ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱い等に関する合同会議(第2回)
※下記の専門委員会との合同開催
・こども家庭庁 こども家庭審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会(第12回)
・厚生労働省 厚生科学審議会 科学技術部会 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会(第10回)
・厚生労働省 厚生科学審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会(第23回)
令和8年7月15日(水曜日)17時02分~18時36分
WEB会議
・ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会
石原座長、阿久津委員、苛原委員、内田委員、神里委員、髙山委員、長嶋委員、西山委員、藤岡委員、村山委員
・ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会
久慈主査、秋元委員、井上委員、内田委員、大須賀委員、片桐委員、寺田委員、長嶋委員、藤田委員、山田委員
・ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会
五十嵐座長、上野委員、内田委員、大黒委員、片桐委員、加藤(和)委員、加藤(豊)委員、神里委員、杉浦委員、武田委員、三浦委員、山口委員
・ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会
岡座長、苛原委員、梅澤委員、大黒委員、片桐委員、金田委員、神里委員、小崎委員、高山委員、松本委員、村山委員
【葛谷室長補佐】 定刻となりましたので、ただいまから、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱い等に関する合同会議を開催いたします。
本日は、お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。文部科学省の葛谷と申します。よろしくお願いいたします。
本合同会議は、こども家庭庁こども家庭審議会科学技術部会ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会の3省庁4委員会の合同で開催いたします。
本日の会議は、一部の委員を除き、オンラインでの開催としております。オンライン参加の方は、御発言される前には、あらかじめ「手を挙げる」ボタンを押していただき、座長からの指名の後に御発言いただければと思います。御発言が終わりましたら、再びミュートにしていただくよう、お願いいたします。
また、会議の模様はYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきいただければと思います。
続いて、資料は随時投影いたしますが、通信環境が悪くなった場合は投影を中止する場合がございます。その場合は、委員の皆様は事前にお送りしている資料を、傍聴の方は各省ホームページに掲載されている資料を御覧いただければと思います。
次に、委員の交代がございましたので、御報告いたします。今回の会議より、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会の委員として加藤豊委員に、続きまして、こども家庭庁ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会及び厚生労働省ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会の委員として村山圭委員に、新たに御参画いただいております。よろしくお願いいたします。
続きまして、委員の先生方の御出席について、御報告いたします。本日は、32名全員が出席予定としております。寺田委員、西山委員、藤田委員、村山委員におかれましては、途中退席の旨をあらかじめ御連絡いただいております。
また、本日は、参考人といたしまして、日本薬科大学薬学部客員教授、山口照英先生、日本産科婦人科学会、谷口文紀先生にお越しいただいております。
なお、事務局について、佐々木危機管理・医務技術総括審議官は、国会用務のため、冒頭のみの参加とさせていただいております。
続きまして、本日の会議資料を確認させていただきます。事前に、議事次第のほか、資料1、資料2-1から2-3、参考資料1から5まで、お送りしております。資料の不足等ございましたら、お知らせいただければと思います。
これより先は、議事に入ります。会議冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御協力、よろしくお願いいたします。
事務局からは、以上になります。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございました。座長の五十嵐です。どうぞよろしくお願いいたします。
では、早速ですが、議事に入りたいと思います。1番目は、議題1)、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の規制の在り方について、審議をしたいと思います。この議題では、昨年12月に開催されました第1回の合同会議の結果を踏まえた議論を整理していただきまして、そのときに引き続き検討するとしておりました。本日は、具体的な規制の範囲について、御議論いただきたいと思います。
まず、事務局から、本日の会の進め方を含めまして、説明をお願いいたします。
【大井企画官】 事務局でございます。厚生労働省の大井と申します。よろしくお願いいたします。
まず、冒頭に、本日の会議の進め方、趣旨について、御説明いたします。
本合同会議、前回設置いたしましたけれども、それ以前、令和元年度から、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱いについて、継続的に御議論いただいておりました。その中でも規制の範囲につきまして議論を重ねてきたという状況でございます。また、直近では、今、五十嵐座長から御紹介いただいたとおり、昨年12月の「議論の整理」におきまして、規制の具体的な範囲は今後の検討というふうにされております。本日は、厚生労働省の研究班及び関連学会の専門家の先生方からプレゼンテーションをいただき、「議論の整理」で引き続き検討とされた具体的な規制の範囲に関して、方向性に関して、議論を進めていくというものでございます。したがいまして、本日の趣旨といたしましては、こういったプレゼンテーションを踏まえ、その内容について御質問いただくとともに、論点や方向性について御検討いただくということになります。このため、本日いただきます御意見等を事務局のほうで整理させていただいて、改めて御議論いただこうと思っております。本日の会議で何か結論を得るというものでないことを最初に申し上げさせていただきたいと思います。
その上で、今、投影されています資料1について、御説明いたします。資料1、いろいろ資料ございますけれども、私のほうからは、まず今申しました12月の「議論の整理」に関して、おさらいとして、2枚ほど御説明させていただきます。
資料、2枚目でございます。こちらは、12月にまとめていただいた、「議論の整理」の抜粋でございます。この中で、規制の範囲に関しては、下の枠囲みで書いてある部分が該当箇所になります。こちらに関しましては、科学技術的課題、社会的倫理的課題がたくさんあるということで、「現時点で課題を有する技術等を広く規制の対象とする」ということでございました。その上で、「直接塩基配列を変化させずに遺伝子発現を制御するようなエピジェネティック編集技術についても、望ましくない遺伝子発現や後世代への影響等を与えうる技術を規制の範囲に含めることを基本的な考え方とし、具体的な規制の範囲は、引き続き検討する」というふうにされていたという状況でございます。
なお、2ページ目の下のほうに合同会議の御意見を少しまとめておりますけれども、エピジェネティック編集技術に関しましては、次世代の遺伝子の発現に明らかに影響を与えることは証明されていないといった御意見ですとか、世代を超えた影響があるですとか、世代を超えた影響だけではなく、当該個体への影響も見る必要があるといった御意見をいただいているところでございます。
3ページ目は、「議論の整理」の中に表1ということでついているものでございます。具体的に議論を重ねる中で、こういったものが規制の対象として考えられるのではないかというイメージを記載しているものでございます。この中には、DNAの改変ですとか、今申し上げたエピジェネティックの話、あとは、mRNA、ミトコンドリアDNA等々、様々なものが記載されているという状況でございます。
以上が、12月にまとめた、「議論の整理」の説明になります。一旦、ここで終了させていただきます。
【五十嵐座長】 2ページと3ページを説明していただきまして、ありがとうございました。
これについて委員の先生方から御発言をいただきたいと思いますが、その前に申し上げておきます。具体的な規制の範囲に関する議論は、この後で専門家の先生方がプレゼンテーションをしていただいた後に行いたいと思います。ということで、この2ページと3ページに関係する「議論の整理」について何か御発言がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
よろしいですか。ありがとうございました。
それでは、専門家の先生方のプレゼンテーションに入ります。まず、1番目は、令和6年度の厚生労働科学特別研究班の代表研究者でいらっしゃる、山口先生からプレゼンテーションをいただきます。続いて、関連学会として、日本卵子学会、日本産科婦人科学会の順番でプレゼンテーションをいただきます。その後、事務局からの御提案をいただきたいと思います。
では、山口先生、御準備よろしいでしょうか。10分ほどでプレゼンテーションをしていただきたいと思います。
【山口参考人】 五十嵐先生、ありがとうございました。10分ほどで、手短に説明させていただければと思います。
1ページにありますように、厚労科研費の「ゲノム編集技術等を適用するヒト胚等の臨床利用の規制の方法の検討のための研究」ということで進めさせていただきました。
次のスライドをお願いします。
本日は1から5までの議論のまとめを紹介させていただきたいと思いますけれども、時間が限られておりますので、最後のほうは少しはしょらせていただければと思います。
次のスライドをお願いいたします。
研究目的ですが、本研究では、ゲノム編集等の多様な技術を対象としておりまして、それを用いたヒト受精胚等の臨床利用に関して、規制の対象とすべき具体的なゲノム編集技術の範囲の検討や、その届出制度の策定のために必要な諸外国の実態調査を行った上で、将来、臨床利用が容認される際の論点の整理を行うことを目的としました。その成果を受けて、法制化や法制化後の体制整備に必要な情報等を提供するということになっております。
次のスライドをお願いします。
これは、国内法令におけるゲノム編集技術関連の位置づけとしまして、これまでも、例えば、再生医療の安全性の確保等に関する法律(安確法)、遺伝子治療等臨床研究に関する指針、ヒト受精胚を作成して行う研究に関する倫理指針が適用されてきております。安確法は、一昨年の6月に改定が行われまして、これまで対象でなかったin vivo遺伝子治療が対象の範囲とされました。さらに、今までは国内では遺伝子治療に該当してなかったんですけれども、メッセンジャーRNA (mRNA)を用いてタンパク質の発現をすることも、安確法の適用としました。これについては、海外ではin vitro転写で製造するmRNAの導入というのは遺伝子治療と定義されているということも念頭に置いて、実施されたものでございます。
その下の二つ目のポツですが、長い間、遺伝子治療等の臨床研究の指針がございまして、これは非常に古い指針なんですけど、この中に、遺伝子改変するヒト胚・
ヒト生殖細胞に対する遺伝子治療等臨床研究を禁止するということが明示されておりました。このような記載されている研究指針に基づいて、ヒト胚に対する遺伝子改変の規制というのが行われてきたというふうに思っております。海外も同様に遺伝子治療に関しては、ヒト胚の改変を行ってはいけないというふうな規制を取っておりました。受精胚の作成を行う研究としては、新規胚研究指針における研究目的というのは、(1)(2)に書かれているような、生殖補助医療に資する研究、遺伝性・先天性疾患の病態解明や治療に資する研究に関して行うということで、これに関しての議論を踏まえた上で検討を進めました。
次のスライドをお願いします。
ゲノム編集というのは、非常に多様な技術が出てきております。従来の、一番よく使われてきておりました、CRISPR/Cas9を使ってDouble Strand Breakを起こし遺伝子ノックアウトやHomologous Recombinationによる遺伝子挿入から、ゲノムの配列そのものの改変は目的としないんですけれども、発現制御をする技術、あるいはmRNAをターゲットとしたゲノム編集技術が開発されております。さらには、これはゲノム編集の対象が異なるミトコンドリアDNAをターゲットとするようなゲノム編集もございます。真ん中のブルーのカラムに関しては、これらの導入に関しては、ウイルスベクターやプラスミド、あるいはタンパク質そのものを導入するといった用いるツールも多様なものが用いられてきております。
次のスライドをお願いします。
ゲノム編集技術に関して、整理をしてみました。(ア)から(キ)までありますが、従来の一番よく知られているCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集技術、それ以外に、ここの上で、先ほどは載せませんでしたけれども、従来から用いた、遺伝子を導入するベクター介在型の遺伝子組換え技術、それから、エピゲノム編集技術、mRNAの改変を標的とするトランスクリプトーム編集技術、mRNAの改変は行わないですが、修飾を行うエピトランスクリプトーム編集技術、上記のほかに、遺伝子発現に影響を及ぼすような技術とか、他者のミトコンドリアを導入するような関連技術、これに関しても後のほうで少し述べてみたいと思います。
次のスライドをお願いします。
これは少しビジーなスライドなんですけど、簡単にそれぞれの項目を説明させていただきます。ゲノム編集技術といいますと、初期の頃は、Zinc FingerとかTALENといった特定の遺伝子を認識するタンパク質を用いて、その遺伝子にDouble Strand Breakを起こすという技術が用いられておりました。ところが、三つ目に書いてありますが、Cas9の発見によるこのCas9を用いることによって非常に簡便に遺伝子改変が行われるようになったわけです。ただ、このCas9を用いた技術というのは、オフターゲットを引き起こすリスクが高いということで、様々な技術改革が行われてきております。それについて、次から説明させていただきます。
次のスライドをお願いいたします。
その前に、ゲノム編集ツールの導入において、従来からの遺伝子導入技術を用いて行われることが多い一方で、先ほど言いましたように、mRNAを使ったり、タンパク質を使ったりすることもございます。従来からの遺伝子導入技術としましては、右の下にありますような、レンチウイルス、レトロウイルスを用いて挿入配列を、細胞内で逆転写によって、目的遺伝子を染色体に組込む技術。その一方、AAVベクターなどに代表されるように、染色体導入は目的としないけれども、導入されたベクター遺伝子導入がエピソーマルDNAとして比較的恒常的な遺伝子発現をする技術。それ以外に、センダイウイルスのように、ゲノム改変は行わないんですけど、核外の細胞質で目的のタンパク質の発現を行うという技術がございます。
次のスライドをお願いします。
先ほど言いましたように、ゲノム編集技術のリスクを回避、Double Strand Breakによるリスクを回避するために、Breakを行わずに特定の遺伝子の制御を行うという技術がエピゲノム編集です。ターゲットとしては、メチル化、脱メチル化、アセチル化、ヒストンのアセチル化とかを用いて、目的の遺伝子の発現を制御するというような技術になります。
次のスライドをお願いいたします。
トランスクリプトーム編集技術は、Cas13などを用いることによりmRNAにターゲットして、メッセンジャーの特定配列を変化させるという技術です。それ以外に、下のほうに記載してありますけれども、これはゲノム編集技術ではないんですが、例えば、アンチセンス等に関しては、mRNAの分解を誘導するという意味では割と似た技術というふうなことになるかと思います。
次のスライドをお願いいたします。
エピトランスクリプトーム技術は、トランスクリプトーム編集と同様にmRNAをターゲットにはするんですけど、配列そのものは改変しないで、メッセンジャーのメチル化や、あるいは、mRNAワクチンで利用されているウリジンのシュードウリジン化とか、こういう修飾を行うことによってmRNAのタンパク質の発現を制御する技術でございます。
その他の技術として、次のスライドをお願いします。
これは、切ったりするというよりも、むしろCRISPRの特定の配列を認識することを利用した技術で、特にプロモーター領域に、転写を抑制する、あるいは転写を活性化するような、転写活性化因子を結合したものを使うことによって、特定の遺伝子の発現を誘導したり、抑制したりする技術になります。
次のスライドをお願いします。
以上のほかに、先ほど低分子核酸としてアンチセンスは説明しましたけれども、例えば、マイクロRNA(miRNA)、アプタマーといった低分子機能核酸を用いた遺伝子発現制御技術、あるいは転写調節に関わるような転写調節因子を導入するような技術によって、特定の遺伝子の発現を制御するような技術が生まれるというふうになります。
次のスライドをお願いします。
ミトコンドリア関連技術に関しましては、核置換というところが非常に古くから議論になっていたんですけれども、ミトコンドリアそのものを精製して導入する技術、あるいは、共培養を通じて、共培養している一方の細胞から目的とする胚へのミトコンドリアの導入を目的とするような技術も開発されてきているようです。
次のスライドをお願いいたします。
これまではどのような遺伝子発現を制御するかというところを紹介してきましたけれども、遺伝子導入というか、導入技術そのものに関しても、いろんなリスクもございます。例えば、物理的手法として、エレクトロポレーションによって、標的部位で生じる二本鎖切断に加えて、大欠失や染色体異常を起こすことが知られております。
化学的手法として、遺伝子を導入する手法はmRNAワクチンでもよく使われましたが、脂質ナノ粒子を用いて、様々な遺伝子の導入、あるいはリポフェクション等が行われておりますけれども、こういう導入技術がDNA切断やLNPを構成する脂質等の細胞毒性がヒト胚に影響を与える可能性があると考えられています。
生物学的手法については、昔から言われているウイルスベクターやプラスミドベクターは、導入そのものに変異を導入する可能性があるというふうになります。
次のスライドをお願いします。
今まで様々な技術を御紹介させていただきましたけれども、従来から行われている生殖補助医療に関連する技術に関しては、既に一定の安全性は確認できているということから規制対象から除外すべきだというふうな結論をしております。一方で、類似した技術であってもその技術の安全性が確立されてない技術については、生殖補助医療の提供を目的として実施する場合であっても、遺伝子改変等のリスクを考慮して、現時点では規制の対象とすることが望ましいのではないかと、結論いたしました。したがって、もしこういうふうな技術を実装化する場合には、それだけのデータを、あるいは評価をした上で実施するべきではないかというふうな結論でございます。
次のスライドをお願いします。
生殖補助医療に関する技術として、一つは、ヒト胚やヒトES細胞を非ヒト細胞と共培養するというのが非常に行われております。その一方で、こういう技術に関連して、iPS細胞由来の成熟卵母細胞との共培養でヒト卵子へ第三者のミトコンドリアが導入される可能性があるということが指摘されております。したがって、共培養を行った胚を用いるということも、第三者のミトコンドリアを導入するリスクがあるという意味で、規制の対象とすべきではないかというふうなことを結論いたしました。
次の(コ)の多能性幹細胞を用いる基礎研究に関する技術については、多分、いろいろな議論はあるかと思いますので、ここでは飛ばさせていただきます。
次のスライドをお願いいたします。
時間がございませんので、諸外国のヒト胚の遺伝子導入や改変の規制についての技術として、次のスライドで説明させていただきます。
これは、調査を依頼しました委託業者、あるいは厚生科学課の調査も含めまして、海外の状況を整理したものでございます。ここに挙げてありますように、基本的にはゲノム編集技術というのは規制するべきというふうになっておりますけれども、その範囲や技術の詳細、さらにはどこまでが規制されているかというのは、公表されている規制状況からは詳細なところについては必ずしも明確ではないというふうに考えております。
次のスライドをお願いします。
臨床利用に関する技術的論点については、米国科学アカデミー、全米医学アカデミー、英国の王立協会などが、ヒト生殖細胞系列に対するゲノム編集の臨床利用について、国際的な科学・倫理・規制の観点から検討した報告書を公表しております。この辺についても、議論の素材とさせていただきました。
最後のスライドをお願いいたします。
考察としまして、ヒト胚・ヒト生殖細胞に対して用いられる可能性のあるゲノム編集技術については、進歩の速さが著しい分野であり、それゆえに、規制の対象とする範囲については、臨床研究も含めた国内外の科学的知見や、海外の規制状況等を勘案しながら、国において引き続き検討を進めることが望まれるというふうに、結論いたしました。
また、ゲノム編集技術等を用いて加工されたヒト胚・ヒト生殖細胞の臨床利用を法的に規制し、非臨床利用についても国への届出を義務とすることは、WHOの動向や諸外国の法的規制状況とも整合性があるというふうに考えられると思います。日本においてヒトゲノム編集胚等への臨床利用に関する法的規制を策定する際には、その臨床利用を禁止するとともに、非臨床利用についても国への届出制を持って進めるべきではないかというふうに考えました。
さらに、規制対象を定めるに当たり、将来的には、科学の進展や社会的価値観の変化等を考慮して、柔軟に見直しができるような体制とするべきではないかというふうにしております。
結論でございます。本研究班としましては、ヒト胚・ヒト生殖細胞に対してゲノム編集技術をはじめとする遺伝子の発現に影響を及ぼす技術を施した場合には、胎内移植が容認されるかどうかを検討いたしました。その結果、ゲノム編集技術や従来からの遺伝子組換え技術、それ以外の様々なゲノム編集関連技術に関して、次世代への影響を鑑みて、広く規制の対象とするべきというふうにしました。
また、ゲノム編集技術等が用いられたヒト胚等の臨床利用の法的規制の在り方に関する検討に資するために、当該技術の臨床利用や非臨床利用に対する規制の状況や、臨床利用に関する海外での議論についても、併せて調査いたしました。
以上でございます。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、日本卵子学会を代表されて、寺田先生から、やはり10分程度でプレゼンテーションをお願いしたいと思います。
寺田先生、御用意できていますか。
【寺田委員】 ありがとうございます。共有したスライド、見えておりますでしょうか。
【五十嵐座長】 見えました。
【寺田委員】 10分を少し過ぎてしまうかもしれませんが、卵子学会からの意見ということで、現在、卵子学会の理事長を拝命しております、秋田大学産婦人科の寺田と申します。今回、国のほうからこのような大事な会議で当会の意見を求めていただいたということで、大変光栄なことと認識し、短期間でございますが、うちの学術委員会を中心に意見をまとめて、理事会のほうで最終確認ということで、これは学会の総意というふうな形でお話をさせていただきます。
当会は、70年ほど前、基本的には家畜繁殖学とか発生生物学の基礎の先生たちが中心となって始まった会で、そこに産婦人科の先生たちがコミットして、そして、昭和58年の日本で初の体外受精の成功、その辺りの学術的な基盤をかなり築き上げてきた会と、認識しております。現在、会員は2,600-2,700名ぐらいで、御認識の方もいらっしゃると思いますが、いわゆる生殖補助医療で必要欠くべからぬ胚培養士の認定をこの四半世紀を行っております。大体、3,000名弱の方を胚培養士として、会として認定しております。その中で、いわゆる学術論文等、あと、臨床の御経験も深い、40名余りの胚培養士さんを管理胚培養士という形で、これも認定を続けております。
今回、学術委員会委員長は河村和弘順天堂大学産婦人科教授で、河村先生は今年もScience誌に生殖医学の論文を発表されたりして、産婦人科の生殖領域の中では、今、かなりアウトスタンディングな存在であります。あと、基礎系のほうは、今、広島大学の副学長なんですが、島田昌之先生と、九州大学農学部の宮本圭先生、この3人が中心となって、そして、先ほど申し上げた管理胚培養士の方々もコミットいただいて、一生懸命、皆さんで調べていただいたことを、今日、僕がお伝え申し上げます。
これは省庁のほうでまとめていただいた宿題で、マル1からマル5があるわけでありますが、マル1に関しては、今はもう議論の必要はないかと思いましたので、マル2から進めていきます。
マル2の塩基等の化学修飾、あるいはマル3の塩基等への結合ということで、これらの技術は規制対象、すなわち胎内移植禁止とすべきであると、当会ではそう言われております。その理由は、お読みいただければ分かると思います。今日の会議の核の一つが、3行目の米印のところです。なお、核酸そのものではなく、酵素に対する影響(核酸の塩基等以外の物に作用するものに該当)ではあるものの、特定の「HDAC(ヒストン脱アセチル化酵素)阻害剤」とか「DNAメチル化阻害剤」についても、現時点では同様の扱いをすることが適切であると、当会は考えております。これらの薬剤は、ある意味では、マル4の低分子化合物、薬物みたいなものに含まれるので、ちょっとそこがはっきりしなくて迷ったわけでありますが、あえてこの二つの薬剤に関しては、生体内にあるものではないし、明らかに遺伝子の発現に影響を与えるプロセスでありますので、これは規制の対象にすべきであると、現在は考えております。そのほかの低分子化合物は、こういうくくりにするといろんなものが入ってくるわけでありますが、例えば、レチノイン酸とか、メチル化やヒストン修飾を誘導するような生理的な因子となると、体内にあるホルモンとかも包含されてしまうわけで、これをくくって規制対象とするような形にすると、実際のいわゆる生殖補助技術、不妊治療ができなくなってしまいますので、これは当会としては規制対象とする必要性はないと考えております。
この辺りが当会で考えたことの肝の話でありますが、当会の意見でもあるし、個人的な考えとして、どういう形で規制されるかということに関して、自分たちとしては気になるところであります。条文に「駄目」と書いてしまうと、それから先の展開がなくなってしまうわけでありまして、その辺りをどうするかということは、国のほうで慎重にお考えいただきたいと思います。素人考えみたいな形でありますが、施設の倫理委員会というのはレベルが違うというのはよく聞く話で、やはり、法的なルールに基づいた、国が関与した第三者的な倫理委員会組織みたいなものをつくって、手続を標準化して、それで制度化するというような形にしないと、完全に禁止という形になると、何らかの方法で規制をかいくぐるというようなことも起こり得ると危惧され、また、それが一番起こってはいけないことだと思いますので、その辺りをお考えいただければなと思います。
これも個人的な意見でありますが、日本は、例えば、生殖補助技術のためのヒト胚作成に関して、指針を大分前から制定していただいておりまして、これは、ある意味ではこの国が、そういうヒト胚を用いた研究がこれからの医学・医療・科学技術の進捗に非常に大事であると認識しているからそういうルールをつくってくださっていて、我々研究者は、そういうルールがあれば、きちんとそれを守ることでその仕事を不安なくすることができるというふうな、この辺りのことは、ほかの国に誇れる、非常に大事なことであると思います。実際、手前みその話でありますが、先週、ロンドンで行われたヨーロッパ生殖医学会でも、これは作成胚ではないんですけど、ヒト胚を用いた当科の研究がオープニングのセッションのオーラルに採用されまして、うちの医局員が堂々と発表してきたわけでありますが、その辺りは、これからの科学の進捗に基づいた、先ほど先生がお話しになっていましたが、ある程度柔軟性を持たせた形での規制をお考えいただければなと考えております。
あと、いろいろ宿題をいただいて、それぞれの基礎・臨床の先生方、あるいは管理胚培養士の先生方が一生懸命調べてくださいましたので、この辺りはゆっくり御覧いただければと思います。基本的には、現行、ARTで行われていることに関して、いただいた宿題の中では規制対象になるものはないですし、あと、共培養に関しては、当会で調べた限りでは、異種の共培養というのは現実的には行われていないので、規制をかけるか、かけないかは別の話だと思うんですけど、その辺り、知見がないというか、今、認識してないというような形になります。
それで、マル5の部分、その他、外来の遺伝子の導入ということで、これは核置換なんですが、核置換に関して当会の考えを申し上げると、核置換は規制の対象とすべきであると。その理由としてはやはり、従来から言われたように、ミトコンドリアヘテロプラズミーと、ミトコンドリアDNAの不適合等もかなり前から指摘されていることで、これに対する検証は、幾つかの国ではそこら辺の規制の法を変更した上で臨床試験が行われていることも承知しておりますが、うちの学術チームとしては、まだこれは規制の対象とすべきであるというふうな意見が強く出ておりました。反面、自分のミトコンドリアを注入する方法は、ミトコンドリア変異が起こらないような形であるならば、ヘテロプラズミーのリスク等はありませんので、これは規制の対象外にすべきではないかというふうな意見が出ております。この辺りがメインの意見であります。
以上です。
【五十嵐座長】 どうも、御説明、ありがとうございました。
寺田先生は、この後、御都合により退席をされますので、寺田先生に……。
【寺田委員】 五十嵐先生、僕は大丈夫です。最後までおりますので。
【五十嵐座長】 そうですか。ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします。
続きまして、日本産科婦人科学会のお立場として、谷口先生から、やはり10分程度でプレゼンテーションをお願いいたします。
【谷口参考人】 鳥取大学、谷口でございます。私は日本産科婦人科学会の生殖内分泌委員会の委員長であります。生殖内分泌委員会プラス臨床倫理管理委員会と、このたび、さらにプロジェクトチームを組みました。本日の会議に参加いただいている先生もおられますが、そのプロジェクトチームとして、基礎医学と倫理学の先生とかも加わっていただいて、三つの委員会合同で意見をまとめました。その意見を御報告させていただきます。大きく言いますと、今、寺田先生がプレゼンされた内容と大きくは変わっておりませんが、この資料で進めたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
マル1からマル5までの宿題をいただいたわけですけども、マル1の塩基等の切断・改変は規制ということで、マル2から説明させていただきます。
次、お願いいたします。
CRISPR/dCas9というところで、これにつきましては、学会の意見としては規制対象とすべきということで、理由は下に並べていただいております。日本での使用実態、海外での使用実績、動物実験等・安全性とございまして、この辺をまとめますと、やはりここは、まだ臨床応用の実態はございませんし、「望ましくない遺伝子発現や後世代への影響等を与えうる技術に該当する」であろうということで、規制対象とすべきと考えました。
次、お願いいたします。
文献として挙げていただいております。こういった様々な、今の根拠となる理由を挙げていただいております。
次、お願いいたします。
次に、CRISPRiとmiRNAにつきましても、規制対象とすべきであると。日本での使用実態は基礎研究段階にとどまっておりますので、ヒト受精胚や生殖細胞を対象とした臨床応用の実態はない。国内で関連分野の研究をなさっている先生も、先ほどのプロジェクトチームに関わっていただいております。その先生方の意見をまとめたものでございます。これにつきましても、データとしても未熟であろうということで、「望ましくない遺伝子発現や後世代への影響等を与えうる技術」に該当するので、規制対象とすべきであろうということでございます。
次、お願いいたします。
これは、そのデータを並べております。
次、お願いします。
CRISPRaですね。これも同様でございます。
次、お願いいたします。
すみません。先ほどのmiRNAのところで意見が一つありまして、自家卵丘細胞とか子宮内膜細胞との共培養に伴う分泌物に内因性のmiRNAが含まれる可能性がありますけども、これについては直ちにゲノム編集の規制対象とすべきではなかろうという意見が出ておりました。
次、お願いいたします。
先ほども御覧になっていただいた、HDAC阻害剤、DNAメチル化阻害剤、こういった研究試薬や一部の抗腫瘍薬は、腎臓でしたか、抗がん剤として用いられている薬剤としてのメチル化阻害剤はあるんですけども、ヒト受精胚や生殖細胞培養への臨床応用の実態はなかろうということで、現時点では規制対象とすべきであろうということがございます。海外でも動物のモデルのデータしかなかろうということでございます。望ましくない云々に該当するということで、規制対象とすべきだろうというふうに、一応結論づけております。
次、お願いいたします。
これは根拠となった論文を置いています。
先ほどまではプロジェクトチームでまとめたんですけども、「望ましくない遺伝子発現や後世代への影響等を与えうる技術」という表現がございましたが、もう少し具体的に示したほうがいいのではないかということで、ヒト胚またはヒト生殖細胞に対する直接的かつ意図的な介入であること、あるいは、遺伝子情報、エピゲノム、または遺伝子発現状態を人為的に変化させることを目的とすること、こういったものは規制対象とすべきであろうというふうに、少し具体的に書いていただいたほうが分かりやすいかなと。加えて、細胞分裂もしくは分化後にも持続し得る、または、個体発生、出生後の健康もしくは後世代に影響を及ぼす合理的可能性があるとか、これは日産婦のほうからこの会議に書類を提出しておりますけど、こういった意見もございました。
あとは、胎内移植禁止の原則を基に、基礎研究によるエビデンスに基づいて、臨床研究、先進医療、そういったふうに段階的に、こういった技術を一律に規制の対象とするのではなく、将来的に新規技術を慎重に臨床応用、そこの臨床応用をどうやって進めるかというのは非常に難しいと思うんですけども、そういった可否を将来的に継続的に検討して判断すべきだろうということがございました。
続きまして、生殖補助医療(ART)、現場の臨床でどうなのかということで、大ざっぱに申しますと、IVF、ICSI、こういったところは臨床的なメリットは非常に大きいので、現時点でなされている技術としては、規制対象としていただいては臨床の現場が非常に混乱すると思われますということで、ここはお認めいただきたいということが原則であります。こういった、先ほどから出ております、卵、胚培養、様々な技術がなされているわけですが、それについて少しお話ししたいと思います。
次、お願いいたします。
これは、様々な培養液に含まれているような、ケミカルとか、栄養物質とか、いろいろなものが入っているわけですが、こういったもので実際に安全性は、今、日本も8分の1がART児ですので、こういったところに明らかな、少しジェネティックな問題はあるかもしれませんけども、メリットが大きいので、ここのところは認めていただきたいということで結論づけております。生児出生率にも明らかな差はないということです。
次、お願いいたします。
これは物理的な、ピエゾ/レーザーICSI、レーザーのアシステッドハッチング、これも、先進医療、保険適用と、実際に臨床の場でされておりますので、ここのところで問題はなかろうというふうに結論づけております。
次、お願いいたします。
これは特殊な培地で、タンパク資源、着床補助高分子、グルーみたいなものとか、最近はいろいろあります。成長因子・サイトカインとか、ホルモンとか、抗酸化物質、培養系の構成。先ほど共培養のお話でもありましたけども、こういったものも、右の欄にございますように、保険適用、先進医療、臨床研究、いろんなレベルがあるわけですが、こちらも安全性に関しましては問題なかろうということにしております。そういった様々な、採卵、精子にいいというものが今後も出てくると思うんですが、そのときもやはり、しっかりそこを調査といいますか、臨床応用に向かってそういったものをしっかり継続的に検討をして、安全なものは導入していくというようなことが必要かなということを、共通認識として得ておりました。
次、お願いいたします。
Ca2+イオノフォア、ストロンチウム塩、非化学的、様々ございます。これに関しても同様で、データの安全性に関わる根拠として、実際に上の二つは保険適用なされているわけですけども、問題ないというデータがございますので、ここのところも規制すべきではなかろうということに結論づけました。
次、お願いします。
次は、先ほど少し申しましたが、卵成熟のホルモンです。タンパク資源、卵成熟関連因子、補助添加物とありまして、実験のレベルで、様々な先生方もこれまでに研究なさったり、いろいろ使われたりしていて、実際にこれが臨床応用されてきているわけですけども、ここでも出生しているときの先天異常の頻度も同等である。一番下にありますけど、追跡しても、周産期予後であるとか、2歳児の神経心理の発達は正常であろうということで、こういったものが添加されても異常なかろうということがございますので、安全性は高いと考えております。
次、お願いいたします。
これは共培養の話ですけども、上の二つに関しましては、自己細胞と胚由来のグループ培養、こういったところは実際に保険適用されているので問題なかろうと。最後の他家培養というところで、これはサルでしたかね。非ヒト細胞(Vero等)とか、他者の細胞株、こういうものに関しましては、安全性が確保されているとは言い難いので、現時点では容認できないけども、今後はこういったことも検討すべき余地はあるんじゃないかという意見がございました。
次、お願いいたします。
これはまとめたものでございます。技術として左の枠にございまして、実施の実態も、実際に国内外でなされております。安全性も特に問題なかろうということで、一番下にございますけど、現在、主にICSIだと思うんですが、「上記はいずれもゲノム編集等による遺伝子改変を伴わず、先天異常等の出生児アウトカムにも明らかな上昇の報告はなし」と、悪いことはなかろうという結論にいたしました。
これでスライドとしては終わりなんですが、少し意見を述べさせていただきますと、先ほども申しておりますけど、現時点では、胚とか配偶子の性的機能を維持・補助する通常のART技術については、こういったゲノム編集等の規制の対象からは明示的に除外すべきであると。ただし、先ほど表を出しましたけど、培地の詳細な組成であるとか、未知の領域も多くございますので、ARTの品質管理、臨床研究、先進医療、または、国によるものだと思うんですが、レジストリなどで管理して、こういった新規技術も考えていかないといけないんじゃないかなという意見にしました。人を対象とする臨床研究というのは非常に困難性があると。実際に新しい技術とか添加物とかをどうするのかというようなことで、例えば、HDACインヒビター、そういったものを実際に胚にかけるんですかというようなこともあって、そんなのは非常に困難であろうということはありますので、そういった困難性も非常に問題にされておりました。
また、最後になりますが、こういった培養液の組成、製品の組成が企業秘密になっている場合が多いので、知らない培地成分を使用したために、医療者側、医師側が刑事罰などのリスクを負うなんていうことは、必ず避けないといけない。医師側の免責ですね。ですので、こういった製造販売業者、または、輸入製品が多いと思うんですが、輸入業者さんが秘密保持下で、PMDAまたは指定評価機関に、培養液等の組成であるとか、濃度、品質試験、ロット試験などを提出して、それを承認し、届出済み製品を臨床に使用するというような規則を形成していただくことが現実的ではなかろうかという意見がありました。
私からは、以上でございます。ありがとうございました。
【五十嵐座長】 谷口先生、どうもありがとうございました。
谷口先生は、この後、御退出されますか。
【谷口参考人】 あと15分ぐらい、大丈夫です。
【五十嵐座長】 分かりました。それでは、谷口先生に御質問がある場合には、この場で質問をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
よろしいですか。大変具体的で、貴重な御意見をいただいたと思います。
久慈先生、お願いします。
【久慈委員】 詳細な御教授、ありがとうございました。一つだけ教えていただきたいんですけど、先生方は安全性のことを考えてこの報告を作っていただいて、それはとても大事なことだと思うんですが、例えば、GM-CSFというのは、多分、世代は超えないと思うんですけど、恐らく、成長因子ですから、細胞の中の遺伝子発現は変えていると思うんですが、それはどういうふうに考えるべきなんでしょうかね。
【谷口参考人】 そういったものは未知のものだと思うので、それをどう臨床研究でできるかが問題だと思うんですけども、臨床研究となるんですかね。そういったところでしっかり管理して、非常にメリットがあるかもしれないわけで、そういったところを見ないといけない。あるいは、世代を超えたものがあったら大変ですので、そういったところも未知のものが非常に多い。元は基礎研究から出てきたいい成分だと思うんですけども、そのところをどう調査するかですが、これは学会が抱えられる範疇のものではないかなというのが私どもの共通認識であって、やはり国家でそこを管理していただきたいというのが、希望でございます。ありがとうございます。
【久慈委員】 ありがとうございます。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
寺田先生、お願いします。
【寺田委員】 今の御質問に関して、卵子学会のほうは、20枚目ですが、この辺り、私、全部飛ばしてしまったんですけど、20枚目に当会の見解が記されております。現状として、かなり生理的なもので、かつ、エビデンスはまだ十分ではないんですけど、有害事象の報告もないので、現在、規制対象という形にするものでもないかなというふうなことが、卵子学会の総意であると認識しております。
以上です。
【谷口参考人】 ありがとうございます。
【五十嵐座長】 御意見、ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、続きまして、事務局のほうから、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の規制の在り方について、やはり10分程度で御説明をお願いいたします。
【大井企画官】 事務局、厚生労働省の大井でございます。資料1に戻っていただきまして、4ページ以降を説明させていただきたいと思います。簡潔に説明させていただきます。
こちらは、総合科学技術・イノベーション会議での議論のまとめになります。ゲノム編集技術以外のものに関して、どういうふうに考えるのかということを、平成30年にまとめているものでございます。結論としては、資料の下のほうにありますマル1からマル5にあるような、様々な技術です。従来からの遺伝子組換えですとか、ゲノムDNAを切断せずに遺伝子を制御するようなものとか、ミトコンドリア導入等は規制すべきであるというようなことが書いてあります。また、個体発生の影響、母体への影響に関しても、懸念事項というふうなことが書かれております。
次のページでございますけども、こういった御意見を踏まえまして、現行の倫理指針が作られております。先ほど山口先生が触れられていたものが、この表になります。
続いてのページでございます。こちらは参考でございますけれども、現行の指針下で実施されております、基礎研究に関して届け出ているものをまとめているものでございます。ヒト受精胚を使ったもの、ヒトES細胞を使ったもの、ヒトiPS細胞等を使ったものというものについてまとめているものでございます。
その次のページでございます。こちらの資料の位置づけでございますが、冒頭申し上げました「議論の整理」の中で今後検討されるということになりました、具体的な規制の範囲でございます。こちらに関しまして、これまでの合同会議の御議論、そして、本日、山口先生、寺田先生、谷口先生から、プレゼンテーションをいただいたものを、先生方の御意見をまとめるとこういうものになるのかなということで、事務局のほうで作っているものでございます。冒頭申し上げましたとおり、本日の会議で何か結論を得るというものではございませんけれども、本日の議論の参考に作成したものです。
具体的な中身に関しましては、表のほうで見ていただくと、DNA関係に関しては、ゲノム編集技術、そして、従来からの遺伝子組換え技術、エピゲノム編集/修飾というものがございます。RNAに関しましては、トランスクリプトーム編集/修飾、エピトランスクリプトーム編集/修飾ということが書いてあります。こちらに関しましては規制の対象に若干グラデーションをつけております。全て対象、原則対象といったことが研究班の中で書かれておりますので、それを記載しております。具体的な技術に関しましては、今、何度も出てきておりますので、省略させていただきます。
その下のその他でございますけれども、ここに関しては、個別のものに関して必要なものを規制していくというような御意見でした。それらをある程度類型化して、整理して記載させていただいているものでございます。アは、外来の核酸の導入。イは、転写因子、転写制御因子の導入ということで、CRISPRi、CRISPRaといったものでございます。ウは、DNAを化学修飾する酵素の作用を制御する技術ということで、先ほど今回の論点ということで学会からも御指摘いただきましたけども、HDAC阻害剤ですとか、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害薬といったものを具体的に挙げております。エは、ミトコンドリア核置換技術ということで、ヒトの未受精卵の核を他の細胞の核で置換するような技術。オは、他家ミトコンドリア導入ということです。カは他家細胞と共培養、キはES細胞やiPS細胞等の幹細胞から生殖細胞を作成する技術、クとケは放射線あるいは紫外線の照射というものを記載しております。
続いて、8ページ目でございますけども、こちらは生殖補助医療技術ということで、これに関しては規制の対象外とすべきではないかという御意見をいただいておりますので、こういった内容に関して広く周知していくことが必要ではないかということを検討項目として挙げさせていただいております。
以上の7枚目、8枚目が、今日、御議論いただく上での参考として準備させていただいたものでございます。残りは参考資料ですので、説明は省略させていただきます。繰り返しになりますけども、本日、特に何か決めるということでございませんので、様々な御意見をいただければというふうに思っております。
以上でございます。
【五十嵐座長】 御説明、どうもありがとうございました。
では、委員の先生方から、御意見、御質問をいただきたいと思います。まず、山口先生と寺田先生のプレゼンテーションの内容につきまして、御質問がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
山口先生、お願いします。
【山口委員】 COMLの山口でございます。山口先生の資料に基づいて3点質問があるんですけれども、もしかしたら質問の内容によっては事務局の方にお答えいただくほうがいいのかなと思いますので、その辺りは適宜御判断いただければと思います。
まず、資料の13ページの一番下のマル3の規制すべき理由のところの3行目から、「低分子化合物など」ということで、「【規制の対象とすべき】であるが、導入操作を用いないものは一般的な細胞培養時に使用するものも含まれており」ということで、先ほど日本卵子学会からも、あまりこれを禁止すると問題が起きるというような御意見がございました。この辺り、明確な線引きや、こういったものは規制すべきだけれども、これは規制すべきでないというような、リスト化するようなことが可能なのかどうかをお尋ねしたいのが、まず1点目です。
2点目として、16ページに生殖補助医療に関連する技術というものがございますけれども、これは規制の対象にしないということなんですが、これから新しい技術が登場してきたときに、例えば、新しく開発される不妊治療の技術について、誰がどのように安全性を評価したり、規制の対象にするかを判断するのか、その辺りのことをお尋ねしたいと思いました。
そして、3点目ですけれども、19ページのところで、規制すべき理由の中に「今後の科学的知見の進展や国際的な規制動向を踏まえて、柔軟に見直される可能性がある」と書かれているのですが、この辺りはどのようなタイミングで見直すのか、どういう意味で書かれているのかをお尋ねしたいと思いました。
以上、3点でございます。
【五十嵐座長】 御質問、ありがとうございます。
山口先生からお答えできることはありますか。
【山口参考人】 事務局でフォローしてもらわないといけないとは思いますけれども、まず、添加剤とか、ヒト胚の培養等で使用されているものがございます。現行、このように生殖補助医療で使われているものは容認すべきであろうと。ただし、新しい、例えば、物質として、いろんな基礎研究からこういう効果が期待できるんだというところはもちろん考慮されるんでしょうけども、それが本当にオンターゲット作用だけが期待できるのか、それ以外の作用はないのかというのは、直接、ヒト胚で、臨床応用としてはできないのだろうと思うんですね。恐らく、基礎研究として種々の研究をされた上で、これは、胚の成熟とか、そういうことに有用である。その一方で、副反応とか、オフターゲットはないということが確認できたものが、多分、臨床応用に行くのではないか。それはどういうふうに合意するかは、事務局のほうで考えていただかないといけないのかなというふうに思いました。
それから、16ページですけれども、今後、新しい技術が出てきたときも、多分、今回と同じような考え方を適用していくのだと思うんです。いきなり臨床応用するというわけではなくて、例えば、基礎研究として、それを用いた、胚の成熟とか、そういうことを十分確認した上で、あるいは、供与されるヒト胚でなくても、ひょっとしたらiPSとかESから作られるかもしれませんけれども、そういったヒト胚の代替となるものを用いた基礎研究を経た上、かつ、それで十分な議論ができた上での移行かなというふうに思いました。
最後の今後の改定に関しては、科学技術の進展というのは非常に激しいですので、我々もそういうことは非常に議論しました。この見直しの時期に関しては、科学の進歩を横目で見ながらやるべきかなと。その時期については、多分、事務局にお答えいただいたほうがいいのかなというふうに思います。
私からは、以上です。
【五十嵐座長】 山口先生、ありがとうございました。
では、事務局、何か補足でありますか。
【大井企画官】 事務局の厚生労働省でございます。御意見いただきまして、ありがとうございます。
1点目のリスト化の話でございます。あくまで専門家の先生方の御意見をリスト化したものであり、この後御議論いただく表でございますけれども、その中には具体的なものを記載しております。表中のウが低分子化合物になっておりまして、DNAを化学修飾する酵素の作用を制御するような技術ということでございます。
あと、それ以外の新しい技術のアップデートということでございますけれども、この辺りの技術に関しては日進月歩で、何らかの形で、有用なものも危険なものも含めて、いろいろ出てくるようなものだと思います。このため、一般論として、こういったものに関してはアップデートが必要なんじゃないかなと思いますが、そのやり方に関してはいろいろあると思いますので、引き続き検討していきたいと思います。
また、今後の解禁的な話に関しましては、12月にまとめていただいた論点の中でも書いておりますように、安全面と倫理面という話がありますので、そういったことを今後検討していくことになるかと思っております。
以上です。
【五十嵐座長】 補足の説明、どうもありがとうございます。
山口育子先生、御質問されましたけど、よろしいですか。
【山口委員】 どうもありがとうございます。よく分かりました。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
加藤先生、どうぞ。
【加藤(和)委員】 大阪大学の加藤です。引き続き、プレゼンされた山口先生に質問で、資料2-1の18ページに(コ)というところがありまして、下の部分のヒトiPS細胞等の多能性幹細胞に由来する生殖細胞の取扱いのところですが、これは、ゲノム編集されているからということではなく、次世代に影響が及ぶからということで入っているという理解でいいのでしょうか。
【山口参考人】 ここのところの下に書いてあるのは、現時点ではヒト配偶子までの完全分化例というのは報告されていないという前提の基で、こういうふうに記載させていただいております。要するに、科学的な根拠というのがまだ十分ではないんじゃないかというところでございます。
【加藤(和)委員】 遺伝子を改変することも含めて、全体として遺伝子発現に影響を及ぼす、そういう領域の技術を検討しているんですけれども、(コ)の部分、それから、19ページのヒト胚モデルの話もそうですが、そこは必ずしも全てが遺伝子改変関連の技術を用いて行う領域とは限らない。まず、これは正しいでしょうか。
【山口参考人】 はい。そこは先生のおっしゃるとおりだと思います。
【加藤(和)委員】 だけれども、ここに入れておくのが適切であるというのは、次世代に対して影響があり得る。もちろん、まだ技術的には全く、ほかのものよりもはるかにこの部分は未熟というか、ヒト胚モデルはそもそも胚を作るものではないと思いますし、前のページのものについても、当然、そこまで行ってないわけなので、規制しておくのは正しいというか、ここに入れるのはよかろうというふうに私は思うんですけれども、どのように整理されたかをお尋ねしたかったんです。
【山口参考人】 多分、ここに入れたというよりも、ESやiPS細胞由来の胚モデルについても検討したという。すなわち、ヒト胚へのゲノム編集等についての適用という本題ではなくて、ESとか、iPSを用いての基礎研究についての議論でございますので、意図としては、こういったものを用いた評価系という点で議論をさせていただいたというところになります。
【加藤(和)委員】 分かりました。
これは事務局にも聞きましょうかね。先ほどのリストにもあるんですね、下のほうに。下のキのところです。
【五十嵐座長】 資料1の7ページですね。
【加藤(和)委員】 大きく反対するものではなく、流れというか、考え方、整理の仕方を確認したいということなんです。
【五十嵐座長】 いかがですか、お答え。
【永川安全対策官】 事務局、文科省でございます。こちらのキにつきましても、昨年12月にとりまとめられました「議論の整理」での、ゲノム編集技術だけでなく、後世代への影響等を与えうる技術を幅広く議論の俎上にのせるというような整理において検討したものであり、山口先生の研究班では、こちらのキについては規制対象となり得るというような結果報告をされ、そちらをもとにしたものと認識しております。
【加藤(和)委員】 今、ここでは一応了解しました。ありがとうございます。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
久慈先生、お願いします。
【久慈委員】 発表された山口先生に僕も一つ質問させていただけたらと思うんですが、先ほど、海外の規制の仕方はいろいろっておっしゃっていたんですけれど、いろいろというのが、これからの議論の進め方にも関係すると思うんですけど、どこからどこまでという。例えば、CRISPR/CasのDNAの配列だけを移植禁止というふうにしているところから、非常に広く、例えば、日本で言っている遺伝子改変技術を全部というところまで、いろんな国があったのかということが一つ。
あと、今までの議論でちょっと出てきましたけれども、例えば生殖補助技術とかだと、学会の先生方の発表にもありましたが、日進月歩で入ってくる、新しい培養液ができた、それは遺伝子改変にはつながらないけれども、世代を超えない遺伝子の発現の変化はするかもしれない。でも、ある程度の臨床データはあるということが分かっていて、その培養液を日本で使えるか、使えないかということが、多分、すぐ出てきちゃうと思うんですね。このことに関して誰がどのように決めているかって、さっき山口委員がおっしゃっていましたけれど、もし、先生が研究で御存じのことがあったら、教えていただきたいと思います。
【山口参考人】 久慈先生、御質問、ありがとうございます。この表を作ったのは、我々が直接調べたわけではないのですけれども、海外規制についての調査経験の豊富な会社に、かなりメインな国について調べていただいたものです。ただ、それぞれの中身について、先ほど説明しましたが、例えば、Cas9を用いたゲノム編集を禁止するというのは明確なんですけれども、エピトランスクリプトーム等は禁止されているかという、そういう細かいところに関しては明確に示されていない。逆に言うと、例えば遺伝子治療ということであれば、mRNAはちょっと説明しましたけど、in vitro転写で行われたmRNAというのは、EMAも、アメリカもしている。それは転写するときにDNAの断片が入ってきている。恐らく、それを同時に導入するということをリスクとして遺伝子治療にしているということになっていますので、そういう意味での遺伝子治療には、当然、mRNAは入ってくるということになるんですけれども、各国でそれぞれ、先ほど言いましたように、最近のゲノム編集等の新しい技術まできちんと分類されて禁止しているかというところに関しては、割と明確でないのです。我々が一番知りたい、法で書かれていて、どこまでの技術を禁止しているか、どこまでの技術を対象としているかというところに関しては、明確な情報が得られなかったというのが、正直なところでございます。
久慈先生、もう一つは新しい培地成分の話でしょうか。
【久慈委員】 ごめんなさい。そちらは大丈夫なんですけれども、例えば、臨床応用できそうなものについて規制を外すときに、誰が判断しているかということについてはいかがでしょう。
【山口参考人】 その辺が一番知りたかったんですけれども、申請という形でもちろんされているようなんですが、国によってそれの仕方が違っているところもあるようです。ですから、ここの国はこういうふうな申請の仕方で、こういうふうに申請してやるというところまでは、明確な情報が得られなかったというところが現実でございます。
【久慈委員】 ありがとうございました。
【五十嵐座長】 ほかはいかがでしょうか。
石原先生、お願いします。
【石原委員】 石原でございますが、ここまでの議論を聞いておりまして、特に山口先生の研究班でどのようになったのかをお伺いしたいのですけれども、規制の状況という話は、ここまで出てきた話で言いますと、要するに、全面禁止か、全く規制なしかの二択のような形で語られているのですが、規制のやり方というのは、その中間のやり方というのもいろいろあるのではないかなあというふうに、私は考えているわけですね。様々な国において、そうした申請とか審査に基づいて、やっていいか、悪いかを判断している。特にイギリスなどはそうだと思いますが、そうした管理の在り方について、これは次回以降の検討なのかもしれませんけれども、考え方を検討された山口先生の研究班ではどういう形になったかを御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【山口参考人】 御質問、ありがとうございます。どのように規制の在り方とそれを解除していくかについて、特にこれまで禁止されていた技術の適用申請をして、これを何時、解除していくかといったスケジュールについてまでは議論をしておりません。これは多分、今後その申請やその評価の在り方については先生方に議論をしていただかないといけない。我々はどちらかというと、どういうふうな規制があるべきかとか、そういうところは議論しましたが、例えば、将来、こういう新しい技術で安全性が確保されて臨床応用という、もちろん基礎データはあると思うんですけど、それをする際には、間違いなく国で審査をされた上で、解禁に持っていくのではと考えており、そういうことになるのであろうと思います。多分、ただ単に承認というのではなくて、場合によっては、その技術に関しては政令等で決めた上で改正というふうになるのではないか。これは事務局で答えていただかないといけないところかなというふうに思いました。
以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
恐らく、それも含めまして、これから皆さんで議論していくということになると思いますけど、現時点では、何か特別な発言ありますか。
【大井企画官】 事務局でございます。現時点ではコメントしづらい部分がございますので、ご意見として承らせていただきます。
【五十嵐座長】 新しい技術はこれからどんどん出てくると思いますので、その都度、いろんな対応をしなくてはいけないと思います。それについては、審査体制を含めまして、これから議論をしていただきたいと思います。
それでよろしいでしょうか。
【石原委員】 ありがとうございます。
【五十嵐座長】 続きまして、質問も出ておりましたが……。
加藤先生、どうぞ。
【加藤(和)委員】 すみません、繰り返しで。安全性が確立されてないものについて、いいかげんな扱われ方がされるとまずいということで「規制の対象とすべき」という表現があったと思うんですけれども、今と関連したような質問です。これから出てくる技術について、とにかく危ないので止めておくという考え方も一つあると思いますが、それは、まず、確実によくないものを抑えておいて、これから出てくるものは、今後、どうしても規制すべきということになったときに規制するという方向もあると思うんですけれども、どちらかというと、よく分からないものはみんな規制という感じにも見えるように思ったんですが、いかがでしょうか。
【山口参考人】 確かに、添加剤で、まだ使われていないものとか、そういうものに関してリスクが必ずしも明確ではないかと思います。ただ、それを使われている先生方は、いきなりヒトに応用されないだろうと。恐らく、ヒト胚等を用いた基礎研究とかをした上で、それを適用されていくと思うのです。従いまして、そういった基礎開発を通じて新しい培養方法とかっていうことになると、違う大きな培養方法で、今まで使われたことのない添加剤を使うとかというふうになったときは、恐らくそういう解析をされた上でやられると思うんです。ただ今時点で、ここは危ないということは、誰も言えないと思うんですね。そういう意味では、もちろん未来永劫禁止ではないと思うんですけれども、そういう新しいものを導入していくときに、その導入をどのように可としていくかについては、今後の進め方かなというふうに思っております。ただ、基本的に、先生がおっしゃるように、必要になってから禁止するというのは法律的になかなか難しいというのが正直なところかというふうに思いました。法律、あるいは届出とか、規制の仕方は幾つかあるとは思うんですけれども、それをどのように組み合わせて実用化していくかというところになってくるのかなというふうな気がするんですね。そういう意味では、政令とか、そういった形で改正していくとか、こういうものを使えるとか、あるいは、審査の結果、こういうものが使えるとか、そういうふうになっていくのかなと。議論しているときにそういう結論になったというのは、そういうことではないかという議論はいたしました。
【加藤(和)委員】 ありがとうございます。一応、皆様での議論のために私の一つの見方として申し上げるだけなんですけれども、世界各国でも、案外、規制を大きくかけて、できないという形にした後で、今になって、やはりそうした研究はできたほうがいいということで困っている国がいくつかあります。典型的な例のひとつはヒト胚を対象とする基礎研究です。具体的に幾つかの国が実際にそれで随分と議論をしています。国会レベルまで動いてルールを変更しないと、研究ができない。しかし、研究分野のベネフィットは社会的には認められてきているということがあると思うんですね。だから、そういうふうにはならないようにはしたほうがよいと考えるので、一般論として、そういうふうに見えないことはないと申し上げたかったんです。
【山口参考人】 分かりました。ありがとうございました。
【五十嵐座長】 貴重な御意見、ありがとうございました。
久慈先生、どうぞ。
【久慈委員】 すみません、何度も。
山口先生、もう一つだけ教えていただきたいんですが、先ほど、iPSの細胞と、受精卵とか、配偶子とか、共培養するというのも規制の対象になっているとかっていう話をお聞きしたんですけど、それは恐らく、iPSで改変された遺伝子が細胞の中に入ってしまうからということだと思うんですが、改変されていない遺伝子だけしか出てないということもあり得ると思うし、今まで体外受精の世界の中では、共培養って結構いろんなことがやられていて、先生もよく御存じだと思うんですけど、フィーダー細胞とかは随分やられていましたよね。ああいうものに関しては、内在性の遺伝子が入るリスクというよりは、改変した遺伝子が入るということでリスクと考えているのかどうかという確認と、あともう一つは、それは、禁止ということなのか、注意してやってくださいということなのか、どっちだったのかというのを、もし分かっていらっしゃったら、教えていただきたいと思います。
【山口参考人】 ありがとうございます。多分、明確には答えられないとは思うんですけれども、例えば、フィーダーでも、iPSでも、そのような細胞上で他の細胞(ヒト胚も含めて)を培養するというようなときに、フィーダー細胞等からミトコンドリアが共培養中に共培養した細胞に移動するということが見つかったのは、2年ぐらい前です。そういうことが起きうるということが複数の論文で示されており、これ以外にも、分泌された、例えば、エクソソーム中からmiRNAが移行するというような、そういうことがどんどん分かってきてしまっている。だから、そういうことを含めて、これは未来永劫駄目と言うつもりは全くないんですけれども、そういうところのリスクを考えて評価をする必要があるのかなというふうに思いました。
以上です。
【久慈委員】 ありがとうございました。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
ほかはいらっしゃる?よろしいですか。
では、続きまして、事務局からの説明ですね。資料1の7ページと8ページ、具体的な規制の範囲に含まれる技術、それから、具体的な規制の範囲に含まれない技術、これについて、御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。
内田先生、どうぞお願いします。
【内田委員】 どうもありがとうございます。
先ほど山口先生のほうからもエクソソームという用語が出てきたのですが、最近、不妊治療にエクソソームが用いられる例があるようで、幹細胞由来のエクソソームを体外受精の胚培養液添加剤として開発しているという例も、まだ非臨床ですが、そういう例もあるようです。エクソソームには、細胞由来のタンパク質とか、miRNAなどの核酸が内包されていて、培地に添加をしますと、これらの機能性分子が細胞に取り込まれることになります。規制の範囲案の中で外来の核酸の導入は禁止の範囲に含まれていまして、先ほどの日本卵子学会や日本産科婦人科学会のほうでも外来の核酸の導入は規制すべきと結論していたと思いますが、エクソソームには外来核酸が含まれているということで、特にここにエクソソームを明示しなくても規制の範囲に入るのか、それとも、マル5の規制範囲は個別指定とありますので、規制の対象にする場合にはエクソソームと明記をする必要があるのか、そのところを御質問したいと思いました。よろしくお願いします。
【大井企画官】 内田先生、御質問いただき、ありがとうございます。今の時点で明確にお答えすることが難しい状況でございます。また、繰り返しになりますけど、ここに記載しております情報に関しましては、研究班ですとか、学会の先生方からいただいたものをまとめているものでございます。内田先生からいただいたご指摘に関しては、今後検討ということなのかなというふうに思っております。
以上でございます。
【内田委員】 分かりました。どうもありがとうございます。卵子学会さんとか産科婦人科学会さんのほうでも、今回の宿題には入っていなかったので検討されていないかもしれないんですけれども、議論の対象になるかなと思いましたので、挙げさせていただきました。ありがとうございます。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
エクソソームのことについて、何か、御意見、御質問、ありますか。
寺田先生、どうぞ。
【寺田委員】 これを皆で整理したときに、エクソソームの文言があったので、ソリッドな科学情報を求めたんですが、あまりなかったんですね。だから、お答えのしようがないというのが現状であります。
【五十嵐座長】 コメント、どうもありがとうございます。
内田先生、よろしいですか。
【内田委員】 分かりました。
【五十嵐座長】 では、三浦先生、どうぞお願いします。
【三浦委員】 ありがとうございます。先生方の御説明を伺って、あと、事務局にまとめていただいた、生殖補助医療技術が対象に含まれないという結論そのものには比較的納得がいくんですけれども、非常に細かいといいますか、いろいろな先進的な技術がありまして、今回のゲノム編集という意味では対象に含まれないとは思うんですが、こうした新しい技術を学会なり何なりが管理しているような現状はあるのでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。
【五十嵐座長】 これはどなたにですか。
【三浦委員】 かなり細かいといいますか、こんなのもあるんだという技術を細かく御説明していただいたので、これから先もどんどん技術が進歩して……。
【五十嵐座長】 こども家庭庁のほうから、今の御質問にお答えしていただきます。
【植田課長補佐】 こども家庭庁母子保健課でございます。我々の承知している範囲においては、学会がそういった技術の一覧を持っていらっしゃるとか、それを管理して安全性を見ていらっしゃるみたいなところは、今のところは承知してないところでございます。
【三浦委員】 今のところ、次世代に影響を及ぼさないとか、安全性が確認されているというお話でしたけど、今後もどんどん新しい技術が出てくると思うんですが、その辺りはどこかで管理はされないんでしょうか。
【植田課長補佐】 安全性の観点で言いますと、ART治療として、要は生殖補助医療として実施されている技術については、日本産科婦人科学会で、ART登録等で、全例、学会に報告・登録いただいて、それを基に、先ほどの日本産科婦人科学会からの御発表にもありましたように、胎児の安全性、奇形の向上がないか等、そういったところを学会のデータベースから御判断いただいているものと考えます。それが現状の整理というところになります。
それは現状の生殖補助医療ではということになりますけれども、今後はというところで言いますと、厚生労働省さん、コメントはありますか。
【大井企画官】 現時点では特にありません。
【植田課長補佐】 今後については、引き続き、事務局のほうでも検討させていただければと思います。
以上です。
【三浦委員】 ありがとうございました。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
いろいろと今日は、御意見、御質問をいただきまして、ありがとうございました。今日いただいた御意見等をまとめていただきまして、次回、事務局で整理したものを御報告いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、本日の議論はこれで終了して、事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。
【葛谷室長補佐】 本日の会議は、以上となります。次回の日程につきましては、8月5日を予定しております。詳細が決まり次第、改めて御連絡させていただきます。
皆様、御多忙のところ、大変ありがとうございました。
―― 了 ――
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