科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会
2001/03/29 議事録
平成13年3月29日(木)16:40〜18:10
学術総合センター特別会議室102・103
小澤委員、北委員、笹月委員、渋谷委員、高久委員、寺田委員、鳥井委員、垣生委員、吉田委員
吉澤学術調査官、ライフサイエンス田中課長、生命倫理・安全対策郡室長補佐 他
大学等における遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン
【事務局】
それでは、定刻が若干過ぎてしまって大変恐縮でございますが、ただいまから、遺伝子治療臨床研究専門委員会を開催させていただきます。
本日は、お忙しい中ご出席いただきまして、大変ありがとうございます。私は、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室の郡と申します。何とぞよろしくお願いいたします。
本日最初の議事に、主査を選出させていただきますけれども、それまでの間、僣越ながら、私のほうが議事の進行をさせていただくということで、よろしくお願いいたします。
会議に先立ちまして、田中ライフサイエンス課長がこちらに来ておりますので、一言お願いしたいと思います。
【課長】
文部科学省ライフサイエンス課長をしております田中でございます。よろしくお願いを申し上げます。
文部科学省、ご存じのとおり、1月6日から、旧文部省と旧科学技術庁が1つになりまして、文部科学省ということになりました。旧文部省時代、学術審議会の中でいろいろご議論されてきたこと、それが形が変わりましたけれども、科学技術・学術審議会の中の生命倫理・安全部会の中の遺伝子治療臨床研究専門委員会と若干長い名前でございますけれども、こういうような形で、若干難しい、ほんとうにいろいろなことにご配慮いただきながら、ご判断をいただこうという専門委員会に生まれ変わったということでございます。
これまでいろいろな立場から、いろいろな観点で、大変詳細かつ専門的な立場からご議論をいただいたこの会議、これからも先生方の熱い思いをもって運営をしていただければと思っておりますし、文部科学省、名前が変わりましたけれども、ライフサイエンス全体を推進する立場から、しかも国民の方々のいろいろな思いにきちんとこたえていただけるような政策を進めてまいりたいと思っております。そのためには、先生方のご議論がぜひとも必要でございますので、これからもよろしくお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
【事務局】
それでは、議事を進めるに当たりまして、まず、配付資料の確認だけさせていただきたいと思います。不備がございましたらお知らせくださいますよう、よろしくお願いします。
資料といたしましては、委員の名簿がございます。それから、運営についてというもので、「(案)」がついてございます2−1。2−2のほうが、これは参考資料に近いわけなんですが、運営規則。それから、資料3のほうが、ガイドラインについてということで、この委員会の仕事について、若干触れさせていただきたいと思います。資料4のほうが、今回審議いただきます大阪大学の末梢性血管疾患の審議経過について、資料5のほうが、その申請書類でございます。あと、参考資料として、ガイドライン本体をおつけしておりますが、遺漏はございませんでしょうか。
それでは、議事に先立ちまして、第1回目ですので、先生方、十分ご存じかもしれませんが、ご紹介をさせていただきたいと思います。
まず、右のほうから、自治医科大学の教授でいらっしゃいます小澤先生でございます。よろしくお願いいたします。
京都大学教授でいらっしゃいます北委員でございます。
九州大学教授でいらっしゃいます笹月委員でございます。
それから、東京大学教授でいらっしゃいます渋谷委員でございます。
自治医科大学長でいらっしゃいます高久委員でございます。
国立がんセンター総長でいらっしゃいます寺田委員でございます。
日本経済新聞社論説委員でいらっしゃいます鳥井委員でございます。
東海大学教授でいらっしゃいます垣生委員でございます。
それから、一番向こうになりますが、名古屋大学教授でいらっしゃいます吉田委員でございます。
事務局側から、本件を担当しております学術調査官の吉澤でございます。よろしくお願いします。
それでは、早速でございますが、主査の選出でございますが、委員会の主査は互選が原則ではございますが、まことに勝手ながら、事務局のほうからご提案させていただきたいと思っております。主査は、自治医科大学長の高久先生にお願いしたいと考えておりますが、各委員、いかがでございましょうか。
ありがとうございます。それでは、高久先生、主査として選出されましたので、恐れ入りますが、移動をよろしくお願いしたいと思います。
以後の議事につきましては、まことに恐縮でございますが、高久先生に早速お願いしたいと思います。
【高久主査】
主査のお役目を仰せつかった高久です。遺伝子治療に関する委員会では、いろいろ問題が今後出されると思いますが、委員の皆さん方にはよろしくお願いしたいと思います。
早速ですが、この委員会の運営について、案が資料として出ています。それについてご審議をお願いしたいと思います。内容について、事務局のほうから説明をよろしくお願いします。
【事務局】
資料2−1のほうをごらんいただきたいと思いますが、この専門委員会の運営について、2点ほどだけ決定させていただければと思っております。
まずは、「会議及び会議資料の公開について」でございます。それから、2点目としましては、ワーキンググループの設置ということでございます。「委員会の会議及び会議資料は、次に掲げる場合を除き、公開とする。(1)主査の決定その他人事に係る案件(2)個別利害に直結する事項に係る案件、または審議の円滑な実施に影響が生ずるものとして、委員会において非公開とすることが適当であると認める案件」、これを除き公開とする、こういう原則でお願いしたいと思います。
「ワーキンググループの設置について」につきましては、「(1)委員会は、主査の定めるところにより、特定の事項を機動的に調査するため、ワーキンググループを置くことができるものとする。(2)ワーキンググループの主査及びメンバーは、委員会の主査が指名する。主査は、委員会の委員以外の専門家をメンバーに指名できるものとする」、こういう運営方法についてのご提案でございます。
【高久主査】
今、運営方法についての説明がありましたが、何かご意見はおありでしょうか。
【鳥井委員】
非公開の条件なんですが、プライバシーにかかわることというのを明示的に出しておいたほうが。利害という話で読めないこともないとは思うんですが、明示的に出しておいたほうがいいような気がしますが。
【事務局】
わかりました。プライバシーに関することですね。具体的な修文につきましては、その趣旨を組み入れた形で、事務局のほうで修正させていただくということで。
【高久主査】
ワーキンググループは、公開にしてなかったですね。この委員会ですね。
【事務局】
はい。委員会の公開の件でございます。
【高久主査】
ほかにどなたかご意見は。
それでは、今の鳥井委員のご意見を入れた形で、運営を決めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、今、お決めいただきましたルールに従いまして、傍聴の希望者がいれば、入室していただくことになると思います。どなたかいますか。
【事務局】
それでは、ただいまお決めいただきましたことに従いまして、今回の議事を公開させていただきたいと思います。これ以降、記者等が入ってまいりますので、個人の利害に関係のある事項ですとか、そういったことの発言には十分ご留意いただくようによろしくお願いいたします。
それでは、入室をお願いします。
それでは、傍聴者の方々が入場されましたので、改めて主査に就任されました高久先生のほうから、一言ごあいさつをお願いいたします。
【高久主査】
科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会遺伝子治療臨床研究専門委員会の主査を仰せつかった高久でございます。
この専門委員会で、今後遺伝子治療のことについて、ご議論をいただくことになると思います。よろしくお願いします。簡単ですが、主査のあいさつとさせていただきます。
それでは、新しい体制になって初めての委員会ですので、遺伝子治療臨床研究のガイドラインについて、事務局のほうから説明をよろしくお願いします。
【事務局】
「大学等における遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン」についてという資料3をごらんいただきたいと思います。参考資料に、本文をそのままおつけてしてございますので、先生方も重々ご承知のこともございますけれども、ごらんいただきたいと思います。
このガイドラインでございますが、遺伝子治療については、平成2年に厚生省、平成6年6月に文部省がそれぞれ指針を策定し、これまで11件が承認されているということでございます。
それから、今現在のガイドラインのごくごく概要でございますが、大学等において行う遺伝子治療臨床研究につきましては、先ほど申し上げましたガイドラインに基づき行うこととされている。それから、臨床研究の計画は、すべて文部科学大臣に意見を求め、文部科学大臣は、意見を述べるに当たっては、専門委員会の意見を聴取する、まさにこの場に意見をお伺いするということが決まってございます。
また、厚生省におきましてもほぼ同じ内容でございますけれども、「遺伝子治療臨床研究に関する指針」により取り扱うこととされておりまして、専門委員会の意見聴取に当たりまして、ほとんどの部分、議論が重複するようなことになりますので、両省連携により設けられる合同ワーキンググループを開催し、意見の統一化を図って運用しておるというのが実際でございます。
また、さらに1つ申し上げますと、このガイドラインにつきましては、遺伝子治療臨床研究の実施件数が増加しつつございまして、「規制緩和推進3カ年計画」、昨年3月に決定されましたものにおきまして、審議の簡素化につきまして指摘を受けていると。研究実施計画の今後の審議のあり方についても検討を開始したばかりでございます。これは1回だけ、かつてワーキンググループを開催した実績がございますが、そのときは、基本的にはフリートーキングを行っていただいたと。今後、またどういったあり方にすべきかという部分も、この委員会の中でご議論いただければと考えてございます。
1枚めくっていただきますと、承認案件、最終的には了承案件、了承していないものも入っておるわけなんですが、全部で13件が並んでおります。先ほど11件了承と申しましたうち、上から12までが審議をしてきたわけなんですが、1件取り下げがございまして、全部で11件承認と。一番下の件が、まだ審議中であるということになってございます。
疾病の種類といたしましては、一番最初に出てきたのが、北海道大学のアデノシンデアミナーゼ欠損症に関するもの、それ以降、HIV感染症についてのものが出てまいりました。これは了承後に計画が取り下げられて、実行には至ってございません。それから、東京大学以降、がん性のものが大変長く続いておりまして、腎細胞がん、それから肺、食道、乳がん、それから悪性グリオーマ、肺がん、前立腺、肺がんということで、多数の審査件数がございました。それで、一番最近、後にもご意見をお伺いすることになります、この大阪大学医学部附属病院の件が、初めて慢性疾患といいましょうか、血管性疾患、閉塞性動脈硬化症・ビュルガー病ということで申請が出てまいりまして、審議を継続しているというのが現状でございます。
それから、「遺伝子治療臨床研究実施計画の評価の手続きの流れ」というのがございます。これまた研究実施機関から、それぞれ大学等でやる場合は、文部科学省のほうに申請することになります。今までの案件すべて、文部科学省の大学等に当たるものばかりでございましたので、文部科学省、厚生労働省の両方に申請が出されておりまして、その内部といいましょうか、それぞれの諮問機関に適切な意見をお聞きしまして、その意見に基づく意見を、文部科学大臣、あるいは厚生労働大臣のほうから、その機関のほうに戻すという形で審査を行ってございます。
一番下に、「作業委員会・審査ワーキンググループ」というのがございますが、これが統一的な審議を行うということで合同開催しているものでございまして、あり方に関する検討会に関しましても、こういった形態を依然とらせていただいております。今後の議論の仕方につきましては、いろいろな考え方があろうかと思いますので、またご相談なり、あるいは、ワーキンググループで行うということであれば、先ほど言いましたように、主査のご判断で設けさせていただくということもあろうかと思います。
それから、1点だけ、申しわけありません、こういった計画の申請、承認という手続のほかに、また計画の変更でありますとか、計画が終わった後の審査といいましょうか、事後報告をごらんいただくというようなことも、この専門委員会にご報告を上げまして、ご審議いただくというようなこともございます。
【高久主査】
どうもありがとうございました。
今、事務局のほうから、遺伝子治療臨床研究のガイドラインについての説明がありましたが、どなたかご質問、ご意見はおありでしょうか。
実は、科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会の中で少し議論がありまして、作業委員会・審査ワーキンググループが一本化しているので、できれば専門委員会も一本化をしたほうがいいのではないかというご意見でした。遺伝子治療臨床研究の審査のあり方についての委員会が一度ありました。今後その様な委員会でこの話がまた出てくるのだと思います。文部科学省、厚生労働省の両省の専門委員会で審査をするのは、研究者にとって負担になり過ぎるのではないかという意見があったと思います。今後の課題だと思いますが、きょうは、文部科学省の生命倫理・安全部会の中の遺伝子治療の委員会ということでご議論を願いたいと思います。
続きまして、大阪大学医学部附属病院の遺伝子治療臨床研究実施計画の審議につきまして。文部科学省と厚生労働省との合同で行われました、大阪大学からの末梢性血管疾患に対する遺伝子治療の審査のワーキンググループでの審議が終了いたしました。それでは、この実施計画とワーキンググループでの審議経過の概要について、事務局から、これは吉澤さん、よろしくお願いします。
【吉澤学術調査官】
では、ご説明させていただきます。資料4及び資料5をご参考によろしくお願いいたします。
資料4からですが、課題名は「HGF遺伝子プラスミドを用いた末梢性血管疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・ビュルガー病)の治療のための遺伝子治療臨床研究」ということでございます。
実施施設は、大阪大学医学部附属病院。代表者は、附属病院長松澤佑次。統括責任者は、老年・高血圧内科科長荻原俊男ということになっております。
平成11年11月10日に申請されまして、13年の3月21日に最終変更報告日ということになっております。
その内容をかいつまんでご説明させていただきますが、詳しい内容は、これは資料5の実施計画申請書、やや厚い資料でございますけれども、3枚めくっていただきますと、研究の目的、対象疾患選定理由等がございます。
まず、この研究の目的でございますけれども、本治療臨床研究におきましては、代替治療法のない末梢性血管疾患(慢性閉塞性動脈硬化症・ビュルガー病)患者を対象に血管新生因子である肝細胞増殖因子、以下HGFと略しますけれども、この遺伝子プラスミドの筋肉内注射を行って、このプラスミドの筋肉内投与の安全性の検討を行い、あわせて血管新生の状況についても把握すると、そういうことになっております。
対象疾患は、今申し上げましたように、血管拡張術や外科的治療法などの代替的な治療法がない閉塞性動脈硬化症やビュルガー病でありまして、主にこれをFontaineIIbからIV度という比較的重症の患者さんを22人対象に選びまして、安全性を考慮し、2つのステージに分けて、第1ステージがより重い患者さん、すなわち安静時疼痛とか、虚血性潰瘍・壊死を有する患者さんでまず行い、重篤な副作用が認められず、審査委員会が試験の継続を認めた場合には、第2ステージとして、安静時痛または虚血性潰瘍・壊死、そのほかにもしくは高度跛行という患者さんも対象にするということになっております。
導入する遺伝子に関しましては、先ほど申し上げましたヒトHGF遺伝子をサイトメガロウイルスのプロモーター及びエンハンサーに連結したプラスミドそのものでございまして、これを注射針を用いて筋肉内に直接投与すると。大変失礼しました、次のページでございますけれども、そういうことになっております。
安全性についての評価に関しまして、同様の血管新生因子であります血管内皮増殖因子(VEGF)というものを用いた治療研究が、米国で既に行われておりますけれども、米国では軽微な副作用の報告があるのみであったというようなご報告とか、あるいはプラスミド導入による危険性とか、HGFそのものによるがん促進、あるいは血管腫、糖尿病性網膜症悪化の危険性などが想定はされておりますけれども、一応HGFの血管新生作用により発見できないような微少がんを促進する可能性や網膜症を悪化させる可能性がありますので、これらの危険性を有する患者さんは、本臨床研究に含まないということで研究を進めていこうというふうな報告をいただいております。
それから、ちょっとおくれましたが、先ほど申し上げましたVEGFを用いた米国での治療では、非常にいい結果が得られているという報告も受けており、HGFの血管新生作用は同じぐらい、あるいはそれ以上あるのではないかというお話もございました。
実施計画の詳細につきましては、先ほど既に簡単に申し上げましたので省かせていただきまして、次のページでございますけれども、備考欄に書いておりますように、被験者は、本遺伝子治療臨床研究について十分な説明を受け、その内容と期待される治療効果及び危険性を十分理解し、自主的に同意した上で同意書に署名するということで、きちっとインフォームド・コンセントをとるということになっております。
以上、簡単でございますが、こういう内容の実施計画で、こういうものに対して実施の審議をいたしました。その概要でございますが、資料4に戻りまして、2番の「審議概要」というところでございます。
まず、第1回目、平成11年11月16日に、第10回の遺伝子治療臨床研究専門委員会で、厚生省と合同で行う遺伝子治療臨床研究(末梢性血管疾患)審査ワーキンググループの設置が決定されました。そのもとに、(2)のほうでございますけれども、まず第1回の遺伝子治療臨床研究ワーキンググループは、平成12年4月25日に行われました。その議事概要に関しましては、別紙1というのが後ろのほうについてございますけれども、各委員の先生方のそれぞれの作業分担を決定いたしまして、それと同時に、この本研究の総括責任者等より、遺伝子治療臨床研究実施計画の概要の説明及び質疑応答がなされました。その結果、審議を引き続き行い、ワーキンググループとして意見を取りまとめて、実施施設からそのものに対して回答を求めるということになりました。
第2回は、平成12年9月26日に行いました。その概要ですが、総括責任者等より、意見書に対する回答とその説明がございまして、審議が行われ、研究を進めることについて、基本的には妥当なものと了承されましたが、説明・同意文書等の内容について、審議を引き続き行うこととなり、実施施設に対し、再度意見を提出し、回答を求めることとされております。
第3回は、平成13年3月13日に行われましたけれども、再意見に対する回答について審議が行われ、科学的に妥当ではあるが、慎重に実施すべきであり、留意事項を取りまとめて意見として付すこととされております。
これが以上の大体の概要ということでございますが、実際これらの3回を通して、ワーキンググループにおける論点の整理の経過及び結果について、次から書いてございます。
まず、第1回のワーキンググループにおいては、当初提出された実施計画について、審議の参考人として招致した総括責任者等より説明を受け、主として科学的観点から質疑応答が行われました。
後日、作業委員会として、当初提出された実施計画を説明する資料に関しまして、まず、患者は長期間にわたり下肢の虚血状態が持続し、血管新生刺激は既に存在している状態でありますけれども、そういう血管新生が十分に行われていない状態なんだと考えられまして、このような慢性の虚血状態にHGFが有効なのかどうかということの科学的根拠がどうであるかということがありました。
それから、第2点として、米国におけるVEGF、先ほど申しましたが、そのVEGF遺伝子を用いた遺伝子治療臨床研究実施計画と本研究との比較、それから第3点として、使用するHGFプラスミドの品質など実施計画の内容、その他に関する事項について整理すべき約70項目の意見がまとめられ、指摘されました。
患者への説明と同意文書については、「臨床研究」というものについての説明を加えるということとか、「プラスミドDNA」とか、「肝細胞増殖因子」等の機能などについて、患者さんによりわかりやすく説明すること、また、遺伝子治療が確実に効果のあるような誤解を生ずる表現を改めるなどということがあわせて指摘されました。
第2回におきましては、その1回目の審議を踏まえてまとめた指摘事項に対して、大阪大学医学部附属病院からの回答について、審議の参考人として招致しました総括責任者等より説明を受けました。その結果、回答はほぼ妥当と思料いたしましたが、本実施計画の説明同意文書等の内容について、審議を引き続き行うということとし、実施施設に対して、再度意見書を提出し、回答を求めるということにされました。
第3回におきましては、大阪大学医学部附属病院からの再意見に対する回答書について審議の結果、回答は妥当であるが、慎重に進めるべきというふうなこととされております。
以上、主として科学的観点から論点整理を進めまして、すべての結果を資料整備に反映させました。
その概要が、以下のというふうになっておりますけれども、まず、対象患者の選定につきましては、先ほど言いましたように、血管拡張術、あるいは外科的治療などの代替的な治療の適応のない慢性閉塞性動脈硬化症及びビュルガー病患者を対象とする。Fontaine分類IIbからIV度までの患者22人を対象にしますが、安全性を考慮して2つのステージに分け、第1ステージでは、より重い安静時痛または虚血性潰瘍・壊死を有する患者、第2ステージでは、それらの患者に加えて、高度跛行を示す患者を加えると。ただし、この第2ステージに進むかどうかは、第1ステージに重篤な副作用が認められず審査委員会が試験の継続を認めた場合ということになっております。
それから、第2点、有効性及び安全性につきましてですが、ラット閉塞性動脈硬化症モデル及びウサギ閉塞性動脈硬化症モデルにおいて、ヒトHGFプラスミド筋肉内投与によるHGFタンパク発現と血管新生誘導・血流増加が認められたとされております。同様の血管新生因子でありますVEGFを用いたアメリカでの遺伝子治療では、臨床研究で、浮腫などの軽微な副作用が報告されています。
想定される危険性として、プラスミド導入により正常細胞ががん化する可能性や、HGFそのものによるがん促進、血管腫及び糖尿病性網膜症悪化の危険性があるということが認識されております。
それから、第3点として、使用される遺伝子やベクター等の品質としては、本研究に使うベクターとしては、ウイルスベクターは用いず、ヒトHGF遺伝子を組み込んだプラスミドDNAそのものである。また、このプラスミドDNAは、アメリカ及びヨーロッパでの基準に合致した純度試験、エンドトキシン試験、無菌試験等を含めたきちんとしたものであるということが指摘されました。
そして、説明と同意文書ということに関しては、先ほど申し上げましたように、本研究に参加するかどうかについては、自由意思に基づくものであり、途中で同意を撤回することも可能であると。また、本遺伝子治療臨床研究の目的が、安全性及び効果の評価であると。遺伝子治療の一般的な説明及び今回実施する内容、予想される副作用、特にがん細胞の増殖を促す可能性もあるなどということを記した「遺伝子治療臨床研究のための説明と同意書」による説明を行い、患者さんの同意について「臨床研究同意書」として書面で意思を確認するということが明記されております。
以上、これらの観点から、本実施計画の内容は、ワーキンググループにおいて、科学的に一応妥当であるが、実施に当たっては、本遺伝子治療研究が、血管性病変を国内で初めて対象とするものであるということから、別紙2、これは一番最後についておりますが、これにより慎重に行うべきことと思料されたとされました。
その別紙2でございますが、「実施にあたっての留意点」ということでございます。本遺伝子治療臨床研究は、血管性病変を国内で初めて対象とするものでございますので、実施に当たって以下の点に留意されたい。
本研究の対象は、確立した治療法のない末梢性血管疾患でありまして、HGFのこのような病態に対する効果に関しては、今後の検討にまつ点が大きい。また、本研究の主たる目的は、安全性の検討である。したがって、本研究の実施に当たっては、安全性というものに細心の注意を払いながら進めること。
特にHGFは、広範な細胞群に多様な機能を発揮し得る点に十分留意し、継続的に安全性をモニターすることが望ましいこと、また被験者に対して、あらかじめこの点をわかりやすく説明すること。
なお、有効性の評価は、プラセボコントロールを用いた比較対照試験ではない点、遺伝子発現を直接確認する方法がいまだ確立されていないという点、患者さんの自然経過、新生血管の評価方法などの限界などの点にかんがみ、十分慎重に行うことというふうにされております。
本研究の実施に当たっては、統括責任者が、進行状況についても、実施施設に置かれた審査委員会と密接な連絡をとり、研究の安全性及び有効性について客観的評価を受けつつ行うこと、以上こういうふうな留意点になっております。
【高久主査】
どうもありがとうございました。
このワーキンググループの主査を北委員がお務めですので、北先生から、何かコメント、ご追加をよろしくお願いします。
【北委員】
申請されましてから、今までで一番長く審査が行われた案件でございますけれども、我々は、研究計画実施につきまして、科学的な面から慎重に討議を重ねさせていただきまして、基本的には、科学的に妥当であろうという結論に達したわけでございますが、だたいま吉澤氏からご説明がございましたように、HGFの多様な、特にがんの問題でございますけれども、そういう点がございますので、実施に当たっては、くれぐれも注意を要するということで、先ほど読んでいただきました留意点というものをつけさせていただいて、その上で、患者さんに十分にご説明申し上げた上で実施していただくということで、我々の結論が出たわけでございます。
以上でございます。
【高久主査】
今、事務局と、それから北ワーキンググループ長からご説明がありましたように、ワーキンググループでは、この研究計画については、科学的に妥当である。ただ、慎重に行うべきであると。それを留意事項とするということで了承されたということです。このことにつきまして、ご質問、ご意見がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ、寺田先生。
【寺田委員】
実は、厚生労働省のほうの厚生科学審議会の中にあります技術部会で、3月19日に、了承されています。ところが、22日だったと思いますけれども、アメリカのNCIのHGFについて新しい情報の連絡がありました。多分、厚生省のニュースを聞いてから情報を教えてくれたんだろうと思います。それはパブリッシュしたデータでないので、どこまでどうかということは確かではないのですが、今、投稿した状態でありまして、そのアブストラクトだけは皆さんに配っても結構だということなので、この委員会限りで渡したいと思います。渡していただけますか。
これはあくまでも動物実験の極端な実験条件ではございますが、HGFのトランスジェニックマウス、HGFの遺伝子を入れたマウスがございます。非常に高いHGFを出しているマウスなんですね。これにp16というがん抑制遺伝子をノックアウト、両方ともなくなったような、またこれもがんになりやすいような条件にしたものとかけ合わせて、すなわちp16(−/−)HGF(+)というマウス、これが100%とは言いませんが、100%近く、平均して3.3カ月ぐらいで、ラブドミオサルコーマ、横紋筋肉腫ができるということです。普通はそういう実験的なことで、気にすることもないかもわかりませんが、申請された研究では打つところは筋肉ということで気になりました。ラブドミオサルコーマというのは、ご存じのように、人間では子供にできます、非常に珍しい病気でございますし、動物とは全然違いますが、一応そういうデータが届きましたものですから、それもこれはワーキンググループで検討した後に出てきた新しい重要なデータでございますので、どういうふうにするかということをご検討願えればと思って出させていただきました。
論文の本文に関しましては、今、向こうで、どういう雑誌かということはちょっと言えないそうですけれども、ランキングの非常に高い雑誌に行ったり来たりしている状態であるということです。二、三カ月になるのかどうか、それはわかりませんが多分受理されるだろうということです。情報として、親切心と人道上の立場から知らせてくれたと理解しています。このような状況で本文はまだみせられないがアブストラクトに関しては、委員会の皆さんに渡してもらっても結構であるとの了承をとっています、これはほんとうに好意から来たんだろうと私は思います。それ以外にちょっと考えられません。一応データとして、ここに出させていただきました。
以上でございます。
【高久主査】
ありがとうございました。c−Metは、リセプターですか。
【寺田委員】
c−Metはリセプターでございます。HGFの。
【高久主査】
そうですね。c−Metの遺伝子を入れたのではないのですか。
【寺田委員】
HGFです。
【高久主査】
HGFですか。
【寺田委員】
HGFのトランスジェニックマウスです。詳しくは、たしかメタルチオネインか何かのプロモーターにつないで入れていると思います。この抄録の真ん中のあたりにHGF/SFと書いてございますが、SFというのは、スキャッターファクターで、HGFの別名です。「the ligand for the c-Met recepter」、だから、c−Metがリセプターで、それに対するライガンドがHGFであるというような、そういう書き方をしています。
「INK4a」というのは、これはたしかp16の遺伝子のです。
【高久主査】
そうですね。「ectopically express HGF/SF」と書いてあるのでHGFを入れたわけですね。
【寺田委員】
そうです。だから、HGFでトランスジェニックマウスをまずつくって、それとp16INK4の遺伝子のダブルノックアウトですね、要するにp16(−/−)のホモとかけ合わせてできたマウスで、HGFが発現して、p16がノックアウトされたマウスという、非常に特殊なマウスです。HGFが血中で、たしかこのマウスの前の論文は、申請者も書いておられますけれども、97年ぐらいの論文に、HGFのトランスジェニックマウスで、ラブドミオサルコーマが、非常に低率だけれども、7%か5%ぐらいできるということが、論文になって出ているわけです。同じ研究室ですから、多分そのマウスとp16ノックアウトをかけ合わせたと思います。
【高久主査】
同じラボですね。PNAS(ProceedingsoftheNationalAcademyofSciencesoftheUnitedStatesofAmerica)の論文と。
【寺田委員】
そうです。それでかけ合わせて、大変極端な状態だろうと、私は考えております。
【高久主査】
このことについて、どなたかご意見おありでしょうか。
【北委員】
よろしゅうございますか。私、主査をやらせていただきました関係から、このHGFにつきまして、我々は幾つかのご質問を申請者に、また、大阪大学に対していたしまして、ワーキンググループでいろいろとディスカッションさせていただきましたが、1つの問題は、血中濃度が上がってくるというときに、果たして全身にどこか、がんを促進する可能性がないだろうかというのをかなり議論いたしました。臨床的には、慢性の腎不全の患者さんでは、血中のHGFの濃度がかなり高いということが報告されているそうなんですけれども、あるいはプロスタグランジン製剤によって高くなるということも明らかになっているそうなんですけれども、その方々で、特に問題はないという議論はございました。
それで、今回の大阪大学の場合には、局所に、幾つかに分けて、4カ所に分けて、HGFの遺伝子の入ったプラスミドをそこに注入するという問題でございますので、組織、局所の問題ということです。我々は、全身的なところはかなりディスカッションさせていただいて、その癌の可能性がある患者さんは除こうと。今、寺田先生のほうからご提示いただきましたこの点の1つの問題は、局所に打った場合の危険性がどうのこうのという感じの視点が1つあるんじゃないかということが、我々の今までの議論とは若干違うかなという点でございます。
それが1つと、それから、これはマウスとヒトですから、明らかに種が違いますけれども、ラブドミオサルコーマというのは、僕は臨床的な経験は全くございませんけれども、一応調べさせた限りにおきましては、子供さんに起こるまれな病気であるということで、ちょっと対象が違うのかなというところがあるんですけれども、私自身が血管の専門で、がんの専門ではございませんので、できますれば、がんの専門の先生方から、幾つかのサジェスチョンなりをいただければ、大変ありがたいと思うわけでございますが。
【高久主査】
がんのほうの御専門になると、寺田先生、吉田先生、小澤先生だと思いますが、寺田先生は今ご意見を言われたので、吉田先生、小澤先生、何かご意見はおありですか。
【小澤委員】
1つ教えていただいてよろしいですか。c−Metは筋肉でかなり発現はあるんでしょうか。
【寺田委員】
かなりかどうかはわかりませんが、発現はしているようでございます。
それから、このアブストラクトに関しましては、ちょっと言うのを忘れましたけれども、向こうのNCI方は、委員会限りでやってほしいということです。必要になったら、またいろいろなことができるかもしれないけど、とにかくこれはまだ、この状態で、勘弁してほしいとのことでした。全体のペーパーはちょっと勘弁してくれという話で、初めはもともと電話でそういう連絡がありまして、大変重要な情報だから、書いたものでくださいと言ったら、アブストラクトはお渡ししますから、これで判断してくれということでした。
NCIのご本人のHGFを遺伝子治療に関する意見は、別段もらっていません。ただ、こういう実験結果があったということです。今のMetに関しましては、いろいろなところで発現しています。これは北先生の作業委員会でも、十分それは考慮に入れて、それがゆえに非常に慎重になって、申請者の方には申しわけないほど時間がかかった理由の一つです。そこのところも考慮に入れてもいいだろうということになりましたが、たまたま新しい重要な情報が入りましたものですからということで、この会に出しました。
【高久主査】
ほかにどなたか。どうぞ。
【吉田委員】
毒性試験を多分やられていると思うんですけれども、動物実験で、局所に入れた場合には、そういう事実はなかったんでしょうか。
【北委員】
ラブドミオサルコーマですか。
【吉田委員】
ええ。
【北委員】
それは、そういう質問はしていなかったですね。一番問題になりましたのは、濃度を測定できるか、またHGFが発現するかどうかをどうやってチェックするのかというのがものすごく問題になったんです。それで、血中に出ないまでも、局所であるんじゃないかと。そのときには、一応今のところ、測定方法が、ヘパリンを入れてやることによって、組織に留まっているものが血中に出るので、それではかれるんじゃないかというのが委員から出まして、それは採用しようということになったのと、実際、人の患者さんで実行する場合に、バイオプシ、生検まで果たしてできるのかというのが問題で、それはサーモグラフィーとかそういうのでやりましょうというディスカッションが出たんですが、ラブドミオサルコーマのあれは、その点について特にご質問は、僕の範囲ではなかったと思います。
【高久主査】
動物実験をやっているわけですね。
【北委員】
動物実験はしています。
【高久主査】
動物実験では腫瘍は起きていない。たしかそうでしたね、ウサギ。
【北委員】
ウサギとラットまでの種なんですけれども。
【高久主査】
それでは起きていない。
ほかにどなたか。どうぞ、笹月委員。
【笹月委員】
私もワーキンググループの委員だったんですが、HGFがアクティベーテッドRas(ラス)と同じように、Src(サーク)の経路をアクティベートして、増殖のシグナルを入れるというのはよく知られているわけですから、当然がん化のワンステップを担うであろうということは予想されるので、それで今お話がありましたように、慎重にがん化の可能性がないかということを検討したわけですね。
このアブストラクトにもありますように、結局1つのシグナルが入っただけではもちろんがん化しないわけで、この場合にはp16がノックアウトされている、抑制因子がノックアウトされているという条件。それから、おそらくここにヒトの場合には、さらにp53のスタビライゼーション、それからRb(レチノブラストーマ)のパスウェイなど、やっぱり幾つかのファクターが一緒にならないとなかなかがんにならないということで、それを人工的につくってやれば、確かにがんができますよということだと思います。HGFに強い増殖シグナルを入れる作用があるというのは既にわかっていて、十分議論したことだということですので、とにかく予測されたことを、ほかのがんに関連する遺伝子と一緒にしてやれば、がんをつくることができましたということですね。
【高久主査】
HGFのトランスジェニック動物で、がんが出るということは、PNASでも報告されているわけですから、それに加えて抑制因子をのぞくとがんが増えるのは当たり前ですが、ラブドミオサルコーマである事が気になるというだけだと思います。
どうぞ、渋谷委員。
【渋谷委員】
今、笹月先生がお話しになったことと一部重複しますが、HGFはもともとリセプターのほうは形が変わった格好でがん遺伝子として見つかったり、あるいは、細胞増殖にかなり広範に働くということは既によくわかっております。それで前の委員会でも、その点はかなり議論されまして、血管内皮細胞にも増殖活性はあるんだけれども、ほかの作用もかなりあると。血管内皮以外のほかの細胞に対しての増殖活性もかなりあるということで、この留意点というところに「慎重に」ということがついたということですから、一般的な意味でHGFが、直接がん化を促進するのではないかということについては、既に留意点に入っていると思うのです。ただ、今回の新しい情報で、この論文のアブストラクトで気をつけたほうがいいと言っていることは、ラブドミオサルコーマが起こりやすいかもしれないんだと。要するに、筋肉注射が大丈夫かどうかもう一度考えたほうがいいのではないか。その点ではないかと思うんですね。
そこは確かに我々、今までの委員会で一般的にはいろいろ危険性を考えましたが、こういう特殊ながんについてはちょっと考えませんでしたので、そこをどの程度考慮するかということだと思います。1つはこの動物実験では、多分発生のある時期、あるいは生後すぐからこういうものが発現しているという条件、筋肉も増える条件でのことですから、がん化も起こりやすいであろうと考えることはできます。今度の遺伝子治療の場合には、患者さんはかなり高年齢といいますか、そういう方が多いので、そこのところから判断しますと、こういうがんの発生の頻度はまず低いだろうとは思うんですが、ただ筋肉内の注射という治療法ですので、そこのところをどれほど検討するか、ということであろうと思います。
【高久主査】
渋谷先生が一番がんに近いのに、先程お名前を挙げないで失礼しました。
それから、もう一つは、トランスジェニック動物ですと、マイオブラストのときから遺伝子が入っているわけですね。筋肉がどんどん増殖する時期から入っているのと、成人の、しかも高齢の方のマイオチューブルのときに遺伝子を入れるのと、大分話が違うと僕は思うのですが。どうでしょうか。ほかにどなたか。
【寺田委員】
みんなご存じだと思いますが、トランスジェニックの場合には、多分胎児の間からずっとHGFは発現していると思います。それから、もちろん若いときから、小さな胎児から生まれて筋肉がずっとできていく間、全部そういう刺激が働いていると思います。p16(−/−)もp16が逆に車のブレーキみたいなものですから、そのブレーキを全部壊した状態で生まれてきているというんですから、非常に人工的であるということは言うまでもありません。しかしこういう情報が入ったので、皆さんの前に出したということです。
【高久主査】
ほかにどなたか。どうぞ。
【垣生委員】
初めてこれを拝見したので、いろいろ前のディスカッションはわからないんですけれども、こういうペーパーが出るとなりますと、一応やっぱり筋肉はもう一度、そういう動物実験の組織なんかがあるんじゃないかと思うので、慎重に調べたほうがいいんじゃないかと思うことと、それから、今おっしゃったように、胎児のときから出ているのと随分違うとは思うんですけれども、どれぐらい長い間チェックをしたものかどうかというのがよくわからないのでございますが、何カ月というふうに調べられているんでしょうか。
【高久主査】
動物実験でどれぐらい見ているかということですね。
【北委員】
動物の寿命というのはかなり人間と違いますから。
【垣生委員】
はい、わかります。
【北委員】
ですから、これを特に見たという、あまり強いディスカッションはしていないですよね、実際には。
【学術調査官】
そうですね。血中濃度の測定のところでは、4週間まで経時的にプラスミドを筋肉内に入れたのを見たということなので、ただ筋肉まで見ておられるかどうかわかりませんけれども、4週間は、動物の観察はされたんじゃないかと。
【北委員】
一応3週間まで発現が見られたというのが報告にあるんですね。ですから、それまでは見ておるというのは僕も覚えているんです。 それで、先生のご質問の直接じゃないんですけれども、彼らはヒトの場合には、1カ月の観察をしよう、安全性ということで、僕らは2カ月してくれと。しかし、その後も可能性があるので、ずっとフォローしていただきたいと注文はつけたんです。そこまでの段階でございますけれども。
【高久主査】
おそらく阪大のほうでは、動物実験で、ここにあるような3.3カ月は見ていないですね。ラブドミオサルコーマとは考えもしなかったでしょうから。
【笹月委員】
ちょっと教えていただきたいのは、このもとになったHGFのトランスジェニックマウスというのがあるわけですね、一方では。HGFのトランスジェニックマウスそのものは何ともないわけですね。
【高久主査】
腫瘍は起きているわけですね、あちこち。
【寺田委員】
それは97年ですか。
【笹月委員】
前の報告です。
【寺田委員】
それは7%。ラブドミオサルコーマができます。だけどそれは、オスのほうに、手元にPNASのコピーを持っているんですが、何匹実験やったのかな、トータルマウスで42匹で3匹。そのほかにメラノーマ、オスだけで。メスは出ていないですね。
【小澤委員】
阪大の方法はnakedDNA法で、プラスミドDNAの筋注法ですから、発現レベルは極めて低いですし、発現期間も極めて短いわけです。一方、トランスジェニックマウスの場合は、先程のお話にもありましたように発生の段階からおそらく持続的に遺伝子発現がありますので、成人の筋肉にプラスドミDNAを注射する方法とは事情がかなり異なると思います。但し、最近は筋肉にも幹細胞に近い未分化な細胞が存在することが指摘されていますので、その点は若干気になりますが、いずれにせよHGFが持続的に作用するのでなければ、実際に悪性化を招くことは考えにくいように思います。トランスジェニックスマウスで観察された現象は、極めて特殊な状況下で発生したものと考えて良いのではないかと思います。
【高久主査】
そうですね。ほかにどなたか。
このアブストラクトを見ますと、非常に特殊な状態であるということを考えますと、ここで議論をされたことを少し加えて、先ほどの資料の中の、「実施にあたっての留意点」の中に、もう少しコメントをつけ加えて、オーケーということでどうでしょうか。もともとかなり予想はできたことですから。そういう可能性もあるので、特に注意をしてくれと。筋肉に注射した部位の血管の変化だけではなくて、筋肉そのものの変化についても、注意してくれと。そう言っても、なかなかチェックのしようがないと思うのですがそういう点を十分に留意をしながら実施をするという留意点をもう少し増やすということでいかがなものでしょうかね。
どうぞ。
【寺田委員】
1つは、子供対象としてこれはあり得ないと思います。それはないですよね。この病気では。
【北委員】
対象は、高齢者、成人以上ですね。
【寺田委員】
筋肉が発達しつつある子供になるとちょっと難しいなと思います。大人というのは念のため大体何歳ぐらいですか。
【北委員】
それは人によりますから。背景に糖尿病なんかがあれば、40代からあります。まあ、50代。
【寺田委員】
要するに、筋肉が、ディベロプする段階の人は対象じゃないですね。
【高久主査】
確かに寺田委員がおっしゃるように、子供にはやらないでくれと言ってもいいですね。筋肉がまだ成長する時期の子供にはやらないでくれと。大人はどうですか。
【寺田委員】
いや、よく知らないです。
【高久主査】
少しは。
【笹月委員】
それと、理論的には、例えばLi−fraumeni(リーフラウメニー)症候群みたいに、p53を、遺伝的に1本に変異があるというようなのは、ちょっとぐあいが悪いかもしれないと思います。
【高久主査】
ええ。それは、初めからがんの危険のある人とか、血管腫の人にやらないことは、たしか留意点の中に入っていなかったですかね。
【寺田委員】
だから、北先生が、留意事項の中に入れられたと思います。違いましたっけ。
【北委員】
それはがんの多発家系まで……。
【寺田委員】
やっていなかったですね。
【笹月委員】
何かそういうことを1つ入れておいたらいいんじゃないんですかね。
【寺田委員】
それはいい考えだと思います。
【笹月委員】
そんなことは非常にまれで、ないんですけれども。
【高久主査】
この留意点の中に、それは書いていなかった……。
【北委員】
留意点は、ものすごく具体的なことまでは書いていないんですね。
【高久主査】
こういうことがありましたので、糖尿病の網膜の血管障害はどうですかね。
【寺田委員】
糖尿病ですね。
【高久主査】
ですから、がんとか血管過形成のリスクファクター(危険因子)を持っている人にはやるな。もう一つ、子供にはするなという。
【笹月委員】
具体的には、例えば、p53とか、Rbを調べさせてもいいぐらいですよね。今、簡単に調べられますから。
【高久主査】
前もってね。ですから、リスクファクターと言えば、全部入るわけですね。
【笹月委員】
それをやっぱり書いておいたほうがいいんじゃないでしょうかね。それは非常に、頻度から言えばまれなことだから、現実的にはないだろうとは思いますけれども。
【高久主査】
肝硬変があるとか、家族にがんの人がいる人とか、p53のミューテーション(変異)とか、Rbとか、要するにリスクファクターの中に全部含めれば良いのではないでしょうか。それから、血管増殖性の疾患を持っている人には、これは当然ですけれども。HGFですから。そういう人と子供は対象にしないということを、留意点として入れれば良いのじゃないですかね。
【学術調査官】
今のお子さんの点ですけれども、一応こちらの実施計画申請書のほうは、対象のところに、原則として40歳以上80歳未満と書かれておられるようなんですけれども。
【高久主査】
原則を外して、40以上の人にしてくれと。上のほうはわかりませんが。ですから、それは留意点に書かなくてもそうなっていますから。がんと血管増殖のリスクファクターを持っている人は対象にしないということを、留意点として明記すればよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【事務局】
済みません、ここでちょっとよろしいでしょうか。今、寺田先生からご紹介のあった案件なのでございますが、まだアブストラクトであるということなのでございますけれども、そのあたりをどのように評価していいのかというのが、事務局としては非常に混乱するわけなのでございますが。
【寺田委員】
それは大変難しい問題です。ただ私は、この研究者のラボのことを信用はできるとは思いますが、これは客観的な話ではございませんし、パブリッシュされた論文ではありません。ですから、それはこれ以上のことはちょっと言えないですね、判断がですね。私は、このデータそのものは信用していますし、またパブリッシュされると思います。ですけど、客観的にはそれ以上のことは、パブリッシュされたデータを読まないと判断できるのかわかりません。
【高久主査】
パブリッシュする前に本文をもらうというのは難しいですね。コピーでも非常に難しいでしょうね。
【寺田委員】
大変難しいと思います。このアブストラクトの表現も、まだ変わるかもわからないと言っています。ですから、今ここで出したのは、私はその人が言っていることを信用するし、電話で話した内容からも信用できる話だしということ以外、委員の先生方は、私が言うことをそのように信じてもらうよりしようがないようなものだと思っております。
【高久主査】
パブリケーションがされるのはいつになるかという事は、全くわらないですね。されるかされないかもわからない?
【寺田委員】
いや、されることはされると思います。予定しているところでパブリッシュされるかどうかはわからないですが。
【高久主査】
だから、あちこち回っていると、数カ月はかかりますね。
【寺田委員】
それはいろいろな場合があると思いますし、アクセプトになってから遅いジャーナルもございますからわかりません。アクセプトにするのが随分遅いところもあります。
【高久主査】
ということなんですけど、事務局、どうですか。
【事務局】
ちょっといろいろな議論が錯綜しておりまして、大変混乱するわけなんですけれども、ご紹介いただきました文献が、ある意味、委員の先生方の中には、慎重論を唱えられる方もおられる。それで、片方では、これまでの議論の延長線ではないだろうか。なおかつ「実施にあたっての留意点」の中で読める読めないという部分の検討が幾つかなされたということでございまして、大変苦慮するわけなんですけれども、厚生労働省との相談にもよるのでございますが、この点の取り扱いなり、情報の取り扱い、やはり専門家に意見を、ガンの専門家はここにも何人もおられると思うんですけれども、ご意見を聞くなどいたしまして、それから、これまでの判断がここにございますが、それに影響があるものか否かということを確認していただくと。
この場では、あくまでその点の確認さえ済まされれば了承できるという判断でいくかなと、事務局のほうとしては思うわけでございますが、この点、いかがかと。
【高久主査】
事務局のほうで、もう少し検討したいということですので、もうちょっと待ちますか。どうしますか。この震源は寺田先生だけど……。
【寺田委員】
そう言われると困ります。向こうは好意で新しい情報をくれ、その情報が重要と考え、こういう情報を皆さんに提供しています。しかし情報が十分でなく自分での判断はつかないのです。私自身はいいと思うんですが、やはりこれは人の命にかかわる重要な新しい情報ですし、万が一ということがあるので、皆さんにディスカッションしてもらおうと思って出しました。
【課長】
ちょっと伺いたいんですけれども、今やっていただいているご議論というのは、今お出しいただいたこのドラフトの2枚のペーパーしか、よりどころが我々になくて、そこが少しどうしようかなと迷うところなんですけれども、もしもこれがパブリッシュされているデータであれば、そこはそういうことで使わせていただけるわけですけれども、何となく仮定のプロセスの段階の一つの文章であり、なおかつそれをもって判断が左右されるということになると、少し取り扱いを含めて、お時間をいただいたらありがたいなという感じはするんですね。
これがもう間もなくパブリッシュされるのか、それともものすごく時間がかかるのかということもいろいろあるのかもしれませんけれども、これしかなくて、これがまだパブリッシュする前のデータであるということだけの性格では、少し我々としては気がかりな点になってしまうのかなと思うんですね。
【北委員】
僕もちょっとこの問題をやらせていただいて感じるのは、科学的な面からやらせていただくというのは、僕、最初にワーキンググループで発言させていただいて、それが唯一のよりどころでずっと来ていますものですから、アンパブリッシュのデータが科学的なよりどころということになってしまいますと、それがある人に対してそういうことがあったということが、アンパブリッシュだけれども、臨床例があるということになっているのと、動物実験では若干違うかなというところが、今、議論を聞かせていただいて、自分自身としても、どこまでフェアなのかなというのが、正直な自分の気持ちなんですね。
ですから、ここに携わっていらした先生方以外で、がんの専門の先生方のご意見をお聞きするというのはアンフェアじゃないという気がするんですけれども、そこをちょっと慎重にしないと、申請者の方に対しても、僕の立場がずっとそういう立場できましたから、そこをどういうふうにしたらいいのかなというのをご助言いただけたら、大変ありがたいと。
【高久主査】
僕もよく覚えていません。厚生労働省のほうはどうなったんでしたか。
【寺田委員】
これはちょうど、先ほど申し上げましたように、19日に……。
【高久主査】
ゴーサインを出したんですね。
【寺田委員】
ゴーサインは、厚生科学審議会の下の科学技術部会で了承となったんです。だから、その2日後にそういう情報があったわけですね。事務上の手続上の問題もありますけど、それは別の問題といたしまして、ほんとうにこれが危ないことなのかどうかという判断のほうが、私はやっぱり大事だと思います。
【高久主査】
まあ、1つの方法は、北先生に、ご苦労でも、もう一回ワーキンググループを開いていただいて、検討していただくという手もあると思いますが、北先生が大変でなければ。その間に、もう少しこの点について、寺田先生にご尽力いただいて、情報を集める。北先生の委員会の報告を受けて、もう一回この会を開くか、それとも主査の私のほうに任せていただくか。開くのは大変でしょうが、もう一回ワーキンググループを開いていただいて、その結果を受けて、厚生労働省のほうは寺田先生が直接のご責任に当たりますので、私と寺田先生との間で、最終的な結論を出させていただく。それでよければ、事務局は、それのほうが安心のようですので、そうさせていただきますか。
【課長】
何となく煮え切らないようなことで恐縮なんですが、私たちとしては、こういうペーパーがあることをきちんと考えて判断をしなくちゃいけない。これがあるところとないところと、随分とやっぱり、いろいろなことを考えなくちゃいけないことが多くなっていることは確かなので、こういうペーパーが、多分もう間もなくパブリッシュされるというようなことを、我々は既に今の段階で知っているわけですから、それをきちんと考えた上で、今回の問題に対応したいなと思います。
ただ、そうは言っても、ほんとうにこれしかないものですから、これをばさっとやることがほんとうにいいのかどうかという問題もあって、今、主査に言っていただいたように、必ずしも形として、ワーキンググループという形であるのかどうかということも少し考えさせていただきたい、ご相談申し上げたいと思いますけれども、もう少しご相談をできる時間をいただきたいなと思います。
【寺田委員】
論文がでない限りはいろいろな識者の方とディスカッションしても、なかなか結論、多分難しいと思います。それで論文がでるまでの間にもし可能であればそういうことまで要求されるのかどうかわかりませんけれども、今までの申請で、HGFのDNAを筋肉に打って、少なくとも組織に大丈夫だったかという確認がほしいと思います。それだけは、もしデータとしてあるなら、いただけたらほんとうはいいかなと思います。
【高久主査】
そう思うのですね。
【寺田委員】
そのぐらいしか、待つ以外はちょっとないなと思います。
【高久主査】
垣生委員がおっしゃった点が重要ですから、北先生のほうで、大阪大学のほうに、動物実験の筋肉の変化についてチェックをしているかどうかということを確認していただく。それで必要に応じて、ワーキンググループの中の専門の方とご相談していただいて、その結果を私のほうにお知らせいただければ、私のほうで、また寺田委員ともご相談をして、できれば結論を出したいと思います。
せっかくお集まり願ったので、結論をと思ったのですが、重要な問題でありますから、そういうふうに今日の所はさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
じゃ、そのような形で、きょうの委員会をまとめさせていただきたいと思います。
【笹月委員】
ちょっと質問、よろしいですか。HGFを、アメリカでは人に遺伝子治療として使ったという例はないんですか、まだ。
【寺田委員】
私が知っている限りではないと了解しておりますけれども。
【笹月委員】
これは全くのオリジナル?
【高久主査】
ええ、これは動物実験では、たしか兵庫医大の方が、ヘパティックのファイブローシスにHGFを使ってよくなると報告されたのは、動物実験です。臨床実験ではないと理解していました。
【寺田委員】
向こうでは、ここに書いてありますが、VEGFでやっているんですね。それが日本ではオリジナルを行いたいということです。HGFはご存じのように、阪大の中村さんがクローニングされたから、それを使って日本独自のものをやろうということで、方向としては大変いいと思います。このNCIの情報をもうちょっと早くニュースが入ってきたら、こういう手続上の問題があまりなかったことですし、何か中途半端な情報を形の上では出していまして、大変申しわけないと思います。しかし、これはやっぱりしようがないし、重要なことと思うのでお許し願いたいと思います。
【高久主査】
しかし、先生のところに入ってきた情報を無視するわけにいきませんから。
【笹月委員】
それと、この留意点にも書いてありますように、「HGFは、広範な細胞群に多様な機能を発揮しうる点」ということです。ところが、一方、この申請書の研究の目的のところには、「血管新生因子であるHGF遺伝子」と、こう断定的に書いているので、ここは例えば、「血管新生作用を有する」ぐらいにしておいたほうがフェアじゃないかと思いますけどね。
【高久主査】
全くそうですね。ほんとうは作業部会で、私もいたのですけれど……。
【笹月委員】
この両方を2つ並べてみると、何かやっぱりそこは修正したほうがいいんじゃないかなという気がします。
【鳥井委員】
ちょっと教えていただきたいんですが、アメリカでHGFをやっていない理由というのは、何かあるんですか。思いつかなかったというような話じゃなさそうな……。
【高久主査】
VEGFの方が血管に対する特異性が高いのですが。VGEFはパテント料が非常に高いものですから、やりにくい。それで阪大がHGFに踏み切ったという経緯があります。
【鳥井委員】
そうすると、アメリカでやらなかった理由は、特異性が少ないということですか。
【高久主査】
HGFは、日本の中村先生が持っておられる筈です。HGFは日本国産のものですから、イスナー教授のプライドが許さなかったのかもしれない。そこのところはよくわかりません。
【寺田委員】
念のために、ここの計画書には、9のインフォームド・コンセントのところに、北先生なんかが何回も言いましたものですから、がんを促進させるということはちゃんと書いてあるんですね。
【高久主査】
書いています。
【寺田委員】
それでもいいですかと。私が理解しているのは、足を切るような大変な症状の方でしょう。
【高久主査】
そうです。
【寺田委員】
だから、ほかに方法がない。あっても同じように新しい方法であるというところも、やっぱりディスカッションの中では考えておかないといけないことだと思います。
【高久主査】
やっておられる方は、それを非常に主張されていましたね。ほかになかなかいい方法がないということ。
それじゃ、そういうことで。
【事務局】
確認させていただきますが、北先生のワーキンググループなり、専門家のご検討、最終的な確認を終えたところで、高久主査がその結果を確認されまして、それで今までの結論の範疇であるといいましょうか、方針の範囲内であるということでございましたら、これはこの専門委員会としては認められるといいましょうか、取りまとめの方針は認められるという考え方でよろしゅうございますか。
【高久主査】
もしオーケーという場合には、北委員と私のほうで、留意事項については、もう少しつけ加えるとか、そういうことをさせていただきたいと思います。オーケーの場合はですね。
【事務局】
そのあたりの記述というのも、一任したらどうでしょうか。
【高久主査】
はい。そうしていただければと思います。きょうこれだけ議論したわけですから。
【事務局】
はい、わかりました。
【高久主査】
あとはよろしいですか。
それでは、そういうことで、きょうの専門委員会を終わらせていただきます。
【寺田委員】
申しわけございません。このアブストラクト、一応委員会の席だけにしてくださいということでございますので、回収させていただいて、それから、申請者には教えても構わないといわれています。申請者は当然それを見る必要がありますから、了承をとってあります。そこまでの話なので、申しわけございませんが、中途半端な処理になりますけれども、それをお許しください。
【事務局】
最後でございますが、ちょっと傍聴者の方もおられますので、先ほどの非公開審議の中で若干ございましたところを紹介させていただきますと、資料2−1の運営についての案につきましては、会議の公開について、会議及び会議資料の公開について、(2)の部分に、個別利害に直結する事項に関しては、鳥井委員のご発言に従いまして、プライバシーという言葉をしっかり明記しておいたほうがいいということで対応したいと思います。
それと、次回以降の開催につきましては、また別途ご案内差し上げたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
【高久主査】
それでは、この会はこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
──了──
(研究振興局ライフサイエンス課)