ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会(第10回)議事録

ヒトの幹細胞から作成されるヒト生殖細胞を用いるヒト胚作成研究に係る合同会議(第3回)
※下記の専門委員会との合同開催
・こども家庭庁 こども家庭審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会(第10回)
・厚生労働省 厚生科学審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会(第22回)

1.日時

令和8年2月25日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)生命倫理専門調査会報告等を踏まえた関係指針の見直しについて
  2. その他

4.出席者

委員

・ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会
石原座長、井田委員、苛原委員、内田委員、神里委員、長嶋委員、藤岡委員
・ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会
久慈主査、秋元委員、井上委員、内田委員、寺田委員、長嶋委員、藤田委員、山田委員
・ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会
岡委員長、井田委員、苛原委員、梅澤委員、大黒委員、金田委員、神里委員、小崎委員、佐原委員、松本委員

事務局

こども家庭庁成育局母子保健課 石丸生殖補助医療対策推進官、植田課長補佐
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室 木村安全対策官
厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課 西垣課長補佐

5.議事録

【植田補佐】 定刻となりましたので、第3回「ヒトの幹細胞から作成されるヒト生殖細胞を用いるヒト胚作成研究に係る合同会議」を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 本合同会議は、こども家庭庁こども家庭審議会科学技術部会ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会及び厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会を合同で開催するものです。
 また、本日の合同会議は、会場とオンラインとの併用で開催をしております。会場の模様はYouTubeにて配信する形で公開させていただきたいと思いますので、御承知おきください。
 オンライン参加の方は「手を挙げる」ボタンを押していただき、座長に指名されましたらミュートを解除し、まず、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら、再びミュート状態にしていただくようお願いいたします。
 本日の出席状況を御報告いたします。阿久津委員、大須賀委員、片桐委員、高山委員、西山委員から御欠席の御連絡をいただいております。
 また、本日は前回に引き続き、ヒト幹細胞関係指針の見直しについても議題に含まれますことから、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会特定胚当研究専門委員会の八代主査にも御出席をいただいております。
 以降の議事進行につきましては、石原座長にお願いしたいと思います。座長、どうぞよろしくお願いいたします。
【石原座長】 どうもありがとうございます。先生方、おはようございます。
 まず、それでは、資料の確認をお願いしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。
【植田補佐】 お手元の資料を御覧ください。
 配付資料として、議事次第、資料1から3、参考資料1から6がございます。
 オンラインでの御参加の方も含め、資料の過不足等ございましたら、挙手または御発言をいただければと存じます。
【石原座長】 ありがとうございます。
 それでは、議事を進めてまいりたいと存じます。
 本日の議事でございますが「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)生命倫理専門調査会報告等を踏まえた関係指針の見直しについて」でございます。
 事務局から説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 事務局でございます。
 今、画面に投影しております資料1に沿いまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 1枚おめくりをいただきまして、まず、今回御審議いただきたい事項でございます。大きく2つございまして、1つ目といたしましては、前回の会議での御指摘を踏まえた見直しや未検討であった課題についてでございます。
 2点目といたしまして、審査体制の在り方に関連いたしまして、研究計画書の記載事項の明確化や、研究計画書以外の提出書類について、また、関係学会との協力を得て進める取組について御審議賜りたく存じます。
 次のページを御覧ください。
 前回の会議での御指摘を踏まえた見直し等でございます。
 おめくりください。
 まず、前回の会議におきまして、事務方からペンディングということで案をお示しできていなかった、第1条、また、指針の名称についてでございます。
 まず、指針の名称につきましては、青枠の一番上にございますとおり、これまで仮置きしておりましたけれども、事務方のほうで精査をいたしまして、「ヒト胚またはヒト生殖細胞の作成、使用その他の取扱いに関する指針」という形で置いております。
 また、第1条には、この指針の目的とするところを記載しております。幾つかの色をつけておりますが、それぞれの色は、青枠の下側にございます、現行の指針にございます関連する規定、そちらも参照して書いたところになります。
 まず、青枠の中の黄色の箇所でございますが、初めのパートには、ヒト胚を用いた研究を実施する必要性について記載をしてございます。ヒト胚またはヒト生殖細胞を作成、使用その他取扱いを行う研究が、生殖補助医療の向上並びに遺伝性または先天性疾患の病態の解明及び治療の方法の開発に資する可能性があるということでございます。
 続きまして、緑色に塗っておりますところは、ヒト胚等を用いて研究する際に留意すべき事項を記載しております。ヒト胚の尊重、遺伝情報への影響、その他の倫理的な観点及び幹細胞由来生殖細胞を使用して個体の生成をもたらすおそれとしております。
 最後に、青に塗っておりますパートが、今し方御説明いたしました必要性あるいは留意点を踏まえまして、研究に携わる方に御配慮いただきたい事項を記載しております。研究に携わる者が、ヒト胚が人の生命の萌芽であることに配慮し、人の尊厳を冒すことのないよう、誠実かつ慎重にヒト胚を取り扱うこと、その他の遵守すべき事項と記載をしております。
 次のページを御覧ください。
 こちらからが、前回の会議での御指摘を踏まえました見直しでございます。まず、初めに、研究機関の長による教育等の確保についてでございます。
 前回の会議では、この教育等につきまして、大きく2つの御意見がございました。
 1つ目といたしまして、教育研修については、研究機関において教育研修を確保すること、提供機関において教育研修を確保すること、そして、提供機関の長が教育研修を実施することとなっておりましたけれども、前回お示しした案の中では、研究機関の長としての責務が記載をされていないかという御意見がございました。
 この点につきましては、資料の下半分の対応方針のところの初めのチェックマークのところに記載してございますが、御指摘のとおりかと思いますので、研究機関の長としての責務を明確化するということで条文の修正をしております。
 前回の御意見に戻りまして、2つ目の御意見が、ヒト胚やヒト生殖細胞を入手する場合、提供者から同意を取得するのは提供機関であり、そこでの教育研修の機会というのは確保されている一方で、幹細胞由来生殖細胞の作成に用いる体細胞の同意取得は、研究機関や提供機関以外の機関が実施する場合もあり、教育研修機会の確保を求める必要があるのではないかといった御意見でございます。
 対応方針のところに記載しておりますとおり、幹細胞由来生殖細胞の作成には、iPS細胞あるいはES細胞を用いることになりますが、特にiPS細胞を作成する場合は体細胞を入手することになりますので、いわゆる生殖補助医療を行っている提供機関以外の機関から入手する可能性もあると考えております。
 このため、二重矢印のところに書いてありますとおり、体細胞を取り扱う場合には、その細胞の特性から様々な入手方法が想定されるということで、実情に応じた規定ぶりにする必要があると考えております。
 様々な機関から体細胞を入手する可能性がある状況において、その様々な機関全てにおいて、ヒト胚に特化した形での教育研修をやるというのは、実効性にやや難があるのかなと考えておりまして、そういった体細胞の提供を受ける機関ではなく、研究機関側に責任を寄せた形としたいと考えております。
 青枠の赤字の条文案にありますとおり、体細胞等提供者に対する説明等、他の機関が実施する場合においては、研究機関の長が、そこにおいて教育研修等が実施されていることを確保すると。
 この確保するというのは、相手方の機関で教育研修をしていない場合には、例えばですが、自ら赴いて教育研修をするですとか、あるいは研究機関でやっている教育研修の機会に、相手方を招くですとか、あるいは、そういった体細胞の取得自体を相手方に任せるのではなくて、研究機関が主体的に対応するような、様々な対応方法が読めるような形といたしております。
 おめくりください。
 続きまして、倫理審査委員会についてでございます。倫理審査委員会の委員の要件につきまして、前回お示しした案では、中立かつ公正な立場において審査と記載をしておりましたけれども、第三者から見た際に、利害関係がないことが分かるような記載とすべきではないかといった御意見がございました。
 このため、青枠の中にありますとおり、中立かつ公正な立場で審査というのは残しつつ、赤字のところを追記いたしております。研究責任者または研究者等との間に利害関係を有する者は、審査に参画してはならないというところを明記いたしております。
 1ページおめくりください。
 続きまして、提供機関における倫理審査についてでございます。大きく2つの御意見がございました。
 提供機関の倫理審査委員会は、必ず自機関に設置するものなのか。
 また、研究機関と提供機関が別機関の場合、当該提供機関は適切に倫理審査を実施できる体制が十分ではない場合があり、他機関に倫理審査の実施を委ねることが多いのが実情ではないかといった御意見がございました。
 まず、前者につきましては、提供機関の倫理審査委員会について、現行指針と同様に他機関での実施を可能としたいと考えております。
 青枠の中にございますとおり、第22条、こちらは提供機関の倫理審査委員会に関する規定でございますが、第19条の規定を準用すると書いております。
 この第19条は、研究機関の倫理審査委員会に係る規定でございまして、研究機関の倫理審査委員会は、適切に審査を行うことができる場合には、他機関に委ねることができるという規定がございまして、これが提供機関にも適用されるという形になります。
 続きまして、2つ目の御意見の提供機関は適切に倫理審査を実施できる体制が十分ではない場合があるのではないかといった点でございます。
 この点につきましては、提供機関の倫理審査をより適切に実施できるように何か工夫ができないかということで、事務方で検討をさせていただきました。
 一番下の二重矢印にございますが、現行の指針あるいは前回お示しした案では、提供機関の倫理審査委員会については、提供機関の立場から実施するということが書かれておりましたけれども、この表現ぶりですと、倫理審査を他機関に委任できないのではないかという誤解を受け得る規定ぶりかなと考えていることに加えまして、提供機関の立場で、何を具体的に審査しなくてはいけないのかという審査事項が、必ずしも明確ではございませんので、こういった提供機関の立場からという書き方に変えて、審査すべき事項を明確化できないかということを考えております。
 その検討の内容が、次のページに記載をしてございます。
 一番上のチェックマークにありますとおり、提供機関はヒト胚やヒト生殖細胞の提供者に対して説明書を提示し、インフォームド・コンセントを取得する立場にございますので、インフォームド・コンセント取得の手続や説明書の記述の適正性を提供機関の立場で確認する必要性は特に高いと考えております。
 また、2つ目のチェックマークにございますとおり、指針の中では、提供機関が細胞の提供を受ける際の提供者への配慮事項といたしまして、1から4に書いてあるような事項について対応することを求めております。
 こうした配慮事項につきましても、提供機関における具体的な対応を、倫理審査委員会が確認する必要性は高いものと考えております。
 こうした内容を、倫理審査委員会において確認しなければいけないということをより明確化するために、条文の見直しができないかと、その検討の結果が、この青枠の中に書いてある赤字のパートでございます。
 まず、第24条の修正案でございます。
 第24条は、研究計画の策定の過程について規定をしているところです。
 第1項、第2項では研究機関の内部の手続、その上で、第3項で提供機関が提供を受ける場合には、研究機関の長は、研究計画を提供機関にも確認を求めるといった規定です。
ます。
 そして、第4項に提供機関における対応を記載してございますが、読みますと、提供機関の長は、前項の研究計画の実施を了解するに当たっては、当該研究計画の内容のうち第25条1項第7号ハ、これはインフォームド・コンセント取得時の説明に係る内容でございます。及び第25条1項第10号に規定する事項、これは、ヒト胚等の管理に係る説明でございます。それが適正であること、その他、適正なヒト胚及びヒト生殖細胞の提供を確保するために必要な事項について、倫理審査委員会で確認すると書いてあります。
 こうすることで、研究計画の承認時に提供機関の倫理審査委員会が何を確認すべきなのかといったところが、より明確にできているかと考えております。
 また、今回を機に、第10条の規定もより明確化をしたいと考えております。こちらはヒト胚の提供を受けた後の提供機関の長の責務を記載してございます。
 現行の指針の中でも提供機関の長は、そういった提供に係る業務を指導監督すること、また、インフォームド・コンセントの取得内容について、事後的に書面で確認をするといった規定がございますが、ここをよりはっきりと書くということで、赤字にありますとおり、第4条から第8条までの規定に従い、実施されていることを確認。この第4条から第8条と申しますのは、このペーパーの上に書いております提供者の立場を不当に利用しないことや、判断のために十分な時間を設けることといった、提供者への配慮事項でございます。そして、配慮事項が実効性のある形で行われているということをしっかり後からフォローアップしていただくと、その上で提供機関の倫理審査委員会の意見を聞くという形といたしております。
 以上のような形で研究計画の事前の確認、また、事後のフォローアップ、2つの面で提供機関の倫理審査委員会の役割をより明確化した記載といたしております。
 一旦、説明は以上でございます。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 まず、ここまでの御説明につきまして、何か御意見、御質問等があれば、お伺いしたいと存じますが、いかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは、資料1につきまして、引き続き、事務局から御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 資料をおめくりいただきまして、続きまして、審査体制の在り方について御説明をいたしたいと思います。資料の10ページでございます。
 前々回の会議、12月にキックオフした際にお示ししていた資料を、再びこちらのほうに載せております。
 今回の指針の見直しは、CSTI生命倫理専門調査会の報告書を受けて実施をしているものでございますが、その報告が出た際には、今回の指針見直しを機に、機関内倫理審査委員会の質と透明性・中立性の確保・向上や、適正な研究の実施促進を確保する観点から、国による指針適合性確認に係る情報公開の推進、また、当該確認でなされた有識者からの指摘事項等の指針のガイダンス文書への反映、また、関係学会との協力など、審査体制等の在り方について議論を進め、必要に応じて指針等に反映することとされております。
 また、前回の会議におきましては、このCSTIの取りまとめを受けまして、指針案の第25条、研究計画書や関連する条文に関しまして、研究計画書の記載事項を明確化する観点から検討を深めていくこととさせていただきました。
 おめくりください。
 今回、事務方で研究計画書の記載事項の明確化の検討を進めてまいりました。この後説明をしてまいりますが、その際には、過去の審議案件も参考とさせていただいております。
 この表にお示ししていますとおり、2010年以来、新規胚研究指針のもとで、3件の審査実績がございました。そこでは、先生方から様々な御意見を賜っておりまして、その内容の中には、計画書の記載事項の明確化ということで、取り入れられるところが多数あると考えておりますので、そういった情報を参照しながら、今回条文案を検討させていただきました。
 検討の基となりました過去の審議案件につきましては、参考資料4としておつけしております。
 では、続きまして、13ページを御覧ください。
 ここからが、具体的に研究計画書の記載事項を、どう明確化していくかという検討の結果をお示しするものでございます。
 まず、研究計画書の冒頭には、研究機関の名称、住所、あるいはヒト胚の取扱い場所等について規定を書いていただくこととしております。
 この取扱い場所に関連して、いわゆる施設関連の要件が指針案の中には幾つかございます。指針案16条では、研究機関がヒト胚またはヒト生殖細胞を取り扱うために必要な施設及び設備を有することとしております。
 指針の運用上、研究機関がこの要件を満たすことを確認するために、図面の提出を求めておりますが、指針の運用の中で、必ずしも必要とされる具体的な施設、設備というのが明示的にはされてきておりません。例えば、インキュベーターなのか、手洗い施設なのか、そういったところまでは明確化されておりません。
 施設関連の規定は、もう一つございます。指針案の15条でございますが、現行指針と同様に、胎内移植できる設備を有する室内でヒト胚を取り扱わないことを規定しております。
 二重矢印のところでございますが、研究実施上、ヒト胚またはヒト生殖細胞を取り扱うために必要な施設、設備があるというのは、ある意味自明なことかと考えておりまして、事務方といたしましては、16条第1号の規定は、必ずしも必要なものではないのではないかと考えております。
 一方で、第15条、胎内移植できる設備を有する室内において取り扱わないことにつきましては、この指針の目的に照らせば、非常に重要な施設要件かと認識しておりますので、こういった設備を有さない場合には、その旨を御記載いただく、設備がある場合には、設備とヒト胚の取扱い場所の位置関係が分かるような図面の提出を求める、こういった形で研究計画書の記載事項を見直したいと考えております。
 おめくりください。
 続きまして、研究目的や取扱い数等についてでございます。
 現行の指針では、研究計画書に研究の意義、目的並びにヒト胚等を取り扱って実施することについての科学的合理性を記載してくださいという形にしております。
 このうち、意義と目的につきましては、本当にヒト胚の研究になじんでいる方であれば違いが分かりやすいかと考えておりますが、必ずしもそういった方ばかりではないと認識しておりますので、この意義と目的の違いが明確化を計れないかと考えております。
 特に後者の研究の目的につきましては、指針案の第3条の中で、生殖補助医療研究や先天性疾患研究が研究の目的であるべきだということを規定しておりますので、そのことが分かるような形で、文言修正をできればと考えております。
 続きまして、資料の下半分でございます。
 現行指針の運用上、研究の方法という欄がございまして、その中にヒト胚の取扱い数ですとか、取扱うヒト胚の種類について記載をいただいているのですが、このヒト胚の数につきましては、説明が不十分だということで、研究計画書の修正を求めた事例が過去にはございます。
 ヒト胚の取扱い数につきましては、必要最小限の数であることの説明を含めて、どのぐらいの数を扱うのかというのを計画書の中に明記していただく必要があると考えておりますので、単に研究の方法欄に書いてくださいと指導するのではなくて、初めから研究計画書の記載事項として取扱い数をしっかり書いてくださいということを明確化してはどうかと考えております。
 次のページを御覧ください。
 続きまして、ヒト胚や幹細胞由来生殖細胞の作成に係る事項でございます。
 現行指針におきましては、ヒト胚や幹細胞由来生殖細胞の作成につきまして、研究方法、細胞の入手方法、インフォームド・コンセントに関する説明など、様々な事項について御記載をいただいております。
 これまでは、複数の指針があり、それぞれの指針の中で扱う細胞が限られておりましたけれども、今後、指針を1つにまとめますと、1つの計画書の中で様々な細胞に関する情報を書くと、また研究機関も様々参画してくるということがあるかと思いますので、使用する細胞の種類に応じて計画書の中で何を書くべきなのかというところを、うまく書き分けた形で分かりやすく表現できればと考えております。
 青枠の中でございますが、まず、共通事項といたしまして、作成の方法や研究の実施機関、そして、ハには、提供機関からヒト胚、ヒト生殖細胞を入手する場合の記載事項といたしまして、指針第4条の要件を満たすことの説明、これは、インフォームド・コンセントを取得していること等の説明でございます。第5条の説明書の内容、こちらは、インフォームド・コンセント取得時に提供者に提示する説明書の内容です。第6条、第7条に従い、インフォームド・コンセントを取得することの説明、こちらは、提供者への配慮事項を記載するところでございます。また、インフォームド・コンセントの撤回があった場合の具体的な対応についても御記載いただきたいと考えております。
 続きまして、ニでございますが、幹細胞由来生殖細胞を作成する場合におきましては、幹細胞由来生殖細胞の作成の用に供する細胞が、第11条に掲げるいずれか、こう書いておりますのは、iPS細胞か、ES細胞か、国内株か、海外株かを書いていただくところでございます。第12条第1項の説明書の内容、これは、提供者に対する説明文書、また、提供者の心情に十分配慮して同意を取得することの説明についても御記載をいただきたいと考えております。
 ホ、第11号4号に掲げるヒトES細胞と申しますのは、ES細胞の海外樹立株でございます。国内の場合は、別途ES細胞樹立指針という指針がございまして、その中で、提供者に対する配慮事項等を定めておりますが、海外樹立株につきましても、国内と同様の基準のもとで作成されたものであることの説明を求めたいと考えております。
 そして、ヘ、第12条第4項から第6号の規定でございますが、これは前回の会議で御議論賜りましたとおり、iPS細胞を用いてヒト生殖細胞を作成する場合、その基となる体細胞は、未成年からの取得を認める方向としつつも、その場合、より一層提供者に対する配慮が必要であろうということで、幾つかの条件をつけております。
 その中で、未成年の細胞を取り扱うことの妥当性等について、倫理審査をしっかりしていただくということがあったかと思います。まさにその理由について、この研究計画書の中にしっかり御記載をいただくというところでございます。
 条文の書き方としては、ここに書いてありますとおり、第何条、第何条という書き方をしておりますが、実際に指針を施行する際には、研究者の方々に分かりやすいようにしっかり補足説明つきの研究計画書の様式等の準備が必要と考えております。ここに書いてありますのは、あくまで告示の条文案ということで御理解をいただければと考えております。
 次のページを御覧ください。
 続きまして、ヒト胚の取扱期間、また、ヒト胚の胎内移植の制限でございます。
 現行の指針の中では、研究の方法欄に、こうしたことを記載してくださいとしておりますが、これも過去に研究計画書の記載が十分でなかった事例がございますので、記載事項として明確化したほうがよいのではないかと考えております。
 続きまして、資料の下半分、ヒト胚やヒト生殖細胞の管理に関する記載事項でございます。
 現行の指針の中では、ヒト胚の管理体制や研究体制の明確化を求めた事例がございますので、研究計画書に記載すべき事項をなるべく明確に書きたいと考えております。
 青枠の中にありますとおり、研究者の氏名、ヒト胚等を取り扱った実績、技術的能力を有することの説明、ヒト胚の管理体制の説明、個人情報保護のための措置、教育研修に係る措置でございます。
 このうち、ハにあります管理体制についてでございますが、関連いたしまして、第16条の規定、こちらは研究機関における管理体制に係る規定でございますが、この中で、研究目的で取り扱うヒト胚、ヒト生殖細胞を他の目的で取り扱うものと区分して管理することを明確化したいと考えております。
 前回の会議では御説明できませんでしたが、提供機関と研究機関が同一の機関の場合というのは多数あるかと思います。例えば、どこかの医療機関が入手したヒト胚を使って研究もやりたいといった場合でございますが、そういった場合には、いわゆる生殖補助医療に使う、医療向けのヒト胚と研究向けの胚で、例えば混ざってしまうということは決してあってはならないことですので、管理を別々にするなど、管理を厳重に行っていただく必要があるのかと考えております。
 こういった規定が、これまで提供機関の規定の中にはあったのですが、当然、医療機関であっても、研究をするのであれば、研究機関でございますので、医療機関としての立場よりは、研究機関の立場として管理体制をしっかりしていただくということを明確化したほうがいいだろうということで、管理に係る規定は、こちらに移してまいりたいと考えております。また、移すと同時に、ここに書いてありますとおり、他の目的で取り扱うものとしっかり区分してくださいということを、明示的に規定を設けたいと考えております。
 次のページを御覧ください。
 続きまして、提供機関に係る規定でございます。提供機関における管理体制につきましても、研究計画書への記載事項というのは明確化してまいりたいと考えております。
 青枠の中にありますとおり、イロハニホヘトとございますが、提供機関の名称や機関の長の氏名、実績能力、教育研修措置、個人情報保護のための措置等でございます。
 先ほど御説明しましたとおり、ヒト胚の管理に係る規定につきましては、医療機関としての管理強化を求めるというよりは、研究機関の立場での管理強化というのを求めるものかと思いますので、この20条にあります規定は削除して、16条に移設をしたいと考えております。
 次のページを御覧ください。
 研究計画書の記載事項としては、こちらが最後でございます。複数の研究機関において共同研究を実施する場合の記載事項でございます。
 前回の会議で御説明しましたとおり、幹細胞由来生殖細胞につきましては、現行指針上は、共同研究先への譲渡を認めておりますが、その譲渡先からの届出というのはいただいておりません。
 ただ、今後、作成をした幹細胞由来生殖細胞を受精してヒト胚にするという研究が出てきますので、譲渡先からも届出をいただく形としたいと考えております。
 まず、それに際しまして、研究計画書の中で、あらかじめ書ける範囲で参画する研究機関というのを全て書いていただくことで、1つの研究計画書で、複数機関で研究を実施していただける形になるのかと考えております。
 青枠の中にありますとおり、第25条の第1項第3号に、取扱い場所を書いてくださいと書いておりますが、括弧内にありますとおり、複数の機関で扱う場合には、その全てを書いてくださいという形にしております。
 また、2段目にありますとおり、複数の研究機関の中には、外国の研究機関が含まれる場合もあるのかなと考えております。
 この場合でございますが、外国の機関には直接日本の指針というのは適用されませんが、特にこのヒト胚、ヒト生殖細胞というのは提供者の同意を取って、体内に移植しないという約束をして入手しているものでございますので、日本の基準と同等の基準で取り扱っていただくということは、国内の研究機関との間で契約を結んでいただく必要があるのかと思っておりますので、そういった内容の説明あるいは契約等の写しをつけていただく、研究計画書にそういったものを盛り込んでいただくことで、倫理審査委員会でも確認をされますし、国のほうでも状況が確認できるという形となっております。
 おめくりください。
 ここまで御説明したとおり、今回、研究計画書の記載事項というのを、これまでの指針と比べまして、明確化を図っていきたいと考えておりますが、今回の見直しは、あくまで明確化ということであって、本質的に計画書に記載する内容というのを見直すものではございません。
 このため、指針の改正に際しましては、これまで既に届出をいただいて実施している研究について、計画書の様式が変わったからといって、改めて様式を出し直していただく必要性というのはないのかなと考えておりますので、指針の改正に際しましては、従前の届出をいただいたものについては、引き続き、届出なしでやっていただけるという形を検討したいと考えております。
 21ページには、国の届出に際しまして、研究計画書に添付していただきたい書類を一覧としております。倫理審査委員会の実績等でございます。こちらの内容は、現行の指針の内容を踏襲したものでございますので、後日、御確認いただければと考えております。
 説明は以上でございます。
【石原座長】 どうもどうもありがとうございます。
 具体的な内容について、詳細に御説明をいただきましたが、御意見、御質問等をお願いいたします。
 いかがでしょうか。よろしいですか。
 金田先生、では、お願いいたします。
【金田委員】 今の御説明の確認だけなのですけれども、21ページのところの確認で、下のところに20条第3号関連と書いてあるのですけれども、もともとの20条第3号は削除したから、これでいいのですかね、16条の第3号ではないのですか。
【木村安全対策官】 大変失礼いたしました。こちらは御指摘のとおりかと思いますので、削除する形で考えたいと思います。
【金田委員】 はい、分かりました。すみません。
【石原座長】 御指摘ありがとうございます。
 では、神里先生、お願いいたします。
【神里委員】 ありがとうございます。
 今回、本当に詳細に、分かりやすくしていただきまして、ありがとうございます。
 それで、研究計画書への記載事項についての追加の御提案でございます。
 人を対象とする医学系指針のほうに書かれているもので、こちらには記載がないものがございまして、それが研究資源等その他利益相反に関する状況といった利益相反関連規定だとか、あとは相談窓口についての規定というものを、医学系指針のほうでは研究計画書と、あと、説明文書のほうにも書くようにということになっております。
 今後、企業さんの参画などもあるように思いますので、そういったことも研究計画書及びインフォームド・コンセントのほうに記載を御検討いただけたらと思います。
 また、30日間の熟慮期間というのを設けますので、それにおいても相談窓口というのを明確に記載事項として置いたほうがよいのかという気もしますので、そちらも御検討いただければと思います。
 以上です。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 いかがでしょうか。
【木村安全対策官】 大きく2つの御意見をありがとうございます。
 まず、相談窓口につきましては、恐らく現行の指針の中でも明記はされていないのですが、当然、クリニックを通じてヒト胚、ヒト生殖細胞を入手しますので、提供者の方も相談がある場合にはクリニックに行くのかと思いますが、恐らくより間口を広げるといいますか、少し悩んでいることがあれば、すぐ相談できるような体制という御趣旨かと思いますので、説明文書の内容としての記載について、どういった工夫ができるのか、検討させていただければと思います。
 また、利益相反につきましては、恐らく研究機関と企業等との関係かと認識しておりますが、ここも持ち帰り、ほかの指針でどういう規定がされているのかを検討の上、次回の会議までにどういった対応ができるのか、検討をさせていただければと考えております。
【石原座長】 どうぞよろしくお願いいたします。
 神里先生、よろしいでしょうか。
【神里委員】 ありがとうございます。
【石原座長】 では、寺田先生、お願いいたします。
【寺田委員】 秋田大学の寺田です。
 今のお話のことなのですが、自分自身、いわゆる余剰胚、提供胚を使わせていただいた研究をしているのですが、実は、きちんとした民間のファンドとかにアプライしてもなかなか採択してもらえないのです。自分の研究のレベルのこともあるかもしれないのですけれども、やはり、民間企業の方というのは、逆に、こういうところにコミットするのは少し引いてしまうみたいなところがあるのかなと思って、そういう点では、そのレギュレーションをきちんと整えていただければ、そういう方面でも、この研究に対する加速がつくのではないかと思って発言をいたしました。
 以上です。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 とても大事な視点だと思いますので、ぜひ、事務局のほうでも、そうしたことを可能にできるような形での御検討をいただければと思います。
 ほかの先生方、御意見、御質問ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、引き続き資料1につきまして、事務局から御説明をお願いできますでしょうか。
【木村安全対策官】 それでは、資料の23ページを御覧ください。
 今回の指針見直しのきっかけとなりました、CSTI生命倫理調査会の報告におきましては、機関内倫理審査委員会の質、透明性・中立性の確保・向上等に向けまして、関係学会の協力を得て、機関内倫理審査委員会に参画する外部有識者の推薦を検討することを求められております。
 これは、CSTIの御議論の中では、研究機関の倫理審査委員会における倫理の質等の向上を図るために何ができるのかといった御審議がございましたが、そういった中で、現状も外部有識者というのは入れることになっているのですが、そういった外部有識者につきまして、国等から経験のある方を推薦するような形ができないかといった御議論があったものでございます。
 上の緑色の枠の中にございますとおり、現行指針あるいは新しい指針の案の中でも同様でございますが、研究機関の倫理審査委員会には、法人に所属する者以外の方を2名以上入れることとなっております。
 専門家の分野といたしましては、生物学、生殖医学、生命倫理、また法律その他人文社会科学系となっております。
 今後、事務方といたしましては、本日の会議後、先生方の御協力もいただきながら、関係学会にアプローチをしてまいりまして、このヒト胚あるいはヒト生殖細胞の研究の分野における御経験豊富な方を御推薦いただきまして、関係省庁のホームページに掲載をできないかと考えております。
 指針の改正までには、まだ多少時間を要しますので、指針の施行までに、こういった取組を進めまして、指針改正後に研究に取り組みたい研究機関は、ホームページに掲載された一覧を見ていただいて、外部有識者にアプローチいただく、こういった形を考えているところでございます。
 御説明は以上でございます。
【石原座長】 ありがとうございます。
 ただいまの件につきまして、その実現性を含めまして、各分野の先生方はおそろいなのですが、御意見等いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 苛原先生、お願いいたします。
【苛原委員】 ありがとうございます。
 多分、日本産婦人科学会、生殖医学会を含めて、そういう御依頼がある可能性が高いと思いますが、これは協力をしていただけるのではないかと思っています。
 1つ、もちろん従来の倫理指針の中にも入っているのですけれども、それと同様に、オンライン等を使っての審査が、一応可能だと考えておいてよろしいでしょうか。いろいろな先生方を集めるのに、当日そこに集まってもらわないといけないとなると、なかなか相手が見つからないことが結構あり得るのではないかなと思いますので、その点だけ確認ですけれども、ほかの指針の中で入っていると思うのですが、そう考えておいてよろしいでしょうかという確認です。
【石原座長】 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
 どうぞ、いかがですか。
【木村安全対策官】 事務局でございます。
 現行の指針の中では、倫理審査委員会の開催のやり方につきましては、特に規定がございませんので、オンラインでも対応可能な形なのかと考えております。
 要件としては、倫理審委員会の構成要件に掲げるすべての者の出席のもとでとりまとめるというのがございますけれども、そこは対面なのか、オンラインなのかというのを特に問うてはおりません。
【苛原委員】 ありがとうございました。
【石原座長】 ガイダンスなどで、明確にその辺りを記載していただくようにする必要があるかと思いますが、いかがですか。
【木村安全対策官】 はい、ガイダンス等の中では、その点、書きたいと考えております。ありがとうございます。
【石原座長】 よろしくお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか、ほかの基礎系の学会にいらっしゃる先生方もいらっしゃると思いますが、寺田先生、お願いいたします。
【寺田委員】 今のお話なのですけれども、かなり、今、生殖系の学会みたいなものがたくさんできて、保険が入ったこともあるのでしょうか、いろいろな領域から注目されて、いろいろな人が参画してきているので、どこにお任せするかということに関しては、苛原先生がお話にあったように、日産婦とか、生殖医療学会とかがあると思うのですけれども、1つの目安として、やはりコンプラの規定のあるところ、そういうところがいいのではないかなと思います。
 以上です。
【石原座長】 とても重要な点だと思いますが、その辺りも反映していただくようにお願いいたします。
 ほかの先生、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、また、最初に戻りまして、資料1を今日御説明いただきましたが、全体を通して御了承いただくということでよろしいでしょうか、御意見等あれば、ぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
 久慈先生、お願いいたします。
【久慈委員】 久慈でございます。
 この資料については、これでよろしいと思います。事務局の御尽力に本当に感謝いたします。ただ前回の会議でもお話ししたのですけれども、2点ほど少し提案というか、皆様にお諮りしたいことがあります。1つは、資料2の2ページを出していただけますでしょうか。
 そこの「適用の範囲及び許容される研究」というところで、第3条の2のところに、「前項に掲げた研究は、次に掲げる目的のためにヒト胚または・・・」と続いていまして、最初が受精、ヒト胚の発生及び発育、着床に関するもの、これは、生殖補助医療研究で認められる。
 2番が、遺伝性または先天性疾患の病態の解明及び治療の方法の問題に関するもののうち、次に掲げるものということで、「イ」が「ヒト胚またはヒト生殖細胞に遺伝情報、改変技術等を用いるもの」で、「ロ」が「ミトコンドリア機能の障害に起因する疾病に関する基礎的研究であって、卵子間核置換技術を用いるもの」と書いてあります。前回もお話ししましたが、この部分の記載は本来は「生殖補助医療研究」と、「遺伝性疾患または先天性疾患の病態の解明または治療の方法に関する研究」、そして「ミトコンドリアの機能の障害に起因する疾病に関する基礎研究」と、この3本立てが分かりやすいと思うのです。
 2番のところで、遺伝性または先天性疾患のほうについては、遺伝情報改変技術を用いなくてはいけないとか、ミトコンドリア機能の障害に起因する研究については、核置換技術を用いなくてはいけないと、特に、2番のイの遺伝性、先天性疾患で遺伝情報改変技術等を用いなくてはいけないということになると、用いない研究はしてはいけないのかということになって、CSTIの報告のほうでは、用いないものに関しては、用いる研究の対象研究としては認められているという少し複雑な形になっています。ここで議論することかどうかは分からないのですけれども、やはり研究をする方たちあるいは倫理審査をする方たちには分かりにくい枠組みだと思いますので、この場あるいはCSTIのほうに、こういう意見があったということで、もう一回遺伝子改変技術等を用いない研究というのが対照研究として遺伝性、先天性疾患についても、ミトコンドリアの機能の障害に起因する研究についても認められているのですけれども、これは対照研究以外の研究として認められるかどうかということを審議していければと思います。その結果、それが認められるようであれば、もっと分かりやすい統一指針になるのではないかと思います。これが第1点です。
 第2点目は、この指針では、1ページに戻っていただけますか。
 第2条のところで、この指針において、次に掲げる用語の意義という用語の定義が出ており、その「三」のところ、「遺伝情報改変技術等は、ゲノム編集技術、その他の核酸を操作する技術を言う」と書いてあります。これ自身は全然問題がないと思うのですが、この後、この指針が直接用いられるかどうか分かりませんけれども、そのゲノム編集をした胚を子宮内移植することを禁じる法律というのを考えることになる可能性が高いと思うのですけれども、その法律で移植が禁止される技術は一体、「ゲノム編集技術等」という形なのか、それとも「遺伝情報改変技術等」という形なのかは、考えておく必要があると思います。というのは、前回の会議でも申しましたけれども、CSTIの報告書は、ほぼ全てゲノム編集技術等と書いてあるのですが、文科省の指針のほうは、遺伝情報改変技術等ということで、CSTIのほうは、範囲を狭く取る趣旨だと思います。具体的にはCRISPR/Casのように確実に継代で遺伝していく。「新しい種をつくる」ような技術を用いた胚は、これは、子宮内移植は絶対にいけないだろうということで考えていると思うのです。
 一方文科省のほうは、もう少しこの研究範囲を広くして、いろいろな研究が出てくるだろうから、ゲノム編集技術であるCRISPR/Casだけではなくて、継代はしないけれども、遺伝子発現に変化を与えるような、あるいは修飾を与えるような技術、放射線とか、あとHDACインヒビターとかというのも含めて、この研究としてするときには、届け出をしてくださいということでつくっていると思うのです。
 ですので、子宮内移植を禁じるというのが、CSTI、文科省のどちらの胚を指しているのかということ、これは倫理に関係することだと思うのですけれども、またこの統一指針には直接関係ないかもしれませんけれども、やはり法律ということになると関係してくる可能性があります。したがって親委員会のCSTIで「子宮内移植しない」ゲノム編集技術等を加えた胚の範囲を議論すべきだと思います。この「三」のところには、遺伝情報改変技術の説明で、「ゲノム編集技術その他」で等がついておらず、その他の核酸を操作する技術を言うと書いてあるので、文科省指針のように広く取るのか、それともゲノム編集技術のみにするのかということを議論していただいたほうがいいかなと思います。少なくともそういう意見が出たということを伝えられないかなと思って発言させていただきました。
 以上です。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 重要なポイントだと思いますが、ほかの先生方、何かこの件につきまして御意見等あれば、藤田先生、お願いいたします。
【藤田委員】 ありがとうございます。
 私も久慈委員と同じ意見でして、やはり、ゲノム改変を加えないけれども、ヒト胚を対照群としてではなく、研究対象として研究したいという研究についても、この指針に含めるのかどうなのかということは、改めて検討したほうがいいのではないかということは思っています。
 というのも、周囲の科学者の先生方から、そういった対照群ではなく、ヒト胚そのものを使った研究をしたいのだけれども、どうすればいいかという相談を受けることがあります。ただその際に、生命科学指針を見てみましょうというお答えしかできなくて、やはり生命科学指針というのは、ヒト胚に特化した事項というのが書かれているわけではないので、なかなかヒト胚保護という観点からいうと、何を守っていけばいいのか、何を遵守していけばいいのかといったときに、参照にしにくいといった点があります。
 もともとなぜヒト胚研究にルールが必要なのかというと、ヒト胚を保護するということが一番の倫理的な課題でありますので、そうだとすると、やはり対照群ではない、ゲノム改変を加えないヒト胚研究をどうするのか、やはりルールが必要ではないか。その際に、それだけが指針の対象から除かれるのではなく、そういった研究もきちんと、そのヒト胚研究として含まれるようなルールになるといいなということは、私も考えております。
 以上です。
【石原座長】 ありがとうございます。
 ほかの先生方、いかがでしょうか。
 苛原先生、どうぞ。
【苛原委員】 私自身も同じような考えを持っています。
 やはり、これから広くこの研究が行われてくると思うのですね。それで、どうしたらいいかというのがよく分からない内容で、研究者が迷うことはできるだけ避けていただければなと。
 実際にやるとしたら、こうだというのができるだけ分かりやすくしていただくのがありがたいかなと思っておりますので、どんな形かは分かりませんが、御配慮をお願いできたらと思います。
【石原座長】 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。今回のこの資料1に限らず、かなり広い範囲で重要な御指摘をいただいておりまして、これは、ぜひ事務局で御検討いただくばかりではなく、今後、ガイダンスその他作成時にも、やはり配慮をしていく必要がある重要なポイントではないかなと考えますが、寺田先生、どうぞ。
【寺田委員】 久慈先生が御指摘になった最初の事項なのですが、僕も文言だけを見て懸念するのは、いわゆる遺伝疾患に対する遺伝子改変を用いない研究というか、対照研究というのは、少しややこしい話かなと思うのですけれども、その辺りと最初のART研究とがごちゃ混ぜになってしまうとうまくないなみたいな懸念は、何となくお聞きしながら持ちました。
 というのは、今、いわゆる臨床的なお話をすると、体外受精が保険診療化されて、いわゆるエビデンスがあまりない、アドオンと呼ばれていろいろな医療があるわけなのですが、それは実際に臨床的有用性も、さらに言うならば、いわゆる科学的な、どういうものなのかということも、まだ分かっていないことがたくさんあるので、それで保険になっていないわけですね。
 それが、今、いわゆる先進という形で物すごくたくさん、ARTの領域だけ先進医療が入っているわけでありますが、ひとえに実験動物では分からない、ヒト発生の、いわゆる遺伝子改変とか、そういう話ではなくて、ヒト発生に関する、いわゆる細胞生物学的な知見がまだないからなのですね。
 ですから、個人的には、もちろん遺伝子改変も重要なことなのですけれども、逼迫している事項としては、やはりART研究を我が国で進めていくというのは、これも非常に大事なことだと思っております。
 その辺りが、1のART研究と、2の遺伝子改変を用いない遺伝病の研究ですか、そこら辺が何となく分かりにくくなってしまうと、うまくないかなと思っています。
 今、いわゆるART研究に関しては、どこもやっているところは、施設内の倫理委員会で審議いただいて、承認が得られたならば、産婦人科学会に届けて、産婦人科学会のほうで審議して、それで登録するという、これはプロセスが出来上がっておりますので、それ以上複雑にするのもどうかなと、もちろんセキュリティを守る必要もあるかと思うのですが、以上です。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 ほかの先生方、御意見いかがでしょうか。
 神里先生、お願いいたします。
【神里委員】 ありがとうございます。
 先ほどの藤田先生の御意見に賛同をしております。今回の指針に関しましては、これまで多数にわたってしまっている指針を一つに統合するということで、そういう目的なので、お示しいただいた新しい指針とは、また話は別の次元になるのかもしれないのですけれども、やはりヒト胚の取扱いというものについての全般的な規制というものは必要だと常々思ってまいりました。
 先ほど藤田先生がおっしゃったように、特別指針群に入らない研究については、医学系指針のほうを参照するようにということになるわけなのですけれども、そちらには14日ルールの規定というのもありませんので、日本では14日ルールで動いているとされていながらも、ルールとしては明確にはなっていない研究というのがたくさんあります。
 また、日産婦のほうでは、研究を行うときのきちんとした制度設計というのができていますけれども、日産婦会員以外でもヒト胚を使う研究というのは、事実上行われていると思いますので、そちらもカバーできるルールをつくっていただければと思っております。
 以上です。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 事務局から何かお答えすることはございますでしょうか。
【木村安全対策官】 本日は、貴重な御意見をありがとうございました。大きく2つ御意見があったものと認識しております。
 1つは、ゲノム編集技術についてどう取り扱うかということ。あと、指針が適用される研究の範囲についても御意見があったものと認識しております。
 考え方といたしまして、今回お示しをしています指針の統合案につきましては、これまでの指針の適用範囲を逸脱しない形で整理をいたしております。現行の指針につきましては、寺田委員から御指摘がございましたとおり、日本産婦人科学会等でしっかり管理をされているという前提のもとで、例えばですけれども、いわゆる観察研究と言われるもの、ART研究と言われるものについて、一部指針の適用から外しているものがございます。
 こういった指針の適用範囲あるいはゲノム編集技術とはという定義の部分といったところにつきましては、引き続き、事務方でも検討してまいりたいと考えております。
 ただ、検討の進め方といたしましては、これも先生方からございましたとおり、他省庁が定めております、考え方あるいは指針との整合性を取るといったこともございますし、また、この会議を12月にキックオフした際に、その前半で、ヒトゲノム編集胚の取扱いについて御議論があったと承知しております。
 そちらの会議の結果とも連動するところでございますので、今回の統合指針の中だけで考えてしまうと、多方面と齟齬が生じてくる可能性もございます。他省庁で進められている検討内容と歩調を合わせていくという観点で、少し事務方として何ができるのかを検討させていただければと思いますし、この会議での進め方につきましては、座長とも御相談しながら、何ができるのか、引き続き検討してまいりたいと考えております。ありがとうございます。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 この会は、3省庁の合同委員会という体裁を取っておりまして、そういう意味では、とてもやり方として、方向性が正しい方向を向いているのではないかなと思う次第であります。今後のさらなる御努力をお願いしたいところであります。
 ほかの先生方、よろしいでしょうか。
 内田先生、どうぞお願いします。
【内田委員】 内田です。
 今のところではなく、資料の2の構成なのですが、第4章のヒト胚の使用の要件というのは、非常に重要なところだと思いますので、第2章の前に移動したほうが内容が明確になりやすいのではないかと考えたのですけれども、いかがでしょうか。
 第2章、第3章のインフォームド・コンセントでも、この第4章の内容を説明する形になっているのですけれども、非常に重要な内容ですので、先にこちらを示しておいて、その後で詳細な手続等についての説明があったほうが、指針として分かりやすいのではないかと考えたのですけれども、いかがでしょうか。今になって言う話ではないのかもしれませんが、御検討いただけたらと思います。
 以上です。
【石原座長】 お願いいたします。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。事務局でございます。
 分かりやすさというのは、とても重要なポイントの1つだと思っております。指針自体は、いわゆる法律用語を使って書かれたものでございますが、実際に読まれるのは研究者の方ですので、読みやすさの観点でどういった工夫ができるのかというのは、内部でも検討させていただければと思います。
 法制面での作法がどうしても出てきてまいりますので、場合によっては、条文の順番は変えられない可能性もございますが、その場合であっても、例えばガイダンスの文章を分かりやすくするとか、先ほど申しましたとおり、説明書なり、あるいは研究計画書に記載すべき事項というのは、こういうことなのだというところの整理というのは、研究者の方に分かりやすい形でお示しをしていくように考えたいと思っております。
【内田委員】 よろしくお願いいたします。
【石原座長】 ほかに、何か御発言のある先生はいらっしゃいますでしょうか。
 もしよろしければ、この事務局からの提案であります、ヒト胚またはヒト生殖細胞の作成、使用その他の取扱いに関する指針ですが、これについて御了承いただいたものとしたいと思います。
 事務局のほうで、今後、必要な手続等があるかと思いますので、進めていただきますようにお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 久慈先生、どうぞ。
【久慈委員】 すみません、もうまとまりかけているところ、久慈でございますけれども、今の内田先生の御発言は非常にごもっとものような気がいたしました。
 最初に、研究の範囲と、それから用いられる範囲ということを示して、それからインフォームド・コンセントのお話をして、それから研究体制となれば、非常に分かりやすい指針になると思います。ですので、少し事務的な問題はあるかもしれませんけれども、個人的には、その意見に大賛成です。
【石原座長】 ありがとうございます。
 そうすると、これを修正する可能性があるかどうかについて、事務局のほうから何か御返事がございますでしょうか。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。
 分かりやすさという点は、ごもっともでございますので、最大限事務方として、どう対応できるかというのを少し詰めてまいりたいと考えております。ありがとうございます。
【石原座長】 よろしいですか、今の点につきましては、もう一度お集まりいただくというのも大変かと思いますので、私、座長のほうに御一任いただくということでよろしいでしょうか。
 内田先生もよろしいですか。
【内田委員】 はい、よろしくお願いします。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 様々な貴重な御意見を頂戴しておりますので、これを踏まえた対応をしていただくように、事務局にお願いしたいと思います。
 さて、続きまして、資料3について、今後の予定かと思いますが、御説明をお願いできますでしょうか。
【木村安全対策官】 資料3、今後の予定についてでございます。
 今後、事務方では、今日いただいた御意見も踏まえまして、条文案の修正を、座長とも御相談しながら進めてまいりたいと思っております。
 3月以降でございますが、指針改正案の取りまとめ、関係省庁の上位部会への報告、また、パブリックコメントの実施とございます。
 ただ、先ほど御説明させていただいたとおり、他省庁での検討状況もございますので、そちらの様子も見ながら、実際に、いつ上位の部会に報告するのかあるいはいつパブリックコメントを実施するのかにつきましては、座長とも御相談しながら、的確なタイミングで進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 予定しておりました議事は、以上で終了でございますが、事務局から何か御追加等ございますでしょうか。
【植田補佐】 委員の皆様、ありがとうございます。
 次回の委員会の開催及び日程につきましては、座長と相談の上、決定し、御案内申し上げたいと存じます。
 事務局からは以上でございます。
【石原座長】 どうもありがとうございます。
 それでは、本日の会合は、以上にて終了したいと存じます。御協力ありがとうございました。どうもお疲れさまでした。

 
―― 了 ――

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