資料6 科学技術・学術審議会基本計画特別委員会における検討状況(概要)

平成17年1月

■ 第3期科学技術基本計画(平成18~22年度)の策定に資するため、昨年9月に科学技術・学術審議会に基本計画特別委員会を設置し、第2期基本計画のフォローアップ、第2期基本計画からの情勢変化、国民・各界からの意見、各種審議会での審議成果等を踏まえ、今春のとりまとめに向けて、精力的に検討を実施

科学技術の戦略的重点化

※次回以降に検討予定

-基礎研究の推進を如何に図るか。また、国家的・社会的課題への新たな取組みとして、「安全・安心の科学技術」や「国として取り組むべき重要な科学技術」が挙げられているが(平成17年度資源配分方針、総合科学技術会議)、これらを踏まえ、如何に重点化を考えるか。

  • 基礎研究の推進
  • 急速に発展し得る領域への対応
  • 国家的・社会的課題に対応した研究開発(重点分野、安全・安心の科学技術、国として戦略的に推進すべき基幹技術等)

科学技術関係人材の養成・確保

研究者の養成と研究環境の活性化

○ 若手に活躍のチャンスが与えられるシステムをつくりあげる

競争性・流動性を原則とした人事システムを構築
 -公正で透明性の高い採用選考の確保と原則公募を促進
 -競争性・流動性を原則とした人事システムを構築若手が任期付で一定期間裁量ある研究を行い、その間の実績について厳格な評価を受けて任期を付さない職(テニュア)に就く取組み(いわゆるテニュア・トラック制)の導入を分野ごとの特性に応じて促進
 -若手へのスタートアップ資金を確保、競争的資金を拡充
 -研究者を志すポスドクはテニュア・トラック(テニュアを取得するための実績を積む任期付の職)の前段階と位置付けて支援
若手研究者が研究に専念できる体制を構築
流動性の素地を確保
 -研究者の新規採用の条件として1回異動原則を奨励
若手研究者の養成のため、大学院教育の質の抜本的向上、博士課程在学者への経済的支援の充実等を推進

○ 多様で優れた研究者の活躍を促進する

 女性研究者の活躍を重点的に促進
 -各機関における出産・育児との両立支援、自主的な数値目標の設定と達成状況の公開を促進
 優れた高齢研究者は、定年後でも競争的資金等により能力を発揮外国人研究者の活躍を促進(※国際活動において議論予定)

社会のニーズに対応する人材の養成

○ 人材養成面での産学官連携を強化する

 大学と産業界が協力関係を築いて人材を養成
 -質の高い長期のインターンシップ、大学での共同教育を支援・促進
 -産学官共同研究への学生・ポスドクの参画を促進

○ 知の活用や社会還元を担う人材養成を推進する

 産学官連携を推進する知的財産・MOT人材、科学技術コミュニケーション人材等の養成を推進、技術者等の社会人の再教育やものづくりに係る学習の振興

○ 博士号取得者の産業界等へのキャリアパスを広げる

 大学院教育の質の抜本的向上、経済的支援の充実等とともに、産業界の努力をも求めつつ、多様なキャリアパス開拓に繋がる環境を整備

次代を担う人材の裾野の拡大

○ 理数好きの子どもの裾野を広げる

 研究者などの顔が子どもに見える機会を拡大
 教員の資質を向上するため、大学の教職課程の教育内容・方法を改善・充実
 体験的・問題解決的な学習の支援、科学館の活動等を推進成人が身に付けるべき科学技術リテラシーの水準・内容の検討を推進

○ 興味・関心の高い子どもの個性や能力を伸長する

 スーパーサイエンスハイスクール等の支援を制度化、高おける工夫・改善を促進

科学技術と社会の関わり

○ 国民意識の醸成と研究者等の社会的役割

 科学技術への理解と共感の醸成に向けた取組み研究者等のアウトリーチ活動、科学技術コミュニケーション人材の養成を推進

○ 倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への対応

 社会との接点で生ずる様々な課題について、社会的影響と適切な対応を明らかにする取組みを推進

○ 社会の様々な要請に応えるための活動の展開

 安全・安心の確保や心の豊かさの向上への貢献

地域における科学技術振興

○ 地域イノベーション・システムの構築と豊かで活力ある地域づくりへ

 より広く長期的な視野で地域における科学技術を振興
国と地域は各々の目的を達成すべく協力・補完しあう関係

○ 各省施策の更なる融合化を図り、技術革新型クラスターを育成

 世界レベルのクラスターに向けては、一定期間後の評価により支援を重点化
 小型でも地域の特性を活かした強みを持つクラスターを各地に育成

研究の発展段階に応じたファンディング・システムの構築

※次回以降に検討予定

-科学の発展と連続的なイノベーションの創出を支えるため多様性を持って確保すべき萌芽段階の研究から、イノベーションにより価値を創出する研究開発までを俯瞰的に捉え、研究の発展段階に応じたファンディング・システムを如何に構築するか。

知の創造と活用の好循環によるイノベーションの創出

○ 産学官の持続的・発展的なパートナーシップを確立する

 産学官連携は持続的な発展を目指し、本格的な実行の段階へ
 従来型の技術移転に加え、基礎から応用まで一貫して産学官が協働で共同研究に取り組む連携を推進
 -10年先をにらんだ融合領域等で研究に取り組むシステムの構築を産学協働で目指す
 大学等と地域の中小企業との間で具体的な技術課題を解決する等、地域貢献型の共同研究を推進

○ 研究成果の社会還元を促進する

 大学等の知的財産の管理・活用体制の整備や特許化を引き続き推進
 大学発ベンチャーの創出を推進するとともに、新技術の事業化など、その活動を振興
 起業マインドを持つ人材の人的基盤形成のための取組みを促進

○ 公的部門における新技術の活用を促進する

 公的部門と研究機関との連携を促進し、調達までを見据えた研究開発を推進
 国が率先して先進的な初期需要者として機能し新市場形成や民間イノベーションを刺激することや、
 研究開発型ベンチャーの能力活用に取り組むことが重要

知識基盤社会の時代における大学の改革

 大学は研究及び人材養成の両面において極めて重要な役割/大学が自らを厳しく変革するとともに社会が積極的に支援する双方向の関係が不可欠/高等教育に対する公的支出を欧米諸国並に近づけていくよう最大限の努力が必要/機関補助と個人補助の適切なバランス、基盤的経費助成と競争的資源配分の有効な組み合わせ(デュアル・サポート)が重要

○ 世界最高水準の大学院を形成する

 大学院教育の質の抜本的向上(実質化)、国際通用性・信頼性の向上等を通じ、国際競争力を強化
ポスト21世紀COEの計画を検討し具体化
博士課程在学者への経済的支援を充実(トレーニーシップ的なグラントなど)
大学院教育の実質化等のための集中的な取組み計画を策定

○ 各高等教育機関の特色に応じた人材を養成する

 各学校種ごとの役割・機能を踏まえた教育や研究を展開し、各学校ごとの個性・特色を明確化
 インターンシップをはじめとする産学連携を活用した人材養成システムの再構築

創造的で質の高い研究開発システムの構築

※次回以降に検討予定

-優れた成果を生み出す研究開発システムを目指し、競争的資金等による競争的環境の醸成や、評価システムの改善による効率的・効果的な資源配分等を如何に進めるか。

  • 競争的資金の改革と拡充、評価システム等

国際活動の戦略的推進

※次回以降に検討予定

-人材や技術など知をめぐる国際競争が激化する情勢を踏まえ、国際活動を如何に推進するか。

  • 国際戦略に基づいた活動の重点的推進
  • アジアにおけるパートナーシップの構築(日中韓パートナーシップの強化)
  • 優れた人材を惹きつけ我が国で活躍することを促す政策の展開

科学技術振興のための基盤の整備

○ 大学等の施設整備

  • 優れた教育研究環境を確保するため、競争的環境のもと重点的・計画的整備の支援を推進
  • 施設の有効活用を目指し、大学経営として施設マネジメントを推進

○ 知的基盤の整備、大型研究施設・設備の整備・共用システムの構築等(※次回以降に検討予定)

お問合せ先

科学技術・学術政策局政策課

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(科学技術・学術政策局政策課)