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14科・学審第20号
平成14年6月14日

    文部科学大臣
      遠  山    敦  子    殿

科学技術・学術審議会会長
阿  部    博  之

文部科学省における研究及び開発に関する評価指針について(建議)


  本審議会では、平成13年11月に内閣総理大臣決定された「国の研究開発評価に関する大綱的指針」を踏まえ、文部科学省における研究及び開発(以下、研究開発という。)に関する評価の在り方について、その基本的な考え方を示した指針の策定に向けて検討を行ってまいりました。その結果を別添のとおり取りまとめましたので、ここに建議します。

  本指針の建議に当たり、文部科学省における研究開発の評価に際して特に重視すべき点として、本審議会の検討において指摘された事項について申し述べます。
  文部科学省は、科学技術と学術を総合的に振興することを任務としており、研究者の自由な発想と研究意欲を源泉とする学術研究から、特定の政策目的を実現する大規模プロジェクトまで広範な研究開発を推進する役割を担っています。文部科学省における研究開発の評価に当たっては、まず、研究開発の主体である研究者を励まし、優れた研究開発を積極的に見出し、伸ばし、育てるという姿勢で臨むことが大切であると考えます。その上で、研究開発の性格、内容、規模等各々の特性に応じた適切な評価を行うことが重要です。
  また、評価を意味あるものとするためには、評価結果を適切に活用する必要があります。このため、研究開発を企画立案し、実施し、評価するとともに、その評価結果を次の企画立案等に適切に反映させていく、いわゆる「マネジメント・サイクル」を確立することが重要です。加えて、個々の研究開発課題や研究者等の業績の評価から、研究開発を行う機関等や研究開発制度の評価、さらには研究開発戦略の評価といった評価の階層構造があることを考慮し、それぞれの評価の目的や位置付けを明確にするとともに、有機的に連携させ、効率的な評価を実施することも重要です。
  なお、次代を担う人材の養成という大切な役割を有する大学及び大学共同利用機関においては、研究面での評価のみが重視されることによって、教育面での機能の低下をもたらすことのないよう配慮する必要があります。

  本審議会としては、本指針を踏まえて、文部科学省の所掌に係る研究開発について評価が適切に行われ、我が国の科学技術及び学術の一層の振興が図られることを期待します。




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