令和7年10月22日(水曜日) 14時01分~16時06分
Web会議
文部科学省17階会議室
森座長、有江委員、石井委員、磯部委員、神里委員、佐原委員、田代委員、玉腰委員、土屋委員、徳永委員、戸田委員、長神委員、花井委員、日置委員、深見委員、別所委員、三浦委員、武藤委員、山内委員、山本委員、横野委員、吉田委員
木村安全対策官、佐藤専門職、工藤専門職
荒木課長、江田推進官、谷口専門官、舩冨補佐
長谷川課長、荒木室長、新井治験推進指導官、八百野技術参与
小野企画官、沼澤係長
個人情報保護委員会事務局
厚生労働省医政局参事官(医療情報担当)付医療情報基盤推進室
内閣府 健康・医療戦略推進事務局
【森座長】 では、定刻となりましたので、ただいまから第6回生命科学・医学系研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議を開始させていただきます。
本日は、大変お忙しい中、御出席賜りまして誠にありがとうございます。
最初に、事務局から、本日の出席の状況と配付資料につきまして御説明をお願いいたします。
【佐藤専門職】 文部科学省の担当となります。御説明させていただきます。文科省研究振興局ライフサイエンス課の事務局でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、森座長をはじめ、現時点で21名の委員が出席されています。横野先生が遅れております。佐々委員、前田委員、三成委員は御欠席、磯部委員は14時15分に、戸田委員は14時45分に途中退席の御予定です。
事務局につきましては、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省より関係課室が参加するとともに、オブザーバーとして個人情報保護委員会事務局、内閣府健康・医療戦略推進事務局、厚生労働省医政局参事官(医療情報担当)付が参加しております。
なお、事務局のメンバーにつきましては参考資料1-2を御覧ください。
続いて、配付資料の御確認をいたします。委員の皆様は、事前にお送りした資料を御参照ください。議事次第の他に資料1「今後のスケジュール(案)」、資料2-1「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針見直しの方向性について(取りまとめ)(案)」、資料2-2「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の一部を改正する件について(概要)(案)」、参考資料1-1から参考資料4をお配りしております。
ここで、ウェブ会議を行うに当たって御留意いただきたい点について説明します。通常はマイクをミュート、カメラはオフに設定していただき、発言時にはカメラオンとミュートの解除をお願いします。発言を希望される方は、画面上の挙手ボタンで意思表示をお願いいたします。その他、何か不都合等ございましたら、チャット欄にてお知らせください。なお、資料は随時投影させていただきますが、通信環境が悪くなった場合は、通信負荷軽減の観点から資料の投影を中断し、音声配信を優先する等の対応を取ることがありますので、御了承願います。
以上です。
【森座長】 御説明ありがとうございました。
それでは、議題1、倫理指針の見直しについて入らせていただきます。まずは資料1につきまして、事務局から説明をお願いします。
【木村安全対策官】 資料1「今後のスケジュール案」につきまして、事務局から御説明をさせていただきます。
こちらの資料につきましては、前回の会議におきまして、今後の道筋ですとか、個人情報保護法の状況ですとか御質問がございましたので、今後のスケジュールと対応方針につきまして、1枚に整理をさせていただいたものでございます。
大きく今後のスケジュールと、さらなる検討を進める事項の2つに分けております。その趣旨といたしまして、個人情報保護法の3年見直しですとか、あるいは前回の会議で御意見のございました新規/既存の試料・情報の考え方、そういった引き続き精査を進めていく必要性のあるような事項もあれば、片や今年の6月頃から、例えば、審査体制の見直しですとか、同意の在り方ですとか、ある程度議論が進んできたものもございますので、大きく2つのグループに分けて対応していってはどうかということで案をお示しさせていただくものです。
まず、上半分、今後のスケジュールに書いてあるところでございますが、指針の一部改正について、年内を目途にパブリック・コメントを実施してはどうかと考えております。具体的にパブリック・コメントにかけるものにつきましては、この後の御説明になりますが、資料2-1、資料2-2に整理してきたもの、すなわちこれまでの会議で議論してまいりました、リスクに応じた同意の取り方ですとか、あるいは新たに言葉の定義を置くことですとか、そういった内容につきまして、こういった方向性ではいかがでしょうかということについてパブリック・コメントを実施してはどうかというものでございます。年内目途でパブリック・コメントを実施した上で、パブリック・コメントの結果の整理、指針改正案の整理といったものを御議論いただいた上で、実際の指針の一部改正や周知期間後の適用といったところは、来年の3月以降ということを考えております。
他方で、さらなる検討を進める事項といたしまして、前回、一部の委員からも御意見のございました、例えば、新規/既存の試料・情報の考え方について、他の論点もあるかと思いますが、引き続き有識者の意見等も踏まえまして、タスク・フォースの設置も視野に検討を進めていければというふうに考えております。
また、個人情報保護法、いわゆる3年ごと見直しの状況を踏まえた見直しも必要になってくるかと思います。現時点でここでお示しできるような個人情報保護法の見直しの具体的なスケジュールというのはございませんが、一般的に考えて、今年の年末までに何か具体的なものができるかというと、なかなか我々の指針に反映させるという意味で、そこまで具体的に煮詰まったものができるかどうかというのはかなり不透明な状況でございますので、一旦これはペンディングイシューとして置いておいて、今後も議論していってはどうかと、そういうふうに考えております。
御説明は以上でございます。
【森座長】 御説明どうもありがとうございました。まずは資料1に沿って、前回の議論ございました、今後のスケジュール(案)を御提示いただきました。この議題、資料1につきまして、御意見、御質問のある委員の方は挙手をお願いいたします。長神委員が挙手をされていらっしゃいますので、御発言をお願いします。
【長神委員】 長神でございます。パブリック・コメントを年内めどということになると相当近々ですが、資料2-1と資料2-2に相当するものの双方をかけるようなイメージでいらっしゃるんでしょうかという御質問です。
私としては、倫理指針の改訂について、特に資料2-2ですと具体的な記述が何もないので、ある程度改正の条文、特に大きな改正が行われる部分の条文案等をお示しの上でパブリック・コメントをしないと、実質的な意味を持たないのではなかろうかということを危惧してございます。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。パブリック・コメントにかける資料につきまして、今御質問ございましたとおり、この後の議題で御議論いただきます資料2-1、資料2-2の両方をかけるイメージでおります。資料2-1は、この会議の議論の内容の取りまとめであり、現時点での御議論のところをまとめたものの資料という位置づけでして、それを踏まえた改正の方向性、改正の概要が資料2-2ということで、パブリック・コメントの段階になりますと、パブリック・コメントにかける資料自体が資料2-2、その参考資料として2-1を出すという位置づけになるのかなというふうに思っております。
今後、パブリック・コメントをかける際に、どこまで条文に書けるかということですけど、この後の資料にも御説明が入ってくるのですけれども、現時点で法制面も含めた細かい条文のチェックというところはまだまだできておりませんので、事務局といたしましては、そういった条文の精査と、国民の意見を募るということを同時並行で調整いたしまして、その後のステップに進んでまいりたいというふうに考えております。
【長神委員】 精査の前であっても、ある程度条文になったものをパブリック・コメントにかけるべきではないかというのが私の意見でございます。
【森座長】 いかがでしょうか。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。ちょっとこの後の議題での御議論にもなるかと思いますが、御案内のとおり生命・医学系指針自体かなり長文の指針になってまいりますので、そういった条文の精査というところまでやってしまいますと、かなり中長期化する可能性もございますので、いただいた御意見も踏まえつつ、具体的な対応につきましては、事務局の中でもよく調整してまいりたいというふうに思っております。
【森座長】 では、吉田委員、御発言ください。お願いします。
【吉田委員】 御説明ありがとうございました。長神先生のご指摘にもありましたが、もし条文が決まるのであれば、その後もう1回パブコメができればよいと思いました。
また、「さらなる検討のところの2つ目の個情法の見直し」について、先ほど木村さんのほうから、個情委から現時点では報告はないということでしたが、個情委では今年度も議論が行われており、一部委員会の資料等は公開されています。同意取得や同意規制の在り方が議題となっており、今後、個人情報保護法の改正内容によっては指針にも影響があると考えます。これまで、個情委の方には陪席いただいていますが、一度もこの場でのご説明はなかったので、今後の方向性等について御意見を聞く機会があるとよいと思いました。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。事務局でございます。
事務局といたしましても、個人情報保護委員会のほうでの御議論があるということは承知いたしておりますけれども、具体にこちらの指針のほうに改正をして反映していくとなりますと、やはり個人情報保護法、あるいは関連する規定の具体的な条文案が出てこないとなかなか事務局としても具体的な作業がしづらいのかなということで、少なくともこちらの資料の上半分にあるスケジュールに載せて、何か具体的な対応を検討していくというのは、技術的にかなり難しいのかなというふうに思っております。
他方で、今、吉田委員からも御指摘のございましたとおり、一般的に公表されている資料の中で、今年度どういった議論をしてきたのかということは当然承知をしておりますので、そういったマテリアルを使いながら、さらなる検討を、パブリック・コメントに並行してなのか、若干タイミングがずれるか、ちょっとそこは今後の御検討かと思いますけれども、そういった検討を進めていくことは可能なのかなというふうには思っております。
この点、個人情報保護委員会事務局がオブザーバーで参加しておりますので、何か追加であれば御指摘いただければと思いますが、いかがでしょうか。
【個人情報保護委員会事務局】 個人情報保護委員会事務局でございます。今、事務局のほうから御説明いただいたとおりかなと思いますけれども、引き続き事務局のほうとも相談しながら、必要に応じて当方の御説明なども含めて進め方を検討していければと思います。
【森座長】 吉田委員、いかがでしょうか。
【吉田委員】 今、個情委の方から「必要に応じて説明する」と御発言がありましたので、合同委員会事務局でご対応を検討ください。ありがとうございました。
【森座長】 では続きまして、田代委員から御発言ください。
【田代委員】 御説明ありがとうございました。前回指摘をした新規/既存の話に関しては、引き続き検討ということで承知いたしました。
それ以外の論点も含めてタスク・フォース等で検討する可能性もあるということでお話があったので、進め方について確認させてください。次の資料とも関係するかもしれませんが、今回、取りまとめの資料の中に、この後も検討が必要なものがあまりはっきり書かれてないような気がします。新規/既存の話以外にも今回、バイオバンクの話を全体としてどうするのかとか、あるいは審査免除の話も検討してはどうかといったような議論が幾つかあり、一部取り入れられたものはあるのですが、一部はほとんど議論なく進んでいるように思います。少し時間をかけてやるものもあるというのは理解しているのですが、今回取りまとめで、今後この辺は引き続き検討が必要だということが明記されてないこともあり、一体何が取り残しの論点として、例えばタスク・フォース等で議論する内容になるのかが不明瞭になっているような気もします。この辺りは、例えば今日の委員会、あるいはこれ以降の委員会を通じて、改めて整理されていくという理解でよろしいでしょうか。
以上です。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。事務局でございます。
本日、この後の議題で御説明する資料2-1の中にも、幾つか引き続き検討という事項は記載させていただいているところでございます。また、バイオバンクの関係につきましても、今後のガイダンスの中でしっかりと記載をしていこうといったような記載をしているものでございます。
もしそこの中に論点が足りてないということがあれば、この後の議題で御指摘をいただければと思いますし、実際そのうちどういったものをタスク・フォースで回していくのかにつきましては、今日の会議の中で一定程度御議論をいただき、その議論を踏まえまして、事務局としてもどういった形が一番、どういった進め方がよろしいのか、検討してまいりたいというふうに思います。
【田代委員】 承知いたしました。基本的にはまた今日の議論を踏まえてということで理解しました。1つの考え方ですけれども、論点が複数にわたる場合に、例えば倫理審査委員会回りのものと、試料・情報の扱いみたいなもので複数のタスク・フォースを走らせるかとか、いろいろ柔軟なやり方を考えていただければと思っております。
以上です。
【森座長】 ありがとうございました。
では、続きまして、武藤委員から御発言いただきます。
【武藤委員】 武藤です。御説明ありがとうございました。
今、田代委員も御発言のあったタスク・フォースの件なんですけれども、これはすみません、ちょっともう一度ニュアンスを確認したいんですが、タスク・フォースを設置するかどうか自体もまだ検討中ということでしょうか。それともタスク・フォースというのかどうか分かりませんが、そういうワーキングのような場を設けていただくこと自体は、事務局としては了承していただいたということなんでしょうか。
これが1点目で、2点目は、以前にこの指針の改正の会議でのタスク・フォースというのは、かなり事務局が大変だったと思うんです。議事を整理して、それから、多分概要も公開したりしていたのですごく御苦労が多かったと思うんですけれども、もう少しそういったお手間のかからない開催方式で少し煮詰めた議論ができるような環境を、多分多くの委員は望んでいるのではないかというふうに思っておりますので、どういったことまで今、御判断されたのか、お聞かせいただければと思います。
以上です。
【木村安全対策官】 事務局でございます。ありがとうございます。
タスク・フォースの持ち方につきましては、ここでは議論も検討と書かれてございますけれども、事務局で決定することではございませんので、今日の御審議も踏まえて、座長の御指導の下でタスク・フォースの設置の仕方、また、今、事務局の負担ということで御配慮いただきましてありがとうございます。具体的な開催の仕方につきましては、先ほど田代先生がおっしゃっていたような論点も含めまして、本日の御議論を踏まえて、具体的な立て方は検討していければというふうに思っております。ありがとうございます。
【武藤委員】 承知しました。ありがとうございます。
【森座長】 次は日置委員、御発言ください。
【日置委員】 ありがとうございます。基本的な方向性としては、やはり急ぐべきものとそうではないもの、急いだとしても、全体を見ながらまた調整しなきゃいけないものがあると思っておりますので、ここのスケジュールとしていただいたところに異存はないというところでございます。
ただ、さらなる検討を進める事項としていただいている個人情報保護法の改正状況に加えて、官民データ利活用法の改正のほうも医療関連、関係してくるのかなというふうに思っております。ですので、適切な手続ですとか、そういったところの見直しは、今後もさらなる検討を進めるべきであり、かつ、全体を見た上でこれが適切なものであるのかというのは最後にまた見直しが必要なのではないかなと思いますので、少なくとも今回改定される部分についても、手戻りがゼロではないのかなというふうに思っているという前提で、意見として賛成していますよということだけ意見を述べさせていただきます。ありがとうございます。
【木村安全対策官】 事務局でございます。御意見ありがとうございました。個人情報保護法以外にも影響し得る法令、あるいは制度の見直しといったものがあるというのは御指摘のとおりかと思いますので、他の状況も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。ありがとうございます。
【森座長】 先生方のほうから御意見、御発言ございますでしょうか。
先ほどから田代委員、武藤委員から御指摘をいただいておりますタスク・フォースの設置の今後の方向性、もしくは具体的な設置についての議論につきましては、この後の2-1、2-2の資料の議論をしていただきつつ、お進めするという方向でよろしかったでしょうか。よろしいですか、これで。
では、先生方のほうからございましたら、お願いいたします。もしなければ、このまま2-1、2-2の議論に進み、先生方と最終的な打合せをしてまいりたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、資料2-1、2-2につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 では、事務局より資料2-1及び資料2-2について御説明をいたします。
まず、資料2-1でございます。こちらは倫理指針の見直しの方向性について(案)ということで、今年の春先からこれまで計5回の会議を開催してきてございますが、その中で御議論されたものの現時点での取りまとめという位置づけになります。前回の会議でも御議論いただきましたが、会議を踏まえまして、一部修正をしてございます。
まず、初めのページを御覧いただければと思います。まず、初めに、患者・市民参画、被験者保護等についてということで持ってきております。前回の会議では記載してございませんでしたが、両括弧で指針第1関係ということで、今回からこの資料が具体的に指針のどこに関する議論なのかというのを明記する形とさせていただいております。
検討内容、患者・市民参画、被験者保護等について整理した、そして主な意見のところは前回の会議と同様でございます。
見直しの方向性についても前回と同様の方向性でございまして、先ほどパブリック・コメントにおいては具体的な改正案を示すべきではないかといった御意見もございましたが、我々として現時点で考えております見直しのイメージということで、参考で罫線の下のところに現時点の改正のイメージを書いてございます。このイメージとしておりますのは、言わば法制面で、他の条文との比較ですとか、他の制度との比較をした上で、法制上適切なものになっているかどうかという確認がまだでございますので、そういった観点で、今後変更があり得るものということで、今回見直しイメージという書き方をさせていただいております。こちらのイメージという言葉の使い方につきましては、この後の事項についても同様でございます。
次のページを御覧ください。用語の定義についてということで、指針の第2に関係する事項でございます。これまでの会議で、用語の定義について整理をしてまいりました。これまでの会議の中で、介入の定義の見直しや、新規/既存の考え方の明確化等について御議論がございました。
見直しの方向性の案といたしまして、前回の会議でも御議論ございましたが、まず、オプトアウト手続、そして「既存試料・情報の提供のみを行う者」について、新たに用語を定義するということ。2つ目といたしまして、「介入」の定義について、臨床研究法との関係も考慮し、適切に見直すこと。3ポツ目、「適切な同意」を削除すること。これはこの後の御説明にありますが、文書IC、口頭IC、適切な同意の構成を見直すということで、それに伴って定義が不要になるのではないかということでございます。また、新規/既存の考え方につきましては、前回の会議から議論が始まったばかりでございますので、今回は見直さずに引き続き検討していくということを考えております。
参考のところに定義をする場合の具体的な定義、現時点でのイメージを記載をいたしております。条文案とは書いておりませんが、現時点ではこういった形で考えておるけれども、法制上、細かいところをチェックしていった場合には変更があり得るという内容でございます。また、介入の定義の見直しのイメージにつきましても、記載をしているとおりでございます。
おめくりください。続きまして、研究計画書の記載事項、指針第7関係でございます。反復継続して試料・情報の収集・提供を実施するための研究計画書における記載事項を規定している第7の(2)のうち、マル14でございますけれども、文書全体として明示的であるところが書かれてございますので、見直しイメージのところにあります下線部、「可能性がある場合には」というのはあえて書く必要はないのではないかということで、内容を変えるものではございませんが、表現の見直しということで、より読みやすくなればというふうに思っております。
おめくりいただきまして、4番、インフォームド・コンセント(IC)等を受ける手続について、指針第8関係でございます。
検討の内容、また、主な意見につきましては、これまでの会議でるる議論してきましたので、今回説明は割愛させていただきまして、次の5ページに、見直しの方向性について記載をしてございます。
1ポツ目といたしまして、「侵襲・介入を伴う研究」、「試料を用いる研究」、「情報のみを用いる研究」の3つに大別をして、そのリスクに応じたIC等の手続に見直してはどうかということでございます。同意手続等については、「文書IC」、「口頭IC」と「適切な同意」という区別をなくして「IC」のみに整理し、「IC」と「オプトアウト手続」の2本柱に見直すということでございます。
また、前回の会議で御議論がありましたけれども、ICであっても、研究内容によっては、倫理審査委員会が認めた場合は、引き続き説明事項等の簡素化を認めるということも記載してございます。
匿名加工情報、仮名加工情報及び個人情報の取扱いについては、個情法の規定に則るものといたします。
5ポツ目といたしまして、既存試料・情報を利用、提供する研究においては、オプトアウト手続を基本としつつも、その際、現行の既存試料を用いて研究を実施する場合の「当該既存試料を用いなければ研究の実施が困難である」という要件は厳格な運用がなされてしまい、既存試料を用いた研究がやりにくくなったとの御指摘があることから、「適切な手続を経て取得された試料・情報である場合」という要件に変更してはどうかということでございます。前回のパワーポイントのスライドのほうで御説明をさせていただいて御了承いただいた内容を元に、こちらの報告資料に記載したものでございます。
次のポツが、変更後の要件である「適切な手続」の具体的な内容については、ガイダンスにおいて明示するということです。前回の会議では「適正な手続」という書き方をしておりましたけれども、一部の委員の御意見を踏まえまして、「適切な手続」という形に書き換えております。
同意手続の在り方に関する検討と同時に、倫理審査委員会の在り方についても検討を行っております。
倫理指針第8の1(4)のウに規定する個人関連情報の提供に関しては、提供先となる研究機関において研究計画等について倫理審査がされていることを踏まえて削除する。こちらも、この資料には前回記載ございませんでしたけれども、前回のパワーポイントのスライドで御説明した内容でございます。規定上、あえて書かなくても自明であるということで拡充してはどうかということでございます。
次のポツ、研究目的による既存試料・情報の外国提供については、事前に包括的な同意を取得している場合においては、オプトアウト手続を行うことで提供を可能とすると考えております。
また、緊急かつ明白な生命の危機が生じている状況における研究の取扱いについても記載をしてございます。
次のページは、これまでも御覧いただいているIC手続の見直しのイメージでございますので、御説明は割愛させていただきます。
次のページを御覧ください。5番、倫理審査委員会等についてということで、指針第17関係でございます。
ここもるる議論してまいりました内容でございますので詳細は割愛させていただきますが、一括審査の置き方ですとか倫理審査のやり方につきまして、所要の見直しをするものでございます。
前回の会議からの変更点といたしましては、見直しの方向性の下半分を御覧いただければと思います。冒頭のリスクに応じた審査というところにつきましては前回同様ですけれども、言わば倫理審査委員会の判断で、必ずしも簡素化しないで通常審査とするようなこともあってもいいのではないかということで、その旨を記載させていただきました。
次のページを御覧ください。見直しの方向性です。こちらも前回と記載が同じでございますが、下に2つ、ポツを追加しております。一括審査に係る手続をガイダンスで整理する、あるいは教育・研修の強化についてガイダンス等において明確化する、そういった補足情報を加えてございます。
最後になりますが、6番、その他のところでございます。こちらも前回の会議から一部記載を修正させていただいておりますが、既存試料・情報の提供のみを行う者、または、試料・情報の収集・提供を行う機関における倫理審査の置き方について、ガイダンスで明確化をしてはどうかという記載を残しております。
続きまして、資料2-2を御覧ください。資料2-1につきましては、こちらの会議での意見の取りまとめ、あるいは議論の経過について取りまとめたものでございますが、こちらの2-2はパブコメにかける資料の本体というイメージでございまして、今し方御説明をした資料2-1のうち、改正内容に相当する部分だけを取り出して書いたものというふうにイメージをいただければと思います。
まず、改正の趣旨といたしまして、生命・医学系指針の位置づけ、また、今回の改正に至った経緯ということで、内容が複雑であるとか、研究を停滞させる一因になっているのではないかという指摘があったこと、また、規制改革の会議等で、一括審査の在り方等についても意見があったということで検討してまいりましたという経緯が記載されてございます。
2番のところに改正内容の案ということで、先ほどの資料でも御説明しましたので詳細は割愛させていただきますが、まず、指針に記載されている順番に書いてございます。まず、初めに指針第1関係ということで、患者・市民参画、被験者保護等について、また、指針第2の関係で、用語の定義についてでございます。パブリック・コメントは改正の内容を記載するものですので、引き続き検討する、あるいはガイダンスに記載する、そういったものにつきましては、資料2-1を御覧いただく形を取っております。こちらに記載しているのは、あくまで指針そのものの見直しを要するものを記載したものというふうに御理解をいただければと思います。
3番、指針第7の関係ということで研究計画書の記載事項、4番、インフォームド・コンセント等の実施に係る手続について、5番に指針第17関係ということで倫理審査委員会、一括審査等について記載をしてございます。また、これまでの議論でございませんでしたけれども、6番、経過措置でございます。これは毎回記載させていただいているということで、現行指針及びそれ以前の指針の規定により、既に実施している研究につきましては、他法令の規定が遵守されている場合に限り、なお従前の例によることができることとするという記載を記載してございます。
適用期日でございますが、先ほどスケジュールにもありましたとおり、公布は早くても3月以降と考えておりますし、実際の周知期間等も踏まえますと、適用期日につきまして、現時点で書けるのは令和8年内といったところかなと考えております。
先ほども申しましたけれども、資料2-2をパブコメにかける際には、資料2-1につきましても参考資料としておつけいたしますので、例えば条文の改正イメージですとか、あるいはペンディングイシューになっていて、今後、議論していくようなもの、そういったところはそちらを御参照いただける形でパブコメにかけたいというふうに考えてございます。
説明は以上でございます。
【森座長】 御説明ありがとうございました。これまで、合同会議におきまして、委員の先生方からいただきました様々な御意見を踏まえまして、事務局から御説明がございましたとおり、取りまとめ案が資料2-1となっております。この資料2-1につきまして、御意見、御質問ある委員におかれましては、挙手をお願いいたします。
では、土屋委員から御発言いただきます。
【土屋委員】 今後の見直しの方向性について、資料2-1の取りまとめをしていただきまして感謝しております。
一方で、本合同会議での議論がまだ収束していない課題があるというふうに認識しております。先ほど田代委員のほうからもコメントがありましたけれども、現在の資料2-1ですと、今後継続して検討していくという項目が、やはりちょっと不明瞭なのではないかなというふうに感じています。新規/既存の考え方については明記されているんですけれども、タスク・フォースでの検討事項というのはこれだけではなくて、この合同会議の中で、複数の委員の先生から意見され、十分な議論ができていない積み残しの課題、こちらについても検討をして、一定の方向性を示していただくことを提案します。
製薬協としましても、合同会議内、あるいは、その後に幾つかの意見をこれまでに出させていただきました。前回の会議後に提出した意見については、残念ながらちょっと受け取っていただけなかったんですけれども、そこで提出した意見も含めますと、まだ十分な議論がされていないものが複数あるというふうに考えています。
少し具体的に挙げさせていただきますと、まず、試料・情報の二次利用に関する倫理審査委員会の審査の在り方、これは欧米等の制度との整合性、これについても含みます。また、広範な同意、二次利用同意の要件の整理について、そして、より有効なオプトアウト手続の在り方について、さらに介入の定義について、そして、一括審査体制の整備について等があります。これらの多くは、ほかの複数の委員の先生方からも論点として挙げられ、それぞれの意見があるものと認識しています。ただ、これらの意見がどのようにこの会議の中で議論されて、その結果が今回の指針改正に基本的に反映しないというふうに判断されたかというのが、現時点では明確になっていないのではないかというふうに考えています。今後の指針の在り方を考えていくためにも、今回の指針の改定に反映されなかった論点について、この会議の中で出された意見を基にタスク・フォースのほうで検討して、一定の方向性を示していくことが非常に重要になってくると思っていますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
【小野企画官】 事務局、経産省でございます。御意見ありがとうございました。
製薬協様からいただいている意見につきましては、事務局内でも共有させていただいているところでございます。この取りまとめ案につきましては、一部今後検討のものも入っていますが今回取りまとめということで、改正する方向性について方向性が得られているものを基本的には記載しているものでございますので、全て継続のものが入っているわけではないということですけれども、タスク・フォースを設置するかどうかも含めて検討会で御意見いただき、今後検討ということになろうかと思いますけれども、その範囲につきましても、今後、先生方の御意見をいただきながら、どういったものを検討していったらいいのかというのも含めて検討していきたいというふうに考えております。
以上です。
【森座長】 会議の御出席のお時間の都合で、戸田委員、御発言もしございましたら、今お伺いしてよろしいでしょうか。
【戸田委員】 大丈夫です。特にないです。
【森座長】 分かりました。
それから、事前に御意見をいただいている委員の先生方からの御意見を代読いただいていいでしょうか。
【小野企画官】 事務局、経産省でございます。本日欠席の佐々委員のほうから御意見をいただいていますので、御紹介させていただきます。
資料2-1の6ページ、インフォームド・コンセント等手続の見直しイメージの図の中で、侵襲あるいは介入を伴う研究というのが一番上にございますけれども、その中の括弧で、「軽微な侵襲等の場合、説明事項の簡素化も可能とする」という文言がございますけれども、それにつきまして、例えば少量の採血でも幼児や高齢者だと難しくなるなど、医療従事者の想定する侵襲の度合いと、研究参加者にとっての侵襲の度合いは異なることもあるかと思います。また、侵襲の度合いも大事ですが、緊急のときには読む文章量を精査して減らす、見やすいレイアウトにするなども併せて検討すべきというふうに考えておりますというコメントを、佐々委員のほうからいただいております。
以上でございます。
【森座長】 今の御意見は、被験者、参加者の方が研究を通じて経験されることについての配慮を求めるということで理解いたしました。ありがとうございました。
では、審議に戻りまして、神里委員から御発言いただきます。順番合っていますか。吉田委員ですか。神里委員、お願いします。神里委員、どうぞ御発言ください。
【神里委員】 すみません。私のほうからは、1点の質問と3点のコメントをさせていただきたいと思います。
まず、1つ目の質問でございます。5ページ目にあります見直しの方向性のところで、今後はICとオプトアウト手続の2本柱へと見直すということなんですけれども、現行指針の中にはオプトアウトまではいかないけれども、通知、公開はしてくださいというパターンがあります。例えば相当の関連性のある別研究についての同意があるといった場合はこれに該当するわけなんですけれども、このような場合については、この2つのどちらに入るのか、別途ということになるのか、今の現行規定はなくなるのか、その方向について教えてください。
それとも関係するんですけれども、6ページに、今、IC等手続の見直しイメージを書いてくださっています。こちらはこれまでも提出されてきたものなんですけれども、今の話もそうですけれども、結局のところ一番複雑なところを改正しようとしているわけです。前の定義のところに関しては改正のイメージまで書いてくださっているんですけれども、こちらは見直しのイメージにとどまっています。先ほど法令審議の話もありましたけれども、そちらが無理だとしても、せめて資料2-1の中に、第8の、どういうような規定になるのかというところ、指針第8については書き起こして、明確な具体的な改正の内容をお示しいただきたいと思います。でないと、長神委員も先ほどおっしゃっていたように、やはりパブコメの意味がないと思いますので、そちらを御検討いただければと思います。
2つ目のコメントなんですけれども、ページ8になります。8ページ目に、一括審査に係る手続について、ガイダンス等において整理するということを書いてくださっています。この一括審査の手続については、私も何度か申し上げてきたところですので、これを入れていただいたことは感謝しております。ただ、一括審査に関する手続は、一括審査を引き受けた経験がたくさんあって、あるいは外に出して、それの実施許可を何度も出したことがある、そういうような機関においてどういう回し方をしているのかということをいろんな機関に調査をして、何がベストプラクティスなのかというのを検討する必要があると思います。ですので、ガイダンスに簡単に書いて終わらせるということではなく、やはりこちらもタスク・フォースか別途研究班を立ち上げるなどして、モデル的なものを提示できるようにしていただきたいと思います。
また、今日のこの会議でタスク・フォースの立ち上げということについて委員からの賛成が得られたならば、やはりそれについても2-1の資料の中で、最後の部分でタスク・フォースを設置し、これこれについて検討するという積み残し課題を明確にして、この報告書、取りまとめを終わらせていただければと思います。
以上になります。
【木村安全対策官】 事務局でございます。ありがとうございます。
タスク・フォースの回し方につきましては、今日、神里委員など、この後も他の委員からも御意見賜ると思いますので、一旦意見を刈り取らせていただいた上で、具体的にどういう形でどういった内容を御審議いただくのかというのは、座長とも御相談しながら整理をしてまいりたいと思います。神里先生からの御意見は、審査の、特に一括審査の実際の運用等に関して、ベストプラクティスも踏まえて、何かガイダンスのような示せるものがあったほうがいいのではないか、それをタスク・フォースで御議論したらどうかという御意見であったというふうに承りました。
また、パブリック・コメントへのかけ方についてでございますけれども、あくまで一般論でございますけれども、よくある形といたしましては、今回お示しをしたような概要のみをお示しをするか、あるいは、しっかり法令審査も踏まえたきっちりしたものをおかけすると、どちらかのケースが多いのかなと思っておりまして、法令審査というプロセスを経ないでふわっとした形で出すというのはあまり見ないのかなというふうに思いますけれども、いずれにしましてもどういった形が一番合理的なのか、事務局の中でも調整をした上で検討してまいりたいと思います。
【森座長】 では、続きまして、吉田委員から御発言ください。
【吉田委員】 取りまとめありがとうございました。
まず、2-1の「積み残し課題の明示」に関連して、指針第2関係の新規/既存については引き続き検討する旨の記載があります。一方で、指針第8関係の適用範囲について、いわゆるエグゼンプト(倫理審査が不要となる区分)を設けるかどうかという点も検討課題として明示してください。諸外国では一部の観察研究や登録型研究でエグゼンプトが設けられており、日本でもその可能性を議論すべきだと思います。
2つ目は、インフォームド・コンセントに関してです。全体として簡素化しようという方向性は非常によいと思いますが、「オプトアウト手続を基本とするけれども、適切な手続を伴う」という部分については、ガイダンスの明示内容次第で、結果的に簡素化されないおそれがあります。そのため、この「適切な手続き」については、タスク・フォース等で整理・検討するのが望ましいと考えます。
さらに、オプトアウト手続そのものの定義を明確にすることも重要であり、具体的に記載すべき内容や例文などを示すか、あるいはタスク・フォースで検討するなど、方向性を明示していただきたいです。以上です。よろしくお願いいたします。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。事務局でございます。
資料2-1の8ページを御覧いただければと思います。私の先ほどの説明でちゃんと読まなかったので、ちょっと誤解を与えてしまったかもしれませんが、審査の免除の関係につきまして、倫理審査の項目のところに記載してございます。倫理審査を免除する規定も含めた倫理審査委員会の負担の軽減のための方策については、引き続き検討していくというふうに記載をしてございます。タスク・フォースを含めてどういった場で御議論いただくかにつきましては、本日の意見も踏まえまして、今後検討してまいりたいと思います。
また、先ほど他の委員から、二次利用に関する御指摘もございましたけれども、そちらにつきましても2ページを御覧いただければと思いますが、主な意見のところで、一次利用/二次利用の定義との整合性も踏まえつつ、新規/既存の考え方の明確化について議論をしていってはどうかということがございますので、そもそもここの論点、指針に今後どういう書き方をしていくのか、その上でどう整理していくのかというのは、先ほどの資料1の下半分になりますけれども、引き続き検討する事項というふうに御認識をいただければというふうに思っております。
また、ガイダンスへの記載の仕方につきましても、恐らく200ページ全ての修正案ここで議論を尽くすというのはなかなか難しいかもしれませんが、影響の大きいところ、今、吉田先生がおっしゃったようなポイントにつきましては、適切に御相談させていただきながら進めてまいれればというふうに思っております。ありがとうございます。
【吉田委員】 ありがとうございました。ということは、エグゼンプトについては「適用範囲」ではなく、「審査免除」に関する項目として、今後検討していくということで了解しました。
【木村安全対策官】 仮に審査免除ということであれば、そこかなと。当然御議論の結果、他というのはあるかもしれませんけれども、少なくとも今後御議論いただくイシューということでは記載をしておりますということでございます。
【吉田委員】 ありがとうございました。
【森座長】 では、武藤委員から御発言いただきます。
【武藤委員】 ちょっと何点かございます。まず、これはちょっと御質問なんでお答えいただければと思うんですけれども、資料2-1の2ページで、新たに新設する定義のイメージのところにオプトアウト手続が書かれております。私、前回の会議でオプトアウトという用語が、個人情報保護法で定められているオプトアウトと、ここで言っている拒否の機会を保障するということとの区別ができなくなるんじゃないかということを御指摘しまして、座長からもオプトアウトは分かりにくいんじゃないかという御発言をいただいたというふうに記憶しておりますが、結局それは見直さないということになったのであれば、どうしてなのかということを教えていただければと思います。というのは、今回せっかく「適切な同意」をなくしていただいて、インフォームド・コンセントと適切な同意で混乱するということが減ってありがたいと思っていたんですけれども、これは新たな混乱の種をいただいてしまったと感じるからです。
また、先ほど神里委員からも御指摘ありましたけれども、何に対する拒否なのかを明確にしてほしいということを前回の会議で申し上げて整理していただいたところですが、原則として通知、公開であって、実質的に拒否の機会まで保障できない行為と、拒否の機会を保障しないといけないというか、することを原則とするような行為が混在しているので、それらを一緒にまとめてオプトアウト手続というふうに呼んでしまって本当にいいのかということも気がかりです。
さらに吉田委員がおっしゃったことにも関連しますが、通知または公開すべき項目について、個人情報保護法に基づく要請部分もあるでしょうが、研究参加者の方が拒否するかどうかを判断するために必要な項目というのはまた違う観点ですので、ここはぜひ整理をしていただく必要があると思います。
次に、あと意見と要望なんですけれども、1ページ遡っていただきまして、資料2-1の1ページ目です。患者・市民参画、被験者保護等について整理したというふうに書かれているんですけれども、このページに書かれている実際の見直しの方向性としては、原則の中に「患者・市民の視点を尊重し」と加えていただけるということでありました。これは6月にプレゼンさせていただいたときに提案したものを反映していただいて大変ありがたく思っているんですが、ただ一方で、ヘルシンキ宣言では、例えば被験者という用語をやめて参加者に変更するということにしていますが、今回全く議論しておりませんし、それから、「患者・市民参画は、より多くの配慮を要する者を対象とした研究の際に、被験者を保護する観点からも推奨」というふうに書かれているんですけれども、ちょっと分かりづらい上に、それだけではない背景があって諸外国では導入されているということを、厚労科研の報告とさせていただいたつもりでおります。仮にこの事務局案のとおりであったとしても、本件は、もしそうならば、より多くの配慮を要する者が同じ属性を持つ人々にとっての利益が十分に考慮された、必要で安全な研究に参加できるようにするためにどうすればよいのかという議論とも非常に関わっていて、かなり研究倫理の本質的な話です。にもかかわらず、今回の会議では、社会的に脆弱な立場の者の取扱いについて一切見直しをしていないのに、ここでそのように患者・市民参画、被験者保護等について整理したと言い切ってしまうことは、私は適切だと思いません。
ですので、ここでは一旦患者・市民参画の潮流を踏まえて、原則には追加したけれども、先ほど来各委員がおっしゃられているように、さらに検討すべきことがあるんだということをしっかり書いていただいた上で、パブリック・コメントかけるんであればかけていただくということで、特に社会的に脆弱な立場の方の取扱いについては、ちゃんと検討すべきではないでしょうかということがあります。
最後、ガイダンスについてです。資料2-1の中では、ガイダンスで明示する、ガイダンスで明確化する、ガイダンスで整理するといったような記述が4か所あります。前回も申し上げたんですけれども、このガイダンスにいつの間にか書き込まれたことが新たな規定のようになってしまったということが、前回の改正の反省点だと個人的には思っており、可能ならばぜひ委員に、このガイダンスにおいてどういうことを書かれるのか、確認の機会を与えていただきたいと思います。今回積み残している、例えば倫理審査の一括審査関係の手続や、既存試料、新規の取扱いなどを積み残しておくことによって、結構影響があるのが、現在のガイダンスの139ページに重大な不適合の例示として、倫理審査委員会の審査または研究機関の長の許可を受けずに研究を実施した場合、必要なインフォームド・コンセントの手続を行わずに研究を実施した場合、これらは研究の内容に関わらず不適合が重大なので、大臣報告、公表の必要があるというふうに明言されています。これは今回まだ一括審査に全体としてしっかりいけるかどうかとか、新規/既存の関係が整理されてないことで、何が必要で適切なインフォームド・コンセントいうのがまだちゃんと整理されてない中で、重大な不適合のところは残ったままになっているんです。そういうことは結構現場としては必ずチェックして、これは重大な不適合だったのかと思ってしまう真面目な施設もあれば、全然そんなこと知らんという施設もあると思うんですけれども、ぜひちょっと併せてこの重大な不適合のところも、この記載でいいのかということについては見直していただく必要があるんじゃないかと思いました。
長くなりましたが、以上でございます。
【木村安全対策官】 事務局でございます。
先ほどの委員の御質問からもございましたけれども、ガイダンスにつきましては、重要な箇所につきましては、先生方と今後、御相談をしながら対応してまいりたいと思っております。今、武藤先生のおっしゃった重大な不適合の箇所につきましても、以前の会議で御指摘があったというふうに認識をしておりますので、今後適宜、先生方とも御相談しながら規制については検討してまいりたいというふうに思っております。
また、市民参画の検討内容、囲みの中のところで整理したと書いてあるのですけれども、条文のイメージということで、一部反映しつつも網羅的にしっかりと全体を議論したものではないんじゃないのかという御意見かなと思っております。恐らく整理したという日本語が誤解を与えるのではないかということかと思いますので、例えば、被験者保護等について議論をしたといったような記載にした上で、下の改正イメージはこのままにしておくと。必要に応じて今後の会議の中で、ここの市民参画、あるいは被験者保護等の在り方について引き続き御議論をいただくということでよろしいでしょうか。もし、それでよろしければ、また御意見をいただければというふうに思っております。
また、一番最初に御質問をいただきましたオプトアウト手続についてでございますけれども、前回の御指摘も踏まえまして、拒否できる機会を保障することをいうという記載が書いておるのですけれども、まだまだちょっと整理が不十分ということであれば、本日の会議、あるいは今後数日内でもいいですが、具体的な改正の案をいただけますと、事務局のほうで検討が進むのかなと思っています。
オプトアウトという言葉は付けずにオプトアウト手続という言い方をすることで何とか区別できればということで、今回作文をしているのですけれども、そもそもオプトアウトという言葉を使わないとなってしまいますと、じゃあどういった言葉があるのかという話にもなってしまいますので、事務局の案としましては一旦こういう形にさせていただいているところでございます。
【武藤委員】 今の点は、日本語で今までは拒否の機会を保障する手続とかそういうことを言っていて、オプトアウト手続という言葉と、個人情報保護法のオプトアウトが違うということをどれぐらいの人が本当に簡単に理解できるのかという点ではやはり疑問がありますので、日本語をしっかり使う、意味を持った日本語を使うということは、ぜひ御検討を引き続きお願いしたいというふうに思います。
それから、その前の被験者保護等についてのところなんですけど、被験者保護等について何を議論したんでしょうかというのがちょっと実感としてはよく分かりませんので、患者・市民参画のところはきちんと一度機会をいただいて議論いただきましたけれども、被験者保護というのはかなり大きいお話でありますので、それの保護の在り方についてどういうことも何も特に決まってもいないし、議論もできてないんじゃないかというのが印象としてあるので、こういう点を被験者保護については検討したんだということがあるのであれば、もう少し明確に書いていただければと思います。
以上です。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。そうしましたら、囲みの中の記載につきましては改めて検討した上で、また御相談をさせていただきたいと思います。
【森座長】 武藤委員、すみません。森から発言してよろしいでしょうか。
今回、患者・市民参画について総則の内容を見直すということで、今のこの委員会で議論されている中で、総則の改定そのものに直接関連しているのは、この件が最も明確に打ち出されているところになっています。総則の改定は、ここに文章を入れるということのみならず、総則に入ってくることにふさわしい指針の内容の充実と当然連動してくるものだと思います。まだその中身が十分肉付けされていない中で、この総則の話が今上がってきておりますが、総則の改定を伴うという極めて重い意味を持つ点であるので、具体的に患者・市民参画について、どのように指針の中に位置づけていくかについて十分議論をいただきたいです。タスク・フォースの設置も含めて、この内容については、特に指針本文に関する内容になるので、御検討いただくことがよいと私は個人的には考えております。これから委員の先生方の御意見を伺おうと思います。
被験者の保護につきましては、今回、被験者のリスクをどう評価するかということについては様々議論をされていまして、介入や侵襲の見直しもございますし、情報や試料を扱う上でのリスク、また、二次利用、三次利用に関するリスクに関しても、委員の先生方からこれまで御指摘いただいております。まだ十分そこを取りまとめていないというところではございますが、委員の先生方からは、何点か御指摘いただいているところでございますので、これまでの御発言を振り返っておまとめしていくことでいかがでしょうか。
【武藤委員】 ありがとうございます。私、患者・市民参画については、特に今、それはよいんですけれども、被験者保護等についてのところが、もし特により多くの配慮を要する者を対象とした研究というわけではなくて、それに限らず、患者・市民参画が重要ということなんだと思いますので、ここがちょっと強調され過ぎているのではないかということを申し上げました。もしも被験者保護については、ほかのリスクやベネフィットのところの記載のところで検討したのであれば、では、1番の中で、指針第1関係だけには限らないと思うんですけれども、全体に張り巡らされているんだよということであれば、そのように説明していただいたほうが分かりやすいのではないか。特にパブリック・コメントのときに分かりやすいのではないかというふうに思います。
以上です。
【森座長】 御指摘どうもありがとうございました。
それでは、委員の先生方の意見を進めてまいります。次は玉腰委員ですか。玉腰委員、どうぞ御発言ください。
【玉腰委員】 おまとめありがとうございました。介入のところを何度も指摘させていただいているのですが、やはりこれでは私は介入の意味が通じていないのではないかと思っております。改めて指針の本文を見ますと、介入を伴う研究という言葉を使われていて、通常現場で使う介入研究という言葉にしていないところに、恐らくまず問題があるのではないかということに気がつきました。この用語を介入ではなく介入研究として定義をしてもいいのではないかということがまず1つです。
その上で、「研究目的で」と始まっているのですが、どういう研究目的なのかということが介入研究の場合は重要でして、例えば、予防や治療の効果を調べるためにというようなことが入ってきます。今のままですと、何度かお伝えしているのにうまく伝わってないのだろうと思うのですが、例えば侵襲のある検査を行うということ自体まで、ふだんやらないことをやるという意味で介入に含まれる説明になっているのではないかということを懸念しています。ですから、現状では侵襲と介入をほぼセットにして、侵襲がある、介入があるみたいな、あるいはどちらかがないみたいな話をしているのですが、むしろ介入研究という言葉をきちんと使っていただいて、何のために何をやるのが介入研究なのかということをここに示していただくということが、結果的にはきちんと意味を伝えられることになるのではないかと思いますので、何度か指摘しておりますけれども、改めて発言させていただきました。
もう1点は、これも今までも何度か言っていますけれども、倫理審査委員会の一括審査についてです。本当にどの倫理審査委員会でも一括審査が、侵襲のある介入研究ということにはなってくると思いますけれども、どこでもできるのかという点については、まだまだ私自身は不安があるのではないかと思っております。先ほど神里委員からも、きちんと調査を行った上でいろいろ決めていく必要があるのではないかという御発言ありましたけれども、それに賛同いたしまして、追加で発言させていただきました。
以上です。
【森座長】 玉腰委員、今の御発言は、研究の目的によって介入研究を複数に分けるということですか。
【玉腰委員】 いえ、違います。介入研究というそのものの目的があるはずで、研究目的でこれこれをするということではなく、何て言ったらいいのかちょっと分からないところもあるんですけれども。
【森座長】 目的がない研究というわけではないですから。
【玉腰委員】 もちろんそうです。ですから、研究の目的ですけれども、「人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為」までは、ここは介入を説明しているのですが、この後ろに括弧して「通常の診療を超える医療行為(軽微な侵襲の意味を伴う検査を除く)」という、除くであって研究目的で実施するものを含むというのが入ってきた途端に訳が分からなくなっているのだと思います。
【森座長】 医療現場の立場ではあまり違和感はないんですけれども。
【玉腰委員】 ごめんなさい、医療現場では違和感がないと言われるのは、この説明で介入研究の介入を説明できているということになりますでしょうか。
【森座長】 服薬に関する研究は法の対応になっているものが多くなっていますので、検査、もしくは様々な生活習慣介入の研究が主な主対象だと、病院ではそうだと思いますけれども、そこではやはり検査が最も侵襲の機会も多くて、侵襲の程度の高いものも含まれていますので、その中ではこう書いてあることについては。
【玉腰委員】 すみません、検査が侵襲性があるというのは、それはあくまでも侵襲であって、介入研究でいう介入とは違います。今、そういう趣旨で御発言されたのでしょうか。
【森座長】 影響を与えるか与えないかということ自体が介入の最も大きい定義なんですけれども。
【玉腰委員】 いえ、検査をすること自体は介入ではなく、それは侵襲性のある何らかの行為を、研究で必要だからやっているということですが、それを研究目的でという形で読んでいくと、まるで研究で必要な検査を含めてそれを介入のある研究と言っているかのように取られると思います。あくまでも診断だったり治療だったり、あるいは予防だったりの方法として意味があるのかどうかを確かめるために行為そのものを行う/行わないで比べるというのが介入研究の定義ですので、ふわっと読むと何となくそのままいってしまうのですが、具体的に考えながら読んでいくと、私は何かこれはよく意味が分からない整理だなと何度も思っております。
【森座長】 委員の先生方から御意見ございますか。田代委員、ちょっと追加で御発言いただければと思います。お願いします。
【田代委員】 私自身は玉腰先生の御意見はよく分かります。ただ、これは難しいところで、要は医学研究における介入研究の定義と違うものが、この介入の定義の中には入ってきたという歴史的な経緯があると考えています。特に括弧内のところは、もともと臨床指針のほうで使っていたものを、指針を統合するときに、ある意味では無理やりここに入れてきたというところがあります。そのため、玉腰先生がおっしゃるとおり、この括弧内のところだけ読んでしまうと、いわゆる健康関連要因をコントロールするという意味の介入ではなくて、通常の医療を超えるような処置を研究目的でするという、侵襲を指して介入と読めてしまうような構造になっています。そこが確かに倫理審査委員会でもしばしば議論になっていることは事実だと思います。
私自身この定義自体は、先ほど言ったように指針を統合するときに、ある意味少し無理がある中でつくってきたところがあり、括弧内の記載をどうするかということについては、場合によってはこの際見直すということがあってもいいのかなとは思います。その意味で、玉腰先生がおっしゃるように、この括弧内の位置づけというのがやはりしっくりこないということは、それはそれであることかなと思います。特に研究デザインとしての介入研究の定義だと、これがうまくはまらないということは出てきます。それは1つには、この指針をつくってきた時の経緯がこれには影響しているので、その辺の事情も含めて再度検討して、今日なおこれを継続する必要性があるかどうかという議論は、可能性としてあると思います。
以上です。
【森座長】 ありがとうございました。玉腰委員と今、田代委員の御発言でよく趣旨が分かりまして、影響を与える要因の有無または程度を制御する行為の後ろに括弧で、要するに医療行為というふうに規定していることが多分先生方が恐らく、様々な医学的な介入の内容があるのに、ここは医療行為になっているという点は、先生方にとって不要な制約なんでしょうか。
【玉腰委員】 すみません、田代先生、いろいろありがとうございます。
私自身は医療行為というように規定していることが問題なのではなく、通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含むというその言葉が問題だと思います。このままここを読むと、ふだんやらない検査を研究目的で実施したこと自体が介入になってしまって、介入研究の定義に合わないということになります。
【田代委員】 私も同じ理解です。
【森座長】 難しいですね。
【三浦委員】 三浦ですが、よろしいでしょうか。
【森座長】 どうぞ、お願いします。三浦委員、お願いします。
【三浦委員】 今の御議論を伺いながら、確かにこの文章は非常に分かりにくいと思いまして、文章的に丸括弧の中の丸括弧という構造が、読み違いもしやすいですし、理解もしにくいので、この二重丸括弧なしに何とか表現できないものかと思いました。
以上です。
【森座長】 ありがとうございます。ここはちょっと文に工夫が要りますよね。「研究目的で」というのが2度出てきますからね、まず文面自体が。ですから、「研究目的」という言葉をどこかで1回だけ使うということと、医療行為、通常の診療を超える医療行為を含むかもしれませんが、医療行為だけではないですよね、恐らく。
【八百野技術参与】 ここでは食事療法や運動療法等も想定しているもので、この指針で定義している「人を対象とする生命科学・医学系研究」の中で、マル1からマル4を通じて「国民の健康の保持増進又は患者の傷病からの回復若しくは生活の向上に資する知識を得ること」としています。このような内容が介入の定義の括弧書きに含まれている形になっています。
【森座長】 それも含まれるということですよね。
【八百野技術参与】 はい。
【森座長】 ですから、行為がイコール、通常の診療を超える医療行為(軽微な侵襲のみを除く)ではないということでいいんですか。
【八百野技術参与】 はい。
【森座長】 ですから、それはそういうふうに分かるように、少し文面を整理していただくことが可能ならば、ちょっと御検討いただくのでいかがでしょうか。
【玉腰委員】 ちょっとすみません、確認ですけれども、そうしますと、ここで言っている介入は、介入研究ではないということですね。
【八百野技術参与】 介入研究を定義しているのではなくて、介入を定義しているというイメージです。
【玉腰委員】 そのときに言っている介入というのは、侵襲性のある検査だったら侵襲のほうで読んでいるわけで、一体何を介入としてここで定義をしたいのかということだと思います。
【八百野技術参与】 ここが先ほど田代委員から補足がありましたように、臨床指針にありました介入の定義の内容を引いているところもあり、この医療行為の部分を用いているところは確かにあります。
【玉腰委員】 可能であれば、今度のパブコメに間に合う間に合わないはあると思いますけど、いろいろな内容でタスク・フォースを立ち上げて検討するのであれば、これは非常に重要な点ですので、検討対象にしていただければと思います。
【花井委員】 ちょっとよろしいでしょうか。花井です。
【森座長】 どうぞ、花井委員、御発言ください。
【花井委員】 これまでの議論、よく分かるんです。いわゆる介入研究と言われる介入という概念の中に、医療行為として強い侵襲性を持った、それは1つの介入として定義するみたいなのは分かりにくくて、もう一つは私どもの経験から申すと、質問することによって侵襲的になってしまうというのもあって、だから、それは医療行為じゃないんだけど、例えばちょっと実例は挙げにくいけど、例を挙げると、例えば、リプロダクション医療の中で、普通にそれは医療行為としてやっているんだけど、そこにちょっとその人たちに質問だけしましょうみたいな、どうですかって、通常は介入研究じゃないんだけど、やっぱりそういう領域というのは質問によって強い侵襲性を持つということが起きるわけですよ。そうすると、普通は介入研究じゃないんだけど、医療行為ではないんだけど、侵襲性だけは持ってしまうみたいなときに、じゃあこれによってどう評価するかというと、倫理委員会ではどういう議論があるかというところで若干の混乱がやっぱり内在しているというのは、私どもの経験からもあるので、やっぱり先生方の議論は非常に重要と思いました。
以上です。だから、医療行為でなくても侵襲性を持つ可能性はあるということですね。
【森座長】 心的な外傷に関わる質問があるということですね。
【花井委員】 そうですね、そういうことがあります。やっぱり僕らの経験はリプロダクションに関係する領域だったんですけど、やっぱりそういうところでは質問自体が強い侵襲性を持つということが現実起こっていましたので、ただ医療行為と言っちゃうとそれは外れるのかなとか、そういう細かい実例になるとそういうことが起こるかなということをちょっと危惧しました。
以上です。
【森座長】 ありがとうございます。
長神委員、どうぞお願いします。
【長神委員】 玉腰委員のお話と違うお話をさせていただきます。
幾つかあります。1つ目は、これまでの議論で特に1回目から3回目で、前文のお話がたくさん出てきて、6月あるいは9月の回でも、被験者保護の件も含めて前文に何とか書き込めないのかという議論があったかと思います。前文に関しては、何らかどこかに議論がまとめの中に入らないのかなというのが1点目でございます。それは継続審議なのか、それともどうなんですかというのが1点目でございます。
2点目以降は、私が散々言わせていただいたバイオバンクの件でございます。バイオバンクの利活用に関して、どの部分がどう適用されるのかの明確化ということを随分言わせていただきましたが、それについてはほとんど触れられてないように拝見しています。これは継続審議なのかなと思っていますが、それでよろしいでしょうか。
その中で、新設する定義のイメージで、既存試料・情報の提供のみを行う者というのがあり、試料・情報の収集・提供を行う機関との間での、何がどう違うのかということを私から指摘させていただいていました。既存試料・情報の提供のみを行う者というのが新たに定義されることによって、試料・情報の収集・提供を行う機関というものと、これが完全に背反的な意味での違うものなのかどうなのか、はっきりさせていただくべきなんじゃないかなというふうに思ってございます。
この部分ではよく分からないことがあって、「研究機関に所属する者以外であって」というところ辺りが、研究実施に携わらずにという意味なのでしょうか。定義としても、研究機関というのは指針上、極めて広い対象となる定義がありますので、そうではなく、要するに研究を実施している機関に所属してないということとして、研究実施に携わらずにと捉えればいいという意味なのか、自機関からではないからという意味で使われているのか、その辺の明確化がもう少し必要なのではというように思います。
それから、審査免除の件という形でまとめていただいていましたが、バイオバンクについても、審査がある程度免除できるのではないかと思います。製薬協の土屋委員の御発言からも、海外との比較の問題のお話をがありましたが、どこまでがさらなる検討の対象なんだろうかといったところをお伺いしたいと思います。
また、武藤委員が指摘されていたオプトアウト手続ですが、拒否機会を与えるといった現行の記載であっても、個情法における届出を伴うオプトアウトの、いわゆる二重オプトアウトが禁止されているオプトアウトとの間での混同があります。この混同されやすさが、どうにかならないかということを、私は先のプレゼンの中で申し上げた次第です。どちらかというとオプトアウト手続という言葉になることによって、むしろ混同されやすくなったのではなかろうかなと思います。武藤委員からは意味が分かる日本語としてということがありましたが、明確に個情法で定めるオプトアウトと異なるんだ、といったところが明確にされるとよろしいのかなと思いました。
四、五点まとめて申し上げました。以上です。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。今、画面に表示されていますので、まず、オプトアウト手続のほうから御説明をさせていただければと思いますが、今、長神委員御指摘の個情法との違いという点につきましては、拒否できる機会を保障するという点の他にも、個人情報保護委員会への届出が要るのか要らないかとか、幾つか相違点があります。そういった中で、どちらの制度でもオプトアウト手続と言ってしまっていると混同が生じるのではないかということかと承っております。
個人情報保護法のほうではオプトアウトという定義はございませんので、こちらで例えば、個人情報保護法第何条に定める場合といったようなことは書けないのかなと思います。
【長神委員】 通則にあります。
【木村安全対策官】 失礼しました。ですので、ここの表現の仕方ですとか、あるいはここにどこまで書くのか、あるいはガイダンスの中でしっかり周知するのか、その辺はちょっとバランスを持って検討してまいりたいというふうに思います。
【長神委員】 個情法本体になくても通則にありますので、オプトアウトという言葉を使われないほうがベターではないかなと思いました。
【木村安全対策官】 すみません、ちょっと細かい話になるのですが、通則で書いてあるものをここで除くというのは、告示とそうでないものと違いが出てきてちょっとなかなか法制上難しいということになります。
【長神委員】 オプトアウト手続という言葉をわざわざ新設されているので、混同される言葉を使わないほうがいいのではないかなという御提案でございます。
【木村安全対策官】 承知しました。ちょっと言葉遣いにつきましては、また引き続き、どういった形がベストかについては検討してまいりたいと思います。ただ、繰り返しになりますけれども、他の法令でなくて通則で定めているようなものを告示でちょっと除くみたいなことは書けませんので、そこの書き方については、事務局のほうにマンデートをいただければというふうに思っております。
また、一番最初の御質問の前文でございます。こちらの初期の委員会におきましても、いろいろ御議論あったというふうに承っております。ここの前文自体は直接ルールが規定されているわけではなくて、いわゆる考え方といいますか、まさに前文ということでございますけれども、今回ここを具体的にどういじるのかという論点につきましては、まだ特に委員会の中でも御議論いただいておりません。
【長神委員】 結構議論があったと思います。
【木村安全対策官】 議論はございましたけど、この具体的な修正案につきましてはまだ御議論がございませんので、そこにつきましては今回パブリック・コメントには載せてございませんが、先ほど武藤先生からも被験者保護等の御意見がございましたので、そういった今後の御意見も踏まえまして、具体的な修正案というものが出てきた場合にはしっかり考えてまいりたいというふうに考えております。
【長神委員】 では、継続審議ということですね。承りました。
【木村安全対策官】 あと、バイオバンクの関係でございます。前回の会議でも御回答させていただきましたけれども、「のみを行う者」、あるいは「行う機関」というところにつきまして、バイオバンク以外の者も含まれるということになりますので、そこをバイオバンクと書き換えるのはちょっと法制上は難しいのかなというふうに思っておりますけれども、現場で混乱を与えているということでは、いわゆるバイオバンクと言われる機関がどういった規定を守ればいいのかということにつきましては、ガイダンスなどの中で明確化をしていければというふうに考えております。
あと、先ほど4番目の御意見でしょうか、定義の関係ですかね、「のみを行う者」の定義を置いているところでございますけれども、前回の会議におきまして、神里委員だったかと思うのですけれども、登場の頻度が高いのでしっかり定義を置くことで、条文の簡素化が図られるのではないかといった御意見がございましたので、定義を置いてはどうかということで御提案をさせていただいている次第でございます。ただ、これを置くことによって、「のみを行う者」ではないほうの「収集・提供を行う機関」の関係で、何か混乱を生じさせる可能性があるということであれば、そこは混乱が生じないようにしっかりとここの記載ぶりですとか、あるいはガイダンスでの周知方法についてはしっかりと考えてまいりたいというふうに思っております。
【長神委員】 これはそれぞれ独立する定義であって、お互い排除するということでよろしいですか。
【木村安全対策官】 排除すると申しますのは。
【長神委員】 どちらかに入ってどちらかに入らないという意味でしょうかという御質問です。
【木村安全対策官】 研究の内容によって、どちらに該当するかというのが決まってくるということかと思います。そこは多分今の運用と何か変わるということではなくて、言葉上登場頻度が高いので、しっかり定義を置いたほうがいいのではないかということで、今は定義がございませんけど、今の運用から何か変えようというものではございません。
【長神委員】 指針上はどちらを読めばいいのか分からなくて、両方の規定がどう引っかかるのか分からないということは非常に課題になっておりました。私は前からは、この既存試料・情報の提供のみを行う者というのと、試料・情報の収集・提供を行う機関というので、双方がそれぞれ違う規定であって、違うものですよねという御確認をする次第です。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。先ほどの御回答に通ずるところもありますが、例えば「のみを行う者」ですとか「提供する機関」をバイオバンクと書き換えることにつきましては、他の機関に影響しますので難しいかなと思っておりますけれども、どちらに該当するのかというのを運用上分かりやすくするということであれば、ガイダンスの中ですとか周知の際の工夫ということを考えてまいりたいと思っております。
【長神委員】 ガイダンスで、本文で分かりづらいので、できるだけ本文の中で分かりやすくするようにしていただければと思います。よろしくお願いします。
【森座長】 続きまして、有江委員から御発言いただきます。
【有江委員】 お願いします。8ページの委員の研修・教育についてなんですが、引き続き検討をしていただくということなんですけれども、1点お願いがございます。倫理審査委員会の質の担保ということが重要であるということは、私も同じ問題意識を持っておりまして、ただ現状としては、依然として質や教育の内容や受講の頻度みたいなものが十分とは言えないような機関もあると。これにつきましては、私もそういう機関があることも存じております。ガイダンスで具体的に今後どのような教育を受けるべきかみたいなものを、特定の基準みたいなものとか、どこの教育を受けるべき、受けたほうが望ましというようなものは示していただいければと思いますけれども、一方で、既に多くの研究機関が独自に教育の体制を整えられているということも事実でございます。例えば、ICRwebとか、あるいは倫理審査委員会向けの研修に特化したREC EDUCATIONというものもありますし、また、必ずしも倫理審査委員会向けというわけではありませんけれども、科研費を申請するときに採用されているeAPRINのように、内容も適正で充実し、受講証も発行されているような教材や教育システムがあり、それらを既に導入して、契約もして、教育を行われている機関も多いです。また、委員会向けに特化をして、内容も充実した教育・研修を学会が提供しているというところもあります。内容についても十分かと思っております。
したがって、ガイダンスで特定の教育・教材を受けることを限定してしまうということをもし検討されているようでしたら、あくまでもそのような教育や教材を使用することが望ましいというか、リコメンデーションにとどめていただくことを御検討していただけないかと思っております。ただし、少なくとも今、ガイダンスには、年に1回の受講が望ましいというふうに書いてありまして、私は、年に1回というのでは内容を十分把握できませんし、教育としては全く不十分ではないかなというところも実感しているところではございます。ですので、回数については、「望ましい」ではなく、年に1回は義務づけていただければというふうに思っておりまして、回数につきまして、努力義務ではなく義務づけしていただくこと、そしてどのような研修を受けるのかというのは、特定のものを、これを必ず受けなさいということではなくて、内容が委員向けにちゃんと充実したもので、このような、このようなものがありますということ、基準を示していただき、ガイダンスへの記載の検討をお願いしたいと思います。御検討していただければと思います。
以上でございます。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。倫理審査委員会の負担の軽減に向けた方策を含めまして、この関係につきましては、ここにまさに御記載させていただきますとおり、引き続き検討するということにさせていただいておりますので、今後も御議論いただければと思います。
先ほど、義務的になるのではないかという御懸念を示されておりましたけれども、国が一般的に課すルールにおいて、この研修を必ず受けなさいみたいに、特定の研修機関を名指ししてやるというのはあまり考えられないのかなというふうに思います。かえって利益誘導になってしまいますので、恐らく教育や研修の内容、こういったのがいいよねというような抽象的にといいますか、ミニマムラインみたいなものをガイダンスで示すということは考えられるのかもしれませんが、少なくとも先ほど御懸念されているような、具体的に何々教育機関のこれを年1回受けなさいみたいな規定は少なくとも書けないのかなというふうに思っております。
以上でございます。
【有江委員】 ありがとうございます。
【森座長】 内容について、こういう内容を含むものというふうにするほうが実際的じゃないかと思いますけど。どうもありがとうございます。回数は、先生おっしゃるように、やっぱり年に1回というのは明記しておくことが大事かなと思っております。ありがとうございました。
続きまして、石井委員から御発言をお願いします。
【石井委員】 ありがとうございます。大きく分けて2点ですかね。
1点目は、先生方から非常に多くの本質的な御意見等が出ているところでありますので、改めて論点整理をするということが重要だと思いました。これが1つ目、感想になります。
それから、2つ目は、個人情報保護法等の関係です。個人情報保護法の3年ごと見直しの動きがありまして、指針のほうでも現状決め切れないことも多いというように考えているところであります。また、見直しの方向性の中でも、例えば、病院等による学術研究目的での個人情報の取扱いに関する記述のところで、医療の提供を目的とする機関・団体が含まれる可能性があります。特にお聞きしたいのが外国提供の部分で、現在は試料の中では外国にあるものへ既存試料提供、情報を提供する場合の取扱いについて、事前に包括的な同意を取得している場合にオプトアウト手続を行うことで提供可能とするというような記載があるところです。外国提供については、個人情報保護委員会が公表している令和7年9月の欧州委員会、マグラー委員との会談に関する情報で、学術研究分野における十分性認定の協議が成功したというような案内があるところです。(音声途絶)
【森座長】 先生、すみません、音声が少し途切れまして。こちら側が不安定なんですね。ちょっと30秒ほど前から少し音声が今、不安定なりまして。
【石井委員】 では、ビデオを切って改めて発言させていただきたいと思いますが、音声いかがでしょうか。
【森座長】 結構でございます。お願いします。
【石井委員】 すみません、大した意見ではありませんが、個人情報保護法の見直しの動きがあるので、指針のほうも影響を受けて、流動的な面はあるというのは否めないと思います。それから、対象が試料・情報となっていますので、単純に個人情報だけの問題ではないということも指針を難しくしている側面かと思います。
最近の動きとして、今後の検討にはなるでしょうが、病院と医療の提供を目的とする機関や団体が学術研究機関等に含まれるかもしれないという点、また、十分性認定の関係で、EUと日本で今年の9月に個人情報保護委員会が公表している情報がありますが、学術研究分野における協議が成功裏に終了したというような案内があるところです。EUとの間では、学術研究目的での情報の共有がしやすくなる流れになっているのではないかと。こうした点を含めて、できるだけ負担の軽減に向けて、外国との情報のやり取りにおいては、十分性認定の学術研究目的の例外規定などの議論を踏まえて継続検討することも重要かと思い、発言させていただいた次第です。
あんまり大した意見ではなく申し訳ないのですが、私からは以上です。
【木村安全対策官】 事務局でございます。御意見ありがとうございました。今、御指摘いただいたようなポイントは、個人情報保護の3年前見直しの中で議論されているものもあるというふうに認識されておりますので、資料1のほうでお示ししたとおり、今後の議論の中で、しっかりこちらに反映させていくものがあれば、しっかりそういった対応をしていきたいというふうに考えております。ありがとうございます。
【石井委員】 すみません、3年ごと見直しだけではなくて、EUとの協議が成功裏に終了したという、対外的な交渉と言って良いかと思いますが、十分性認定の協議の点も踏まえてほしいという。
【木村安全対策官】 そちらにつきましても、3年毎見直しとひっくるめた言い方をしてしまいましたけど、そういった協議があって十分性認定されているという点につきましても事務局として承知をしておりますので、今表示させていただいておりますけれども、直近の、まず第一段階での見直しにおきましては、そういったものもうまく選べるような形になっているように、しっかり検討してまいりたいと思います。
【石井委員】 ありがとうございます。
【森座長】 続きまして、横野委員、どうぞ御発言ください。
【横野委員】 取りまとめありがとうございます。これまでの御発言とも重なる部分もあるんですけれども、何点か意見を述べさせていただきたいと思います。
1つはやはり論点整理ということで、今回の指針見直しは、これまで数回の見直しにおいて個情法が既に改正をされていて、そことの整合性ということが議論中心とならざるを得なかった面があり、その反省を踏まえてということが最初の頃に多く意見として出されていたと思います。そして、研究の適正な実施、研究倫理の在り方という観点から、貴重な意見が多く出されていたと思いますので、その中で、今回反映されるもの、それから反映されないけれども、継続的な検討の対象とするもの、それと、それ以外に検討対象とはしないけれども、あくまでも意見として把握しておくものというふうに整理をしていただければと思います。その中から、ぜひタスク・フォースへの議論にもつなげていただきたいと思います。
次に、具体的な部分に関して、資料2-1についてですけれども、1ページ目の患者・市民参画に関する見直しの方向性(案)の下にある説明、3行ほどのものですけれども、武藤先生からの御指摘にもありましたように、事前にもお伝えさせていただいたんですけれども、特により多くの配慮を要する者を対象とした研究の際に被験者保護の観点から推奨されているということが記載をされております。そのような議論ですとか、そのような意義があるということは否定はしませんけれども、患者・市民参画の意義は、これが代表的なものではないというふうに思いますし、これをこの部分に取り上げて書くことによって、患者・市民参画の在り方についての偏った理解というものにつながってしまう可能性もあるかというふうに思いますので、ヘルシンキ宣言の議論ですとか、国際的に患者・市民参画というものが重視、それから推進されているといったような一般的な記載でよいのではないかというふうに考えています。そのような観点から、ここの表現を再検討いただければと思います。
次に、2ページのオプトアウトの定義を新設するということですけれども、1つはオプトアウトという用語を使うのがいいのかどうかという言葉自体の問題で、この言葉が分かりにくいというふうな御指摘もいろいろなところで、特に患者さんの観点から見た場合に分かりづらいという御意見もあるところで、これを使うことが本当に適切なのかということと、あと個情法における通称オプトアウトとの整合性の問題、それから、この指針の中でも、現在オプトアウトと呼ばれているものの内実というのは、具体的に何が要請されるのか、どのような情報を通知等の対象とすべきなのかということについては一様ではないというふうに思います。オプトアウトというものを定義した上で、それぞれの文脈に応じた具体的な在り方を示すという形に指針上はなるのかなというふうには思いますけれども、新たに言葉が新設されることで、その辺りの違いに注意が向きづらくなってしまう可能性があるというふうにも思いますので、表現としての分かりやすさと、具体的な内容という2つの面から、もう少しほかの案があってもいいのではないかなと思っています。ちょっと具体的な案を出せなくて申し訳ありませんが、検討をさらにする必要があるのではないかなというふうに考えているところです。
次に、外国への提供について、5ページ目の下から3行目のところ、先ほど石井委員からも言及があったところですけれども、ここの書き方が「研究目的による既存試料の外国提供については、事前に包括的な同意を取得している場合」という書き方になっていて、この意味するところについてお伺いできればと思います。研究目的によるというのは、学術例外の個情法における適用を前提としているのか、それともここでの提供というのは、事前に取得されている包括的な同意を根拠としての提供という扱いになるのか、そのいずれになるのかということについてお伺いできればと思います。
また、もう一つここでも出てくる包括的な同意という言葉ですけれども、次のページのIC等手続の見直しイメージのところにも何度か包括的な同意という言葉が出てきます。恐らく外国への提供における包括的な同意と、それから、IC手続における包括的な同意では、内容というか実質が違うのではないかと思いますというのが1点と、外国への提供の場面に関しては、現状ガイダンスにおいて、提供先の機関等が具体的に決定されていない場合には適切な同意を得ることができないというふうな記載があります。ここでの外国提供に関する包括的同意というのは、必ずしも提供先の国や機関を特定しない形での同意という意味なのかどうかということが1点と、それから、そもそも包括的な同意という言葉自体が指針の中で定義されているわけではないので、ここで言う包括的な同意というのは、IC手続のところですけれども、何を指しているというふうに理解すればいいのかということと、今回、ICとオプトアウトという2つの手続に整理をするという中で、包括的な同意というものはどういう位置づけになるのかというところでちょっと混乱を生じるのではないかなというふうな感想があります。このような表現を残したままで十分な具体的な改正後の手続のイメージができるのかどうかというところに関しては、個人的に疑問があるところです。
次に、資料2-2のほうなんですけれども、よろしいでしょうか。資料2-2の、これは単純に表現の問題なんですけれども、1ページ目の下から4行目、用語の定義のハに「本人同意の在り方の見直しを受け」というふうな記載がございます。ここで指している本人同意の在り方の見直しというのは何を指しているのかなというのが、私としては若干混乱をしておりまして、この合同会議におけるIC等手続に関する検討を指すのか、どちらかというとここの表現は個人情報保護委員会等で、3年ごと見直しの議論をされる中での文章などによく使われている表現に近いように思っておりまして、そちらの議論のことを意味しているというふうにも一見したところ読めてしまうのですが、ここでの見直しというのは具体的に何を指しているのかについてと、できれば誤解が生じないような表現にしたほうがいいのではないかなというふうに考えております。
すみません、ちょっと多くなりましたが、以上です。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。事務局でございます。
今、資料が表示されているものからいきたいと思いますが、今し方いただいた本人同意の在り方でございますけれども、誤解がないようにということで、先ほど御説明いたしましたとおり、この次のページにあります4のロになりますけれども、こちらの指針の中で同意手続については、「文書IC」、「口頭IC」及び「適切な同意」の区別をなくした「IC」に一本化すると。そういった流れの中で、「適切な同意」の定義を指針の中に置く必要がないよねということで削除するものでございますので、先ほどの2のハに戻っていただきまして、例えばですが、「本人の同意の在り方の見直し」の後に4のロと書くとか、その辺ちょっと誤解がないような表現に直してまいりたいというふうに思います。
その上ででございますが、まず、1点目でいただきました被験者保護の観点でございます。資料2-1の見直しの方向性の1行目の最後のところの被験者保護のことを書いてあります。先ほど武藤委員からも、ここではなくて同じページの一番上の囲みの中で、被験者保護等についてのこの記載について御意見があったものでございます。その時、私は、囲みの中の修正をいたしてまた御相談したいと申しましたけれども、併せてこちらの記載の改善につきましても検討した上で、先生方にお諮りをしたいというふうに考えております。
また、オプトアウト手続につきましては、これまで何名かの委員から御指摘をいただいております。御意見も踏まえましてどういった対応が可能か検討してまいりたいと思います。
また、最後に外国提供の箇所でございます。5ページの下から2ポツ目でございますが、まさに包括的な同意というところで誤解を与え得るのじゃないのかという御指摘かと思いますけど、ちょっとここ、言葉足らずだったかと思います。ここで書こうとしていましたのは、事前にどこか外国に提供するかもしれないよといった趣旨の包括的な同意を取得している場合に、後から具体にどこの研究機関に決まりましたというのを掲示するといったようなことを考えておりましたので、ここはちょっと何でしょうか、外国に提供することを一言も言わずに、単にこういう研究しますよみたいな同意であったときにまで認めるようなことではないのかなと思いますので、この辺、表現の適正化をちょっと検討した上で進めてまいりたいというふうに考えております。
【横野委員】 すみません、今のところは学術例外が適用される場面に限った話ではないということでよろしいんですよね。
【木村安全対策官】 限ってないです。
【横野委員】 分かりました。それでしたら、その表現の部分だけ見直していただければというふうに思います。ありがとうございます。
【森座長】 続きまして、日置委員から御発言いただきます。
【日置委員】 ありがとうございます。私からも、まずオプトアウト手続のところなんですけれども、オプトアウト、あるいはオプトアウト手続といったときに、一般用語ではございますので、その前提ではあるのですが、言われたときにやっぱり今まで使われてきたものと個情法のガイドラインで使われているものとで混濁があると分かりにくいというのはそのとおりかと思いますので、何かしら冒頭に何か倫理指針のオプトアウトを指すよということをつけてみるですとか、そういうやり方はあるのかなと思っております。
ただ他方で、研究の実施、または継続されることについてというところですとか、情報提供の仕方ですとか、情報提供の内容というのが枢要部分かと思っております。ですので、手続として今書いていただいている定義、あくまでイメージではあるんですが、実際にやらなければならないことというのが分かりやすくなるように、あるいはしっかり必要十分に伝わるように、指針あるいはガイダンスにおいて明確化する必要はあろうかと思っております。特に「機会を保障する」は程度問題というものもあると思いますので、何をどういうふうに許容するのかですとか、手続としてはどういうルールになるのかというところが定義上も分かるようにすること。実際実施するためにはガイダンス上で明確化していただくということはセットなのかなと思っています。その内容を書いた上で、それは多分、個人情報保護法の27条の2項の手続とはやや異なるんだと思いますので、その部分も併せた上で定義のタイトルというのは見直していただきたいなというふうに思っております。
あとは、例えば5ページ目で「適切な手続」の内容、具体的にはガイダンスにおいて明記するというふうにしていただいていて、ここが枢要部分ですので、この内容について、今後、検討を深めなければいけないところだと思っております。同じようにオプトアウトの内容もそうでしょうし、あとは「既存試料・情報の提供のみを行う者」のところで書かれている研究の実施に携わらずというのはどういう趣旨なのかというところはガイダンスで明確化されるのではないかなというふうに思っておりまして、実際共同研究実施者なのか、そうではないのかという区別とかをうまくつけずに実務が回っているところがございまして、そこの部分でまず調整が入って、時間がかかっているという場面は私もよく見るものですから、研究の実施に携わらずですとか、適切な手続は何かというところは、今後も継続検討していただきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
【木村安全対策官】 事務局でございます。オプトアウト手続の関係、あと今、表示されています「のみを行う者」のガイダンスでの明確化など、何点かいただきました。いずれも事務局のほうで検討を進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【森座長】 では、続いて、山本委員から御発言ください。
【山本委員】 ありがとうございます。この資料2-1の5ページかと思うんですけれども、リスクというところがありまして、リスクベースの考え方、ずっと賛成しているわけなんですけれども、この辺りですね。ここで『研究を「侵襲・介入を伴う研究」、「試料を用いる研究」、「情報のみを用いる研究」の3つに大別し、そのリスクに応じて』というふうに記載されていますが、もしかするとこういうふうに書くと、リスクというのがこの3つに対応するもののように読まれてしまう可能性がなきにしもあらずかなというふうに感じました。このリスクに関しましては、冒頭でも議論ありましたように、タスク・フォースなどが設置される可能性もあり、既存とか新規、あるいは一次利用、二次利用といった言葉遣いなどとも関連して、今後も検討が続けられることになろうかと私は思っています。
ですので、ここの書き方に関しましても、ちょっと表現だけなのかもしれないんですが、侵襲・介入が1つのリスクであってというような形で読むような形ではなくて、例えば試料でも、生きている試料、生きていない試料もありますし、例えば最近では、細胞の操作の方法も非常に高度化しているということもありますので、試料を用いる中でもリスクが何段階かあるし、情報に関しても、AIですとかゲノムですとか、それ以外いろいろありますけれども、そういった様々なリスクがあって、そのようなリスクは今のような研究の状況の中ではなかなか特定しづらい。タスク・フォースが設置されたとしても、全てが特定されるというようなことはちょっと考えづらいと思います。ですので、リスクとリスクに応じてICとか倫理審査をしてくださいという、もう1か所の倫理審査のところでもリスクという言葉が出てきたかと思うんですけれども、これに関しては、やはり決まりきったリスクの類別というものではなくて、その時々に、その研究に応じたリスクというものを、その時々に考えて対応するようなことを少し読めるような形で、ここの表現をしていただければというふうに思います。
以上です。
【森座長】 被験者保護への配慮、そんなようなニュアンスなんでしょうかね。
【山本委員】 被験者だけではなくて、やはり被験者以外にも、例えば家族とか、あるいは社会全体へのリスクというものもいろいろと考えられると思いますので、その辺り整理いただければと思います。
【森座長】 参加者等の保護の配慮ということですかね。何か所か出てまいりますね。
【木村安全対策官】 はい。
【森座長】 御発言ありがとうございました。
先生方から、ほかに御発言ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
武藤委員、どうぞ御発言ください。
【武藤委員】 すみません、度々。先ほどの玉腰先生、田代先生たちの議論なんですけれども、やはり介入研究、研究デザインとしての介入研究と、介入を伴う研究ということの混乱が、やはり研究分野同士の中でもあるということが問題だと思いますので、ちょっとどこかで介入研究とはという定義を置くことを御検討いただいたほうがよいのではと思いました。侵襲とやはり混同されやすいというところについては、ずっと前の臨床指針のときからも、疫学研究のときからも結構よくあった議論ではあったんですけれども、介入研究について特別にデザインの説明をはっきり書くことで、回避できる問題はあるのかなと思っておりますので、検討いただければと思います。それは今すぐじゃなくても、次の課題としても御検討いただければと思います。
以上です。
【木村安全対策官】 事務局でございます。たくさんの委員から、この介入につきまして御意見を賜りましてありがとうございます。パブコメに向けてどういった対応が可能なのか、また、その先どういった御議論が可能なのか、いただいた意見もしっかり踏まえまして、進め方については検討させていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。
【森座長】 今、事務局の方と打合せをさせていただきましたけれども、タスク・フォースの設置につきましては、私のほうの意見と、それから事務局のほうで相談させていただき、委員の先生方の人選も含めて御一任いただくという方向が1つございます。また、この後、少しお時間を延長して、タスク・フォースの設置そのものに関する議論を、先生方の意見を含めて進めていく方法などがございます。事務局の方とは今、前者のほうでという話を少し伺っていましたが、先生方におかれましては、まずタスク・フォースの設置に関する御意見、オープンな御意見ございましたら、今ここで少し伺ってよろしいでしょうか。
田代委員、どうぞ。
【田代委員】 いろいろ伺っていて、特に最初に製薬協の土屋委員から網羅的な御指摘もあったと思うんですけれども、新規/既存に限らず幾つかの論点積み残しはあると思いますので、今回の改正に間に合わずとも、やはり設置をして、しっかり議論していただくということでよいかと思っております。その進め方とか、議題を何にするかということについては、また合同会議等で少し明示していただけるとありがたいのですが、今日、比較的似たようなポイントが幾つか出てきていると思います。ですので、それを整理した上で設置するという方向で検討していただければ。人選ですとか進め方については森先生含めてお任せできると思っておりますが、設置をするということと、今日出てきた幾つかの意見については、ぜひ前向きに検討していただきたいということが私の意見です。
以上です。
【森座長】 ありがとうございました。これまでの改定のプロセスで、指針の本文の内容に関わる議論をする場と、それから、ガイダンス内容をどうまとめていくかということについてのアドバイスをいただく場というのは分けていますけれども、同じですか。
【八百野技術参与】 同じです。
【森座長】 特にそこは、例えば、タスク・フォースとワーキンググループにするとか、そういった配慮は特に必要なさそうでしょうか。
【八百野技術参与】 ガイダンスは義務を規定するものではなく、本文で規定しているものの解説がガイダンスの内容となりますので、基本的にはこの合同会議では、本文の見直しの方向性について御議論いただいているということになります。文言については、法令上の法制的なところで整理させていただくというとこになるかと思います。
【森座長】 そうしますとガイダンス内容について具体的に詰めていく段階で、委員の先生方に少し御意見を御相談させていただく際に、数名の委員の先生方、例えばオブザーバーですとか委員の中で、特に御意見を聞く係として別途指名してお願いするという立てつけでもいいんでしょうか。
【八百野技術参与】 それは過去にもやっております。
【森座長】 分かりました。それはそういうふうにさせていただいて、まず、今回指針の本文に関する……。武藤委員、どうぞお願いします。どうぞ。
【武藤委員】 すみません、私もぜひ設置をお願いしたいというふうに思っております。加えて今回、事務局の皆さんも本当に大変だったと思うんですけれども、やはり個人情報保護法の改正に関わらない部分の倫理の議論の積み残しが本当に山のようにあって、今回それが噴出しているという状況だと思いますので、いろいろな国内外の状況をしっかり調べる研究班の設置も視野に入れて、そこから情報も入れながらやれる体制なども、ちょっと中長期的に考えていただければと思いました。とにかく実施に当たっては、すみません、本当に事務局の御負担にならないようにという、何かすごい矛盾したことを言っていますけれども、お願いできればと思います。
以上です。
【森座長】 ありがとうございました。患者・市民参画の肉付けも、ちょっとこれ、急いで進めなきゃいけないので、またその点についても、事務局と相談しながら進めさせていただきたいと思っています。
でしたら、今いただいた意見によって、私と、それから事務局のほうでタスク・フォースに関する設置のお願いする議論の内容と人選について進めさせていただくということで進めていってよろしいでしょうか。特に御異論ございませんでしょうか。
先生方におかれましては、大変御多用の……、横野委員、どうぞ。お願いします。
【横野委員】 タスク・フォースを設置するという前提で差し支えないんですけれども、論点整理について、この合同会議全体に一度御提示いただくのがいいのではないかなと思います。よろしくお願いいたします。
【森座長】 分かりました。そのようにいたします。
【横野委員】 議題というよりは、これまで出された論点の中で、継続して検討するものと、今回の改正に反映されるもの、また、それ以外のものというふうに整理をして、全体像ができれば拝見できるとありがたいかなと思っております。
【木村安全対策官】 資料2-1の修正版のようなイメージでおっしゃっていますでしょうか。
【横野委員】 そうですね、これまでもスライドの形で何点か主な意見について御紹介いただいていたんですけれども、現状資料2-1に関してはかなり削ぎ落とされた形になってしまっているというふうな印象を個人的には持っておりまして、ほかにも多岐にわたる御意見があったというふうに考えております。
【木村安全対策官】 承知しました。そうしますと、これとは別に、この取りまとめには入ってないのですけれども、これまで6回の会議で御議論のあった論点で引き続きやっていくもの、ガイダンス等で整理できるものなどの整理が必要で、それを次回の会議にという御趣旨でございますでしょうか。
【横野委員】 はい、そのような形で、可能であれば御検討いただければと思います。
【森座長】 3つ段階ございますね。すぐ取り入れていくものと、それから継続審議して取り入れていくものと、それから継続審議してさらに議論していくもの、3つということで先ほどいただきました。
吉田委員、どうぞお願いします。
【吉田委員】 森座長に御一任したいと思いますが、タスク・フォースで取り扱う議題については、メール審議の形でも構わないので一度委員会委員に確認の機会を設けていただけるとよいと思います。そのうえで、具体的なタスク・フォースという形で進めていただければと考えます。よろしくお願いいたします。
【森座長】 ありがとうございます。タスク・フォースは、従来の慣行ですと、複数動かしている? 1つだけ?
【木村安全対策官】 1つです。
【森座長】 分かりました。比較的急いで対応しなきゃいけないものと、ゆっくり審議するものも混ざっていますし、テーマも複数あるので、1つで進められるかどうか、その点も事務局と相談して進めさせていただきます。
そのほか、先生方、よろしいでしょうか。徳永委員、特に御発言ございませんでしょうか。
【徳永委員】 徳永です。今日は多くの委員が様々重要なポイントを指摘していただいて、その中にかなり私の考えも重なっていたので、特に発言しませんでした。特に気になっていたのは、多機関共同研究における倫理審査として目指している一括審査をより推進するために、指針本体における記述がどんな書きぶりになるのか見守りたい。もう一つはガイダンスの改定内容を事前にやはり委員に知らせていただいて、その意見を聞いていただきたいということです。よろしくお願いします。
【森座長】 ありがとうございます。
では、三浦委員の御発言で最後にさせていただきます。三浦委員、どうぞお願いします。
【三浦委員】 すみません、先ほどちょっとさらりと流されてしまったような気がしたのでもう一度申し上げたいんですが、文章表現で、丸括弧の中に丸括弧が入っていると、非常にまず、意味が取りづらく、しかも誤読しやすいので、この先、パブコメなんかに出して皆さんに読んでいただく場合に、ちょっと二重丸括弧を使わずに意味を伝える書きぶりを検討いただければと思います。よろしくお願いします。
【木村安全対策官】 事務局でございます。介入の定義の関係かと思いますけれども、先ほども申しましたとおり、たくさんの委員から御意見いただいていますので、パブコメの資料にどういったものが書けるのかというのは検討したいとふうに考えております。ありがとうございます。
【三浦委員】 その箇所に限らず、時々二重丸括弧が散見されるので、一般的に申し上げました。
【木村安全対策官】 承知しました。
【森座長】 おっしゃるとおりだと思います。御指摘どうもありがとうございました。
それでは、本日は長時間の御議論、お時間いただきまして、大変貴重な意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございます。
あと、事務局のほうからお願いします。
【木村安全対策官】 本日は、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。タスク・フォースの設置等につきましては、森座長に御相談しながら整理を進めてまいりたいと思います。また、パブリック・コメントに向けた調整についても進めてまいりたいと考えております。
【佐藤専門職】 次回の開催については、改めて開催方法を含めて御連絡差し上げます。本日は、YouTubeによるライブ配信にて公開させていただきましたが、後日公開する議事録が公式な記録となります。本日の議事録につきましては、委員の皆様にお諮りをし、座長の確認を得た後にホームページにて公開させていただきます。
以上でございます。
【森座長】 それでは、本日はこれで閉会させていただきます。御議論どうもありがとうございました。失礼します。
―― 了 ――
電話番号:03-5253-4111(内線4108)
メールアドレス:lifseime@mext.go.jp