科学技術・学術審議会への諮問について

2001年4月10日
文部科学省 

平成13年4月10日
科学技術・学術政策局政策課

 平成13年4月13日(金曜日)に開催予定の、科学技術・学術審議会総会において文部科学大臣から科学技術・学術審議会に対し、以下の事項を諮問する予定。

1.長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について

  1. 政府では、海洋開発審議会第3号答申「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」(平成2年5月9日)に沿って海洋開発の各種施策を推進。
  2. 第3号答申の後11年が経過し、「海洋を利用する」ことに加えて、「海洋を知る」「海洋を守る」ことも考慮した海洋開発の推進が求められるなど、内外の情勢を考慮した長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想を明確にし、その推進方策を確立することが必要。
  3. 海洋開発分科会において審議を行い、1年程度を目途に結論を得る。

【担当:研究開発局海洋地球課長   大塚  洋一郎(内線:5640)】

2.技術士試験における技術部門の見直しについて

  1. 技術士試験の技術部門について、社会的な需要や科学技術の進展状況を踏まえるとともに、技術士制度の活用の観点も加え、見直しを行うことが必要。
  2. 技術士分科会において審議を行い、1年半程度を目途に結論を得る。

【担当:科学技術・学術政策局基盤政策課長   土屋  定之(内線:5050)】

3.知的基盤整備計画について

  1. 先端的、独創的な基礎研究等の研究開発を推進するには、実験、計測、分析、評価等の研究開発の基本となる活動を安定的かつ効果的に支える知的基盤の体系的な整備が大きな課題。
  2. 第2期科学技術基本計画(平成13年3月30日閣議決定)においては知的基盤について「2010年を目途に世界最高水準を目指すべく」、早急に整備を促進することとされたところ。これを受け、我が国の2010年までの知的基盤整備のための具体的な方策を明らかにする知的基盤整備計画について検討を行うことが必要。
  3. 技術・研究基盤部会において審議を行い、本年夏までに一応の結論を得る。

【担当:研究振興局研究環境・産業連携課長   中西  章(内線:5340)】

長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について

平13文科開第31号
平成13年4月13日

科学技術・学術審議会会長
 阿部 博之 殿

文部科学大臣
 町村 信孝

 文部科学省設置法(平成11年法律第96号)第7条第1項第3号の規定に基づき次の事項について諮問します。

(理由)

 海洋は、生物資源、鉱物資源、エネルギー、空間利用など多種多様な資源を豊富に包含しており、海洋開発が21世紀の我が国の発展に重要な役割を果たすものと期待されている。
 政府としては、海洋の総合的な推進方策である、海洋開発審議会第3号答申「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」(平成2年5月9日)及び地球環境問題に対応した調査研究の推進方策である、海洋開発審議会第4号答申「我が国の海洋調査研究の推進方策について」(平成5年12月8日)に沿って海洋開発の各種施策を講じてきたところである。しかしながら、第3号答申の後11年が経過し、この間、地球規模での環境問題に対する社会的な関心が高まるなど、社会情勢に大きな変化が生じており、環境、食料、防災、資源・エネルギー等の各分野における課題に適切に対応する必要性が増している。このため、これまで「海洋を利用する」ことに重点がおかれていた海洋開発から、「海洋を知る」「海洋を守る」こともバランスよく考慮した海洋の開発を適切に推進していくことが求められている。
 以上の理由から、内外の情勢を考慮し、かつ、その要請を的確にとらえて、長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想を明確にし、その推進方策を確立する必要がある。

技術士試験における技術部門の見直しについて

13文科科第30号
平成13年4月13日

科学技術・学術審議会会長
 阿部 博之 殿

文部科学大臣
 町村 信孝

 文部科学省設置法(平成11年法律第96号)第7条第1項第1号イの規定に基づき、次の事項について諮問します。

(理由)

 平成13年度からの科学技術基本計画において、我が国の技術革新を担う高い専門能力を有する技術者は、国際競争力強化を図る上で、重要な役割を果たしており、技術の急速な進歩と経済活動のグローバリゼーションが進む中で、我が国の技術基盤を支え、国境を越えて活躍できる質の高い技術者を十分な数とするよう養成・確保していく必要があるとの指摘がなされている。
 技術士制度は、高い職業倫理を備え、十分な知識、経験を有し、責任をもって業務を遂行できる技術者としての能力を保証する資格であり、また、優秀な技術者の育成上の重要な機能を有するものである。そのため、技術士制度を技術の変化に柔軟に対応し、より広範囲な技術者のために活用できる国際的に整合性のとれた制度に改善することが重要である。
 このため、技術士制度については、国際整合性の確保、試験制度の改善等の措置を講じ、平成13年度より新制度の運用を開始するところであるが、技術部門の見直しについては、本年度より総合技術監理部門を新設したものの、既存の技術部門の見直しの検討は実施していない。従って、既存の技術部門について、社会的な需要や科学技術の進展状況を踏まえるとともに、技術士制度の活用の観点も加え、技術部門の見直しを行うことが必要である。
 なお、旧技術士審議会においても、昭和57年の報告書において、概ね5年ごとに技術部門等の見直しを行うことが必要とされており、平成6年の技術部門の見直し以来7年を経ていることから、速やかに検討に着手する必要がある。

知的基盤整備計画について

13文科振第33号
平成13年4月13日

科学技術・学術審議会会長
 阿部 博之 殿

文部科学大臣
 町村 信孝

 文部科学省設置法(平成11年法律第96号)第7条第1項第1号イの規定に基づき、次の事項について諮問します。

(理由)

 我が国における先端的・独創的・基礎的な研究開発を積極的に推進するとともに、研究開発成果の経済社会での活用を円滑にするためには、研究者の研究開発活動、さらには広く経済社会活動を安定的かつ効果的に支える知的基盤(研究用材料(生物遺伝資源等)、計量標準、計測・分析・試験評価方法及びそれらに係る先端的ツール、並びにこれらに関連するデータベース)の戦略的・体系的な整備が重要である。
 しかしながら、我が国の知的基盤整備は欧米と比較して大きく遅れているのが現状である。
 そのため、去る平成13年3月30日に閣議決定された科学技術基本計画では、知的基盤については、2010年を目途に世界最高の水準を目指すべく、早急に整備を促進することとされた。
 これを受け、我が国の2010年までの知的基盤整備のための具体的な方策を明らかにする知的基盤整備計画について検討を行う必要がある。

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