ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱い等に関する合同会議(第1回)
※下記の専門委員会との合同開催
・こども家庭庁 こども家庭審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会(第7回)
・厚生労働省 厚生科学審議会 科学技術部会 ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会(第9回)
・厚生労働省 厚生科学審議会 科学技術部会 ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会(第19回)
令和7年12月4日(木曜日)13時00分~14時42分
WEB会議
・ヒト受精胚を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会
石原座長、阿久津委員、井田委員、苛原委員、内田委員、神里委員、髙山委員、長嶋委員、藤岡委員
・ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会
久慈主査、秋元委員、内田委員、片桐委員、寺田委員、長嶋委員、藤田委員、山田委員
・ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会
五十嵐座長、上野委員、内田委員、大黒委員、片桐委員、加藤委員、神里委員、佐原委員、杉浦委員、三浦委員、山口委員
・ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会
岡委員長、井田委員、苛原委員、梅澤委員、大黒委員、片桐委員、金田委員、神里委員、佐原委員、髙山委員、松本委員
こども家庭庁成育局母子保健課 石丸生殖補助医療対策推進官、植田課長補佐
文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室 木村安全対策官、橋本室長補佐
厚生労働省大臣官房 佐々木危機管理・医務技術総括審議官
厚生労働省大臣官房厚生科学課 荒木課長、大井企画官、鈴木課長補佐、江田研究企画推進官、谷口科学技術・イノベーション推進専門官
厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課 磯島課長補佐、大石課長補佐
【大井企画官】 定刻となりましたので、ただいまから、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱い等に関する合同会議を開催いたします。
本日は、お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。厚生労働省大臣官房厚生科学課の大井と申します。
本合同会議は、こども家庭庁こども家庭審議会科学技術部会ヒト受精胚等を用いる生殖補助医療研究等に関する専門委員会、文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会の3省庁4委員会の合同で開催いたします。
本日は、後ほど御説明いたしますように合同会議として最初の会議でございますので、座長が選出されるまでのしばらくの間、私が進行を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
本日の会議は、一部の委員を除き、オンラインでの開催としております。オンライン参加の方は、御発言される場合には、あらかじめ『手を挙げる』ボタンを押していただき、座長からの指名の後に御発言ください。御発言が終わりましたら、再びミュートにしていただくよう、お願いいたします。
また、会議の模様はYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
資料は随時投影いたしますが、通信環境が悪くなった場合は投影を中止する場合があります。その場合は、委員の皆様は事前にお送りしている資料、傍聴の方は各省ホームページに掲載されている資料を御覧ください。
次に、委員の交代がございましたので、御報告いたします。今回の会議より、文部科学省ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会の委員として秋元委員、厚生労働省ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会の委員として上野委員、厚生労働省ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会の委員として梅澤委員に、御参画いただいております。また、厚生労働省ヒト受精胚を用いる遺伝性・先天性疾患研究に関する専門委員会の大黒委員には、今回よりヒト受精胚等の臨床医療のあり方に関する専門委員会の委員も兼任いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、本日の委員の先生の御出席について、御報告いたします。井上委員、大須賀委員、小崎委員、武田委員、西山委員が御欠席となっております。また、長嶋委員からは少し遅れている御参加の旨、阿久津委員、井田委員からは途中退席の旨、あらかじめ御連絡いただいております。現時点で26名の委員の方に御出席いただいております。
次に、事務局、厚生労働省の人事異動により、大臣官房厚生科学課長は、眞鍋の後任として、7月8日に荒木が着任しております。一言、御挨拶を申し上げます。
【荒木課長】 厚生科学課長、荒木でございます。議論のほう、よろしくお願いいたします。
【大井企画官】 続いて、本日の会議資料を確認させていただきます。事前に、議事次第のほか、資料1-1から資料7、参考資料1から5まで、お送りしております。資料の不足等がございましたら、お知らせください。
では、冒頭の頭取りでございますけれども、ここまでとさせていただきます。プレスの方に関しては、御協力をお願いいたします。
まず、資料の1-1から始めさせていただきます。お手元に資料の1-1を御準備ください。
こちらに関しましては、開催要綱でございます。1ポツ、背景でございます。これまで総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の専門倫理調査委員会におきまして、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚を人または動物の胎内に移植することに関して議論されておりまして、その中で法的規制の在り方も含めた適切な制度的枠組みの検討というものが各省庁に求められておりました。それを受けまして厚生労働省の検討会で検討を進めておりましたが、今般、こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省のほうで合同の会議を行いまして、今申しましたゲノム編集技術等の取扱いの規制の在り方に関して幅広く検討を行うというものにさせていただいております。
2ポツの運営方法でございます。まず、(1)は、座長でございますけれども、座長は委員の互選により選任するということにしております。また、代理する者を座長が指名いただくということにしております。(2)は、参考人に関しましてで、参考人を招致し、意見を求めることができるとしております。(3)は、議事の特例ということでございまして、やむを得ない事情にあります場合に関しては、文書その他の方法により議事を行うことができるというふうにしております。(4)は、公開に関してでございます。合同会議の議事及び会議資料については、原則公開としております。ただし、内容によっては非公開とすることもあるというふうに記載しております。最後、(5)その他でございますけれども、その他に関して、運営に関することは必要に応じて座長が定めるということにしております。
以上が、資料1-1の説明でございます。
なお、文部科学省のヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会に関して、第13期の初回の会合となりますため、資料1-2の当該委員会の運営規則(案)も併せて御確認いただければと思います。
資料1-1に関しまして、座長でございますけれども、五十嵐先生にお願いをさせていただこうと思っております。こちらに関しまして、いかがでございますでしょうか。
異論等ございましたら、御連絡いただければと思います。
(「異議なし」の声あり)
【大井企画官】 特に異論等ないということでございますので、五十嵐先生に座長をお願いいたしたく存じます。
以降の議事運営につきましては、五十嵐座長にお願いしたいと思います。
五十嵐座長、どうぞよろしくお願いいたします。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
新しい合同会議の座長に御指名いただきました、成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。合同会議といたしましても、活発な議論を進めていただきたいと思います。
まず、座長の代理についてですけれども、「合同会議の委員のうちからあらかじめ座長が指名する者が、その職務を代理する」というふうに決められております。座長の私から、指名をさせていただきたいと思います。文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会ヒト受精胚等を用いる研究に関する専門委員会の久慈先生にお願いしたいと思います。
久慈先生、お引き受けいただけますでしょうか。
【久慈副座長】 力不足ですけども、やらせていただきます。お引き受けいたします。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
では、議事に入りたいと思います。本日の資料の構成を踏まえまして、まず、資料2と3について、事務局から御説明をいただきます。その後に、質疑応答、意見交換などの時間を取りたいと思います。
では、事務局から、資料2と3につきまして、説明をお願いいたします。
【江田研究企画推進官】 事務局より、御説明いたします。
まず、資料2を御覧ください。資料2では、これまでの主な経緯と、本日御議論いただきたい事項をまとめております。
これまでの主な経緯ですが、まず、令和元年6月に、内閣府が事務局を務めています総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)において、「「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次)」が取りまとめられ、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等を人または動物の胎内に移植することに対して、法的規制の在り方も含めた適切な制度的枠組みの検討が関係省庁に求められたところです。
これを受けて、厚生労働省にゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床使用のあり方に関する専門委員会が設置され、令和2年1月7日には「議論の整理」がまとめられました。この「議論の整理」では、規制対象技術、規制の実効性の担保や将来的に臨床医療が容認される可能性について、おまとめいただいています。本日の参考資料2におつけしています。さらに、この専門委員会を含む合計4つの専門委員会において、令和6年9月から11月にかけて御議論いただき、技術の対象範囲や運用など、個々の具体的内容について御議論いただきました。
本日は、これまでの議論を踏まえ、下の枠囲みに記載しています2点について、御議論いただきたいと考えております。
1点目は、これまでの各専門委員会等で御議論いただいた御指摘に対する対応の具体的な方向性について御確認いただき、併せて、今後、規制の具体化を図る上で注意すべき点、勘案すべき点について、幅広く御知見を賜りたいというものです。
2点目は、令和2年に「議論の整理」をおまとめいただき、令和6年にも4専門委員会で御議論いただいたところですが、一定の時間が経過していることから、今回改めて、令和7年度版の「議論の整理」(案)を御提示させていただいています。令和2年の「議論の整理」の内容に修正がないことを確認いただくとともに、令和6年の議論を基に具体的な法的規制の在り方を「議論の整理」に追加しておりますので、その内容についても御確認いただきたいということになります。
続きまして、資料3を御覧ください。資料3では、これまでの各委員会における主な御意見と、対応する考え方をお示ししています。これまでにいただいた御意見を、2ページ目に、1ポツ、規制の対象とすべき技術の範囲について、3ページ目に、2ポツ、規制のあり方について、4ページ目に、3ポツ、その他について、三つのグループに分けて記載をし、左側に御意見、右側に御意見に対する考え方をお示ししています。なお、御意見の後ろに隅付き括弧で番号を記載していますが、この番号は5ページ以降にお示ししている詳細な御意見の番号に対応しており、2から4ページでは、適宜、要約した御意見を記載させていただいております。
では、2ページ目を御覧ください。まず、規制の対象とする技術の範囲について、柔軟に見直すことが必要との御意見をいただいています。これについては、ゲノム編集技術等は、技術革新が著しい分野であることから、科学技術の進歩等に伴う必要な見直しを行えるような規定を設けたいと考えております。将来的に規制の対象範囲を見直す必要が生じましたら、この合同会議を含めた、しかるべき場において御議論いただいた上で見直すことになると考えております。
次に、規制の対象範囲を明確にすべき、広げ過ぎないようにすべきとの御意見をいただいています。これについては、予測し得ない遺伝子改変をもたらす可能性があり、それによりヒト胚及び人の発育に重大な影響を及ぼすおそれのある技術については、原則、規制の対象とする方針で考えております。規制の対象とすべき具体的な技術の範囲については次回以降の本合同会議において詳細に御議論いただきたいと考えておりますが、現時点では、米印に記載しているとおり、エピジェネティックな技術やミトコンドリア病における核置換術については、これまでの御議論を踏まえて規制の対象とする。iPS関係については、iPS細胞等の幹細胞から生殖細胞に分化誘導させる研究、こちらは、現在、「ヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針」という指針に基づいて行われている研究になりますが、こういった研究については、近年の国内外での研究の現状、エビデンスの蓄積を踏まえて、研究を実施することの届出は求めるもの、適切な措置を講じた上で容認するという方向で検討しております。iPS関係のこのような研究については、参考資料5でお示ししています生命倫理調査会の報告書においても、これまでの研究の進展を踏まえ、iPS細胞をはじめとする幹細胞由来生殖細胞を受精させる研究を今後認めていくべきとの見解も示されているところですので、このような研究を阻害しないことが重要と考えております。
次に、3ページ目を御覧ください。まず、諸外国の状況等を踏まえ、国内における臨床利用に関する法整備を早急に進めることが必要との御意見をいただいております。これに対しては、法制度の整備に向けて、引き続き、関係省庁で必要な取組を進めていく所存です。
次に、基礎的研究の進展を過剰に制限しないように、また、規制のみの法整備を進めると誤解されないように留意すべきとの御意見をいただいております。これについては、ゲノム編集等が施された個体産生に至るような行為、具体的には胎内移植になりますが、こういった行為は確実に禁止できるよう、実効性のある法的規制を設けるとともに、研究環境の整備を通じて科学技術の健全な発展に寄与できる仕組みとすることが必要と考えております。そのため、臨床利用と基礎的研究を明確に区別して、法の枠組みを構築することとしています。
次に、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の取扱いに係る審査体制について検討が必要との御意見をいただいております。ゲノム編集受精胚等を取り扱う場合には国への届出を求める制度を考えておりますが、取扱計画の妥当性の確認については、専門の知見を有する方から構成される会議体を設けて、そこにお諮りすることを想定しております。詳細は、次回以降の本合同会議において御議論いただきたいと考えております。
次に、罰則に関する御意見についてですが、人の発育や将来世代に直接影響を及ぼすおそれがある胎内移植禁止規定に違反した場合や虚偽の届出をした場合には、直接的な罰則を科すことを想定しています。一方で、昨年の議論でも、適正な取扱いを担保するための指針を定め、指針に従って取り扱うことが適当という御議論をいただきました。指針に違反した取扱いをしてしまったという違反も想定されるところ、指針の違反に直ちに罰則を科すのではなく、措置命令をかけた上で、従わなければ罰則という体系を想定しています。
4ページを御覧ください。3ポツ、その他として、まず、関連する既存の指針を分かりやすい形にすることが必要という御意見をいただきました。これら関連する指針の合理化については、引き続き必要な検討を進めてまいりたいと思いますし、新法に基づく指針の策定に当たっても、次回以降、本合同会議の御意見を伺いながら、検討を進めていきたいと考えております。
最後に、国民の参加による議論の場が必要、差別につながらないようにすべきという御意見をいただいております。これについては、本合同会議にも様々なお立場の委員に御参画いただき、多角的な御意見をいただいているところです。引き続き、本合同会議を含めた、しかるべき場において御議論していただくことが重要と考えております。
事務局からの説明は、以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございました。
それでは、ここから、資料2と3につきまして、質疑応答の時間にしたいと思います。構成員の先生方におかれましては、御質問あるいは御意見がありましたら、お願いしたいと思います。「挙手ボタン」を使って、意思を示していただけますか。
では、久慈先生、お願いします。
【久慈副座長】 ありがとうございます。一つ教えていただきたいのですが、資料3の2ページ目、規制の対象とすべき技術の範囲ですが、ゲノム編集技術についてはもちろん厳しい規制をかけなければいけないということは自明だと思います。ただその規制の範囲については、ここに書いてありますように、あまり広過ぎるとこの分野の研究発展そのものを抑制してしまうおそれがあって、そこでちょっと気になったのは、右側の御意見に対する考え方のところで、下のほうの米印に「例えば、エピジェネティックな技術やミトコンドリア病における核置換術については従前の御議論のとおり規制の対象」って書いてあるんですけど、この二つは本質的にちょっと違うと思います。核置換術は完全に遺伝子を入れ替えてしまいますので、これはゲノム編集技術と似た「新しい遺伝子セットを作る」ことが起こるけれど、エピジェネティックに関しては、世代を超えて伝播するか、それは今ホットに研究が行われている分野であることは承知しているんですが、明らかに世代を超えて恣意的にある遺伝子の発現の様子を変えるということは証明されていないので、これまで規制の対象に入れてしまうとちょっと広過ぎるのかなと思うんですけども、いかがでしょうか。
【五十嵐座長】 どうぞ。
【江田研究企画推進官】 事務局より、お答えいたします。エピジェネティックな技術については、前回の御議論でも同様の意見をいただいていた一方、長期間、その影響が残る技術や次世代にも伝わる技術もあるという御指摘もいただいているところです。本日、規制の大枠を決める段階では対象となる技術は広く取っているものの、個別具体的な技術については、次回以降の本合同会議で御議論いただきたいと考えております。基礎研究を阻害しないようにという御指摘は非常に重要だと、事務局としても考えております。過剰な規制とならないように、エピジェネティックな技術の中でも、どこまでを規制対象として、どこからは規制対象としないのかというところは、慎重に検討していきたいと考えております。また、技術の進展に応じて柔軟に対象技術を変えられるような枠組みとしたいとも考えております。
以上です。
【久慈副座長】 この発言をさせていただいたのは、生殖補助医療の分野では、多分、これからそういう技術が、要するに、世代は超えないけれども、例えば配偶子の間に遺伝子の発現を変えて不妊症を治療しようとかというのは、恐らく外国でも出てくると思うんですね。今、資料を見せさせていただいた限り、海外でゲノム編集技術は確かに規制されているんですけど、それ以上、エピジェネティックなものまで規制しているところはないように見受けられますので、これは慎重に御議論いただきたいと思います。
以上です。
【五十嵐座長】 御意見、ありがとうございます。
では、山口先生、お願いします。
【山口委員】 ありがとうございます。山口でございます。
資料3の4ページの主な御意見のところで、国民に周知するだけではなくて、広く議論の場をという意見があって、それに対して、「多角的な背景を持った方からの御意見が得られるよう、引き続き、本会議を含めた然るべき場において議論を行う」と書かれているんですけれども、広く議論することは非常に大事だと思っておりまして、今も四つの会議が合同になっているわけですが、それ以外の然るべき場とは、何か具体的な場をイメージされているのでしょうか。例えば、パブコメをするというような想定なのか、あるいは、そのことについてもここで議論をしていくということなのか、今の段階での事務局の御意見を聞かせていただければと思います。
【五十嵐座長】 お願いします。
【江田研究企画推進官】 事務局より、お答えいたします。本日の御議論を踏まえて、新法という形でこちらの規制をかけていきたいと思っております。法律を出すときには、国会の場で御議論いただくことになります。さらに、運用に関しては下位法令で定めることになりますので、その際には、パブリックコメントを実施して、広く国民の皆様から御意見をいただきたいと考えております。
以上です。
【山口委員】 分かりました。ありがとうございました。
【五十嵐座長】 私から質問ですけど、こういう新しい技術に対して、国民に対して、何か教育、あるいは啓発活動のような、そういうことは考えていらっしゃいますか。
【江田研究企画推進官】 今の時点で具体的にこれというものはないんですけれども、今日も報道関係者の方がたくさん来ていただいています。メディアを通じて、こういった議論があることを国民の皆様にもお伝えいただけるかと思いますので、メディアの方々に正確な情報をお伝えするというのが、本日、我々ができることかなと思っております。
【五十嵐座長】 フランスなどでは、国民議会制度というのがあって、選ばれた人たちを集中して教育したりとか、あるいは国民に対して啓発活動を積極的にやったりというふうな、CSTIの会議のとき、フランス大使館で委員会が開かれたんですけども、そういうような情報もいただいていますので、海外ではかなり、国民に対して、新しい技術を分かっていただくような、そういう努力もしているようですので、ちょっと検討していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
加藤先生、お願いします。
【加藤委員】 大阪大学の加藤です。今の点ですけれども、以前、「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」の見直しをしたときに、内閣府と日本科学未来館でトークイベントをやったことがあります。そういったことは今回も非常に意義があると思いますので、パブリックコメントだけではなくて、例えば、ここにいる委員とか、あるいは研究をやられる可能性のある方々と直接話をするようなことも含めて、どこまでやるかというのは難しいと思いますけれども、スタンスとして、いろいろ街に出ていくという形を取るのは有意義なのではないかと思います。
同時に、もう一つ、お聞きしてもよろしいですか。
【五十嵐座長】 どうぞ、お願いします。
【加藤委員】 資料3の3ページですけれども、先ほど御説明があったように、令和2年に「議論の整理」を行ったときから、法的な規制は要るのではないかという話はずっとしておりまして、今回、それに向かって本格的に活動が動くということは大変いいことだと思っております。その上で、法的規制が必要だということで、「法制度の整備に向け、必要な取組を進める」ということですが、指針に関する議論も必要ですし、法律に関する議論も必要ですし、その辺り、どのような、方針というか、整理というか、今考えておられるのか、現在の時点で結構ですので、少し御説明が聞きたいと思います。右の一番上の丸についてです。
【江田研究企画推進官】 ありがとうございます。まず、法案につきましては、国会でできるだけ早く御審議いただけるように、事務方としては引き続き努力していきたいと思っております。法案が成立しましたら、施行に向けた、いろいろな準備を進めていかなければならないところです。
ちょっと順番が前後して申し訳ないんですけども、資料7のほうに、今後の検討事項も含めて挙げさせていただいております。
【加藤委員】 了解しました。そちらでお聞きしてから、必要ならコメントするようにします。ありがとうございます。
最初の点はいかがでしょうか。いろいろな、開かれた議論の場ということについては。
【江田研究企画推進官】 貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。この法律が実際に運用されるまでの間に、国民の皆さんにいろいろ知っていただくためにやっていかなければいけないことと思います。本日いただきました御意見含めて、どういったことができるか、考えていきたいと思います。
【加藤委員】 座長、もう一言申し上げてよろしいですか。
【五十嵐座長】 どうぞ。
【加藤委員】 ありがとうございます。本日、山口委員もおられますし、様々な市民・患者の立場の方々がおられると思います。私の個人的な見方になりますけれども、この5年ほど、コロナが明けてからという言い方もできるかもしれませんが、日本中の患者の立場の方々及びその関係の方々、市民と呼べる方々も含めて、本当に活発に、こういった医療技術、あるいは医療そのものの在り方について、いろいろな場で発言されるという動きがいい意味で広がってきていると見ています。患者・市民参画という言葉もありまして、そういった領域も非常に広がりを見せていると思います。ですから、ぜひ、そういったボトムアップというんですか、そういった活動とうまくつながりを持つことによって社会の中での議論が進むと思いますので、今回のテーマについても、そういった見方もうまく取り入れていくといいのではないかと思っております。
長くなりまして、申し訳ありません。以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
それでは、石原委員、お願いします。
【石原委員】 女子栄養大学の石原でございます。今、加藤先生がおっしゃられたことの続きになるわけですが、今日は幸いにして文部科学省の方もおいでになっておりますので、特にゲノム編集だけに限るのではなく、ゲノムあるいはゲノム医療全体を含めた学校教育も含めて、子供たちの世代からこのような理解を深めて、国民全体のリテラシーを向上できるような動きにつながるような政策をお願いできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【五十嵐座長】 では、山口委員、またお願いします。
【山口委員】 先ほどの加藤委員の御発言を受けてですけれども、これは非常に重要な問題だと思うのですが、関心を持つ一般の方は自分に関係している方ぐらいになると思うんですね。一般の国民にとっては非常に難しい問題でもありますので、できるだけ、広く、分かりやすく周知していく、今、こういった動きがあるんだというようなことを多くの方に関心を持っていただけることが私も大事だと思っていますので、今までとはちょっと違うような、単にパブコメだけに終わらないような動きにぜひともしていただきたいと思っております。
【五十嵐座長】 御意見、ありがとうございます。
では、大黒委員、お願いします。
【大黒委員】 日本難病・疾病団体協議会の大黒です。私も加藤委員の発言を受けてなんですけども、技術革新もとても大事ですし、私たちもそれに対してとても関心を持っています。また、将来の世代にわたって重大な影響を及ぼすという部分もありますので慎重にということなんですけども、それでも技術も大事ということで、そのための議論をするためには、私たち患者も含めて議論をしていく必要があると思います。ですから、本当に難しいことなんですけれども、できる限り分かりやすく示していただける、私たちも議論ができるというようなところで確認いただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
【五十嵐座長】 御意見、ありがとうございます。
先ほど石原委員から文科省への御要望がありましたけれども、何か、文科省のほうから、現時点でお答えできるような内容はありますか。
【木村安全対策官】 ありがとうございます。文科省でございます。
ヒト胚の研究に限定して言いますと、現時点で法規制はございませんが、指針があります。その指針の中で、研究者の方には、いわゆる研究論文みたいな形だけではなくて、一般の方に分かりやすいような形での周知活動をお願いしているところでございます。当然、研究者の方だけがやればということではなくて、行政の支援等も必要な場合もあるかと思います。広く一般の方に対する科学技術の説明というのは常々ある課題かなと思いますので、引き続き、大きなテーマの一つということで、しっかり文科省としても認識してまいりたいというふうに考えております。
ありがとうございます。
【五十嵐座長】 学校教育でどういうふうに取り入れるかというようなことはなかなかこの場では言えないと思うんですけれども、学校教育でもできるだけ、そういう世の中の動き、新しい技術について、紹介するようなことは?
【木村安全対策官】 例えばでございますけれども、学校教育の現場で何を教育するのかというのは、当然、個々の地域の教育の判断ということになるかと思うんですが、私ども、同じ部局で遺伝子組換えに関係するカルタヘナ法という法律を所管しておりまして、その例で言いますと、専門性が高くて非常に難解なテーマになりますので、関係省庁で協力して、一般の方でも分かりやすいようなマテリアルを作りまして、いつでも使っていただけるような状態にして置いておく。そういったものを活用していただくというのも行政の一般向けへの周知活動の一つのやり方かなと思いますので、そういった形も含めて、何ができるのかというのは、厚労省はじめ、関係省庁と一緒になって考えてまいりたいというふうに思います。
【五十嵐座長】 御回答、ありがとうございました。
そのほかいかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、ほかに御意見ないようですので、続きまして、資料4から6について、事務局から御説明をお願いいたします。
【江田研究企画推進官】 事務局より御説明いたします。まず、資料4を御覧ください。
前回の専門委員会では、ゲノム編集技術等が用いられたヒト胚やヒト生殖細胞について、人・動物の胎内への移植を禁止し、罰則を設けることとしてはどうか、クローン法を参考に適正な取扱いのための取扱計画書の届出制度等を設けることとしてはどうかという2点についてお諮りし、御了承いただいたところです。資料4は、基本的に前回のおさらいになります。
1ページ目は、胎内移植禁止規定についてです。一つ目のアスタリスクのみ、今回新たに追加した点になります。ゲノム編集技術等を用いて加工されたヒト胚・ヒト生殖細胞については、人と動物への胎内移植は原則禁止としますが、動物への胎内移植であって、個体産生につながらない基礎的研究であれば、取扱計画書の届出は求めるものの、適切な措置を講じた上で容認することが考えられるとしています。
二つ目のアスタリスクは、対象となる技術は、いわゆるゲノム編集技術だけではなく、「核酸や遺伝子の発現と密接な関係を有する物の構造又は機能に影響を及ぼすことで、遺伝子の発現に影響を与え得る技術」として、広く指定することを想定しています。具体的には、従来からの遺伝子改変技術等に加えて、ゲノム編集技術、エピゲノム編集技術、RNAを対象とするトランスクリプトーム編集技術、エピトランスクリプトーム編集技術といった技術を想定していますが、科学技術の進展に合わせて、迅速な形で定める法体系とすることを検討しています。
三つ目のアスタリスクは、ヒト胚の定義についてです。ヒト胚は、人または動物の胎内において発生の過程を経ることにより一の個体に成長する可能性のあるもののうち、胎盤の形成を開始する前のものとしております。
四つ目のアスタリスクは、ヒト生殖体細胞の定義です。精子、未受精卵のほか、それらに変化する過程にある細胞、いわゆる始原生殖細胞を含むとしております。また、米印にあるとおり、iPS細胞などの幹細胞から分化誘導させて作られる生殖細胞も対象とすることを予定しております。
最後のアスタリスクですが、ゲノム編集されたヒト生殖細胞とゲノム編集されていないヒト生殖細胞を受精させて生じる胚も対象になるとしています。なお、米印にあるとおり、ゲノム編集技術を用いるものであっても、一部はクローン法により既に規制対象となっているため、これらは引き続き特定胚としてクローン法による規制を受けることとし、新法が成立しても、新法の対象とはしない予定です。
2ページ目を御覧ください。2ページ目は、適正な取扱いの確保に関して、まとめてあります。
一つ目の丸は、指針についてです。ゲノム編集技術等を用いて加工されたヒト胚・ヒト生殖細胞の取扱いに関する指針を国が定め、ゲノム編集胚等を扱う方々には、その指針を守っていただくことを予定しています。指針の策定・変更に当たっては、この合同会議の御意見を伺うことになりますが、CSTIの御意見も伺いながら進めることを想定しております。
二つ目の丸は、取扱計画書に関してです。ゲノム編集胚等を用いた研究を行う場合は、あらかじめ取扱計画書を作成いただき、国に届け出ていただくことを予定しています。届出後60日間は作成等に着手できず、その間に国は取扱計画書が指針に適合したものになっているかを確認し、適合していなかった場合は、国が取扱いの中止や取り扱う方法の改善を命ずることができるようにすることを検討しています。
三つ目の丸は、記録の作成や報告徴収に関してです。ゲノム編集胚を取り扱う方には、記録の作成義務をかける予定です。また、国は、ゲノム編集胚を取り扱う者に対して、報告徴収・立入検査を行うことができるとし、指針に適合していない場合は必要な措置を命ずることができるようにすることを検討しています。
四つ目は個人情報の保護に関してで、ヒト胚やヒト生殖細胞の提供者の個人情報を適切に管理することを求める予定です。
次に、資料5の御説明をさせていただきます。資料5、「議論の整理(案)」を御覧ください。参考資料2におつけしているとおり、令和2年に臨床利用のあり方専門委員会が「議論の整理」を取りまとめています。令和2年の「議論の整理」に資料4で御説明した法的規制の具体的内容を盛り込み、さらに必要な時点修正を行ったのが資料5になります。
表紙の次のページの目次を御覧ください。IIの2ポツの2-2)具体的な規制内容についてが、資料4で御説明した内容になります。資料2の本日御議論いただきたい事項でもお伝えしたとおり、本日は、この資料5について御確認いただき、可能であれば御了承いただきたいと考えております。ごく簡単に、資料5の内容も御紹介していきます。
3ページのIの「はじめに」では、こちらの議論が始まった経緯を記載しています。4ページの最後の段落に、この合同会議においても、令和2年の「議論の整理」に修正がないことを改めて確認するとともに、具体的な規制の在り方も含めて取りまとめを行うものであるという、令和7年の「議論の整理」の目的を記載しております。
5ページからのII.各論点では、ゲノム編集技術等の現状を記載するとともに、6ページの下のほうを御覧いただければと思いますが、枠囲みの2点について、令和2年に御議論いただき、本会議においても、「令和2年以降の状況を考慮しても考え方に修正がないことを確認するとともに、具体的な規制内容についても検討を行った」としております。
7ページからの1.規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲については、令和2年から変更しておりません。8ページの下のほうの枠囲みや9ページの表1のとおり、「広く規制の対象とする」としております。
10ページからの2―1)規制の実効性の担保についてです。諸外国の規制状況に関しては、時点修正を行っています。12ページの表2の日本の規制状況についても、令和6年にin vivo遺伝子治療を再生医療等安全性確保法の対象とする法改正が行われ、令和7年5月に施行されたことを踏まえ、更新しております。
次に、13ページを御覧ください。2-2)具体的な規制内容については、今回追加した項目になります。資料4で御説明した内容を文書に書き起こしたものになります。胎内移植は禁止するとともに、研究段階から適切な取扱いを担保する規定を設けることで、「研究環境整備を通じて技術的発展にも貢献するもの」としています。さらに、クローン法を参考としつつ、基本的な枠組みとしては、14ページのマル1、取扱いの適正性に関する指針の策定と遵守、15ページのマル2、取扱計画書の作成と届出、届出後一定期間の取扱制限、計画の指針不適合の取扱中止・方法改善等の措置命令、マル3として、記録の作成義務、報告徴収・立入検査・措置命令といった枠組みを講じるべきとしています。
続きまして、16ページに行きまして、2-3)臨床利用が容認される可能性についてですが、こちらも、18ページの枠囲みにありますとおり、将来的に臨床利用が容認されるためには、「その時代における様々な科学技術的課題に基づいた安全性の評価に関する考え方の構築や、臨床利用に際して必要な社会的倫理的課題に対応する体制の整備等が必要であり、今後、我が国と諸外国での検討状況や科学技術の進捗なども踏まえ、社会的受容性を確認しながら、継続的に検討していくことが必要である」と、令和2年時点で取りまとめており、今回もこの結論を維持するのが妥当としております。
19ページのIIIの「おわりに」です。1段落目で、「ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用に対しては、規制の実効性の担保を可能にする制度的枠組を設けることが必要であり、本会議では法律による規制が必要と判断した」としております。一方、下から3段落目の「また」以降に示しているとおり、ゲノム編集技術等の範囲や取扱いに関する具体的な運用に関しては、引き続き、この合同会議での議論が必要としており、次回以降にお願いしたいと考えております。
以上のとおり、令和2年の「議論の整理」の内容に、令和6年に議論いただいた規制の具体的内容を付け加えて、令和7年の「議論の整理(案)」として提示させていただきましたので、この内容に修正がないかを御確認いただきたく、この後、御審議のほど、お願いいたします。
最後に、資料6も御説明させてください。資料6は、資料5の概要の資料になります。三本柱で記載しております。一つ目は、規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲についてで、現時点では、知見が乏しいため、広く規制の対象とすると記載しております。
二つ目は、規制の実効性の担保・具体的な規制内容についてで、人・動物の胎内への移植の禁止、指針の策定・遵守義務、取扱計画書の作成・届出、届出後一定期間の取扱制限、指針不適合時の取扱中止・改善命令、記録の作成義務、報告徴収・立入検査・措置命令等といった措置を法律によって課すことが必要であるとしています。
三つ目は、将来的に臨床利用が容認される可能性についてでして、科学技術的課題、社会倫理的課題に対応した上で、諸外国の検討状況や科学技術の進歩を踏まえ、社会的受容性を確認しながら、継続的に検討していくことが必要としております。
御説明は、以上になります。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございました。
それでは、説明いただきました資料4から6につきまして、御意見あるいは御質問がありましたら、お願いしたいと思います。
それでは、上野先生、お願いします。
【上野委員】 委員の上野です。今回初めて加わらせていただきまして、資料6の主に規制の実効性の担保というところで書いていただいていまして、これは、今後、子細、具体的にどういうふうに規制をするか、具体的に担保するかというような議論をされていくところだと思うんですけれども、今回初めてですので、ちょっとコメントをさせていただきます。
確かに、実効性のある規制、罰則であるのか、措置命令であるのかというのは、なかなか具体的なデザインとしては難しいところもあるのかなあと思っておりまして、例えば、胎内移植のところは禁止するということで、そこに至るまでの段階でも、計画書を出させたり、規制を設けたり、あるいは、それに違反したときに罰則を設けたり、措置命令をしたりというところで防いでいこうという、その基本的なアイデアはそのとおりでよろしいのかなあと思っているんですけれども、例えば、そういった計画書をちゃんと出してくれようとしたり、それに違反してしまったので、それを是正しましょうみたいな、適切なトラックに乗ってくれればいいんですが、そもそも、そういうことを知らないで裏でこっそりやって移植しちゃったみたいな場合にどうしたらいいんだろう。胎内に移植してしまって、もう個体が生まれそうな状態になったら、具体的に罰則・刑罰みたいのを与えるのはさておき、どうやって防ぐかというのはなかなか難しいと思うので、そういったところも考えながら罰則なり規則なりをつくって必要があるのかなと思ったり、あと、海外でも似たような規制があるので事実上は無理なのかもしれないですけど、例えば、胎内に移植するところまでを海外でやって、それを国内に持ち込んだらどうなるのかみたいな話とか、いろいろ考えていくところもあるのかなあと思ったりした次第です。今までどういう議論がされていたか承知してないんですけれども、そのようなこと思ったものですから、コメントをさせていただきます。
【五十嵐座長】 お願いします。
【江田研究企画推進官】 ありがとうございました。胎内移植についてですけれども、届出など、適切なことを行わずにこっそりやってしまった場合であっても、胎内移植をしたという事実が分かった時点で罰則をかけることになります。
海外との関係なんですけれども、日本の法律である以上、日本国内でしか効力がないという、それが法律の限界になってはしまいます。日本でもこういった法律をつくることで、そもそもやってはいけないことなのだと、抑止力になることも期待しての法制化になります。
以上です。
【上野委員】 承知しました。
【五十嵐座長】 よろしいですか。
久慈先生、お願いします。
【久慈副座長】 ありがとうございます。先ほどさせていただいた質問に関連するんですが、今写っているスライドの、規制対象とすべきゲノム編集技術等の範囲についてというところです。今、法的に規制をかけて胎内移植を禁止しようとかっていうことになってくると、多分、研究もそれなりに、例えば、ゲノム編集技術については規制が強くかかってくるんじゃないかと思うんですが、そのときに、上から5行目ぐらいの米印ですけれども、「また、DNA・RNAの改変と同様に、直接塩基配列を変化させずに遺伝子発現を制御するようなエピジェネティック修飾による遺伝子改変についても、望ましくない遺伝子発現が」等々書いてあるんですが、これを全部規制してしまうと、先ほど言ったように次世代には全く伝播しないような改変技術も含まれるように読み取れてしまいますので、一つの案ですけれども、例えば、米印の2行目は、「エピジェネティック修飾による遺伝子改変についても、明らかに世代を超えてその影響が継続していくものに関しては規制の範囲に含める」とか、資料5の8ページのところにも似たような文章があるんですが、こういう、DNA配列そのものは変えない、だけれどもゲノム編集技術と同じ効果が明らかに予想されるものだけを規制の対象にすべきだと思います。
また8ページの下のほうだと思います。四角の中の「広く」というところなんですけれども、これも、「世代を超えてその影響が継続していくものに限って、ゲノム編集技術と同等と考えて規制する」というような書きぶりにしないと、多分、先ほど言ったように、海外からそういう薬が入ってきたり、あるいは、僕らの世界ですと、体外受精の培養液で入ってきたり、それから、日本の研究者がそういうことを基礎研究の面から考えて臨床応用したりというところの研究の妨げになって、それはもちろん次世代には遺伝しないんだけれどもということで許容できないかなというふうに考えていますので、御議論をお願いしたいと思います。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
いかがですか。
どうぞ、お願いします。
【鈴木課長補佐】 事務局でございます。先ほど御指摘いただきました点も含めて御回答させていただければと思うんですが、厚生科学課の課長補佐しております、鈴木と申します。
こっそりと胎内移植がされてしまったらどうするんだという話は、確かにあり得ると思います。その点につきましては、ここで御説明させていただきましたところでもあるんですけど、取扱計画書の届出とかを規定として設けさせていただいているところでございまして、一般的に、届出を求めるような法体系とか規制に関しましては、届出の違反ということに関しましても罰則の対象となるものが通例ということになっております。私も事務局ですけれども、先ほど事務局のほうから御説明をしておりませんが、資料6の真ん中の規制の実効性の担保というところに関しましては、ちょっと小さい字で恐縮ですけども、「クローン法も参照」ということで書いております。その中で、届出の違反に関しても、胎内移植の禁止ということは、直接的には刑罰の重さということはもちろん違いますが、そこに関しても当然罰則がかかってくるということでありますので、そういった点も含めて総合的に規制をしていきたいというところであります。
また、海外で胎内移植をしてしまって、そのまま日本に来たらどうするんだというような話もいただきました。この点につきましては、まさに御指摘のようなケースは理論上あり得る話でございまして、ただ、今回、法律になればということでございますけども、もちろんその努力はいたしますが、国内で適用されるのが法的な効果でございます。それは、ゲノム法に関わらず、日本の国内法は原則として国内に限って規制されるというところでありますので、逆に言えば、日本で移植をして海外に出ていくというような人に対しては、国内の法が規制されるところであります。逆に、海外で言いますと、先ほど資料では御説明しておりませんが、従前から御議論いただいておりますとおり、諸外国では、欧州とか米国とかをはじめ、様々に罰則つきの法規制がされているわけであります。したがいまして、海外で移植された場合は、そちらで規制の対象になるということで理解をしているところであります。
加えまして、御指摘全てが私の頭に入っているかどうか、恐縮なんですが、エピジェネティック修飾に関する遺伝子改変というところに関しまして、それは必ずしも次の世代に行かないんじゃないかという御指摘もいただきました。これは、御指摘のような点もまさにあろうかと思います。従前、事務局の原案として、エピジェネティック修飾に関しても規制の対象とするべきじゃないかということで書かせていただいている部分といたしましては、令和2年の「議論の整理」というところで一旦そのような議論になっていたんですが、まさに本日の会の趣旨の一つでもありますとおり、5年経過していることもあって、今の見解のままでいいかというようなことでお諮りしているところもありますので、エピジェネティックということで一くくりするというよりも、個々の一つ一つの技術についてどうなのかというようなところはしっかりと見るべきなんじゃないかというところはあるかと思います。我々のほうからお示しさせていただいている、次の世代に遺伝的に継続されてはならないというところ自体は、特に御異論ないかなと思うところでありますので、そういった点も含めて、先ほど御説明させていただきましたとおり、具体の一つ一つの技術というところに関しましては、次回以降、改めて御議論いただきたいところでございます。
【五十嵐座長】 よろしいでしょうか。
それでは、三浦委員、どうぞ。
【三浦委員】 一つ前の資料3の4ページのところで加藤先生と山口先生から御意見ありました部分、「自然発生的に障がいを持って生まれてくる命を無条件で祝福し安心して産み育てることが当たり前の価値観を育む社会とすることが必要」、この部分は非常に重要だと思っておりまして、今の資料5のほうにどういうふうに書かれていたか、見直してみましたら、資料5-18ページに、「脆弱性を包摂できる社会を構築すべきという意見がある」と。その後に優生思想への懸念なども書かれているんですが、この書きぶりで大丈夫なのかなといいますか、先ほど資料3の主な御意見のほうに書かれていた書きぶりが非常に分かりやすい、伝わりやすいと思ったので、取りまとめのほうももう少し伝わりやすい言葉にするべきか、もう少し書き込まなくていいのかなという気がちょっといたしました。今後、広くこの内容を知っていただく段階で分かりやすく伝えるというのも考えられると思うんですが、ちょっと気になったので、述べさせていただきました。
以上です。
【鈴木課長補佐】 お答えいたします。音声の関係で聞き取れてなかったら恐縮なんですが、資料3のまさに「多角的な背景を持った方からの御意見が得られるよう」というような観点をこの取りまとめの「議論の整理」の文書の最後の部分、今後の将来的なところの議論に生かしていくべき、そういうところでの観点を入れるべきじゃないかという御指摘だと思います。もともと事務局の案におきましても、「社会的受容性を確認しながら、継続的に検討していく」と。まさに国民的議論を行っていくというところで、17ページ目の下から二つ目の段落といいますか、マル2の社会的倫理的課題のところの下から2行目にもありますとおり、「国民に対して十分に周知した上で、国民的な理解を得ながら議論を進める必要がある」というようなところで書かせていただいている部分がありますので、まさに今御指摘いただきましたようなところで、多角的な背景を持った方も含めて国民の皆様に対して十分周知をした上で、理解を得ながら議論を進めていく、それが社会的受容性でもあるのだというようなところをちょっと修飾させていただくことも可能なのかなと思います。この点につきましては、議事進行上、後でまたあるかと思いますが、座長に御一任いただくときに、先生とも御相談しながら、また、座長とも御相談しながら、具体的な修文案につきましては相談させていただきたいと考えております。
【三浦委員】 ありがとうございました。
【五十嵐座長】 よろしいですか。
佐原先生、どうぞ。
【佐原委員】 日本医師会の佐原でございます。先ほどから話の出ている、こっそり胎内に移植した場合ですけれど、これは違法だということを知っていて希望した母親には何か罰則があるのでしょうか。また、胎児がある程度育った段階で発覚した場合、その胎児はどうするのでしょうか。
【鈴木課長補佐】 クローン法の具体的な規制の条文といたしましては、これを参照しているわけなんですけども、「何人も移植してはならない」というような形で書いているところでございます。今まさに御指摘いただきました論点がどうなるのかということに関しましては、すみません、私の頭として十分にお答えできるところではございませんので、個別に御回答させていただきたいと思っております。
【佐原委員】 難しい問題だと思いますが、どこかで質問される可能性はあるのかなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
片桐委員、お願いします。
【片桐委員】 ありがとうございます。今の佐原委員の御質問に少し似ているのですが、胎内への移植に関しての海外の話で、それぞれの国のルールによって対処されるという、先ほどの御回答、よく理解できました。ただ、実際の臨床場面において、医療ツーリズムの現状に照らし合わせてみると、実際に、実行というか、執行が海外であったとしても、それに向けての準備などが国内で行われるということが強く推察されます。ですので、あっせんとか協力に関係するルールというものも追記されていたほうがいいのではないかというふうに危惧いたしまして、発言させていただきます。ありがとうございます。
【鈴木課長補佐】 御指摘、ありがとうございます。まさに御指摘いただきました点も含めて、刑罰上、どのように処理されるのかというところに関しましては、そういう話もあるかと思いますので、十分整理をいたしました上で、個々のケースに適切に対応できるようにしたいと考えております。ありがとうございます。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
では、井田委員、お願いします。
【井田委員】 慈恵医大の井田と申します。今回、検討している法律の基本的な考え方は科学技術の進歩を臨床応用して患者さんに恩恵をもたらす事だと思います。この領域の基礎研究の進歩は目覚ましいものがあるので基礎研究と臨床応用を分けて考えるという事は賛成です。久慈先生が心配されていたようにエピジェネティックの問題も含めて基礎研究の規制をあまり厳しくすると基礎研究の発展が制限され、その結果、臨床応用の範囲が狭められてしまいます。この観点から基礎研究に関する規制を考えた方が良いと思います。実際に基礎研究がなされて臨床に応用されるわけですが、資料6にあるように審査体制をどうするかが臨床上の一番の課題と思います。今の資料には抽象的に書いてあります。今後、議論されるとは思いますが、実際に臨床応用するときには詳細に審査して、次世代に影響を及ぼさないという事などについて議論を深めて頂いたらと思いました。
以上です。
【五十嵐座長】 御意見、ありがとうございます。十分検討したいと思います。
それでは、神里委員、お願いします。
【神里委員】 ありがとうございます。質問1点とコメント2点になります。
資料4に、今回は、人・動物の胎内への移植の禁止というところは罰則を設けて対応するということが原則論で入っている中、なお書きのところで、動物の胎内への移植であって個体産生につながるおそれがないケースについては、基礎研究を阻害しないという観点から容認することも考えられるということが書いてあります。御質問としましては、動物への胎内移植というのはこれまで、指針上、禁止という規定が設けられていたと思うんですけれども、こういったことを認めている指針は今までありましたでしょうかということで、もしないのであれば、これはかなり新しい試みなのかと思いますので、まず、その点を確認させてください。1点目からでよろしいでしょうか。
【五十嵐座長】 どうぞ。
【木村安全対策官】 事務局、文部科学省でございます。御質問、ありがとうございます。
生殖細胞につきましては、例えばでございますけれども、現在、iPS細胞やES細胞といった幹細胞から生殖細胞を作るといったような試みがなされております。現状、まだ精子・卵子といったものまでたどり着いてなく、始原生殖細胞といった未分化のものまでしか、技術的にはたどり着いてないという状況でございます。そういった未分化な生殖細胞を分化させていくことを研究上トライアルしていくという中におきまして、動物の胎内に移植をして、動物の力も借りてさらに成熟させるというのを試みるといった研究は実際になされておりまして、そちらにつきましては、生殖細胞作成指針、あるいはES細胞使用指針の中で取り扱っているものでございまして、それらの指針の中では、そういった生殖細胞を、当然、胚にしてはいけませんけれども、胚にしない前提で動物の胎内に移植することは認められているものでございます。
【神里委員】 ということは、ヒトの胚については新しい試みという理解でよろしいですか。
【木村安全対策官】 新しいと申しますのは、この資料に書いてございますのは、あくまで動物の胎内に移植する場合は例外ということで……。
【神里委員】 ヒト胚の胎内を認めて……。
【木村安全対策官】 ヒトの胎内に関しては、認めるという趣旨ではございません。こちらに書いたのは、例えばとして動物の胎内ということで記載していまして、人の胎内にゲノム編集したヒト生殖細胞を戻すということを書いているわけではございません。
【神里委員】 それは分かります。多分、これもあって、ヒト胚に関して、動物胎内も併せて、人及び動物の胎内への禁止ということで一律にやっていたと思うので、今回はかなり新しい例外を設けるのかなあというふうに思ったんですけれども、違うということですか。
【鈴木課長補佐】 お答えいたします。厚生労働省でございます。
この点につきましては、指針に関しては、補足があれば文科省さんからもお願いしたいと思いますが、今回のそもそもの趣旨というところに関しましては、まさに今、文科省さんから御説明がありましたとおり、個体産生に至らないというようなところでまず歯止めをかけつつも、現行行っている研究が個体産生に至るわけもないのにそんなところまで罰則の対象になったら困るというような話もありますので、そういった意味でまさに、先ほど御指摘もあったかもしれませんが、基礎的な研究を阻害しないような観点から、どのような引っかかりがあるのかというところで検討をしたところでありまして、個別具体的なところといたしましては、まず、動物の胎内に移植をするというところに関して言えば、確かに、動物といっても哺乳類でありまして、どこからどこまでが哺乳類なのかというのはいろいろあるわけなんですけど、例えば、カニクイザルであれば個体産生はあり得るかもしれませんけど、マウスではあり得ないんじゃないかとか、そんな話もあったりします。ただ、そういったことまで一つ一つ線引きをするということは、動物の種類によって線引きするということは難しいわけでございまして、そういった意味からしたときに、最初の説明のところで足りなかったかもしれませんが、例えば、雄と雌が分かれて管理されているような場合だとか、もしくは不妊手術が行われているような場合だとか、そういったことが研究の開始の段階もしくは研究を開始した後に確認されるのであれば、それはさすがに個体産生には至らないだろうというような趣旨でもともと考えているというのが、事務的には考えているところでありまして、そういった点も含めて、今後、具体的な運用に関しましては、個別にまた御相談、この場で御相談させていただきたいというところでございました。
【神里委員】 分かりました。質問の趣旨としては、クローン技術規制法の形のようなものを想定して法律と指針の関係でつくっていくのかなと思っている中、原則論としての罰則を設けての禁止というところと、指針上の穴を空ける、例外を規定するというところの関係性をどうするのかなということから、御質問をしました。ありがとうございます。
ごめんなさい。ちょっと長くなっちゃうんですけど、2点目としては、資料5のほうに参りたいと思います。17ページのところで、先ほど来ありましたけれども、国民の理解というところなんですが、本件、本当に難しいので、国民の皆様に知っていただくというところからまず始めなければならないと思うんですけれども、それをこちらからお伝えするという作業が重要であることは分かりますが、それと同時に、国民の方がどのぐらい理解しているのかということを積極的に取っていくというんですか、アンケートなどをすることによって国民の方の理解度だとか御意見だとかを定期的に取っていくというような作業もしていただければと思います。
また、最後は細かい話なんですけれども、25ページのところの海外の状況になります。ここの中で、イギリスのところは、臨床利用(胎内移植)が原則禁止ということで、アスタリスクがついていて、「ライセンス取得に限り一部許可制」となっています。ちょっとここの書き方は違っているんじゃないかなと思って、これは、基礎研究と同じような並びで、同じような書きぶりになっていますけれども、イギリスでは胎内移植は禁止という方向だと思いますので、この書きぶりは修正していただいたほうがいいかなと思います。
以上です。
【江田研究企画推進官】 ありがとうございました。1点目の国民の皆様への周知、それにつながるための調査については、本日、いろいろ御意見いただきましたので、それも踏まえて、どこまでできるかというところを今後考えていきたいと思っております。
2点目の資料5のイギリスのところですが、医療のところを、原則禁止、アスタリスクで「ライセンス取得に限り一部許可制」としている意図なんですけれども、イギリスではライセンスを取得した医療機関に限りミトコンドリア核置換が認められていると承知しております。そちらを想定しての書きぶりでした。御指摘を踏まえて、適切な書き方、混同しないような書き方に修正したいと思います。
ありがとうございました。
【五十嵐座長】 よろしいですか。
それでは、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 2度目の発言、失礼いたします。コメント2点と質問1点です。
1点目は、先ほどから出ていますけれども、基礎研究はやはり大切なもので、以前、生命倫理専門調査会でも、日本医学会のほうからコメントをいただいて、こういった分野の基礎研究がいかに医学にとって重要かということを発表していただいたこともありますし、一つの提案なんですが、今回の枠組みができた段階で、こういう指針ができました、したがって基礎研究はこのように進められますというような、研究コミュニティーとの対話を積極的に設けるということを、私はここで述べておきたいと思います。そうでないと、どうしても基礎研究者は萎縮される傾向にあるように、私は感じております。
それから、2点目は、先ほど三浦委員がおっしゃった、資料5の18ページの「脆弱性を包摂できる社会を構築すべき」というのは、振り返れば、2016年(平成28年)に生命倫理専門調査会で初めて政府としてまとめた、「中間まとめ」の中で記述したコメントが入っております。こういった技術はとにかく進めればいいというだけではなく、社会の皆様をしっかりと包摂していくことができるものでなければならないということを非常に強く掲げて、ずっと語ってきたことがここに入っているんだと理解しております。ですから、先ほど三浦委員からもコメントがあったように、その言葉を分かりやすく、今回の様々な資料に入れておくことが重要だと思います。2点目のコメントでした。
3点目は質問です。議論のまとめ、新しくつくるところに国際協調のことはどれぐらい入っていますでしょうか。世界保健機関が2021年に報告書を出し、9項目の勧告(リコメンデーション)を出したんですけども、その中で非常に認識されていたことは、しっかりとした国が幾つかあっても、いいかげんなルールの国でおかしなことが起こってはならないという話があって、それが先ほどの海外で妊娠して云々という話につながっていると思います。ですから、日本としては、他の国とも協調しながら、こういった規制やガバナンスがしっかりとしていくことを考えていくというようなコメントを入れられたらどうかと思うんですけど、これは入っていたかどうかという質問です。
【五十嵐座長】 どうぞ。
【江田研究企画推進官】 最後にいただきました御質問に関して、お答えさせていただきます。
資料5の10ページが、諸外国の状況などを書いたところになります。真ん中辺りの、(1)の諸外国の規制状況となっております。こちらでは「罰則をもって規制されている国が多い」のみの記載になっておりまして、国際協調といったところは書かれていませんが、まず、日本は、先生が先ほどおっしゃった、今はルールが弱い国になってしまっていますので、そのため、しっかりしたルールをつくっていかなければならないということで、本日も御議論いただいているところです。日本もしっかりルールをつくった上で世界の状況も引き続きしっかり見ていくといったようなところは、どこかに追記できればと思っております。
【加藤委員】 よろしくお願いします。世界各国とともに、この技術のガバナンスについて取り組んでいくといった程度の言葉は、できましたら入れていただければと思います。
以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
それでは、藤田先生、お願いします。
【藤田委員】 先ほどの神里委員からのお話に関連して、資料4の胎内移植の禁止のところでコメントさせてください。
先ほどの議論をお聞きしていると、恐らく、個体産生につながるおそれのないケースというのは、ヒトの始原生殖細胞を動物の胎内に入れるなどのことであって、ヒトの胚を動物の子宮に入れるということは想定されていないというふうに理解しました。ただ、今の書きぶりですと、個体産生につながるおそれがなければヒトの胚を動物の胎内に入れてもいいのかというふうに読めなくはないと思います。国際幹細胞学会のガイドラインとかはたしか、ヒトの胚を動物の子宮に移植することは禁止事項になっていると思います。なので、センシティブな部分ですので誤解のないように、例えば、一つ目のアスタリスクのところに、動物の胎内に何を移植するケースかなどと、具体例などを挙げて、誤解されないような記載にされるのはどうかなあと思いました。
以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。これは検討させていただきたいと思います。
よろしいですね。
では、阿久津先生、お願いします。
【阿久津委員】 そもそも、なぜ可及的速やかにこれを進めなきゃいけないかというと、2018年にヒトの受精卵をゲノム編集して子供が生まれたという事実があって、要するに、どんなアプローチをすればこういうことが生殖利用されるかということを世界中に示されたというのが、非常に大きな懸念点になります。日本にはそれをブロックする仕組みがないというのが大前提にあります。なので、まず1点目として、ここの法規制が早く進めばいいなと、私は個人的に思っております。
その中で、ゲノム編集技術等ということでどういったものが取り入れられるかというところで、例えば、エピジェネティックの点も議論になっていたと思うんですけども、既に2023年に、『Cell』とか、有名な雑誌に、DNAのメチル化の変異が世代を超えて保存されていくという論文が出ております。ですので、特定のエピジェネティックの修飾というのは、改変すれば世代を超えていくという、研究成果等は出ております。一方、網羅的なエピジェネティックな修飾は世代を超えていくかということを実際に検証するのは相当難しいのが現状です。そもそも、これの対象が次の世代へ影響を及ぼすかというのがすごく大きなポイントになっていますけれども、当然ながら、当該の世代、個体にも影響が本当にないかどうかというのを示すことも、例えば将来的に臨床が認められ得るとなったら考えなきゃいけないんですが、そんなことが本当にできるのかというところもすごくありますので、最初の時点の、これはいいんじゃないか、これは駄目でしょうというところの議論は、すごく慎重に考えなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
【五十嵐座長】 どうぞ、それに対して。
【大井企画官】 阿久津先生、ありがとうございます。まさに規制の範囲をどうするかということに関しましては、今日、大枠を御議論いただいて、次の会議で具体的に議論をしていただくと思うんですけれども、大きな話として、何点か確認をさせていただければと思います。先ほどの久慈先生からの御指摘にも関係しています。
もちろん、基礎研究を阻害しないこと、あるいは実際の臨床を阻害しないことというのはものすごく大事なので、そこは個別の手当てをするとして、大きな話として、今、阿久津先生もおっしゃったような、そもそも、DNAを改変するようなもの、そして、エピジェネティックの中にも2種類あると思っておりまして、一つは、メチル化、アセチル化等の科学的な修飾をするもの。こちらは、今、阿久津先生のほうから次世代にもという話がございました。もう一つあるのは、恐らく、グラデーションとしては、安全性に関しては少し上がるんだと思うんですけれども、改変もしない、科学的な修飾もしないもの、要は転写因子的な作用をするものを阻害したりとか、そういった改変も科学的修飾もしないものに関してでございます。こちらに関しても、リスクはある一方で、研究者の研究を阻害する部分もあると思っております。先ほど久慈先生からもコメントをいただきましたけれども、具体的にどの辺りが課題になるというものがもしございましたら、今日の御時点で御発言いただければ、今後の議論にも参考にさせていただけますし、この後、もし本文の修正が必要であれば、急ぎ何ができるかということも検討できますので、この点、阿久津先生も含めて、もしコメント等ございましたら、よろしくお願いいたします。
事務局からは、以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
では、その間に、金田委員、お願いします。
【金田委員】 私はコメントだけですけども、一つは、先ほど加藤先生も言われた、国際協調のところです。私も、加藤先生も、2015年当時、随分苦労したんです。欧米の学会で説明して、本当に種々雑多な意見が。当時、中国とアメリカはガイドラインの規制だった。日本は、ガイドラインをつくろうとしていた。今、参考資料4なんかを見ると、ほとんどが罰則つきの法で規制をしていますので、阿久津先生も言われたように、この法的規制は絶対進めていただきたい。同時に、国際的な呼びかけというのは大事だというふうに、私も思います。
もう一つは、資料5の17ページのところに、非常によく書いていただいているんです。「代替不可能性」ということを書いていただいているんですね。2019年前後のときは、受精胚のゲノム編集が唯一と言っていいぐらい、遺伝性疾患の治療法と認識されていましたけれども、今は、特にステムセルに対する、いわゆる体細胞に対するゲノム編集技術とか、あるいは様々な改変した遺伝子導入ベクターを使って、その個体限りですけれども、遺伝性疾患の非常に長期の治療が可能になっています。もちろん薬価の問題はあることはあるんですけれども、しかし、そういう技術がこの五、六年のうちにも相当進んできていますので、先ほどから出ている国民への情報発信のときに、そういうことも進んできているということを示しながら、ゲノム編集を使った受精胚の臨床応用はどれぐらい問題点とメリットがあるのかというところをきっちり議論していただく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
以上です。
【五十嵐座長】 貴重なコメント、ありがとうございます。これも十分反映させていただきたいと思います。
それでは、杉浦委員、お願いします。
【杉浦委員】 名古屋市立大学産科婦人科の杉浦真弓と申します、私自身、流産を繰り返す不育症を専門としておりまして、着床前診断とか、出生前診断も関わってきました。今回お示しいただいた内容に特に反対はなく、むしろ法制化を積極的に進めていただきたいと思っているんですが、全く内容に対するコメントでなくて申し訳ないんですけれど、先ほど、この内容を国民に理解していただくことが重要と、そういうことをおっしゃっていたと思いますが、私の今までの経験から、この国の人たち、この内容を理解するには基本的な知識があまりに乏しいんだと思うんです。それは、義務教育で遺伝に関する教育がほとんどされていない。これは、人類遺伝学会の先生方とか、様々な会議の中でも話題となってきているんですが、こういうことの理解を深めるというか、多様性のある社会を理解する意味でも、遺伝に関する知識をもう少し、文科省の方へのお願いになるでしょうが、そういったことを義務教育で教える機会が増えるといいなと思います。
また、各国の状況についてお示しいただいたと思いますが、着床前診断に関しては、ゲノム編集ほど将来的な影響があるわけではないけれど、受精卵の診断というのも受精卵を操作するという意味では倫理的な課題が大きいですが、これについては、日本産科婦人科学会という学術団体、アカデミアだけが、いいとか、悪いとかいう判断を今しています。それも各国のそれらの法整備などの在り方からするとすごく異質なことだと思いますので、ぜひ、同じように考えていただきたいと思います。コメントといいますか、お願いです。
以上です。ありがとうございました。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございました。
それでは、内田委員、お願いします。
【内田委員】 どうもありがとうございます。
先ほどのエピゲノム編集技術の話ですが、CRISPR/dCasを使っていれば必ずゲノム切断は生じないということがちゃんと言えるのかということ、また、転写因子を結合している場合でも、転写因子のところにいろいろな因子がリクルートされてきて、最終的に修飾酵素がリクルートされてエピゲノムの化学修飾に至るといった技術もありますので、なかなか切り分けが難しいというのが一つあります。
それから、もう一つは、議論の本質ではないのですが、資料5の用語集のところで幾つかの用語の説明にちょっと違和感があります。例えば、「遺伝子」は「自己増殖し」と書かれていますが、「自己複製」であればよいのですが、増殖というと遺伝子のコピー数が増えるような印象がありますし、その下の「遺伝子組換え」の説明では「プラスミドやウイルスなどの自己増殖性DNA(ベクター)」と書かれているのですが、基本的には増殖しないベクターが用いられています。また、「遺伝子変異」も、「ゲノム配列の個体差で、塩基が置き換わっている」と書かれていますけれど、「遺伝子変異」は、個体差、バリエーションではなく、ミューテーションを「遺伝子変異」としていると思います。このように幾つかの用語が正確ではないように思いますが、この場で一々挙げるのも何ですので、修正案を出させていただいて、適切に修正いただければと考えているのですが、いかがでしょうか。
【江田研究企画推進官】 御指摘、ありがとうございました。用語集に関しては、修正案をいただければ、こちらのほうで反映させていただきたいと思います。
もう一つのエピゲノムについても、ありがとうございます。エピジェネティックな技術といっても、切り分けが難しいのではないかという御意見をいただいたのかなと思っております。もしよろしければ、久慈先生や阿久津先生から、先ほどの件について御発言いただけますと幸いです。
【阿久津委員】 阿久津です。個々の細かな点はともかく、なぜこれが大事かといいますと、例えば、臨床研究、自由診療も含めて、再生医療では法制度が整っていまして、きちんと第三者、例えば特定認定再生医療等委員会なんかが審査・判断して、さらには厚生労働省でも審査されるという、仕組みがきちんとできております。学会ももちろん非常に厳しく、そういうものを教育なり何なりしております。それでも海外から厳しい意見を受けることもあります。一方、生殖医療については、そのようなスキームはございません。さらには、臨床研究といっても、子供が生まれるかどうかを最終段階で判定するという、それが研究として本当に成り立つかというと、そんなものは多分ないと思うんですが、その上で、配偶子あるいは受精卵に対して科学的な、これはゲノム編集以外のことですけども、エピジェネティックの修飾を変えるということが本当に安全だったのかどうかというのを評価するのは相当難しいんじゃないかなと思っております。安全性や有効性が本当に証明されるスキームがあって、第三者がきちんと審査できるようなことが本当に整っているんだったら考えられ得るんですが、今、難しい段階において、ある程度科学的に判断して基準を緩やかにするようなことってなかなか難しいんじゃないのかなというふうに、私自身は思っております。
以上です。
【五十嵐座長】 ありがとうございます。
久慈先生、どうですか。
【久慈副座長】 阿久津先生の御懸念はごもっともだと思うんですけれども、それをあんまり厳密に言いますと、明らかに益があるような技術も一律にシャットアウトしてしまうようなことが起こっては、本末転倒じゃないかなと思います。ただ、確かに懸念があることは間違いないので、これは前にも申しましたけれども、体外受精を始めるときにも同じような議論があったと思いますから、そこのところは説明と同意をしっかりするというような臨床研究のスキームをきちんと使って施行すべきだと思います。それを考えても、ゲノム編集というのは誰が考えても継代するわけですよね。あるいは、エピゲノムの修飾に関しても、そういう技術がこれから出てくるかもしれませんけれども、そういうものに関しては最初からシャットアウトでいいと思うんですが、分からないものに関しては一律に禁止することはせず、臨床研究の範囲で益と害を考えて、医療機関の倫理審査委員会と、多分、国の倫理審査委員会だと思いますけれども、それが判断していくというスキームが妥当ではないかと思っています。
以上です。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございます。
どうぞ。
【大井企画官】 事務局の大井でございます。阿久津先生、久慈先生、ありがとうございます。
具体的に何を規制するのかということに関しましては次回の議論でございます。さらに申しますと、将来的にどういったものが解禁できるのかというのは、さらにその先の話でございます。当面、本日の会議は取りまとめ文書をまとめるということがございます。資料5の8ページ目のところが、阿久津先生、久慈先生から御指摘いただいたところだと思いますので、そこを中立的な表現にするというところが今日の会議としてはあるかなというふうに思います。四角囲みの部分の最後のところでございます。「また、DNA・mRNA・ミトコンドリアDNAの改変と同様に」の後に、「直接塩基配列を変化させずに遺伝子発現を制御するようなエピジェネティック修飾による遺伝子改変についても、望ましくない遺伝子発現が生じうるリスクや後世代への影響等のリスクが懸念されるため、規制の範囲に含める」というふうに書いているんですけれども、中立的に書くとすれば、最後の部分に関して、「影響等のリスクが懸念されるものについて、規制の範囲に含める」というふうにさせていただいて、さらにその後に、具体的なものに関しては今後検討する、という方法があるかと思います。
ここの文章、いろんな読み方できるかなあと思っていまして、「望ましくない遺伝子発現が生じうる」ということに関しては、現世代の話なのか、後世代の話なのかということも書いておりません。今申しましたような、「影響等のリスクが懸念されるものについて」として、具体的にその内容に関しては今後検討していくというふうことでいかがでしょうか。
【五十嵐座長】 久慈先生。
【久慈副座長】 しつこいようですけれども、「懸念される」というのをこのまま使ってしまいますと、先ほど阿久津先生がおっしゃったように、多分、全てのものが懸念されるというふうに取られかねないですね。ですので、個人的には、「明らかに」とかというような修飾語を入れておかないとちょっと不安かなという気はいたします。
以上です。
【五十嵐座長】 それでは、それも検討させていただきたいと思います。
三浦先生。
【三浦委員】 今の事務局の御提案について、私も同じような提案をしようと思っていました。ただ、「遺伝子改変についても」「懸念されるものについても」って、「ついても」がダブっていたので、その辺の文言が引っかかっただけなんですが、今の久慈先生の御意見を伺って、「影響等のリスクがある場合には」とか、そういうような表現にすればいいのかなと思いました。
以上です。
【五十嵐座長】 どうぞ。
【大井企画官】 先生方、ありがとうございます。細かい文言の調整に関しまして、時間の関係上、追って御相談をさせていただこうと思うのですけれども、今の時点で「明らかに」という言葉を入れるのはかなりの改変になると思います。久慈先生方の御懸念としては、基礎研究や臨床への影響だと思いますので、そういったことを配慮しながら、引き続き検討するというような感じで、今後具体的にやることを書くということもあるかなと思いますので、先生方の御意見を踏まえまして、改めて御相談させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【五十嵐座長】 ありがとうございました。
時間が大分過ぎておりますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、取りまとめに関しましては、今日、たくさん御意見いただきまして、修正すべき点があるということは分かりましたので、いただいた御意見につきましては事務局にて精査した上で必要な修正を行い、個別に御意見をいただいた先生方ともう一度ディスカッションをさせていただいて、最終的には座長一任とさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【五十嵐座長】 御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。
それから、資料5に記載されていますように、法律による様々な基礎規制については、ゲノム編集技術等の技術の範囲、取扱いに係る具体的運用の技術的設計が非常に重要でありますことから、本合同会議における引き続きの議論を次回以降させていただきたいと思います。その上で、資料5の取りまとめについては、今後、一定の技術的革新などがある可能性がありますので、その場合には、意見を修正する必要が生じたと委員会として判断するまでは、内容を現状で維持をしたいというふうに考えておりますけれども、これについてはいかがでしょうか。基本的なスタンスは変えないということですけれども、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【五十嵐座長】 ありがとうございます。では、そのように進めたいと思います。
続きまして、事務局から、資料7について、説明をお願いしたいと思います。
【江田研究企画推進官】 資料7について、御説明いたします。
本日、第1回の御議論をいただきました。第2回以降の検討事項として、三つ挙げております。規制対象技術に関する個別具体の議論、本日もいろいろ御意見を頂戴しましたが、それを踏まえて、さらに御議論いただきたいと考えております。また、国における届出審査体制の議論、ヒトゲノム編集胚等の取扱いに関する指針に関する御議論、こういったものを予定しております。
第2回以降の開催時期については、法的規制に係る御議論や、整備状況に応じて調整させていただきます。別途、日程調整等をさせていただきますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
以上です。
【五十嵐座長】 どうもありがとうございます。
資料7について、何か、御意見、御質問、ございますか。
よろしいですか。
それでは、本日議論する内容は、以上で終了したいと思います。
事務局にお返ししたいと思います。
【大井企画官】 事務局でございます。本日は、皆様方から活発な御議論をいただき、大変ありがとうございます。
本日の会議は、以上となります。次回の日程等につきましては、詳細が決まり次第、改めて御連絡させていただきます。
また、今日御議論いただき、修正等が必要になりましたので、関連する先生方には御相談させていただきたいと思います。
そうしましたら、ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会のみに御所属されている委員の先生方に関しましては、ここで終わりとなります。皆様、御多忙のところ、大変ありがとうございました。
ここから先は、ヒトの幹細胞から作成されるヒト生殖細胞を用いるヒト胚作成研究に係る合同会議となります。事務局を文部科学省に交代したいと思います。
―― 了 ――
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