令和7年2月10日(月曜日) 13時00分~15時00分
WEB会議
木村安全対策官、市原室長補佐、橋本室長補佐、宮島専門職、中村係員
厚生労働省医政局研究開発政策課再生医療等研究推進室 町田係員
【三浦主査】 定刻となりましたので、ただいまから、第125回特定胚等研究専門委員会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。
議事に先立ちまして、事務局から委員の出欠状況と配付資料の確認をお願いいたします。
【橋本室長補佐】 事務局の生命倫理安全対策室の橋本でございます。
初めに、本日の会議の構成員の出欠状況を御報告いたします。本日は、中村委員から御欠席の連絡をいただいておりますが、12名中11名の御出席となっておりますので、定足数を満たしております。
また、本日はオンラインを併用して会議を開催しており、会議室からは、三浦主査と事務局が出席しております。なお、本日の会議の模様はYouTubeによるライブ配信で公開させていただきます。
次に、配付資料の確認をさせていただきます。オンラインにて御出席の委員の皆様は、事前にお送りしましたPDFファイルにて資料を御確認ください。配付資料は、議事次第に記載しておりますとおり、資料として4点、参考資料として3点でございます。また、議題に関する机上配付資料として、理化学研究所バイオリソース研究センターから提出があった、ヒトES細胞の分配機関の設置計画変更確認申請書がございます。こちらの資料は、非公開の情報ですので、取扱いには御注意いただきますよう、お願いいたします。御不明な点等ございましたら事務局までお知らせください。
最後に、議事進行上の留意事項となりますが、オンラインにて御出席の委員の皆様方におかれましては、御発言時以外はマイクをオフにしていただき、御発言の際は「挙手ボタン」を押していただき、主査の指名の後に御発言をお願いいたします。
事務局からは、以上でございます。
【三浦主査】 それでは、議事に入りたいと思います。議題(1)の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の生命倫理専門調査会報告を踏まえた関係指針の見直しについてです。
事務局から、資料の1-1の御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 それでは、資料125-1-1に沿いまして、御説明をいたします。
昨年の11月にCSTIの生命倫理専門調査会で「ヒト胚モデルの取扱いについて(中間まとめ)」が取りまとめられております。そちらのほうでは、ヒト胚モデルにつきまして、研究利用をしていくに当たってのルール等を現行の指針を改正した上で明記するような形で改正をすべきではないかといったような御報告をいただいているところでございます。その報告を受けまして、この委員会で取り扱っています関係指針の見直しを進めてまいりたいと思っています。本日は、一部の先生方は生命倫理専門調査会のほうでの御議論にも加わっているので内容は御承知かもしれませんが、改めてこちらの委員会のほうでCSTI生命倫理専門調査会の報告書の内容を御報告させていただいた上で、今後、見直しに向けた検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
資料の2ページを御覧ください。まず、CSTI生命倫理専門調査会におけるヒト胚モデルに係る議論の経緯でございます。背景といたしまして、近年、ヒト生殖細胞を用いることなく、iPS細胞やES細胞からヒト胚に類似した構造物であるヒト胚モデルを作成する研究が世界的に行われております。このヒト胚モデルにつきましては、現状、関係省庁において明確な方針等がないため、研究者が安心して研究できるよう、取扱いルールの明確化が必要ではないかといった背景がございまして、CSTI生命倫理専門調査会のほうで議論をしてまいりました。1年以上にわたる御議論の結果、昨年11月7日にCSTIの生命倫理調査会において報告書が取りまとめられております。おめくりください。
CSTI生命倫理専門調査会の報告書の内容について御報告してまいりたいと思います。まず、「胚モデルとは」の、いわゆる定義のところでございますが、一つ目の丸でございます。生殖細胞を除くヒト幹細胞等から作成する分化誘導体で、初期胚である胚盤胞や着床期以降の胚様の特性を一部示す細胞集団であり、ヒト胎児様の構造体とは明らかに異なる。現時点では、ヒト胚モデルは、胚盤胞や着床期以降の胚様の特性を一部示す細胞集団にとどまり、ヒト受精胚と同等とは言えず、マウス等でも胚モデルから個体産生は報告されていない。下の絵にもございますが、一般的なヒト胚は個体になり得るものでございますが、胚モデルについては個体になり得ないもので、現状ではそういった技術ということでございます。上に赤字でも示していますが、ヒト胚とは違うということでございます。このため、ヒト受精胚とは異なりますので、CSTIのほうで示されている「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」ですとか、クローン技術規制法の適用対象にする必要はないであろうという御報告でございます。
次のページを御覧ください。次は、ヒト胚モデルの報告書の中で必要とされている規制の内容について、御報告いたします。
ヒト胚モデルはヒト胚とは異なるということから、ヒト受精胚と同等の規制、例えば、培養期間の上限設定ですとか、研究目的の限定などは不要とされていますが、下に示すような懸念点と優位性があるとされております。まず、懸念点としては、一つ目の丸でございますが、将来的にはヒト受精胚との類似性が今よりも高まってくる可能性があるのではないか。次の丸として、ヒトの形態を模したものや、脳や神経機能の発達したヒト胚モデルの出現により、社会的な不安を惹起するような可能性が今後出てくるのではないか。次に、ヒト胚モデルの機能や科学技術段階によらず、ヒトまたは動物の胎内への移植など、不適切な研究が行われる可能性があるのではないか。こういった懸念点がある一方で、優位性といたしまして、ヒト幹細胞を由来とする試験管内モデルであるため、倫理的な観点ですとか研究手技的な観点から、その作成及び使用において、生命の萌芽であるヒト受精胚を滅失することがないという優位性があるとされています。
こういった懸念点や優位性から、「このため」以降ですけれども、ヒト胚モデル研究では、ヒト幹細胞関連既存指針を改定し、ヒトや動物の胎内への移植を禁止すること、倫理審査委員会による審査、国への届出など、ヒト胚モデル研究のルールを設定することが妥当であるというふうにされております。その際、ヒト胚モデルを用いる研究のためだけに指針を新規に作成することは無用に指針の種類を増やすことになることから、今ある既存の指針を改定し、ヒト胚モデルを用いた研究に適用することが適切と考えられるとされております。その中で例示されていた指針としまして、こちらの委員会で御審議いただいています、ES細胞関連の指針ですとか、ヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針、いわゆる生殖細胞作成指針、そういったところが例示に挙げられておりまして、私ども事務局といたしましても、これらの指針を一部見直ししまして胚モデルが読める形にしてはどうかというふうに考えております。
次のページを御覧ください。CSTI生命倫理専門調査会の報告書で具体的にルールを示すべきとされている項目について、御報告をいたします。まず、マル1といたしまして、「ヒトES細胞の使用に関する指針」と同様に、審査手続を取ること。具体的には、まず、研究機関内の倫理審査委員会による審査、そして、その結果を国に届け出ていただくという、2点になっております。マル2といたしまして、許容されない研究を規定することということで、具体的には、ヒト胚モデルをヒト胎内や動物胎内へ移植しないこと、ヒト胚モデルから個体産生をしないこと。そういったことが示されております。マル3といたしまして、個々の研究において、研究計画書に科学的目的を達成するために必要な範囲で最小限の培養期間を設定し、倫理審査委員会で審査すること。マル4といたしまして、研究機関は研究成果の公開を行うこと。また、研究実施者は、あらゆる機会を通じて、研究に関する情報提供を行うとともに、国民の理解を深めるための普及啓発に努めることとされております。最後、マル5といたしまして、ヒトiPS細胞等を由来とする胚モデルについては、いわゆる医学系指針に沿ったインフォームド・コンセントを取得する、またはオプトアウトの手続を行うこととされております。おめくりください。
こちらの委員会で改正対象とする指針ということで、検討の方針案についてでございます。ヒト胚モデル報告書では、ヒト胚モデルを用いた研究について、ヒト幹細胞関連既存指針を改正する方向性が示されております。このため、iPS細胞、ES細胞またはヒト組織幹細胞等のヒト幹細胞を含む細胞からヒト胚モデルを作成する場合、ES細胞使用指針又は生殖細胞作成指針に基づく手続を行うことになるため、ES細胞使用指針と生殖細胞作成指針にヒト胚モデル報告書に示された具体的なルールの内容を入れ込む改正について、検討してまいりたいというふうに思っております。また、ES細胞樹立指針・分配指針につきましては、ES細胞使用指針と共通する条文がありますため、使用指針の改正を踏まえまして、必要があれば、樹立指針と分配指針の改正についても検討をしてまいりたいと思っております。表にありますとおり、赤字で書いている指針をまず検討いたしまして、要すれば、樹立指針、分配指針も見直しをしていくという形を考えてございます。
最後、7ページでございます。指針改正のイメージでございます。左側にありますマル1からマル5は、先ほど説明いたしましたCSTI生命倫理専門調査会から示されている具体的なルールでございます。それらを、右側にありますとおり、ES細胞使用指針や生殖細胞作成指針に当てはめていくといったようなことを、今後、より精緻に検討してまいりたいと思っております。また、最後のその他のところでございますけれども、生殖細胞作成指針とES細胞使用指針について、今回の見直しを機に、例えば、文言利用ですとか、そういったところもちょっと整理をしてまいりたいと思っています。今後、そういう研究が出てくるかどうか分かりませんが、例えば、ヒト胚モデルを作るときに、ES細胞由来のものとほかの幹細胞由来のものを混ぜて使うようなときに両方の指針でそれぞれ届出を出すというのは合理的ではございませんので、そういったときに、親和性を持ってといいますか、例えば、一つの届出で両方兼ねたようなものを出してもらうということになると、中の文言利用みたいなところもある程度精査しておいたほうがいいのかなということで、横並びを取っていくというような観点でも、二つの指針の見直しを検討してまいりたいと思っております。
今申しました、その他に関連しまして、ES細胞と生殖細胞作成指針の要件等の主な相違点につきましては、最後、8ページのほうに載せさせていただいております。
ここまで御説明しましたとおり、CSTI生命倫理専門調査会から示された報告書の内容、あと、ES細胞使用指針と生殖細胞作成指針の横並びといったようなところ、そういったところを、今後、事務方のほうで、まずはさらに細かい点をしっかりと精査をした上で、次回の委員会では、その結果をお示ししつつ、議論を進めていただきたいというふうに思っております。
御説明は、以上でございます。
【三浦主査】 ただいまの説明について、御質問、御意見等、ございますでしょうか。ございましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。
これは結構長い間議論をされてきたことかと思います。よろしいでしょうか。
特にないようでしたので、続きまして、資料125-1-2に基づきまして、今後の検討予定について、事務局から御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】 それでは、資料125-1-2に沿いまして、今後の検討予定について、御説明をさせていただきます。本日、キックオフという形で御報告をいたしましたが、次回以降、具体的には5月以降になるかと思いますが、こちらの専門委員会のほうで、指針改正に係る主な項目や内容等の検討、また、指針改正案の検討のほうを進めてまいりたいと思っています。その御議論に際しましては、こういったヒト胚モデルを実際に研究されている先生方、お詳しい先生方から、技術的な内容についてヒアリングをさせていただいて、そういった内容も踏まえまして検討したほうがよいのではないかと思っておりますので、そういったヒアリングの場も設けてまいりたいというふうに思っております。計3回程度の御議論で指針の改正案がまとめられればというイメージでおりますが、先生方の御議論の状況によっては、多少延ばすこともあるのかなというふうに思っております。
2段目ですけれども、こちらはあくまでも最速でということになります。最速のスケジュールでございますが、指針改正案がまとまれば、7月以降、生命倫理・安全部会で御議論いただく、また、パブリックコメントを実施していくといったことを考えております。
今後の予定については、以上でございます。
【三浦主査】 ただいまの説明について、御質問、御意見等、ございますでしょうか。
本日はキックオフというふうなことで、今は2月ですけども、5月からこのことについて議論が始まると。今回、5名の先生方がお役御免になるわけですけども、新たな委員の方々と残った委員の方々で5月から議論をしていただくというふうになります。
御質問、御意見、ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、議題(2)、ヒトES細胞の分配機関の設置計画変更確認申請に係る審査についてです。125-2の御説明をお願いいたします。
【橋本室長補佐】 事務局でございます。それでは、資料の125-2に基づきまして、説明させていただきます。
今回の審査ですけれども、(1)の申請の概要に記載しておりますとおり、ES細胞の分配機関である理化学研究所バイオリソース研究センターから提出がございました、分配機関の設置計画書の変更確認申請が対象となってございます。また、今回の申請内容につきましては、(2)の変更の内容に記載しておりますとおり、分配責任者の変更になってございます。来年度から、これまで分配責任者を務めてきたバイオリソース研究センターの細胞材料開発室長から、現在の理研の設置計画の業務を中心に実施しております、専任技師に交代をするというものでございます。
また、この変更内容に加えまして、(2)の※印の部分でございますけれども、今回の申請に当たりまして理研側から、分配機関の設置計画の確認を受けてから大分時間が経過しているということもありまして、現行指針に合わせて設置計画書の記載内容を更新したいという要望がございました。このため、ES細胞分配指針の第十条のただし書部分に規定しております「設置計画の実質的な内容に係らない変更」として、設置計画書の記載の適正化を行っております。その内容といたしましては、下に書いてあります三つのポツでございますけれども、設置計画書を現行の様式へ移行し、分配責任者の略歴等を添付資料に記載したこと。二つ目として、現行指針で定められていない記載事項を削除したこと。三つ目として、部署名称等が変更されたことに伴い、記載の内容を更新したこと。この3点になってございます。これらの記載の適正化につきましては、文部科学大臣の確認を受ける必要がない届出の扱いとなりますので、本日の審査の対象ではございませんが、いずれの内容についても、理研の機関内倫理審査委員会におきまして、分配業務に影響がないことが確認されております。
また、新たな分配責任者の略歴等と理研の機関内倫理審査委員会の結果につきましては、変更確認申請書の添付資料に記載がございますので、机上配付資料として配付をしております資料を御覧いただければと思っております。
事務局からの説明は以上になりますけれども、本日の審査対象となる分配責任者の変更について、御審議をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
【三浦主査】 資料125-2について、本委員会の委員でもありました理研の中村先生が御退職になるということから、次の方に変更するというふうな内容になっております。
また、それに併せて、分配機関の申請書等が承認されてから日にちが大分経っているということで、その間の指針の改正等に合わせた記載整備を行って、それを改めて出しているというふうになっております。
これについて、何か、御質問、御意見等、ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、本申請について、当委員会にて了承することとしたいというふうに思います。
続きまして、議題3のその他です。事務局から、資料125-3の御説明をお願いいたします。
【橋本室長補佐】 事務局でございます。資料の125-3に基づきまして、第12期における特定胚及びヒトES細胞の研究等に係る申請・届出について、報告をさせていただきます。届出と申請の件数につきましては、法律と指針ごとにまとめてございます。
まず、(1)のヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律に基づく計画につきましては、期間中、新規の届出はございませんでしたが、動物性集合胚の作成に係る変更届が1件ございました。この変更届の内容につきましては、第123回の本専門委員会において審査を行っていただいたものでございます。
次に、(2)のヒトES細胞の樹立に関する指針に基づく計画につきましては、期間中、新規の申請はございませんでしたが、樹立計画の変更申請が1件ございました。この変更申請につきましては、本専門委員会の運営規則に基づきまして書面による審査案件として審査を行っていただいたものでございますので、本日の専門委員会で審査結果を報告させていただきます。申請内容と書面審査の概要については、別添に記載しております。
次に、(3)のヒトES細胞の分配機関に関する指針に基づく計画につきましては、本日御審議いただきました理研の変更確認申請が1件ございました。
次に、(4)のヒトES細胞の使用に関する指針に基づく計画につきましては、新規の使用計画の届出が16件ございました。
(5)のヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針に基づく計画につきましては、新規研究計画の届出が1件ございました。
2ポツでございますけれども、これらの申請・届出も含めまして、現在実施中の計画につきましては、令和7年1月時点となりますが、(1)のヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律に基づく計画につきましては、動物性集合胚の作成が2件、動物性集合胚の譲受が1件、また、(2)のヒトES細胞の樹立に関する指針に基づく計画が2件、(3)のヒトES細胞の分配機関に関する指針に基づく計画が1件、(4)のヒトES細胞の使用に関する指針に基づく計画については111件、(5)のヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針に基づく計画が4件となってございます。
以上、第12期中の申請・届出に関する御報告となります。
事務局からは、以上でございます。
【三浦主査】 ありがとうございます。
ただいまの説明について、御質問、御意見等、ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
第12期の申請・届出の状況と、現在までの実施中の計画について総数が出たというふうになっております。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、本日の議題は以上となります。
最後に、事務局から連絡事項がありましたら、お願いいたします。
【橋本室長補佐】 事務局から、連絡事項をお伝えさせていただきます。
本日の会議はYouTubeによるライブ配信で公開させていただきましたが、後日公開する議事録が公式な記録となります。本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成した後、委員の先生方に御確認いただいた上で、文部科学省のホームページにて公開させていただきます。
最後に、第12期における本委員会につきましては本日が最後の開催となりますので、事務局から一言御挨拶を申し上げます。
【木村安全対策官】 事務局の文部科学省の木村でございます。本日は、どうもありがとうございました。また、今回の会議が第12期の期末に当たるということで、今日を最後に6名の先生方がこの委員会の委員としては退任をされるということで、2年間、本当にありがとうございました。特に、ちょうど2年前、第12期のこちらの委員会が始まった頃ですと、ミトコンドリア病に係る研究に関連する規定の見直し等がございまして、様々御議論いただいたものと承知をしております。
今年に入ってからですと、そういった制度改正がなく、今日御説明をしましたヒト胚モデルの検討のキックオフというところまでだったんですけれども、そういった制度検討に加えまして個別の案件の御審査ということもありまして、様々な点で御助言・御指導くださいまして、本当にありがとうございました。
6名の先生方は今日をもって最後となってしまいますが、ヒト胚を使った研究、倫理面ですとか技術面の課題を克服して、研究者の方にとっても、あるいは倫理面で懸念をされる一般の方にとっても、分かりやすいルールメーキングをしていければと思いますので、この委員会以外の場におきましても、引き続き、先生方に御指導等を賜れればと思っております。
2年間、本当にどうもありがとうございました。
【橋本室長補佐】 ありがとうございます。
ただいま木村安全対策官からも御紹介いただきましたけれども、今期をもって本委員会を離れる先生方がいらっしゃいますので、この場で御紹介させていただきます。
三浦主査、神里主査代理、小川委員、中村委員、花園委員、日山委員でございます。
もしよろしければ、本委員会を離れる先生方から、今御紹介した順で一言ずつ御挨拶をお願いできればと思っております。
まず、三浦主査、お願いいたします。
【三浦主査】 本学は、特定胚で中内先生のところが最初に行ったということで、その審査に関わっていたというふうなことから、ここの委員になったかと思います。委員になる前、15年ぐらい前ですか、山中先生が有識者ヒアリングで来ましてiPS細胞のお話をされて、新しい時代が来るんだなあというふうに思った記憶があります。それから、特定胚に関わること、様々なそうした議論が行われてきたんですけども、一つ残念なのは、特定胚の研究がなかなか多くならないというふうなところだったかと思います。ただ、10年後、20年後、特定胚・ヒト胚に関わる、どういう世界が社会で展開されているか分からないわけですけども、ここの中で議論されたことが、その10年後、20年後に生かされるように、心から願っております。
私からは、以上です。どうも、10年間ありがとうございました。
【橋本室長補佐】 三浦主査、ありがとうございます。
続きまして、神里主査代理、お願いいたします。
【神里委員】 国立成育医療研究センターの神里でございます。私も今日で卒業ということで、10年間、本当にお世話になりました。
この10年間の中で印象に残っているのは、2019年に特定胚指針を改正して動物性集合胚の規制を大幅に緩和したという、その改正に立ち会えたことが印象に残っております。今日もキックオフがありましたけれども、ここの委員会で扱う指針も、かなり改正して、そして増築してということを繰り返しているので、すごく複雑なものになってきていると思います。委員の先生方におかれましても、その複雑な指針に新しい技術を取り込んでいくということで、恐らく、これから奮闘されるんだと思いますけれども、できたものが、研究者に使いやすいものであること、そして、国民の方々にも理解していただけるような、そのようなものになってほしいと願っております。これからは、外から先生方の御活躍を拝見しております。
どうもありがとうございました。
【橋本室長補佐】 ありがとうございます。
続きまして、小川委員、お願いいたします。
【小川委員】 横浜市立大学の小川です。私は泌尿器科がベースにあるので、そういったことと、それから、精子形成とか再生医学のことも研究していることから、6年前にこの特定胚の委員に任命されて、皆さんと共に議論をさせていただきました。私としては、大変勉強になる、貴重な機会をいただいたと思っております。自分も、定年ということもありまして、今回、これで退任させてもらいますけども、皆様には本当にお礼しかありません。
ありがとうございました。これで失礼いたします。
【橋本室長補佐】 ありがとうございます。
続きまして、本日、中村委員は御欠席になっておりますので、花園委員、お願いいたします。
【花園委員】 花園です。私も、6年間、お世話になりました。委員長をはじめ各委員の先生方や事務局の方々には大分お世話になりまして、本当にありがとうございました。6年間、末席を務めさせていただいて、いろいろ感じることはありましたが、一つは、非常に驚いたのは、レベルが高くて、ついていくのが大変だったというか、結構、勉強しました。毎回、現場から、専門の先生、技術者を呼んで、最先端で最新の情報を与えていただいて、そういった客観的な最新のデータに基づいて議論がなされるということは、びっくりしたというか、さすがだと思いましたし、それから、議論の内容も非常にバランスが取れているんですね。研究者にありがちな行け行けどんどんとはならないし、ある意味、非常に慎重なのか、議論の対象事案によってもたらされる利益を予測し、逆に意図せざる利用あるいは悪用を予測し、その間のうまくバランスを取りながらガイドラインを作っていくという、かなり骨が折れるし、神経をすり減らすような作業を地道に積み上げていくといった、そういったプロセスを経験させていただいて、私自身も勉強になりましたし、出来たガイドラインなどを見ても、決して恥ずかしくない、どの国にお示ししても大丈夫なものが出来上がっていると、私は思っております。
今後も引き続き、初期胚を使った研究は進んでいくと思います。それでいろいろな面白い知見やユニークな知見がどんどん出てきて、いよいよこういったガイドライン作成が必要になってくると思いますけれども、新しい委員の先生を迎えて、この委員会が、科学の発展のため、国民の利益のために機能して発展することを本当に祈っております。6年間、どうもありがとうございました。
【橋本室長補佐】 ありがとうございます。
最後に、日山委員、お願いいたします。
【日山委員】 広島大学法科大学院の日山でございます。私も、6年間ほど、お世話になりました。ありがとうございました。入る前に動物性集合胚の改正があったということで、拝命しましたときに、正直、慌てて一生懸命勉強をして、それでも、皆様おっしゃるように、委員会の委員を務めている間もずっと追いかけるばかりだったように覚えております。物事の本質を探ったり、立ち返って考えていったりというところの大事さを改めて痛感させていただきました。大変貴重な機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
【橋本室長補佐】 本委員会を離れられる先生方、御挨拶、ありがとうございました。
事務局からは、以上でございます。
【三浦主査】 それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうも、御出席いただき、長い間御協力いただき、ありがとうございました。
―― 了 ――
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