令和7年2月5日(水曜日) 10時00分~12時00分
WEB会議
小川部会長、梅澤委員、大岡委員、大須賀委員、金井委員、久慈委員、小板橋委員、佐原委員、霜田委員、戸田委員、三浦委員、米村委員
塩見研究振興局長、釜井ライフサイエンス課長、木村安全対策官、市原室長補佐、橋本室長補佐
【小川部会長】 定刻となりましたので、ただいまから、科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会、第57回を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜り、ありがとうございます。
まず、事務局より、本日の委員の出席等の連絡事項の確認をお願いいたします。
【市原室長補佐】 それでは、事務局より御案内申し上げます。
本日は、Webを併用して開催させていただいており、会議の模様はYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
本日は、12名の委員の皆様に御出席をいただいており、定足を満たしています。御欠席は、神里委員、日山委員、深見委員です。また、吉田委員におかれましては、遅れての参加との連絡をいただいております。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。資料につきましては、資料57-1-1から57-3まで、4点ございます。資料57-1-1は、カルタヘナ法の省令の改正案でございます。資料57-1―2は、カルタヘナ法の告示のほうの改正案でございます。資料57-2はCSTIの生命倫理調査会の中間まとめの概要について、資料57-3は第12期の安全部会の活動状況等ということで、資料を用意してございます。
参考資料は5点ございます。参考資料1は、本部会の名簿でございます。参考資料2は、前回の専門委員会の資料、省令・告示の見直しについてでございます。参考資料3でございますが、省令改正等につきましてパブコメをかけました結果の資料でございます。参考資料4は、カルタヘナ法の第二種使用のガイダンスの手引きの改正案でございます。参考資料5は、CSTIの「ヒト胚モデルの取扱いについて(中間まとめ)」を用意してございます。
資料につきましては、以上でございます。不明な点がありましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
続きまして、進行上のお願いでございます。オンラインでの御出席の委員におかれましては、御発言時以外はミュート設定に、御発言の際は「挙手ボタン」でお示しいただき、部会長の指名後に御発言をお願いします。御発言の際は、お名前をお伝えいただきますよう、お願いいたします。また、システム障害などありましたら、チャットなどにて事務局に御連絡ください。
事務局からは、以上でございます。
【小川部会長】 それでは、議題(1)、遺伝子組換え研究の規制の見直しについてに入ります。
事務局より、説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 事務局でございます。遺伝子組換え研究の規制の見直しについて、御説明をいたします。資料1-1、1-2を御覧いただければと思います。
こちらは、昨年3月のこちらの部会、また、遺伝子組換え技術等専門委員会のほうでキックオフをいたしまして、カルタヘナ法の制度見直しを行ってきたものでございます。途中、昨年の9月と11月にこちらの部会を書面開催した際にも状況は報告させていただきましたが、改めて経緯をお伝えいたしますと、遺伝子組換え生物、こちらはカルタヘナ法のほうで規制がございますけれども、第一種使用と第二種使用というのがございまして、そのうち第二種使用ということで、いわゆる閉鎖系で遺伝子組換え生物を扱うときに環境中に出さないための拡散防止措置というのがございまして、そちらについては、省令で定まった拡散防止措置を執るか、または拡散防止措置の大臣確認を受けるといったようなことになっております。
この大臣の確認の仕組みでございますけれども、法律の施行から20年たちまして、アカデミアや企業さんから、もう少し手続面で緩和できないかといったような御意見がございました。このため、昨年、制度見直しを始めまして、そうしたアカデミアや企業さんからのヒアリングも踏まえまして、先生方に検討を進めてきていただきました。遺伝子組換え技術等専門委員会のほうで検討をしてまいりました。
こちらの大臣確認の制度でございますけれども、確認しているもののうち、特にリスクが低いものについては、拡散防止措置の大臣確認の手続をなしに、各研究機関の判断で拡散防止措置を執っていただくといった方向性で見直しを進めてきたものでございます。
お配りしている資料の57-1-1が省令の改正案、1-2が告示の改正案となっていまして、今、お示ししているとおり、黄色にしているところが見直した範囲でございます。こちらは条文に落とし込んだものですので、参考資料2のほう御覧いただければと思います。昨年の11月にこちらの部会を書面開催したときに、見直しの方向性ということで一度御報告しているものでございますので、詳細は後ほど御覧いただければと思うのですが、3ページを御覧いただきますと、例えば、特定のウイルスを遺伝子組換えしますというときに、ウイルスそのものを遺伝子組換えするような、リスクが高い場合は大臣の確認制度を残しつつも、例えば、ワクチン開発のためにスパイクタンパクだけをクローニングするとか、そういったときには大臣確認を不要とするということで、リスクに応じて大臣確認を不要としてという形で見直しを進めてきたものでございます。
この方向性については昨年11月に御報告をさせていただきましたが、これを条文に落とし込んだものが、先ほど見ていただいた資料57-1と57-2になります。こちらにつきましては、11月に遺伝子組換え技術等専門委員会で御審議いただいた後にパブコメを進めてまいりまして、今般、パブコメの結果についても整理をさせていただいております。遺伝子組換え生物だからといったような反対論が多少ございましたけれども、拡散防止措置の適正性ですとか、国の手続に関して問題視されるようなことはなかったというふうに認識をしております。また、一部、技術的な観点で、ちょっとお恥ずかしい話なのですが、告示に記載している微生物の学名に少し誤りがあったとか、そういったところにつきましては、パブコメで寄せていただいた意見を反映しているところでございます。
こちらの省令と告示の改正案ですけれども、先週開催いたしました遺伝子組換え技術等専門委員会のほうで御承認をいただいています。また、環境省と共管しているものですので、昨日、環境省の小委員会でも御承認をいただいたものでございます。本日の部会で御確認をいただいた後、事務方としては、年度内、3月中~下旬の施行を目指して準備を進めているところでございます。また、施行に際しましては、こういった制度見直し、特に研究者の皆様に速やかに情報をお伝えするということが大事だと思っておりますので、説明会等を順次開催していますことに加えまして、参考資料4でございますけれども、研究団体の皆さんに省令・告示を読んでいただくのもなかなか大変かと思いますので、分かりやすく、手引きといった形で整理をしております。こちらのほうも見直しをいたしまして、周知のほうに活用してまいりたいというふうに思っております。
御報告は、以上でございます。
【小川部会長】 ありがとうございます。
ただいまの説明に関して、御質問や御意見等ございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、資料案のとおり了承することとさせていただきたいと思いますが、よろしいですかね。
ありがとうございました。
次に、議題(2)に移りたいと思います。総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の生命倫理専門調査会報告を踏まえた関係指針の見直しについてに入ります。
昨年11月にCSTIの生命倫理専門調査会において、ヒト胚モデルの取扱いに関する報告書が取りまとめられました。その報告書では、関係省庁において既存の関係指針を改定し、ヒト胚モデルの取扱いに関する具体的なルールを規定することが求められています。このため、本部会において、その報告書の内容を踏まえて、関係指針の見直しについて検討を行っていく必要がございます。
本日は、その検討に当たって、まずは、生命倫理専門調査会で取りまとめられた報告書の内容について、事務局から説明を受けたいと思います。
それでは、事務局より、御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 事務局でございます。ヒト胚モデルの取扱いに関する報告の概要につきまして、御説明をいたします。資料57-2を御覧いただければと思います。
ただいま部会長からお話がございましたとおり、昨年11月にCSTIにおきましてヒト胚モデルの取扱いについての報告が出されておりまして、関係省庁におきまして関連する指針の見直しをするよう、求められております。こちらはES細胞関係あるいはiPS細胞関係の指針を念頭に見直しが求められているものでございまして、こちらの部会の下にございます、特定胚等研究専門委員会において見直しを進めてまいりたいというふうに思っております。
CSTIの報告では見直しの方向性が結構細かく示されておりますので、事務方といたしましては、今、12期の委員会の末ではございますが、一旦、キックオフという形を取らせていただいて、その後、事務方のほうで細部の方向性というのを再整理した上で、13期が始まりましたら、先生方に御審議をしていただき、早期の見直しという形に持っていきたいと思っております。
ということですので、本日は、一旦、CSTIの報告書の概要について、簡単に御報告をさせていただきます。既に公表されている資料ですので、先生方、御案内の方も多いものと存じますが、報告はさせていただきたいと思います。
まず、1枚めくりまして、2ページでございますけれども、背景・経緯でございます。近年、ヒト生殖細胞を用いることなく、ヒトiPS・ES細胞からヒト胚に類似した構造物であるヒト胚モデルを作成する研究が世界的に行われております。現状、ヒト胚モデルの取扱いにつきまして、明確にした指針のようなもの、方針のようなものはございませんので、安心して研究を進められるようにルールの明確化が必要ではないかということで、CSTIで検討が進められてまいりました。
次のページを御覧いただければと思います。まず、ヒト胚モデルですけれども、赤字にございますとおり、ヒト胚モデルはヒト胚とは異なるものであるというのが結論でございます。一つ目の丸ですけれども、ヒト胚モデル、ヒト幹細胞などから作成する分化・誘導体で、「初期胚である胚盤胞や着床期以降の胚様の特性を一部示す細胞集団」という書かれ方をしておりますが、下の絵にありますとおり、まだ個体に持っていく技術がないということですので、ヒト胎児様の構造体とは明らかに異なるし、人になり得る存在ではないので、CSTIのほうでまとめておられる最後の丸でございますが、「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」であったり、クローン技術規制法の適用対象になるようなものではないだろうと。ヒト胚とはあくまでも異なるものという結論になっております。
次のページを御覧ください。ヒト胚モデルはヒト胚と異なるため、ヒト受精胚と同等の規制は必要ではないとされた一方で、ここにお示ししているような懸念点や優位性があるということで、ルールを決めていくのは必要であろうということでございます。懸念点といたしましては、将来的にはヒト受精胚との類似性が高まる可能性があること。また、ヒトの形態を模したもの、脳や神経機能の発達したヒト胚モデルの出現により、社会的な不安を惹起する可能性が今後出てくるかもしれないといったようなこと。ヒト胚モデルの機能や科学技術の段階によらず、ヒトや動物の胎内への移植など、不適切な研究が行われる可能性があるんじゃないかといったようなこと。こうした懸念点の一方で、こちらはヒト幹細胞を由来とする試験管内モデルであるため、ヒト胚そのものを扱うよりは、倫理的なものであったり、研究手技的な観点で優位性があるのではないかといったようなことがあると。こういったことから、ヒト胚モデル研究では、ヒト幹細胞関連既存指針を改定いたしまして、ヒトや動物の胎内への移植を禁止することや、倫理審査委員会における審査、国への届出などのルールを設定することが妥当ではないかと、こういった報告でございます。
具体的なルールは、次のページを御覧いただければと思います。まず、マル1といたしまして、既存の指針と同様に審査手続を取ること。機関内のIRBによる審査、国への届出、こういったことがあるといいのではないかと。マル2といたしまして、許容されない研究を規定すること。許容されない研究とは、ヒトや動物の胎内へ移植しないことですとか、個体産生しないことといったようなことでございます。マル3といたしまして、個々の研究において、研究計画書に科学的目的を達成するために必要な範囲で最小限の培養期間を設定し、審査委員会で審査する。こちらは、補足いたしますと、既存のヒト胚関係の指針では14日間のルールというのがあると思いますが、ヒト胚とヒト胚モデルは違うものですので、そういった統一的に何日までというのは難しいのではないかと。ただ、個々の研究において必要最小限の範囲で培養期間を設定すべきではないかといったような御議論がございました。マル4といたしまして、研究機関は研究成果の公表を行うこと。また、あらゆる機会を通じて研究に関する情報提供を行い、国民の理解を深めるために普及啓発に努めることということでございます。また、マル5といたしまして、インフォームド・コンセント(IC)を取得する、またはオプトアウトの手続を行うことといったようなこともございました。既存のES・iPS指針にも、例えば、ICの関係ですとか、機関内の審査、こういったものは含まれておりますけれども、例えば、培養期間の設定みたいなところは今の指針には明示的に書かれておりませんので、ヒト胚モデルがしっかり読めるように既存の指針の見直しを進めていく必要があるものと思っております。
以上、ヒト胚モデルの報告書の概要でございます。
今後でございますけれども、ヒト胚モデルの報告書で示されたルールを読めるように、どうやって指針を見直していったらいいのかというのを、一旦、事務方のほうで整理をさせていただいた上で、13期で委員会が再開した後に御審議をしていただきたいというふうに思っております。
また、来週10日ですけれども、特定胚等研究専門委員会を開催予定でございます。そちらの委員会のほうでも、こちらの資料で御報告をいたしまして、キックオフをすると。特定胚委員会のほうで審議を進めまして、一定程度整理ができた後に、こちらの部会でも御報告してまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
【小川部会長】 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問や御意見等ございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか、委員の先生方。
それでは、今後は特定胚等研究専門委員会において、本報告書を踏まえた関係指針の見直しについて具体的な検討を進めさせていただくこととさせていただきたいと思います。
続きまして、議題(3)に移りたいと思います。第12期科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会の活動状況等についてに移ります。
事務局より、説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 続きまして、議題(3)、第12期科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会の活動状況につきまして、御説明をいたします。資料57-3を御覧いただければと思います。
第12期の部会におきましては、第11期に引き続きまして、各法令・指針等に基づく審査を行うとともに、各制度・指針の見直し等の審議を行ってまいりました。
各部会におけます活動状況について、御説明をさせていただきます。
まず、一つ目は特定胚委員会でございます。(1)は、CSTIの第三次報告書を踏まえた指針の見直しということで、こちらは第11期から継続して御審議いただいた案件でございます。CSTIの「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」の見直しに係る報告、第三次報告書におきましては、それまで認めてなかったミトコンドリア病研究のための新たに作成したヒト胚の利用を、認めていいのではないか、解禁していいのではないかといったような見解が出ております。それを受けまして関連する指針の見直しをしてきたというところで、こちらのほうでは、研究用の新規胚を作成して行う受精胚核置換技術を用いたミトコンドリア病研究を容認する方向で、クローン法の下の特定胚指針の見直しを行いました。こちらは第11期から継続して審議を行っていただきまして、令和6年2月9日に施行規則や指針の一部改正を告示・施行をしているところでございます。
続いて、(2)ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚の規制の在り方に関する検討でございます。こちらは、厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会の報告書が令和2年に出ております。この報告書ですけれども、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用に関して、規制の実効性が現状の制度以上に担保できるような法的な枠組みが必要ではないかとする報告でございます。こちらは、令和2年から少し時間が空いてしまったんですけれども、しばらく止まっていた検討を再開したいということで、これまでは臨床利用ということで厚労省を中心に検討が進められていたのですが、研究分野にも影響が及ぶ可能性があるということで、昨年の秋から、文部科学省、あるいはほかの関係省庁も巻き込んだ形で検討がスタートしたもので、昨年の9月と11月にも、こちらの内容については御報告をさせていただいているところでございます。現段階で、法制化に向けた検討を進めているものの、具体的にいつ法案が出せるといったところは、まだ明示的に御報告できる状況ではございません。第13期に引き続き御審議・御検討いただく内容になってくるかなというふうに思っておりますので、検討段階ということで御了承いただければと思います。
おめくりいただきまして、(3)を御覧ください。こちらは、先ほど議題(2)で御報告しましたヒト胚モデルの報告書を踏まえた指針の見直しということで、本日、キックオフをしていただきまして、今後、13期で、私ども、先生方に御相談をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。
(4)は、指針に基づく適合性の確認等ということで、こちらは制度見直し等ではなく、今ある制度の下で申請があった、どういったものを取り扱ってきたのかというところでございますが、特定胚等につきましては、新規の申請等はなく、変更届出の案件が1件のみという状況でございました。
続いて、囲みの2番、ヒト受精胚の作成・使用等の研究関連ということで、ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会での御審議の状況について、御報告をいたします。
まず、(1)は、CSTIの第三次報告書を踏まえた指針の見直しということで、一つ前の特定胚の(1)と同じ内容でございます。ミトコンドリア病研究が解禁されたということで、関連指針の一つとして、新規胚指針等の見直しをこちらの委員会で御審議いただきました。特定胚との違いは、卵子間核置換技術を用いたものがこちらの指針の対象ということでございます。特定胚と同じく、令和6年2月に指針の一部改正を告示、同日施行しているところでございます。
(2)のゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の規制の在り方に係る検討も、先ほどの特定胚の関係と同じ議題になっております。特定胚委員会のほうはいわゆる幹細胞由来の生殖細胞ですけれども、こちらのほうはヒト胚を扱った場合に規制の対象になり得るということで、御審議をいただいたものでございます。
(3)でございます。指針への適合性の確認等ということで、新規胚指針などに基づきまして新たに申請があったものについて、記載をしております。新規胚指針の下では、12期の間に1件の新たな申請がございました。九州のセントマザー産婦人科医院でございまして、御審議いただいた上で、昨年末に委員会で指針に適合していることを確認しているところでございます。こちらのセントマザーを含めて、今実施中の案件は計2件という形になっております。
また、提供胚指針の下での新規の申請はございませんでした。ゼロ件ということになっております。
次に、3ページを御覧いただければと思います。医学系指針の関係でございます。こちらは、12期の立ち上がり直後は、特に案件がないということで、委員会自体は立ち上げているんですけれども、委員の先生方の任命はしていなかった状況でございます。ただ、昨年の秋に書面開催をした際に御報告したように、個人情報保護法の3年見直しの動きが出てきてございますので、今後、見直しがあるかもしれないということで、吉田先生はじめ、委員の指名を進めてきたところでございます。今後ですけれども、個人情報保護法の3年見直しの議論が進んでいることに加えまして、こちらの指針に対する各種御意見を多方面からいただいている状況でございますので、厚労省さん、経産省さんと一緒に、3省庁で見直しに向けた作業を進めてまいりたいと思っております。具体的には、来週12日にこちらの委員会のキックオフをしまして、御意見をいただいた上で、1回、事務方のほうで預からせていただいて、13期の再開とともにさらなる議論を深めてまいりたいということでございます。
最後、4番、遺伝子組換えの関係でございます。まず、(1)でございますが、こちらは、冒頭に御説明しましたとおり、カルタヘナ法に基づく大臣確認制度の見直しのほうを進めてまいりました。緊急時に大臣確認の手続なしに拡散防止措置を執って行っていただけるような見直し、こちらは昨年12月に告示・施行しております。
また、最後のポツは、先ほど御説明しました省令・告示の見直しでございまして、年度内の公布・施行を目指しているところです。
(2)は、大臣確認の手続の実績でございますが、12期の2年間の間に、専門委員会に計626件の申請がございました。そのうちの121件は審議が必要ということでございまして、こういった案件を先生方に扱っていただきました。
御報告は、以上でございます。
【小川部会長】 ありがとうございました。
ただいまの説明に関して、御質問等ございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
ありがとうございました。本日予定していた議事は以上なんですが、委員の皆様から何かございましたら、時間はかなり余裕ありますので、気になる点等、何でも結構なんですけど、お願いいたします。
大丈夫ですかね。
それでは、最後に、事務局から連絡事項があれば、お願いいたします。
【市原室長補佐】 事務局でございます。本日は、審議いただきまして、ありがとうございます。本日はYouTubeによるライブ配信にて公開させていただきましたが、後日公開いたします議事録が公式な記録となります。本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成後、委員の皆様にお諮りいたしまして、部会長の確認を得た後に当省のホームページにて公開をさせていただきます。
本日の会議に関しましては以上になりますけれども、本生命倫理・安全部会につきましては、令和5年4月を初回として開催させていただきましたが、本日が第12期の最後の開催となります。事務局を代表いたしまして、研究振興局長の塩見から挨拶を申し上げます。
【塩見研究振興局長】 失礼いたします。文部科学省研究振興局長の塩見でございます。本日、第12期の生命倫理・安全部会、最後の開催ということでございますので、一言、御礼の御挨拶を申し上げます。
この第12期の2年間におきまして、生命倫理関係におきましては、特に総合科学技術・イノベーション会議における検討を踏まえまして、ヒト胚関係指針の見直し、ゲノム編集技術等用いたヒト受精胚等の規制の在り方、ヒト胚モデルの取扱いなどについて、御審議をいただきました。また、安全対策関係におきましては、カルタヘナ法に基づく遺伝子組換え研究の規制の見直し、こういった事柄について、御検討いただきました。
言うまでもありませんけれども、ライフサイエンスの分野というのは、科学技術の進展でありますとか、社会環境の変化に伴いまして、新たに検討が必要となる諸課題が日々出てきております。国民の皆様や社会の理解と協力を得ながら研究を進めていくためには、規制制度につきましても様々な角度から不断の見直しを行っていくということが重要になっております。その意味で、本部会に担っていただいております意義というものはますます重要になっているというふうに考えているところでございます。文科省といたしましても、賜りました御審議を踏まえながら、関係府省とも連携しつつ、引き続き、こうした課題に適切に対応していきたいと考えております。
委員の皆様におかれましては、小川部会長のリーダーシップの下、本当に多様な視点から御意見を賜りまして今後の道筋をお示しいただきましたことに、心から感謝を申し上げます。今回で12期の部会は終了になりますけれども、引き続き、我々に様々な観点から御示唆・御指導を賜ればというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
誠にありがとうございました。
【市原室長補佐】 続きまして、今期をもって本部会を離れられる委員がいらっしゃいますので、御紹介させていただきます。
小川部会長、金井委員、梅澤委員、神里委員、霜田委員、日山委員、三浦委員が、今期で最後となります。
よろしければ、先生方より一言ずつ御挨拶をお願いできますでしょうか。
お願いいたします。
【小川部会長】 じゃ、私からでよろしいでしょうか。
小川です。私は、6年前に特定胚の委員に指名していただきまして、6年間やってきましたし、4年前から生命倫理・安全部会の委員をさせていただいています。最後は部会長までさせていただきましたが、本当に力不足で、お役に立てたとは思えないんですけども、私個人としては、皆様とお知り合いになれて様々なことを勉強させていただいたこと、本当に感謝しております。本当にありがとうございました。
【市原室長補佐】 ありがとうございます。
続きまして、金井先生より、お願いいたします。
【金井部会長代理】 東京科学大学の金井でございます。遺伝子組換え生物等で10年間委員をさせていただいたということで、今期で10年になります。この10年間で一番大きかったことは、コロナのパンデミックがあったということです。これに関連しまして、今日、お話のあった木村安全対策官と山本さんが本当に一生懸命されて、カルタヘナ法の大臣確認の適用外ということと、もう一つは二種の研究範囲を大幅に考え直してくださったということで、事務局の皆さんに感謝申し上げます。
個人的には、塩見局長というダイバーシティーの元、委員を務められたことをありがたく思っています。私どもは、女性の不妊の研究をしており、ヒト胚や特殊胚など、今後はユーザーとして、皆様方にいろいろとお力添えをいただくことと思います。
【市原室長補佐】 ありがとうございます。
続きまして、梅澤先生、お願いできますでしょうか。
【梅澤委員】 本日は、お時間をいただき、ありがとうございます。生命倫理・安全部会の一員として、多くの先生方と議論を重ねる機会をいただき、大変光栄に存じます。特に、本日も議論となりました受精胚関連、特定胚、ヒトES細胞、さらにはCSTI関連ではございますが、ヒト胚モデルについて、改めて深く議論できたことに感謝申し上げます。また、メディアにも多く取り上げられている分野であることを実感しながら、皆様のご説明を拝聴いたしました。科学的な発展と倫理的な課題のバランスをどのように取るべきか、また、この分野においては特に慎重な議論が求められることを改めて感じました。本日、事務局からも指摘がありましたように、社会的不安をどのように払拭するかが本部会の重要な使命の一つであると認識しております。倫理的な課題への対応とともに、本部会の役割の重要性を再認識いたしました。
研究者としては、受精胚核置換、ゲノム編集、さらには遺伝性・先天性疾患を含めた研究を引き続き着実に進めてまいります。私は当事者として、これまでのご指導・ご協力に深く感謝するとともに、今後もこの分野の発展を心より願っております。本日は誠にありがとうございました。
以上でございます。
【市原室長補佐】 ありがとうございます。
続きまして、霜田先生より、お願いいたします。
【霜田委員】 霜田でございます。私、倫理学が専門なので、新しい医学、生命科学研究の実情に触れるというのはなかなか難しいんですが、この部会の委員として、いろんな新しい情報に接する機会があり、また、政策形成や指針の改定の作業にも関わることができたのは、非常に貴重な経験でした。いろんな研究機関や病院の倫理審査などの仕事もしておりますけども、そういう時にも非常に参考になり、私自身、勉強をする機会ということで、この10年間、とてもお世話になったと感謝しております。
どうもありがとうございました。
【市原室長補佐】 ありがとうございます。
最後に、三浦委員より、お願いいたします。
【三浦委員】 10年前に特定胚委員会から開始しまして、特定胚の具体的な審査案件が方々から出されていて、私はその審査に関わっていたというふうなことから、多分、御指名いただいたのかと思います。しっかりとそこのところは進められたんですけども、なかなか次に続いていく研究者が出てこなかったというのは、少し残念だなというふうには思っております。
4年前、遺伝子組換え委員会のほうの委員にもなりまして、2年前に委員長をさせていただいて、本年度、カルタヘナ法の省令の大きな改正に関わって、それを達成できたというような、少し爪痕を残せたかなとというのが、この部会での思い出というふうになるかと思います。今後もこうしたバイオサイエンス研究の規制等に多分関わっていくかと思いますので、ユーザーというか、審査する側、あるいは運営する側の観点から、また御協力できればというふうに思っております。
今まで、大変ありがとうございます。
【市原室長補佐】 ありがとうございました。
事務局からは、以上です。
【小川部会長】 それでは、本日の生命倫理・安全部会を閉会させていただきます。ありがとうございました。
―― 了 ――
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