生命倫理・安全部会
2001/09/18 議事録第2回疫学的手法を用いた研究の在り方に関する小委員会議事録 |
第3回疫学的手法を用いた研究等の適正な推進の在り方に関する専門委員会
第2回疫学的手法を用いた研究の在り方に関する小委員会合同会合 議事録
1. | 日時 | 平成13年9月18日(火)16:00〜18:00 | ||
2. | 場所 | 厚生労働省省議室(中央合同庁舎5号館9F) | ||
3. | 出席者 | (委 員) | 高久委員長、石井委員、位田委員、稲葉委員、大島委員、金澤委員、珠玖委員、高津委員、田中委員、寺田委員、丸山委員、南委員、森崎委員、矢崎委員、安冨委員 | |
(事務局) | 厚生労働省; | 佐蛹生科学課課長、中垣研究企画官、原口課長補佐、磯貝課長補佐 | ||
文部科学省; | 菱山生命倫理・安全対策室長、郡生命倫理・安全対室長補佐他 | |||
4. | 議題 | |||
(1) | 疫学的手法を用いた研究等の適正な推進の在り方に関する専門委員会及び疫学的手法を用いた研究の在り方に関する小委員会合同の設置経緯について | |||
(2) | 疫学的研究等に関するガイドライン試案について(全国医学部長病院長会議研究倫理に関する委員会) | |||
(3) | 外国の疫学研究指針について | |||
(4) | 疫学研究に関する指針(仮称)骨子案について | |||
5. | 配布資料 | |||
資 料1 | 生命倫理・安全部会における委員会の設置について | |||
資 料2 | 疫学研究等に関するガイドラインの考え方(案) | |||
資 料3 | 疫学研究等に関するガイドライン試案 | |||
資 料4 | 疫学研究等に関する指針等の国際比較 | |||
資 料5 | 疫学研究等に関する指針(仮称)骨子案 | |||
参考資料1 | 疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報保護の在り方に関する指針(案)「疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報保護の在り方に関する調査研究班」 | |||
参考資料2 | 個人情報の保護に関する法律案 | |||
参考資料3 | 疫学研究の倫理審査のための国際指針 | |||
参考資料4 | ヒトを対象とする研究に関する合衆国の規則(1)−厚生省の規則![]() |
6. | 議事 |
【中垣研究企画官】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、厚生科学審議会科学技術部会疫学的手法を用いた研究等の適正な推進の在り方に関する専門委員会と科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会疫学的手法を用いた研究の在り方に関する小委員会、この2つの合同会合を開催させていただきたいと存じます。 | |
本日は、小幡委員、櫻井委員、中尾委員、堀部委員からご欠席という旨のご連絡をいただいております。 | |
また、森崎委員からは、おくれるとの連絡をいただいております。 | |
なお、高津委員は、まだ来られておりませんが、おそらくはおくれてご出席いただけるのだろうと思います。 | |
まず初めに、本日の会議資料の確認を申し上げます。資料等の欠落等がございましたらお申し出いただきますよう、よろしくお願いします。 | |
座席表がございまして、議事次第が1枚ございます。議事次第をごらんいただきますと、資料が1から5、参考資料として1から4まで、合わせて9つの資料がございます。 | |
資料1が「生命倫理・安全部会における委員会の設置について(案)」。資料2が「疫学研究等に関するガイドラインの考え方(案)」。資料3が「疫学研究等に関するガイドライン試案」。資料4が、横書きでございますが、「疫学研究に関する指針等の国際比較」。資料5が「疫学研究に関する指針(仮称)骨子案」。 | |
参考資料1が「疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報保護の在り方に関する調査研究班」の報告書。参考資料2が「個人情報の保護に関する法律案」。参考資料3が「疫学研究の倫理審査のための国際的指針」。参考資料4が「ヒトを対象とする研究に関する合衆国の規則(1)」という、合わせて9点の資料をお配りさせていただいておりますが、よろしゅうございますでしょうか。 | |
それでは、高久先生、議事進行をよろしくお願い申し上げます。 | |
【高久主査】 今回の会議は、厚生労働省の委員会と文部科学省の委員会の初めての合同の委員会という事になりました。このような合同の委員会を開くに至りしました経緯について、事務局のほうからよろしくご説明お願いいたします。 | |
【原口課長補佐】 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。 | |
7月11日に開催されました文部科学省の科学技術学術審議会生命倫理・安全部会に提出されまして決定されました資料でございます。題名には「(案)」とついておりますが、これで決定されたということでございます。 | |
ごらんいただきましたとおり、部会のもとに設ける委員会の設置についての決議でございまして、この2点目といたしまして、疫学的手法を用いた研究の在り方に関する小委員会、こちらのほうにも設置されたということでございまして、これを受けて、先般、8月29日に1回目の会議が開催されたところでございます。こちらの小委員会とされまして、今回の合同委員会が第2回目として合同で開催されるということでございます。同じ内容を検討していくということになりますので、今後合同で開催させていただきたいということで、今回合同で初めて開催させていただくことにしたものでございます。 | |
【高久主査】 どうもありがとうございました。前回の文部科学省のときの委員会でもご説明いただいたのですが、きょうは合同の委員会ですので、また珠玖委員のほうから「全国医学部長病院長会議研究倫理に関する委員会」で検討されたことについて、よろしくご説明をお願いいたします。 | |
【珠玖委員】 では、お手元の資料2と資料3に基づきまして、これまでの検討経緯等について報告をさせていただきます。 | |
時間も限られているものですから、事項的にご紹介するというよりは、「全国医学部長病院長会議研究倫理に関する委員会」のこの問題に対しますつかまえ方と、それからこれまで検討してこられました、たたき台等とを対比した形での特別なことについてのみ触れさせていただきたいと思います。 | |
私どもの委員会では、この疫学研究等に関します検討というのが、倫理問題というのがヒトを対象とした、今後疫学研究のみならず、さまざまな形の臨床研究等への波及ということも含めまして、非常に大切なものであるというふうに位置づけて検討を進めてまいりました。 | |
疫学研究に関しましては、まず3つのことについて、この委員会で確認をし、以下の検討を進めたわけですが、まず1つに、最終的にはどのような形になるにしろ、ガイドラインというものが今後この疫学研究等を非常に健全な形で進めるためには必要であろうということ。それは、一面には、質の高い科学研究を行う保障をするという部分と、それから対象者、被験者の方々の人権保護ということを適切に行うという意味では必要であろうということ。 | |
2つ目に、また同時に、ガイドラインが最終的に策定されたとしまして、今後、実際にはそれを運用するための、私どもで言いますと、全国の医学部等になるわけですが、そういう各施設の倫理審査委員会そのものを整備する必要があるであろうと。この部分につきましては、やはり全国的にも、いろいろな問題をそれなりに抱えておりまして、そういう意味の整備が必要であろうと。ちなみに、国立大学に関しましては、国立大学の医学部長会議のもとで、全体の倫理委員会あるいは研究倫理委員会というもののさまざまなネットワークの拠点になるような連絡協議会というようなものを今検討しつつあるところであります。 | |
それから3つ目に、疫学研究を例にとりましても、さまざまな形での専門的な学会領域あるいは学会分野というところの連携が必要であり、またそういうところを通じまして、研究者の主体的な見識、それから主体性だとか見識等がまず重要な問題であろうと。そこにつきましても、既に幾つかの関連学会では、審査会−−基本的には倫理の審査会あるいはガイドラインの設定ということについて検討が進みつつあるというところであります。これらのことをベースにいたしまして、ガイドラインにつきましては、お手元の資料2と資料3をごらんになって報告を進めさせていただきたいと思います。 | |
基本的には、このガイドラインの考え方ということでもって、これまで検討を進めてこられましたもの、すなわち厚生労働省、文部科学省のこの検討委員会でもって検討されてこられましたものを考慮しながら、さまざまな問題点を検討していったわけでありますが、それをまとめたものが考え方であり、と同時に、そういうものを、では一定の形にまとめてみたらどうかということでつくりましたものが試案でございます。この試案というのは初めから、これまでの検討に対します、ある意味での対案的な意味でつくったわけではなくて、しかし、全体の形をあらわすためには、こういう形でつくり上げてみたというふうにとっていただければというふうに思います。 | |
これ自身が、実はまだ検討の段階でございまして、最終的なものではございません。それらの中で、基本的には、まずこのような形で何らかの形で国がガイドラインをつくるとすれば、そのガイドラインそのものというのは細かな手引書的なものではなくて、かなり基本的な考え方、基本的な指針を示したものであったほうがいいのではないだろうかと。個々の事例の運用等につきましては、実際には疫学研究そのものが非常に多様な形での研究形態をとるというようなことだとか、それから事例そのものについて区分わけをしたりするのがかなり困難な部分もあり、また研究に関与する人たち、あるいは対象とする研究内容そのものが非常に大量の方々を対象としていたり、あるいは長期にわたるということ等もございまして、むしろ研究をする人たちの主体性を考えて、そして個々の施設での倫理委員会の判断そのものというところにかなりの運用を委ねざるを得ないであろうというのが考え方であります。 | |
これまでのたたき台との違いについてだけ少し述べさせていただきますと、具体的には、この考え方というものをごらんになっていただきますと、「基本原則」というところをごらんになっていただけますか。正直言いまして、「前文」とか「基本的な考え方」等がございますが、この辺につきましては、事項的にまたご討論を願えればと思いますが、主だったものとしまして、この「主任研究者の責務」ということを特に挙げております。これ自身は、疫学研究というのが非常にしばしば、かなり大きな研究グループを組んで、しかもその研究の場そのものが各大学等の施設にとどまらず、さまざまな領域での研究を内包していると。そういう意味では、施設の責任感とかそういうことのみならず、やはりそれをまとめていくという主任研究者の責務というものを非常に重視しなければいけない場合が多いであろうというところで、特にここを強調しております。 | |
さらに、「第2 基本原則」のところの7、2ページ目でございますが、そこをごらんになっていただきますと、インフォームド・コンセントに関しまして、これまでのたたき台では、いろいろな形でのインフォームド・コンセントのありようということについて、区分けをしながら検討を進めてこられたわけでございますが、私どもの委員会としましては、インフォームド・コンセントをとる必要があるのかどうなのかという、そういうことを明確にすべきではないだろうかと。すなわち、インフォームド・コンセントそのものをとるというのが前提となるということについては、もちろん是ではありますが、疫学研究の内容から考えてみて、それ自身をとれないという場合と、それから、とることが適切でないという場合がやはりあり得るだろうと。そこの立場を明確にして、そして考えるべきではないかというのが、このガイドラインの試案の中に盛り込まれております。 | |
いま一つは、この全体のガイドラインをつくるに当たりまして、実際の研究の内容、形態、それからインフォームド・コンセントのありよう等というのは、種々考えなければいけないことではあるんですが、そもそも個人情報の管理という、この被験者の方々の人権を守るという大前提になるということ、それ自身は非常に重要なものであるというふうにとらえております。それで、質の高い情報を管理しなくてはいけないし、また研究そのものの科学性を保障するためには、長期にわたる情報の管理がどうしても疫学研究そのものに必要であろうと。ちなみに、前回の委員会では、むしろ情報をいかにして速やかに消去するかという部分の議論も一定にはあったわけですが、むしろそうではなくて、きちっとした形で管理するということを前提として、そして、その管理の仕方そのものを明確にすることが、より大切であろうという、そういう視点をとっております。 | |
最後になりましたが、ちなみに、この委員会で検討していますガイドラインそのものは、現時点ではすべての臨床研究を含めたさまざまな形での研究に対応できるようにすべきではないかということを一応提案させていただいております。さらに、海外との共同研究等についても、このようなガイドラインの趣旨に沿って行えるような形にすべきではないかということをあわせて提案させていただいております。 | |
もしガイドラインの考え方及び試案につきまして、各項目につきましてご質問等がございましたら、受けさせていただきたいと思います。以上でございます。 | |
【高久主査】 どうもありがとうございました。今の珠玖委員からのご説明に、どなたかご質問、ご意見はおありでしょうか。どうぞ、田中委員。 | |
【田中委員】 ちょっと聞き漏らしたのかもしれませんが、この文部科学省の言う小委員会と、この医学部長病院長会議の委員会と、これはどういう関係であるのか。また、この厚生労働省側の委員会案という、それぞれ3つぐらい出てくるんでしょうか。それを一緒にして何かするんでしょうか。ちょっとこの医学部長病院長会議の委員会と文部科学省の委員会とのかかわりは、どのようになっているんですか。 | |
【珠玖委員】 私がお答えすることかどうかわかりませんが、全国の医学部長病院長会議でつくっていますこの委員会は、その会議での自主的な検討のための委員会というふうにつかまえていただければと思います。私どもとしましては、全国の医学部及び医科大学におきますさまざまな研究そのもののありようについて検討をしていき、そして各学会領域との連携のもとに、そういう意見を集約していくという、そういう形で現在検討を進めているところであります。これ自身は、この委員会あるいは文部科学省でつくっておられます委員会ということと、機能的には基本的には独立したものだというふうに理解をしております。 | |
【高久主査】 私のほうからご説明しますと、この疫学−−名前が少し変わりましたけれども、疫学研究に関するこの指針については、厚生労働省の委員会が先行していまして、そのうちに文部科学省の委員会が立ち上がって、文部科学省の委員会のときに厚生労働省のほうの案や、厚生科学研究費で検討されたことについて検討した。そこでこの合同の委員会を立ち上げようというのがきょうの合同の委員会の趣旨です。ですから、国のほうは一本化されたと考えて良いと思います。特に大規模な疫学研究は、医科大学あるいは医学部が中心になって行うことが多いから、医学部長病院長会議のほうでも、基本的には厚生労働省が最初に出した案に基づいて検討をしていただきたいとお願いして医学部長病院長会議のほうでも検討を始められたと聞いています。逆に言うと、珠玖先生がその委員会の委員長になっておられますので、文部科学省の委員になっていただいて、それから合同の委員会の委員になっていただいた。ですから、疫学研究に関する指針を検討するときに、医学部長病院長会議で検討されていることを参考にさせていただきたいというのが基本的なスタンスだと私は考えていました。珠玖先生、それでいいですね。 | |
【珠玖委員】 はい、結構でございます。 | |
【高久主査】 よろしいでしょうか。ほかにどなたか。 | |
それでは、後でお手元にあります疫学研究に関する指針の骨子案についてご意見をお伺いしたいと思います。その前に、資料として海外の疫学研究に関する指針の資料が出ていますので、これは事務局のほうから説明していただけますか。よろしくお願いします。 | |
【磯貝課長補佐】 それでは説明させていただきます。この資料を提出させていただきました背景でございますが、旧厚生省当時の専門委員会におきまして、各委員の先生より、海外での疫学研究等の取り扱いの状況についてはどうなのかといったご指摘がございまして、1度、旧専門委員会でもご説明させていただいたところでございます。今後、各諸外国の疫学研究の取り扱いついて対照表をわかりやすい資料で提示するようにとのご指摘がございまして、今回、事務局で整理したものを簡単にご説明させていただきます。 | |
参考といたしました資料につきましては、国際医科学評議会−−略しますとCIOMSというところが作成いたしました疫学研究の国際指針というものを弁護士の光石先生が翻訳されたもの、それから米国の厚生省のヒトを対象とする研究に関する合衆国規則の第45編につきまして、当専門委員会の丸山委員が翻訳されたものを、両先生のご承諾をいただいて要点をまとめたものでございます。なお、翻訳の原文につきましては、参考資料の3及び4になっておりますので、こちらもあわせながらご説明させていただきます。 | |
それでは、資料4をごらんください。事務局のほうで項目といたしまして、1番の「指針等の性格、経緯」から「2 適用範囲」、「3 倫理審査委員会」、「4 インフォームド・コンセント」、最後に「5 個人保護情報のための措置」といった5つのカテゴリーに分類いたしまして、両指針を比較しながらご説明をさせていただきます。なお、各指針ごとのコラムの右側にございます数字につきましては、元の翻訳の資料のページを指してございます。 | |
それではまず、1の「指針等の性格、経緯」につきまして、いわゆるCIOMSの国際医科学評議会の疫学研究のための国際的指針について説明させていただきます。CIOMSにつきましては、背景でございますが、これは現在、92の国際団体、あるいは国別の代表機関が加盟しております。基本的には1949年にWHOとユネスコが共同で設立いたしました医学生物科学に関する科学団体の国際的な連合組織でございます。 | |
まず、この疫学研究のための国際指針ができました背景といたしまして、そこに書いてございますが、1982年にCIOMSではヒトを対象とする生物学研究についての国際指針を策定いたしました。これは、世界医師会のヘルシンキ宣言を、特に発展途上国に適用することを目的として策定されたものでございます。後にエイズ等の蔓延がございまして、そういった問題を解決するために疫学研究の必要性が示唆されたことから制定されたものでございます。 | |
それから、ヒトを対象とする米国の規則のほうでございますが、これにつきましては、本指針が適用される連邦の各省庁が実施し、補助し、また別に規制対象とするヒトを対象とする研究のすべてに適用されております。これにつきましては、米国の厚生省のみならず、例えば米国の関係省庁、NASA等におきましても同様の条文が制定されております。 | |
適用範囲でございますが、CIOMSのほうでございますが、指針が取り扱うタイプのすべてに適用されております。指針の中におきまして、疫学研究の種類等の概要が説明されておりまして、それらのものをすべて対象としております。また、ヒトに対する医学的な介入につきましては診療等の侵襲性を伴う研究についてもすべて対象にしております。 | |
一方、米国の規則のほうでございますが、適用対象外といたしまして、既存のデータ、文書、記録、病理標本、または診断標本の収集または研究を内容とする研究で、これらの資料が一般的に公的に利用されるものであるか、研究者が情報を直接または被験者に関連づけられた標識によっても被験者が識別できない方法で記録される場合については適用の例外になっております。その他、適用の例といたしましては、いわゆる教育活動に用いる研究、それは対象でございます。 | |
3の「倫理審査委員会」にまいります。CIOMSのほうでは、倫理審査委員会は、国、自治体の行政当局、あるいはその他の代表的な保健機関などのスポンサーで設置して差し支えないということであります。 | |
それから、厚生省の規則でございますが、『IRB』、いわゆる施設内の倫理審査委員会につきましての定義が書いてございます。また、倫理審査委員会の設置につきましては、連邦の政府によって補助等がされる研究につきましては、本指針の要件に従って設置され、会議の場所及び審査と記録の作成・保存の義務を支えるのに十分な職員が用意されたIRBが審査しなければならないという要件がございます。 | |
それから、倫理審査委員会の責務でございますが、CIOMSのほうでは、提案されているすべての干渉の安全性が能力のある専門家集団によって事前に評価されることを確認することを責務としております。 | |
また厚生省の規則でございますが、倫理審査委員会は適用を受けるすべての活動につきまして、承認あるいは修正、それから不承認の決定を下すある程度の権限を有するものとされております。それ以下、2ページになりますが、IRBが確認すべき事項につきまして規定がされております。 | |
続きまして、![]() |
|
続きまして、厚生省のほうの規則でございますが、倫理審査委員会の上段にございますように、異なる分野から最低5名の構成要件があること。それから、次の段にまいりますと、いわゆる倫理審査委員会の委員の性別についての規定でございます。次の段になりますと、倫理審査委員会の委員の構成領域につきまして規定しているものでございます。最後の段でございますが、倫理審査委員会の利害関係者のある研究と、当該施設と利害関係のある者を含んではならないといった規定でございます。 | |
3ページをごらんください。次の規定につきましては、同様に利害関係者につきまして、継続的な審査を行ってはならないという規定でございます。それから、倫理審査委員会の委員だけで処理できないような案件が生じた場合につきましては、それぞれ追加される専門の領域の専門家の参加によって倫理審査を継続することができること。ただし、その際には、実際の倫理審査の投票というか、課題の採択に実際の権限は行使することはできないという規定でございます。 | |
4番目でございますが、「研究に対する承認の基準」でございます。CIOMSのほうでは、インフォームド・コンセントの確保は不可欠であるが、もしその個人の所属する地域社会が研究に異論の余地があると認める場合につきましては、そのようなインフォームド・コンセントのみでは研究を倫理的とすることは十分でないかもしれないといった記載がございます。次の段でございますが、通常、倫理審査委員会は、科学的視点及び倫理的視点の両方を審査する。倫理審査委員会は、提案が科学的に妥当であることを納得した場合には、次に対象者へのリスクが予想される利益によって正当化されるかどうか、及び提案がインフォームド・コンセントやその他の倫理条件の点で満足できるものかどうかについて検討するという規定でございます。 | |
続きまして、厚生省の規則のほうでございますが、上段にございますように、適用する研究を承認するためには、以下にありますすべての要件を満たしていることが認定しなければならない。被験者に対する危険が所定の方法によって最小化されていること。被験者に対する危険が、被験者に対する何らかの利益が期待される場合には、その利益及び成果について合理的に期待できる知識の重要性に照らして合理的である。被験者の選択が公平であること。被験者に予定されている者または法的な権限を持つ被験者の代理人からすべてのインフォームド・コンセントが求められている。それから、インフォームド・コンセントに関する記録が適正に行われている。こういったところが規定されております。 | |
それから4番でございますが、「インフォームド・コンセント」でございます。個人の同意につきまして、CIOMSのほうでは、1の2・にございます研究者は、インフォームド・コンセントを求めずに研究を行おうとするときは、倫理審査委員会に対してインフォームド・コンセントがなくてもいかに倫理的であるかを説明する義務を負うこと。それから、2・目でございますが、研究は、何ら害をもたらす恐れがないとしても、職業に関する記録、医療に関する記録、組織サンプルなどを使う場合は、一般に本人または彼らに公的な代表は、彼らのデータが疫学研究に使われるかもしれないということ、それから秘密を守るためにどのような手立てが講じられるかについて説明すべきであるといった規定がございます。 | |
続きまして、厚生省の規則についてまた説明させていただきます。一番最初の・に、「本規則で規定する場合を除いて、研究者は被験者または法定な権限を持つ代理人の法的に有効なインフォームド・コンセントを得ていない限り、ヒトを本指針の適用を受ける研究に被験者として参加させることはできない」という前段の規定がございます。次の・でございますが、インフォームド・コンセントの際の基本的な要件が規定されております。次の・以下が、コンセントの要件でございまして、調査が研究を含んでいるという説明、研究の目的、被験者の予定参加期間の説明、それから行われる処置・手続等の説明、実験的である場合の処置・手続の指摘。それから、被験者に対する危険または不快が合理的に予測できるものについての説明。それから、次のページに行きまして、2・になりますが、最小限の危険を伴う研究については、被害が発生した場合に利用できる補償と医療の有無とその内容、または詳しい情報が得られる場所について説明。そういった点が説明されております。 | |
それから、インフォームド・コンセントの例外について説明させていただきます。CIOMSのほうは、6ページになりますが、「3.例外」。医療上の記録の検討のみを行うケース・コントロール研究の場合は、インフォームド・コンセントは必要ないし、実際に実行不可能であるといった規定がございます。 | |
そこで、厚生省の規則になりますが、それは5ページの下段の・になりまして、IRBは以下のことを認定し、記録する場合は、インフォームド・コンセントの要件の一部または全部を含まない、またはそれを変更する同意手続を承認し、インフォームド・コンセントを得るという要件を免除することができるという要件が、「ア」と「イ」に書いております。それから6ページになりまして、これも同じくインフォームド・コンセントの例外的な条件でございまして、研究が被験者に対して最小限の危険を超える危険を含まないこと。免除または変更が、被験者の権利と福祉に悪影響を及ぼさないこと。免除または変更なくして、実際上、研究を実施し得ないこと。必要な場合は、いつでも被験者は、参加の後に、関連する追加的情報が与えられることが例外の条件になっております。 | |
それから、7ページになりまして、「5 個人保護情報のための措置」でございまして、CIOMSのほうでは、研究者はデータの秘密性を確保するため、例えば個々の対象者の身元がわかる情報を省略したり、データへのアクセスを制限などの取り組みをすべきであると規定されています。 | |
それから、厚生省のほうの規則でございますが、必要に応じて、被験者のプライバシーを保護し、データの守秘を維持するための適切な措置が存在するといった規定がされております。 | |
以上、簡単に説明させていただきました。 | |
【高久主査】 どうもありがとうございました。今、事務局のほうからCIOMSの指針とアメリカ合衆国の指針の説明がありましたが、ここに丸山委員もいらっしゃいますが、この両方の指針に関しまして、どなたかご質問はおありでしょうか。どうぞ、田中委員。 | |
【田中委員】 この2つを比較された意図をお伺いします。一方は疫学的研究でありますし、一方はもっと広範にわたるヒトを対象とした研究であるわけですが、これを比較されたのはどういうことですか。一方は基準的なもので、一方は非常に厳しいものという意味で比較されたのか。 | |
【磯貝課長補佐】 まず、1つは、CIOMSのほうは国際的な指針というので出されたものが、まずCIOMSから1つであるということと、あともう1つは、こういったいわゆる疫学研究を含めたヒトを対象とする研究について、法的な措置が手立てされている代表の例が米国の合衆国の規則であると、そういった対比をする必要があると考えたためです。 | |
【高久主査】 確かに田中委員がご指摘のように、この委員会で参考になるのはCIOMSのほうで、いずれ臨床研究、ヒトを対象とする臨床研究についても検討していかなければならないと思いますけれども、そのときにアメリカの指針がいろいろ参考になる。そういうふうに理解をしたいと思います。ほかにどなたか。 | |
それでは、次の議題になります。お手元の資料5に、「疫学研究に関する指針(仮称)骨子案」が出ています。これについて事務局のほうから説明していただけますか。原口さん、どうぞ。 | |
【原口課長補佐】 それでは、資料5に関しまして説明をさせていただきます。 | |
前回まで議論をいただいておりました骨子案たたき台というものにつきまして、前回の議論を踏まえまして修正をした上で、前回はまだ項目だけを掲げていたものがございましたけれども、そこについて具体的な規定を書いたものを今日資料5として提出させていただいております。 | |
まず、題名でございますけれども、「疫学研究に関する指針」というふうな仮称を使わせていただいております。前回は「倫理指針」となっていたところでございますが、指針に関しまして倫理的な観点だけでなく、研究の科学的妥当性などの観点からも検討が行われるものであるというご意見を直接事務局にちょうだいしておりまして、そうしたことから、ここでは「指針(仮称)」ということにさせていただいております。 | |
次に、1の「目的」のところでございます。前回の議論におきまして、公衆衛生の重要性ということについて、目的規定の中に具体的に記載したらよいのではないかというご意見がございました。アンダーラインを引きました部分が今回手を入れております基本的な部分でございまして、目的規定という性格上、あまり長い文章にすることも適切でないと考えまして、「公衆衛生の向上を図る上での疫学研究の重要性と」といったくだりを加え、終わりのほうに「疫学研究に対する社会の理解と協力を得て、研究の推進をする」という改正をしてみております。 | |
次に、2の「本指針の適用範囲」のところでございます。ここのところにつきましては、対象になる研究に関しまして、明確にどこまでが対象になるかを記述していかなければいけない段階というふうに考えまして、まず2つ目の○でございますけれども、「本指針は、人の疾病に関する病態の解明、予防及び治療を目的とする研究を対象とする」ということを加えさせていただいております。疫学的な手法を用いました研究ということになりますと、心理学の分野など、この委員会で基本的に念頭に置いております医療以外の分野でもそうした手法が用いられ得るということがございますが、そうした研究について、倫理審査委員会を設けまして、厳格に審査をしていくような、この指針の考え方をそのまま妥当させることはなかなか難しいのではないかということがございまして、ここでこのように対象になる研究分野を規定してみたということでございます。 | |
それから、次でございますけれども、従前の医学的介入を伴う介入研究を含まないということに加えまして、2点追加しております。まず、法律の規定に基づき実施される調査というものが対象に含まれないという形にいたしております。法律に基づいて行う調査というものにつきましては、研究といいますより、行政機関が、例えば公衆衛生の向上などのために行政事務として行う事業であるというふうに考えられるものと思っておりまして、従前これを規制するということは必ずしも念頭に置いていなかったわけでございますが、この指針案につきまして、厚生科学審議会の科学技術部会のほうに検討の状況を報告いたしました際に、そこの場の意見といたしまして、法律の規定に基づいて行われます調査に関しまして、これが対象にならないのであれば、そうしたことを明示していかなければいけない。性格上、適用対象になるものではないのではないかというご指摘がありましたことを踏まえまして、この点を追加させていただいております。 | |
それから、次に、資料として統計データのみを用いる研究というものについて、これを除外ということにいたしております。統計データのみを用いるということになりますと、人体由来資料を使用しますことに伴う問題、あるいは個人の情報にかかわる問題と、こうしたものが出てこないことになるわけでございまして、そうした場合においてはこの指針にありますような規制を考えていく必要は特段ないのではないかということで、そうしたものもこの指針の適用の除外にしてよいのではないかというふうに考えまして、この点を、適用範囲の規定の中で明らかにさせていただいております。 | |
それから、次のページでございます。3の「すべての研究者等が遵守すべき基本原則」という基本原則の項でございます。従前、項目だけを掲げておりましたところ、具体的な規定を書かせていただいております。まず、「研究の科学的合理性・倫理的妥当性の確保」という項でございます。この点につきましては、研究について、科学的合理性、社会的妥当性及び倫理的妥当性、これが必要であるということを書きますとともに、これらの諸点を踏まえて、研究計画を立案する必要があると。その研究計画を立案し、これに従って研究を行うことを通して、科学的合理性、倫理的妥当性を担保するということを規定しております。 | |
次に、法令、本指針及び研究計画に従うという必要があることを規定しております。 | |
それから、3点目でございます。前回までは別の項として立てていたものでございますけれども、研究対象候補者の選択に関しまして、これを合理的に行わなければならないと。恣意的で不適切な選択をしてはならないということを規定しております。注書きにございますように、ここにございます部分につきましては、昨年行われました疫学的手法を用いた研究に関しましす「研究班指針案」の3−1、3−3、及び4−2−1という部分を参照しながら作成させていただいております。以下、注は同じように、この「研究班指針案」を参照にしているということでございます。 | |
次に、「研究対象者の尊厳と個人情報保護」という項でございます。個人情報につきまして、従前は別の項でございましたが、改めて整理いたしまして、個人情報につきましては、この2番目の項に整理をいたしております。1つ目としまして、研究者等が研究対象者の尊厳を尊重しなければならないということを規定しております。2点目といたしまして、研究者等が、研究対象者にかかわる情報を適切に管理しなければならない。そして、個人情報を保護しなければならないということを規定しております。 | |
次に、「インフォームド・コンセント」の項をここに置いております。1点目に、原則として、事前にインフォームド・コンセントを受けなければならないということ。2点目に、そのインフォームド・コンセントに関しまして、説明の内容、同意の確認方法その他のインフォームド・コンセントの手続に関する事項と、これは研究計画書に記載しておかなければならない。後ほど研究計画書を倫理審査委員会にかけるという規定がございますので、それを通して倫理審査委員会でチェックを受けると、こうしたことを規定しております。 | |
次のページでございますが、「倫理的配慮の周知」という項でございます。これにつきましては、研究が倫理的、法的または社会的問題を引き起こすことがないようにということで、研究実施機関の長の責務といたしておりますが、研究対象者の人権を尊重、それから個人情報の保護のための措置を講じなければならないと、こうしたことを周知徹底しなければならないという責務を課す規定といたしております。 | |
次に、倫理審査委員会の審査でございます。事前に、所属機関の委員会の意見を聴かなければならないという原則を規定しております。 | |
次に、研究成果の公表でございます。研究終了後、研究対象者の個人情報保護の措置を講じた上で、広く社会に公表しなければならないというふうにいたしております。 | |
次に、4の「倫理審査委員会」に関する項でございます。まず、倫理審査委員会の責務といたしまして、研究実施機関の長から研究計画の適否その他の事項について意見を求められた場合に、1つには科学的観点から、もう1つには、研究対象者の人権及び個人情報保護等の倫理的観点から審査をして、文書で意見を述べるという責務でございます。 | |
次に、「倫理審査委員会の設置」でございまして、設置の責務は研究実施機関の長に課してございます。「ただし」書きのところでございますけれども、機関が小規模であること等により機関内に委員会を設置できない場合につきましては、研究を共同で実施する機関、公益法人、学会等に設置された委員会に審査を依頼できるものとすると。この点は、今年3月につくりましたヒトゲノムの解析研究の指針に準じましたことを書いてございます。 | |
次のページでございますが、倫理審査委員会の構成でございます。多角的な視点から審査を行うため、医学・医療の専門家、法律学の専門家を含む人文・社会学の有識者及び一般の立場を代表する者から構成されると。それで外部委員を含まなければならないというように規定をいたしております。 | |
次でございますが、「倫理審査委員会は、審査の過程で得られた情報を委員会外に漏示してはならない」。「委員会」とございますが、これは「委員」の誤りでございます。「会」を取っていただきたいと思います。委員の責務としまして、守秘義務を課している規定ということでございます。 | |
次でございますが、委員会の運営に関する規定でございまして、1つ目には、審査対象となる研究に関係を有する委員と。当然のことながら、当該研究の審査には関与してはならないと。ただし、求めに応じ、出席して説明ができるというふうにしております。 | |
次でございますが、「倫理審査委員会の運営」に関する規則、委員名、委員の構成及び議事要旨、これに関しまして公開しなければならないというふうにしております。ただし、研究対象者に係る個人情報、知的財産権の保護に必要な情報につきましては、当然のことながら除外をするというようにいたしております。 | |
次に、略式審査の仕組みを規定しております。倫理審査委員会は、既に共同研究機関の倫理審査委員会の意見に基づいて許可された共同研究の研究計画の審査、共同研究機関がある場合には、複数の委員会で審査されるわけでございますが、主たる機関で審査された場合には、ほかの機関の審査については、これはもう軽易な事項の例として扱えるだろうということで例示いたしております。これについて、「委員長が指名する委員による略式審査に付すものとすることができる」というふうに規定しております。なお、この規定に関しましても、厚生科学審議会の科学技術部会に報告いたしました際に、軽易な事項の審査をするということについて、委員会の議を得て行うように厳格な手続がいるのではないか、あるいは委員長が委員を指名することについて、これも委員会の議がいるのではないか、そうした形で厳格に運営される必要はないかというご意見があったところでございます。 | |
次に、「倫理審査委員会への付議」という項でございます。倫理審査委員会への付議の仕組みでございますけれども、まず研究責任者は、研究を実施する場合に、事前に研究計画書を作成すると。そして、その計画書をもって所属機関の長の許可を得るという仕組みにいたしております。そのほか、倫理審査委員会への付議が必要な場合について同様な扱いとするということにしております。このように所属機関に対して、まずは許可の申請がございまして、2項目でございますが、それを受けて研究機関の長は、研究を求められたときに倫理審査委員会の意見を聴くという形で、長から委員会へ審問するというふうにいたしております。 | |
なお、3点目としまして、研究機関に属しない研究者の問題ということを規定しておりまして、研究機関に属しない研究者の方の審査の依頼を受けるような委員会が設けられているような研究分野であれば、そこの意見を聴かれるべきであろうということで、研究分野に応じて、みずから意見を聴くということが求められると、このように規定をいたしております。 | |
次に、「研究機関の長による許可等」という項でございまして、研究機関の長は、委員会の意見を尊重して、研究の実施その他の事項について許可、不許可の決定をすると。ただし、この場合に、委員会の意見に反して研究対象者の不利益となる判断ということをしてはならないという規定をいたしております。 | |
それから、「研究に係る報告」ということでございまして、1点目には、研究機関が1年を超える場合における報告ということでございます。研究機関の長を通じて報告書を委員会に提出するといたしております。 | |
2点目に、研究対象者に危険または不利益が生じたときというものの報告でございます。直ちに研究機関の長を通じ、審査委員会に報告をすると。この場合におきまして、研究機関の長、または倫理審査委員−−失礼しました。これは「会」が抜けておりますが、「会」を補足していただきたいと思います。倫理審査委員会が研究の変更あるいは中止を指示するということになり得るわけでございまして、その場合の遵守を規定しております。 | |
3点目でございますけれども、研究が終了したときの報告でございまして、終了後遅滞なく、機関の長を通じ委員会に報告するといたしております。 | |
次に、インフォームド・コンセントにかかわる規定でございます。冒頭のところに、以下にありますような形で、この点は、従前は特段のことを規定してはありませんでしたところ、あえて1文を追加しております。「インフォームド・コンセントの手続は、以下の原則による」ということでございます。これは、原則でございまして、極力遵守されるべきでございますが、ただし、研究方法・内容、研究対象者の事情その他の理由で原則によることができない場合ということがあり得ると。そうした場合においては、当該理由を考慮し、倫理審査委員会の承認を得て適切な方法を選択するというふうにいたしておりまして、以下、次のページでございますが、(1)、(2)と、従前提出しておりました内容、参考はもうはずしてございますけれども、規定をしております。この中で、(2)の![]() |
|
それから、![]() |
|
それから![]() |
|
次に、6の「代諾者等からの取得」の部分でございます。ここのところは、従前、単に「ヒトゲノム解析指針に準ずる」というような書き方をしておりましたところ、改めて、ここで記述をしているところでございます。提供者本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合に、1つ目の条件としまして、研究に高い重要性が認められる。2つ目の条件としまして、当該提供者からの資料提供が必要不可欠であると。こうしたことについて、次のページでございますが、研究機関の長が委員会の意見を聴いた上で許可した場合というときに、代諾者からインフォームド・コンセントを受けることができる。これは、ヒトゲノム解析指針に準じた形でここは記載をいたしております。 | |
それから、7の「研究実施に当たっての措置」は、文言を若干変えておりますが、内容は従前どおりでございます。 | |
8の「資料等の取得、保存の方法等」のところでございます。ここにつきましては、前回議論がございまして、資料等について必要がなければ廃棄をするというようなことも記述されていたところでございますが、ここのところは議論の結果、ここにあるような規定に改めようというということになったところでございます。研究責任者は、研究等の計画書に従い研究に関する資料を保存する場合には、個人情報の漏洩、混交、盗難、紛失等が起こらないように保存するという議論があったところでございます。「かつ」以下は、今回整理する際に加えさせていただいたのでございますが、「研究結果の確認に資するように適切に管理しなければならない」と。資料の管理に関しまして研究結果の確認に資するよう、できれば結果が復元できるようなという意見もあったところでございますが、このような表現で今回提案させていただいております。 | |
それから、次の項でございますけれども、研究実施前に採取された資料を利用する場合の規定でございまして、これは対象となる資料といたしましては、人体から採取された資料ということを念頭に規定しておりました。インフォームド・コンセントにかかわるような問題としまして、人体に由来する資料を用いない場合については、既にインフォームド・コンセントの章で整理されている事柄でございますので、これが適用されるのは人体から採取された資料の場合に限られるということで、1行目はそのことを明示しております。 | |
それから以下の書き方でございますが、従前の資料におきましては、本人の同意を得るということを、この文章の外の![]() ![]() |
|
それから、9のところでございまして、「他の機関に研究資料を提供する場合の措置」ということでございます。これにつきましても、基本的に8と同じ考え方で、次のページに、![]() ![]() ![]() |
|
それから、10の「研究結果の公表時の措置」ということでございます。ここは若干文言を整理させていただいておりますが、内容的には同じというふうに思っております。 | |
それから、11の「見直し」に関する規定、あるいは第6の「用語の定義」というところは従前のままというふうにいたしております。 | |
以上、資料5の説明でございます。 | |
【高久主査】 どうもありがとうございました。 | |
今ちょうど5時ですので、まだ1時間近くあります。残された時間を主として、この資料5の指針の骨子案についてご議論をいただきたいと思います。順番としてはページごとにご意見があれば言っていただくといたしまして、まず第1の「基本的な考え方」について、何かご意見はおありでしょうか。どうぞ。 | |
【位田委員】 その基本的な考え方に入る前なんですけれども、これは骨子案になっているんですが、具体的なガイドラインの条文案をこれからまた詳しいものをつくられるということなんでしょうか。これを見ていると、かなりもうこのままでもガイドラインの規則になりそうなのがたくさんあると思うんですけれども。もちろんまだ条文になっていないところもありますけれども、基本的には骨子というよりは、むしろガイドライン案のほうに近いんじゃないかと思うんです。その辺のこれからの作業との関連で、これの位置づけみたいなことをご説明いただければと。 | |
【原口課長補佐】 ご指摘のとおりのところがございまして、骨子案というふうにいたしておりますが、指針概要ぐらいの、要綱ぐらいのレベルにもうなっておると思います。あと、指針案というふうに申しますときには、大変事務的なことでございますが、表現として、官報告示等を予定しておりますので、そうしたことも前提に、言葉を練りました段階で、私どもは「指針案」というような言葉遣いをいたしますので、それよりまだ前段階と思っておりますが、ほぼ指針の内容にわたるものは、これで入れているつもりであるということでご理解をいただきたいと思います。 | |
【高久主査】 そういうことですので、大体最終的なものにかなり近いものができてきているのではないか。先ほどの珠玖委員のほうからもお話がありましたように、骨組み的なものをここでつくっていけば良いのではないかということです。この基本的な考え方でよろしいですね。2行目の「本指針の云々」という、「病態の解明、予防及び治療云々」は良いのですが、これの目的として、ここに「疫学研究」は入れなくても良いですね。ここだけを見てみると、何か全部入っているみたいで、また気になるのですが、「本指針の適用範囲」の○の2番目に「目的とする」、ここに「疫学研究」ということを、入れたほうが良いのかと思うのですが……。どうぞ。 | |
【稲葉委員】 今のところですけれども、疫学研究の場合に、治療というのを目的にするのはちょっと変な気がするんですけれども、それから、その前にあります「公衆衛生の向上」という部分が、やはりこの研究の中に入ってくる必要があると思うので、ちょっとこの辺は、文章を少し変えたほうがいいかなと私は個人的には今思いました。 | |
【高久主査】 治療はあまりないですかね。 | |
【稲葉委員】 治療を目的とした疫学研究というのはあまり今ないように私は思うんですが。治療の評価みたいなことはいろいろやりますけども。 | |
【高久主査】 そうですね。 | |
【原口課長補佐】 その点は、確かに、治療そのものをする研究ということでなくて、治療方法を向上していくといったようなことのための研究だと、こんなご指摘だと思います。その点、また表現をさらに検討させていただきます。 | |
【田中委員】 今の「本指針の適用範囲」の2つ目の○のところでございますが、「病態」という言葉に若干こだわりがあるんですが、疫学をやっている者としましては。これもかなり広い意味で使われているのかもしれませんが、やっぱり病態というのは、どちらかというと臨床医学の領域が強いわけでして、疫学はどちらかというと、etiology、つまり成因の解明ということを一番大きい役割を果たしていると、私は疫学専門家の立場から考えておりますので、もし何でしたら、「成因、病態の解明」というようにしていただけたらと思っております。 | |
【寺田委員】 前もちょっと聞いたんですけど、この8ページのところに参考として、疫学研究というディフィニションを参考として出されていますが、この文章のままとりますと、これは臨床的なことも入るわけですね。いわゆる、clinical epidemiologyとか、そういう言葉がございますね。それもこの中に入るわけですか。 | |
【中垣研究企画官】 これは、田中先生にお答えいただいたほうがよろしいのではないかと思うのでございますが、私なりに解しますと、この疫学会の言葉、「健康関連のいろいろな事象の頻度と分布」という言葉は、非常に広い意味でつくられているのではないかと思います。clinical epidemiologyはもちろん、いろいろなものが入るんじゃないか。逆に申し上げますと、疫学研究の定義は、この疫学会のものを基本に使わせていただいた上で、「健康関連の」というところが、先ほどちょっと原口のほうから申し上げました心理学的なものみたいなものまで入るとすると、そこは除いておかなければいけないなというのが先ほどから議論していただいております「本指針の適用範囲」のところでございまして、人の疾病という形でそこが抜けるのかなと思います。人の疾病に関する疫学研究といえば、疫学研究の定義を別に置くことによって、先ほど稲葉先生からご指摘をいただいたようなこともカバーできるのかなと考えておるところでございます。 | |
【高久主査】 逆に言うと、人の疾病に関する疫学研究で良いのですね。じゃあ、矢崎先生、どうぞ。 | |
【矢崎委員】 私も同じような思いをしましたけれども、「目的」のところで、「公衆衛生の向上を図る上で」ということがあるので、ここで疫学的研究をある程度狭めているのかなということで、これが大きくあるんだと思いました。しかし、「目的」のところが、最初の基本理念の3つの文章を1つの文章にしたためか、ちょっとわかりにくいので、もう少しうまく簡略化されたほうがいいのかなという感じを受けました。 | |
【高久主査】 わかりました。原口さん、なかなか大変でしょうけれども、検討していただければと思います。 | |
【矢崎委員】 今の公衆衛生というのは活かすわけですね。この最初にいかれたものなんですね。それは重要な意味があるという。わかりました。 | |
【高久主査】 よろしいですか。どうぞ。 | |
【大島委員】 適用範囲の3番目の○のところですが、「資料として統計データのみを用いる研究」という、その「統計データ」という定義がよくわからないのです。丸山班の研究班の指針では、適用対象としては、既存の資料で匿名かつ連結不可能な状態にある資料、つまり、私は、個人識別情報、identifierを含まないデータということであれば、それは適用対象でないと、こういうふうに理解しておるんですが、統計データということになりますと、定義がもうひとつよくわからないのですけれど、どういうことを意味しておられるのか説明をいただければと思います。 | |
【原口課長補佐】 ここで「統計データ」と書きましたのは、どのような状態の人が何人いらっしゃるといった形で、数値になっているデータだけを用いるということを念頭に置いて書いております。個々の人が特定できないというだけであれば、もとよりそれは統計データではなくて匿名化された個人の資料ということであると思いますので、そうしたものでなしに、さらに統計化されたもの、これだけを用いて研究する場合もあるというふうに伺いましたもので、そうしたものは除外しようという意図でございますが。 | |
【大島委員】 そうすると、既存の資料で匿名、連結不可能の状態にある、そういう個別のデータは、この指針の対象に入るということですね。 | |
【中垣研究企画官】 そこはですね、ご議論があるんだろうというふうに考えております。確かに、先ほど田中先生のほうから、どうしてアメリカの規則を持ってきたんだというようなご質問をいただきましたけれども、アメリカの規則の中でも、既存データで匿名化されて、かつ連結不可能なものというのは対象外になっております。ただ、私どもがいろいろ勉強させていただいている範囲内で申し上げますと、その匿名かつ連結不可能だということをチェックするのも、また審査委員会の役割ではなかろうかという意見もあります。審査委員会にそれは1度上げた上で、匿名かつ連結不可能であればインフォームド・コンセントの問題であるとか、何やかんやの問題であるとか、そういう問題はだれも言及しない、パスさせればよろしい。それは一応入れるべきではなかろうかという議論もあることもまた事実でございます。 | |
一体どちらがよかろうかということを議論している間に、統計になったものはもういいじゃないかと、いくら何でもいいだろう。ここまで審査委員会に上げろというような議論というのはさすがにないだろうという最低レベルで出させていただいたところでございまして、今、大島委員からご指摘のあった匿名かつ連結不可能の既存のデータを用いる場合には、指針の対象外にすることがよろしい、アメリカと同じでよろしいということであれば、それは私ども、1つのあり得べき結論だろうと思います。むしろ、それが匿名・連結不可能ではないということがわかった段階で、その研究者が社会的な批判を受けるということになるべきであって、指針の対象にする必要はないというのが1つのご結論だろうというふうに考えております。 | |
【高久主査】 そうですね。 | |
【大島委員】 今後の課題ということで、このまま突き進んでいただいてもよろしいですけど、このままですと、ちょっと私としては、問題があるんじゃないかと思います。 | |
【高久主査】 今後の課題といっても、あまり時間がないのですが、概要のときにそこのところをはっきりしていかないと困る可能性もありますね。 | |
【石井委員】 法律の規定に基づき実施される調査が、つまり行政機関が行う事業は適用外ということのお話ですが、地方自治体であらゆる、いろいろと調査をしている中で、便乗していろいろなデータをとることが予測されますが、その場合は何かどこかで、倫理委員会で抑えるというようなお考えはお持ちなんでしょうか。 | |
【原口課長補佐】 ここで法律の規定に基づき実施される調査を除いた趣旨でございまして、法律に基づいて行政機関がこういう場合には届け出を求めたり、資料を集めて調査せよというふうに規定されている場合であれば、1つには必要がある場合において、そうした調査を行う権限が付与されているということでございまして、それに指針で重ねて規定を条件を付していくというのは、そのような理由はないのではないかというのが半分と、そうした規定を置きます場合には、必要があれば、例えば同意を得るなり、そうした手続が規定されている。また、濫用されることがないように、どういう場合に発動されるのかということが法律あるいは運用レベルでの細則において示されているということになっておりますので、そこに重ねてこの指針の網がかかるというのは適当ではないのではないかと考えたということでございます。 | |
【高久主査】 よろしいですか。この匿名化されたデータですか、それについては、大島委員と事務局のほうで、原口さん、少し検討していただけますか。これは重要な問題だと思います。どうぞ、寺田委員。 | |
【寺田委員】 感染症の例に挙げておられることですけれども、これは実は厚生科学審議会の科学技術部会のところで、ある委員の方は、例えば、これは確認なんですけれども、O-157で、例えば感染が起きたと。そのDNAのパターンをいろいろなところで調べるという場合に、この法律の中で処理ができるということで、それは当然のことながら倫理委員会にかけなくてもいいわけですね。 | |
【原口課長補佐】 ご指摘のように考えております。例えば、O-157ということでございましたら、法律上列挙されている伝染病の1つでございまして、そうした場合、感染症が起きましたときには、法律の規定に基づく感染症発症動向調査の対象にもなり得るはずということでございます。おっしゃるような趣旨でこれは記載したものでございます。 | |
【寺田委員】 それで、そのときに問題にされたのが、いろいろな方がいらして、例えば地方の保健所とかそういう方はこういうことをよく知っておられないので、変な書き方をすると、逆に材料を出すのを拒否されるところが多いんですね。だから、それをよく情報をきちっと流して、その法律の中だから大丈夫だということをきちっとやることが逆の場合にあり得ると思いますので。ということをぜひ言っておいてくれと言われましたので、その点を頼みます。 | |
【中垣研究企画官】 あまりここで時間をとるべきじゃないと思うんですが、先ほど石井先生からご指摘があったのと正反対なことを寺田先生はおっしゃっておるわけで、原口の答えは確かに法律の専門家ですから、法律的にきちっと答えたわけでございますが、O157の調査だからといって、何でも感染症予防法でカバーされるわけでもなくて、それはO157の調査で感染症予防法の発生動向調査という範囲内であれば、この指針の適用外でありますということを申し上げておって、石井先生からご指摘のあった発生動向調査にあわせて、いろいろなことをやるんじゃないのということについてはこれはまさしく行政府が、あるいは地方行政府が情報公開法に基づいて批判されるべきことであろうと思います。むしろ、こういったガイドラインどうのこうのというようなたぐいの話ではなかろうというふうに考えておる次第でございますので、その範囲内でここに書いてありますような注みたいな形で、寺田委員からのご指摘というのは、地方まで徹底するようにしたいというふうに考えております。 | |
【高久主査】 よろしいですか。 | |
【丸山委員】 最初のところなんですが、四角で囲んでいるところですね。指針については、ヘルシンキ宣言、個人情報保護法案と並んで、3省のヒトゲノム遺伝子解析指針との整合性ですね。それより厳しいものにはならない、矛盾するものにならないということもあったほうがいいかなと思いますけれど。 | |
【金澤委員】 必要ないでしょう。 | |
【高久主査】 その点は、むしろこの指針について、ヒトゲノムの倫理指針を整理していくこととしたいというご意見と、それは必要ないというご意見の両方あります。だけど矛盾をしては困るわけですね。 | |
【中垣研究企画官】 当初から議論していただいております、あるいは位田先生から先ほどご議論のあったところもまさしく一緒だと思っておりますけれども、ヒトゲノム指針ほど細部にわたった規定をする必要はないんだろうと考えております。先ほど珠玖先生からもご意見がありましたけれども、大ぶりのと申しますか、最近のはやりの言葉でいうと骨太のと申しますか、そういう規定ぶりを目指すべきじゃないかというようなご意見をいただいておりますので、今の丸山先生からのヒトゲノム指針との整合性という言葉というのは、ヒトゲノム指針より厳しくならないという意味での整合性という意味で、皆さんご理解いただけるのではなかろうかと思います。なお、ここの四角書きを最終的にどうするのか。これはディスカッションしていく上での土台、ベースであって、指針にするときにはここは必要ないのではないかとも考えておりますので、またそこの点についてもご意見を賜ればと思っております。 | |
【高久主査】 私も、四角はいらないのではないかと思います。それから、入れるならば、むしろヘルシンキ宣言もそうですけれど、CIOMSなども当然考えないと、医学部長病院長会議からも、インターナショナルのことを考えるというご提言がありましたので。 | |
それでは、2ページ目の「すべての研究者が遵守すべき基本原則」というのがあります。私のほうで少し問題提起といいますか、先ほど珠玖委員の御報告にあった様に、主任研究者を特別に取り上げていくべきだという意見が、医学部長病院長会議のほうから出ていますが、ここではむしろ、研究者等ということで、主任研究者を含めてすべての研究者を含めているというふうに理解しています。ただ、「等」をつけたのは、何か意味があるのですか。「研究者」でなくて「等」にしたのは。 | |
【原口課長補佐】 例えば、ヒトゲノム指針の場合に、研究補助者というものが出てくるわけでございまして、研究者と言いましたときには主任研究者、分担研究者ぐらいまでを指されるのかと。それで、その研究を補助するような単純作業をやる方まで遵守すべきだという趣旨でございます。 | |
【高久主査】 どうもありがとうございました。ほかにどなたか、ご質問、ご意見。どうぞ。 | |
【安冨委員】 研究対象者の尊厳と個人情報保護の件なんですけど、この指針に個人情報保護法案との整合性を考慮するということで、2つ目の・のところで、「研究者等は、研究対象者に係る情報を適切に保管し」とあるんですが、むしろここは、保管にとどまらず、取り扱いという形で理解したほうがいいのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。 | |
【高久主査】 どういう表現……。 | |
【安冨委員】 「適切に取り扱い、その個人情報を保護しなければならない」。 | |
【高久主査】 そうですね。どうもありがとうございました。ほかにどなたか。 | |
【金澤委員】 別なことでもよろしいんでしょうか。 | |
【高久主査】 どうぞ。 | |
【金澤委員】 3の○の下の2つ目の●で、「法令」というのが出てくるんですが、疫学関連で、この研究に関する法令というのは一体どういうものがあるんですか。 | |
【原口課長補佐】 直接疫学研究のみを念頭に置いた法令ということは、確かに指摘のとおり、それほどのものはないような気がいたします。もっと一般的なもので、まさに個人情報保護法ができたときには、その法律やそれに基づく命令など、そうした一般的なルールというものに従わなければいけないという趣旨で書いてみたものでございます。 | |
【高久主査】 そういうことですね。どなたか。よろしいでしょうか。どうぞ、矢崎委員。 | |
【矢崎委員】 インフォームド・コンセントのことでもよろしいですか。 | |
【高久主査】 ええ、インフォームド・コンセントに行きましょう。2ページですから。2ページのところですね。 | |
【矢崎委員】 はい。よろしいですか。これは、疫学調査では、やっぱりインフォームド・コンセントが最初から不可能である、あるいは全数調査をしないといけない。あるいは、告知すると、かえって結果に影響を与えるということもあるので、この言葉ですけれども、「原則として受けなければならない」というふうに書いてありますけれども、ほかの対象では、CIOMSの場合でも「求められる」というような言葉になっていますけれども、後でインフォームド・コンセントの説明がございますので、このあたりの取り扱いをもう少し考えていただければありがたいんですけれども。 | |
【高久主査】 例えば、「インフォームド・コンセントを受けることを原則とする」とか、それぐらいのほうが、「なければならない」と言って、後で除外規定をいろいろ設けるのはどうなんですか。 | |
【位田委員】 ただ、どちらでも「原則として」という言葉が入れば同じじゃないかと思いますね。原則としてこうしなければならないということは、例外としてそうでない場合があり得るという話ですので、確かに「受けなければならない」という言葉がきつ過ぎるのであれば、違う言葉も可能だとは思いますが、実質的には同じだと思いますけど。 | |
【高久主査】 同じことですね。 | |
【矢崎委員】 高久先生の言われた言葉に変えさせていただければ、私どもはありがたいんですけれど。 | |
【高久主査】 わかりました。ほかに。 | |
【位田委員】 すみません、先ほど出てきた研究対象者の尊厳と個人情報保護なんですが、ここは尊厳だけではなくて、むしろ人権もかかわると思いますので、研究対象者の尊厳と人権及び個人情報保護……。 | |
【高久主査】 人権ですべては入らないのですか。尊厳というのは人権とはまた別ですかね。 | |
【位田委員】 その尊厳と人権は少し別だとは思います。むしろ個人情報のことが書かれているので、尊厳か人権かのどちらかを取れと言われると、僕は人権のほうだと思いますが。 | |
【高久主査】 幅が広いからですね。 | |
【位田委員】 尊厳が人権のベースになるという考え方のほうが強いと思いますけれども。むしろ個人情報が漏れて問題になるのは人権のほうに近いと思いますけれども。 | |
【高久主査】 人権ですね。区別がよくつかないときもありますが、人権のほうが−−どうぞ。 | |
【矢崎委員】 目的にちゃんと「尊厳及び人権」と並立に書いてありますので、やはりその辺は考慮されたほうがいいんじゃないかと思います。 | |
【高久主査】 それでは、次の3ページ目の、これは主に倫理審査委員会のことで3ページ目、4ページ目、それから5ページ目の途中までありますけれども、倫理審査委員会について、この3、4、何かご意見はおありですか。ご質問、ご意見、どうぞ。 | |
【安冨委員】 1つは、これは多分ミスだと思うんですけど、4ページのところの上から2行目の「社会学」となっているところは、「社会科学」だと思うんですが、それでよろしいんですよね。 | |
【中垣研究企画官】 はい。 | |
【安冨委員】 社会科学ですよね、ここはね。それと、4ページの真ん中のところで、「倫理審査委員会の運営」というところの●の2つ目なんですが、その最後のところに、「知的財産権の保護に必要な情報」とあるんですが、これは具体的にどういうことを想定していらっしゃるのかご説明いただくとありがたいんですが。 | |
【原口課長補佐】 この研究を通じまして、研究者の方が特許権等を取得することができる、そうした内容であって、またそれが成立していないような場合に、そうしたところが保護できると、そういうことを念頭に置いて書いてございます。 | |
【高久主査】 疫学でそういうことというのは……。 | |
【安冨委員】 あり得るんですか。想定されるんでしょうか。いや、これはもう全く私はわからないので、大変失礼なことを申し上げたかもしれません。 | |
【高久主査】 どうですか。田中先生、大島先生、疫学でパテントを取れるのですかね。稲葉先生。 | |
【稲葉委員】 ちょっと、すっとは思いつかないんですけれども、最近、よく調査票なんかをかなり登録して、版権をきちっとしている人たちが出てきまして、質問票をつくるのでもかなり特許が取れるようなことが出てきていますので、そういうことも含まれるかなと。もう少しいろいろあるかもしれませんけど、ちょっと今のところ、さっきの治療法の評価みたいなことになると、かなり出てくるとは思いますけど。 | |
【高久主査】 そうですね、可能性はありますね。 | |
【安冨委員】 いや、そういう趣旨であればいいんですが、ちょっとこの内容的によくわかりにくい部分であったものですから、コメントをいただければと思った次第であります。 | |
【高久主査】 ほかにどなたか。どうぞ。 | |
【丸山委員】 文部科学省のほうの−−文部科学省のほうのと言うべきか、全国医学部長病院長会議の委員会の試案というべきか、これは文部科学省の委員会の合意が得られたものというふうに理解してよろしいですか。 | |
【高久主査】 いや、そうではないのですね。これは医学部長病院長会議のほうで検討された結果をここに出されただけで、合意を得られたということではない筈です。 | |
【丸山委員】 そうなんですか。じゃあ、そういう性格のものとして、この医学部長病院長のほうは、よくできていると思うんですけれども、今、原口さんのほうから説明していただいたのと比較しますと、基本的に1つ違いがあって、この医学部長病院長会議のほうは、主任研究者のほうが倫理審査委員会のほうに研究計画を提出し承認を得るとされていて、こちらの厚労省のほうは、先ほど少し言いましたゲノム遺伝子解析指針と同じような仕組みで、所属研究機関の長に申請をし、長が承認をするかどうかを倫理審査委員会の意見を聴いて判断を下すという仕組みにしている。その点が私は一番大きな違いだと受け取ったんですけれども、この点、やはり多施設共同研究であっても、その施設でどういう研究がなされているかは、その所属機関長が把握しておくべきだと。特に事故なんかが起きた場合に、責任のありようなどを問われる際には、所属機関長は知りませんでしたでは済みませんので、そういう点で厚労省の案のほうがよろしいんじゃないかと思うんですが、その点は珠玖先生、ご理解いただけるものなんでしょうか。 | |
【珠玖委員】 はい。この点につきましては、実は委員会の中でも議論が多々あるところですが、疫学研究といっても、1つの施設でもちろんやられる場合も非常に多うございますし、また多施設にわたるところも多いと。ただ、1つ考えなくてはいけないことは、一般的には、多施設の共同でやるようなもの、例えば臨床等がかかわっているものというのは、多くはその施設そのものが研究の場であるという、これが多いわけですが、疫学研究の場合は、必ずしもそうでないということがございます。それで、主任研究者の方がいらっしゃって、そしてそういう意味では各施設に共同研究者として入っていらっしゃる方々が実際にやる場所というのは施設にとどまらないということがありまして、そこをどうとるかということで、一般的に我々が考えています倫理審査委員会ですと、やはり全体の共同研究でありながら、そこで研究を行うわけですから、当然そこでの倫理審査も受けるべきだということがございます。それで、どちらかというと相対的なんですが、やはり主任研究者そのものの意味合いというのを疫学研究の一般的なあり方を考えますと、より比重を重くしておいたほうがいいのではないかという、そういう意見が強かったというふうに考えていただければと思います。運用上は、ここに書いていただいたもので別にできるわけです。 | |
【高久主査】 それは、先ほど私のほうで珠玖先生に、この案の骨子のところで、研究者等の中に主任研究者を含めてもいいということでご了解を得ていますから、主任研究者も研究者等の中に含まれるというふうにご了解をいただきたいと思います。 | |
【珠玖委員】 1点だけよろしいでしょうか。そのことにかかわってだけコメントをさせていただきますが、4ページにございます「倫理審査委員会の運営」というところの●の3つ目のところで、共同研究機関の倫理審査委員会、要するにそこに加わって他施設でやっていらっしゃるところのどこかが審査をされればそれでいいという形でも、これもまた運用上は可能なんですが、ここはどちらかというと主任研究者というふうに考えたほうが、より妥当ではないかという気はするんですが、ご検討願えればと思います。 | |
【高久主査】 これはちょっと意味が少しわかりにくいところが−−どうぞ。 | |
【位田委員】 今の丸山先生の質問と珠玖先生の答えは少しずれた形になっているんじゃないかと思うんですけど。手続的にどういうふうにするかという問題と、実質的にだれが最も重要な役割を果たすかという問題とを2つ一緒に書き込むのはなかなか難しいかもしれない。多分、珠玖先生のおっしゃるのは、主任研究者がこういう疫学研究の倫理的妥当性についてはしっかりと把握をして、したがって主任研究者の責務というのは非常に大きいということだと思います。丸山先生のほうは、手続的に研究者が、主任研究者であれ何であれ、倫理審査委員会に直接持っていって、研究計画を承認してもらうということではなくて、研究計画は研究機関の長に出して、長が倫理審査委員会に、その研究計画実施の承認を求めるという図式、プロセスにのっとるほうがいいんじゃないかという話ではなかったでしょうか。 | |
【高久主査】 丸山委員のご意見では、主任研究者でなくても、研究に参加した場合には倫理審査委員会の承諾を得る必要があるのではないかと。珠玖委員のご意見では、必ずしもその施設の中でやるとは限らない。フィールドワークなんかの場合に、研究班員にはなっているけれども、その人が属している施設の中では行わない研究の場合に、主任研究者のほうの責任が重いのではないかという御意見だったんですが、しかし、自分の所属の長が、自分の所の研究者が自分の知らない研究に従事していても、何かあったときにはやはり責任を問われるわけですから、基本的に倫理審査委員会がないところは、主任研究者や学会などに任せていいと思いますが、あるところでは、少なくとも一応はとっておいたほうが安全だと思います。ですから、そういう意味で「研究者等」の中に主任研究者を含めていれば、その問題は片づくのではないかと思ったのですが。 | |
【珠玖委員】 まさに近い意見が出まして、どこでやるんであろうとも、やはりそこでやっている研究者の研究活動の透明化というためにそのことが必要であろうと、そういうことで、たとえ略式であっても通すべきであろうという、そういうことで考えるべきではないかと。 | |
【高久主査】 それでいいですか。 | |
【丸山委員】 皆さんに要約していただいて恐縮なんですけれども、内容的に研究自体は教室単位なり、あるいは研究グループ単位なりでなされて、主任研究者がリーダーになる。けれども、他方、形式的には分担研究者はその所属機関に属する構成員でもあるという二面性、先ほど高久先生がおっしゃいました通りです。それを踏まえて、実質的には主任研究者の責務を強くうたうということとともに、その倫理審査については、基本的には実質審査は倫理審査委員会なんだけれども、窓口については研究機関の長のところを通したほうがよいというふうに思うんですね。そのところが、こちらの医学部長のほうがちょっと違うような書き方をなさっていたので、今、原口さんが説明されたのでよいかという確認だけいただきたかったということです。 | |
【高久主査】 よろしいですね。 | |
【丸山委員】 それから、もう1つ、ちょっとよろしいですか。今ちょっとおっしゃった分担研究者の研究機関が非常に小さい場合で、倫理委員会を持っていないような場合だと、分担研究者の所属する研究機関には倫理委員会がないということで、その機関の長に申請して、主任研究者が所属する機関の倫理委員会などでの審議の内容を考慮して、その分担研究者が所属する小規模の機関の長が可否を判断するというふうな仕組みが望ましいんじゃないかと思うんですが。 | |
【高久主査】 その点については、後でまた触れていると思いますので、その時ご議論願いたいと思います。5ページ以降の、5ページ、6ページのインフォームド・コンセントのところで、特に6ページの種類分け、また(1)、(2)で、(1)の中で![]() ![]() |
|
【田中委員】 個人単位で割付を行うのは、多分−−多分って変な言い方ですが、対象者をランダムに2群に分けてやるということですね。それで、集団単位で無作為割付を行う介入研究は、私は現実的にはあり得ないと思いますね。この集団をどう考えておられるのか、ちょっと知りませんが、例えば、全国の市町村を対象にして、ランダムに2群に分け、1群の市町村には何か予防対策をする、他群の市町村には予防対策をしないというようなことはあり得ないと考えております。ランダムに2群に分けても、両群の比較性があるのか、市町村の場合には疑問が残ります。予防対策を実施しない市町村から、予防対策を実施している市町村と同じように種々の健康に関する情報を得るというようなことはできません。予防対策をインテンシティブに実施した地域と、通常の予防対策を行っている地域とを比較するということはありますが、集団単位で無作為割付を行うというところが、ちょっと私にはわかりません。 | |
【高久主査】 稲葉先生、何か。 | |
【稲葉委員】 同じくです。割付ということになると、やはり集団単位というのは、市町村にしても、あるいはグループを何か考えるにしても、ちょっと普通の疫学研究ではなじまない言葉かなという気がします。集団単位で観察するということであれば、介入をして、健診をやった人、そうでない人を比較するというのはあると思いますけど、介入の形で割付をするのはちょっと難しいかと。 | |
【高久主査】 大島委員、何か。 | |
【大島委員】 この言葉は私が申したので説明をさせていただきますが、地域あるいは職域の集団がありますけれど、ある集団に対しては介入を行い、他方は通常のままに置いておくという意味でのコントロールに使うという介入研究は私は十分あり得ると考えています。ですから、疫学研究者の中で意見が割れているようですけど、私はあり得ると考えております。 | |
【田中委員】 だから、それを「集団単位で割付を行う研究」というのかどうかですね。ちょっとなじまないように私は思うんですけれど。 | |
【稲葉委員】 観察して比較するのはいいけど、割付となると……。 | |
【矢崎委員】 ちょっとよろしいでしょうか。 | |
【高久主査】 どうぞ。 | |
【矢崎委員】 ここで、単に割付を除いて集団単位で行う介入……。 | |
【稲葉委員】 それだったらあり得るんですね。 | |
【矢崎委員】 というふうにしてよろしいんじゃないでしょうか。 | |
【高久主査】 じゃあ、「個人単位で行う介入研究」「集団単位で行う介入研究」、それでよろしいですか。そういう言葉で。集団単位で介入を行うことはあり得るわけですね。はい、わかりました。この6ページのインフォームド・コンセントの順番でよろしいですか。どうぞ。 | |
【寺田委員】 ここの一番上のところですね、「人体から採取された資料」という、この場合、普通の診療のために用いられた材料を使う場合は、これのどこに入るわけですか。実際に例えば血液をとって、患者さんのための検査をやって、どうしても残った場合に実際に使うことが多いと思うんですね。それはこの中ではどこで読めばいいわけですか。 | |
【高久主査】 やっぱり![]() |
|
【原口課長補佐】 ちょっと記載の構成の問題があるかもしれませんが、次のページの8のところで、2つ目の○で、「研究実施前に人体から採取された資料を利用する場合」というふうにいたしておりまして、その資料を使うこと自体については、ここにありますように、資料採取または研究開始時に同意を得ていただくのが原則であるけれども、そうはいっても、そうでない形での資料を活用すべき場合ということについては、審査委員会の承認を得て、以下の2つのいずれかをやっていただくというふうにいたしております。 | |
【高久主査】 これで寺田先生、良いのではないですか。 | |
【寺田委員】 なるほどね。 | |
【高久主査】 じゃあ、位田委員。 | |
【位田委員】 (1)の![]() ![]() |
|
【原口課長補佐】 ここで、「文書による」、あるいは「口頭でもよい」と書きましたのは、同意そのものについてどうあるかということを念頭に置いて書いておりまして、情報提供のほうのあり方に関しては、ここでは規定をしなかったというのがこの原案の考え方でございます。 | |
【位田委員】 ただ、その情報提供をするということのほうがインフォームド・コンセントの場合には非常に重要なレベルだと思うんですね。きちっと説明をして、それで同意が、口頭であれ文書であれ、記録に残れば、それは同意として考えられると思うんですけど、きちっと説明をしたかどうかというのが書いておかないと、やはりインフォームの部分が消えてしまうんじゃないでしょうか。 | |
【中垣研究企画官】 いろいろ外国の指針等も見ているんですけれども、文書によるということを規定をしているのもあまり見当たらないということがあって、逆に申し上げますと、この6ページでいくと、(1)の![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
【位田委員】 私ども、インフォームの仕方は非常にいろいろな場合があり得ると思うので、例えば説明会をする場合もあれば、ほんとうに文書を回しただけでやる場合もあれば、個別にやる場合ももちろんあり得ると思うので、インフォームの部分は詳しく書けと言っても、多分非常に難しい。ただ、それだと、ここはインフォームド・コンセントじゃなくて、むしろ「同意」という言葉を使われたほうが、もし口頭でもよいというのであればですね。 | |
【高久主査】 「同意」でいいんですか。 | |
【位田委員】 「同意を原則として必要とする」と。 | |
【高久主査】 その場合に……。 | |
【位田委員】 もちろん、その前提としてはインフォームしているわけです。 | |
【高久主査】 そうですね。同意というのは、だけど、例えば集団で説明したときに、説明をして、何も証拠がなくても同意をしたと考えて良いのですか。 | |
【位田委員】 口頭でもよいというのはそういうことですよね。だから、それはどこかで記録をとらないといけないと思うんですけど、文書による同意というのは、基本的には、Aさん、Bさんが、「私は同意しました」という文書にサインをすると。ここではそういう意味ではないと考えますので、例えば、説明会をして、ずっと並んでもらって、「Aさん同意しました、○。Bさん、同意しました、○」という形で記録には残るでしょうけれども、本人が署名をする形ではないとする。そういう意味ですよね。 | |
【高久主査】 なるほど。そうすると、同意を原則として、必要とすると。ただ、これは上のほうは「文書による」があるから強いのですが、インフォームド・コンセントという言葉と「同意」という言葉と2つ出てくると少し混同しないですかね。インフォームド・コンセントは、ほんとうにいい訳があまりない様ですから、むしろこのままのほうが良いような気がするのですが。どうぞ、丸山委員。 | |
【丸山委員】 釈迦に説法で恐縮なんですが、インフォームド・コンセントのコンセントのほうが、何ていうか中心で、インフォームドというのは修飾語ですので、「インフォームド・コンセント」という言葉を使っていても、今、位田先生のおっしゃった趣旨は十分生かされるんじゃないかと思うんですが。 | |
【位田委員】 いや、「口頭でもよい」という言葉の意味を確認しただけですので、これでもしわかるのであれば、それでも結構ですけれども。 | |
【高久主査】 実際には、「口頭でもよい」という言葉を入れておいたほうが現場の人は困らない……。 | |
【位田委員】 はい、それは構わないんです。 | |
【金沢委員】 別のことでもよろしいですか。 | |
【高久主査】 結構です。 | |
【金沢委員】 6ページの(2)の![]() |
|
【高久主査】 情報を提供している過程で、初めはインフォームドされていると思ったけれども、やっぱりやめたい。途中でドロップアウトする。これはいつでもできるはずですね。文書で書いていたって、「私は嫌だ」と言えば。しかし、それをわざわざ書かなくても、だれでもいつでもできるのではないですか。 | |
【位田委員】 要するに、明示的に拒否しなければ同意したものとみなすということですね。 | |
【金沢委員】 わかりました。ぜひそのような表現にしていただきたい。clinicalepidemiologyちょっとこれだとわかりにくいですね。よくわかりました。最後におっしゃったことは大変よくわかりました。 | |
【高久主査】 前回のときには「情報を公開し」ということを、今回は「積極的に情報を提供し」となっていますが、実際に積極的に情報を提供することができるのですか。 | |
【中垣研究企画官】 例えば、市町村でやる場合には、市町村の広報に載せるとか、いろいろな手段があるんだろうと思いますけど。あるいは職場でやるときも同じようなことが可能だと思います。 | |
【高久主査】 そうですね。わかりました。では、この表現で……。 | |
【矢崎委員】 ちょっとよろしいでしょうか。表現を少しわかりやすくしていただければいいんじゃないでしょうかね。「情報公開する。ただし」とかね。それで文章をわかりやすくすれば、今のような誤解がなくなると思うんですけど。ちょっと考えていただけたら……。 | |
【高久主査】 わかりました。 | |
【位田委員】 それで、もう1点、そこの集団で行う研究なんですけど、この場合のインフォームド・コンセントは「個別の」というふうにするんですか。つまり、個人それぞれのという意味ですよね。そうすると、集団で同意をするというケースがCIOMSのほうには挙がっているんですけども、そういう場合はどう考えればよろしいんでしょうか。 | |
【中垣研究企画官】 これは、我々も悩んだんですけども、例えば、集団でと、例えば自治会で同意をするとか、あるいは市町村として同意をするとかというようなことというのは、我が国の現状には合わないのではなかろうかということを考えまして、あえて明記いたしておりません。先生方の中で、むしろそういった考え方を持ち出すべきだということであれば、我々はもう1度考えて、もちろん入れさせていただきたいと思いますけれども、現段階においてそういう例というのは、このガイドラインの中で取り上げておりません。 | |
【高久主査】 そろそろ5時54分になりまして、きょうは途中まででしたけれども、ご議論をいただきました。次回にまたご議論を願いたいと思います。まだまだ十分に議論されてない点があると思います。また本日はご欠席の委員の方もいらっしゃいますので、事務局のほうに、今までの6ページまでで十分にご意見が言い足りなかった点、あるいは、できれば7ページ、8ページ、9ページ目につきましてもご意見がありましたら、26日までですか、水曜日までにFAXでご意見をいただきたいと思います。皆さんFAXの番号はご存じですね。どこかに書いていますか。 | |
【中垣研究企画官】 念のため、もう1度FAXしておきます。 | |
【高久主査】 そうですね。ということで、ご意見を事務局のほうにお寄せいただければと思います。よろしくお願いします。 | |
あと、次回の日程のことについて、事務局のほうからどうぞ。 | |
【中垣研究企画官】 お手元に予定表を配らせていただいておりますので、できましたらここで、あるいは帰っていただいて、またFAXをしていただければと思います。よろしくお願いいたします。 | |
【高久主査】 それでは、少し前になりましたけど、これできょうの合同の委員会を終わらせていただきます。いろいろご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。また次回の日程が決まった時点でご連絡いたしますので、よろしくご検討いただきたいと思います。 | |
本日はどうもありがとうございました。 | |
【中垣研究企画官】 どうもありがとうございました。 | |
−−了−− |
(研究振興局ライフサイエンス課)