1.若手、女性、外国人の積極的登用

(1)若手研究者等の活躍の場の創出と独立促進

  1. 大学等の研究の原動力である「優れた若手研究者」を、世界標準モデルに則り、できるだけ早く、独立したLeaderとして登用するため、平成17年の学校教育法改正(平成19年施行)※1趣旨の徹底
  2. 学術研究を行う際に現在主流である職階管理型(ヒエラルキー)研究体制から、自律的な分野連携・融合型(ネットワーク)研究体制への転換を 促進するための支援の推進※2
  3. 上記1.及び2.を推進する際、事務組織を含めた研究機関全体で適切な支援を行うことが不可欠
  4. 優れた若手、女性、外国人が、労働力として使われるのではなく、研究を自ら主導する、“LaborからLeaderへ”施策を推進するためのファンディング等の推進

A.各分科会等における具体的取組及び検討状況

(学術分科会 研究費部会)

  • 科学研究費助成事業において、平成26年度公募から、日本学術振興会の特別研究員(PD)の「特別研究員奨励費」以外の科研費への応募・受給を可能とした。
  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、優秀な研究者が所属大学や年齢、性別などにかかわりなく継続的に学術研究を推進できるよう、今後具体的な科研費改革方策を検討。

(人材委員会)

  • 平成27年1月27日に「第7期人材委員会提言」がとりまとめられた。同報告書において、長期的かつ広い視点での社会の変化を念頭に置いた人材の育成・養成の重要性とともに、社会の急速的な変化に対応するためにも、セクター間の移動を容易にする環境と教育システムの構築が必要である旨提言。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】 1,027,211千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。

 【テニュアトラック普及・定着事業】 3,419,277千円

  • テニュアトラック制(公正に選抜された若手研究者が、安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者として経験を積む仕組み)を実施する大学等を支援。

 【女性研究者研究活動支援事業】 983,915千円

  • 女性研究者の研究力の向上を図る取組を大学等が連携して実施する「連携型」を新設。

 【特別研究員事業】 17,183,078千円

  • 特別研究員(PD、SPD、RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。 

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】【拡充】 1,326,963千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。

 【テニュアトラック普及・定着事業】 2,084,205千円

  • 全学的な大学改革等の動きと連動し、人事システム改革の一環として、テニュアトラック制を導入する大学等を支援。

 【ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ】【改組・拡充】 1,087,722千円

  • 研究と出産・育児・介護等との両立や女性研究者の研究力の向上を一体的に推進するなど、研究環境のダイバーシティ実現に関する目標・計画を掲げ、優れた取組を実施する大学・研究機関を選定し、重点支援。

 【特別研究員事業】 16,769,918千円

  • 特別研究員(PD、SPD、RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、優秀な研究者による自らのアイディアと構想に基づいた卓越した研究の継続への支援を行うため、女性研究者を対象とした調整枠の新設、育児休業中の基礎的研究費の支給などを実施予定。 
  1. 新たに着任した優秀な研究者が独立した研究を円滑に開始するための資金等の援助や、研究資金申請を行う際の英語対応を含む負担軽減の方策の実施

A.各分科会等における具体的取組及び検討状況

(学術分科会 研究費部会)

  • 科学研究費助成事業において、応募手続上必要なウェブ入力関連部分についての英訳併記の便宜を一層図るとともに、研究実績報告書等の英語記入を認めた。
  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、優秀な研究者が所属大学や年齢、性別などにかかわりなく継続的に学術研究を推進できるよう、海外大学所属研究者の帰国前予約採択など、今後具体的な科研費改革方策を検討。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

4.5.関係
(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】 227,616,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、日本学術振興会特別研究員(PD)の受入環境を整備するため、特別研究員(PD)に交付する「特別研究員奨励費」に間接経費を措置。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(学術分科会 研究費部会)
 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、国際社会における我が国の学術研究の存在感を向上させるための国際共同研究や海外ネットワーク形成を促進するための取組を実施予定。
  1. 異分野の若手研究者が集い、連携・融合による研究を主体的に推進することを促進するための支援の推進

A.各分科会等における具体的取組及び検討状況

(研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会)

  • ビッグデータを利活用する学問分野と情報科学技術・統計数理科学分野の両分野に関する知識を持ち、融合領域で能力を発揮できる人材(データサイエンティスト等)の育成手法を確立し、人材育成ネットワークを形成する事業の推進について検討し、今後、適切なタイミングでフォローアップを実施予定。

(学術分科会 研究費部会)

  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、多様で水準の高い学術研究と分野・細目にとらわれない創造的な研究の促進とが両立するような科研費の基本的な構造の見直しなど、具体的な科研費改革方策を検討。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究振興局 参事官(情報担当))
 【未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発】 548,520千円の内数

  • 「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」において、情報・統計分野の幅広い知識を身につけ、ビッグデータを有する様々な分野の現場で学んだ中核的なビッグデータ利活用人材の育成手法を確立するとともに、人材育成ネットワークの形成を推進。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、細目にこだわらない分野融合的研究を引き出す新しい審査方式の先導的な試行として「特設分野研究」の充実を図る予定。

(研究振興局 参事官(情報担当))
 【未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発】 548,520千円の内数

  • 「未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発」において、情報・統計分野の幅広い知識を身につけ、ビッグデータを有する様々な分野の現場で学んだ中核的なビッグデータ利活用人材の育成手法を確立するとともに、人材育成ネットワークの形成を推進。
  1. 若手研究者の中長期の海外派遣を支援するため、海外での研究者ネットワーク化や帰国後の就職等環境整備の推進

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【海外特別研究員事業】 2,077,535千円

  • 「海外での研究者ネットワーク化の推進」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供。

 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】 2,029,973千円

  • 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成できるよう事業を見直し、海外のトップクラスの研究機関と研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。また、「海外での研究者ネットワーク化の推進」にも資する。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【国際科学技術共同研究推進事業 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)】 1,451,000千円

  • 「戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)」において、欧米等先進諸国や成長するアジア諸国との間で、省庁間合意に基づきイコールパートナーシップ(対等な協力関係)の下、戦略的に重要なものとして国が設定した相手国・地域及び研究分野において、相手国のポテンシャル・分野と協力フェーズに応じた多様な国際共同研究を推進。平成27年度からは「戦略的国際協力研究イノベーション共同ラボタイプ」を創設し、インド・ASEANといった新興国と我が国の「顔の見える」持続的な国際協力を進める。

 【海外特別研究員事業】 2,060,064千円

  • 「海外での研究者ネットワーク化の推進」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供する。

 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】 1,895,511千円

  • 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成するため、海外のトップクラスの研究機関と若手研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,289,000千円

・科学研究費助成事業においては、国際社会における我が国の学術研究の存在感を向上させるための国際共同研究や海外ネットワーク形成を促進するための取組を実施予定。

 ※1:教育研究の活性化及び国際的な通用性の観点から、助教授・助手に関する制度の見直しを行い、助教授を廃止し、「准教授」を設け、助手のうち主として教育研究を行う者のために「助教」の職を設けた
 ※2:目標達成型の戦略研究やイノベーション創出研究等には、その迅速かつ効果的な推進のための組織体制の構築が必要

(2)国際的頭脳循環への対応

  1. 国内外の優秀な研究者の確保、育成(年俸制導入促進など年功序列的な給与体系の見直し等によるグローバル化対応)

A.各分科会等における具体的取組及び検討状況

(学術分科会 研究環境基盤部会)

  • 国内外の多数の研究者が参画する「大規模学術フロンティア促進事業」により推進する新たなプロジェクト等について事前評価等を実施。
  • 日本学術会議の「マスタープラン」を踏まえ、学術研究の大型プロジェクトの推進にあたっての優先度を明らかにする観点から研究計画の評価を実施し、その結果を整理した「ロードマップ2014」を策定。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究振興局 学術機関課)
 【大規模学術フロンティア促進事業】 ※ 国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 「大規模学術フロンティア促進事業」において、新規事業として「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」を計上するなど、国内外の多数の研究者が参画する学術の大規模プロジェクトを着実に推進。

(高等教育局国立大学法人支援課)
 【年俸制導入促進費】 ※ 国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 適切な業績評価に基づいた給与体系の構築を促進するため、国立大学法人運営費交付金において、「年俸制導入促進費」を新たに措置(予算積算上、2,000人分)。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(研究振興局 学術機関課)
 【大規模学術フロンティア促進事業】 ※ 国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 「大規模学術フロンティア促進事業」において、新規事業として「新しいステージに向けた学術情報ネットワーク(SINET)整備」を計上するなど、国内外の多数の研究者が参画する学術研究の大型プロジェクトを引き続き着実に推進。

(高等教育局国立大学法人支援課)
 【年俸制導入促進費】【拡充】※国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 前年度継続分を含め6,000人分を要求。
  1. 先進国のみならず新興国との頭脳循環も想定した戦略的な国際研究機関・大学間ネットワークの構築

A.各分科会等における具体的取組及び検討状況

(国際戦略委員会)

  • 国際戦略委員会において、激動する世界情勢における科学技術イノベーションの国際戦略に焦点を当て、1)国際的な研究協力、共同研究の在り方、2)国際研究ネットワークの強化、人材育成・確保、3)国際協力による大規模な研究開発活動の推進、4)産学官が一体となった科学技術外交、および5)国別の特性を踏まえた国際戦略の基本的考え方等、第5期科学技術基本計画等に重点的に盛り込むべき事項を中心に取りまとめた。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

 (科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)

 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】(再掲) 2,029,973千円

  • 「戦略的な国際研究機関・大学間ネットワークの構築」について、「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成できるよう事業を見直し、海外のトップクラスの研究機関と研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。また、「海外での研究者ネットワーク化の推進」にも資する。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】(再掲) 1,895,511千円

  • 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成するため、海外のトップクラスの研究機関と若手研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。

 【国際科学技術共同研究推進事業 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)】 1,451,000千円

  • 「戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)」において、欧米等先進諸国や成長するアジア諸国との間で、省庁間合意に基づきイコールパートナーシップ(対等な協力関係)の下、戦略的に重要なものとして国が設定した相手国・地域及び研究分野において、相手国のポテンシャル・分野と協力フェーズに応じた多様な国際共同研究を推進。平成27年度からは「戦略的国際協力研究イノベーション共同ラボタイプ」を創設し、インド・ASEANといった新興国と我が国の「顔の見える」持続的な国際協力を進める。

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

学術政策第1係
電話番号:03‐5253‐4111(内線3848)
ファクシミリ番号:03‐6734‐4008
メールアドレス:shingist@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成27年06月 --