資料9 五訂増補日本食品標準成分表及び同脂肪酸成分表編について

科学技術・学術審議会
総会(第15回)
平成17年2月8日

 日本食品標準成分表は、わが国における食品成分の基礎データを提供するものであり、各種給食等の栄養管理・指導面はもとより、国民の栄養・健康への関心の高まりとともに一般家庭における日常生活面でも広く利用されている。また、国民健康・栄養調査の実施、食料需給表の作成等の行政面や教育・研究面においても活用されている。
 今回の改定は、国民の脂質の摂取に対する関心が高まる中で、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(平成16年11月公表)において、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸等の目標量が定められる等脂質の質が重要視されてきていることなどの情勢に即し、脂肪酸についての収載食品数を大幅に増加させるとともに、新たにn-3系、n-6系脂肪酸の成分値を収載するなど全面的な改訂を行ったものである。
主要な内容は、以下のとおりである。

1 脂肪酸成分表

(1)収載食品

 五訂増補日本食品標準成分表収載食品1,878品目のうち、脂質含量の多い食品、消費量の多い食品を中心に、第1表脂肪酸組成表について871品目(旧脂溶性成分表471品目)を、第2表脂肪酸成分表について1,263品目を収載した。

(注)今回の脂肪酸成分表編では、従来の総脂肪酸100グラム当たりの各脂肪酸の組成(第1表)に加え、新たに可食部100グラム当たりの成分値(第2表)を収載した。

(2)収載成分項目及び成分値

  1. オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等37(一部食品群については45)の個別脂肪酸を本表に収載した。
  2. 「食事摂取基準」において、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸等の目標量が定められたほか、飽和、一価及び多価不飽和脂肪酸のバランスやn-3系脂肪酸とn-6系脂肪酸の比率が重要であること等から、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に加え、新たに、n-3系多価不飽和脂肪酸及びn-6系多価不飽和脂肪酸についてそれぞれ成分値の合計を示した。
  3. 旧脂溶性成分表収載のビタミンEについては、五訂増補日本食品標準成分表本編に収載した。

2 五訂増補日本食品標準成分表

(1)ビタミンA

1 ビタミンAの摂取量を示す際に用いられるレチノール当量の算定式について、「食事摂取基準」との整合性の確保の観点から、以下のとおり改正した。

増補版 レチノール当量=レチノール2+1/12β‐カロテン当量
旧版 レチノール当量=レチノール+1/6β‐カロテン当量

2 ビタミンAの成分項目にα‐カロテン、β‐カロテン及びクリプトキサンチンを追加した。

増補版 旧版
レチノール レチノール
α‐カロテン  
β‐カロテン  
クリプトキサンチン  
β‐カロテン当量 カロテン(β‐カロテン当量をカロテンと表示)
レチノール当量 レチノール当量

(2)ビタミンE

 ビタミンEについては、その摂取量を示す際に用いられていたα‐トコフェロール当量(α‐、β‐、γ‐及びデルタ‐トコフェロールの成分値から算定される)を収載していたが、食事摂取基準において、α‐トコフェロール当量を用いず、α‐トコフェロールを指標とすることとされたことから、α‐トコフェロール当量を削除するとともに、α‐からデルタ‐までの各トコフェロールの成分値を収載した。

増補版 旧版 (参考)旧脂溶性成分表
α‐トコフェロール   α‐トコフェロール
β‐トコフェロール   β‐トコフェロール
γ‐トコフェロール   γ‐トコフェロール
デルタ‐トコフェロール   デルタ‐トコフェロール
  α‐トコフェロール当量 ビタミンE効力

(3)その他

 脂肪酸成分表編の成分値の検討の結果を踏まえて、脂肪酸成分値の修正を行ったほか、資料の食品群別留意点について収載食品に関する情報の充実を図る等、所要の見直しを行った。

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