人材委員会 次世代人材育成検討作業部会(第4回) 議事録

1.日時

平成27年8月3日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省5F5会議室

3.議題

  1. 作業部会における議論について(これまでの検討の整理)
  2. その他

4.出席者

委員

塚本主査、千葉主査代理、飯澤委員、大島委員、隅田委員、立澤委員、長谷川委員、宮浦委員

文部科学省

岸本科学技術・学術政策局次長、柿田人材政策課長、唐沢人材政策推進室長 他

オブザーバー

大槻科学技術振興機構理数学習推進部長

5.議事録

科学技術・学術審議会人材委員会
次世代人材育成検討作業部会(第4回)

平成27年8月3日

 

【塚本主査】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会人材委員会次世代人材育成検討作業部会の第4回を開催いたします。
 本日は、8名御出席予定ですが、宮浦委員が少し遅れておられますが、7名いらっしゃいますので、定足数を満たしております。
 議事に入る前に、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局より配布資料について説明。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 それでは、議題1、作業部会における議論についてに入っていきたいと思います。第1回及び第2回の部会で、千葉委員、隅田委員、また、飯澤委員及び有識者の方から御発表いただきました。また、前回の第3回の部会では、事務局に作成していただいた中間整理を基に御審議いただきました。今回は、これまでの御発表や御審議を踏まえまして、改めて検討内容を整理いたしました。これから事務局にお話を頂いた後、委員の皆様から御意見を頂ければと思います。
 それでは、説明をお願いいたします。
【新免人材政策課課長補佐】  それでは、資料1をごらんください。こちらが、これまでの検討の整理の案ということで、今まで1回目から3回目の皆様の御意見を取りまとめさせていただきました資料です。第3回で素案として配付させていただきました資料から、より構成を明確化するという観点からで資料を作成しております。
 まず、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。大きく4つの構成がございまして、1、はじめに、2、次世代の科学技術イノベーション人材をめぐる現状について。3、当面取り組むべき施策の基本的な方向性について。あとは、4、おわりにという形で、まとめさせてもらっています。
 また、参考資料(別紙参照)と記載しておりますが、こちらが参考資料2にリンクいたします。
 続きまして、3ページ目になります。こちらは、第3回の御議論の中で、社会を取り巻く環境、科学技術人材を育成する目的、本部会の位置付けなどをまず明確に書いた上で取りまとめるべきではないかという御意見がございましたことを踏まえ、追記しました。
 我が国を取り巻く環境が大きく変化する中、資源に乏しい我が国が今後も持続的に発展し、責任ある国家として世界に貢献していくためには、科学技術イノベーションの創出が不可欠であると記載した上で、そのためには、人材を持続的に輩出することが重要であります。特に、未来を担う次世代の科学技術イノベーション人材の育成が急務ということで、目的を書かせてもらっています。
 あとは、この部会を立ち上げる経緯としまして、科学技術・学術審議会の人材委員会で科学技術イノベーション人材の育成に必要な施策の在り方について、基本的な考え方、あと、個別課題の内容及び今後の施策の方向性を取りまとめられたので、それを基に具体の議論を本部会で進めるという意味で、その内容を明示いたしました。
 特に初等中等教育段階から児童生徒が理数・科学技術に対する関心・素養を高め、主体的に取り組む力を育むことが必要かと存じますが、皆様の御意見の中でも、主体性を持っていかに今後の理数教育を行っていくかという御意見が多かったので、それを改めて明示する意味で、ここに書かせてもらっています。
 兵士絵27年1月27日の「第7期人材委員会提言」の方向性を踏まえて、具体的な施策の改善方策等について議論するため、本作業部会を設置し、今後の当面の取り組むべき課題と方向性を示し、今後の施策企画立案に生かすため、検討状況を整理したという位置付けで取りまとめました。
 続きまして、大きな柱の2番目になります。こちらは、次世代の科学技術イノベーション人材をめぐる現状についてです。まず、現状をまとめた上で、今後の方向性を記載すべく、まつは現状把握の趣旨で、この柱を立てております。
 まず2段落目です。本項では、我が国における次世代の科学技術イノベーション人材を取り巻く現状を客観的に把握するとともに、これまでの文部科学省の主な取組を整理することにより、現状を俯瞰することといたしております。
 その後、(1)で3つ項目を設けさせてもらっていますけれども、こちらは、第1回の検討部会で、助川の方から説明させていただいた資料を改めてここで提示させていただきました。
 冒頭で申し上げましたように、こちらの資料が参考資料2とリンクしまして、例えばこの4ページ目の1、児童生徒の科学的リテラシーと申しますのは、この参考資料の右下の2ページと書いてあって、下の真ん中に1ページと書いてあります。このOECD学習到達度調査から文章を抜粋して、こちらの資料に記載いたしました。
 この内容を申し上げますと、数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、3分野全てにおいて日本の平均得点が比較可能な調査回以降、最も高くなっているというところに特徴がございます。一方で、一部に男女差が見受けられる部分もあるということで、具体的には、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決能力の分野の得点は男子の方が女子より高かったり、若しくは、女子の数学についての自己効用感や自己概念といったものが、男子より女子の方が低く、数学についての不安が強い傾向があるといった調査結果が出ております。
 こちらが、日本についても、OECDと基本的に同様の傾向ではあります。特に特徴的だった内容は、この4ページ目の2の項目の少し上のところに記載しました、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決能力における男女差がOECD平均より大きいというようなデータがございます。
 続きまして、4ページ目、2番、科学技術に対する児童生徒の興味関心ということで、こちらの資料は参考資料の、開いていただいて、下の真ん中のページ数でいけば、2ページ目、若しくは3ページ目の上の部分に該当いたします。これは24年の全国学力・学習状況調査でございます。あとは、理系文系進路選択に関わる意識調査を参考に資料を作成しているものでございます。
 教育段階が進むにつれて、理系科目が好きと答える児童生徒の割合が減少しているということがまず1つの特徴。あと、もう1つが、中学3年次において、自らの方向が未決定の生徒の場合は、その大部分が高校3年次の段階で文系の進路選択をとっているという特徴がございます。こちらは第1回の会議のときに御説明あったかと思いますけれども、図表3をごらんいただければと思います。あとは、自然科学系の学部・大学院に占める女性の割合は、人文社会科学系に比べて非常に低い状態が続いているということも改めて記載いたしました。
 また、3番目、意欲と能力のある児童生徒の育成としましては、参考資料2の3ページ目の下の部分と、あとは、国際科学オリンピックについての情報は4ページの上と下、両方に記載しました。こちらは、主体的な学びを実践している教員の割合が3か国平均よりも低いというようなデータが図表5にございます。あとは、数学や生物学、物理などの、科学オリンピックに我が国から4名から6名が毎年参加しております。こちらの科学オリンピックについても、国内予選の参加数は年々増加しており、世界を目指す層が拡大していることもポイントかと思います。
 続きまして、5ページ目の(2)、次世代の科学技術イノベーション人材育成に関する主な施策の説明をさせていただきます。初等中等教育段階からすぐれた素質を持つ児童生徒を発掘し、才能を伸ばすためにも、文科省においても今まで取組を多々行ってまいりました。そちらをイメージ図のような形で、どれを対象に、どういう方たち向けの施策を行ってきたかを5ページ目の1、2の形でまとめさせてもらっています。まず1については、興味関心の喚起に関する主な施策として、中高生の科学研究実践活動推進プログラムや女子中高生の理系進路選択推進プログラム、あとは理科教材等の活用・開発などが実施しております。
 あと、2番として、トップレベルの伸長、意欲と能力のある児童生徒への支援に関する主な施策に、大学の場を活用して高校生が最先端の研究に携わるグローバルサイエンスキャンパス、先進的な理数教育を実施している高校等を指定し支援するスーパーサイエンスハイスクール、先ほど申し上げました各種の国際科学オリンピック、大学の学部を対象とする研究の成果発表としてのサイエンス・インカレ、中学生、高校生を対象、学校対抗・チーム対抗で筆記・実技競技を実施する、科学の甲子園、甲子園ジュニア等がございます。
 また、次世代の科学技術イノベーション人材育成に関するこれまでの主な施策ということで、イメージ図を取りまとめてございます。こちらも併せて御参考いただければと考えております。
 このイメージ図ですけれども、まず左側が裾野の拡大、あと、興味関心の喚起、トップ人材の育成。あとは、横軸が小中高大と年齢層によって分類しており、それぞれのマトリックスにどういう施策をどの方を対象に行ってきたかというのをまとめているものでございます。例えば、これから中心に御議論いただきます女子中高生の理系進路選択支援プログラムですと、興味関心の喚起を主目的としつつ、中学生、高校生を対象としているという意味で、こちらに記載させてもらっております。
 続きまして、7ページ目をお願いします。3番、当面取り組むべき施策の基本的な方向性ということで、今、御説明させていただきましたとおり、次世代の科学技術イノベーション人材育成のためには様々な施策がこれまで行われております。一貫した取組の推進、体系化して取組を実施することが重要である旨を記載しました。
 それと、今後ますます個々人の価値観の多様化や、それに伴いきめ細やかなニーズが増大していくことが予想されることから、科学技術分野においても、これらの多様なニーズに対応するため、これまでの価値観にとらわれない視点が不可欠であります。特に本項では、科学技術に対する児童生徒、特に女子中高生に対する興味関心の喚起に関する施策や、意欲と能力のある児童生徒への支援、特に、スーパーサイエンスハイスクールであったり、国際科学オリンピック等の施策について、これまで1回目から3回目の部会で検討されてきた状況を整理いたしました。
 まず、裾野の拡大の意味で、科学技術に対する児童生徒の興味関心の喚起に関する施策の方向性について、1番でまとめさせてもらっております。この項目では、初めに、全体像を書かせていただいた上で、その上で課題、今後の方向性という形でまとめました。まず全体ですけれども、これまで中高生を対象とした科学研究型の学習活動の取組若しくは教員の研究指導力の向上等に関する取組を推進してきました。特にこれまで、1回目から3回目の部会で、女子中高生に関わる取組に関する内容が多かったこともございましたこと等を踏まえ、今後の方向性は、特にこの女子中高生に関わるものについて中心に整理をしていこうと考えております。
 大きな柱の2番で申し上げましたとおり、自然科学系の学部・大学院に占める女子の割合、女性の割合は人文社会学に比べて非常に低く、これまで理系分野で活躍する女性も限定されてきたとの意見もあります。
一方で、女性がこれまで以上に科学技術分野を視野に入れることは、女性自身の多様な生き方の可能性を広げるということにつながるということ、社会を構成する個々の価値観がますます多様化する中で、科学技術分野においてもきめ細やかなニーズに積極的にアプローチできる、これまでにない創造性を備えた人材が不可欠であるという意味で、女性の科学技術分野への一層の参画が重要であろうという内容を、はじめに記載しました。
 これまでも、「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」という事業を通じて、各大学や、女性教育会館のような関係機関で、様々なシンポジウムやワークショップを実施してきたところでございます。そちらにつきましては、一定の成果が上がっているという御意見もございました。
 続きまして、8ページ目になります。今までの部会で挙げられていたものが、これらのシンポジウム等はもともと理系に興味関心のある女子生徒が集うことが多く、興味関心の喚起の場、例えば理系に興味が薄い若しくは理系選択をちゅうちょしている女子生徒への気付きの場としての機能としては限界があるのではないかという指摘がございました。
 それを踏まえて、今後の方向性としては、これまでの取組に加えて、社会において多様な科学技術分野で活躍している女性の理系人材が、例えば中学校、高等学校等に積極的に訪問して、女子中高生のロールモデルをより示すという取組が必要であろうと考えます。特に企業の協力を得て、多様なロールモデルを女子中高生に示すこと、自らの近未来の姿を描くことから、進路選択で身近な、ちょっと上の方となりますと、大学生などになりますので、大学生等の派遣など、産学官が連携した取組が有効であろうかと思います。
 女性の活躍促進につきましては政府全体としても、重要な施策でだと考えておりまして、女性活躍加速のための重点戦略が、平成27年6月26日に、総理が本部長をしております全ての女性が輝く社会づくり本部決定において決まりました。理工系女性を一貫して支援するため、関係府省や経済界、学会、民間団体など、産学官からなる支援体制の構築を図ることとしております。こちらの政府に関する方針を取りまとめたものに関しましては、こちらの参考資料2の14ページ目以降にまとめて記載させていただいております。
 例えば、今、申し上げました女性活躍加速のための重点戦略ですと、14ページ目、15ページ目にございます。
 メーンの資料に戻らせていただきます。女子中高生の進路選択に影響を与える保護者や教員等の女性の理系人材のキャリアパスに関する理解を促進する機会を併せて創出するため、学校、地域、家庭が連携した地域ぐるみの取組を推進する必要があるということを、今後の方向性として書かせていただきました。
 続きまして、2番、意欲と能力のある児童生徒への支援に係る施策の方向性について、全体像、課題、今後の方向性等を取りまとめさせていただきました。あらかじめ存在する解答を導き出す教育のみでは、国内外にますます発生し得る諸課題の効果的な解決に結び付かないという場面が増大していることが、まず社会として懸念されております。そこで、初等中等教育段階から社会を生き抜く力というのを育成し、その才能を見いだして、創造性やチャレンジ精神などをより一層伸ばしていく必要がある。すなわち、あらかじめ用意されていない答えを主体的に考えて導き出すという課題設定及び、課題解決型の思考が大切である。そのためには、専門性を高めると同時に、専門以外も理解し、連携が可能な柔軟性若しくはコミュニケーション能力の醸成も不可欠であるというふうに記載させていただきました。ここの文言はまた皆様と御相談させていただきたいとは考えております。
 このような能力を育むため、本項では、スーパーサイエンスハイスクール若しくは国際科学オリンピック、グローバルサイエンスキャンパスなどの取組も含めて、どのような一層効果的な支援が考えられるかというのを考察していくべく資料として取りまとめました。
 続きまして、9ページ目の課題の御説明をさせていただきます。スーパーサイエンスハイスクールはそもそも実施要項に「先進的な科学技術、理科・数学教育を通して、生徒の科学的能力及び技能並びに科学的思考力、判断力及び表現力を培い、もって、将来国際的に活躍し得る科学技術人材等の育成を図る」と規定しております。これまでこのような内容に合致した様々な取組をSSH、指定された学校が支援を行ってきました。一方で、平成14年にSSHの取組が始まりそれから13年が経過する中、指定校も多様化し、あと、様々な取組が展開されるなど、その性格が徐々に多様化してきているという指摘もございます。
 そこで、本来の目的に立脚し、創出すべき次世代の科学技術イノベーション人材を見据えた上で、今後のSSHの取組について検討することとするということを課題としてまとめさせていただきました。その上で、今後の方向性の御説明をさせていただきます。
 SSHに関しては、一定の質を担保すること、又はグローバルサイエンスハイスクール等の取組と連携しつつ、特に意欲的な学校には今後も支援を重点化するなど、めり張りを付けることが重要ではないか、特にSSHが実践している取組として、いわゆるアクティブラーニング、SSHはこちらを先導するものであろうということで、強化していきたいと考えております。
 第1回のときに御説明させていただきましたけれども、こちらも資料として皆様ごらんになった参考資料2の、ページで申し上げますと7ページ目になります。図表12というところで、スーパーサイエンスハイスクールが実践する取組の例として、アクティブラーニングを先導ということで、このアクティブラーニングをより一層推進していくためにSSHの果たす役割が大きいのではないかと考えております。
 このようなアクティブラーニングをはじめとした様々な取組を実施しているSSHは、先進事例を創出する場であるとともに、主体的に社会を創造する次世代の人材育成の中核としての重要性も増しております。例えば、SSH指定校の好事例をほかの地域へ一層波及させたり、若しくは小中学校の理数教員の先生たちは、1回採用になると、学ぶ機会が限られ、最先端事例などを知る機会も限られてしまうという御意見もございました。そのような教員の能力向上、若しくは地域における理系人材の活用、今まで理系分野で、学校の先生であったり、企業であったり活動してきた先生たちを積極的に活用しようということも、SSHの取組と結びつけるふうに考えられるものではないかと考えております。
 また、高大接続、高大連携についての御意見もございました。こちらについても、SSH指定校についても、従来、積極的に大学等と連携してきたところであります。高大連携の取組に関する、情報の把握、そして、先進事例の一層の発信に努める。それにより多くの中高生のさらなる意欲の喚起と能力の向上を推進する必要がございます。
 また、意欲と能力のある児童生徒の支援というのは、SSH以外にも多々行っておりますので、他の取組についても改めて項目立てをさせていただきました。一例として、例えばグローバルサイエンスキャンパス事業や国際科学オリンピックに関する取組が実施されております。このグローバルサイエンスキャンパス事業は、卓越した意欲、能力を有する高校生に大学を軸として講義をし、研究を行わせることにより、科学的探究力を有する傑出した科学技術人材の育成を行うプログラムを開発、実施するということで、大学が中心となり、特に意欲と能力のある高校生に対して、国際性、専門性の観点から幅広い視野を付与するものであるということで、意欲と能力ある中高生、高校生の能力育成に非常に役立つものかと考えております。
 もう1つ、例示として挙げさせていただくのが、国際科学オリンピック等でございます。冒頭でお話しさせてもらったとおり、国内の予選大会ですけれども、どんどん参加者数はふえているという現状がございます。このようなトップ高校生が研さんする場を今後とも支援するとともに、様々な取組と連携しながら、世界で活躍できる卓越した人材の輩出を一層進める必要があるということでございます。
 最後、「おわりに」についてです。こちらにつきましても本日御意見を賜れればと考えておりますが、これまで様々な活動が、広報活動をもっときちんとすべき、若しくはデータをきちんと体系的に把握、分析して、社会情勢や現場のニーズを踏まえた施策を実施することが重要である、ということを明示させていただきました。
 高等学校や大学等の教育機関や公的研究機関等の連携はもちろん、それ以外の関係機関等とも積極的に連携し、多様な手法による広報活動やデータ収集等に努めることが大切であります。あと、初等中等教育における教育課程や、教員の資質向上、あと、高大連携等について、中央教育審議会等における議論が今、進められているところでございます。本部会としても、これらの検討動向や社会動向に留意しつつ、必要な検討を引き続き行ってまいりたいと考えております。
 最後の締めとしましては、今後、我が国が成熟国家として世界の一翼に担う気概を持ち、国内はもとより、世界に一層貢献するため、次世代の科学技術イノベーション人材の在り方について、今回の検討結果が大いに生かされることを期待するとして締めさせていただきました。
 以上が資料の説明になって、冗長で申し訳ございませんでしたけれども、こちらを基にまた皆様で御議論いただければと考えております。
【塚本主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、まず、資料の前半、はじめにと2番目の次世代の科学技術イノベーション人材をめぐる現状のところに関して御意見を頂きたいと思います。
【千葉主査代理】  3ページで、主体的に取り組む力を育むことが求められるって、非常に重要なキーワードなのですが、ここで具体的にどのような施策の中で育成しようとしているかというのが、もう少し何か言えればいいかというふうに思います。
【新免人材政策課課長補佐】  例えば、「はじめに」の中に入れ込む形ですか。それとも、本文になりますでしょうか。
【千葉主査代理】  いや、例えばスーパーサイエンスハイスクールのこういうところが主体的に取り組む力を伸ばしているとかというのはよく分からないですよね。非常に大切な言葉であるのですが、では、具体的に主体的に取り組む力というのをどのような方法で伸ばすことができるのかというところの記載があればいいと思います。ではどうやって伸ばせばいいんだと言われると、私自身も苦しいのですが、書くからには何かそれに対して入れられればかっこいいのにと思いました。
【塚本主査】  アクティブラーニングとつなげるというようなことでしょうか。
【新免人材政策課課長補佐】  今、千葉先生からお話しいただきました主体的に考えるというのは、トップ人材の育成に関係するのかと考えています。そちらは、大きな柱の3の2の部分に該当すると思いますので、こちらをもう少し主体的というのが分かる形で何らかの記載をしていくイメージでしょうか。
【千葉主査代理】  今、主査がおっしゃったように、アクティブラーニングがまさにそうなのですが、主体性を育成するということは、やはり自分から意欲、関心を持って、自ら動いて問題設定をするというようなイメージですよね。
【新免人材政策課課長補佐】  はい。
【千葉主査代理】  どういうふうにそれを。
【塚本主査】  何となくキーワードが散らばっているのだけれども、これが具体的にしっくりこないということですね。
【千葉主査代理】  ええ。
【塚本主査】  具体的なアクションについての何か言及が必要ということですね。
【千葉主査代理】  そうですね。例えばそういう子はよく褒めてあげるとか。いや、アクティブラーニングを進めることによって、主体的な態度が育まれるということは常々ありますか。
【隅田委員】  どうでしょうかね。
【千葉主査代理】  もっともこれは根源的な態度ですよね。
【大島委員】  多分、千葉先生がおっしゃっているのは括弧書きのところだと思います。第7期人材委員会の提言として定義されているということだと思います。それを受けて、ここの部会で議論しているということだと思います。千葉先生がおっしゃっているのは、多分、その次のパラグラフのところだと思います。そこの部分で、例えば主体的に取り組む力に対して、この部会で具体的にどのように議論していくかについて、もう少し詳しく述べた方がいいということなのだと思います。
【千葉主査代理】  そうですね。こういうふうにやれば主体的な力というのは伸びるのだみたいなことが言えるような何かがあればうれしいと思いました。
 自分のところの学生を見ても、なかなか主体性がない学生が多い感じがして、非常に自分自身の課題でもあります。意欲と興味、関心などの中で主体性というのは伸びていくとは思うのですが、その中でも日本の教育というのは余り褒めないとか。
【塚本主査】  余り褒めないのですね。
【千葉主査代理】  褒めますか。IBMではよく褒める。
【塚本主査】  インセンティブを与えるという感じで、褒めるのは褒めますね。
【千葉主査代理】  褒めますか。
【塚本主査】  ええ。もっと働いてもらうために、褒め上げるというところがあるように思います。
【立澤委員】  学校の、例えば中学校の段階だと、課題というのが今までは課せられていた課題、教師が与える課題を課題としたというその捉え方を、問題を見いだして自分が解決しようというものに変えていく、解決しようという意欲が入ったものに変えていく。やはりそれが主体的な活動に大きく貢献するのではないかと思います。だから、学校でも、与えられた課題を提出してくださいというような課題ではなくて、もし与えたい課題であっても、一旦生徒の中に取り込ませ、よし解決してみようというような意欲が湧くような課題に変えていくという動きが大切ではないかと思います。
 そうすることによって、課題に対する取組が主体的になっていく。辞書で調べると、課題というのは与えられるものと、自ら解決していこうとするものと、その両方がありますが。その後者の方に変えていくべきではないでしょうか。
【千葉主査代理】  自分のものとしてしっかり児童生徒が認識するような。
【立澤委員】  はい。教師が与える課題があったとしても、それをやりとりして、自ら解決しようという課題に変えてから実験に取り組むとか、授業に入るという方向性が大切ではないかと思います。
【塚本主査】  具体的にどうこうというのは難しいですね。
【長谷川委員】  いいですか。6ページにイメージ図を作っていただいておるのですが、千葉委員がおっしゃったことはこの図のどこに位置付けるかということが必要じゃないかというふうに思っています。確かに興味関心喚起のところの科学の甲子園のジュニア大会だったり、科学の甲子園、これは課題を見付けて、自ら取り組まなければ上位の成績を残せないですよね。だから、それを実践するために、いつ、どこでそういった力を培うことを始めていくのかということをこのイメージ図の中で少し示していくことも必要なのかというふうに思います。
 理数教育の充実であったり、理科教材等の活用であったり、余りにもこれは大き過ぎて、非常に見えにくいですよね。その中に含まれるのだというふうに思えばそれでいいのですが、もうちょっと補えることがあるのか。きっと具体的な施策はありますよね。例えば科学の甲子園などは具体的な施策ですよね。SSHであったり、GSCであったり、そういった具体的なものを少しここに織り込めば、イメージとしてつかみやすいのでしょうか。
【大槻科学技術振興機構理数学習推進部長】  済みません、JSTですが、よろしいでしょうか。
【塚本主査】  お願いいたします。
【大槻科学技術振興機構理数学習推進部長】  6ページのこのイメージ図の中の2、興味関心の喚起というところのこの女子中高生の下にあります中高生の科学研究実践活動推進プログラムですが、これが、27年度の新規のプログラムになります。内容として、まさにアクティブラーニングの一環でもあります科学研究、自分で課題を見付けて、仮説を立て、検証、考察していく。最後に発表までしていくという、この一連の流れを、今後ますます推奨されていかれることは間違いないと思うのですが、ただ、実際に取り組める中学、高校がどれぐらいあるのかという問題意識を踏まえまして、その実践活動の推進と活発化というものを生徒側の学ぶ力、それから、先生側の教える力を共に推進していこうという趣旨で始めたものでございます。
 そのアクティブラーニングのイントロというか、まずは手始めとして、この制度を活用していただくという位置付けになりますので、レベル感としては、ちょっとSSHまでいくかどうかというのはあるのですが、今年から始めたものでございますから、実質的には来年度ぐらいになってしまうかもしれませんが、そこでそういった課題研究を始めた生徒たちの発表会というものも企画しておりますので、まずはこういったところから、具体的な取組として始まって、更にSSH、GSC等で伸びていくというような流れができればと考えているところであります。
【千葉主査代理】  では、6ページの興味関心と主体性みたいな言葉も何か入れて、両方とも養成するという立場、ちゃんとにらんでいるということをこの図の中に入れていただければいいかもしれないですね。
【飯澤委員】  主体性を伸ばすというのは、高校でも多分一般的に言われていることだと思うのですが、それをどう伸ばすのかと同時にどう計るのかというのが多分話題になっているところが多いと思います。それは本校でも同じでありまして、では、主体的にやっている活動と主体的にやっていない活動は見た目で何が違うのだろうかということを議論したことがあります。1つに、多分、仕事もそうなのですが、仮説を立てられるかということがあるのかと思いました。つまり、工夫したりとか仮説を立てるというのが見えた場合は、それは主体的と言えるのではなかろうか。
 つまり、やれと言われて単にこなすだけではなくて、こうしたらうまくいくのではないかとか、こういうふうなことが裏に隠れているのではないかと仮説をその作業中に考えることができるのかが恐らく主体性の1つの現れだろうということを考えました。
 なので、何かそういった自分なりに、仮説を立てるというのは、例えば授業とかでもそれを問い掛けることもできますし、比較的たやすい指導法であるとは思います。なので、もし、これは本当に直接つながるかは分からないのですが、主体性を育成するためには、自分でよく考えるとは何かというと、仮説を立てなさいということだ。それぞれの細かい作業であっても、仕事であっても、何であっても、こういうふうにしたらこうなのではないか、この仕事はこういうふうなことが裏に隠れているのではないかということを考えるようにすることが、自然と主体性につながっていくのではないかというのを議論したことがありまして、それが1つのアイデアかというようなことを思いました。
【塚本主査】  ありがとうございます。具体的にここに入れるということでよろしいですか。
【千葉主査代理】  はい。
【立澤委員】  高校でいう仮説を立てるということが、中学でいう課題を設定するのがイコールなのです。捉え方が中と高で大分違います。高校は課題を設定するというのが余りないですよね。仮説を設定するですよね。
【飯澤委員】  はい。
【立澤委員】  そうですよね。中学は学習指導要領に仮説の設定という文言はほとんどないのです。予想を立てるぐらいなので。
【塚本主査】  次世代の科学技術イノベーション人材育成に関する主な施策というのは、これらはうまくいっているとか、他方、これらはちょっとなど、評価のようなものというのはここには書かないのでしょうか。反対に、それに関しても数値的なものを集めて評価していこうということで、最後にまとめているという理解でいいのですか。
【新免人材政策課課長補佐】  そうですね。
【塚本主査】  まず、やっていることを並べて見える化する。
【新免人材政策課課長補佐】 実施している主な施策を記載したのがこちらの図ですけれども、これを一つ一つきちんと評価して次にどう生かすかというのは必要です。
【塚本主査】  それを今後やります。
【新免人材政策課課長補佐】  それを、一層体系的にまとめく必要があろうというのを最後の方に書かせてもらいました。例えば広報についても、既にやっているものも、取組事例などは、SSHもまとめてございますけれども、例えば、一層効果的な形で発信ができると思います。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
【隅田委員】  では、1つ。先ほどのお話を聞いていると、基本的に学校教育で高校を中心とした話が多いのですが、イノベーション人材育成と言っているのに、何か学校教育のちょっと優秀な子を集める印象を受けます。例えばさっきの新しく始まった科学研究実践活動は課題研究で、まだちょっとどうなるか分からなくて面白いものが出るのかもしれませんが、科学の甲子園も基本的には学習指導要領の範囲に準拠していますし、SSHも研究開発指定ではありますが基本的には学校教育の枠でやっていますし、科学オリンピックもものにはよりますが、正解が決まったことが多いわけです。
 そうすると、大学とも連携しながら、基本的にはフォーマルな教育を枠にしたものなのです。でも、イノベーションなのだったら、もっと社会とか企業とかが結び付くような施策が入ってきた方がいいのではないかというのが全体的な印象で1つあります。
【塚本主査】  起業ということですか。アントレプレナーなどでしょうか。
【隅田委員】  そんなのがあってもいいですし、例えばサービスラーニング的にもっと地域素材を生かした研究、それは学校教育の枠では普通は扱わないような領域だけれども、もっとどっぷり浸かって、地域の企業と一緒に研究するようなことや、そんなものがあっていいはずなのだけれども、そういうのはちょっと余り見られないというのが1つあります。
 それと、インフォーマルなものでいくと、ICTとかをもっとどう使うのだとか入ってもよさそうなものなのですが、やはり学校で何をするかみたいな議論が多いのではないかということがあります。そういう地域バランスや、あるいはアクセスが必ずしもよくない子にいかに、あるいはアクセスはよくても特定の限られているような子にばーんと与える、あるいはアクセス権を与えるような施策があってもいいのではないかというのがあります。
 企業もあります。学会なんかがもっと入っていいというのは言っているところです。あとは、意欲と能力が高いという、この項目が出ているのですが、これは何か理由があるのでしょうか。今回、項目として出てきたと思うのですが。
【新免人材政策課課長補佐】  トップレベルというのは、言われたことではなくて、自分で考える。意欲があって、その後自らの能力を伸長させるという意味で記載しております。文言の適切性や内容については、今後の御議論等も踏まえさせていただきたいと思いますが、一旦記載させていただきました。
【隅田委員】  まず意欲と能力が高いというのは、一般的なフォーマルな学校に分かりやすい言葉かとは思うのですが、イノベーションとか、施策で出てきた才能とかという観点からいくと、非常に限定した言葉だと思います。例えば学校で扱う観点別評価の観点の一部だし、観点すら全部網羅していない用語だし、非常に相対的ですよね。意欲、能力が高いと言うけれども、それはクラスの平均と比べて高いのか、全国平均で高いのか、世界平均と比べて高いのかという点も全然イメージが湧かないです。途中で出てくる才能等でいくと、リーダーシップとか創造性といったものが関心とか能力にどう入るのだとか。ちょっと急に出てきた文言の割には物すごく狭くて、それは学校教育の、しかも特定分野に焦点が当たった言葉が出ているというのが印象です。
【唐沢人材政策推進室長】  1点だけ補足したいのですが、実は、机上資料で過去の会議の資料を添付させていただいておりますが、第1回という資料が一番下に付いていると思います。4月21日に人材委員会で決定したときの設置の背景として、この第1回の資料1で、設置のシナリオにすぐれた意欲ある人材を持続的に輩出することが重要とのくだりの中で、主な調査検討事項の2つ目として意欲と能力ある人材の育成と人材の裾野の拡大というのを書かせていただいたものです。実は、今回新しくというより、第1回からずっと汲んできたのをちょっと表題にさせていただいたということです。
 ですので、もしこの意欲と能力あるという言葉だと、少々言葉足らずで誤解を招くということであれば、また御意見等頂きまして、事務局の方でも案文等考えさせていただきたいと思います。
【塚本主査】  主体的に取り組む力というのはどうでしょうか。
【隅田委員】  どういう言葉が合うのか、すぐにちょっと代替案がないので分からないのですが、意欲と能力あるぐらいだったら、いや、こういう特別なプログラムって、逆に言うと、それは見いだし方なんじゃないかとかという。ちょっとぴんとこないなという気はしています。ただ、代案がないので。
 ぱっと目次を見たときに、何かイノベーション人材を育成するという、本当に普通といったらどうか分からないのですが、全体的な普及に関する内容かという印象を受けたということです。
【大島委員】  ちょっとよろしいですか。細かいことなのですが、このはじめにの文言ですが、上から5行目の、「人材を持続的に輩出ことが」は、これは多分「することが」の方がいいかと思います。千葉先生もおっしゃって、また疑問に持たれている主体的に取り組む力の定義も含めて、位置付けですが、隅田先生がおっしゃったように、全体として現存の体系をただそのまま線形に伸ばしたときにどうなるかという印象が非常に強く感じます。
 一方で、イノベーションというのは、恐らく現存の枠組みを超えた、パラダイムを超えたものがイノベーションになるのではないかと思います。そのため、今ある体系を線形、あるいは二次関数でもいいのですが、延長線で伸ばすということが大事なのでしょうが、それとは別のパラダイムで何かを見いだしていくということが大事なのではないかと思います。その際に、伸ばしていくというのは関心・素養だけでなく、主体的に自分で何かを起こすことによってパラダイムシフトも起こす、そのような主体的な取り組む力ということだと思います。
 今の枠組みを超えたものを生み出すために、主体的に取り組む力を素養として今の若い人たちが培っていく必要があるのではないかということを言いたいのだと思います。具体的な代替案がないのですが、何かそういうパラダイムシフトじゃないですが、そのようなことを生み出すような意味合いを持った主体的な取り組む力が、いわゆる基礎能力として必要であることをどこかで述べた方がいいのではないかという印象を、私も思っています。
 また、細かいことで済みませんが、気付いたところだけ言わせていただければと思います。
 図6ですが、現状から第3章の当面取り組む施策の基本的な方向性、これは、例えば科学技術リテラシーの向上というのが、多分ここのはじめにでいう括弧書き、関心・素養を高めの方になると思います。関心を高めながら、先ほどの主体的なことも素養として力を育みながら、それが両輪となって、いわゆるイノベーション人材を育てたいという図だと思います。
 それらを明確に分けるというのは難しいですが、枠組みとして別にした方がいいのかと思います。特に女子中高生のところは様々な観点が混ざっていて、例えばロールモデルとして、理系人材だけではなくて、様々な分野での幅広いロールモデル多様性の必要性も出ています。その観点は、主体的な学びとはちょっと違う観点だと思いますので、整理していただいた方がいいのではないかと思いました。
 3番目の冒頭で言っている体系化と、多様性というのは、相反することと思います。多様性の中でも体系化できるところはあると思いますので、そのような部分を少しずつ体系化するのがいいのかと思います。漠然としたことで申し訳ないです。
 また2点ほどあります。まず、女子学生のことですが、3番目の1に当たります。1の第2パラグラフの「女性が理系を専攻し、研究者等で活躍する身近なロールモデルが少ない」。これは後半で同じようなことが出ています。研究者等だけではなくて、多様な分野で活躍できるような身近なロールモデルが少ないとの記述の方が良いと思います。
 理系に行くと研究者にしかなれないと思っている方が、保護者も生徒さんも含めて多いです。しかし、現状は文理融合が進んでいるので、例えば弁護士の方でも理工系の知識を持っている方の方が強いです。研究者以外の職業に就けるということは、女子学生に対しては非常に大事な観点かと思います。
 あと、2点目ですが、SSHのことは非常によく取り上げていただいています。ほかの取組との連携で、例えばジュニア甲子園とか科学の甲子園というのは、SSHとは違って、結構クラブ活動であったりとか、また、先生方が非常に熱心にこれに取り組んでいらっしゃいます。SSHとは違った観点での横断的な問題も作成しています。連携しながら、意欲と能力を高めるとともに、もう1つ大事なのはチームワークです。オリンピックは1人の個人の能力に対して、このジュニア及び科学の甲子園は今までも概念と異なるチームワークによっての主体的な力の養成に役立つと思います。また、コミュニケーション能力も養えるので、このような連携を入れていただくと、6ページの図1との、ほかとの取組でも少し網羅できるのではないかと思いました。
 代替案が具体的に、このどこを変えようと言われると難しいのですけれども、一応参考にしていただければと思います。
【千葉主査代理】  確かにイノベーションは、チームワークでは異能な人間が、異なった人間が集まってイノベーションが生まれるということなので。
【大島委員】  そうですね。だから、やはり文理融合じゃないですが、科学技術がベースになって例えば論理的思考とか合理的などを育みながら、それを主体的な学びに生かし、横断的に統括できるような力だと思います。
 ページ6で、様々な要素はまとまっていて、現在の取組もここに書いていらっしゃるので、少しグラデーションを含めて網羅的にすると、更によくなるのではないかと思いました。
【塚本主査】  大島先生、ありがとうございます。
 宮浦先生、いかがですか。
【宮浦委員】  今、図6の絵の話が出てきたのですけれども、これは授業がどういうふうに行われているかというのがすごく分かりやすい図だと思います。個別に議論するよりもこれはとても分かりやすいと思うのですが、ここでちょっと私もこうすればというのはないですけれども、例えばトップ人材の養成のところでノーベル賞候補ということですが、ここに将来のグローバルリーダーの養成と入れておくとか、あるいは甲子園とかサイエンス・インカレをここの中間に置いたのはすごくいいのですけれども、その興味喚起の上の2つのプログラムからは下向きの矢印を入れていただいて、下のトップクラスの方と甲子園とかインカレの間は行ったり来たりする両矢印を入れていただくとか。それで、関係が分かりやすくなるかと思います。
 これはいいかどうかは別なのですが、大学の次に産業界を入れておくとか、それで、産業界はブロードに、1、2、3に全てにシャドーが掛かるような位置付けをしていただくとか、何かそういうイノベーションということとのリンクが少し見えるような形に改定していただくといいかと思います。
 あと、先ほど話題になっておりました課題の問題なのですが、恐らく課題設定能力をいかに養うかということに尽きると思うのですが、課題設定能力は、自分に対する課題設定能力が当然必要だと思うのですけれども、他者に対して課題を設定できる能力というのが、自分の設定の次にあると思うのです。そこは非常に難しいと思うのですが、先ほどもありましたように課題は先生が生徒に与えるもの、あるいは教員が学生に与えるものというイメージが付いてしまっているのですけれども、生徒同士あるいは学生同士あるいは中学生同士、高校生同士あるいは中学生と高校生の間でお互いに課題を設定できる。自分に対してあるいは相手に対してという視点が入るといいのかもしれません。
 また、どうしても上から目線になってしまって、生徒にいかに関心を持たせるかとか、いかにトップレベルに刷り込むかとかいう感覚になってしまうのですけれども、サイエンス・インカレはちょっとよく存じ上げないのですけれども、生徒同士にやらせた方がすごくよかったりしてみたいな局面ももしかしたらあるかもしれませんし、そういうところに大学とか産業界からちょっとこういう面白さというのを、教科書に書いていないことをサジェストできるようなシステムが授業の中に入ってくるといいのか。
 要するに、高校生の授業あるいは科学の甲子園などで社会科学的な視点からサジェスチョンできるような方、あるいは産業界の異分野の方、例えば情報通信をやっている方が、あるいはマーケティングをやっている方が作っている何かコンテンツなり、例えば農業分野の課題に少しサジェスチョンするとか、何かそういうのがイノベーション創出が生まれるのだろうと思います。
 そうすると、3の人には是非将来のグローバルリーダーとかそういう文言を入れておいていただけるといいかと思います。
 あと、SSHです。SSHは13年経過したということで、資料を全部拝見していないのですけれども、もちろん大学生になって社会人になっている、出ている方もいると思うので、どういうモデルの方が、高校のときにSSHでこういうことをやった、それで、今、こうですみたいな、そういうモデル集みたいなものがあったら、そういう人をうまく活用させていただいて、この波及型事業のところで頼めるような、そういう情報共有ができるといいのかと思います。
 逆に、新しく始まった事業、波及型の方は、13大学しかやっていないということですが、こういう波及型事業というのは、全国津々浦々でやっていただくことが極めて重要じゃないかと思っておりますので、すぐに効果はどうだったと言わずに、ある一定期間は是非、数十大学はやらないと、と思います。
 ちょっと話が前後して恐縮なのですが、女子中高生の方もかなりやってきてはいるのですが、セレクションが掛かるので、やはりいい提案ができるところだけがどうしても採択されて、初めてトライしてやってみる意欲はすごくあるのだけれども、落ちるという、そういうこともあります。是非単年度ではなくて、せめて2年間ぐらいで、実施する機関も勉強しながら、トライアルで2年ぐらいできると良いと思います。小規模、中規模とかいうクラス分けをしてでも、初めてやってみたいと手を挙げた機関が実際に取り組めるような工夫が必要ではないかと思います。
 現状、どうしてもなれたところがいい提案をしてくるので、そこを採択して、初めて勇気を持って手を挙げたところを落とさざるを得ないような状況が発生しています。
【塚本主査】  ありがとうございます。
 なし崩し的にもう後半まで入っていますが、3、4も含めまして御意見ございましたらお願いいたします。
【千葉主査代理】  では、ちょっとよろしいですか。文言で恐縮なのですが、7ページの1の下の段なのですが、「社会を構成する個々の価値観がますます多様化する中で、科学技術分野においてもきめ細やかなニーズに積極的にアプローチできるこれまでにない創造性を備えた人材を欲している」というのは、これは社会が欲しているということなのでしょうか。この「欲している」の主語は。
【新免人材政策課課長補佐】  はい、そのような趣旨で記載しました。
【千葉主査代理】  が求められているとかということですね。
【新免人材政策課課長補佐】  はい。確かに「求められている」の方が適切かもしれません。
【千葉主査代理】  そうですね。それから、この「きめ細やかなニーズに積極的にアプローチできる」というのは、女性がみたいなイメージがありますのでしょうか。ちょっとジェンダー的に気になります。男性でもきめ細やかな対応できる人もいますので。
【塚本主査】  そうですよね。これは女性を想定していますよね。
【千葉主査代理】  そうですね。
【塚本主査】  飯澤委員、いかがですか。
【飯澤委員】  では、まず、本当に細かいところは9ページの文言なのですが、課題、今後の方向性とありまして、今後の方向性の一番下の段落で、「また、意欲と能力のある中等教育段階の生徒が高等教育に関わる「高大連携」については」というのが、これはどういったイメージが、関わるというのが、これは高等教育に参加して教育を受ける側の立場で参加する意味でよろしいのでしょうか。教育に関わるというのは、どちらかというと教員側の立場のようなイメージがしてしまったので、ちょっと引っ掛かってしまいました。
 あと、全体の話なのですが、主体性を含めた幾つかの話題の中で、イノベーションというときには、やはり主体性やら、これまでの能力とかということを超えたような能力が必要だというのは私もすごく思っていまして、例えばIB、国際バカロレアの学習者像の中で、ほとんどあれは学習指導要領と似ているのですが、1か所だけ学習指導要領にないのがありまして、何かというと、挑戦意欲というか、挑戦する人というのを育てるというのをIBは言っているのです。
 これがなかなか学習指導要領では読めないのです。つまり、リスクテーカーといわれるものなのですが、その部分の育成は、特にイノベーションというと、今までやったことないことをやるというのは、その時間むだに使うかもしれないので、かなり怖い部分もあると思います。それを踏み越えて自分の時間を使ってできるというのは、大事だろうと。そういうふうに少なくとも本校では考えているところであります。
 でも、どういった部分に挑戦すべきかというのは、特に生徒は、まだ知らないことが多いので、例えば未解決問題を積極的に知らせるなんていうことでできないかということをしているわけです。例えば企業連携や、あとは地域との連携の中で課題解決型の授業というのが大学でも行われているのは、恐らくそういったことの一翼だと思うのですけれども、つまり解決すべき問題がいっぱいあるのだということを示していく。
 特に小学校、中学校、高校ですと、理科というのは教科書に書いてある分かり切ったこという印象を逆に覚えて、そう思ってしまう可能性があるので、まだまだやることはいっぱいあるということを示していったり、こういうことが未解決なのだということを示していくことがその挑戦意欲につながるのではないかと思ってやっているところです。
 したがいまして、この挑戦というか、そこは恐らく学習指導要領にない部分ですので、今回、ここでもし書くのであれば、非常に書く価値があることなのかというふうには思っております。
【千葉主査代理】  今の御意見、私も賛成で、あらかじめ用意されていない答えというのはまさにそのとおりなのですけれども、そもそも答えがあるかどうか分からないという問題が本当だと思います。答えがあるかどうかも分からないような問題を設定して、それに挑戦する勇気みたいなものが非常に重要なのかと思います。
【塚本主査】  勇気ですか。
【千葉主査代理】  ええ。私、勇気というのが重要な態度なんじゃないかというふうに実は思っていて、大抵課題を設定するときに、その課題というのが、本当に答えがあるかどうか分からない課題というのはあるわけですよね。答えはどこかにあるかもしれないけれども、その方法で答えられるかどうかも分からないわけだから、結局のところ、答えが得られるかどうか分からない。それに対して乗り出すのというのは、勇気か無謀さかどちらかしかないわけです。
 そういうふうな態度というのは、先ほどの主体的なというところとすごくつながると思っていまして、私としては、何か勇気というような言葉を入れていただきたいと思います。勇気ってすごく重要なことの1つなのです。
【宮浦委員】  今の件、すごく同感なのですが、恐らく課題設定されると、答えなくちゃいけないというか、答えがあるという大前提があって、要するに失敗を避けたいという暗黙の了解があるのではないか。挑戦だと、別に失敗というか、答えがなくても、それが答えだったからいいという、そういう考え方がなかなか定着していないというか。成果イコール解答がなくちゃいけないという教育にどうしても答えがなかったという答えでもいいのではないかという。
 その間時間がむだになったという話は、挑戦のプロセスが重要で、そういう教育こそ重要という、そういう考え方ですよね。
【塚本主査】  会社だとカリキュレーテッドリスクといって、リスクはどれぐらいなものかと算定しながら仕事をしなさいと言われるのですが、他方、グーグルさんとか3Mさんでは研究に使う時間の20%は何でもやっていいよという勇気を持っていろいろなことをやってみる時間とを制度として確保されていると言われています。今、おっしゃっている勇気というのはそういうことかと思いながら伺っていました。
【千葉主査代理】  そういうことです。
【隅田委員】  では、もう1つぐらい。国際的な支援ということで、SSH、SGHとかGSCとかが出てきたということが少し書かれていまして、中学校ももう少し早くからというのもどこかに書かれていたと思うのですが、先々週か、中学生の国際科学キャンプで日本の中学生を台湾に連れていってきました。私の地域から選抜しましたけれども、日本では比較的優秀な学生だったのですが、英語も多少困ります。アジアのキャンプでもやはりほかの国の子と並べてしまうと、かなり差があります。
 ただ、若い世代は、1週間ぐらいのキャンプの期間中で本当に改善されます。意識が全く変わります。それで、中2の生徒と中3の生徒を連れていったのですが、中3の生徒も意識が変わりますけれども、もうそれで受験があるとか、高校に上がると、また学校でやることがふえていくわけなのです。
 高校で、例えば急に国際的に交流しようといって、一生懸命やります。でも、やはりちょっと間に合わないですよね。そこで海外の高校生と互してとなると、なかなか苦労されているのではないかと思います。もし本当にそういうのを考えるのだったら、やはりせめて中学校ぐらいから少しずつそういうのを入れておかないと、やはり自分が発表するだけなら、まだどうにかなりますけれども、それで議論をするとか文句を言うとかけんかするとか、そういうことをやろうと思うと、やはり中学校ぐらいから意識的にちょっとやっておいた方がいいのではないかと思います。
【塚本主査】  キャンプはどこに入るのでしょうか。
【隅田委員】  だから、この辺の、これが国際的なものが少し入っているのですが、それがもう少しあっていいのではないかということで。
【塚本主査】  もしかしたら、現状とto be的なことが両方あるとよいのかもしれませんね。
【千葉主査代理】  議論するって重要ですよね。なかなか学生同士は議論しないから。
【隅田委員】  また、自分たちの中では、そこそこ優秀で成績もいいのが、まさに世界観が変わるというか、刺激じゃなくて、衝撃だったというような感じで、まさに違う価値観ががっと入りますから、そういうのに目覚めるような段階がもう少し早くあると、高校に入る、あるいは見通しが変わる。
 女子生徒がやはりすごく変わります。男子生徒も変わりますが、女子生徒も変わりますし、仲よくなりますから、ちょっと最初は大丈夫かと思いましたけれども、まさに変わる時期だという気がしました。
【長谷川委員】  ちょっと細かいことになるかもしれないのですけれども、10ページのおわりにのところの3つ目の段落です。「本報告書の具体的な施策を推進する上で」というところの2行目、「社会情勢や現場のニーズを踏まえた」とありますけれども、これは具体的にどのような形で収集していくのか。これが一番大切なことだと思うのです。そして、最後の段落の2行目、「次世代の科学技術イノベーション人材の育成」とありますけれども、この次世代はどういう時代をイメージしているのか。どうも最初の第7期提言を読ませていただくと、知識基礎社会のというふうに、何かこの提言は画一的なイノベーション人材の育成を目指しているのかというふうに読んじゃっている部分があるのですけれども、決してそうではないですよね。多様な人材の育成ですよね。それをこのおわりにの中にどのように盛り込んでいくのかということが大切なのかと思います。
 どうしたらいいのか分からないのですけれども、一応思ったことを述べさせていただきました。
【塚本主査】  ありがとうございます。
【隅田委員】  それに関連しますと、非常に多くの施策が出ていて、今までに拡充しているものとか深化するものがあるのですが、教育委員会とか、そういうことの関わり方とかが書かれていなくて、こういう一つ一つの施策をされるときは、実施される主体とか連携校が苦労しながら多分そういうのをやっているところだと思います。そういうのがスムーズにできるように、それがここの部会なのか、関連する中央教育審議会なのか分かりませんが、やはりニーズを得るだけじゃなくて、円滑に進むような支援ができるような仕組みを何か作ってあげないと、負担感が大きくなって、それだったら学校外でやったらというような話になりかねないので、ちょっとそういう記載もあっていいのかもしれません。
 例えば先ほどの科学の甲子園なんていうのは、教育委員会が関わって、多くの学校が予選から関わっているわけですよね。そういう関わり方のうまい例なんかもちょっと入れながら書くとか。教育委員会というのはどこかに入れておかないと、なかなか動かないのではないかとちょっと思いました。
 以上です。
【塚本主査】  下から2段落目のところの教育委員会と連携等についてのところに書くなどでしょうか。多分ここのカテゴリーではないので、書きづらいでしょうけれども、ここに一言入れておくと少し円滑に進み得るのかもしれないですね。
【立澤委員】  それもそうだと思いますけれども、この全体を見たときに、教育の課程や内容等は中央教育審議会に委ねると思うのですけれども、やはり小中の関わる部分が非常に少なく、多分小学校はほとんど触れていないですし、要するに学校教育外の部分がとても多い。ちょっと言い過ぎかもしれないのですけれども、学校現場は特にやることはないのかというふうに受け取らせてしまうというのはちょっと気になると思います。
 外部でやっていただいているものに対して参加していくというのはいっぱい例が出ていて、それはそれでいいと思うのですけれども、小中のところには理数教育の充実とか、そういう人材を育成することが大事だということぐらいで、では、具体的にどうなのかというようなものはないということがちょっと気になります。
【塚本主査】  小学生の部分が少ないというのは何かありますか。
【唐沢人材政策推進室長】  とりあえず前回までに頂いた御意見を整理したまでして、これでストップということでもないですので、今の取組の中で小中学生もカバーしているものを、ちょっと記載の薄いものを増やそうと思いますけれども、もし引き続きそういった点に議論が必要であれば、今後の課題の中で起こした方がいいかと考えております。ちょっと議論していないのを盛り込むのもどうかという気もしますが、確かに今までの議論で抜けている部分があるのであれば、そこは応じたいと思います。
【隅田委員】  それは大賛成で、議論がないということなのですが、私は発表のときに言っていて、その辺、1つのキーになるピークがあって、やはり高校のときに科学オリンピックなどをとっている子はかなり幼い時期に、何か集中的にやっている可能性が高いということ。私は女性なんかもその時期にかなり影響があるのではないかという気はしています。なので、そこで何かしらトップ人材育成というか、グローバル育成に関わるものがないというのは、非常に重要な時期に損をしている感があります。だから、どこかに何かちょっと今後の課題でもいいのですが、何か含めておいていただいて、つなげたいところです。
【唐沢人材政策推進室長】  隅田先生からも御指摘いただいておりますので、ちょっとどうやって入れるかはまた個別に御相談させていただきたいと思いますが、重要な論点だと思いますので、しっかりどこかに記載して、少なくともつながるようにはしていきたいと思います。
【塚本主査】  それでは、さっきおっしゃっていただいたICTの話等もここに入れておくのがよいのでしょうか、今後の課題のところで。
【隅田委員】  余り記載がないですね。
【塚本主査】  余り重点的に議論をしていないので。
【唐沢人材政策推進室長】  冒頭申し上げたのですけれども、10ページの終わりの部分がちょっと抽象的な部分になっていますので、もう少し具体的な点は、今の御意見等を踏まえて、今後引き続き中長期的な観点からデータ収集等を含めて議論すべきものと、これはもう中教審に委ねるものというのがもう少し分かるような形で最後は整理させていただきたいと思います。
【塚本主査】  はい。
【千葉主査代理】  私、前も申し上げたと思うのですが、やはり外部人材を、退職した人も含めて。
【塚本主査】  地域における理系人材等のことでしょうか。
【千葉主査代理】  それ書いてありましたっけ、今後の取組の方に。
【塚本主査】  ええ。9ページの下から3段目にあります。リタイアした人や、先生、等まとめて記載しています。
【千葉主査代理】  そうですね。絶対全部地域で解決しなければならないとなると、やはり地域に多い少ないがあるので、やはり旅費ぐらい出してあげて、ちょっと離れたところでも非常にすぐれた課題研究をする子供がいたら、それをちゃんと1年に一、二度はそういう指導できるような比較的時間がある人がちょっと行ってあげてディスカッションするみたいなことをやると、そういう子は物すごく伸びるのではないかというふうに思います。余りお金が掛からずすごい効果がありそうだと私は思うのですけれども。
 全ての子供にやると大変ですけれども。
【新免人材政策課課長補佐】  地元の人材のみを活用のみならず、そのほかの地域ですばらしい活動を行っている方を積極的に活用することもありうると思います。
【千葉主査代理】  人材バンクみたいなものがあって、ある程度は、北海道から九州というのはなかなか厳しいですけれども、地域というと、すぐイメージで、その市とかだけで限定されてしまうと、なかなかマッチングが難しい可能性もあるので、県全体とか近県とかぐらいの幅を持たせて、何かそういう指導者が、スポーツで指導するとか音楽で指導するとかあるじゃないですか。音楽家を育てるときとかフィギュアスケートとか、みんなやはりすごい指導者がいて、それで伸びるということもあるので、トップ人材を作るときに何かそういうふうなやり方というのは効果があるのではないかと思うのですが。
【新免人材政策課課長補佐】  書き方はまた御相談させていただくかもしれませんけれども、外部の人材という意味で、ここは地域における理系人材の活用と書かせていただきました。
【千葉主査代理】  ありがとうございます。
【塚本主査】  千葉委員がおっしゃったように、いろいろデータをきちんと整理して、どういうSSHでどのような研究しているかが網羅されるようになったら、きっとメンターとかとのマッチングのようなことができるようになるのかもしれないですね。
【千葉主査代理】  そうですね。
【塚本主査】  多分ICTによるメンタリングもあれば、を使っているときもあれば、対面でのときもあるというような感じにするといいのでしょうか。
【千葉主査代理】  ICTでも構わないですね。
【塚本主査】  最適なアドバイス体制ができうるのかもしれないですね。
【千葉主査代理】  そうですね。今はICTでもできますし。
【塚本主査】  多分両方必要で、対面もあった方がいいような気がします。
【長谷川委員】  7ページの1、児童生徒の興味関心の喚起に係る施策の方向性とあります。女性をいかに参画させるかという論点だと思うのですが、併せてやはり多様な人材を育成するためには、裾野ということが私は物すごく気になっております。高校教育を考えると、中学校のときに理系希望だった子供が高校に入ると減ってしまうというふうなデータもありますよね。だとするならば、中学校時代あるいは小学校時代からキャリア教育をもう少し徹底的にやる必要があるのか。例えば理系に進んだ場合にこういったことができるのだというふうなこともしっかりと子供たちに伝えていく必要があるかと思います。
 そういった意味では、この1のところにキャリア教育の観点も少し加えた方がよろしいのかというふうに考えています。
【塚本主査】  このような勉強をしておくと、こういうふうな職に就けるとか、そういう将来のキャリアイメージがつかめた方がいいということですね。
【長谷川委員】  はい。資格系のやつは比較的分かるのですが。
【塚本主査】  確かにそうですね。
 ほかに御意見いかがですか。
【隅田委員】  内容ではないのですが、さっきの資料の、まさに理系文系の意識が中学生から高校で落ちるというあのデータで、あれは男女別に分けたらまた下がるのでしょうか。
【新免人材政策課課長補佐】  すみません。ちょっと手元に持ち合わせていない状況です。
【隅田委員】  さっきの女性離れとかの理系とかっていうのでしたら、これは男女別に分けて同じ傾向が出るのか、どちらかの性別に偏った傾向なのかとか、そんなのが分かればいいと思います。
【新免人材政策課課長補佐】  調べてみて、もしあれば記載させていただきたいと思います。
【塚本主査】  両方一緒になっているということですね。
【宮浦委員】  これは男女差ないと思うのですが、中学校ぐらいでしょうか、高校もそうだと思うのですが、以前、保護者の方の影響力という話題は出ていたと思うのですが、そこに対するアクセスって意外となされていないと思います。印象なのですが、恐らく最終的に理系を選択した、高校でしょうか、保護者の方が理系の方の場合にはずっと理系選択が定着する確率がある程度あるのだけれども、ちょっと情報は余り持っていないのですけれども、男女問わず、保護者の方が理系をよく理解できていないと、相談するのが両親というのがたしか一番多かったと思うのですが、そこのアクセスは具体的にするのは結構難しいと思います。
 恐らくそういう進路指導は、小学校のときはそういう話題にならないので、理科面白いで終わっていたと思うのですが、中学になって高校受験を考えて、高校になって大学受験を考えると、そこでなぜか理系が減っていくという。恐らく男女ともに減っていくのだと思うのですが、そこに保護者の方のアクセスって難しいでしょうか。
 なかなか事業にはならないのですが、たまたまうちの大学で、二、三日前の土曜日にイベントをやったのです。女子だけ集めて、中1から高3まで80人ぐらい来ていただいたところ、保護者参加率100%なのです。保護者必ず来てくださいと言っていないのですが、どうぞと言うと、ほぼ100%いらっしゃる。すごく熱心に聞かれています。ただ、進路選択の面から見ると、恐らく何となく最初から保護者も含めて理系に興味があるのだろうと思うのですが、本当はそこがよく分からないので、生徒さんを介して保護者にアクセスできるといいとは思うのですが、それは可能でしょうか。
【隅田委員】  私、データを持っていないのですが、この前話をしていて、博物館とかの参加の仕方が変わってきたといって、例えば何か講座を開いたら昔は子供だけが来ていたのが、今は親子で見にくるというのです。さっき産業界との連携もありましたが、そういう博物館のようなところと連携するのをもう少し早い段階からやっておくと、小中学生なんかは保護者も一緒に行っていますから、また新しい充実ができるのではないかと思います。
 あと、保護者と一緒に職業意識とか、動物園、博物館なんかは特にいいのではないかと思います。
【塚本主査】  経済同友会で会員の経営者の皆様が学校へ行こうというプロジェクトをやっておられ、そのときの対象は先生と生徒とPTAになっており、PTAにも直接要請があれば、話をしにいくようにしておられます。もしかしたら、こちらにいらっしゃる皆さん、先生たちを登録しておいて、要望があったら派遣するなどにすると、保護者の方にも直接働きかけができるかもしれないですね。
【飯澤委員】  実際、SSH事業で中学生向けのイベントをすると、やはり保護者の方が連れてくるのです。これはすごくいい機会になって、こんなふうに探究ってするのですねというような感想を言われてくるのは多分大変ありがたいと思います。例えばSSH事業であっても、中学生対象とかはやるのですが、保護者対象の取組というのも、多分やりようによってはできるのではないかというのを今、思いました。ありがとうございます。
 それで、最後、私がこれを見て思ったことが、これはなかなか入りづらいと思うのですが、先ほど失敗をしてでもプロセスで学べることがあるからよいのだという、こちらが大らかに構えなければいけないというのが結構大事な気がしています。ある意味、最近、実際の研究の現場でも、成果を求められて論文を書かなければいけないとか、世知辛くなっているとは思うのですが、どうもこれを子供にも押し付けている気がして、大変心苦しさがあるのです。要は、成果を出すことが義務でなく研究できるのは、もはや高校生、大学生ぐらいまでなのではないかと思っています。だからこそ、遊びじゃないですけれども、古い研究者スタイルで好きなことをとことんやって、もちろん興味のあることが外部にあったら、それをより突き詰めていくというのはありなのですが、そういうことも勧めるようなことが読めるような文章になると大変うれしいのですけれども、入れ込みようが難しいですね。
【隅田委員】  それ、私、ちょっと興味があるのですが、課題研究をされるじゃないですか。例えば卒論みたいなものを書かせている高校ってあるのでしょうか。例えばそれを先生が評価すれば、中身だけじゃなくてそのプロセスも含めて、すごくよくやった子は高く評価してあげたりってできますよね。
【飯澤委員】  はい。本校ではむしろプロセスしか評価しないようにしていて、成果は分からないのです。もしかするとすごい成果かもしれないけれども、私らの方が不勉強で見抜けないことが大いにあり得るので。なので、前、ちょっと話題になりました科学コンテストとかのことを評価基準にされてしまうと、これはまさに成果主義を学校に持ち込んでいるような印象がありまして、これは大変よろしくないと思うのです。
 むしろ学校はそのプロセスを評価する場であり、それをエンカレッジする場でなければいけないと思っていますので、今のような評価でもそういったことを取り込んでいくということは確かに表現として可能かもしれません。
【千葉主査代理】  『PLOS ONE』というジャーナルがあるのですが、それはやはりプロセスを評価するというような採択基準になっています。普通、驚くようなものでないと『Nature』に載らないとかみたいなのがあるのだけれども、そうではない。
 だから、課題研究なんかの評価も、本当にプロセスをちゃんとしっかりとやっていれば、小中高のジャーナルみたいなものを創って、そこで取り上げて評価してあげるみたいな、保護者にも知らせてあげて、あなたのお子さん天才みたいな、そういうふうなことをやると、保護者は子供が取り上げられるとそれだけでうれしくなってしまうので、物すごい効果があると思います。普通のコンテストではなくて、プロセス評価のようなコンテストみたいなものがあって、いっぱい採択してあげて、いっぱい保護者とか学校で褒めて褒めまくって、理系いいよみたいな。
【塚本主査】  エモーショナルなアプローチですね。
【千葉主査代理】  だけど、自分では本当にそれが物すごく重要だと思っていて、課題研究の評価というのを、プロセスというのをしっかりやっていて、きっちりやったら、それを採択してあげるようなコンテストがあるとすごくいいと思っています。そういうもの創りたいと思います。
【隅田委員】  ちょっと関連した話ですが、保護者の方は、今、ホームページとかをよく見ています。ですから、課題研究とかそういうのも、こんなのがありましたぐらいじゃなくて、どんどんウェブで発信したら、すごくアピールになると思います。
 何かあって、さっきの中学生を連れていったときに、生徒向けのガイダンスで送っても、やはり保護者が全部チェックしているのです。台湾行っているときも、日々様子を写真でアップしてあげると、ものすごくレスポンスがよかったです。
 そういう課題研究とか、学校とかのホームページとしてそういう中身を充実させて発信するなんていうのは、すごく効果的なのではないかと思います。
【塚本主査】  具体的な戦略的かつ効果的な広報活動ですね。
【宮浦委員】  今の『PLOS ONE』のお話、すごく面白いと思います。あれはやはりオープンアクセスでお金を払わなくても、誰でもどこでも見られるというのがやはり一番の魅力で、あれだけ出ていれば、中には結構いいなみたいなものもあると思います。そういう視点で十分、オールジャパンでジュニア版の『PLOS ONE』みたいなものを創って、誰でも無料で見られる。学校関係者も、誰でも基本的に見られる。
 ○○高校の○○さんの課題研究みたいな形で、保護者の方は当然ですけれども、誰でも無料で見られるというシステムを創ると、意外と見ているとおっしゃるのが全国どこからでも聞こえてくる気がします。あるいは英語で書きたい方は英語で書いて海外からでも。そういう広報活動ってなかなか、それぞれのホームページに上げても、そこを見てくれるかというのがあるので、日本で1個にしてしまうというのは面白い。
【千葉主査代理】  そのレビュアーをシニアの人に、科学技術人材で余裕のある人にやってもらったらいいのではないかと思います。
【塚本主査】  クラウドコンピューティングで創っていただくとよいかもしれません。
 話が尽きず、幾らでも広がり、深さが深まるところでございますが、そろそろお時間になりました。皆様から多種多様な御意見を本日も頂きましたので、御発言いただいた内容で真意を確認するところは確認させていただきながら、8月20日の発表に向けて、事務局と塚本にて、まとめさせていただきたいということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 では、最後に事務局の方から今後のスケジュールをお願いいたします。
○事務局より今後のスケジュールについて説明。
【塚本主査】  ありがとうございました。
 皆様、暑い中、何度も御議論に御参加いただきましてどうもありがとうございました。多分今後の検討課題がたくさんございますので、またいろいろ教えていただくこともあろうかと思いますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

── 了 ──

 

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