生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議(令和7年2月~)(第8回) 議事録

1.日時

令和8年6月2日(火曜日) 16時01分~17時37分

2.場所

Web会議
経済産業省会議室

3.議題

  1. 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」一部改正(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

森座長、有江委員、池田委員、神里委員、佐々委員、佐原委員、田代委員、玉腰委員、徳永委員、戸田委員、長神委員、花井委員、日置委員、深見委員、別所委員、前田委員、三浦委員、三成委員、武藤委員、山内委員、山本委員、横野委員、吉田委員

文部科学省

永川安全対策官、佐藤専門職、工藤専門職

厚生労働省

荒木課長、江田推進官、舩冨補佐
森課長、荒木室長、新井指導官、八百野技術参与

経済産業省

小野企画官、黒澤係長

オブザーバー

個人情報保護委員会事務局
厚生労働省医政局参事官(医療情報担当)付医療情報基盤推進室
内閣府 健康・医療戦略推進事務局

5.議事録

【森座長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第8回生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」を開始させていただきます。
本日はお忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 最初に、事務局から、本日の委員の出席状況と配付資料について、説明をお願いいたします。
【小野企画官】  事務局でございます。よろしくお願いします。
 本日は、森座長を初め、現時点21名の委員が出席されております。戸田委員、三浦委員は遅れての御出席予定、石井委員、磯部委員は御欠席と聞いております。
委員の交代について御紹介いたします。土屋由美委員の役職の変更に伴い、日本製薬工業協会研究開発委員会副委員長の池田信也委員が、今回から御出席されております。
 事務局につきましては、厚労省、文科省、経産省より関係課室が参加するとともに、オブザーバーとして個人情報保護委員会事務局、内閣府健康・医療戦略推進事務局、厚生労働省医政局参事官(医療情報担当)付が参加しております。
また今般、事務局に人事異動がありまして、厚生労働省医政局研究開発政策課長として森桂が就任しております。文部科学省ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室安全対策官として永川豊広が着任しております。
その他の事務局等のメンバーは、参考資料1―2を御覧ください。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。委員の皆様におかれましては、事前にお送りした資料を御覧ください。「議事次第」のほかに、資料1「前回合同会議後に委員の皆様から頂いた意見について」、資料2「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の一部を改正する件(案)」、資料3「指針改正に伴うガイダンス等に記載する内容の方向性について」と、参考資料1―1から参考資料5までをお配りしております。
 ここで、ウェブ会議を行うに当たって御留意いただきたい点について御説明いたします。まず、通常はマイクをミュート、カメラはオフに設定していただき、発言時にはカメラはオンとミュートの解除をお願いいたします。発言を希望される方は、画面上の挙手ボタンで意思表示をお願いいたします。その他、何か不都合等がございましたら、チャット欄においてお知らせください。
 なお、資料は随時投影させていただきますが、通信環境が悪くなった場合、通信負荷軽減の観点から、資料の投影を中断し、音声配信を優先する等の対応をすることがありますので、御了承を願います。
 以上です。
 座長、お願いいたします。
【森座長】  御説明どうもありがとうございました。
 それでは、議題1)「「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」一部改正(案)について」に入らせていただきます。
まずは、資料1及び資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
【八百野技術参与】  それでは、資料1及び資料2の御説明をさせていただきます。資料1と資料2の両方を並べて御説明させていただければと思います。
 資料1の見方について、ブルーセルと白いセルがございますが、今回、資料2の指針の本文案にいただいた御意見を反映させていただいているものがブルーセルの御意見になります。それ以外の白いセルのほうに関しましては、御意見に対しての事務局の考え方についてはお示しさせていただいておりますが、大変申し訳ありませんが指針本文案のほうには、踏襲させていただいておりませんので、御理解いただければと思います。
 まず、資料1になりますが、第2(3)にもともとありました「介入」という定義に関しましては、パブリックコメントでも多数の御意見もいただきまして、「介入」の定義の見直しは行わないものとし、本文案からも削除しております。
 続きまして、資料1の2番目、「試料・情報」の「・」は、「及び」なのか「又は」なのか、その両方なのかということを指針の全体で整合をとるべきだという御意見をいただいておりました。こちらを受けまして、後ほどの同意説明関連の第8についての説明とも合わせてになりますが、「試料・情報」の考え方について整理させていただいております。
 今回の指針の本文案に関しましては、「試料・情報」として「試料若しくは研究に用いられる情報又は試料及び研究に用いられる情報」ということで、定義を置くという提案をさせていただこうと思っております。
 続きまして、資料1の3番目、第2(17)になります。今回、「既存試料・情報の提供のみを行う者」に関しましては、新設する用語の定義となります。今回いただいている御意見に関しては、研究の実施に関与するかしないかというところの文言整理について御意見をいただいたところでしたが、まず、この用語の定義については、全体的に法令からの御意見も受けて見直しをしているということと、ここの表現については、「携わらない者」が適切な表現だということです。
 次、第8の2になりますが、少し整理をした上で(2)が「試料を用いる研究」、(3)が「情報のみを用いる研究」というような構成とするべきだという御意見をいただいておりました。
 資料は10ページになります。「試料を用いる研究を実施しようとするとき」という項目においては、「試料を用いる場合」、「試料・情報を用いる場合」に(2)で見るようにし、(3)に関しては、情報のみを用いる研究を実施するときに見るようにするべく、「試料を用いない研究を実施しようとする場合」というような表現にしています。
 なお、(2)で「試料及び研究に用いられる情報を用いようとする研究を実施しようとするとき」について、個人情報保護法の例外規定との関係性がありましたので、「準用する」とあるのは「適用し、又は準用する」とすることで、情報に関しては適用、試料に関しては個人情報保護法を準用するというような読み替え規定をこの柱書の中に置かせていただいております。
 次に、第8の2(3)が「情報のみを用いる研究を実施しようとするとき」という、前回会議での指針案では、こういったタイトルだったものを修正しております。(3)に柱書きがあり、(2)に柱書きがなかったので、(3)についても削除するべきではないかという御意見をいただいていましたが、法令とも調整をした結果、(2)のほうに(3)と同じような形で柱書きを置くという形になっております。
 もう一つ、インフォームド・コンセントの点で、研究者等が、6の規定による説明事項について、「あらかじめインフォームド・コンセントを受けなければならない」という一文の中から、「6の規定による説明事項について」というものを削除した上で整理をするべきだという御意見をいただきましたが、法令とも相談をさせていただき、何についてのインフォームド・コンセントなのかが、やはり分かりにくくなるため、それは適切ではないということで、元イキとさせていただいております。
 次に資料1の第8の2(4)アのマル2関係ですが、ここの「マル1に該当しない」というところなりますが、ここは(2)イ(ウ)又は(3)ウ(イ)に該当する場合においての規定となるところです。先日の案ではマル2にも、「(2)イ(ウ)又は(3)ウ(イ)により既存試料・情報提供をする場合」という記載をしていましたが、本規定は(2)イ(ウ)又は(3)ウ(イ)に該当するものを前提としている規定ですので、それは自明であろうということで、こちらについてはいただきました御意見のように、削除させていただいて、適切な形でシンプルにさせていただいております。
 次に、第8の2(4)イのマル1ですが、こちらの「既存試料・情報の利用」に際しての規定のところで、「適正に行われる」から「適切に行われる」に修正してはどうかというところで御意見をいただいているところになります。ここが、「既存試料・情報の提供のみ者」が所属する所属機関の長に求める規定という形になっております。
 もともとここについては、「既存試料・情報の提供のみ者」が行わなければいけない規定がアで、その者が、適正に行われることの体制整備や規程を整備することを、所属機関の長に求めているのがイという形になります。研究機関の長に求めている規定についても「適正」という表現をしておりますので、こちらについても同様に整合をとらせていただいておりますので、このまま元イキとさせていただければと思っております。
 次に、(4)イのマル2、ここもオプトアウトの表現ですが、研究対象者等が容易に知り得る状態に「置くことを確保すること」にしてはどうかという御意見をいただいていたものになります。オプトアウトの表現に関しましても、「置かれることを確保すること」ということで、ここも所属機関の長に求めている規定ということになっておりまして、研究対象者が容易に知り得る状態に置くことは、提供のみ者が行うこと。その提供のみ者が行うことが、適正に行われることを所属機関の長に求めているという形になりますので、ここの表現も「置かれることを確保すること」ということで、元イキとさせていただいております。
 第8の2(6)、「試料・情報」を、指針の定義どおりの内容とするのであれば、「又は(研究に用いられる)情報のみ」というのは不要と思われるということで、御意見をいただいているものになります。
 こちらは、今改定で修正させていただいたので、なくなっておりますが、もともとは、ここの「外国にある者へ試料・情報又は情報のみを提供する場合の取扱い」というものになっていたので、定義を見直したことによって「試料・情報」の情報は包含される形になりますので、現行の指針の表現と同様にしております。
 以上が、資料1の御意見に合わせて本文案の修正の対応状況になっております。ただ、こちらの本文案に関しましても、まだ、法令とは調整中ですので、このまま告示されるということではないので、改正(案)の方向性ということで御理解いただければと思っております。
 よろしくお願いいたします。
【森座長】  御説明ありがとうございました。
 それでは、資料1及び資料2に沿って、前回の会議後に委員の皆様からいただきました御意見と、それを踏まえた改正(案)について御説明をいただいたところでございます。
 御意見、御質問のある委員におかれましては、挙手をお願いいたします。
 横野委員、お願いいたします。御発言ください。
【横野委員】  取りまとめ及び御説明、ありがとうございます。
 1点、前回ちょっと御質問させていただいたところに関連してお伺いしたいところがありますけれども、今回、資料1の表で言うと、13番目に当たる「インフォームド・コンセント」の表現の部分ですが、ここは、現行案のままということですけれども、その現行案のままとなった場合の、この規定の理解ですが、これが、6の規定に22項目の説明事項が、現行指針としては5の規定にありますけれども、これらの事項が同意を得るべき事項になるというわけではないという理解でよろしいですか。
【八百野技術参与】  説明事項とその内容についてのインフォームド・コンセントを受けるということを求めております。ただし、ということで、倫理審査委員会の意見を受けて、長が許可した説明事項については省略することができるということになります。
【横野委員】  ということは、この6の事項は、あくまで説明すべき事項であって、同意を受けるべき事項ではないという理解は難しいということですか。
【八百野技術参与】  説明をするのに同意は受けないということでしょうか。
【横野委員】  現行、このマル1からマル22までの事項というのは、説明すべき事項というふうな形で、指針上、示されています。これも、いろいろな解釈があるかと思いますけれども、ここに列挙されている説明事項の中には、様々な性質のものが含まれておりまして、中には、研究対象者が同意又は不同意を表明する対象となるようなものも含まれていると思いますけれども、基本的には、これは研究参加の可否を判断するために情報として提供されるべきものとして提示されているものだというふうに理解をしておりますし、基本的には、その研究倫理のヘルシンキ宣言ですとか、USのコモン・ルールですとか、その他の文章においても、そのような位置づけになっているかと思います。
 ですので、この中に、その説明をした上で、具体的な内容について同意を得るという目的で書かれるものもあれば、そうではないものもあるというふうに理解をしていますけれども。
【八百野技術参与】  あまり厳密に、そこまで同意を受けるものと同意を受けないもので区別をしているものではなく、インフォームド・コンセントの定義そのものが、そもそも研究対象者等の同意であって、それらを理解した上で、十分な説明をすることと研究対象者等の同意であるということをいっております。説明事項のうち一部は同意を受けなくてもいいですよ、ではなく、内容によって研究対象者の、この部分は嫌だという拒否をすることは可能かとは思います。なお、今までの考え方と、全く変えているつもりはありませんので、規定の書き方も変えていないという形にはなるかと思います。
 今までは、文書によるか口頭によるかということも書かれておりましたが、そちらについては、そもそも手段の話ではありますので、内容のことではないというふうな理解をしております。
【横野委員】  今までは、文書によるか口頭によるかという手段を説明する文言が、ここの規定に入っていたのですが、それがなくなった上で、「6の規定による説明事項」というのが、同意の対象であるように読めるような形で追加をされることになると、この説明事項というのが、「同意を受けるべき事項」になってしまうのではないかということを危惧しているのですが、これは、あくまでも説明義務を担保するための情報提供をすべき事項であって、これが全て同意を受けるべき事項であるというふうにも思われないのですが。
【八百野技術参与】  今までの研究者等は、「5の規定による説明事項を記載した文書により」ということを言っていたので、文書は、その手段となります。「説明事項を記載した」については、その説明事項、5の規定による説明事項ということが、今は6の規定による説明事項と変わらないので、意味合いとしては変えているつもりはありません。
【横野委員】  それであれば大丈夫だと思いますけれども、あと、もう一つ、非常に細かいことで申し訳ないのですが、現在の説明事項の中で、例えば個人情報の取扱いに関して、仮名加工情報又は匿名加工情報を作成する場合には、その旨を含むという部分があるんですけれども、これに関しては、今回の見直しにおいては変更がないということになるのでしょうか。
【八百野技術参与】  作成については、今回議論しておりませんので、変えているつもりはありません。ただ、同意の手続きに関する一部については、個人情報保護法に則ってください、というような形にはなるかと思います。
【横野委員】  その際に、若干危惧をいたしますのが、今回、この説明、22項目の事項が同意の対象ということになった場合に、というか、そういうふうに考えないとしても、現行指針の22項目の中で、同意の対象であるということが意図的に書かれている事項の一つが、このマル11だと思うんですね。
 そうすると、この匿名加工情報等について、「個人情報保護法の規定による」という部分との矛盾というのが生じる可能性はないのでしょうか。
【八百野技術参与】  それは取扱いなので、同意の手続き云々ということではなくて情報をどう扱うか、という話にはなると思いますので、その取扱いというのと同意の手続きは、その取扱いの中に、同意の手続きは包含されるかもしれないのですが、取扱いは、もう少し広義な意味かと思われます。
【横野委員】  これは、ここでの説明事項に、仮名加工情報又は匿名加工情報の作成という旨が入るということは、この部分について同意を得なければならないということにはならないということでよろしいでしょうか。
【八百野技術参与】  はい。
【横野委員】  分かりました。ちょっとそのように読めるかどうか、不安を感じるところではありますけれども、そのように読める可能性があるというふうには、私としては思いましたので、一応コメントとしてお伝えしたいと思います。
【森座長】  吉田委員から御発言です。よろしくお願いします。
【吉田委員】  第8の2について確認させてください。今回、リスク特性に応じて侵襲を伴う研究又は介入を行う研究は(1)、試料・情報を用いる研究は(2)、試料を用いない研究は(3)と分けられていますがこの分類は排他的ではないということでよいですか?一つの研究の中で、介入研究だが、対照群としてはヒストリカルコントロールを使う研究や、RCTだがバイオバンクデポジットも付随する研究のように、2つの分類にまたがる研究もあり得るので、それらについては、ガイダンスで記載するという対応になりますか?
 この分類が排他的なのか、重複適用がありかについて確認させてください。
【八百野技術参与】  御意見ありがとうございます。研究のデザインによっては、侵襲を伴う群、介入を伴う群というところと、あとは既存情報や既存試料を用いる研究というところで群分けがあるかと思っておりますので、(1)と(2)又は(3)ということはあると思います。また(2)と(3)を排他的にできるような形で、今回調整をさせていただいたという形になるので、(1)は、重複はあり得ると思っております。
【吉田委員】  ありがとうございます。
【森座長】  今、吉田委員の発言がございましたが、8の(2)と(3)については、それを相互に参照する形の指針作成の方向性も、構想としてはございましたが、今回は、(2)、(3)は排他的にしまして、(1)との重複はあり得るという立てつけになっているところです。
 これは、侵襲や介入を伴う研究が、被験者のリスクが最も大きく、その要因がある場合には、必ず(1)を参照することを重んじているといった背景になります。
 そのほか、先生方から御意見、御発言ございますでしょうか。
     (「なし」の声あり)
 それでは、この後の議題に進みまして、また、先生方から御質問がございましたら、改めて後ほどお願いしたいと思います。
 それでは、今の議論を踏まえまして、本合同会議といたしまして、倫理指針の一部を改正する件(案)につきましては、この(案)を了承することとさせていただきます。
 なお、この指針(案)については、各省庁の法令において、引き続き御確認いただくこととなっていますので、行政文書として適切な表現を整えていただくということを御了承いただきたいと思っております。
 よろしかったでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
 御異議ないようでございますので、その旨、この合同会議の決定事項とさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料3「指針改正に伴うガイダンス等に記載する内容の方向性」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
【八百野技術参与】  それでは、資料3の説明に入らせていただきます。資料3「指針改正に伴うガイダンス等に記載する内容の方向性について」の御説明をさせていただきます。
 前回の会議資料において、今回の指針改正においてガイダンス等で明確化する事項として、ガイダンスに今回改めて入る文言の解説について追加する旨を御説明させていただきました。
 この追加内容についても、どういう書かれ方をするのかということについては、会議の中でお示しをするべきだという御意見もいただきましたので、今回、皆様から御意見をいただければと思っております。
 まず1つ目、「第1 目的及び基本方針」に、マル1患者・市民の視点を尊重し、という文言が追加されます。
こちらについては、委員からも御意見をいただいておりまして、「患者・市民の視点を尊重し」について、ガイダンス(案)に関しましては、人を対象とする生命科学・医学系研究に患者・市民の経験や知見、ニーズを活かそうとする考え方を示し、いわゆる患者・市民参画の理念を意味する。ということをガイダンスの中では書かせていただこうと思っております。
ただ、この患者・市民参画について、長々と書くことでわかりにくさにも繋がりかねないため、詳しくはAMEDでPPIなどのハンドブックなどが掲載されておりますので、そういったものを参考にできるよう引用させていただければと思っております。
次に、「第7(2)研究計画書の記載事項」になりますが、こちらは、前回の会議資料の中では含まれていなかったものになりますけれども、会議の中でもたびたび、いわゆるバイオバンクで行う倫理審査の在り方などについて御意見をいただいておりましたので、一度ちょっと整理をさせていただこうかと思っております。
第7(2)によって作成された研究計画書というのが、いわゆるバンクが作成する研究計画書の規定という形になっています。それに基づいて、試料・情報の提供を行う場合においては、以下のパターンが考えられ、マル1からマル3をお示しさせていただいております。
マル1が、例えばアカデミアなどが主となる一の研究において、試料・情報の収集・提供を行う機関が共同研究として提供する場合がありますし、マル3のように当該研究に対して、単純に提供のみを行う者として提供する場合もある、というのがマル1とマル3の違いという形になるかと思います。
他方でマル2に関しましては、試料・情報の収集・提供を行う機関が研究機関として、第7(2)に則った範囲内において提供する場合ということも考えられますので、該当計画書に、どこまでの研究目的が明示されているかにもよると思いますが、こういったものの範囲内なのであれば、再度審査を受けることは不要なのではないかということで、ガイダンスの中では書かせていただこうと思っております。
上記に関しましては、パターンの考え方を示しているものになりまして、こちらの緑の破線囲みの記載内容が、ガイダンスの中に書いてはどうかという案になります。
試料・情報の収集・提供を行う機関が、第7(2)における研究計画書に基づいて、試料・情報を提供する場合であって、当該研究計画書及び同意手続等の内容の範囲内である場合においては、再度審査を受けることは不要である。この場合、具体的な研究目的や当該既存試料・情報の取扱いについて明示されている場合に限るということを書かせていただこうと思っております。
 逆に、包括的な同意の範囲に留まる研究において提供する場合には、オプトアウトの実施が必要になりますので、その場合には、都度、そのオプトアウト文書が正しいかどうかということについては、倫理審査委員会に諮る必要がありますので、そちらについては、提供先となる研究機関が依頼する倫理審査委員会において、当該オプトアウト文書の審査がされることが望ましいということも、合わせて書かせていただこうと思っております。
 次に、「第8 インフォームド・コンセントを受ける手続等」ということで、今回の指針改正において、既存試料や既存情報を提供する、利用するといった場合には、原則同意ではなく、原則オプトアウトにするということで検討されてきました。そのときの条件が、「適切な手続きを経て取得された試料あるいは情報である場合であって」というものになります。
 この場合の「適切な手続きを経て」とは何かという記載内容になります。「試料・情報の別を問わず、取得の過程で偽りその他不正の手段等によって得たものではないことをいう」という一文を書かせていただいた上で、例えば、「試料・情報を取得する主体や利用目的等について、意図的に虚偽の情報を示して、本人から試料・情報を取得したものではないこと」ということと、「当初取得された状況において、研究対象者となる本人が全く予期できない、あるいは本人の意向に反した利用や提供ではないこと」といった例示を書かせていただこうと思っております。こちらについては、個人情報保護法第20条第1項における通則編においても、不正の手段により個人情報を取得している事例として、例示がいくつか記載されているものになります。こちらも、意図的に虚偽の情報を示した本人から個人情報を取得する場合においては、不正の手段により個人情報を取得している事例だということで示されていることもあり、こういったものも参考に、記載調整をしていく予定です。
 また、特に研究者等の異動等に伴い、無断で研究機関から試料・情報を持ち出されないよう留意が必要だということも明示的にさせていただければと思っております。
 なお、「本人が全く予期できない」という範囲が、少し幅広に読まれるのではないかという御意見もいただいております。この表現の背景としては、例えば医療機関の研究対象者が患者さんであった場合には、その患者さんは診療の目的で受診されており、その治療などに必要とされる検査項目や、試料の採取をされることが患者さんにとっては意図されていることかと思います。
 その意図とは全く反して、勝手に何か検査項目が追加されたり、加えて何かを取得するなどの行為がないということを示したいというものでしたが、ほかに代替案などあるようでしたら御意見等いただければと思っております。
 次に、第8の2(4)です。ここが「既存試料・情報の提供のみを行う者等の手続」になります。
 アのマル2の記載としては、倫理審査委員会にオプトアウト文書など、意見を聴くことを求めている規定になりますが、今のガイダンスにおいては、既存試料・情報の提供のみを行う者は、必要に応じて提供先その他の機関に設置された倫理審査委員会に審査を依頼することもできるというような表現で、「できる」という少し弱めな記載となっていますが、今回、会議での御意見もいただきまして、きちんと明示的にできればと思っております。「ガイダンスの改正(案)」といたしましては、提供先となる研究機関あるいは研究責任者が研究計画書等と合わせて、研究に用いる既存試料・情報の提供のみを行う者が行わなければいけないオプトアウト文書を倫理審査委員会に聴くことが望ましい、というものです。
 なお、この場合の提供のみ者は「再度個別に自分のところで二重で審査をすることは不要である」ということもきちんと明確にさせていただければと思っております。
 次に、「第17 倫理審査委員会の役割・責務」になりますが、今回の指針の改正において、侵襲を伴うもの、介入を行うような研究においては、原則が外れまして、一括審査が必須という形になります。それを受けて、倫理審査委員会の質についても少し言及するべきではないか、という御意見もいただいておりました。そのため、倫理審査委員会の委員教育について、少し触れさせていただければと思っております。
 現行のガイダンスにおいて、委員の教育については外部機関で開催されている研修会やe-learningなども含まれ、年に1回程度の教育・研修を受けることが望ましいというような記載になっています。
 そのため、今回のガイダンスの改正(案)につきましては、赤字について追記させていただければと思っております。まず一つ、この倫理指針は、個人情報保護法と密接な関係にありますので、「個人情報保護法及び関係法令も含めてきちんと必要な知識を習得する必要がある」ことを明示的にさせていただければ考えております。
 また、「倫理審査委員会の設置者が開催する研修会」や「外部機関で開催されている研修会」については、特に多機関共同研究の一括審査を行う倫理審査委員会においては、臨床研究中核病院が開催している研修会への参加が望ましい、ということを書かせていただければと思っております。
ただし、この研修会への参加についても、年に数回開催されてはおりますが、日程が合わないなども想定されます。臨床研究中核病院以外の機関において、厚生労働省のホームページに掲載している、臨床研究中核病院が作成されている研修カリキュラムやシラバスを参考に企画された研修を受講するのであれば、それでもよいということも合わせて記載させていただければと思っております。
 最後に、「一括審査に係る留意点」ということで、「倫理審査における配慮・審査の視点」について、会議の中でも「一括審査」を強化するに当たって、倫理審査委員会がどういった視点で審査をするべきなのかというところについて、少し明示的になるとよいのではないかという御意見をいただいておりました。
 「審査の視点」については、臨床研究法においても審査の視点というものがあります。臨床研究法は、医薬品等の有効性・安全性を評価するような研究であり、認定委員会で審査することになりますので、それとは粒度も審査の視点も異なります。ただ、これらを参考に指針の観点で、同じような形で「審査の視点」ということでまとめさせていただければと考えております。
 こちらの、掲載場所については、倫理指針等が掲載されている各省のホームページに掲載することを予定しています。
 あともう一つ、「一括審査による各研究機関の手続き等において注意すべき点」ということで、一括審査を推進するに当たって重大な不適合も少し増えるのではないかという御懸念も、会議の中では御意見をいただいておりました。
 今、省庁で重大な不適合の報告としていただいているものが幾つかあり、お示ししている「倫理審査の失念」は、一括審査だと思っていたものが、一部は個別の審査であったのを理解しておらず、審査や研究機関の長の許可を失念したというようなもの。
 「研究計画書や同意説明文書の適切な版管理の欠如」は、版番号が管理し切れておらず、古い同意説明文書で説明したというようなもの。「必要なインフォームド・コンセント手続きの失念」は、そもそも同意を取るのを失念した、オプトアウトを実施するのを失念したというのもあるのですが、それと合わせて研究者ではない者が研究の同意を取得したという報告も幾つか見受けられております。この研究者ではない者による研究の同意取得は、一括審査をすることで、分担機関の研究分担者の異動等に伴って変更があった場合には、一括審査側では、その審査がなかなか対応し切れないというところも現実としてはあるようです。この場合分担者本人が自分はいつから研究者になっているのかというところが明示的になっていないという背景もあるように推察いたします。そのため以前の会議資料にも記載させていただきましたが、研究分担者については、COI関係があるものに関しては迅速審査、ないものに関しては報告事項として整理した上で、ガイダンスに記載させていただこうと思っております。
 こういった例については、今回の指針の改正について、まとめた説明資料を改めて作成することになると思いますので、その資料に本件のような事例も追加できればと考えております。
 以上が、資料3の説明になります。
【森座長】  御説明ありがとうございました。資料3に沿って、ガイダンス等に記載する内容や方向性についての御説明をいただいたところでございます。
 それでは、御意見、御質問のある委員におかれましては、挙手をお願いいたします。
 有江委員、お願いいたします。
【有江委員】  よろしくお願いします。ガイダンス(案)の作成、ありがとうございました。スライド8の倫理審査委員会の設置者が開催する研修会、あとは、外部機関で開催されている研修会のガイダンスの改正(案)について、赤い文字のところですけれども、そこについて御質問をさせてください。
 「特に、多機関共同研究の一括審査を行う倫理審査委員会においては、臨床研究中核病院が開催している研修会が望ましく」とか、あとは、「臨床研究中核病院が作成する研修カリキュラムやシラバスなどを参考に企画された研修であること」というような記載がされていますけれども、これに関しまして、私が、第6回の合同会議で、ガイダンスで特定の教育とか教材で受けることを規定するものではなくて、あくまでもこのような教育や教材を使用することが望ましいというか、リコメンデーションに留めていただくことを御検討くださいというふうに発言したところ、具体的に特定の機関のこれを年に1回しなさいみたいな規定は、少なくとも書けないというふうな御回答があったと記憶しております。
 今回、規定ではなくガイダンスではございますけれども、今回の案では、一括審査を行う委員会が前提とはなっているのですが、特定の機関の特定の研修を提示していて、提案レベル以上の、まあ先ほどは提案のような御説明をされておりましたけれども、この書き振りだと、何か提案以上の書き振りになっているようにも感じます。
 この点を御確認いただきたいということと、この提示されているシラバス等も、臨床研究とか治験などの委員会を意識しているものとなっていると思いますし、この臨床研究の中核病院が開催している研修会の内容に相当するものが望ましいかどうか、ちょっと分かりませんが、医学系研究は結構範囲が広いので、それに対して中核病院が行っている研修が望ましいのかと。それで、2行目の文章では、「当該研修会への参加が難しい場合においては、臨床研究中核病院以外の機関において、臨床研究中核病院が作成する研修カリキュラムやシラバス等を参考に企画される研修であること」と書いてあるので、これは、ちょっと提案レベルを超えているのではないかと思います。参考にしてください、ぐらいのニュアンスでもいいのかなと思ったところですけれども、御確認いただけますでしょうか。
【八百野技術参与】  御意見ありがとうございます。語尾については、今後も調整させていただきます。例示としては、記載しているものを例示させていただこうと思います。
【有江委員】  ありがとうございます。
 あと1点、スライド4の、第7(2)の「研究計画書の記載事項」の「ガイダンス(追記案)」、オプトアウト文書の件ですけれども、審査されることが望ましいというふうに記載されていますが、このオプトアウト文書の審査というのは、一体何を審査するのだろうかと。
先ほど、正しさを審議する、審議に諮るんですかね、審査するというような御説明をされたと思いますけれども、このオプトアウト文書の「文書」という言い方も、若干違和感があるのですが、この内容について、通知や公開する情報の内容が十分で適切なのかどうかを確認することだと思うんですね。なので、それが審査と、性格が若干異なるようにも感じるのですが、一緒なのでしょうか。何か「審査」というところと「確認」というような内容では、ちょっと大きく異なりますので、「審査」という言葉が適切なのかどうか、あとはオプトアウト文書という、その「文書」というのも、若干違和感があるので、この辺何か御意見ございますでしょうか。
【八百野技術参与】  本文では、「倫理審査委員会に意見を聴く」という表現をしておりますので、そこを「確認」とするかどうかも含めてですが、書き方の表現については、ガイダンスですので、今後、少し調整をさせていただければとは思います。
【有江委員】  よろしくお願いします。いずれにしろ「審査」となると、いろいろな手続きが発生するということにもなりますし、「審査」と「確認」では大きく違うかなと思いますので、一応御検討いただけるということで理解いたしました。
 ありがとうございました。以上でございます。
【森座長】  今の有江委員の「確認」という言葉は、良い表現だと思いました。ぜひ参考にして、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
【八百野技術参与】  はい。
【森座長】  それでは、続きまして、田代委員から御発言いただきます。
【田代委員】  取りまとめありがとうございました。私からは、5枚目の「適切な手続」に関して、一点、意見を伝えたいと思います。
 ここは、先ほど説明の際に、例示ではあるものの「本人が全く予期できない」という表現が拡大解釈される可能性はあるのではないか、とお話しされていました。私も、そうした懸念を持ちましたけれども、先ほどそう書かれた意図を説明され、その趣旨は理解できました。
 そこで言われていたのは、試料と情報でそれぞれ状況は違うと思うのですが、診療目的で必要な範囲を超えて、実際には後々研究で使うために、必要以上に、例えば検査項目を追加するとか試料を採取するというようなことを表現したいということでした。もしそうであれば、ここではなくて、その上にある「意図的に虚偽の情報を示して取得する」というところで吸収できるのではないかと思いました。
 要は、診療目的ですよ、あなたのためですよ、ということを言って、それ以上のものを取るというのは、ここに含まれるのではないかと思いますので、もしそれを表現するということであれば、そこで吸収できるのではないでしょうか。
 ですので、下の2つ目の項目に関しては、後半の「本人の意向に反した利用や提供ではないこと」というところだけを残すことを提案したいと思います。ここについては、既に現行指針の「死者の情報の利用」についても、これとほとんど同じような、「本人の意向に反した利用はしないように」ということは書かれていますし、恐らく指針を使われる方にとっても自明のことかなと思うので、ここと、上の例示の2つがあれば、先ほどのような例は読めるかなと思いました。
 それで、もしその辺りを懸念されるようでしたら、それに加えて、先ほど口頭で説明されたような事態はないように、ということをガイダンスで追記していただくような形であれば、間違いは起きないかなと思った次第です。
 以上です。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。ほかの委員の方も、それでよければそのように。
【森座長】  そうですね。私も今のご説明は、合理的であると思いました。委員の先生方から、今の田代委員の御提案について、何か御意見等ございましたら、お願いいたします。
 吉田委員、お願いします。
【吉田委員】  今の田代先生の御意見でよいと思います。
「本人が全く予期できない」という表現はやや強すぎるので、田代先生が指摘されたように、後半だけにするか、あるいは、「最初の取得目的に照らして客観的に判断して」のように対象者ではない視点からその必然性が図れるような表現でもよいと思いました。
【森座長】  日置委員、お願いします。
【日置委員】  既存情報のところは、必ずしもICは必要ではなくて、最初から研究目的を必ず言わなければいけないものではない、要は学術研究例外であるとか、個人情報保護法上の例外規定の適用があればICは不要になりますので、ここで言うところの「適正な手続きを経て」というところは、当初のところで法令遵守がなされている等の範囲に限定されるケースもあると思いますので、曖昧な書き振りをすることによって、混乱が起こらないような形にしていただくのがよいかなと。
今申し上げたように、想定される手続きを前提で、ここで言うところの「適切な手続き」とは何かというところで、例示等は入れながら、少し調整していただくのがよろしいかなと思いました。
以上でございます。
【森座長】  ありがとうございます。今の日置委員の御発言ですと、削除してよいということですか。
【日置委員】  そうです。
【森座長】  ありがとうございます。
 そのほか、この件につきまして、コメント、御意見がございましたら、いかがでしょうか。
 池田委員、お願いします。
【池田委員】  私どもも、基本的には田代先生からコメントいただいたことに賛成させていただきたいと思っております。ここの文言をどういうふうに修正するかですが、かなり難しい部分も含まれるのかなと思っていまして、差し支えなければ、我々業界側でも少し文章をもませていただいて、代替案を提示させていただければと思っていますが、今日は、そこまで間に合っていませんけれども、可及的至急に代替案を提示させていただくということで考えていますが、いかがでございますでしょうか。
【森座長】  事務局、いかがでしょうか。よろしいですか。
【八百野技術参与】  はい。
【池田委員】  それでは、また改めて御連絡申し上げます。
【森座長】  ありがとうございます。
 田代委員の御意見に、もし反対の先生がいらっしゃいましたら、御意見をいただければと思いますが、なければこのまま田代委員の御意見を尊重した後、製薬協様の提案をお待ちするという形にしようと思いますが、いかがでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
 それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 田代委員、今の御発言の続きはございますか。
【田代委員】  大丈夫です。ありがとうございました。
【森座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、武藤委員から御意見をいただきます。
【武藤委員】  私は、今の田代委員の御意見に賛成で、削除はすっきりしてよいと思います。用途は多様になりますので、余計にとったとか、そういうことが懸念なのであれば、そのように具体的に書いたほうがいいと思いますけれども、この2ポツに関しては、後段のみというところで賛成しております。
 それ以外に、2点ほどコメントしたいと思います。
 1つは、この資料の3ページにある患者・市民参画のガイダンスの件です。
 こちらは、私どもが以前ここでお話しをさせていただいたことを踏まえて、ガイダンス(案)についても、原案の御相談をいただいて示したものを採用していただきました。ただ、「患者・市民の視点を尊重し」以下の部分がこれでよいかどうかについては、ほかの会議体でも議論がなく、確定された見解ではありません。我々の意見として申し上げたことを、事務局として採用していただいたに過ぎませんので、やはり定義や理念を定める作業を、ぜひやっていただきたいと思っています。
と申し上げますのは、4月10日の厚生労働委員会で、厚生労働大臣が「患者・市民参画の導入状況を研究の評価として用いる」ということについて、前向きに取り組む発言をなさっております。この原則に沿ったお考えにも見えるのですばらしいと思う反面、政府として定義も決まっておらず、また、研究者とか研究評価に携わる人たちが、患者・市民参画について学んでいない状況の中で、患者・市民参画を導入したかどうかを評価するというのは、形骸的な実施とか不適切な実施、ひいては、患者・市民の搾取にもつながりかねないと危惧しております。
今回の指針改正では、患者・市民参画の定義取扱いは時期尚早というご意見もあり、定められませんでしたが、大臣の御発言を受けて、今後、研究計画や研究助成の申請で登場する可能性もありますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと考えています。
それから、資料3の8ページの「ガイダンス(案)」の、先ほど有江委員が言及されていた部分についてです。臨床研究中核病院のシラバスを拝見し、すばらしい内容ですし、特に侵襲・介入を伴う多機関共同研究にとっては、非常に有益な倫理審査委員会の研修であると思います。けれども、この指針がカバーする範囲は広く、医療機関と密接に関連していない研究や臨床研究中核病院の研修会では想定していないタイプの研究も多数あります。例えば基礎的な研究を中心にやっているところでは、病院でないところからサンプルを集めたり、あるいは先々のデュアルユースの可能性とかも、倫理審査で議論する必要があったりします。
ですので、参考として紹介することは賛成ですけれども、「望ましい」とまで記載することについては反対の立場です。「望ましい」というところや、それを「参考に企画されなければならない」といったようなところは削除か言い換えを検討していただきたいと思います。
私からは、以上です。
【森座長】  武藤委員、御発言ありがとうございました。
事務局いかがでしょうか。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。1点目、「患者・市民参画」ついて、その定義に関しましては、この指針の中だけで「患者・市民参画」の定義を置くということは、今の段階では少し難しいと思います。
【武藤委員】  承知しています。政府全体でちゃんと検討してほしいと思っています。
【八百野技術参与】  次に研修に関して、特に今回一括審査が必須になる侵襲や介入を行うような委員会に関しては、臨床研究中核病院が行うようなもの、臨床研究中核病院が作成しているカリキュラムやシラバスを参考とした教育を受けていただきたいという趣旨です。一つ御提案としては、この倫理委員会の研修(案)のところに、例えば「侵襲や介入を伴うような研究を審査する倫理審査委員会においては」というような一言を置くことは可能かと思いますので、そのような方針でよろしいでしょうか。
【武藤委員】  それですと、焦らないで済む研究機関が増えるかなと思います。
 ありがとうございます。
【森座長】  武藤委員、ありがとうございました。
 患者・市民参画につきましては、指針の一番最初の目的の、しかも1番に綴られているところで、今後、この「患者・市民参画」について、より社会的な合意が得られれば、この指針に速やかに取り入れていく姿勢を示しています。具体的に不十分なところもございますけれども、このような記載、整理にさせていただくことで御理解いただきたいと思います。
 それから、今伺いました研修についてですが、これは、研修を受ける審査委員会側の事情もございますけれども、指針の実際の施行に伴い、研究の審査の質が担保されることも、同時に議論されていました。この点を問題提起する委員の方や外部の方もいらっしゃいました。具体的に分かりやすい形で、「例示」という形になるかもしれませんけれども、研修の在り方を示していくことも、ガイダンスに含めようと思います。
 追加で研修が必要となるタイプの研究の審査をされる委員会では、その委員会の中で独自に研修の内容を御設定いただくこともよいかと思いますが、まずは、標準的に研修するべきことについては、先行して多施設共同研究の審査をされている臨床研究中核病院等が開催している研修等を参考にして行うことを、今回の指針改定の中に、一括審査を行う前提として置きたいと思っています。委員の皆様、いかがでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
それでは、続きまして、吉田委員からお願いいたします。
【吉田委員】  先ほど、既に質問がありましたので、大丈夫です。
【森座長】  ありがとうございました。
 それでは、佐々委員から御発言いただきます。
【佐々委員】  ありがとうございます。4つ申し上げたいことがありますけれども、一番初めに、指針とガイダンス等、大変な作業であったと思いますが、その作業をしていただいたことに、大変感謝しております。
 それで、1番目は、「患者・市民の視点」という文章、言葉を入れていただいたことを、大変感謝しております。今、武藤委員も言われましたけれども、これは、この言葉がやっと入って、みんなでだんだんに育てていくことだと思うので、気長に見守っていきたいと思います。
 殊に、いろんな方がいらっしゃる、病気の方と病気でない方と、あとサバイバーの方を今回入れてくださったということは、医学が進歩してサバイバーの方もいっぱいいらっしゃるので、大変目の行き届いたガイダンスだと思いました。
 それと、第3章のところとか第4章に関係があるのですが、バイオバンクに預け、その試料を使って、どのようにやっていきましょうかとよく話し合い、ルールを守って進めるということでしたけれども、預けた方にとっては、それがどう使われるかオプトアウトを見るわけですが、一番初めに預けた、自分が会ったお医者さんや研究者への信頼から始まっているものだと思います。バンクの方も、患者さんから初めに預かった方への信頼に応えるのだという気持ちを、もちろん持っていらっしゃると思いますけれども、その気持ちを持っていていただきたいなと思いました。
 それから、倫理審査委員会の一括審査についてですけれども、私も、幾つか倫理審査委員会にお世話になっていますが、やはり一括にすると、倫理審査委員会でみんなが一生懸命議論をしている場面と、研究者の方やお医者様が、少し遠くなる感じがします。一括になっても、審査されることへの意識がちゃんと行き届くといいと思っています。
 最後に、オプトアウトのことで確認か審査かということがありましたけれども、倫理審査委員会では、オプトアウトの文書も一生懸命みんなで議論をします。それで、患者さんや、その試料を提供した人にとって、本当に自分の試料だということが分かるためには、もしかしたら正式な研究名称よりは、いつ、どこで採取された試料かという情報のほうが大事かもしれないと思います。倫理審査委員会におけるオプトアウト文書の検討も大事であるので、それも分かっていただきたいと思います。
 以上です。
【森座長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、長神委員から御発言いただきます
【長神委員】  いろいろと反映いただいて、ありがとうございます。特に4ページや7ページの部分において、バイオバンクに関係するようなところにおいて、二重審査にならないように、少し配慮いただいたのかなと思ってございます。
 先ほどから、何度か言及があるオプトアウトの話ですが、現行のガイダンスを、先ほどざっと見直しましたが、今まで、「オプトアウト文書」という言葉はつかわれていませんでした。それで倫理審査において、オプトアウト文書についてはっきり審査の必要性のようなことは、ほかでも方法含めて書いていません。「オプトアウト」というのは、いろいろなところで出てくるのに、このオプトアウトだけが特別というふうになるのもどうなのかなと思うので、この規定が必要なのか、と思います。次の4ページのところも、そういう規定が必要なのかというと、なくても問題ないのではなかろうかなと思った次第です。
 また、第7(2)の「研究計画書の記載事項」についてですが、これは、試料・情報の収集・提供を行う機関の話として、ガイダンスとして書かれているのですが、最後の、特にオプトアウトのところなどは、提供先となる研究機関はどうするかという話が書かれています。ガイダンスを分かりやすくしていくためには、この項目は誰が読むのかといったときに、試料・情報の収集の提供を行う機関が読むところであれば、試料・情報の収集・提供を行う機関の側でやるべきことについて書くという方向で統一されたほうが分かりやすいのではなかろうかなと思いました。
 以上でございます。
【八百野技術参与】  御意見ありがとうございます。ここの2パラについての、「包括的な同意の範囲に留まる研究において提供する場合には」という形にしておりますので、2パラについては、ここの上の段で行くマル3かマル1にのっとる規定となります。
【長神委員】  該当しないと、そういうことを念頭にしているのでしょうか?
【八百野技術参与】  マル1ですと研究者としての義務を遵守していただくことになりますし、マル3でしたら、提供のみ者としての義務を負っていただくことになりますので、そのように読めるよう調整させていただきます。
【森座長】  そうですね。内容はこれでよいと思いますので、そのように理解いただきやすいように記載していただくということですね。
【八百野技術参与】  はい。
【森座長】  長神委員、ありがとうございました。
 続きまして、日置委員から、御意見をいただきます。
【日置委員】  先ほどのところも含めてですが、今の段階でガイダンスは、指針の本体のほうが確定していないというところで、方向性だけというお話だと理解しております。
 ただ、方向性を検討していただくに当たって、一つ、指針の適用を受けるか受けないか、受けた後に対応するところで、皆さんすごく真摯に対応されるということがありますので、先ほどの「適切な手続きを経て」などの例示も含めて、分かりやすくしていく必要があるのではないかなと考えております。
 「倫理指針における配慮・審査の視点」のところの例示は、非常に実務的な観点から起案されているなと思うのですが、他方で、「適切な手続き」のところは、個人情報保護法のガイドラインなどを参考にしていただいているのですが、あれはかなりラジカルな案だったりとかもしますし、非常に抽象度が高いので、実務的な観点から申し上げると、それをガイダンスとして受けてみたときに、実務対応するのが、ちょっと困惑されるというのは非常に多くあるのかなと思っておりますので、今後、ガイダンスに、ここの「適切な手続きを経て」の部分に限らず、どのように対応したらいいのかの指針となるような形で、具体例を御提案いただくのは、非常にありがたいなと思いますので、御検討のほどを、よろしくお願いいたします。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。日置委員がおっしゃるとおり、指針の本文のほうが、まだ確定しているわけではございませんので、このガイダンスの記載のアに関しましても、このままガイダンスに掲載されるわけではございませんので、例示についても、引き続き分かりやすいものをお示しできるように検討させていただければと思っております。
【日置委員】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
【森座長】  今回は、指針本体の改定で、本体は読みやすくなるように改定されていますので、その読みやすい内容を、より正しく理解していただくためのガイダンスという形で記載整備していくことにしたいと思います。
 それでは、続きまして、神里委員、お願いいたします
【神里委員】  今の日置委員のところともかぶっているのですが、まず、前提として、先ほどの田代委員の御意見には、賛成でございます。
 その上で、ですけれども、やはり5ページ目の「適切な手続きを経て」というのが、インフォームド・コンセントの、この手続きにおける、かなり重要なキーワードになってまいります。それゆえに、やはり現場の混乱というものを生じさせない工夫が必要であると考えている中、今、このガイダンス(案)において、例えばということで、例示をしていただいているわけですけれども、やはり、この例示のさらなる例示というものが、必要ではないかと考えます。
 分かりやすい事例だけでなく、現場において困りそうな事例も入れていただきたくて、例えば過去研究において、研究終了とともに捨てます、廃棄しますという、そういう研究計画において、廃棄せずに、それが使われていて、それで、当該研究に使おうとしているといった場合においては、これは本人の意向に反した利用なのかということなど、もう少し臨床研究の実態に即した事例を入れていただければと思います。
 加えて、最終の9ページになります。
 9ページにおいても、「一括審査における手続きの注意点」ということで例示をしていただいていて、これは、とても有益だと思いますが、一方で、やはり現場においては、いろいろもっと困っているということもあるかと思います。
例えば先ほどおっしゃってくださっていた変更申請において、研究分担者の追加のときは、利益相反に該当しないといった場合は報告事項でいいという、そういう区分も加えていただけるということですけれども、それは、審査については報告、審査自体はなくして報告でいいということになりますが、それでは、一括審査をするときに、その実施許可をどうするのかとか、その審査以降の手続きについて、やはり不明瞭な点が生じてきますので、そちらについても明瞭にしていただいて、その他、現場が困っていることを、少しヒヤリングを通していただいて、ここに入れていただけるととても助かると思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 以上です。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。まず例示の話ですが、過去研究において、プロトコル、同意説明文書の中で、一旦破棄するという説明をした上で、まだ保管されていた場合のことまで書くと逆に過去研究をずっと遡る必要があり、研究者への過剰な負担を求めることになるのではないかという懸念があります。
 もう一つ、倫理審査委員会への研究分担者の報告事項についても、倫理審査委員会の手続き方法や、倫理審査委員会後の許可の取り方などについては、それぞれの研究機関の運用にお任せしているところがあります。許可を取るということは、指針の中では書かれていても、その運用の方法までは指針には示しておりませんので、あまり指針の中で書いてしまうと、その方法にのっとらなければいけないように読めてしまうのではないかという懸念もありますので、何をどこまで書くかということに関しては、少し検討させていただければとは思います。
【神里委員】  ありがとうございます。指針には書けないことをガイダンスのほうで書いていただき、それは、あくまでも例示で結構ですけれども、そのようなことを書いていただくことが、やはり現場にとっては助かるということと、あと、最初の話においては、廃棄します、破棄しますと言ったものを、今のお話だと、それを追っていかなければいけないけれども、いいんですかという話ですが、やはり正論から考えれば、それは、破棄すると言ったものについては破棄をしていただくか、その後の手続きを何かしら踏んでいただくかということが必要なになるかと思いますので、やはりその点も、あまり曖昧にしないほうがいいのではないかと思っています。
 個人的な意見です。以上です。
【森座長】  もし、具体的に事例を示すのであれば、何か表にするとかという方法もありますが、具体的に過ぎますかね。
【八百野技術参与】  ガイダンスへの例示も含めて、記載することで厳しめに読まれてしまうことを懸念しますので、各機関に委ねている部分などについては、あまり書き過ぎることは控えさせていただければとは思います。
【森座長】  実施許可については、ガイダンスにも具体的に記載はしなくてもいいと思いますけれども、例えば各審査委員会や各研究機関で手順書をつくっておくとか、そういったことは、進めてもいいと思うんですよね。各施設の独自の研究・審査体制にもよるので、そういった「手順書を置いておくべき」とガイダンスに書いておくことも一案かと思いました。
 もしよかったら御検討ください。
【八百野技術参与】  はい。
【森座長】  それでは、続きまして、深見委員から、御発言いただきます。
【深見委員】  私も5ページ目の、文言だけですけれども、「ガイダンス(案)」のところですが、「特に研究者等の異動に伴い、無断で研究機関から試料・情報を持ち出されないよう留意が必要である。」というところ、これは、私は強過ぎるかなという気がしました。
 ここは、「適切な手続きを経て」というところの説明と例文として挙げられているところですけれども、この「無断で」というのが、研究機関なのかどうか分かりませんが、もし、その研究機関に無断で持ち出しているとしたら、それは指針を超えた犯罪になりますので、例えば「研究者等の異動によって、当初の計画とは違うことに研究の形態が用いられる」など、具体的にありそうなことを書いていただくといいかなという気がいたしました。
 以上です。
【森座長】  ありがとうございます。研究者が異動した場合に、適切に試料・情報が共有されるような形の手続きをとることといった形にするか。
【深見委員】  そうですね、「無断で持ち出す」というのは、かなり極端な状況ですので、それよりも、具体的にありそうな違反について挙げていただくと分かりやすいかと思いました。
【森座長】  研究者が異動した場合に、その研究そのもの、本体から離れることもありますので、「適切な共同研究体制にのっとった試料・情報の共有を」と、そういった形でよろしいですかね。
【深見委員】  ありがとうございます。
【森座長】  御指摘ありがとうございます。
 続きまして、池田委員から、御発言いただきます。
【池田委員】  まず、今回の改定の取りまとめに当たりまして、いろいろと御調整いただきまして、この場をかりまして深く御礼を申し上げます。
 また、改定に先立ちまして、合同委員会での発言の機会をいただきましたし、また文案を提出する機会を頂戴しまして、さらには、その作業を含めて御検討いただきまして、本当に感謝をいたしております。
 2点ほどコメントをさせてください。
 1点目は、バイオバンクの手順に関する改定部分です。
 これは、先ほど長神先生も、御発言されたところと思いますが、バイオバンクに関しまして、今回の改定及びガイダンスにて、提供者の二重審査を避け、提供先機関側の倫理審査のみでよしとする考え方を、このガイダンスでクリアに示していただいたということで、本当にありがとうございます。
 ここに関しましては、実用面での手順がクリアになったということで、大きな前進なのだと考えております。これは、ガイダンスへのコメントというよりも、将来課題としてのコメントをさせていただきますが、将来の日本の研究開発競争力の向上あるいは国際共同研究の円滑化の観点では、例えば欧米におきますバイオバンクの運用あるいは同意や研究内容のリスクベースに応じた審査、手続き等につきましては、今後の検討課題となると思いますが、そちらを参考に、さらに利用手続きの円滑化について御検討いただけますと幸いです。
 もう一点、これもガイダンスとは少し外れてしまいますが、課題となっておりました介入の定義についてでございます。介入の定義につきましては、今回の指針改定に際しては、見送りとの結論で、今後は、タスクフォースでの整理が行われるものと理解をしております。
 合同会議の中あるいはパブリックコメントにおいても、介入に関しては非常に多くの意見が各方面から出されておりまして、現行の定義あるいは検討された定義では、理解がなかなか進みにくいということで、今後の指針下の研究におきましては、研究者等によって個々に、これが介入なのかどうかということが判断され、研究計画書に反映され、審査手順や関連する対応が決定されていくということを考えますと、今後のタスクフォースにおきましては、医療者のみならず研究者、その他の研究者にも分かりやすく、判断に一貫性や統一性が保たれるような定義への見直しが図られていって欲しいなと期待をしておるところでございますので、御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 全体といたしましては、本改定で実務の明確化に関する重要な前進というふうに受け止めております。引き続き、利用手続きの簡素化・合理化について御検討いただけますと幸いです。
 ありがとうございます。
【森座長】  ありがとうございました。
 事務局から何かございますか。よろしいですか。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。
【森座長】  それでは、続きまして、横野委員から御発言いただきます。
【横野委員】  先ほど神里委員からも言及がありました、スライドは5ページ目の「ガイダンス(案)」について、少し発言させていただければと思います。
 田代委員の御提案には賛同いたします。それで、現在の案としては、「本人の意向に反した利用や提供ではないこと」と書かれていますけれども、ここの、「本人の意向」がどういうものであったのかということの解釈や確認をめぐって、倫理審査等の場で非常に混乱が生じる可能性もないわけではないように思います。
 田代委員からも言及がありましたけれども、現行指針の死者に関する規定のところでは、「生前における明示的な意思に反している」というふうな表現が使われておりまして、「明示的な意向に反する」という表現が可能であるのであれば、そのような表現も御検討いただくとよいのではないかと思います。それが1点です。
 もう一点ですけれども、スライドの9ページ目の、「一括審査による各研究機関の手続き等において注意すべき点等」というところですけれども、今回の指針が改定された後、これが施行されることになった場合に、新たに一括審査が必須になるケースというのが出てきますが、その場合に、どういった研究が、その対象になるのかということに対する解釈ですとか、それから、各研究機関での体制の整備ということが、大きな課題になるかと思っております。
 どれぐらいの準備期間があるかにもよると思いますけれども、スムーズに一括審査に向けた準備というものが進められない場合も考えられますので、一括審査が必須とされる研究において、一括ではない審査を行うことについて、少なくともここで言う「重大な不適合等の扱いにはならない」というような柔軟な対応が可能であれば、ガイダンスへの記載をしていただければと思っております。
 以上です。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。まず、一括審査のところについて、一応原則がとれますので、一括審査ではない審査をしてしまった場合、重大な不適合ではないとも重大な不適合であるとも書くつもりはありません。そこは、原則はとれているので、侵襲や介入を伴うような研究については、一括審査を行ってくださいと言い続けることになると思います。
 もう一点、「適切な手続き」のところに関しても御意見をいただきましたが、本人の意向に反した利用や提供かどうかというところについて、「明示的な意向」という表現とすることで、事前に研究に使われることも、包括的な同意のように、同意を取っておかなければ明示的な意向とは読み取れないのではないかという懸念が発生する可能性もありますので、そういう書き方は難しいのではないかと思います。
 確かに先ほど神里委員の御発言のように、例示の例示という形で、本人の意向に反したとはどういうことかということが書ければよいのですが、引き続きガイダンスに何が書けるかについては、必要に応じて御相談させていただければとは思います。
【横野委員】  ありがとうございます。
【森座長】  それでは、山内委員から御発言いただきます。
【山内委員】  今回のガイダンス、非常に整理されていて、特にインフォームド・コンセント等については、今までになく分かりやすくおまとめいただいていることに、感謝申し上げます。
 私、一つ申し上げたいのは、倫理委員会でオプトアウトの内容、オプトアウト文書を、先ほどございましたけれども、取り上げることの価値があると思ってございます。私は、認定遺伝カウンセラーで、遺伝性疾患を持つ方に関わることが多いのですが、何が大事かというと、オプトアウトという言葉はほとんど知らないと思われるので、参加者が見たときに、どこに何が書いてあるのかが分かるということと思っています。
 倫理委員会の先生方はお忙しいのは存じ上げておりますし、正しい文章というのが明記されていないから審査しにくいというのも、分かります。しかし、オプトアウトについてホームページには書いてあるけれども、研究参加者はそれが何のことを意味するのかも分からない。それにどう対応するかの説明も、最初から十分に話を理解して聞くことは難しい状況があると思われます。前提に、倫理委員会には、その研究参加者の意見をしっかり反映できるようにするという観点から書かれているオプトアウトの内容ができているのかという点を見ていただくことに価値があると思ってございます。まだ、その詳細な規定の文章がなかったとしても、倫理委員会に相談する、あるいはそこで意見を求めるということが条件に入ることは、私としては望ましいと考えてございます。
 以上でございます。
【森座長】  実際に研究に参加の対象となる方が読んで分かりやすい文章となるよう、研究者が書いたものを倫理委員会で目を通して手直ししていくことも、大変重要な視点だと思います。
 ありがとうございました。
 次、吉田委員から御発言でしょうか。
【吉田委員】  確認させていただきたい点に気がつきました。
 今回、かなり簡潔にまとめていただき、非常によいことだと思いますが、この新しい改正指針の施行時とその後の経過措置がどうなるのかについても、ガイダンスで触れていただきたいと思います。
 例えば「適切な同意」は今回の改正で廃止となりますが、従前、適切な同意で実施をされていた研究についてはどのような対応となるのか、また、侵襲・介入研究は、新指針改正後はすべて一括審査になりますが、従前の一括審査でない侵襲・介入研究の変更申請はどうなるのかなどについてガイダンスあるいは、Q&Aで説明いただきたいです。
 以上でございます。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。経過措置につきましては、ガイダンスではなく本文に明示させていただくことになるかと思います。これまでの経過措置についても、施行の時点において現に行っている研究においては、なお従前の例によることができるということも、これまでは書かせていただいておりますので、そこについての記載の検討ということと、経過措置をどれぐらい置くかというところにつきましても、今後調整させていただければとは思っております。
【森座長】  現在行われている多施設共同研究で、今、各施設で審査されている研究を、今後まだ継続する中で、この新しい指針の運用が実際に始まり、その中で研究を一括審査に変更して修正申請したいというように、研究全体の修正をすることも、方向性としてはあり得るのでしょうか。
【八百野技術参与】  いえ、どちらかというと、その施行日から、新規で始まる侵襲あるいは介入を行う研究を。
【森座長】  それは、もちろんそうですよね。
【八百野技術参与】  これまでのものを移し替えの審査などは大変ですし、これまでも審査は行っていると思いますので、そこまで移し替えを求めるものではないと思っております。
【森座長】  分かりました。それで了解です。
 吉田委員、それでよろしかったでしょうか。
【吉田委員】  ありがとうございました。
【森座長】  それでは、武藤委員、お願いします。
【武藤委員】  今のやりとりに付随した質問ですけれども、もしお分かりでしたら、この後のスケジュールについて、告示や施行の時期の目安を、お分かりになる範囲で教えていただけたらと思いました。
 以上です。
【八百野技術参与】  ありがとうございます。本日時点で、何月に告示できるかは決まっておりませんで、本日の会議でもお示ししておりますように今回、本文案についても、まだ確定しているわけではございません。これからも引き続き、法令とは調整させていただき、調整がついた段階で、各省の親会議にも諮った上で、告示の準備を進めさせていただくことになるかと思います。その告示日に合わせて経過措置の考え方についても、法令とは引き続き調整することになります。
【武藤委員】  それでは、まだ具体的な時期とかは、お話しになれないということですかね。
【八百野技術参与】  何月とまでは、決まっておりません。
【武藤委員】  ありがとうございます。
【森座長】  そのほか、いかがでございますでしょうか。
 徳永委員、何か御発言、いただければ。
【徳永委員】  私からは、意見、要望等はないのですが、これは、本当に参考情報でしかないのですけれども、今日の議論から外れることにはなりますが、諸外国の状況、個人情報保護のルールや、利活用のためのルールの状況を研究参加者の方に説明することになっていますね。
共同研究を行う外国の状況を各研究者が適切に説明することは、かなり難しいだろうということが、よく言われてきたと思いますが、参考までに、AMEDの研究班、ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム事業があって、その中に、高木先生が委員長をされている、我が国のバイオバンクの国際対応に関する検討委員会というのがあります。
その活動の一つとして、諸外国の状況を調査されていて、一覧表のようにまとめて、これはまだ公開されていないのですが、そういう活動の成果が公開されれば、貴重な参考情報になるので、ガイダンスの中に言及していただければいいのではないかなということを、一言申し上げさせていただきます。
【森座長】  ありがとうございました。
 委員の方から、何か追加の御発言ございますか。
 事務局からお願いします。
【永川安全対策官】  本日、中座されました三成委員から、御意見をチャットに入力いただいておりましたので、御紹介いたします。
 「8ページの研修会の件ですが、基礎研究の一括審査と臨床研究の一括審査では、意味合いが異なるところがあるように思われます。臨床研究中核病院が実施している研修会に、必ずしも寄せる必要はないのではないでしょうか。」とのコメントでございました。
【森座長】  ありがとうございました。
 やはり例示にとどめておくのが妥当ではないかと、そういった御意見かと思いますけれども、ここは、研修の質のこともありますので、よく議論をして記載を整備していきたいと思います。
そのほか、全般に関して、先生方から御発言ございますでしょうか。特に、このガイダンスに関して、御意見ございませんでしょうか。
     (「なし」の声あり)
 それでは、本日いただいた御意見を踏まえまして、事務局におきまして、ガイダンス等に記載する内容の方向性について、必要な修正を行っていただき、施行に向けた準備を行っていただくことにさせていただきます。
 それでは、本日の議事は以上となります。
 事務局から、何かございますでしょうか。
【小野企画官】  貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。本日は、YouTubeによるライブ配信にて公開させていただきましたが、後日公開する議事録が公式な記録となります。
 本日の議事録につきましては、後日、委員の皆様に確認いただきました後、座長の確認をいただきまして、ホームページにて公開させていただきます。
【荒木厚生科学課長】 最後に、本日をもって合同会議の審議は一区切りとなります。令和7年(昨年)の2月に第1回を開催いたしまして、計8回の合同会議を開催させていただきました。大変熱心に御議論いただきまして、各委員におかれまして、本当に真摯に、しっかりと検討というか見ていただくというのは、本当にありがたいと思っております。感謝申し上げます。
 本日の御議論も踏まえまして、改正(案)の告示に向けて手続きを進めさせていただきたいと思います。できるだけ速やかにということで、先ほど武藤先生からもございましたように、今のところ、本日の会議のいろいろな意見もしっかりと踏まえた上で法令の方で処理してきていますので、そちらにつきましても、今後、また機会を見て御報告できればと思っております。
 まだまだ積み残された課題もございますし、次の指針の見直しの際、またありましたら、引き続き御指導、御鞭撻をいただければと思います。
 本当にありがとうございました。
【森座長】  それでは、本日はこれで閉会とさせていただきたく存じます。
 どうもありがとうございました。
 
                                 ――了――

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