2001年8月9日
科学技術・学術審議会
科学技術創造立国実現のためには、1.国家的・社会的課題に対応した研究開発及び基礎研究をバランスよく推進、2.世界最高水準の優れた研究成果を生み出し活用しうる研究開発環境を構築することが重要。
○ 個々の研究者の自由な発想と旺盛な好奇心に基づき行われる基礎研究は、未知の分野を切り拓き、未来社会の在り方を変えるブレークスルーをもたらすものとして重要。
○ 特定の分野・課題の研究開発を重点的に推進することと同時に、次の世代に向けての技術革新の芽を育てるという中・長期的な視点に立った幅広い取り組みが不可欠。
○ 今後の研究投資においては、国家的・社会的課題に対応した研究開発への重点的投資と並んで、研究者の自由な発想に基づく幅広い分野の基礎研究に対しても十分な投資が必要。
国家的・社会的課題に対応した研究開発分野において当面実施すべき重要事項は以下のとおり。
中・長期的な観点に立って国家的・社会的課題の解決に向けて取り組むためには、一定の目的意識を持った学術研究の推進についても重視すべきであり、これに対して十分な投資が行われることが重要。
○ 科学技術・学術の継続的な発展のためには、ボトムアップ型の研究の支援が重要であり、科学研究費補助金の倍増が必要。
○ 政策的・戦略的な基礎研究を推進する戦略的基礎研究推進事業は、目標の明確化、研究領域の重点化を図りつつ、競争的資金の倍増の方針に沿って拡充。
○ 科学技術振興調整費は、総合科学技術会議の示す方針等を踏まえつつ、効率的・機動的に活用していくことが重要。
世界水準の教育研究成果の確保を図るため、科学技術基本計画を受けて策定された「国立大学等施設緊急整備5か年計画」に基づき、重点的・計画的整備を着実に実施。
若手研究者への支援制度や表彰の充実、若手研究者に対する競争的資金の拡充が必要。また、技術者の生涯にわたる一貫した能力開発システムの構築が重要。
研究用材料、計量標準、計測・分析・評価技術、データベースなどの知的基盤は、研究者の研究開発活動、経済社会活動を安定的・効果的に支えるものとして重要。
経済・社会ニーズに対応した研究開発の推進、研究成果の効果的な社会還元の推進、大学等発ベンチャーの促進などの施策について、早急に取り組むことが必要。
共同研究を含む研究開発活動等を推進し、知的クラスターの形成を図ることが必要。
初等中等教育における科学技術・理科教育の充実及び教育現場と大学や研究機関等との連携の推進、各種メディアの活用、科学館・博物館の支援などが重要。
外国人研究者等の受け入れ体制・環境の整備による、国内研究環境の国際化、国際的な情報発信力の強化、主体的な国際協力活動の展開などが重要。
科学技術・学術政策局政策課