特定胚等研究専門委員会(第128回) 議事録

1.日時

令和7年7月22日(火曜日) 13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省(オンライン開催)

3.議題

  1. 総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)生命倫理専門調査会報告を踏まえた関係指針の見直しについて
  2. 特定胚(動物性集合胚)の作成に関する届出について
  3. その他

4.配付資料

5.出席者

委員

八代主査、秋元委員、尾畑委員、小板橋委員、後藤委員、小林委員、長嶋委員、中村委員、藤田委員、山田委員

届出者

京都大学iPS細胞研究財団 塚原研究開発センター長、松永事業支援室副室長、加藤主幹研究員

文部科学省

木村安全対策官、橋本室長補佐、宮島専門職、中村係員

関係省庁

厚生労働省医政局研究開発政策課再生医療等研究推進室 伯井専門官
厚生労働省医薬局医療機器審査管理課 板垣調整官、渋井係長

6.議事録

【八代主査】  ただいまから第128回特定胚等研究専門委員会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席を賜りまして、ありがとうございます。
 それでは、議事に先立ちまして、事務局から委員の出欠状況と配付資料の確認をお願いいたします。
【橋本室長補佐】  事務局の文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室の橋本です。
 初めに、本日の会議の構成員の出欠状況を御報告いたします。本日は、9名の委員の皆様方に御出席をいただいており、定足数を満たしてございます。片野委員におかれましては御欠席、秋元委員におかれましては14時頃から御出席いただく予定となってございます。
 また、議題2の「特定胚(動物性集合胚)の作成に関する届出について」につきましては、届出機関である公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団から届出内容に関する説明等をいただくため、塚原研究開発センター長、加藤主幹研究員、事業支援室の松永様に御出席いただきます。
 なお、本日の会議はオンラインを併用して会議を開催しており、会議の模様をユーチューブによるライブ配信で公開させていただきますことを御承知おきください。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。オンラインにて御出席の委員の皆様は、事前にお送りしたPDFファイルにて資料を御確認ください。配付資料は、議事次第に記載しているとおり、資料として6点、参考資料として5点ございます。また、議題2に関する机上配付資料として、京都大学iPS細胞研究財団から提出のあった特定胚の作成届出書等の届出書類がございます。こちらの資料は非公開情報ですので、お取扱いには御注意いただきますようお願いいたします。御不明な点等ございましたら、事務局までお知らせください。
 最後に、会議の進行に当たってのお願いとなります。オンラインで御出席の委員の皆様におかれましては、御発言時以外はマイクをオフにしていただき、御発言の際に挙手ボタンを押していただき、主査の指名の後に御発言をお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、早速ではございますけれども、議事に入りたいと思います。
 まず最初は、議題1でございますが、「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)生命倫理専門調査会報告を踏まえた関係指針の見直しについて」でございます。前回の委員会では、ES細胞の使用指針と生殖細胞作成指針につきまして、指針の改正案と追加検討事項として両指針が適用される場合と、既に着手されている研究の取扱いについての議論を実施いたしました。また、ES細胞樹立指針及びES細胞分配指針につきましては、指針の見直しの方向性について議論をさせていただきました。
 本日は事務局において、前回の議論を踏まえて、4つの指針の改正案について御説明をいただきますけれども、内容が多岐にわたっておりまして、かなりボリューミーになっていますので、資料の説明と質疑応答を区切りながらという形で議論を進めさせていただきます。
 それでは、事務局から、ES細胞の使用指針及び生殖細胞作成指針の改正案について、まず、前回議論した追加検討事項以外の修正箇所の御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】  では、事務局から御説明いたします。ただいま画面に投影しております資料128-1-1を御覧いただければと思います。こちら、前回の会議でも条文案をお示しいたしました。前回の会議では、CSTI生命倫理専門調査会のヒト胚モデルに関する報告書を踏まえまして、胎内移植の禁止ですとか国への届出等、5つの大まかな具体的なルールがございまして、それらを反映させたものということで御審議をいただきました。おおむね御了承いただきましたが、その後、事務方のほうで詰めの作業を行いまして、前回から変更があった箇所について水色でマーカーをつけております。
 1枚目は記載の適正化というところですので、御確認いただければと思います。
 次のページでございますが、ヒト胚モデルの定義につきまして、事務方のほうで改めて確認をいたしまして、少し表現を直しております。読み上げさせていただきますと、「ヒト幹細胞を分化させた細胞から作成する細胞群のうち、ヒト胚又はヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すものであって、ヒト胚でないものをいう」という形にしております。点で区切られて大きく3つ文節がございますが、初めの「ヒト幹細胞を分化させた細胞から作成する細胞群のうち」というのは、まさにES細胞やiPS細胞といったヒト幹細胞を材料にしてヒト胚モデルを作っておりますので、そういったところを表現しているパートでございます。
 また、最後に「ヒト胚でないものをいう」ということで書いております。ヒト胚モデルですので当然ヒト胚ではないんですけれども、これをあえて記載した理由といたしましては、やはりヒト幹細胞から分化させた細胞でヒト胚の特性を示すものといいますと、ヒト胚そのものも概念上含み得る形にはなってしまいます。まさにこの指針が同時に対象としておりますES細胞、iPS細胞由来の生殖細胞、いわゆる精子、卵子を作ろうという研究が今行われておりますけれども、それらの受精はこちらの指針で禁止しているところでございます。なので、ヒト幹細胞由来の精子、卵子は受精させられないよ、ヒト胚にすることはできないよという形を取っているのですが、このヒト胚モデルの定義のほうで、仮にそういったものを含んでしまうような定義づけをしてしまいますと、変な形で抜け道になりかねないということですので、明示的にヒト胚は抜いたほうがいいだろうということで、最後のところに「ヒト胚でないものをいう」というのを記載しております。
 また真ん中のところ、「ヒト胚又はヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すものであって」のところですけれども、前回の会議では「ヒト胚の特性を示すもの」といったような表現にしておったかと思うんですけれども、「又はヒト胚に類するヒト発生初期の細胞群」というのを付け加えました理由といたしましては、ヒトES細胞の指針に関連する法令ということでクローン法がございますけれども、そちらのクローン法のほうでヒト胚の定義が胎盤の形成を開始する前のものということで明示されているところでございます。近い関係にある法令で、ヒト胚が胎盤の形成を開始する前のものと定義づけされている関係で、要は技術的に胎盤形成開始以後のヒト胚の特性を再現したようなものを作る可能性もあるであろうということで、そういったところを含み得る表現ということで「ヒト胚又はヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すもの」という表現にさせていただきました。ちょっと説明が長くなってしまいましたが、一番最初の文節は材料の部分、2番目のところはどういったものを作るのか、最後の「ヒト胚でないものをいう」というのは、抜け道にならないようにヒト胚をちゃんと抜くという3つの文節で構成した定義としております。
 続きまして、5ページに青く塗っているところがございますが、ここは記載の適正化ということでございます。
 また、次のページでございますが、もともと「研究者等又は使用責任者」というところを、順番を入れ替えて、「使用責任者又は研究者等」という形にしております。ここは、ほかのパートでは皆、「使用責任者、研究者等」という順番なんですけど、ここだけなぜか入れ替わった形になっておりましたので、記載の適正化ということで改めさせていただく次第でございます。
 また、この後、10ページ、11ページにも青塗りの箇所がございますが、いずれも条文の整理を行った関係で、前条ですとか第1項ですとかそういったところの条ずれを直すという趣旨で記載の適正化ということで直している次第でございます。
 続きまして、資料1-2を御覧ください。こちら、「ヒトiPS細胞又はヒト組織幹細胞からの生殖細胞の作成を行う研究に関する指針」の修正案で、先ほどと同じく、青に塗ったところが前回からの修正箇所でございます。
 1枚目は条ずれの修正ですとか記載の適正化ということになっております。
 また、2枚目にはヒト胚モデルの定義、先ほど御説明したものと同じものをこちらにも記載をしてございます。この後2ページの後半、3ページ、4ページにかけましても青塗りの箇所はございますが、いずれも記載の適正化というところで、条ずれ等の反映をさせたものでございます。
 6ページ、7ページにも記載の適正化ということ、また、9ページに参りますと、前回、第14条ということでまとめて記載をしていたところがあるんですけれども、中ほど、第14条の2というところ、途中で条を切るという形を取っております。これは、先ほど御説明したES細胞の使用指針と条文の構成を極力合わせようということで、こちらの条文を2つに分けたというところでございます。後ほど御説明しますが、ES細胞の使用指針とiPS細胞の指針で極力同じ形にすることで、両方またがって研究する方々にとって分かりやすくなるのかなというところで条を切っております。
 このほか、10ページにも記載の適正化ということで直しているところがございます。
 御説明は以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。各委員いかがでしょうか。こちらは恐らくは、最初のところにヒト胚でないものというところは御説明がありましたけれども、それ以外で、また、それも含めてですけれども御確認等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、多岐にわたりますので、こちらのところにつきましては、また後ほど、気がついたときにでも御質問いただければと思いますけれども、進めさせていただきます。
 続きまして事務局から、前回議論したES細胞使用指針及び生殖細胞作成指針の追加検討事項の説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】  それでは、最初に参考資料2の3ページを画面共有させていただきたいと思います。追加の検討事項ということで、前回この資料で御説明いたしましたが、追加の検討事項は2つございます。まず1つ目につきましては、ヒトES細胞由来の胚モデルを作成する場合はES細胞使用指針、ヒトiPS細胞等のみを用いて胚モデルを作成する場合は生殖細胞作成指針を適用ということになりますけれども、研究上、両方のものを同時に扱う場合ですとか、あるいはES細胞とiPS細胞由来のものを混ぜて胚モデルを作成する、そういった場合には法規上は両方の指針が適用されることになるわけですが、手続上、例えば申請書類を1つにまとめていただけるとか、そういった工夫が必要であろうということで、そこを具体的に条文上どう書き込むのかというのをこの1か月間、事務方のほうで検討してまいりました。
 また、この資料の5ページを御覧いただければと思いますが、ES細胞の場合は現状、ES細胞の指針に条文上明記はされておりませんが、現行法規上もES細胞由来で胚モデルを作る場合には届出をいただいているという形になります。他方でiPS細胞由来の場合は現行、国への届出は要らないという形になっております。そういった差異はございますが、今回改正する指針が施行された際には、それまでの間に実際に研究に着手してこられた方々の取扱いについてちゃんと決めておく必要があるだろうということで、こちら、前回お示ししたスライドですけれども、ES細胞の場合は既に届出をいただいている形にはなりますので、既にいただいている届出については、指針改正後も届出をいただいているものとみなすと。ただ、その後、研究計画が変更される場合には、培養期間の検討を含めてIRBで審査していただいて、変更届出を出していただく。他方、iPS細胞由来のものに関しましては、マル3のところですけれども、施行後3か月以内に届出をいただきまして、さらに変更がある場合にはIRB審査もしていただく、そういった立てつけでいかがかということで御了承いただきましたので、今回はこちらにつきましても条文を検討してございます。
 では、資料128-1-1を御覧いただければと思いますが、まずはES細胞及びヒト幹細胞、いわゆるiPS等由来の細胞からヒト胚モデルの作成を行う一の研究についての取扱いというところになります。第22条と書いてありますけれども、「ヒトES細胞及びヒト幹細胞からヒト胚モデルの作成を行う一の研究については、この指針及びヒトiPS細胞等から生殖細胞又はヒト胚モデルの作成を行う研究に関する指針の規定を適用する」。先ほど申しましたとおり、2つの指針が適用されるという形になります。ただこの場合において、次の表の上欄に掲げる生殖細胞・ヒト胚モデル作成指針の規定及び当該規定中の事項は、同表下の欄に掲げるこの指針の規定及び当該規定中の事項をもって代えることができるものとすると。法令的に書いてございますので補足をいたしますと、表の左側がiPS細胞等を扱う場合の指針、右側がES細胞を扱う場合の指針ということで、要は左側の規定ではなくて右側の規定を守ることで左側の規定を守ったことになりますよということで、iPS細胞とES細胞を同時に使う場合には、ES細胞の使用指針に則って対応していただければiPS細胞の指針も守ったことになるということを条文上明記するものでございます。
 具体的にどういったところに適用されるかといいますと、一番上の段、第7条の2の第1項とございますけれども、ヒト胚モデルを譲渡する場合の手続、研究機関の中でヒト胚モデルを作った後に譲渡しますよというときに、機関の長の了承等の手続がございますが、それをES細胞、iPS細胞両方扱う場合にはまとめて手続ができるといったようなこと。1個下の段は、そういった場合の機関の長の了承を求めること。次の段は、譲渡の適合性、を確認する必要がございますが、そういったところの確認の行為をまとめて実施できるという形になっています。
 あと、一番下の段が研究機関の倫理審査委員会、文部科学大臣への報告、いわゆる国への報告ですとか倫理審査委員会への報告につきましても、ES細胞とiPS細胞を分けてということではなくて、まとめてできるという形に条文上明記をしております。
 また、次のページにめくっていただきまして、研究計画書の作成、倫理審査委員会の意見聴取、あと研究計画自体の国への届出や書類の提出、そういったところにつきましても、ES細胞とiPS細胞を同時に扱う場合にはまとめてできますよという形にしております。
 第14条、4つございますが、これは研究計画変更の場合にも同様にまとめてできるといったような立てつけにしてございます。
 また、次のページを御覧いただきまして、その他、国への手続や機関内の手続に関しまして、網羅的にまとめて実施できるようにということで整理をいたしております。条文の形にしてしまいますと、大分多岐にわたっておりまして分かりづらいところもあるかと思いますので、実際に施行の際には、研究機関に対してはまとめてできますよというのを、より分かりやすい形で、周知をしていければと思っております。
 次に経過措置、いわゆる施行時の取扱いでございますが、最後、附則という形で設けております。施行期日につきましては、現時点でまだパブコメ等も実施しておりませんので、なかなか見通しが効きませんので、現時点では○年○月○日としております。使用計画の経過措置、第2条でございますが、こちらの告示を施行する際に、現にヒトES細胞を使用してヒト胚モデルの作成を行う者においては、施行前に旧指針の規定により、文部科学大臣に届け出た使用計画については既に届出をいただいているものとみなすと。その場合に、第14条の規定による使用計画の変更をするまでの間は、第11条第2項第8号の規定は適用しないと。この第11条第2項第8号といいますのは、いわゆる研究計画書に培養期間の上限を書いてくださいというところでございますが、既に開始している実験につきまして、IRBを開いて検討し直す間、研究を止めるというのは、法律ならいざ知らず、こちらは告示でございますので、国としてなかなかそこは言いづらいのではないかというところで、当面、従前の計画のまま走っていただくものの、研究計画を見直す場合にはしっかりと検討してください。そういった経過措置を設けてはどうかということで、こういった条項を出しております。
 続いて、資料128-1-2を御覧ください。iPS細胞の指針にも先ほどと同じように、ES細胞の使用指針を守ればiPS細胞の指針は守ったことになりますよという旨の規定を設けてございます。先ほどと同じ内容になりますので、詳細は割愛させていただきます。
 また、経過措置につきましては附則のほうに設けております。第2条のところを御覧いただければと思いますが、本施行の際、現にヒト幹細胞からヒト胚モデルの作成を行う者においては、第11条第1項中「あらかじめ」とあるのは、施行日から起算して3月を経過するまでの日とございます。先ほどスライドで御説明したように、iPS細胞の指針のほうは、現状ヒト胚モデルを作成する際に、国への届出ですとか機関内の審査というのが特段定められておりませんので、国として研究が実施されているという状況は最低限把握しておくべきではないかということで、施行後3か月以内に届出をいただくという形にしております。ただ後半、下から6、7行目辺りを見ていただければと思いますが、「この場合においては、第14条の規定による研究計画の変更をするまでの間、第11条第2項第8号等の規定は適用しない」と書いてあります。こちらは、先ほどのES細胞の使用指針と同じでございますが、既に着手している研究について、情報の提供はいただくものの、一旦研究を止めてIRBを開いていただいて再度審査をするというところまで求めるのはやや過剰ではないかというところで、研究計画の変更をするまでの間は今の研究計画の下で走っていただく、そういった規定の内容にしてございます。
 御説明は以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 小板橋委員、お願いいたします。
【小板橋委員】  ありがとうございます。1個前の1-1のほうになっちゃって申し訳ないんですが、よろしいでしょうか。
【八代主査】  どうぞ。
【小板橋委員】  ヒト胚モデルの定義の文章なんですけど、「ヒト胚又はヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すものであって」、「ヒト胚又はヒト胚に類する」の定義として「ヒトの発生初期の細胞群の特性を示すもの」ってあるのかと思って、この「ヒト胚又はヒト胚に類する」って必要なんですか。というのも、その後にヒト胚でないものを言って、何か禅問答のような感じの文章になっちゃっているので、できるだけシンプルにしたほうがいいのではないかと思うんですけれども。
【木村安全対策官】  先ほど御説明しましたように、まず、「ヒト胚」で1つ、「又は」の後の「ヒト胚に類するヒト発生初期の細胞群の特性を示すもの」というところで2つ目の固まりになっております。要は、「ヒトの発生初期の細胞群の特性を示すもの」が「ヒト胚又はヒト胚に類する」にかかっているわけじゃなくて、「ヒト胚」と「ヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すもの」の2つがあると。先ほど申しましたとおり、法令上、「ヒト胚」というのは胎盤の形成を開始する前のものを言うんですけれども、今回のヒト胚モデルというのは、ヒト胚、いわゆる着床後の細胞群の再現をするようなものもありますので、単に「ヒト胚の特性を示すもの」としてしまうと、着床後の、要はヒト胚に類似する何らかの細胞群の環境を再現した研究が含まれなくなってしまうというところで、分かりづらさはあると思うんですけれども、法令上こう書いたほうが、実際に行われている研究が網羅的に含まれるのかなというところでございます。
 あと最後に、「ヒト胚でないものをいう」と入れましたのは、一番最初のところを見ていただければと思うんですが、ヒト幹細胞を分化させた細胞というところで、ES細胞やiPS細胞から作成する細胞の中には生殖細胞も含まれます。なので、その場合、生殖細胞を受精させて作るもの、要はヒト胚そのものになってしまうんですけれども、ヒト胚モデルにヒト胚そのものを含めてしまうというのは逆に幅を広げ過ぎですので、そこを除くためにというところで、「ヒト胚でないものをいう」というのを入れたという形になっております。
【小板橋委員】  今の私が読んでしまったように読まれる危惧はないんでしょうか。あと、ヒト胚で区切るって、ごめんなさい、やっぱり全然分からない。ヒト胚でヒト胚でないものって読めちゃいますけど、「ヒト胚又は」で区切るとすると。
【木村安全対策官】  先ほど私の説明がやや誤解を与えてしまったかもしれません。「ヒト胚」と「ヒト胚に類するヒト発生初期の細胞群」という2つの固まりがあって、「ヒト胚の特性を示すもの」と「ヒト胚に類するヒトの発生初期の細胞群の特性を示すもの」という2つがある。なので、ヒト胚の特性を示すんだけどヒト胚そのものではないんだよというところをここで表現しようとしております。ただ、法律上、どうしてもこう表現をしてしまうと、技術者の方からすると大変分かりづらいというところは先生おっしゃるとおりかなと思っておりまして、前回の会議でも御説明しましたとおり、実際に施行する際には、技術者にとって分かりやすいようなガイダンス等を充実させていきたいなと。
 例えば、参考資料の3を御覧いただければと思うんですけれども、5ページから6ページにかけて、5ページの最後、「(2024年4月)においても」と書かれておりますけど、ヒト胚モデルを技術的に表現するとこういうところはCSTIの報告書において示されておりますので、そういったところは有効に活用しながら周知に努めてまいりたいと思っております。ただ、こういった技術的な内容を法規上表現していくと、先ほどのような表現になるというところにつきましては御理解いただければと思っております。この点、誤解がないようにしっかりと周知は進めてまいりたいと思います。
【小板橋委員】  やっぱり「ヒト胚又はヒト胚に類する」というのは必要なんですね。
【木村安全対策官】  そうですね。繰り返しになりますが、法規上、ヒト胚というのはクローン法で定義をされておりまして、胎盤の形成を開始する前のいわゆる着床前のものに期間が区切られております。着床後のものも再現をした研究というのはありますので、「又は」から後ろを入れないと、実際に世の中で作成されているヒト胚モデルの一部しか読めない定義になってしまうということになります。
【小板橋委員】  そこを除いて、「ヒトの発生初期の細胞群の特性を示すものであって」って言うだけじゃ駄目なんですか。
【木村安全対策官】  「ヒトの発生初期の細胞群の」ということでしょうか。ヒト幹細胞を分化させた細胞から作成する細胞群のうちヒトの発生初期の細胞群のということですか。
【八代主査】  多分、「ヒト胚に類する」という言葉を抜いて、「ヒトの発生初期の細胞群の特性を示すものであって」とおっしゃっているわけですよね。
【小板橋委員】  はい。
【木村安全対策官】  「ヒト胚又はヒトの発生初期」。
【八代主査】  そうですね。ということをおっしゃっている。だから、「ヒト胚に類する」というのが要らないんじゃないのかと。
【木村安全対策官】  なるほど。その場合なんですけど、ヒトの発生初期というのが果たしてどこまでなのかというのが必ずしも明確ではないと。要は、ヒト発生初期というのは、恐らく研究される先生方の分野によっても様々な解釈があるのかと思っていまして、ただヒト胚モデルの報告書を見る限り、例えば胎児様の、もう手が生えているような、足のような構造があるもの、そういったところまでやっていいよとはなっておりませんので、いわゆるちょっと情緒的な表現になりますけれども、あくまでヒト胚モデルを作れるというのは、ちょっと丸っこい細胞の塊のようなものということなのかなと思います。ですので、ヒトの発生初期だけでやっていってしまうと、手足が生えたようなものも容認しているかのように見えてしまうので、「ヒトの発生初期」という言葉に限定をかけるとすると、どうしても「ヒト胚に類する」という表現になるのではないかというところで今回つけさせていただいております。
【小板橋委員】  どこかに期間はなかったんでしたっけ、研究の期間の条件的なものは。
【木村安全対策官】  おのおの研究の中で御検討いただくということで、例えばヒト胚のように14日ルールのようなものはございません。そういう数字的な上限がないものですから、文言上こういった工夫をさせていただいているというところでございます。
【小板橋委員】  ただ、発生初期と言ったら、ある程度の定義ってございませんか。
【木村安全対策官】  法令上はございません。医学的には恐らく……。
【八代主査】  そうですね。さっきおっしゃったように、いわゆる着床前期、前の状況ということをこれは指しているんだろうということは想定できるんですがというところですけれど。すいません、ほかの委員の先生方は、ちょっと視点を切り替えてということでもないんですけれども、今の小板橋委員の御意見についてお考え等がございましたら御意見をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
 すいません、急で恐縮なんですが、藤田委員、御意見いただけないでしょうか。
【藤田委員】  禅問答のようでとおっしゃったのは、確かにそのとおりで、ちょっとリダンダントで分かりにくい気はしたんですけれども、例えば、「ヒト胚又はヒト胚に類するヒトの発生初期の」というところの3つ目の「ヒトの」というのを少し削るとか、あるいは、削った上で、「発生初期の細胞群の特性を示す」と書くと、ヒト胚そのものであるかのようなニュアンスが出るようでしたら、「細胞群の特性を模倣するもの」とか「模するもの」とか、そういう表現もあるかなと思いながら聞いておりましたが、これに拘泥するものではなく、あくまで一意見です。
【八代主査】  ありがとうございます。ほかの先生方いかがでしょうか。
 すいません、小林委員、ヒトの発生初期とかのところについて少し御意見等ありますでしょうか。このぐらいの時期を指すんじゃないかということについて。
【小林委員】  ありがとうございます。恐らく一般的には、胚と胎児という境目が、心臓ができてきて拍動がする、あるいは各臓器が成熟してくるなどの時点だと思うので、胚というと器官形成までの段階だと思います。先ほどおっしゃったように、クローン法との整合性を取るために、着床前胚をあえてヒト胚としてしまうと、この文で仕方がないのかなという気もします。
【八代主査】  ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。小板橋委員、また追加で御意見等いかがでしょうか。いただけますでしょうか。
【小板橋委員】  ありがとうございます。先生方が大丈夫であれば大丈夫です。ただ、日本語的に非常に読みにくいなと思ったというところです。ありがとうございます。
【木村安全対策官】  ありがとうございます。事務局でございます。先ほど、藤田先生、小林先生のコメントをいただきまして、ありがとうございました。そのうち、「ヒトの発生初期の」のところの「ヒトの」がなくてもいいのではないかというところにつきましては、ごもっともかと思います。法規上それで通用するのかどうかは省内で検討した上で、可能であればその方向で調整をいたしたいと思います。また、「特性を示すものであって、ヒト胚でないものをいう」というところを「模倣するもの」といったような書換えが法規上可能かどうかにつきましても、省内で検討を進めてまいりたいと思っております。可能であれば反映させたいと思っております。ありがとうございます。
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、今、小板橋委員にいただいた意見のところを踏まえまして、事務局で再度検討いただく形にさせていただこうと思います。ありがとうございます。その他の点につきまして、御指摘、御質問等ございませんでしょうか。いかがでしょうか。
【藤田委員】  すみません、1つ。
【八代主査】  お願いします。
【藤田委員】  ありがとうございます。やはり事前に御説明いただいたときも非常に分かりにくくてお伺いしたいんですけど、申請の方法が簡便になるということで、ES細胞指針に基づく届出をもって生殖細胞の指針の届出に代えることができるという、この辺りのことが、大学側で倫理申請のお手伝いをするとか倫理審査をするとか届出をするとか、そういう立場でお聞きすると、結局届出とかプロトコルを何本準備するのかという、そういう観点で御説明いただけると非常にありがたくて、指針1本でいいということが、つまり申請書1本でいいということなのか、それとも指針1本だけれども申請書は2つ準備するということなのか、指針2本だけれども届け出るときは1本参照すればいいということなのか、その辺りが1回では分からなかったので、もう一回御説明いただいてもよいでしょうか。
【木村安全対策官】  大変失礼いたしました。今、参考資料2の3ページのスライドのほう、画面共有いたしておりますけれども、ES細胞のみを使う場合、あるいはiPS細胞等のみを使う場合は、それぞれES細胞の指針、生殖細胞作成指針ということで、指針は2本残るという形になります。ただ、ES細胞とiPS細胞を混ぜて使うような場合、あるいは混ぜて使わないんだけれども、1つの研究計画の中でES細胞を使用して作るものとiPS細胞を使用して作るもの。一番下のところで絵で表現してございますが、そういった場合は2つの指針が適用されるものの、申請書といわゆるプロトコルのところにつきましては1本化するという形にしております。前回の会議でも、ES細胞の指針と生殖細胞作成指針を1本化できないか、要は、指針を1つにできないかという御意見もございましたが、確かにヒト胚モデルのことだけを見て考えるとそれができそうに見えるのかもしれませんが、特にES細胞使用指針につきましては、要はES細胞から生殖細胞系列に全く関係のない、例えば心臓の心筋の細胞に分化させるですとか、あるいは肝臓に分化させるとかそういった研究も含まれてくる指針でございますので、恐らくかなりES細胞の指針が難解な指針になってしまうだろうというところで、無理にくっつけるとそういった弊害が出てきますので、ヒト胚モデルという視点で見た場合には、ES細胞の指針と生殖細胞作成指針がどうしても2つに分かれてしまうと。ただ、実行上、特に2つの細胞を混ぜて使う場合には、指針が2つに分かれていると大変使いづらいということもあるかと思いますので、指針の中でしっかり明文化いたしまして、ES細胞の指針を守っていればそれでいいですよという形に持ってきております。
【藤田委員】  では、プロトコル1本で大丈夫だという、そういう理解でよろしいですか。
【木村安全対策官】  さようでございます。
【藤田委員】  そのときに、先にES細胞指針を適用してヒト胚モデルを作っていて、結果が出そうなので今度はiPS細胞でも作りたいと、そうなった場合には、非常に個別具体的なことを質問して恐縮なんですけど、そういうときにはどのようにしたらよいでしょうか。
【木村安全対策官】  経過措置に関係してくる話だと思いますので、次の5ページを御覧いただければと思います。既に着手されている研究につきましては、ES細胞の場合はマル1、iPS細胞の場合はマル3というところで、現状届出のありなしが違いますので、細かいところで区分けは設けておりますけれども、基本的には施行前から行っている研究については引き続き実施していただける形を取っております。他方で、当然ながらですけれども、点線の右側、要は告示の施行後、新たに開始される研究というのは当然新しい指針の下で届けていただくと。
 今し方の藤田先生の御質問は、恐らく一番上のマル1のところ、従前からES細胞だけを使って研究している場合に、後からiPS細胞等も使って研究するマル4のところ、ここを混ぜた場合どうなるのという御質問かと思います。その場合には、研究計画の変更なのか新規なのか、そこは今後整理をしていきたいと思うんですけれども、基本的な考え方としては、昔からやってないことを新たにやるよという場合は、恐らく新しく届出が必要かと思いますので、一旦iPS細胞の指針の下で出していただきつつ、その後、さらに研究計画を変更するような場合には、ES細胞、iPS細胞の場合まとめて出していただくとか、そこら辺の運用上の工夫はしていって、研究者の皆様に御負担のない形で運用していければと思っております。
【藤田委員】  では、最初からiPS細胞、ES細胞両方とも使うというプロトコルだったら1本で、ただ、途中から加える場合は、今後どうなるか分からないですけれども、経過措置の間か、それ以降も、変更届出ではなく2本出すということになりそうだという理解でよろしいでしょうか。
【木村安全対策官】  大まかにはそういったお考えでと思っております。
【藤田委員】  ありがとうございます。確認できてよかったです。
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、いかがでしょうか。その他御意見等ございませんようでしたら、次に進ませていただければと思います。
 それでは、事務局から、ES細胞樹立指針及びES細胞分配指針の改正案についての説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】  ありがとうございます。先ほど御説明が漏れてしまったので、この場をお借りしてすいません。今し方御説明しました経過措置ですとか、あるいは届出の1本化の規定でございますけれども、まだ条文の細部につきましては法令担当と詰めているところでございますので、今後細かな表現のところは変わり得るということで御承知おきいただければと思います。ただ仕組みとして、今日御説明したようなところは変えずにと思っております。ありがとうございました。
 続きまして、ES細胞の樹立指針とES細胞の分配の指針の2本について御説明をいたしたいと思います。条文の御説明の前に、参考資料2の最後のページを御覧いただければと思います。前回御説明をした樹立指針と分配指針の改正の方向性でございます。まず、ES細胞の使用指針と同様の改正ということで、こちら、前回御議論したところですけれども、ES細胞を海外に分配する場合、分配先におけるヒト胚モデルの胎内移植・個体産生の禁止を分配先に求めるという規定をES細胞の使用指針の中で設けております。それと同じ内容のものを、今日見ていただく樹立指針、分配指針にも反映させるということをやっております。
 そういった改正がありますので、その機を捉えまして、ES細胞の樹立指針についてこちら、マル1からマル3にあります内容につきまして、他のヒト胚の指針の内容を踏まえて、同じ内容を反映させるということで、こちら3点の見直しも検討してはどうかということで前回御議論いただきました。
 1つ目につきましては、研究者の変更に係る手続を簡素化するもの、マル2はIC、インフォームド・コンセントでございますが、現状紙でしかできない形になっておりますので、電磁的方法を認めるもの。また、マル3でございますが、提供胚指針と同じように、事実婚の夫婦等からのヒト受精胚の提供も受けることができるようにする、そういった内容を今回反映させた条文にしてございます。
 では、資料1-3を御覧いただければと思います。まず、樹立指針でございます。おめくりいただきまして2ページ、こちらは先ほど見ていただきましたヒト胚モデルの定義について、こちらにも入れてございます。
 続きまして、7ページでございます。第12条のところで、樹立責任者は第9条第2項各号、第2号の後に「及び第4号を除く」の記載内容を変更しようとするときは、あらかじめ樹立機関の長の了承を求めるものと。この第4号というところが、研究責任者以外の研究者の変更でございます。今まではこの第4号が入っていませんでしたので、研究者を変更する場合には樹立機関の長の了承が必要でございましたが、第4号と加えることで、樹立機関の長の了承は要らなくなるという形になっております。ただ、樹立機関に何にもしないということではなくて、最後3行見ていただければと思いますが、「ただし、樹立計画の実質的な内容に係らない変更については、樹立機関の長に報告することをもって足りる」というところで、しっかりと機関内での報告はしていただく形になっております。
 次のページを御覧ください。第13条のところで再び「及び第4号」と出てまいります。こちら、研究機関の変更について主務大臣への届出というところで、文部科学大臣及び厚生労働大臣に、今までは国に御提出いただいた後に、こういった会議の場で御議論いただいていたんですけれども、研究者の変更につきましては届出をもって足りるという形に変更しております。
 続きまして、10ページを御確認ください。こちらは第18条ということで、ICの手続に係る規定でございます。赤くなっていますが、上半分、第18条第1項につきましては、いわゆる提供者に係る規定でございます。ES細胞を作る際のヒト胚の提供者でございますけれども、事実婚の方を認めるというところで、こちらの条文の日本語につきましては、既存の指針からそのまま引用して持ってきている形になっております。第2項ですが、前項のICにつきまして、次に掲げる事項に配慮した上で、書面に代えて、電磁的方法も認めるというところで、この規定を入れることで、紙だけではなくて電磁的方法でのICが可能となっております。こちらも表現ぶりにつきましては、既存の指針から参照して持ってきております。
 おめくりいただきまして、第19条の第4項でございます。こちらも電磁的手法によるICに係る規定でございますが、ただし書以降のところ、電磁的方法によるICを受けた場合には、説明書及びその写しの交付に代えて、提供者及び提供医療機関に対し、説明書等に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができるものとすると。こちらは、これまで書面でICを受けた場合には、その写し等を提供者や医療機関に交付しましょうとなっていたんですけれども、電磁的手法の場合の取扱いについて明文化したものでございまして、こちらも既存の指針から引用して持ってきてございます。
 続きまして、第23条でございます。こちら、タイトルに「海外機関に対する分配」とございますとおり、ES細胞を海外機関に分配する際の手続について規定したものでございます。先ほどスライドで御説明したとおり、海外にES細胞を分配する際に、ヒト胚モデルを作って、それを胎内移植あるいは個体の産生をしないでねというところで、今回、ヒト胚モデルを明文化しております。
 続きまして、16ページを御確認ください。再び電磁的手法によるICに関する規定が出てきております。先ほど御説明した条文ですと、いわゆるES細胞を作る際にヒト胚を提供いただく必要があると。ヒト胚を提供していただく際のICなんですけれども、こちらの第28条は、未受精卵等を提供していただく場合のICの手続ということで、こちらも同じ表現をしておりますが、電磁的手法を認めるということで規定を改めております。
 17ページ、次のページでございますが、こちらは提供者や医療機関に写しを交付する場合に代えてということで、先ほども電磁的ICは2つのセットの条文がございましたけれども、未受精卵等につきましても2つのセットの条文をこうやって設けているという形になります。
 続きまして、19ページを御覧ください。第34条でございます。再びIC、電磁的方法というのが出てきておりますけれども、1つ目のセットがヒト胚、2つ目のセットが未受精卵等、そして第34条が体細胞ということで、細胞の種類ごとにICの規定がございますので、それぞれに電磁的手法の条文を付け加えているという形になっております。
 続きまして、資料1-4を御確認ください。こちらはES細胞の分配指針でございます。記載の適正化のところは説明を省略させていただきまして、1ページの下半分を見ていただければと思います。こちらにもヒト胚モデルの定義、先ほど御議論いただいたものを付け加えております。
 また、6ページを御覧ください。分配指針におきましても、海外の機関にES細胞を分配する場合の要件につきまして規定がございますので、こちらにおきましても、ヒト胚、ES細胞を海外に分配する際には、ヒト胚モデルの胎内移植あるいは個体産生、そういったものを禁止しますよということを相手に求めると、そういった規定をこちらに設けております。
 御説明は以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。御意見等ございませんでしょうか。ここまで御意見をいただいておりませんけれども、ただいまの御説明、御質問、御意見等なしということでよろしいでしょうかね。よろしいようでしたら以上とさせていただきまして、指針案の説明と質疑応答が一通り終わりましたということになります。
 先ほど小板橋委員から、ヒト胚モデルの定義の規定につきまして御指摘いただきましたけれども、それ以外につきまして、全体を通じて御意見等ありましたらいただければと思いますが、いかがでしょうか。御意見等なしということでよろしいでしょうか。御意見がないようですので、本日いただきました御意見を踏まえまして、事務局において、先ほど御指摘いただいた点、指針の改正案を修正いただきたいと思います。修正案につきましてですけれども、いただいた御指摘に従って、先ほど木村安全対策官のほうからも御発言いただきましたけれども、先ほどの方向性で修正するということで、修正案につきましては私に御一任いただければと思いますけれども、それでよろしいでしょうか。御意見なければ、それで進めさせていただきます。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、事務局から資料128-2に基づきまして、今後の予定についての御説明をお願いいたします。
【木村安全対策官】  今後の予定につきまして、御説明をさせていただきます。今後、8月以降でございますけれども、まず、文部科学省の生命倫理・安全部会に指針の改正案を御報告いたしまして、御審議をいただく予定でございます。生命倫理・安全部会の前段階で八代主査とも御相談をしながら、指針の改正案の見直しにつきましては可能な範囲で進めてまいりたいと思っております。生命倫理・安全部会の開催の後はパブコメを実施いたしまして、国民の意見を募った後に、必要に応じてまた、こちらの委員会でも御審議をいただきつつ、指針の改正に向けて対応してまいりたいと思ってあります。
 指針の改正案につきましては、繰り返しになりますが、法令上の観点から確認を行いまして、八代主査にも御確認をいただきつつ、部会に諮ってまいりたいと思っております。
 説明は以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございます。ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。今後の進め方、今お話しいただいたとおりで進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、御意見なしということで、関係指針の見直し等についての議論は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
 引き続きまして、議題2で用意してございます特定胚(動物性集合胚)の作成に関する届出についての適格性、適合性を確認するということにいたします。今回、京都大学iPS細胞研究財団から動物性集合胚の作成に関する届出がありました。それでは、届出機関の説明者に御入室いただきます。よろしくお願いいたします。
(京都大学iPS細胞研究財団 入室)
【八代主査】  本日はお暑い中ありがとうございます。それでは、事務局から、本日の議論の進め方について説明をお願いいたします。
【橋本室長補佐】  事務局でございます。それでは、本日の議論の進め方について御説明いたします。本日の議論はまず、事務局から届出の概要等について説明した後、今回の届出内容等について届出機関から御説明いただきます。その後、委員の先生方から御質問等をいただき、質疑応答が一通り終わった後に届出機関には退室いただきます。その上で委員の先生方に、今回の届出の指針適合性について御審議いただければと思っております。なお、本専門委員会の運営規則上、審査を行う計画等の関係者である委員には審査の際に御退席いただくことになっておりますが、今回の届出に関しては該当者がいないことを確認しております。
 事務局からは以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、事務局から届出の概要等について御説明をよろしくお願いいたします。
【橋本室長補佐】  事務局でございます。初めに、再度となりますけど、資料の取扱いについて説明させていただきます。今回の届出に関する審議は公開となりますが、本専門委員会の運営規則上、「計画等の内容に係る会議資料については、知的財産権の保護、個人情報の保護又は審査の中立性等の観点から、専門委員会の委員、外部有識者及び説明者に限り配布するものとする」とされておりますので、届出書等の届出書類は机上配付とさせていただいております。
 それでは、資料の128-3に基づきまして、届出の概要について説明させていただきます。
 まず、1.の「届出の概要」でございますけれども、今回の届出につきましては、(1)と(2)に記載しておりますとおり、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団からの届出であり、研究責任者は本日御出席いただいております塚原センター長になってございます。また、(3)の「研究計画の概要」につきましては、資料に記載しているとおりでございますけれども、この後、京都大学iPS細胞研究財団から御説明いただきますので、この場での説明を割愛させていただきます。なお、3ページ以降に、別添資料といたしまして、特定胚指針等の関連規定とそれに対応する今回の届出の記載内容をまとめておりますので、適宜御覧いただければと思っております。
 1ページ目に戻っていただきまして、続きまして、一番下の2.になりますけれども、事前確認の結果についてでございます。今回の届出の特定胚指針への適合性の確認では、7月4日から10日までの期間で、委員の先生方に書面で届出の内容を御確認いただきまして、御意見をいただいております。その結果が2ページ目になってございます。
 まず、(1)の「特定胚指針に対する適合性」につきましては、適合しないという指摘はございませんでした。また、(2)の委員の先生方からの意見・確認事項についてという部分ですけれども、4点ほど御意見を頂戴しております。マル1といたしまして、研究機関について、開始日を法律の条文に合わせて、誤解がないように記載したほうがいいのではないかという御意見、また、マル2といたしまして、外部委託先に提出する検体につきまして、「サンプル」という表現があるんですけれども、サンプルが動物性集合胚に関係するものか判断できないので、より明確で適切な表現にしていただきたいという御意見、また、マル3といたしまして、作成者の技術的能力につきまして、ガイダンスの例示に従いまして、ブタ胚と他のどの動物細胞を用いて動物の集合胚を作成したかを具体的に示していただきたいという御意見、また、マル4といたしまして、インフォームド・コンセントの説明文書におきまして、同意を取り消しても研究結果を完全に廃棄できないという記載につきまして、提供者にとって分かりやすい内容となるように、その状況を具体的に示す等の補足を検討いただきたいという御意見、以上4つの御意見をいただいてございます。
 また、指針適合性に関係する御意見以外に、(3)の部分ですけれども、その他のコメントもいただいてございます。1点目が、先ほどの(2)のマル4の御意見にも関連する部分でございますけれども、研究者側がどの段階までは同意撤回が可能で、どのような場合に困難になるかというのを説明文書に記載をいたしまして、参加希望者がその限界を理解した上で、自らの意思で判断できるようにすることが望ましいというコメント。2つ目といたしまして、非統合胚モデルは自然の胚を使用しない、また、動物性集合胚は実際の動物胚を使用するという概念上の区別がありますので、関係者間で認識にずれが生じないように記載を整理してはどうかというコメントをいただいております。また、マル3でございますけれども、ブタ体内で臓器を作成できるようになって、それをヒトに移植するとなったとしても、国内には厳しい規制があって、異種移植の実用化が進みにくい現状があると、そういった状況になりますので、研究の進展に応じて、関係省庁の連携を期待したいといったコメント。また、マル4といたしまして、現在本専門委員会でヒトiPS細胞からヒト胚モデル、blastoidの作成について審議中であるところ、動物iPS細胞からのblastoidの作成について、現行指針との関係性を整理しておく必要があるのではないかといったコメント。以上、4つのコメントをいただいてございます。これらの意見やコメントへの対応につきましては、この後、京都大学iPS細胞研究財団から御説明いただくことになってございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、京都大学iPS細胞研究財団から、届出内容と事前確認における委員からの指摘事項につきまして御説明をいただければと思います。それでは、塚原センター長、加藤主幹研究員、そして松永様から御説明をお願いいたします。
【塚原研究開発センター長】  ありがとうございます。御紹介いただきました塚原と申します。私のほうからは別添1の資料、先生方のお手元に資料があるかと思いますけれども、そちらを見ていただきながら御説明させていただければと。御指摘内容に関しては、松永から御説明させていただきます。研究に関しては塚原と加藤から適宜御説明させていただければと思います。
 それでは、別添1の1枚目が表紙となっております。「動物性集合胚の作製について」というところ、1枚めくっていただきまして、ページが1と打っております。これは、資料についてどのようなことを説明しているかというようなことについて概要を述べさせていただいています。なお、この資料は滋賀医大で倫理審査の申請を行った際の資料と同一のものを今使わせていただいております。
 2ページ目を御覧いただきたいと思います。どのような目的で動物性集合胚を実施するのかという御質問をいただいて、その回答として、このように書かせていただきました。我々としては、自家のiPS細胞を使った動物での臓器の作成を最終ゴールとして考えております。
 次、3ページ目お願いします。背景として、「移植希望者の待機年数」という資料を示させていただいています。これはネット情報で、しかもちょっと情報が古くて大変申し訳ございませんけれども、ここで何が言いたいかというと、臓器ドナー不足というのが社会問題となっているというところを御説明させていただきます。
 背景、2つ目、ページ4を御覧いただきたいと思います。「ブタ臓器をヒトに移植」というところで、これは最近の例です。昨年までの例で、新聞記事も引用させていただいております。特に米国ですけれども、遺伝子改変したブタの臓器をそのまま人に移植するということが近年盛んに行われていて、一定の成果が得られているなと感じております。
 それから「背景:自家iPS細胞の自動製造」と書かせていただいておりますページ5枚目を御覧いただきたいと思います。これ、我々自身が研究として行っているものです。自分自身のiPS細胞を使って移植医療をやっていきたいということで研究に取り組んでおります。
 スライド、次です。6ページ目、「背景:自家iPS細胞の自動製造」と書かせていただいております。我々、もともと京都大学で臨床用のiPS細胞、これは同種ですけれども、製造して、臨床用に使っていただいております。ただこの場合、手作業が中心でやっておりますので、コストの面とか多人数分作るというのに課題があって、自家のiPS細胞を使った移植医療を成し遂げていこうとすると、コストダウンですとか品質をより高める、それから同時に多人数分作っていく、こういったニーズがあるなという、技術的な課題があるということで、自動製造、自動の培養装置を使ったiPS細胞、そこから得られる分化細胞を作っていくということを実現するための研究開発は我々自身が行っております。ただ、培養も大分できるようになってきたんですけれども、さすがに臓器というところまでは装置の中で作っていくことが技術的に困難ですので、背景としては、技術としてはこういうことがありますけれども、やはり臓器を作っていく中では、動物性集合胚の研究は避けて通れないかと思っております。
 次のページ、7ページ目を御覧いただきたいと思います。どうして動物性集合胚が必要なのか。これも論文の例で恐縮ですけれども、2023年に中国のグループから論文発表がありました。これは、ヒトのiPS細胞をブタ胚に移植してヒトの臓器を作ったという、極めて画期的な報告がなされました。今年の香港で行われた国際学会でも同じグループがこれの別の結果をまた紹介して、非常に先駆的な仕事を中国のグループはされているなというところなんですけれども、ここで、やはり課題として挙がってきているところが、ヒトのiPS細胞をブタの受精卵に移植すると、そのままヒトの細胞はアポトーシスで死んでしまうということがあって、そこでこの中国のグループが工夫したのは、アンチアポトーシスな遺伝子を導入して細胞死を抑制してやる。それからiPS細胞の培養方法を改良することで、これを成し遂げてきたというところで、非常に面白いアプローチかなと思っております。最近の研究ですけれども、まだまだ研究が必要かなと思いますけれども、ヒトのiPS細胞をブタ胚に移植して臓器を作るという、最初の例としては非常にいい研究がなされているなと感じておるところです。
 そこで我々なんですけれども、「研究の方法のステップ」というところで8ページ目を御覧いただければと思います。幾つかのステップで研究をしていきたいと考えておりますけれども、まずはヒトのiPS細胞を樹立する。これ、ボランティアドナーさんから血液を頂いてiPS細胞を作る。これは既に、先ほど御紹介したように、日々こういった研究を我々のところでは実施しているところです。そこに、細胞死を抑制するような遺伝子、この遺伝子に関してはまだこれから研究をしていくようなところはありますけれども、細胞死に関わる遺伝子、大分絞り込めているところもあると思います。それから、培養条件を検討すると。これは我々が最も得意とするところですけれども、こういった研究を組み合わせて、iPS細胞を改良して、それをブタの受精卵にマイクロインジェクションして、それをアポトーシスが起こらないかどうかということを検証していきたいなと考えています。
 実際の研究環境としては、9ページ目に示しております。これは大阪中之島にある中之島クロスという施設で我々ラボを構えておりますけれども、これは再生医療の拠点として関西で今非常に注目をされている施設ですけれども、この施設の7階を借りて、オフィスとラボを構えているところですけれども、実際の研究環境としては、次のページ、10ページ目を見ていただければと思います。研究環境・実験機器というところですけれども、この中で、先ほど申し上げたiPS細胞を自動で作っていく、分化細胞を誘導していくという研究を行っておりますけれども、ここに装置やインキュベーターを分離する形で、ヒトのiPS細胞を使った動物性集合胚の研究をしていきたいなと。具体的には、安全キャビネットですとかインキュベーター、観察用の装置、これはコンタミしないように表示をして、動物性集合胚の研究に使っていきたいと思っております。
 続きまして、11ページ目です。同じタイトルで恐縮ですけれども、これはマイクロインジェクション装置を使って、ブタの受精卵に、これはブタにブタを移植した例です。ブタ由来の細胞に蛍光標識したものを入れて、これは移植後にマイクロインジェクション後2日後の様子ですけれども、確かにブタの細胞であれば生きているということで、こういった蛍光色素をもって、ブタの中で細胞が生きているかどうか、育っていくかどうかというのを観察したいと考えております。
 12ページ目ですけれども、今回の届出でどこまでをやるのかというところなんですけれども、ヒトのiPS細胞を作りまして、受精卵に移植するところまでをやりたいなと考えております。ブタそのものへの受精卵の移植というのは今回は研究対象にしておりませんで、ある程度ここで成果を出してから、どういったブタを使っていくのかということも含めて、改めてそこは届出させていただければと思いますけれども、今回はヒトのiPS細胞をブタの受精卵に入れて、ただ、in vitroでブタの受精卵がなかなか育ちづらいというのもありますので、時間的には10日ほどを考えておりますけれども、その中でヒトのiPS細胞がどういう挙動を示して、細胞死を起こさないかどうかというのを検証していきたいな。そのための培養条件ですとか細胞死を抑制するための遺伝子などを特定していきたいと考えております。
 私からの発表は以上とさせていただければと思います。続けてでよろしいですかね。一旦切ったほうがよろしいでしょうか。
【八代主査】  続けてで結構です。
【松永事業支援室副室長】  では、先日、7月4日から10日までに先生方に事前の確認結果をいただきまして、それに対する届出者からの回答として、初回の提出資料のうち、届出書本体と、あと別添4-1、別添6を一部修正させていただいているところです。
 まずは1つ目の御指摘箇所につきましては、届出書本体5ページ目を修正いたしました。1点目の御指摘箇所につきまして、作成予定日を法規制どおりの記述に変更してくださいというところで、届出書の5ページ目のところで記載を修正させていただきまして、その内容が、届出受理日から起算して60日経過後から2028年3月31日までというような記載に修正をさせていただいているところです。
 続きまして、2点目の御指摘箇所ですが、こちら、「外部委託先に提出する検体は固定済みの細胞やサンプルのみであり、解析終了後は委託先に適切に廃棄される」という表現自体が、検体とサンプルが別物のように読み取れますという御指摘をいただきまして、この文書ではサンプルの定義が不明ですので、集合胚に関係するものか判断できませんでした。より明確で適切な表現が望ましいと考えられますという御指摘をいただきまして、こちらは届出書本体の7ページ目を御覧ください。7ページ目のほうで記載を修正させていただきまして、3行目、「外部委託先(別添5参照)に提出する検体は固定済みの動物性集合胚の細胞や抽出物(DNA、RNA、たんぱく質)のみであり、解析終了後は委託先にて適切に廃棄される」というような「検体」という用語に統一をさせていただきました。
 次に進んでよろしいでしょうか。では、3つ目です。3つ目の御指摘箇所、記載ではブタ胚とほかのどの動物細胞を用いて動物性集合胚を作成したのかが不明ですということで、こちらが、まず届出書のほうで9ページ目、作成者の技術的能力及び別添6、動物性集合胚の作成に関する研究への参加者についてという資料を修正させていただきました。具体的には、まず届出書のほうですが、御覧いただきたいのが9ページ目となります。「作成者の技術的能力」、上から2行目ですが、2行目の後半に「また、マウス等の動物胚」の後ろに、「マウス胚プラス・マウスES細胞」というのを追記させていただきました。こちらの操作の経験を有し、本研究で動物性集合胚を作成するための予備検討として、市販ブタ胚を用いた胚内へのマウスES細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞やブタiPS細胞移植(マウスES細胞)をチャイニーズハムスターCHO細胞やブタiPS細胞という追記をさせていただいております。同様の御指摘箇所を反映するために、別添6も修正を行いました。
 別添6も御覧いただけますでしょうか。こちら、1ページ目につきましては、届出書本体と同様の記載箇所を修正させていただいております。また、2ページ目以降、各研究者の経歴等を記載しておりますが、その中で研究業績等のうち「ヒトiPS細胞・ブタ胚に関する技術・経験」等の部分につきまして、具体的な細胞種を追記させていただいているところです。
 続きまして、御指摘箇所4番目、こちらは説明文書の内容になりますが、同意を取り消したときに、既に研究結果や論文等で公表されていた場合には完全に廃棄できないのではないかというところで、その辺りが御協力いただくボランティアさんのほうに伝わりづらいのではないかというような御指摘と理解いたしまして、記述を修正させていただいております。
 具体的には別添4-1、説明文書の7ページ目、10項目めの「動物性集合胚を作製する研究への協力や中止の自由」に関する記載のうち7行目、ただし書から始まる部分を修正させていただいております。修正内容ですが、下線部分が追記・修正箇所となります。読み上げますと、「ただし、同意を取り消したとき、既に研究結果が学会や論文等で公表されていた場合には、その情報はほかの研究者によって引用、利用される可能性があります。また、インターネット等で公開された情報は、既に多くの人に閲覧されている可能性があります。このため、本研究に関する情報は完全に廃棄できないことがあります。このような事情も踏まえた上で、研究への御協力について十分に御理解、御納得いただいた上で御判断くださいますようお願いいたします」というような修正をさせていただきました。
 そのほかの御指摘箇所ですが、指針適合性に関わらないけれども、委員の先生方からの御意見につきまして、番号1番目のところですが、こちら、同意撤回に関する記述、一部内容が重複するのかなというところで、説明文書の修正をさせていただいたところと、また、御指摘いただいた箇所については、これから研究を実施するに当たって、研究者においても十分理解した上で研究を進めてまいりたいと思っております。
 また2点目ですが、計画書の動物性集合胚の一部構造のみを人工的に再現した構造体(非統合胚モデル)について、こちら、定義がやや分かりづらいというところで、研究者間で多義的な表現は避けて混乱を招かない形での記載整理をお勧めしますということで御指摘をいただきました。こちらですが、届出書本体の6ページ目、「作成後の取扱いの方法」の記載を修正させていただきまして、12行目、「さらにブタiPS細胞から作成した胚の一部構造のみを人工的に再現した構造体(いわゆる非統合胚モデルと呼ばれる。例:バイラミノイド、ヒトiPS細胞)を共培養し、ヒトiPS細胞の分化能の評価を試みる」というような表現に修正をさせていただいております。
 分かりづらい説明でしたが、私からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
【八代主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして御質問がありましたらお願いいたします。各委員いかがでしょうか。それぞれ各委員から事前に御意見、コメント等をいただいておりますけれども、いただいた内容について反映されているでしょうか。追加で御質問等あればと思いますが、いかがでしょうか。審議に先立ちまして、御質問、確認点等ありましたらと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、追加での質問等はなさそうですので、審議に入らせていただこうと思います。それでは、届出機関には一旦御退席をいただきますので、審議が終わりましたらまたお声がけいたします。しばらくお待ちください。
(京都大学iPS細胞研究財団 退室)
【八代主査】  よろしいですかね。それでは、京都大学iPS細胞研究財団の動物性集合胚の作成に関する届出の指針適合性について委員の皆様の御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。事前にコメント等をいただいた件に関しまして、十分に御対応いただけていたかどうかという点についてからまずコメントをいただければと思いますけれども、事前にコメントをいただいていた先生方いかがでしょうか。十分な対応をされていたとお考えでよろしいでしょうか。どうでしょうか。新たに御質問等、確認事項等あればと思いますが。
 藤田先生、事前にコメント等をいただいていたかと思いますけれども、御対応されていたということでよろしいでしょうか。
【藤田委員】  はい、確認しております。
【八代主査】  ありがとうございます。もともと委員の先生方から指針に適合しないという指摘についてはいただいていませんでしたので、御意見がないようでしたら指針適合性については的確ということで進めさせていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【八代主査】  それでは、御異議なしと認めます。それでは、本専門委員会としては、今回の届出の指針適合性については了承することといたします。内容の確認と今後の対応については、私のほうに御一任いただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、審議については以上で終了とさせていただきますので、届出機関にお戻りいただければと思います。お願いします。
(京都大学iPS細胞研究財団 入室)
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、再開したいと思います。
 それでは、本専門委員会で審議させていただきました結果、今回の届出に関わる動物性集合胚の取扱いは特定胚指針に適合するものであると判断いたしました。
 それでは、今後の進め方に関しまして、事務局から補足説明をお願いいたします。
【橋本室長補佐】  事務局でございます。今後の進め方についてですけれども、事前確認における委員からの意見を受けて、本日届出機関から御説明いただいたとおり、届出内容に修正がありますので、届出書類の補正の手続を行っていただくことになります。後ほど事務局から届出機関には補正の手続について連絡させていただきます。
 また、クローン技術規制法においては、届出受理後60日間の研究実施制限がございますけれども、届出の内容が相当と認められるときには、この期間を短縮し、研究を開始することも可能となっていますので、今後必要に応じて期間の短縮等の手続を行ってまいりたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、事務局において必要な対応を進めていただくということでよろしくお願いいたします。
 議題については以上となります。京都大学iPS細胞研究財団の審議については以上となります。本日はどうもありがとうございました。
【塚原研究開発センター長】  ありがとうございました。
(京都大学iPS細胞研究財団 退室)
【八代主査】  ありがとうございます。それでは、本日こちらで用意いたしました議題としては以上となります。
 最後に、事務局から連絡事項等ありましたらお伝えいただければと思います。よろしくお願いします。
【橋本室長補佐】  事務局から連絡事項をお伝えさせていただきます。本日の会議はユーチューブによるライブ配信で公開させていただいておりますけれども、後日公開する議事録が公式な記録となります。本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成した後、委員の先生方に御確認いただいた上で、文部科学省のホームページにて公開させていただきます。
 また、今後の委員会の開催予定につきましては、改めて連絡させていただきます。
 事務局からは以上でございます。
【八代主査】  ありがとうございました。以上で本日は閉会といたします。ありがとうございました。

 ―― 了 ―― 

 

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