3 課題解決のための分野間連携・融合や学際研究

 東日本大震災により、特に地震研究において、社会学、考古学、歴史学等の人文・社会科学も含めた幅広い分野の知見を統合した研究が不足していたことが顕在化した。また、我が国では、伝統的な学問分野の体系に即した研究が多く行われており、学際領域の研究に臨機応変に取り組むといった仕組みが不十分であると考えられる。高度化、複雑化する課題の発見、同定、解決のためには、分野間連携・融合や学際研究が必要であり、こうした取組を促進することにより、我が国に課題解決のためのシステムを定着させる必要がある。一方、科学技術政策研究所の調査によると、社会の課題解決のために分野間連携・融合や学際研究が「なされている」と考える専門家は、自然科学内については5割、自然科学と人文・社会科学間については2割強にとどまっている。こうした現状を踏まえ、課題解決のための分野間連携・融合や学際研究を促進し、課題解決のためのシステムを定着させるための取組として、特に以下の2点が重要である。

1.課題解決のための政策誘導の必要性

  1. 課題解決のためには、課題の構成要素を明確にし、政策的に示さねばならない。一方、研究者等は、現存する個別の知識、技術を結集した上で解決に向かうが、その際、個人で達成できることは限定的であり、他者との連携による不足部分の充足など、目的達成のためのマネジメントが必要である。
  2. 1で述べたとおり、研究の目的や体制は多様であり、それぞれについて最も適切なマネジメントがなされるべきである。その重要な要素の一つが評価であり、研究者個人のみならず、研究グループや研究プロジェクトの長、研究機関の長もその対象に含まれることは当然である。
  3. 我が国の財政状況が厳しい中、投入予算に対し最大の成果を上げることが重要であり、課題解決につなげるための包括的な政策誘導が必要である。

【新たな評価システムの構築】

  1. 一般的に課題解決には多様な研究者等の参画が必要であるが、価値観がしばしば異なるため、研究プログラムの執行担当者、研究グループや研究プロジェクトの長が研究者に適切なインセンティブを与える必要がある。特に論文主義に偏する研究者コミュニティの意識改革を促す必要がある。このため、政府や大学、公的研究機関は、分野間連携・融合や学際研究など、科学技術イノベーション政策の推進に資する研究を奨励し、ひいては、被評価者の能力向上につなげるための新たな研究者評価システムを構築すべきである。例えば、
    • 分野間連携・融合や学際研究、国際連携といった横断的取組を行っているか、
    • 研究開始段階において、幅広い分野の関係者との協力に基づく、国際水準をも踏まえた課題設定や出口戦略の作成といった取組を行っているか、
    • 産業構造の変化に対応した取組を行っているか、
    • 国民や社会に対し自らの研究の意義や成果を説明しているか、 
      といった課題解決に資する取組の観点を積極的に評価すべきである。一方で、研究の多様性に配慮しつつも、こうした点を考慮していない研究については、的確に問題点を分析すべきである。
  2. その上で、新たな考え方に基づく評価結果を、高い評価を得た研究者の処遇や資金配分に積極的に反映させるなど、研究者の意識を課題解決に向け誘導していくことが重要である。
  3. 新たに開発すべき評価システムは、多方面からの評価軸を設定するなど評価の多様性に配慮したものであり、かつ、被評価者の能力向上につながるものとして肯定的に受け入れられ、研究開発活動の改革、進展を促進するものでなければならない。評価システムの検討に当たっては、国内外での優良な事例から学ぶことが重要である。また、いわゆる「評価疲れ」への十分な配慮が必要である。
  4. 大学において主流となる学術研究については、学問分野の特性に配慮しつつ、自ら研究課題を探索し発見する取組を評価することが必要である。また、戦略研究のうちの特定の技術開発研究や、要請研究、新しい融合領域を開拓する研究のように、論文作成が短期間では難しい研究もあるため、こうした研究については、発表論文数や論文引用数に限った評価を行わないよう配慮が必要である。応用研究、開発研究については、その目的に応じ、論文以外の取組について積極的に評価することが必要である。
  5. 戦略研究の目標達成はしばしばマネジメントの成否が鍵を握るため、個々の研究者のみならず、研究グループや研究プロジェクトの長や研究機関に対する適切な評価が不可欠である。
  6. 研究活動を人材育成に活かしているかを評価の観点に加えるべきである。
  7. 研究機関評価の際には、研究効率の更なる向上のため、例えば、研究者評価を踏まえた成果最大化のための研究体制作りや、多様な専門知の結集による実用化や社会実装までを考慮した取組などを積極的に評価するとともに、こうした観点についての評価結果を資金配分や組織運営などに反映する取組が必要である。
  8. また、施策の評価の際にも、我が国に課題解決のための研究開発システムを定着させるという視点が必要であり、成果を社会実装する産業界を含め様々な立場の専門家による評価が必要である。
  9. これらを踏まえ、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」を早急に改定すべきである。

A.具体的取組及び検討状況

1.~9.関係
 (研究計画・評価分科会 研究開発評価部会)

  • 本建議の論点等を踏まえ、「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」を改定し、建議(平成26年4月文部科学大臣決定)。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

1.~9.関係
(科学技術・学術政策局 企画評価課 評価・研究開発法人支援室)
 【研究及び開発の向上に関する評価環境の戦略的構築】 26,266千円

  • 新たな評価システムの構築について、「研究及び開発の向上に関する評価環境の戦略的構築」において、必要な調査・検討・研修等を行う。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

1.~9.関係
(科学技術・学術政策局 企画評価課 評価・研究開発法人支援室)
 【研究及び開発の向上に関する評価環境の戦略的構築】 24,891千円

  • 新たな評価システムの構築にあたり、「研究及び開発の向上に関する評価環境の戦略的構築」において、必要な調査・検討・研修等を行う。

【研究者の能力が最大限発揮される環境の整備】

  1. 社会の変化に伴って生じる新たな課題に対応するためには、しばしば価値観の転換が求められる。
     国際的な頭脳循環(ブレインサーキュレーション)が進み、人材獲得競争が激化する中、我が国はその循環から取り残された状況にあるが、新たな研究の推進、研究効率の向上のため、研究体制を構築する際は、最適な研究者を、広く国内外から招聘することが必要である。また、それを可能にするためには、若手研究者の広範な国際人脈網(ネットワーク)作りが不可欠であり、その強化が必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(国際戦略委員会)

  • 国際戦略委員会において、激動する世界情勢における科学技術イノベーションの国際戦略に焦点を当て、1)国際的な研究協力、共同研究の在り方、2)国際研究ネットワークの強化、人材育成・確保、3)国際協力による大規模な研究開発活動の推進、4)産学官が一体となった科学技術外交、および5)国別の特性を踏まえた国際戦略の基本的考え方等、第5期科学技術基本計画等に重点的に盛り込むべき事項を中心に取りまとめた。

(以下、研究振興局 学術機関課)

  • 「大規模学術フロンティア促進事業」により、国際的競争と協調による、国内外の研究者が多数参画する学術の大規模プロジェクトを、ロードマップで示された優先度に基づき、戦略的・計画的に推進する。(ロードマップは平成26年8月に策定)
  • 研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)における、各種シンポジウム・セミナー等を通じた国外の若手研究者・大学院生の受入の拡充や、国際共同研究の国内大学の取りまとめや海外の研究機関への窓口としての機能の強化に関する提言を踏まえた、大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進する。

(研究振興局学術研究助成課)

  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、国際共同研究の推進や優秀な若手研究者の相互派遣などによる国際ネットワークの形成など、今後具体的な科研費改革方策を検討。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究振興局 学術機関課)
 【大規模学術フロンティア促進事業】 ※ 国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 「大規模学術フロンティア促進事業」において、新規事業として「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」を計上するなど、国内外の多数の研究者が参画する学術研究の大型プロジェクトを着実に推進。

(以下、科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】 2,029,973千円

  • 「若手研究者の広範な国際人脈網(ネットワーク)の強化」について、「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成できるよう事業を見直し、海外のトップクラスの研究機関と研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援していくことで、「最適な研究者の国内外からの招聘」に資する。

 【海外特別研究員事業】 2,077,535千円

  • 「若手研究者の広範な国際人脈網(ネットワーク)の強化」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供。

 【外国人特別研究員事業】 3,572,200千円

  • 「最適な研究者の国内外からの招聘」について、「外国人特別研究員事業」において、我が国の研究者と外国人研究者との研究協力関係を通じ、国際化の進展を図っていくことで我が国における学術研究を推進。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

 【大規模学術フロンティア促進事業】 ※ 国立大学法人運営費交付金等の内数

  • 「大規模学術フロンティア促進事業」において、新規事業として「新しいステージに向けた学術情報ネットワーク(SINET)整備」を計上するなど、国内外の多数の研究者が参画する学術研究の大型プロジェクトを着実に推進。

(科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【国際科学技術共同研究推進事業 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)】 1,451,000千円

  • 「戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)」において、欧米等先進諸国や成長するアジア諸国との間で、省庁間合意に基づきイコールパートナーシップ(対等な協力関係)の下、戦略的に重要なものとして国が設定した相手国・地域及び研究分野において、相手国のポテンシャル・分野と協力フェーズに応じた多様な国際共同研究を推進。平成27年度からは「戦略的国際協力研究イノベーション共同ラボタイプ」を創設し、インド・ASEANといった新興国と我が国の「顔の見える」持続的な国際協力を進める。

 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】 1,895,511千円

  • 「若手研究者の広範な国際人脈網(ネットワーク)の強化」について、「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成するため、海外のトップクラスの研究機関と若手研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。

 【海外特別研究員事業】 2,060,064千円

  • 「若手研究者の広範な国際人脈網(ネットワーク)の強化」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供する。

 【外国人特別研究員事業】 3,570,122千円

  • 「最適な研究者の国内外からの招聘」について、「外国人特別研究員事業」において、我が国の研究者と外国人研究者との研究協力関係を通じ、国際化の進展を図っていくことで我が国における学術研究を推進する。

(研究振興局学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、国際社会における我が国の学術研究の存在感を向上させるための国際共同研究や海外ネットワーク形成を促進するための取組を実施予定。
  1. 異なる知識や方法論を持つ多種多様な人材が集い、チームとして力を最大限発揮することが重要であるため、研究現場において多様な視点や発想が取り入れられる体制作りや、研究現場の原動力となっている若手研究者が活躍できる仕組み作りが必要である。また、依然として低水準にとどまっている女性研究者の割合を高める必要がある。
  2. さらに、日本が世界をリードするためには、若手研究者をできるだけ早く、研究機関の適切な支援の下で、孤立させることなく独立させるとともに、ハイリスクな研究にも挑戦し、研究に打ち込める環境を整えていく必要がある。また、高度な専門性を持つ研究支援者等を確保することが必要である。

A.具体的取組及び検討状況

2.3.関係
(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。
  • 若手研究者が自立して研究に専念できる整備するとともに、公正で透明性の高い人事制度を構築し、研究リーダーとなる教員・研究者へと育成するため、「テニュアトラック普及・定着事業」を引き続き推進。
  • 優秀な若手研究者が主体的に研究に専念できるよう研究奨励金を支給する「特別研究員事業」を引き続き推進。
  • 「女性の活躍推進」タスクフォース(平成26年2月7日文部科学省)等の検討も踏まえ、女性研究者の一層の活躍促進を図るため、「女性研究者研究活動支援事業」を改組・拡充し、研究と出産・育児・介護等との両立や研究力の向上など、研究環境のダイバーシティ実現に関する目標・計画を掲げ、優れた取組を実施する大学等を支援する「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」や、出産・育児により研究を中断した研究者に対して研究奨励金を支給し、研究復帰を支援する「特別研究員(RPD)事業」の拡充を平成27年度予算案に計上。

(以下、研究振興局 学術研究助成課)(研究費部会)

  • 科研費において、「若手研究」等により、若手研究者の自立を支援するとともに、「新学術領域研究」により、多様な研究者の連携による共同研究や若手の人材育成等を通じた新たな学問領域の形成等を支援する。
  • 科研費において、優れた若手研究者を支援するため、平成26年度公募から、日本学術振興会の特別研究員(PD)の「特別研究員奨励費」以外の科研費への応募・受給を可能とした。
  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、優秀な研究者が所属大学や年齢、性別などにかかわりなく継続的に学術研究を推進できるよう、今後具体的な科研費改革方策を検討。

(研究振興局 学術機関課)

  • 研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)における若手研究者の育成に関する提言を踏まえた、大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進する。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

2.3.関係
(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】 227,616,000千円

  • 科研費において、日本学術振興会特別研究員(PD)の受入環境を整備するため、特別研究員(PD)に交付する「特別研究員奨励費」に間接経費を措置。

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】 1,027,211千円

  • 「高度な専門性を持つ研究支援者等を確保する」ため、大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。

 【テニュアトラック普及・定着事業】 3,419,277千円

  • 「若手研究者が活躍できる仕組み」を作るため、テニュアトラック制(公正に選抜された若手研究者が、安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者として経験を積む仕組み)を実施する大学等を支援。

 【女性研究者研究活動支援事業】 983,915千円

  • 女性研究者の研究力の向上を図る取組を大学等が連携して実施する「連携型」を新設。

 【特別研究員事業】 17,183,078千円

  • 特別研究員(PD,SPD,RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

2.3.関係
(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】【拡充】(再掲) 1,326,963千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。

 【テニュアトラック普及・定着事業】 2,084,205千円

  • 全学的な大学改革等の動きと連動し、人事システム改革の一環として、テニュアトラック制を導入する大学等を支援。

 【ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ】【改組・拡充】 1,087,722千円

  • 研究と出産・育児・介護等との両立や女性研究者の研究力の向上を一体的に推進するなど、研究環境のダイバーシティ実現に関する目標・計画を掲げ、優れた取組を実施する大学・研究機関を選定し、重点支援。

 【特別研究員事業】 16,769,918千円

  • 特別研究員(PD,SPD,RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。
  1. 研究機関の長は、こうした観点も踏まえ、成果の最大化のための研究体制作りや国際水準を踏まえた研究環境の整備を行うべきである。また、国は、研究機関における、こうした成果最大化のための積極的な取組を支援すべきである。

A.具体的取組及び検討状況

(研究振興局 学術研究助成課)

  • 平成25年度から、世界水準の優れた研究大学群を増強するために、「研究大学強化促進費」を創設し、大学等が行う、研究戦略や知的財産等を担う研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、競争力のある研究の加速化促進、先駆的な研究分野の創出、国際水準の研究環境の整備などの集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を実施することを支援することとしており、平成25年度には22機関を採択。

(研究振興局 学術機関課)

  • 研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)における機構長のイニシアティブの下での複数の研究所の取組の融合による新分野の創成に関する提言を踏まえた、大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進する。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

1.4.関係
(研究振興局 学術研究助成課)
 【研究大学強化促進事業】 6,400,000千円

  • 研究大学強化促進事業により、研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を支援。
     平成26年度は、平成25年度に採択した22機関について引き続き支援。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

1.4.関係
(研究振興局 学術研究助成課)
 【研究大学強化促進事業】 6,200,000千円

  • 研究大学強化促進事業により、研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を支援。
     平成27年度は、平成25年度に採択した22機関について引き続き支援予定。  
  1. また、国及び資金配分機関は、PD(プログラムディレクター)、PO(プログラムオフィサー)の権限と役割を明確化するなどにより、資金の投入効果が最大化されるようにすべきである。
  2. さらに、我が国全体として、科学技術イノベーションを支える研究施設・設備等を俯瞰した上で、研究施設・設備の共用、高度化の推進、研究開発プロジェクトにおける共用施設・設備の効果的利用促進、施設・設備間の連携促進といった取組を効果的に進めていくためのシステム(研究開発プラットフォーム)の構築が必要である。加えて、今後戦略的に整備すべき大型研究施設の検討に着手していくことが求められる。

A.具体的取組及び検討状況

(研究計画・評価分科会 ナノテクノロジー・材料科学技術委員会)

  • ナノテクノロジーに関する最先端の研究設備とその活用のノウハウを有する機関が緊密に連携して、全国的な設備の共用体制を共同で構築。産学官の多様な利用者による設備の共同利用を促進し、産業界や研究現場が有する技術的課題の解決への最短アプローチを提供するとともに、産学官連携や異分野融合を推進する。

(研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会)

  • スーパーコンピュータ「京」を中核とし、国内の大学等のスパコンやストレージを高速ネットワークでつなぎ、多様な利用者のニーズに応える革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)を構築するとともに、社会的・科学的課題の解決に資する画期的な成果創出に向けて利用・高度化を推進。また、我が国が直面する社会的・科学的課題の解決に貢献するため、2020年をターゲットとし、世界トップレベルのスーパーコンピュータと、課題解決に資するアプリケーションを協調的に開発。

(先端研究基盤部会)

  • 産学官が共用可能な研究施設・設備の拡大を進めるため、共用施設・設備の適切な利用料金の考え方(海外企業による利用の取扱いなど)の明確化の検討を実施。更に研究施設・設備のネットワークなどによる研究開発プラットフォームの構築に必要となる具体的取組について引き続き検討を進める。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当))
 【ナノテクノロジープラットフォーム】(再掲) 1,710,640千円

  • 研究設備の共用について、ナノテクノロジープラットフォームにおいては、ナノテクノロジーに関する最先端の研究設備とその活用のノウハウを有する機関が協力して、全国的な共用体制を構築することで、産学官の利用者に対し、最先端設備の利用機会と高度な技術支援の提供を推進。

(以下、研究振興局 参事官(情報担当))
 【革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築】
 <特定高速電子計算機施設の運営、特定先端大型研究施設利用促進、高機能演算研究基盤構築のための研究開発、高機能演算研究基盤の高度利用事業> 15,052,131千円

  • 「建議」において指摘された「研究施設・設備の共用、高度化の推進、研究開発プロジェクトにおける共用施設・設備の効果的利用促進」について、スーパーコンピュータ「京」を含むHPCI(※)の構築を引き続き進めるとともに、地震・津波の被害軽減や創薬プロセスの高度化等の画期的な成果の創出に向けて、その利用・高度化を推進。
    ※ 「京」を中核とし、国内の大学等のスパコンやストレージを高速ネットワークでつなぎ、多様な利用者ニーズに応える革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ

 【ポスト「京」の開発(フラッグシップ2020プロジェクト)】
 <次世代超高速電子計算機システムの開発・整備等、次世代超高速電子計算機システム利用技術の研究開発> 1,205,650千円

  • 「建議」において指摘された「今後戦略的に整備すべき大型研究施設の検討に着手していくことが求められる」について、我が国を取り巻く社会的・科学的課題の解決や産業競争力の強化に貢献するため、2020年までに「京」の次を担うポスト「京」を開発するプロジェクトに平成26年度より着手。

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)
 【先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業】(再掲) 1,364,644千円

  • 「研究開発プラットフォーム構築」について、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業において、大学・独法等が所有する先端研究施設・設備の産学官への共用を促進するとともに、これらの研究施設・設備間の技術領域別ネットワーク化等により、多様な利用ニーズに効果的に対応するプラットフォーム形成を推進。  

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当))
 【ナノテクノロジープラットフォーム】(再掲) 1,710,640千円

  • 研究設備の共用について、ナノテクノロジープラットフォームにおいては、ナノテクノロジーに関する最先端の研究設備とその活用のノウハウを有する機関が協力して、全国的な共用体制を構築することで、産学官の利用者に対し、最先端設備の利用機会と高度な技術支援の提供を推進。

(研究振興局 参事官(情報担当))
 【革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築】
 <特定高速電子計算機施設の運営、特定先端大型研究施設利用促進、高機能演算研究基盤構築のための研究開発、高機能演算研究基盤の高度利用事業> 14,563,713千円

  • 「建議」において指摘された「研究施設・設備の共用、高度化の推進、研究開発プロジェクトにおける共用施設・設備の効果的利用促進」について、スーパーコンピュータ「京」を含むHPCIの構築を引き続き進めるとともに、地震・津波の被害軽減や創薬プロセスの高度化等の画期的な成果の創出に向けて、その利用・高度化を推進。

 【ポスト「京」の開発(フラッグシップ2020プロジェクト)】【拡充】
 <次世代超高速電子計算機システムの開発・整備等、次世代超高速電子計算機システム利用技術の研究開発> 3,972,016千円

  • 「建議」において指摘された「今後戦略的に整備すべき大型研究施設の検討に着手していくことが求められる」について、我が国が直面する社会的・科学的課題の解決に貢献するため、2020年をターゲットとし、世界トップレベルのスーパーコンピュータと、課題解決に資するアプリケーションを協調的に開発。

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)
 【先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業】(再掲) 1,159,947千円

  • 「研究基盤間のネットワーク構築等のリスク分散に向けた取組推進」について、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業において、大学・独法等が所有する先端研究施設・設備の産学官への共用を促進するとともに、これらの研究施設・設備間の技術領域別ネットワーク化等により、多様な利用ニーズに効果的に対応するプラットフォーム形成を推進する。また、プラットフォームの連携を強化するために人材育成支援やユーザーニーズに基づく施設・設備の充実を図る。
  1. また、大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点のような個々の大学の枠を越えて研究者が共同で研究を行う体制を整備するとともに、大学や公的研究機関等の連携を促進するなど、研究手法や研究対象への視点を異にする複数の研究者の取組が融合することで、新たな学問領域の創成や社会的な課題の解決への方途を拓くことが重要である。

A.具体的取組及び検討状況

(以下、研究振興局 学術機関課)

  • 研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)を踏まえた、大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進する。
  • 共同利用・共同研究拠点におけるこれまでの成果や研究者コミュニティの意向を踏まえた取組等について中間評価を行うとともに、「共同利用・共同研究体制の強化に向けて(中間まとめ)-共同利用・共同研究拠点の在り方を中心に-」を踏まえ、拠点の期末評価の在り方や次期認定の方針等について検討する。
  • 「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」により、研究ポテンシャルのある公私立大学の特色ある研究分野の研究所を学外の研究者の共同利用・共同研究に活用する取組を促進する。また、事業の実施状況や成果を踏まえ、特色ある共同研究拠点の整備の今後の在り方について検討する。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(以下、研究振興局 学術機関課)
1.から4.、7.関係
 【国立大学法人運営費交付金】 ※ 国立大学法人運営費交付金の内数

  • 国内外からの研究者の招聘や、共同研究体制の整備、若手研究者の育成等について、「国立大学法人運営費交付金」により、研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)を踏まえた大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進。
  • 「国立大学法人運営費交付金」により、国立大学の共同利用・共同研究拠点の取組を推進。

 【特色ある共同研究拠点の整備の推進事業】 279,974千円

  • 「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」により、研究ポテンシャルのある公私立大学の特色ある研究分野の研究所を学外の研究者の共同利用・共同研究に活用する取組を促進。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

1.から4.、7.関係
 【国立大学法人運営費交付金】 ※ 国立大学法人運営費交付金の内数

  • 共同利用・共同研究体制の強化・充実のため、大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点における国内外のネットワーク構築、新分野の創出等に資する取組や、部局や大学の枠を越えた研究所・研究センター等における新たな拠点の形成に資する取組を推進。

 【特色ある共同研究拠点の整備の推進事業】【拡充】 314,100千円

  • 「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」により、研究ポテンシャルのある公私立大学の特色ある研究分野の研究所を学外の研究者の共同利用・共同研究に活用する取組を引き続き促進。

【基礎研究段階における政策誘導メカニズム】

  1. 基礎研究の段階においても、学際研究や分野間連携・融合を進めるための政策誘導的なメカニズムの構築が必要である。内在的動機に基づく学術研究に最大限の敬意を払うべきであるが、熾烈な国際競争の中、また国際共同が不可欠な状況において、分散的な個人研究には限度がある。このため、社会の要請を踏まえつつ、科学技術コミュニティとの連携によって課題を設定するとともに、学際的、国際的に専門知を結集した研究体制を構築し、目標管理を行うといった、課題解決のための特別プログラムの創設が望ましい。
  2. 本審議会における基本方針や議論を踏まえて、推進すべき共同研究の課題を定めることにより、政策の実現性を高めていく課題設定プロセスも必要である。その際、海外の学術動向を継続的に把握することも重要である。

A.具体的取組及び検討状況

(研究計画・評価分科会 防災科学技術委員会)

  • 都市災害に対する被害軽減や早期復旧を課題とした3分野(理学、工学、社会科学)の研究を、地震防災研究に関する国際的な交流を図りながら実施する取組を引き続き推進する。

(研究振興局 振興企画課学術企画室)

  • 平成25年度から、独立行政法人日本学術振興会において、領域開拓、実社会対応、グローバル化への視点を踏まえつつ、共同研究推進の事業・制度を安定的・継続的に運営するための仕組を構築すべく、「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」を実施している。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

1.2.関係
(研究振興局 振興企画課学術企画室)
 【課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業】 208,288千円

  • 「建議」や平成24年7月25日学術分科会報告(リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について)を踏まえ、独立行政法人日本学術振興会において、領域開拓、実社会対応、グローバル化への視点を踏まえつつ、共同研究推進の事業・制度を安定的・継続的に運営するため「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」を実施する。

(研究開発局 地震・防災研究課防災科学技術推進室)
 【都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト】(再掲) 490,286千円

  • 都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクトにおいて、都市災害に対する被害軽減や早期復旧を課題とした3分野(理学、工学、社会科学)の研究を実施する。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

1.2.関係
(研究振興局 振興企画課学術企画室)
 【課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業】 198,255千円

  • 「建議」や平成24年7月25日学術分科会報告(リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について)を踏まえ、独立行政法人日本学術振興会において、領域開拓、実社会対応、グローバル化への視点を踏まえつつ、共同研究推進の事業・制度を安定的・継続的に運営するため「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」を実施する。

(研究開発局 地震・防災研究課防災科学技術推進室)
 【都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト】(再掲) 397,132千円

  • 都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクトにおいて、都市災害に対する被害軽減や早期復旧を課題とし理学・工学の連携として首都圏地震観測網(MeSO-net)の測定点に立地する3棟の建物の計測を継続し、地盤-基礎-建物連成系応答評価法を整備し、工学・社会科学の連携として建物の健全度評価法を建物被害調査に活用する。

【自然科学と人文・社会科学の連携促進】

  1. 課題設定を自然科学に従事する者と人文・社会科学に従事する者が連携して行うとともに、人文・社会科学に従事する者の一定以上の参加が採択要件として求められるプログラムや、人文・社会科学に従事する者が主導する課題解決型プログラムの創設が必要である。その際、研究活動自体が目的化することのないよう、課題解決の実現に向けたアクションプランが求められる。

A.具体的取組及び検討状況

(研究計画・評価分科会 防災科学技術委員会)

  • 地震防災研究戦略プロジェクトでは、人文・社会科学に従事する者が主導する課題解決型プログラムを行い、システム開発にあたっての課題抽出から社会実装支援に向けた取組を引き続き推進する。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究開発局 地震・防災研究課防災科学技術推進室)
 【都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト】(再掲) 490,286千円

  • 都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクトにおいて、人文・社会科学に従事する者が主導する課題解決型プログラムを実施する。

(研究開発局 環境エネルギー課)
 【戦略的創造研究推進事業 社会技術研究開発(RISTEX)のうち、「フューチャー・アース」構想の推進】(再掲) 100,000千円
※科学技術振興機構運営費交付金の一部

  • 課題設定を自然科学に従事する者と人文・社会科学に従事する者が連携して行うことへの対応として、「フューチャー・アース」構想の推進を平成26年度より新たに開始。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(研究開発局 地震・防災研究課防災科学技術推進室)
 【都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト】(再掲) 397,132千円

  • 都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクトにおいて、人文・社会科学に従事する者が災害教育や避難訓練を実施するに当たり必要となる地震被害像を把握するため、理学分野の研究者が地震像を解明する。特に当該年度は安政江戸地震(1855年)の地震像を解明しM7レベルの地震被害像を明らかにする。

(研究開発局 環境エネルギー課)
 【戦略的創造研究推進事業 社会技術研究開発(RISTEX)のうち、「フューチャー・アース」構想の推進】【拡充】 130,000千円
 ※科学技術振興機構運営費交付金の一部

  • 自然科学と人文・社会科学などの異なる分野間の連携や融合、また、関係する他省庁との連携による課題解決に向けた取組を強化。
  1. 基礎的な共同研究の成果を社会実装のレベルにまで引き上げていくには、自然科学中心のプロジェクトの中にも人文・社会科学に従事する者の参画を採択要件として取り入れることが必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(研究振興局 振興企画課学術企画室)

  • 独立行政法人日本学術振興会の「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」において、平成26年度から、諸学の密接な連携によるブレークスルーを目指した研究方法の革新を目指すプログラムを実施している。
  1. また、人文・社会科学が中心となった共同研究プロジェクトにおいて、その成果が自然科学に裨益する場合には、社会的課題の解決に向け、様々な分野の知見を活用するより実装段階に近い共同研究と連携を図ることも有益である。このためには、事業や制度の枠組みを越えた展開が必要であり、展開方策を検討すべきである。

A.具体的取組及び検討状況

(研究振興局 振興企画課学術企画室)

  • 平成25年度から、独立行政法人日本学術振興会の「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」において、研究成果と実務の橋渡しに重点を置いたプログラムを実施している。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

2.3.関係
(研究振興局 振興企画課学術企画室)
 【課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業】(再掲) 208,288千円

  • 「建議」や平成24年7月25日学術分科会報告(リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について)を踏まえ、独立行政法人日本学術振興会において、領域開拓、実社会対応、グローバル化への視点を踏まえつつ、共同研究推進の事業・制度を安定的・継続的に運営するため「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」を実施する。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(研究振興局 振興企画課学術企画室)
 【課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業】(再掲) 198,255千円

  • 「建議」や平成24年7月25日学術分科会報告(リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について)を踏まえ、独立行政法人日本学術振興会において、領域開拓、実社会対応、グローバル化への視点を踏まえつつ、共同研究推進の事業・制度を安定的・継続的に運営するため「課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業」を実施する。
  1. 人文・社会科学は、人間、文化、社会を研究対象とし、知的社会の推進に向けて重要な役割を担っている。我が国における人文・社会科学の進展は、研究者個人の発想に委ねられる傾向があるが、国内外に膨大な社会的基礎データや資料が蓄積していることから、新たな方向への発展に向けた取組の可能性を検討すべきである。
  2. また、これまで、大学等において、自然科学と人文・社会科学の連携促進のための取組が行われてきているが、必ずしもうまくいっている状況ではない。このため、国は、これらの取組の中で、優れた成果を上げているものがある場合は、広く情報提供し、普及させ、連携促進のための取組を奨励すべきである。

2.分野間連携・融合や学際研究を支える人材育成

【学生や若手研究者の創造性の向上】

  1. 我が国に課題解決のためのシステムを定着させるためには、政策的に分野間連携・融合や学際研究などの取組を促進するとともに、これらの新しい領域に挑戦する科学技術イノベーション人材を育成することが重要である。このため、学生や若手研究者の創造性を育むことが重要であり、社会の多様な視点や柔軟な発想力を有し、分野横断的、国際的なプロジェクトでリーダーシップを発揮できるような優れた人材を育成し、活躍の場を与えるための取組が必要である。この際、学生や若手研究者の主体性の確保が鍵であり、留意が必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(研究振興局 学術機関課)

  • 研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)における大学院教育への協力に対する能動的な対応や、若手研究者の育成に関する提言を踏まえた、大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関等の取組を推進する。

(以下、研究振興局 学術研究助成課)(研究費部会)

  • 科研費において、「若手研究」等により、若手研究者の自立を支援するとともに、「新学術領域研究」により、多様な研究者の連携による共同研究や若手の人材育成等を通じた新たな学問領域の形成等を支援する。【再掲】
  • 科研費において、優れた若手研究者を支援するため、平成26年度公募から、日本学術振興会の特別研究員(PD)の「特別研究員奨励費」以外の科研費への応募・受給を可能とした。【再掲】
  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、優秀な研究者が所属大学や年齢、性別などにかかわりなく継続的に学術研究を推進でき、また、多様で水準の高い学術研究と分野・細目にとらわれない創造的な研究の促進とが両立するような科研費の基本的な構造の見直しなど、今後具体的な科研費改革方策を検討。

(高等教育局 大学振興課)

  • 専門分野の枠を超えた俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを養成する「リーディング大学院」の構築を支援(「博士課程教育リーディングプログラム」)

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。
  • 優秀な若手研究者が主体的に研究に専念できるよう研究奨励金を支給する「特別研究員事業」を引き続き推進。
  • 若手研究者が自立して研究に専念できる整備するとともに、公正で透明性の高い人事制度を構築し、研究リーダーとなる教員・研究者へと育成するため、「テニュアトラック普及・定着事業」を引き続き推進。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(研究振興局 学術機関課)
 【国立大学法人運営費交付金】(再掲) ※ 国立大学法人運営費交付金の内数

  • 国内外からの研究者の招聘や、共同研究体制の整備、若手研究者の育成等について、「国立大学法人運営費交付金」により、研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)を踏まえた大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を推進。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,616,000千円

  • 科研費において、日本学術振興会特別研究員(PD)の受入環境を整備するため、特別研究員(PD)に交付する「特別研究員奨励費」に間接経費を措置。

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【テニュアトラック普及・定着事業】(再掲) 3,419,277千円

  • 「若手研究者の主体性の確保」を図るため、テニュアトラック制(公正に選抜された若手研究者が、安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者として経験を積む仕組み)を実施する大学等を支援。

 【特別研究員事業】(再掲) 17,183,078千円

  • 「若手研究者の主体性の確保」を図るため、特別研究員(PD,SPD,RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。

 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】(再掲) 1,027,211千円

  • 「社会の多様な視点や柔軟な発想力を有し、分野横断的、国際的なプロジェクトでリーダーシップを発揮できるような優れた人材を育成し、活躍の場を与える」ため、大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。

(高等教育局 大学振興課)
 【博士課程教育リーディングプログラム】 18,495,270千円

  • 優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援。

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)】(再掲) 907,150千円

  • 海外の大学や企業等と連携しつつ、起業に挑戦する人材やイノベーションを創出する人材を大学院生や若手研究者等から養成するプログラムを開発・実施する大学等を支援。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(研究振興局 学術機関課)
 【国立大学法人運営費交付金】(再掲) ※ 国立大学法人運営費交付金の内数

  • 国内外からの研究者の招聘や、共同研究体制の整備、若手研究者の育成等について、「国立大学法人運営費交付金」により、研究環境基盤部会の「大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の今後の在り方について」(審議のまとめ)を踏まえた大学共同利用機関法人及び大学共同利用機関の取組を引き続き推進。

 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、細目にこだわらない分野融合的研究を引き出す新しい審査方式の先導的試行として「特設分野研究」の充実を図る予定。

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【テニュアトラック普及・定着事業】(再掲) 2,084,205千円

  • 全学的な大学改革等の動きと連動し、人事システム改革の一環として、テニュアトラック制を導入する大学等を支援。

 【特別研究員事業】(再掲) 16,769,918千円

  • 「若手研究者の主体性の確保」を図るため、特別研究員(PD,SPD,RPD)制度において、我が国の学術研究の将来を担う優秀な若手研究者に対して研究奨励金を支給。

 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】【拡充】(再掲) 1,326,963千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。

(高等教育局 大学振興課)
 【博士課程教育リーディングプログラム】 17,756,270千円

  • 優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援。

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)】(再掲) 864,833千円

  • 海外の大学や企業等と連携しつつ、起業に挑戦する人材やイノベーションを創出する人材を大学院生や若手研究者等から養成するプログラムを開発・実施する大学等を支援。
  • 起業家・イノベーション人材育成とイノベーション・エコシステム構築のため、共通基盤事業を行う機関を選定し、日本全体の取組を強化。

【若手研究者の交流促進、教育プログラムの実施等】

  1. 研究機関や研究代表者が、若手研究者に、異分野を含めた研究活動や企業との共同研究等へ主体的に参加することを推奨する仕組みや、若手研究者に対し新しい融合領域を開拓するインセンティブを付与する仕組み等が必要である。また、異分野の若手研究者が集い、横断的なプロジェクトを主体的に、共同で推進できるような支援枠の導入の検討が必要である。
  2. 大学等において、学部横断的、研究科横断的な履修や実社会との関連性を追求する教育プログラムを実施するとともに、広く社会の人々と対話し、分野間連携・融合の実践を重ねる研究者を評価することが重要である。また、キャリア開発のためのセミナー、長期インターンシップなど、若手研究者の多様なキャリアパス確立に向けた組織的な取組が必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(科学技術・学術政策局 人材政策課)

  • 企業等と連携してインターンシップを行うなど、若手研究者の多様なキャリアパスを確保するシステムの構築を支援する「ポストドクター・キャリア開発事業」を実施。

(高等教育局 大学振興課)

  • 専門分野の枠を超えた俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを養成する「リーディング大学院」の構築を支援(「博士課程教育リーディングプログラム」)

3.我が国は、分野間連携・融合や科学技術イノベーションを牽引する人材の育成機能が必ずしも十分とは言えない。このような人材の育成が大学・大学院教育の重要な使命であるとの認識の下、大学は産業界と連携し、社会的課題の解決に資する人材育成を行う必要がある。その際、実践的な教育と研究の一体的な振興を図る必要があり、国は、この実践に向けて組織的活動を強化する大学等の取組を積極的に支援すべきである。また、我が国においては、必ずしも博士課程修了者に対する評価が適切に行われていない場合もあり、優秀な学生が進路選択をためらい、人材が育成されないといった悪循環も見られるため、改善に向けた一層の対応が必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(高等教育局 大学振興課)

  • 専門分野の枠を超えた俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーを養成する「リーディング大学院」の構築を支援。
    (「博士課程教育リーディングプログラム」)

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

2.3.関係
(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)】(再掲) 907,150千円

  • 海外の大学や企業等と連携しつつ、起業に挑戦する人材やイノベーションを創出する人材を大学院生や若手研究者等から養成するプログラムを開発・実施する大学等を支援。

(科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】(再掲) 1,027,211千円

  • 「若手研究者の多様なキャリアパスの確立に向けた組織的な取組」として、大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。

(高等教育局 大学振興課)

 【博士課程教育リーディングプログラム】(再掲) 18,495,270千円

  • 優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援。

3.関係
(高等教育局 高等教育企画課)
 【スーパーグローバル大学等事業】 8,677,000千円

  • 我が国の高等教育の国際競争力の向上及びグローバル人材の育成を図るため、世界トップレベルの大学との交流・連携を実現、加速するための新たな取組や、人事・教務システムの改革、学生のグローバル対応力育成のための体制強化など、国際化を徹底して進める大学を重点支援。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【グローバルアントレプレナー育成促進事業(EDGEプログラム)】(再掲) 864,833千円

  • 海外の大学や企業等と連携しつつ、起業に挑戦する人材やイノベーションを創出する人材を大学院生や若手研究者等から養成するプログラムを開発・実施する大学等を支援。
  • 起業家・イノベーション人材育成とイノベーション・エコシステム構築のため、共通基盤事業を行う機関を選定し、日本全体の取組を強化。

(科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】【拡充】(再掲) 1,326,963千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。

(高等教育局 大学振興課)
 【博士課程教育リーディングプログラム】(再掲) 17,756,270千円

  • 優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、国内外の第一級の教員・学生を結集し、産・学・官の参画を得つつ、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した世界に通用する質の保証された学位プログラムを構築・展開する大学院教育の抜本的改革を支援。

3.関係
(高等教育局 高等教育企画課)
 【スーパーグローバル大学等事業】 8,677,000千円

 我が国の高等教育の国際競争力の向上及びグローバル人材の育成を図るため、世界トップレベルの大学との交流・連携を実現、加速するための人事・教務システムの改革など国際化を徹底して進める大学や、学生のグローバル対応力育成のための体制強化を進める大学を支援。

  1. また、学会活動が分野縦割りで閉鎖的にならないようにするため、複数学会による共同シンポジウムの開催や顕彰等の取組を積極的に推進する仕組みが必要である。
  2. 平成24年度全国学力・学習状況調査の結果として、理科については、観察、実験の結果  
    などを整理、分析した上で、解釈、考察し、説明することなどに課題が見られること、「理科の授業の内容はよく分かる」と回答した小学生の割合(86%)と中学生の割合(65%)の差(21%)が他教科より大きいこと、といった課題が指摘されている。こうした課題に対応するため、理数分野に関する素質や意欲を持つ生徒等が互いに切磋琢磨する機会を設けるとともに、観察、実験や課題研究を通じ、科学技術と社会との関わりを学ぶことや、問題解決的な学習を支援するなど、初等中等教育段階や高等教育段階を通じて、創造性豊かな科学技術人材の育成に資する取組をより一層推進する必要がある。

A.具体的取組及び検討状況

(科学技術・学術政策局 人材政策課)

  • 大学学部段階の「サイエンス・インカレ」、高校段階の「スーパーサイエンスハイスクール」や「科学の甲子園」、中学段階の「科学の甲子園ジュニア」を実施し、創造性豊かな科学技術人材の育成を総合的に推進する。 

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(以下、科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【スーパーサイエンスハイスクール(SSH)関連事業】 3,200,000千円
 <SSH支援事業、グローバルサイエンスキャンパスの合計額>
  
 【サイエンス・チャレンジ・サポート】 1,598,600千円
 <「科学の甲子園」、「科学の甲子園ジュニア」、「グローバルサイエンスキャンパス」を含む)>

 【サイエンス・インカレ】 66,893千円

  • 大学学部段階の「サイエンス・インカレ」、高校段階の「スーパーサイエンスハイスクール」や「科学の甲子園」、中学段階の「科学の甲子園ジュニア」を実施し、創造性豊かな科学技術人材の育成を総合的に推進するとともに、スーパーサイエンスハイスクール支援事業と連携し、高校段階の次世代人材育成の高度化を推進するため、新たに「グローバルサイエンスキャンパス」を実施。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(以下、科学技術・学術政策局人材政策課)
 【スーパーサイエンスハイスクール(SSH)関連事業】 2,961,724千円
 <SSH支援事業、グローバルサイエンスキャンパスの合計額>

 【科学技術コンテストの推進】【改組】 705,700千円
 <「科学の甲子園」、「科学の甲子園ジュニア」を含む)>

 【大学等と連携した科学技術人材育成活動の実践・環境整備支援】【改組】 1,061,364千円
 <「中高生の科学研究実践活動推進」、「グローバルサイエンスキャンパス」を含む>

 【サイエンス・インカレ】 60,985千円

  • 大学学部段階の「サイエンス・インカレ」、高校段階の「グローバルサイエンスキャンパス」、「スーパーサイエンスハイスクール」、「科学の甲子園」、中学段階の「科学の甲子園ジュニア」を実施し、創造性豊かな科学技術人材の育成を総合的に推進。また、大学と教育委員会が連携した科学研究型の学習活動の推進、及び科学研究型の学習活動を指導できる教員の育成を行う「中高生の科学研究実践活動推進」を新規に平成27年度予算案に計上。
  1. 創造性豊かな科学技術人材の育成のため、初等中等教育段階から高等教育段階まで、各教育段階において、学習内容と社会との関連を理解できるよう、教育振興と科学技術振興を有機的な連携の下で進めることが重要であり、その取組の強化が求められる。
  2. 優れた研究成果を上げるためには、研究支援者や技術者等の存在が不可欠である。研究者の研究活動の活性化や、研究開発マネジメントの強化による研究推進体制の充実強化等のため、研究支援者の育成、とりわけ研究企画や研究支援体制の核となるリサーチ・アドミニストレーターを育成、確保し、専門性が高く、かつ、安定的な職種として定着を図ることが重要である。さらに、研究施設・設備の運転や技術の高度化、利活用に必要となる技術者等の不足を解消することも求められている。このため、大学や公的研究機関における研究支援者や技術者等の能力の適切な評価や位置づけの見直しも含めた研究基盤を支える人材の育成、確保のための取組の促進や、これらの人材のキャリアパスに関する検討が必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(先端研究基盤部会)

  • 研究基盤を支える人材(研究者、研究支援者、技術者等)に要求されるスキルの明確化、研究基盤を支える人材の養成確保策や活躍の場の拡大の検討を進める。

(産業連携・地域支援部会)

  • リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備については、スキル標準の策定、研修・教育プログラムの整備などを通じて、リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成し、定着させるための全国的なシステムの整備を図るとともに、研究開発に知見のある人材を大学等がURAとして活用・育成することを支援し、専門性の高い職種としての定着を図っている。

(研究計画・評価分科会 ナノテクノロジー・材料科学技術委員会)

  • 平成26年12月に取りまとめられた「ナノテクノロジー・材料科学技術の研究開発方策について<中間取りまとめ>」において、研究や設備共用の推進に当たっては、最先端の研究設備の機能と研究課題の双方に精通し、研究課題の対応策の提案が可能な優れた技術支援者を育成・確保するとともに、コンソーシアムを形成し安定的な雇用・キャリアアップを図る等そのキャリアパスの構築に向けた取組が必要である旨提言。

(科学技術・学術政策局 人材政策課)

  • 「研究人材キャリア情報活用支援事業」において、JREC-IN(JSTにおいて運営している研究人材の求職・求人等の情報システム)に、新たに研究支援人材の情報システムについても整備する。

(研究振興局 学術研究助成課)

  • 平成25年度から、世界水準の優れた研究大学群を増強するために、「研究大学強化促進費」を創設し、大学等が行う、研究戦略や知的財産等を担う研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、競争力のある研究の加速化促進、先駆的な研究分野の創出、国際水準の研究環境の整備などの集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を実施することを支援することとしており、平成25年度には22機関を採択。【再掲】

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】(再掲) 1,027,211千円

  • 「研究支援者の育成」のため、大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る新たな仕組みを構築。

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備】 835,503千円

  • スキル標準や研修・教育プログラム等により、リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成し、定着させるための全国的なシステムの整備を図るとともに、研究開発に知見のある人材を大学等がURAとして活用・育成することを支援し、専門性の高い職種としての定着を図るための取組を引き続き実施。特に平成26年度においては、研修・教育プログラム等の活用による研修等の実施や全国的なネットワークの構築に資する取組を実施することにより、URAシステムの更なる定着を図る。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【研究大学強化促進事業】(再掲) 6,400,000千円

  • 研究大学強化促進事業により、研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を支援。
     平成26年度は、平成25年度に採択した22機関について引き続き支援。

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)
 【先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業】(再掲) 1,364,644千円

  • 「研究基盤を支える人材の育成、確保」について、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業において、大学・独法等が所有する先端研究施設・設備の産学官への共用を促進するために必要となる研究支援者や技術者等の人材の育成、確保を支援。

(研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当))
 【ナノテクノロジープラットフォーム】(再掲) 1,710,640千円

  • 「研究基盤を支える人材の育成、確保」について、ナノテクノロジープラットフォームにおいて、大学・研究機関等が所有する最先端の研究設備の産学官への共用を促進するために必要となる研究支援者や技術者等の人件費を支援。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局 人材政策課)
 【科学技術人材育成のコンソーシアムの構築】【拡充】(再掲) 1,326,963千円

  • 大学等でコンソーシアムを形成し、企業等とも連携して、若手研究人材や研究支援人材の流動性を高めつつ、キャリアアップを図る仕組みの構築を引き続き支援。

(科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課)
 【リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備】 331,761千円

  • スキル標準や研修・教育プログラム等により、リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成し、定着させるための全国的なシステムの整備を図るとともに、研究開発に知見のある人材を大学等がURAとして活用・育成することを支援し、専門性の高い職種としての定着を図るための取組を引き続き実施。また、平成27年度においても、研修・教育プログラム等の活用による研修等の実施や全国的なネットワークの構築に資する取組を引き続き実施。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【研究大学強化促進事業】(再掲) 6,200,000千円

  • 研究大学強化促進事業により、研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーターを含む)群の確保・活用や、集中的な研究環境改革を効果的に組み合わせた取組を支援。
     平成27年度は、平成25年度に採択した22機関について引き続き支援予定。

(科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)
 【先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業】(再掲) 1,159,947千円

  • 「研究基盤を支える人材の育成、確保」について、先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業において、大学・独法等が所有する先端研究施設・設備の産学官への共用を促進するために必要となる研究支援者や技術者等の人材の育成、確保を支援する。また、プラットフォームの連携を強化するために人材育成支援の充実を図る。

(研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当))
 【ナノテクノロジープラットフォーム】(再掲) 1,710,640千円

  • 「研究基盤を支える人材の育成、確保」について、ナノテクノロジープラットフォームにおいて、大学・研究機関等が所有する最先端の研究設備の産学官への共用を促進するために必要となる研究支援者や技術者等の人件費を支援。

【中長期の海外派遣の促進等】

  1. 若手研究者の中長期の海外派遣を支援するため、海外での日本人研究者のネットワーク化や帰国後の活躍の場の拡充等を含めた環境整備を推進することが必要である。また、研究推進事業における審査や評価に、外国の研究機関への若手研究者の中長期派遣を積極的に評価する視点を導入することが考えられる。また、日本滞在経験を持つ外国人研究者や知日派外国人の協力も仰ぐべきである。さらに、科学技術政策の立案に携わる政府や大学、公的研究機関の職員がグローバル化に対応していくことが必要である。

A.具体的取組及び検討状況

(以下、国際戦略委員会)

  • 国際戦略委員会において、激動する世界情勢における科学技術イノベーションの国際戦略に焦点を当て、1)国際的な研究協力、共同研究の在り方、2)国際研究ネットワークの強化、人材育成・確保、3)国際協力による大規模な研究開発活動の推進、4)産学官が一体となった科学技術外交、および5)国別の特性を踏まえた国際戦略の基本的考え方等、第5期科学技術基本計画等に重点的に盛り込むべき事項を中心に取りまとめた。
  • 国際戦略委員会における議論に、外国人有識者1名にアドバイザーとして参画を得ている。

(研究振興局 学術研究助成課)(研究費部会)

  • 科研費改革の基本的考え方と具体的な改革方策等を検討して取りまとめた一定の方向性に基づき、国際共同研究の推進や優秀な若手研究者の相互派遣などによる国際ネットワークの形成など、今後具体的な科研費改革方策を検討。

B.平成26年度予算及び平成25年度補正予算への反映状況

(以下、科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】(再掲) 2,029,973千円

  • 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成できるよう事業を見直し、海外のトップクラスの研究機関と研究者の派遣・受入れも行う大学等研究機関を重点的に支援していくことで、「海外での日本人研究者のネットワーク化や帰国後の活躍の場の拡充等を含めた環境整備」に資する。

 【海外特別研究員事業】(再掲) 2,077,535千円

  • 「海外での日本人研究者のネットワーク化や帰国後の活躍の場の拡充等を含めた環境整備」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供。

C.平成27年度予算案及び平成26年度補正予算への反映状況

(科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(国際担当)付)
 【頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業】(再掲) 1,895,511千円

  • 「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業」において、我が国の高いポテンシャルを有する研究グループが特定の研究領域で研究ネットワークを戦略的に形成するため、海外のトップクラスの研究機関と若手研究者の派遣・受入れを行う大学等研究機関を重点的に支援する。

 【海外特別研究員事業】(再掲) 2,060,064千円

  • 「海外での日本人研究者のネットワーク化や帰国後の活躍の場の拡充等を含めた環境整備」について、「海外特別研究員事業」において、若手研究者に、海外の大学等研究機関で長期間(2年間)研究に専念できるよう支援することで、多様な人材と切磋琢磨でき、また世界第一線で活躍できる環境を提供。

(研究振興局 学術研究助成課)
 【科学研究費助成事業】(再掲) 227,289,000千円

  • 科学研究費助成事業においては、国際社会における我が国の学術研究の存在感を向上させるための国際共同研究や海外ネットワーク形成を促進するための取組を実施予定。

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

学術政策第1係
電話番号:03‐5253‐4111(内線3848)
ファクシミリ番号:03‐6734‐4008
メールアドレス:shingist@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局政策課)

-- 登録:平成27年06月 --