っている熱意のある先生方を、ちゃんと海外で交流する場に派遣できたりするような機会を差し上げるということが、大事ではないでしょうか。評価としての奨励金というようなものも非常に重要だと思うんですけれども、熱意ある先生に対して、次の機会、あるいは伸びたいだけ伸ばしてさし上げるような体制というのが組織としては求められるんじゃないかなと思っております。その上での人材循環というものが潤滑に行われるようになると、大学の経営層にもこうした経験を積んだ方々が入ってくる、そういうことが組織の中でも当然のように人事評価の中で反映されるようになるんじゃないかなと思っております。
質問ではなくて、ちょっとコメントというか、個人的な意見も含めて申し上げた次第です。以上です。
【狩野主査】 ありがとうございます。今日はそういう方向のほうがありがたいという設定ですので、ぜひお願いします。
今お伺いして、人材委員会として、マネジメント人材と、それから技術職員の方に関するガイドラインというのをつくったわけなんですが、実はここにも同じようなものがもしかして必要なカテゴリーなのかもしれない気がだんだんしてまいりました。つまり、大学というのは、今まで研究をする人の主に活動する場だという、そういう設定だったけれども、より教育をする人という設定で、教育学部以外にもそういうことが必要なのではないかと、そういう問題提起のような気がだんだんしてまいりました。
川越先生、それらの間に立つ役割のかたとしていかがですか。
【川越主査代理】 ありがとうございます。
まず、御説明いただきありがとうございました。今ちょうど人材というところが出てきましたが、私たちの東京大学も含めて、コーディネーターの人がいるというのが非常に大きくて、やはりそういった方がいないとプログラムを動かしていけないなと思います。研究者、技術者の方は、高校生が実際に研究する際に、専門的な指導はしてくれますが、特に小中学生とかは、保護者とのやり取りだったり、講座に引率して来れる来れないとか、そういったケアについては、コーディネーターとして大学の研究者ではなくて、高校の先生の経験者の方に来ていただいています。そういう様々な専門を持った方が所属して、そして動かしていくというのがすごく大事ですし、そういう組織として全学的に認められて、大学としてやっているというところがしっかり見えてくるという全学体制は必要かなと感じています。全学体制ができてくると、今度は子供たちの興味関心に応じて、いろいろな部局のいろいろな分野の先生方に指導いただけるというところにもなりますので、その辺りはどちらの大学も全学体制を敷いているというところで、すごく大事かなと思います。
あともう1点が、金沢大学さんでもありましたが、教員のインセンティブです。全学体制でやれといっても、やらされている感があると、やはりなかなか難しいと思います。教員がしっかり取り組んでいこうと思えるよう、大学の中での周知徹底というところも大事だな思います。また、先生方が各高校生を指導しますが、いろいろな部局で、うちにも高校生来ているというようなことがあり、全然知り合いではなかった先生同士が、一緒に勉強会やりましょうということで、新たな共同研究につながったという事例もあったりします。そういう事例とかも伝えることで、先生方にとってもメリットになるところを伝えられればなと思います。
あともう1点だけ。やはり外部連携もすごく大事だと思っています。コンソーシアムを組織して取り組んでいくというところで、企業にも入っていただくというのが、いろいろな社会課題の解決にもつながると思いますが、そのためにも企業にとってのインセンティブやメリットがしっかり伝わるというのが大事だと思います。人材育成をやるのは大事だけれども企業にとってのメリットは?と聞かれることもあるので、STELLAに参画する企業にとってのインセンティブやメリットなど、このSTELLAの知名度かもしれないですが、ここに参画していくことが企業にとってすごいいいことになれば、参画する意義が高まるのかなと思います。
以上です。
【狩野主査】 ありがとうございます。せっかくなので、政策として、あとどういうような要素があればよりよいという部分を、直接のステークホルダーとしてではなく、斜め右から、ぜひ――斜め上かな。御意見いただけますか。
【川越主査代理】 そうですね、政策として。
【狩野主査】 例えば配り方を、もっとこういう人を選んで配ったほうがいいとか、こういう機関を選んだほうがいいとか、あるいは配るときのお金の使い方として、こういうルール設定があったらもっとうまくいくとか、何かそういうこと、ございますか。
【川越主査代理】 それでいくと、今だと高校生が使えるお金という、高校生の研究に特化しているところが大部分です。そのため、もう少しゆとりを持って、例えば高校生と一緒に研究しているので、研究費全部出すのは難しくても、高校生だけではなく、その先生たちも一緒に研究しているんだとなるような、研究費的に使えるような予算配分だったり、使い方ができるとありがたいと思っています。
【狩野主査】 なるほど。ありがとうございました。
どうしましょうか、教育つながりでお願いいたしましょうか。登本先生、お願いします。
【登本委員】 ありがとうございます。2つの大学の状況を聞かせていただき、2大学がこのように取り組まれていることが、まず大変すばらしいと思いました。そこから私たちが学べることとして、今まで高大連携という形でいろいろな取組が進んできていますが、いよいよ小学校から大学までを、しっかりとつなげてしっかりと育てていく時がきたように考えます。もう部品はできてきていますので、初等中等教育から大学までをラインとして育てていくことが今後大切になってくると思いました。
今、小学校、中学校、高校と探究的な学習が進んできています。しかし、このように理系人材を育てるとなると、御存じのとおり多忙な小学校、中学校、高校の教員だけだとどうしても無理がございます。一方、大学の支援が早くから受けられるということは、とてもすばらしいことです。そのため、小学校から大学院、博士課程までの研究者育成という視点で、小学校からの連続した人材育成として捉えていけたらなと思います。
しかし、大学もそんなに何でもできるかというと、課題でも上がっていたように、何で大学が小学校、中学校、高校生を育てなければいけないのか、ということになります。また、大学では当然大学生に育ってもらわなければいけないので、大学の教育がおろそかになることは決してあってはなりません。大学生を育てるということが大学の一番の本務であることを大前提とする中で、今まで話に上がってきたような、大学がどうあったら初等中等教育を支援できる体制なのかを検討する必要があります。
その組織をいかにつくっていくかですが、今、大学の先生も大変多忙な中で、小学生、中学生、高校生を育てるとなると、その教員へのフィードバック、モチベーションを一体どうやって維持するのか。属人的なものにしないためには、組織対組織で、大学と教育委員会、企業や地域と、個人と個人ではなく、組織と組織で関われるようなシステムが必要です。
そういった点からも、本日ご紹介いただいたコンソーシアムは本当にすばらしいと思いました。そして、私たちは今、博士人材の育成も議論しておりますが、教員が全部やるということではなくて、博士課程の学生や大学生が育つ、成長するという中で携わってもらうことを、一緒に考えていくことができるのではないかと、これまでの議論を踏まえて思いました。
琉球大学の「これがあったからこそ進学を考えた」というフィードバックもすばらしい結果で、こうした指標もとても大事だと思いました。イベントの参加だけでなく、このプログラムによって大学に進学したですとか、進路に影響を与えているというところが今後も一つの評価指標になり、どういうところで大学が寄与したのかが追跡されて大学の一つの評価になると、また変わっていくのではないかと思いました。
もう1点、女子に関しては、保護者や教員や地域を巻き込んで行うことによって、これまで何回も話題に挙がったバイアスの問題も解消に向かうということを2大学の事例から学ばせていただきました。ありがとうございます。
【狩野主査】 ありがとうございました。いい意見をいただきました。ありがとうございます。
続いて、産業的な視点をぜひ入れていただきたいということで、理由としては、やっぱり国家財政の状況があんまりすてきではないので、最終的に税金を納められる人になっていただく層もぜひつくりたい気はするんですね。その中で、特に新しいことを始めるということは、それこそ水口さんのされているような会社スタイルで、産業を新しくつくる、経済を回していくというような方向の人材育成と、実は科学技術人材育成のやり方は似ている気がしているので、この意味でどういうことができるかをぜひお伺いしたく、さっきから目を見ています。梶原先生には、すみません、その次に伺います。
じゃあ先に水口先生、お願いします。
【水口委員】 ありがとうございます。そうですね、コメントにありました、「なぜ大学が小中高生を支援するのか」という疑問についてですが、恐らく現状の構造として、大学教員が小中高生を一方的に「指導する」形が多くなっているために、そのような疑問が生じているのかと思います。そうした捉え方は非常に重層的な機会損失であり、もったいないと感じております。先ほど先生からコメントがありましたように、例えば大学生や大学院生の教育・育成のプログラムに組み込んでしまうのが一案です。大学側が「指導する」というよりも、むしろ「小中高生から学ばせてもらう」という謙虚なスタンスをとることも必要だと感じます。小中高生がわくわくと興味を持てるようにサイエンスを分かりやすく伝える技術は、深く考えながら実践することで、学生自身の確かなスキルとして身につくはずです。また、教員が単独で行うのではなく、大学生がプロジェクトチームを組んで行う形がよいのではと感じます。例えば、回ごとにプロジェクトリーダーを交代で担当し、メンバーと協力しながらプロジェクトを成功させていく仕組みにすれば、リーダーシップの育成にもつながってくると思います。
さらに、この取組は企業側の研修にも活用できるのではないかと思っております。例えば新入社員研修において、自社製品の背景にあるサイエンスを子供たちに分かりやすく伝えるプログラムを課す形です。子供たちに熱心に聞いてもらえるよう自社について伝える場は、企業にとっても貴重であり、将来的な認知度の向上やCSR活動にもつながるため、メリットが生まれます。このように、学生の育成や企業側のニーズを組み合わせながらプログラムを構築することで、大学のリソースを過度に割くことなく持続可能な形で実施できるのではないかと考えております。
【狩野主査】 なるほど。今の最後の点は経営判断的な意味で、そこに投資したら回収ができるという可能性をある程度秘めないと、やっぱりCSRになっちゃうと思うんですけど、その意味で、より本業的にできる可能性はどの辺にあるでしょうか。
【水口委員】 そうですね、育成という観点において、「伝える」という技術は非常に重要だと捉えています。サイエンスをブリッジとしてコミュニケーションを図り、伝えていく能力は、企業側がチームで業務を進めていく上でもベースとなる極めて重要なスキルだと思っております。そのため、一般的な外部の研修講師を頼むよりも、こうした実験教室を小中高で企画・実施することを新入社員研修などに組み込む方が、より実践的な研修になると考えています。人材育成としても、より有意義なものになるのではと思います。
【狩野主査】 そこは、例えば国費を出すときを考えると、マッチングファンド的なところまで行ける感じはされますか。
【水口委員】 そこまで可能かは分かりませんが、この取組を一つの場として捉え、費用を支払ってでもその場を活用して研修を行いたいという企業は、地域に根差した企業を含めて存在すると思います。各地の大学や小中高に近い場所にある企業を募りながらそうした場を設けることで、それぞれが地域ごとにエコシステムを構築していくというイメージです。
【狩野主査】 なるほど。ありがとうございました。
では続いて、梶原先生、ぜひ何か、今日御出席の委員のなかでの締めの言葉として、お願いいたします。
【梶原委員】 難しいですよね。冒頭御質問された方と同じで、琉球大学と金沢大学の方には質問として伺いたいと思っていたのが、企業から御負担をしていただいている部分はありますかということです。このSTELLAのプログラムが終わった後、企業からという表現もありましたが、今の見込みとか、どうすると実現しそうだというのがあればというのをちょっと伺いたいと思いました。それが一つのキーになるような気がします。
企業側としては、やはりこれからの人材輩出という意味でいうと、STEAM教育を受けた、あるいはSTEAMの素養を持っている子供たちが輩出されて社会人になるということを期待しているところがあります。前も言ったかもしれませんけど、5年ほど経つと思いますけど、一般社団法人学びのイノベーション・プラットフォームというのをつくって、産官学での協働でSTEAM人材を育成しましょうというプログラムを組んでいます。東京大学で毎年サマーキャンプをやっていて、川越先生もよく御存じだと思いますけれども、そういった形で企業から見たときに、やはりそういう人材が重要だからという取組をやっていますので、先ほどどうやってこのSTELLAの対象になる人たちに訴求し、呼び込むのか、リーチしているのかというところは、そういったプラットフォームがあるので活用するといいと思います。実際どうしていますかというのを同じように伺いたいと思いました。
訴求の話をすると、多分77大学が会員として入っていらっしゃいますし、金沢大学も入っていらっしゃいます。沖縄でいうと、44の自治体が入っていて、沖縄も教育委員会が参加されている状況があるので、関心としてはそれなりのネットワークの層はできています。企業側の数はまだ三十五、六ですけど、関心は皆さん、人材としての重要性を感じてやっています。ただ、そこで教育というか協力できるのは、恐らくそんな長い期間の子供たちへの指導だとか教育とかというよりも、スポットだったり短期間だったりする部分があるので、STELLAでやっているようなプログラムとはちょっとレベルが違うかもしれませんが、産業界としての期待値は、もうSTEAMの人材が欲しいというのは明らかにあるというのはちょっとお伝えしたいと思いました。
また、大学がどうしてここをやらなきゃいけないのかということの理解をどう進めるかですけど、やりたいということに対しての、まさに文科省がそういうことに取り組んでいることに理解を示すとか、理解をするがゆえに、対象の機関、大学の機関に対する評価のポイントを、研究論文以外に、こういう取組を推進している大学に対して多大な評価を与えるとか、そういうことをしていってもいいのではと文科省にちょっと言いたいと思いました。
先ほどマネジメント人材と技術職員のガイドラインをつくったという話をしていますけれども、実際にマネジメント人材とか技術職員の必要性とか重要性に対してビジビリティーを高めるにはどうしたらいいのかの一つとして、数年前から話題になって、今実現できているのがあります。それが年1回の文部科学大臣の表彰制度の一つの領域に、今までの領域に加えてマネジメント人材や技術職員、そういう人たちを表彰する表彰制度が設けられたことです。実際それが動き出すのに、話題になってから実現するのに時間が掛かりましたが、ビジビリティーを高めて、そこに対する価値を見せるという意味でいうと、そういったやり方もあるかなと思って聞いていました。
以上です。
【狩野主査】 大変中身の濃いお話で、ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思いました。例えば前に別のワーキング・グループでやってみたこととしては、ワーキング・グループメンバーの総意として何かメッセージを発するのもありかもしれませんので、もし文部科学省の本体で動きにくかったら、ここの委員会の委員の人の総意として、こういうのをやっていくのは大事だよとかいうメッセージを発するというのもあるかもしれませんね。
あと私が一応もうちょっと加えてみたかったのは、一つはやっぱり、何で大学かということです。日本社会って、「過去や他人との同じ点を通じてほかの人に資する」ということを大事にする文化圏だと思っているんです。そのなかで、大学という場所は珍しく、「過去や他者との違いを大事にして」ということを言っていますよね。だから多分、ほかの社会の機能要素では「過去や他者との違いを通じて、ほかの人に資する」という教育はなかなかしにくいが、そこを大学が関わらないと日本社会の中では難しいんじゃないかということを思っています。ゆえに、企業の中でもそういうセンスがよりあるところとしてのスタートアップは近いかもしれないけど、そうじゃないところが主に動いているところだと乗りにくいこともあるかもしれないし、だからこそ、そこではこの意味での人材育成が起きにくいこともあるかもしれない。「自他の違いを通じた他者貢献」という意味での人材育成が広がっていくために、差し当たり大学に依頼するしかないのではないかなと思うのが一つございます。
もう一つ、AIの話が最近たくさん出ているんですけど、この領域でももしかしたら、これは教育なので、教育におけるAIの活用という視点があり得るかもしれないという気がします。ただそのときに、今申し上げた、「ほかの人や過去と同じであるなかで効率だけいい」というのを目指すためにAIを使うと、AIそのものの性質と同じになってしまう。ですから、AIの使い方としては、どうやったらほかの人と違えるかというところに対してAIを使えるような何かデータベースをつくるなり、そのデータベースは、例えば文部科学省が少し所管してくださって、いろんな大学の知恵が入ってくるなりということに対するお金の使い方もあるのかな、というのは思ったりして聞いておりました。
以上2点でしたが、では、いただいた中に含まれていた御質問のお答えをお願いできたらと思います。振り返りますと、「STELLAの大学組織の中での位置づけについて、さっきいいお話を伺ったけれど難しいんじゃないですか」という御質問とか、それからあと「STELLAに参加してくれる人を増やすにはどうしたらいいか」、例えばさっき申し上げたようなことで、受験戦争の中で勝ち抜いてきた人たちに、もう一回ここに来てほしいと言ってもなかなか、というのはあったりするんだと思いますけど、あるいは保護者の皆様の期待に背いてみたいな、そこを越えてでも入ってこれるようにするためのアピールはどうしたらいいか。今の話に関係して、「保護者、関係者の意識をどういうふうに変化し得るか」、それから「企業側からの負担額があるか」あたりをお伺いできたらということが残ったと思っております。
その辺りについていかがでしょうか、琉球大学、宮國先生、または金沢大学、本田先生、何かお答えくださることがありましたら、お願いできますでしょうか。順番どうしましょうか、先に琉球大からお願いしましょうか。お願いします。
【宮國特命准教授】 実は質問が多くてメモが取り切れていなくて、まず1個ずつ質問に回答したいと思うんですけども、最初の質問は何でしたでしょうか。
【狩野主査】 まずSTELLAの大学組織内での位置づけというのがなかなか、うまくいっているようだったけれども、難しいときもあるんじゃないですかと、よりほかの大学も眺めたときに、どういうふうな位置づけをこのSTELLAにしてもらったらいいかというか、大学内でしてもらったらいいかというところはどうでしょうか。
【宮國特命准教授】 本学の取組としては、本学ではこのSTELLAプログラムというか、次世代人材育成事業を大学の中期目標、中期計画のほうに入れさせていただいて、それで大学としても実施するということを進めています。そういう形で比較的、大学としても、学長にも全部説明して、こういう取組が今後も重要であるということは御理解いただいているという形です。そういったものを背景に、あと学内の先生方には、まずこれは無理強いすることはできませんので、こういった取組に理解のある教員の先生方にまずはお声かけをして、そういったネットワークを引き続きつくっていきながら、協力者を増やしていっているという感じになります。
このような回答でもよろしいでしょうか。
【狩野主査】 十分です。ありがとうございます。
その次の質問は、STELLA事業に来てくれる子供、あるいはその親に対するアピールはどのようにされていますでしょうか。
【宮國特命准教授】 我々応募時点では、特にSTELLAプログラムに関してですが、受講生だけじゃなくて、保護者のメールアドレス等も持っていて、例えば追跡調査等を行ったり活動報告を行う場合には保護者にもメールを送っています。特に追跡調査を行うときには、この10年間の歩みみたいなものを簡単なメッセージとして保護者にも送ったりだとかをしながら、仲間を増やしていく、御理解いただくという形になっています。
ただ、ちょっと今回の話の中で懸念としてあった、本来届けたい層という、やはりこの受講生は意識高い親に届いている状態である一方で、恐らく本当に届かせなければいけない、こういったアンテナがまだ張られていない人たちにどのように届けるかというのはやっぱり大きな課題となっていまして、そういったものについては今、N-E.X.Tハイスクール構想とかの関連で、ちょっと高校さんとも連携していますけど、そういった中で保護者向けの情報を提供したりということも、保護者教育というか、そういうのも必要になってくるんじゃないかなというふうに思うんですよね。一般向けにはサイエンスソウゾウ部でブース出展等もやってはいるんですけども、一方で、やはりこっちに来る子、親自体がそもそも意識高いという状態なので、どうやって本来届けたい層に届けるのか、やっぱり引き続きの課題かなというふうに思っております。
【狩野主査】 ありがとうございます。もう一つあるとすると、今されている事業内で企業様からの金銭的な支援もあるでしょうか。
【宮國特命准教授】 はっきり言いますと、金銭的な支援等はいただいていないという状態です。連携企業の方々に、授業提供等についてはいただいているという形でいますが、金銭等の支援はまだないという形です。
ただ一方で、近年ちょっと沖縄県内の経済同友会と情報共有をしまして、お話のところも大変興味を持っていただいたと。県内企業にも就職している例などもあるということをお伝えしながら、そういった中で、今現在、地域企業の理解だったり、このプログラムの効果というのを説明しながら、関係をちょっと深めようとしている段階です。
どうしても、やっぱりこのプログラム、10年ぐらいかかるんですよ。そういった層が出て、追跡調査をやって、そこが企業に入っているという。逆に、そういう方が入っているということが分かると、企業さんとしても理解を得やすかったりするのかなという形で、今その下地の話をしているという形になります。
【狩野主査】 ありがとうございました。多分、今のタイムスパンの話は、政策をつくられる側にも大変大事なメッセージで、3年事業とかじゃ駄目ですよと言っておかないといけないということですよね。ありがとうございます。
お待たせしました、本田先生も、何か加えてくださることがございましたら。あるいは、違う意見がございましたらお願いします。
【本田学長補佐】 ありがとうございます。金沢大学です。まず、本プログラムの学内での位置づけについてですが、私どもの大学では学長、執行部が本プログラムに対しての理解が深いということもありまして、学長が日頃あらゆる場で、小中高大院一気通貫ということをお話しされますので、学内に関しましては、その一つがSTELLAプログラムであるという認識がありまして、私ども担当者が動きやすいというような状況でございます。
それから、報告の中で御説明させていただきました、私どもの特徴の一つ大きなものですけれども、特別入試の出願資格を与えているというところが大きなところでございます。それに関連しているということもありますので、ちょっと打算的な話になるかもしれません。実際、受講生からどうなんですかという話は聞いたことはないのですが、やはり、特別入試の出願資格を狙ってこのプログラムに手を挙げてくるということもあります。
それから、このプログラムに入ってもらう際の保護者への意識づけというのか、そういったことに関しましては、私ども、募集をかける際に、地域の教育委員会が管轄する小中学校だとか、あと博物館、そういったところにお知らせを流して募集をかけているんですが、もちろん、研究してみたいという興味のある小中学生もおりますが、程度は、ちょっと割合は言えないんですけれども、やはり先ほど琉球大学さんが言われたとおり、保護者のほうが力が入っているということもありまして、そこをどう抑えるかという問題もあるんですけれども、そういったこともありますので、保護者の方が、やはり塾では学べないような、塾でこういった研究というのはなかなかできないということもありますので、そこら辺を狙って自分の御子息、御息女を推してくるというようなことはあります。
それから3つ目のお話で、企業様との関係についてですが、まだ具体的に金品を頂戴するというようなことはないのですが、企業様側から、例えば海外に研修に行くだとか、発表するだとか、そういったときの旅費を補助することができるというようなお話は具体的にいただいておりますし、私どもとしましては、フィールドワークに出かけるときのそういった面でも補助ができないかというようなことを相談しているところです。
企業様のメリットとしましては、私どもの説明にも途中入れさせてもらったのですが、例えば企業名が入った賞を授賞という形で、受講生に、そういう活動をすることで企業名が小さいうちから知れるということもありますし、そういう意味で、特にBtoBの企業様等ですと、なかなか大学生でも知らないというような企業でも、小さいうちから知っているというようなこともあります。
それから、企業様との関わりに関しましては、例えば工場見学をさせていただくだとか、あと企業の研究者、博士人材が、企業目線から利益を追求するだとか、あと人の役に立つ、そういった研究というのはどういうふうに行うのか、私たち大学人ではない発想で講演をしていただくだとか授業をしていただく、そういう関わり合いができませんかということを、今打合せしているところでございます。
その結果、はっきりと企業側の方が述べられるわけではないのですが、やはり宣伝にもつながるということもありまして、先ほど私、最後のほうに述べさせてもらいました、出資は企業、人材育成は私たち、そして、育った人材が企業に根づいて、その働いた企業からまた出資がいただけてというような好循環をつくっていければというふうに考えております。
以上です。
【狩野主査】 大変すてきなお答えをいただきまして、ありがとうございました。
おっしゃるとおりで、我々公共セクターで生きている人は、どうしてもほかの皆様がお支払いくださいました税金で生かしていただいていますので、その循環も増えないと我々も生きていけないところがありまして、ぜひ御一緒にという気持ちで伺いました。ありがとうございます。
事務局は、何かお返事されたくなった内容はありますか。
【白川人材政策課課長補佐】 両大学様には本当に端的ながら非常に充実した御発表、応答をいただきまして、また、本日、委員の皆様からは本当にたくさんのそれぞれのお立場からの御示唆をいただいたと思っておりますので、今日の御議論を踏まえて、引き続きよりよい政策につなげていけるように頑張りたいと思います。ありがとうございました。
【狩野主査】 決意表明をいただきました。
では、議題1についてはこのぐらいでよろしいでしょうか。
【本田学長補佐】 すみません、一つよろしいでしょうか。今お時間いただいて、先ほど委員の先生方からもいろいろお話がありましたけれども、リスキリング・リカレントというのが大学の使命であるということはもう周知の事実になっておりますが、こういう次世代育成事業もやはり大学の取組の一つであるということを公に発信していただいて、また、それを評価していただくような、そういった機会をつくっていただけると、私たちもすごく動きやすいという実情があります。すみません、時間が長くなりまして。
【狩野主査】 とんでもございません。大変重要な提案をいただきました。また、先ほどございました学生の皆さんに関わっていただくといったときに、社会人学生の皆さんに関わっていただくのも大変重要かもしれないということも、今お伺いしながら思い出したところでございました。大変ありがとうございます。
まだもう少しあるのかもしれませんが、ちょうど予定した時間になってしまいましたので、議題1については、今日はこの辺りにさせていただきまして、議題2に移りたいと思います。
お話しくださったお二方の先生方におかれましては、そのまま傍聴いただいても結構でございますので、もし御興味がありましたら残っていただいても結構でございます。ありがとうございました。今日は本当によいお話をいただきました。
【本田学長補佐】 ありがとうございました。
【狩野主査】 ありがとうございました。
では、続いて議題の2に参ります。今後の博士後期課程学生の支援の在り方についてというお話になります。
こちらについても、初めに事務局からの御説明をいただきたいと思いますが、最初に髙橋さんからでしょうか、お願いいたします。
【髙橋人材政策課課長補佐】 ありがとうございます。それでは、次の議題につきまして、資料2を御覧ください。また、関連する資料を参考資料2としても入れておりますので、適宜御参照いただければと思います。
それでは、一枚おめくりいただきまして、第7期科学技術・イノベーション基本計画における目標になります。こちらについては、前回の会議の際にも途中経過として御報告、御紹介しましたけれども、最終的に3月末に閣議決定されました。
その具体的な目標としましては、博士課程入学者数及び博士号取得者数について、2030年度末までに2万人にするという目標となっております。
下の棒グラフにつきましては、入学者数の推移を表したものになります。直近、特にここ4年ぐらい、順調に増加してきておりまして、この傾向を第7期についても継続、さらには伸ばしていくということで、この目標達成を目指したいということになります。
次のページお願いいたします。具体的にその目標達成に当たって、第7期における博士の記述がこちらになります。主なところが太字・下線になっています。
特別研究員(DC)や次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)などにより、経済的支援を一層充実させるとともに、博士人材のインターンシップ拡充など、産業界との連携を強化しつつ、産業界でも活躍できる人材の育成も見据えた大学院教育の充実を図ると。
そして、次の段落において、多様な財源を活用した博士後期課程学生の給与の支給により、研究者としての雇用を進めるということを書いているところです。
本日は、こういった方向性の下で、より具体的にどうしていったらいいのかということについて御意見をいただければと思っております。
次のページを御覧ください。少し振り返りになりますけれども、これまで第6期の期間中、博士支援を充実してきておりまして、主な3つの施策というのをこちらに書いております。
左上の丸1が個人支援という形で、特別研究員事業(DC)について、生活費や研究費を支援してきております。また、特に第6期中に拡充した事業として右側の2番、機関を通じた支援ということで、SPRINGを書いております。また、左下については、リサーチアシスタント(RA)としての支援ということで、代表的な取組である創発的研究支援事業を書いているところです。こういった大きな3つの柱で、これまで進めてきたところです。
その結果・状況について、次のページを御覧ください。生活費相当額(180万円以上)を受給する学生の割合ということで、左の棒グラフの下から2つ目、3つ目を見ていただければと思いますが、180万円以上もらう方というのが全体の16.9%となっておりまして、推移で見ますと右の棒グラフで、左の平成31年のときは10.1%だったところ、令和3年は16.9%と増えてきていると。
さらに直近の状況として、令和6年度、今まさに調査をしているところでして、今数字を精査しているので、本日の資料としては御準備できていないんですけれども、順調にこの割合というのは増えてきているという状況になります。
次のページをお願いいたします。他方で、この支援が拡充されてきたところとして、主にやはりSPRINGになります。先ほど第7期でも書かれていたRA給与の支給ということについては、この左の円グラフの特にオレンジのところにありますとおり、TA業務あるいはRA業務、どちらにも従事していなかったという方が6割となっておりまして、平成31年からの傾向を見ても、あまり増えていないという状況です。この傾向は、また令和6年度の状況についても同じということです。
また、金額につきましても、右上の棒グラフにありますとおり、年間20から40万円未満ということで、生活費相当額には及ばないというのが、このRAあるいはTAの状況となっています。
本日、最新の状況をお見せできなかったので、別の調査にはなりますが、次のページになります。こちらは令和6年度の別の調査になりまして、ちょっと棒グラフがたくさんあって見づらいんですけれども、一番右の棒グラフが平均になっています。上半分の収入のところの特にオレンジの箇所が、TA・RAの報酬となっておりまして、おおむね20万円から40万円ということで、直近の状況を別の調査から見ても、先ほどの一個前のページと同じという状況になっております。
このRA支援の充実については、こういった金銭面的な面ももちろんあろうかと思うんですけれども、それだけではなくて、進学に当たってのポイントでもあるかと思っています。
次のページをお願いいたします。こちらは、博士課程進学ではなく就職を選んだ理由ということで、一番上の「経済的に自立したい」という回答が66.2%と一番多くなっております。
収入あるいは金銭面的な意味合いもあろうかと思うんですけれども、友人、周りの方が、学部あるいは修士課程で卒業して働いて給与を得ていく中で、博士課程に進んだ方は経済的に自立していないということを感じるのかなと思っておりまして、そういった面からも、RAの雇用促進ということは重要かと思っています。
次のページをお願いいたします。こういった方向性が第7期として示されているところで、まだ4月、今5月ですけれども、差し当たって政府として取組を一つ進めておりまして、御紹介になります。
競争的研究費におけるRA経費等の適正な支出の促進についてという、関係府省の申合せというのがございます。第6期科学技術・イノベーション基本計画ができた際に策定をしたものではございますけれども、先ほど御紹介した状況を踏まえても、さらに促進する必要があるだろうと考えまして、第7期の内容も踏まえた改正を4月28日に早速行いましたので、御紹介です。
最後のページになりますけれども、第7期、先ほど御紹介した記述に対して、より具体的に、今後どういった方向で取り組んでいったらいいのかというものを箇条書で書いています。
まず上半分、DCやSPRINGなどによる経済的支援の一層の充実。そして、博士人材のインターンシップ拡充に対して、4つ丸を書いています。
1つ目について、まずDCの支援人数を維持・拡充しつつ、単価増と。こちらは年末にも御議論いただいたところですが、令和8年度の予算としては、DCの月額単価を20万円から22.7万円という形で増やすことが、おかげさまでできました。この形について、さらに引き続き方向性としては検討していくということが一つと。
次の丸のSPRINGにつきましては、まさに今、新制度ということで、留学生に対しての生活費支援をやめるということと、あと、社会人博士に対して研究費を支援する、こういった新たな新制度の見直しの、今公募を実施しているところですので、今後、採択及び事業を運営していく中で、しっかりと移行していくということを書いています。
また、インターンシップについては、様々民間でも取組はあるかと思うんですけれども、政府として取り組んでいることとして、ジョブ型研究インターンシップというものがあります。こちらは、1か月2か月の長期かつ有給のインターンシップを促進する事業でして、マッチングであるとかを今行っているところです。
一方で、登録者数は増えてきたりはしている一方で、なかなか学生の応募、あるいは企業からのジョブディスクリプションの提案がなかなか少なく、さらに結果としてマッチングも伸び悩んでいるという状況にありますので、より活用が進むように、この取組の見直しであるとかを今後進めていきたいと思っています。
また、4つ目として、社会に対しての理解促進ということで、「未来の博士フェス」というイベントを、文科省主催で過去3回実施してきております。これまでは、初めての取組ということもありまして、いろんなことを盛り込みながら取り組んできたところですけれども、もう少し中長期的に取り組むという中で、毎年毎年、少し対象を絞りながら、サブテーマのようなものを設けながらやっていきたいと思っております。
差し当たって今年度につきましては、小さい字で書いていますけれども、9月25日、東京国際フォーラムで開催することを決定いたしましたので、この場で御紹介になります。特設サイトなどは今後オープンしていきますけれども、日時、場所についてはこちらになります。
本日、特に御議論いただきたいRAについては、下半分に書いています。博士後期課程学生の支援の全体像として、さらなる支援規模の拡大に当たって、SPRINGやDCの充実に加えまして、大学による研究者としての雇用拡大に向けた取組を強化していくと。
こちらは先ほどの自立というところと関わりますけれども、支援を施される者としてではなくて、雇用されて、しっかりとその対価として給与をもらっていくということで、社会に価値を生み出す者としての位置づけを明確にすることで、いい意味での大学間あるいは大学企業間での獲得競争が生まれるように、学生の労働市場の創出というのを目指していってはどうかということを書いています。
こういった形を実現するに当たっての取組を検討していく中で、先ほどの申合せの改正というのを行いましたし、早速ではありますけれども、当課の新規事業であります産業・科学革新人材事業(INSIGHT)、まさに同日公募を開始したんですけれども、そこで早速盛り込んでおりまして、こういった事業を皮切りに、各競争的研究費にも反映していくということを書いています。
一方で、最後の矢羽根になりますけれども、先ほどの調査などで、マクロな状況として一定の状況は分かってはいるんですけれども、実は各事業であるとか、あるいは各大学において、RA雇用の状況というのは明らかにはなっていないところから、そこは最低限、まずは取り組みたいと思っているところです。
一方で、こういった形を進めるに当たっての現場における課題であるとか、それに対する打ち手などについて、ぜひ本日御議論いただきたいと思っております。
前半の議題でも少し出ていましたけれど、探究の学習に学生が関わるという観点で、TA・RA、雇用形態は何であれ、そういった形もあるのかなというふうに議論を拝聴していて思いました。
以上になります。よろしくお願いします。
【狩野主査】 ありがとうございます。内容を伺っていまして、人材政策課の皆様の御尽力に感謝したくなる内容でございました。ありがとうございます。感謝したくなるというか、感謝しております。ありがとうございます。
こちらのRAなんですけれど、私の印象からすると、何の対価なのかという定義がもう少しクリアになってもいいかなと思うときがあります。理由としては、先ほど申し上げた日本社会の立てつけからいって、効率よくほかの人と同じことをこなすことに対する対価はたくさん世の中にある。けれども、自分が楽しくて、ほかの人と違っているけど、だから役に立つことに対して対価が来るって、あんまり何か見かけないような設定だからなのかなと思うときもあるんです。でもそういうところがこのお金の対価なんだということを、例えば公式に出すということで先に進んだりしないかしらなんていうことを、個人的には思っておりました。
すみません、先走って申し上げましたけれど、ということで、皆様の御意見を頂戴したいと思います。直接雇用主になりそうな先生方から伺うのはどうでしょうか。
川越先生、どうですか。
【川越主査代理】 ありがとうございます。まず、RAは学生にとってすごくありがたいという声も聞きます。そういった中で、運営費からは難しくて、競争的資金から出しているとなると、安定性がないというのが課題だと思っています。
研究費、競争的資金が終わるとRAも終わってしまうとなると、学生は大学院に3年間とか通っている中だと、次どうしようということになります。年度単位だと学生としての生活設計といったところも難しくなるので、ある程度、3年とか、学生が在籍している間は安定的に使えるような、そういった安定性はすごく大事じゃないかと感じています。
もう1点が、これは質問でもあるのですが、先ほど、この資料の最後にRA雇用の状況の把握というのがありました。このTA・RA業務どちらにも従事していなかったという方の、その理由がどういうところにあるのかというのも調べていただけるといいかなと思いました。
そもそも大学として財源がなくて応募する機会がなかったのか、自分でやりたかったけれどできなかったのか、そもそも必要なかったのかという、多分いろんなパターンがあって、それによっても、どういった経費をどのくらいの金額で設定するかも変わると思うので、その辺りも一緒に把握できるといいかなと感じました。
以上です。
【狩野主査】 ありがとうございます。
質問は今お答えになりますか。後に溜めましょうか。
【髙橋人材政策課課長補佐】 調査に当たっては、いただいた点も踏まえて考えたいと思います。
【狩野主査】 ありがとうございます。
ちょうど原田先生、次お願いしようと思っていました。お願いします。
【原田委員】 ありがとうございます。優秀な人材には、学部卒業後、すぐに就職してしまうのではなく、大学院は魅力があると映るよう、政策として、博士後期課程だけではなくて、修士課程と加えて全体を一つのパッケージにして、RA制度をつくっていくということがあってもいいんじゃないかと思います。
経済的な不安を払拭するということが大変重要と思うのは、アンケートの結果からも出ていますから、若いうちから多くの優秀な人材を大学院、博士課程進学に向かせるインセンティブには絶対なるはずなので、そこを何とか政策的にできないかなというふうに思いました。
財源について、大学ファンドの運用益に加え、例えば産業界などの多様なステークホルダーを巻き込み財源の多様化を図っていくことが必要と思っています。
具体例として、私の研究室の例ですが、今度の秋に、燃料系の会社から博士後期課程の学生がやってきます。彼は最初から博士後期に進学したかったようですが、経済的に自立したいため先に就職を決め、就職先の企業として社会人大学院生に理解のある制度を多く持つ企業を選択して、修士課程を卒業後、1年間のブランクで私の研究室に博士後期の進学を決めた学生です。
私の研究室は極域における基礎研究を実施しているので、すぐにもうけられる分野では全くないんです。ただし、極限環境下ということもあって、特異的な有用化学物質の探索など、特に会社に頼まれたわけではありませんが、企業にも、大学院生に給料を支払うことがインセンティブになるかもしれないテーマを考えていくということは十分に可能ですので、学生が企業人として、その会社の成長ですとか発展に貢献し得るテーマを選んでいく、指導教官側も一生懸命考えていくということができるんじゃないかと思っています。
私たち大学側としても、そういった社会のニーズ・動向など、アンテナを張りながら、1人でも多くの大学院生を企業のお金で育てていただくということをしていただけるように知恵を絞っている最中なので、こういった指導教官の社会人材育成の取組、事例とか情報を、産業界に提供していく、両者間を結びつけるようなイベントを定期的に開催していくといったような取組があってもいいのではと思いました。
以上です。
【狩野主査】 ありがとうございます。原田先生の魅力が、またはその研究室の魅力を感じさせていただく内容でございました。ありがとうございます。
もう一つちょっと思うのは、日本社会として、遠い未来への有用感についても理解が広まるような取組ももちろん必要だと思うし、それとともに、遠い未来だけを目指しているかもしれない方々が近い未来に対しても理解をすると、両方が要るのかなということを、伺いながら思っておりました。ありがとうございます。
では、永井先生、どうぞお願いします。
【永井委員】 ありがとうございます。資料、本当に分かりやすく説明していただいてありがとうございました。博士後期課程人材に関しましては、博士後期課程学生に関しての3つの柱というのが非常にいい効果を現しているということが確認できました。
また、これを社会全体がポジティブに受け取っていただけるような、この施策あるいは政策の効果というものをもっとアピールする必要もあるのかなと思っております。博士後期課程学生の支援はいかなる人にとっても関係あることなんだというふうに受け止めていただけるといいなと、よりよいことだと思っています。科学技術というものの社会的な意味や、こうした人材が未来、つまり誰もが生きている社会を形成していくうえでの非常に強い力になっているというふうに、そういうストーリーが行き渡るといいなと思っております。
先ほど原田先生がおっしゃったとおり、博士に進学したいという人の気持ちを後押しするような活動につながるような資金が必要だと思っていますので、修士あるいは博士前期課程学生も十分な経済支援が受けられるようにも考えていく必要があると思っています。
RAに関しましては、やはり取り組む内容の質のほうも議論に入れていく必要があるなと思っていまして、例えば先ほどの次世代人材育成のように、小中高で活躍する、大学の外で活動する方々に対しても、RAとしてきちんと支給するとか、あるいはTAの立場になるのか。そして、TA・RAというのはきちんと研修を受けて、その人の基本的なキャリアパスの基盤となるような経験が積まれていくということを組織的に行わなきゃいけないと思っているのですが、やはり個々の大学が取り組むというよりも、全体を取りまとめるような一つの機能が社会に必要なんじゃないかなと、最近強く思っています。一つ一つの取組というものがまとまったときに、本当に大きな力を発揮するんじゃないかなと思っているんです。
具体的な話をしますと、例えば多様な財源というのは非常に重要だと思うし、もう欠かせないと思うんですけれども、それをマネージする大学側というのは、財源ごとに違う仕組みで取り扱わなければいけないとか、個々の違う連絡が、1人の学生のところに3本も4本も連絡が来て、しかもその計算方式も違う、取扱いも違うなんていうことが起きるのが現状です。お金を受け取るんだから当然だろうという考えではなく、それを一つの財源にちゃんとまとめた上で、それにアプライする学生たちが大学を通すことなく受け取れるような仕組みになっていればもっと合理的なんじゃないかなとか、もっと改善策ってあると思っているんです。
そうしていかないと、やはり社会の中で定着した機能になっていかないおそれもありまして、かつ、それに関わっているいろいろな労力というものが研究時間を損なうものであったり、あるいは、大学のいろいろなマネジメント人材であるとか事務の方々の手間になってしまってはよろしくないんじゃないかなと思うので、日本という、非常にバランスよくシステムや機能を共有できる国だからこそ、あり得るような形が必要だと思っています。
端的に言うと、大学に入ってから、その大学を通して支給されるのではなく、大学院で学びたいと思う学生がいれば、その人が資金に直接手を挙げられる。それを獲得した上で大学を選ぶとか、そういう順番があってもいいと思うんですよ。
例えば前期課程と後期課程の間で就職したけれども、1年間ぐらい自分の進路というものを検討するときに、その時点では約束されないわけですから、進学しようとはなかなか思わないわけですよね。だけれども、あるところにアプライして、自分が十分な進学資金を得ることができたら、それこそ自分が行くべき大学の門をたたくとか、そういう個人個人のキャリアを重視した柔軟な仕組みに、これから発展していくといいなと思っている次第です。
なぜそう思うかというと、博士後期課程の支援の取組がきちんと効果を現しているという一つの確信が持てたところから、よりよい制度というものがもっとあるんじゃないかという意見です。
以上です。
【狩野主査】 ありがとうございました。永井先生はあちこちの国に行かれて、いろんな経験をされた上での御発言なので、とても迫力があって伺いました。ありがとうございます。
他方で、多分大学を法人化したときに感じておられた、文科省側がどこまで関わっていいのかという気持ちや、それから、大きな政府的な方向性に対する国際的社会の情勢とか、いろんなことがあって今に至っていると思うんです。それをどこまで政府が関わることで、どこから先は個別にやるかということのリデザインが、もしかして要るかなと思いながら伺いました。ただ、なかなか大きな話なので、頑張りましょうみたいな話ですね。ありがとうございました。
では、続いてどなたか、いかがでしょうか。
どうぞ。
【登本委員】 最初の資料の1ページ目の「博士人材2万人に向けて」に関し、改めてこのグラフを拝見して、15年からの変化を見てみますと、2万人に向けてグラフの青色のところをもっと伸ばしていくこと、社会人・留学生は伸びてきているわけですが、この支援によって社会人以外のところが今ちょうど伸びてきていて、でも以前に比べると落ちており、ここをもっと見ていかなければいけないのではないかと思いました。
それに当たって、7ページの進学を選ばず、就職を選んだ理由を見ますと、「経済的に自立したい」「社会に出て仕事をしたい」という理由が上位を占めています。3番目の「経済的見通しが立たない」ということよりも上位なのです。先ほどもお話にありましたが、「経済的に自立したい」「社会に出て仕事をしたい」のほうが上位ということは、大学の研究者にどうしてもなりたいという気持ちや、企業に就職するにあたっても、企業で活躍するには博士号があったほうが活躍できるという見通しがないと博士号の取得の道を怖くて選べないということがあるかと存じます。どんなに支援が得られたとしても、大学の研究者が食べていくことができないような職ではなく、企業に進むにしてもその手前で博士号を取得することがリスクではなくメリットとして見えていく必要があると思いました。
先ほどの前半の議論に戻りますが、憧れの職業になってほしいという点から考えると、初等中等教育からの連続性が欠かせないなと思います。先ほどRA・TAの対価という話もありましたが、初等中等教育で教育に携わってもらえると、初等中等の児童生徒が、遠い存在ではなくて身近な、自分と一緒の空間で過ごす機会を通して、早いうちから「あのようになりたい」と強く思ってくれることにもつながるのではないかと思いました。
また、先ほどの金沢大学の資料の中に、ジュニアコースとシニアコースにルーブリックがありましたが、例えばジュニアコースで、知識・技能だけではなく、発想力、活用力、思考力、主体性や探究力も見ている点が面白いと思いました。小学校、中学校、高校のときから新たなことに挑戦したり、粘り強く取り組んだり、発想するということは面白いということを早いうちから感じてもらって、早いうちにこういった人材になりたいなということ、研究者になりたい、そこに人生をかけてやっていきたいと思ってもらえるような、小学校からのパッケージが必要になってくると思いました。
もう1点、中間まとめのときに、科学技術人材というのは理工系だけではなく、人文系も含むという一文を入れていただきましたが、科学技術人材と聞くと理工系だけの話なのかと思ってしまうところがあります。でも、これだけ生成AIが進む時代、全ての学問の専門性を高めていかなければならないと思うので、見せ方が理工系だけになってしまうと間口を狭めてしまうように思います。また、全ての学問の素養として科学技術があり、ELSIや地域課題を、そのほかいろいろな課題を解決していくには、様々な分野の学問が必要になってきます。理系人材だけではなく、人文社会も含めて、博士課程の人材を育てていくということが打ち出していけると、この2万人ももっと見えてくるのかなと思いました。
【狩野主査】 一々全くごもっともと存じましてお伺いしておりました。ぜひ科学技術・学術政策局も、人文社会も含めて担いでいただきたいということだと思います。ありがとうございます。
引き続き、どなたかぜひお願いできますか。
尾上先生、どうぞお願いします。
【尾上委員】 尾上です。ありがとうございます。
2点ありまして、一番最初のお話ともあったんですけども、これ、TA・RA両方従事していないというデータのところなんですけれど、これ多分、SPRINGの奨励金というのはTA・RAじゃない扱いで色が分けられていると思うので、奨励金だけもらっているような人は、本人はそう思っていないのかもしれませんけども、研究者、教員側、先生方から見るともういいかという、そういうロジックで、その人たちはこの黄色に入っちゃっているんだと思うんです。
だから、実際には研究奨励金としてもらっているので、ちょっとRAとは違いますけども、やっぱり研究に対する対価、あるいはそれを奨励するお金としてもらえているということでいうと、そこはちょっと補正する必要があるかなと思っています。
今回の基本計画に、やはり多様な財源というところと、研究者として博士後期課程の学生の雇用を進めると書いていただいたというのはすごく重要だと僕は思っていまして、そこの部分というのがもっと具体化していくというところが、今後望まれると。
これはINSIGHT事業でもいろいろ検討いただいているところだと思いますし、あるいは、例えばBOOST事業がAIとか情報人材というのを対象としたものであったところなんでしょうけども、ここがやはり今後、国家重要技術の領域に拡大していくであるとか、そんなところもやっていく。これは文科省だけではなくて、多分経産省も絡んでということになると思うんですけども、そういうところに進んでいくと、先ほどのSPRINGの奨励金レベルでもういいか、で終わらなくなってしまうと思うので、そうすると、結局そういう、先ほどの「経済的に自立したい」というところも見据えるわけなので、それが一気に全員にというわけにはいかないと思うんですけども、そういう成功しているモデルというか、博士後期課程学生のモデルというのをできるだけつくっていくというのが大事かなと思っています。
そのときには、さっきの多様な財源というのが結局気になってくるんですが、先ほど永井先生がおっしゃっていただいたところは、本当に解決していかないといけないんだなと思っています。もちろん、税金の問題とか税務処理の問題とかがあるので大変だとは思うんですけども、SPRINGの運営とかをしていても、このSPRING履修生の一番ちゃんと教えないといけないところは、雑収入として税務処理をちゃんとやりなさいねという、当たり前といえば当たり前なんですけども、今まで学生さんとしてやる必要がなかったこと、ひょっとすると会社員でいるとやる必要がなかった、それはやらないといけないというのをきっちり教えないといけないというところだと思っているんですが、例えば、多様な財源が組み合わさって、大学として、例えば研究機関として一定の報告を出せば、そういうところがうまく個々の学生さんとかの負担が減るような――負担というのは事務手続的負担が減るような仕組みがつくれるとか、あるいは、何か簡単なツールがつくられて、それが博士課程の学生さんに共有できて、入力するだけできっちりシートが出てくるとか、そういうような仕組みがあると、多様な財源を組み合わせた後期課程学生の雇用というのが進みやすくなるかなと思っております。
【狩野主査】 せっかくの機会なので、もし、大学の経営的な感覚からこの話に関わられるとすると、今おっしゃった事務手続の面もあると思いますけど、何かお金の出入り、もらい方、渡し方などなどで御意見ございますか。
【尾上委員】 例えば、ここで出ているようなDCであるとか、SPRINGであるとか、そういうものというのは国としてシステムをつくっていただいているんですが、どうしても先ほどのRAみたいな話になってくると、研究施策に基づく、研究者の先生方に依存してしまうところがあると思うんですけども、できるだけそれを、大学機関としては大きな単位で受け入れるような、そういう仕組みをつくっていくと、効率がよいというか、管理効率がすごくよくなるなというところだと思います。
研究費自体の中から、例えば共同研究もそうなんですけども、こういう学生雇用の部分を番地でうまく抜き出して計上できるような仕組みというのが、これはできないわけじゃないと思うんです。ルール的にやっては駄目というわけじゃなくて、大学で対応できていないんですけども、そういうところが整理できていくと、進んでいってうまくいくかなと思います。
【狩野主査】 なるほど。世の中全体に、何のために払っているお金か分からないものに対する嫌悪感ってだんだん強くなっている気がしていまして、その結果として、公的なお金の回りがよくなくなっている気がするんです。一方では、稼ぎやすい人と稼ぎにくい人という、さっきの原田先生のお話じゃないんですけど、分野的にもあるじゃないですか。そうなったときに、稼ぎにくい分野に行くと絶対お金になりません、さようなら、みたいにならないような公的メカニズムは何か要るんだと思うんです。それを誰が構築でくるのかという質問がすごく難しいなと思ったりしています。
今、それが政府だと難しくなってきて、大学レベルにやってきている感じもするんですけど、でも、そこに行くと、それが受け入れにくいような構成員の方がいっぱいいるわけで、それをどうやっていくかってすごい難しいですねというのを思っていまして、それに関係するお話をいただいたと思いました。ありがとうございます。
さて、ほか、次はいかがでしょうか。せっかくの機会なので、皆様から一言ずつ以上はいただけたらなと思っているのですが。
重松先生、お願いします。
【重松委員】 たまたま私、セミナーに参加しましたので御報告するんですが、京都大学の理学共創イノベーションコンソーシアムというのは、皆さん、御存じでしょうか。
どういうものかというと、結局そこに博士の人材も企業の方も参加して、企業は参加費が要るんですけども、そして実際に理学部の研究成果というのを広めて、いかに共有していくかということをやるセミナーを、年に何回か開いておられるんです。
たまたまセミナーに参加したんですが、こういった一つの、企業とも大学とも連携することを大学単位でやっているのか、これが一つのモデルとしてうまく普及するのかということで、ちょっと併せてお話ししてもいいですか。
【狩野主査】 ぜひお願いします。
【重松委員】 SSHでも、実は今日お話しさせていただいたいろいろな、例えば高校生が幼児教育とか小中の生徒さんに科学の面白さというのを教えに行くということをやっているのが、SSHの事業にあるんです。あるいは、高大接続という重点枠で、なくなりますが、今現在やっている事例でいいますと、今日の金沢大学の人材育成とよく似ているようなこと名古屋大学附属高等学校と名古屋大学や岐阜大学でのSSH事業でやっているんです。さらに今、SSHでは、博士人材の高校での採用をやろうとしています。
このように、今日議論されたこともいろいろあるんですが、なかなかその成果がうまく横連携、横展開できていないんですよね。つまり、一個一個きちっと成果が上がっているんだけども、なかなか、うまくそれがほかの、例えばある高等学校だけじゃなくて、自治体に対しても、あるいは大学に対しても伝わっていないので、高校で博士人材の教員を置くのかといったことに関して企業以上に抵抗があったりします。
それを解決するためにどうするかというと、できるだけいい事例を、好事例ですね、先ほどの京都大学のことも含めて、好事例をいかに横展開するのかというシステムをちゃんとつくる必要があるなと思っています。
例えば好事例AIとか、そこへ検索をかければ、そういったことはきちっといろんな事例が出てくるとか、何かそういった情報にアクセスできるというシステムも要るんじゃないかなと思います。
やっぱりなかなか、先ほどのSTELLAにしても、保護者の方が気がつかない、あるいは、学校の先生にもなかなか気がついてもらえないということがございます。そういった意味で、横展開が難しいというのがSSH、スーパーサイエンスハイスクールの一つの課題でもありますので、こういったことも含めて、今日の話で、横展開をうまくするというシステムも要るんじゃないかなと思いながら聞いておりました。ちょっと、余分なことかもしれませんが。
【狩野主査】 いえいえ、大事な視点をいただいたと思います。
ちょうど最近、ウェルビーイング学会なるものに役員になっていまして、そこの関係でちょっと知っていることがあるのは、やっぱり長期的な未来に対して、自分が何か寄与できていると思うことによる幸せ感ってあるような気がするんです。
それで、自分と同じ世代の人だけに関わっているんじゃなくて、下の世代の人に関わって何かすることができたみたいな感覚を、要素として入れられるといいんじゃないかなと思うときがあるんですけど。例えば、幾ら中学生であっても、より下の子供たちに何か喜んでもらえた経験というのはうれしい人もいるようだし。
ちょっと最近やってみた内容では、前もお話ししたかもしれませんけど、幼稚園でロボット教育を大学院生にやってもらった結果、女子の理工系、それこそ院生の人がすごくうれしそうにやっていて、そういう要素が入っているということが大事だったのかなという気もするときがあったりしたんです。
そういうような循環をしたときに、「それもいい仕事だったよね」と言ってあげられるような仕組みがあればいい気がするし、この意味において、例えば好事例を集めて横展開と思ったときに、あまり情報源がないので、今、重松先生がおっしゃったことを伺いながら、そういう何か柱柱で、いい例はこんなところにありますよというのが調べたら出てくると、本当はいいなと思いました。最近のAIは高性能だから、調べれば出てくるのかもしれませんけど、あってもいいかなという気もしていながら伺いました。ありがとうございます。多分教育って、そういう意味でやりたい人がいるんだと思うんですよね。
失礼しました。まだ御発言でない方、ぜひ。
水口先生、お願いします。
【水口委員】 ありがとうございます。今後取っていただいたらよさそうだと思うデータとして、大学発ベンチャーが学生をアルバイトとして直接雇用しているケースが挙げられると思っております。我々も大学発ベンチャーとして、関連する研究を行っている学生を直接雇用しております。
恐らくこのような形態もいくらか存在するのではないかと思っております。先ほどお話があったRAのように、共同研究の枠組みで資金を投入し、それを財源として雇用するパターンも考えられますが、スタートアップとしては知的財産の取扱いが懸念点となります。もちろん、大学の設備を使用する必要があるならば共同研究という形を取らざるを得ませんが、自社内において、その人材の能力を純粋に活用したいという場合であれば、直接雇用のほうが円滑に進められる場合があります。そのため、こうした直接雇用の実態についてもデータとして把握できると有益かと思っております。
この雇用形態は、一般的なアルバイトと異なり、大学発ベンチャーにおいて自らの研究を活かし、かつ、それをさらに発展させる機会を得ながら、収入を得ることができます。そのため、学業との両立という観点からも非常に有効な仕組みであると思っております。
【狩野主査】 ありがとうございます。今のも含めて、今まで省庁の仕事は、公金を集めてそれの再配分と、あとルール策定が比較的大きな仕事だったと思うんですけど、各組織だけだと集められないような、広く事例収集をしてそれを共有するという仕事も、ぜひ公共セクターとして、していただけるといいかなということを、だんだん思い始めたりいたしました。ありがとうございます。
もうお一方、多分梶原先生がお話しいただけると全員かもしれません。ぜひお願いします。
【梶原委員】 ありがとうございます。博士人材はよく話に出ますが、内閣府のPEAKS、産官学連携のプラットフォームがあります。産官学連携がうまく進むように、大学の経営層と企業の経営層の人たちが入って、内閣府、文科省、関連する省庁の方も入って、先ほど事例の話が出てきていましたけど、どんな事例で博士人材が、あるいはアカデミアから、どのように産業界で活躍できているかを動かしているので、もう文科省の方は御存じだと思いますけれども、そこをうまく利用していくというのはあると思いました。私の前職の企業だと、博士人材がとても重要ですということで、国大協の広報誌『国立大学』の3月号に記事があり、企業として、インターンも有償で実施していますとか、社会人の博士、リカレントでの取得支援もしっかりやっていますとか、博士課程へ進学する人への支援、一旦企業の身分になり博士課程の研究を進められるという内容が掲載されていました。
私も前職にいるときに、インターンに有償で幾らにするかの話が出て単金とか対価を考えると、当然、世の中の一般のバイトより高く設定しないとおかしいよねという話も出ました。有償のインターンシップで、例えば3か月従事してもらうとして、その適正な単価を考慮した金額でオファーしようということで有償インターンシップも回します。それから、社会人のリカレントになぜ支援を出すか。企業内で研究していると、新しい研究、新しい領域の研究のために、大学の研究室に再び入って博士を取るのは、支援を受けた人のコメントを見ると、人文・社会系の人も含めての、今まで企業で持っていたのとは違う、研究者としてのネットワークが広がり、人脈形成ができて、次の研究の領域の広がりが増えるということで、リカレント教育を企業がサポートしているということに対するありがたさという部分を言っています。また、修士から企業に入った状態で、そのまま大学に残って博士を取るという人も、先ほど冒頭のほうでも委員の先生がおっしゃっていましたけど、企業が行おうとしている研究と、大学でやる研究と自分のテーマが合っているということが非常に重要で、そのテーマを追究できるということから、企業としてもそれを非常に後押ししている。
その研究員の人が言っているのは、大学に行ったときは基礎科学に執着し過ぎていて、社会実装への、あるいは社会実装という意味での社会への貢献という視点ができていなかったけれども、会社に入った身分になって、応用研究で生まれてくる問いというのもまた新しく、研究テーマに対してのフィードバックというか影響を及ぼしているということで、お互いのよさを理解して認識することで、次の新しいテーマが出てくる。
そういうことが会社の中では増えていっているので、その重要性、流動性を含めて重要性をエンライトメントしているというか、なっているので、そういう取組が、先ほどのPEAKS等、どんどん企業が増えていっているのが今の時代です。もっともっと加速しなければいけないと思います。同じようなことで製薬会社の人と会話をすると、やっぱりインターンをやろうとするときにマッチングが重要になるので、いかに欲しい領域の人材像をうまく説明できるかという企業側の問題があります。うまく説明することによって、それにふさわしい学生、博士の人材、あるいは修士の人が応募してくるということで、それを担当している大学の先生方のコメントでは、オファーされる内容が的確だと、そこに対してうまく人が当てられる。自分の大学にいる人もいれば違う大学の子もいるかもしれないというところを含めて仰っていました。
マッチングの重要性ですけど、うまくいかない理由は何かというと、それはお互いの努力がちょっと不足していると思います。企業側がうまく「こういう人材が欲しい」「こういうことをやってほしい」をいかに定義ができるかという話と、大学のほうでは、どういうスキルを持っている人がいるとアピールする、そこがうまく呼応すると多分成立して、有償で回り始めるということだと思います。そういったことの事例を増やし、変わってきていることを日本の中でももっともっと加速しましょう。常にそういう言い方になりますが、文科省の方、期待しております。よろしくお願いします。
【狩野主査】 ありがとうございます。最後は期待で終わったので、じゃあ、このまま閉じて文科省に渡していいかなという気がしてまいりました。
皆様、大変有意義な御意見をありがとうございました。私の不手際でちょっと延びちゃっていますけれども、せっかくの機会ですので、事務局と書いてあるけれど文科省側の皆様から、高位の皆様からちょっとお話をいただければと思っておりまして。
どうしましょう、俵さんからよろしいですか。
【俵科学技術・学術総括官】 ありがとうございます。今日は本当に先生方、それから金沢大学、琉球大学の先生方もありがとうございました。
ちょっとだけ僕の経験からいうと、20年前ですけど、石川県庁のほうに行っていまして、これは教育委員会ではなくて知事部局にいました。石川県は高等教育振興室というのが当時ありまして、規模は小さくて三、四人なんですけど、そこで、ある意味自治体には珍しく、大学と連携して地域振興を進めようという、そういう部署がありました。
ただ、それでも、教育に関してどういうふうに予算を確保して取り組むかということでいうと、優先度はそんなに高くない。2つ理由があって、1つはやっぱり教育委員会が相当忙しいというのがあって、なかなか新しいことに取り組めないというのが一つありました。もう1つは、予算が限られているので、どうしても優先度が高くないと進められないというのがありました。
今、文部科学省でも、高校教育について全体で取り組もうということで今やっています。基金も活用しながらですね。だからそういう意味で、新しい取組が今やれるんじゃないかなということで、自治体も含めた地域の人との連携がやりやすくなっている環境にあるんじゃないかということで、これから科学技術人材の育成についても、地域と一緒に進めるというのがやりやすくなっている環境にあるので、そういう意味で、新しい取組を続けられるんじゃないかということです。今日の御意見も踏まえて、そういうふうに思いました。
以上です。
【狩野主査】 大変ありがとうございます。
すみません、西條さん、いつも伺っていると、まとめる能力が大変高くておられるので、ぜひお願いしたいと思います。
【西條科学技術・学術政策局長】 今日もありがとうございました、本当に。今日、大きく2つの視点で科学技術人材、特に初等中等教育段階で、今回特にSTELLAに着目した上で、2つの大学、大変すばらしい活動をしていただいていると。
今後我々が考えていかなきゃいけないのが、今日問題提起もさせていただいています、今回の2つの大学は、まさに組織として大分動いていただいているんですけれども、どうしてもこの手の活動は個人の活動という形になってしまっている。これをいかに組織にしていくか。
これは単に組織で応募しますというと、なんちゃって組織が、いわゆる、「学長。これ印押してください」って、これじゃやっぱりまずいと。だから、今日御議論あったように、まさに大学の中で、どうこれをうまく使命としてやっていくのかというところをやっていただく。
その前段階として、国として何を示していかなきゃいけないか。この辺は引き続きしっかりと議論をしていきたいと思いますし、これを組織としてやるとなると継続的な話が出てくるので、まさにこのときに企業さんとどう連携していくのか。
これ、私も「トビタテ!」をやったりしたときに、やはりブランド化というのはすごく大きくて、企業さんにとってみて、最初「トビタテ!」をやるときは、「トビタテ!」に金を出したらうちの会社に来てくれるんですか、というところから始まったのが、この「トビタテ!」が第1期が終わって2期のときのファンドレイジングに行くと、「トビタテ!」という名前で出してくれるんです。そこに自分たちが参加しているんだということで出してくれるというのがあって、そういうブランド化も含めて考えていかなきゃいけない。そのための長期の取組をどうするかという、こういった視点もあると思いますので、この辺はまた、さらに御意見いただいて進めていきたいと思います。
それから、博士人材のところは、今回特にRAのところですけれど、特に後期課程に今着目していますけど、博士人材がいわゆる学生なのか研究者なのかと。そこにつながるのがまさにRAの考え方で、現状を見ると、年間20万といったらこれはアルバイトなんですね。
そういう意味では、労働単価として見るのではなくて、やはり研究者、リスペクトされる研究者の能力に対する給与を支払っているというのは、結局のところ、それが最後の出口の、研究者としてちゃんと、いわゆる自分の友達で修士が終わって働いている人と自分は変わらないんだよというところをどうつくっていくかということにつながると思うので、ただ、今すぐには変えられない世界でもあるとは思っていますが、そこを見据えてどういうような制度設計にしていかなきゃいけないのかというところは、少し考えていかなきゃいけないというように思っております。
その部分が、これはまさに出口がちゃんと、ここを出るとその先も明るいし、ここでやっていること自身もリスペクトされるという。
私も説明するとき、「経済的支援」という言葉を使うと、何となく、悪い言い方をすると施し的なイメージになっちゃうんですけど、これ、逆に言うと、国としてこれだけ出しているということは、私は国として期待をしているし、これはリスペクトされる仕事なので、我々として今このSPRINGを出しているというお話はするのですが、ただ、それは言葉だけであって、やっぱりそれをちゃんと本当の雇用関係に持っていくというのも大事じゃないかなと思っているので。
ただ、こうなってくると、正直、全員に同じ額を出すわけじゃないですし、能力に応じての差が出てきますし、今度大学で雇用関係を持ってもらうと社会保障の問題も出てくるので、ちょっといろいろ乗り越えなきゃいけない問題はありますけれども、その部分も含めて、いろいろと今後も御意見いただきながら、方向を見据えて、ちょっと、すぐにというところが難しいところであれば、最終目標を何にして、そのために今の段階としてここをどう変えていくかというところを、工程表的なものも考えて、ちょっと議論させていただけたらと思っていますので、引き続きどうかよろしくお願いいたします。
【狩野主査】 ありがとうございます。いつもながら包括的なコメントをいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、最後に事務局として、白川さんから事務連絡をお願いいたします。
【白川人材政策課課長補佐】 先生方、本日も充実した御議論をいただきまして誠にありがとうございました。
人材委員会では今後、昨年7月の中間まとめを最終まとめへとバージョンアップしていきたいと思っておりますが、本日の御議論を踏まえて策定をさせていただくとともに、その先の施策の推進にもつなげてまいりたいと思っております。
本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にお目通しをいただき、文部科学省のホームページを通じて公表させていただきます。
次回のワーキング・グループの日程については、また改めて御連絡をさせていただきます。
以上でございます。
【狩野主査】 それでは、本日はこれにて閉会といたします。傍聴の皆様もたくさん、大勢最後までいていただきましてありがとうございました。
では、これで閉会でございます。ありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局人材政策課