第4章 水の特性を生かした様々な活用 1 新しい水処理

1 新しい水処理 東京都立大学大学院工学研究科教授 渡辺 恒雄

1-1 はじめに

 これまでの水処理に求められてきた2つの要件は、第一には利用目的に合った水質を有する水の生成と、第二には自然界への放流用排水としての水質基準を満たす水の生成である。前者は人体に摂取するための上水、後者は河川に放流する下水の処理水である。
 しかし、最近、人間活動の活発な都市部や工場地域では、水の利用法は様々に拡がってきた。また工場排水や産業廃棄物への厳しい監視や、安全な水辺の利用などの立場から、湖沼、河川、海岸、海洋などでの水質が厳しく規制されるようになった。[1]その結果、使用目的に適する水質と水量の確保や、特定地域での水の再利用の拡大が特に必要になっている。このために今後、水の高度な利用、水の再利用、広義の資源利用などの新しい立場からの検討が、次の3つの理由から必要である。

(1)今後も必要な水の絶対量が増加するので、一方向の水の流れを前提にした議論では、従来型の水資源確保の方法論に陥ることになり、水資源総量の飛躍的増加が無い限り解決は困難である。
(2)水の多面的な能力を引き出す技術開発によって、広義の資源としての水の適用範囲を広げることができる。この技術は水量に恵まれた日本にとって非常に有効な技術になり得る。
(3)高度な水利用手法の技術開発と普及拡大は、水資源に恵まれた日本に相応しいだけでなく、飲料水や農業・工業用水の問題で人が住めない広大な大陸奥地の水環境を改善し、地球上の現在の極端な人口配分を均一化でき、世界に貢献できる。

 この様な背景を踏まえ、21世紀に求められる水処理技術の要件として、次の3点が挙げられる。

(a)「環境への負荷の少ない技術であること」
 水の再利用を図るには、大量の薬品使用からの脱却や微生物利用の新展開を図ること。

(b)「処理水が再利用の対象になり得ること」
 リスク管理とコスト管理との立場から評価を行い、再利用を前提とした排水処理技術を開発すること[2]

(c)「水の潜在的能力を引き出した技術であること」
 水が多くの物質を包含する能力を持つことや、物質の三態に応じて、様々な能力を発揮できることに着目した水処理技術を開発すること。

 上記の視点については、看過されて来たのではなく、部分的には下水の再利用などの先駆的試みが既に行われている。[3]しかし大局的には、水の再利用とその重要性は、水資源に恵まれた日本では、社会的な共通認識と支援を得るまでに到っていない。今後は、日本が豊富な水資源を活用できる地勢的条件を活用して国際貢献できる有力な科学技術の重点分野として位置づけ、政策的な支援策の元に科学技術研究の振興が必要である。更に水の処理や再利用は、有用資源の活用の立場からの検討も必要である。
 幸い、最近の水処理技術において2つの新しい傾向が現れて来ている。すなわち、新しい機能を有する水の生成技術の開発と、新しい排水処理技術の開発である。前者については、超臨界水と溶媒としての水が挙げられる。[4]後者については、物理的手法としての磁気分離処理法が挙げられる。

1-2 排水処理の現状と新しい排水処理

 これまでの排水処理では、汚濁物質の物理的性状に応じた個々の処理方式の開発と、それらを組み合わせた装置が実用されて来た。物理的性状で分けると、懸濁物質(100~1μm)、コロイド(1μm~1nm)、溶解物質(1nm以下)に大別される。懸濁物質は沈殿やろ過で分離除去されてきた。コロイドや溶解物質には薬品を注入して化学反応でサイズを大きくして沈殿させる。これを微生物や膜による吸着やろ過プロセスで固液分離する。溶解物質のうち有害物質については、微生物処理の前に分離または無害化措置を施している。また残存溶解物質は最後に活性炭による吸着処理が行われている。
 これらの水処理では、広大な沈殿池、長い処理時間、大量の薬品投入、大量の汚泥発生などの課題を抱えている。さらにこれまでの排水処理では、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)やダイオキシンなどの新しい難分解性物質に対しては、その処理効果は十分でない。これらの課題解決に向けて、様々な技術開発が行われている。例えば、生物処理法では、生物膜法、改良型活性汚泥法、包括固定化法などにより、窒素やリン濃度が同時に低減可能になってきた。また物理化学的処理法では、電解法、晶析法、浮上分離法などによるリン除去、また触媒湿式酸化法によるBODと窒素の同時低減などの技術開発が行われて来ている。さらにオゾンや過酸化水素による強い酸化作用による難分解性物質の分解実験などが挙げられる。しかし、1-1で明らかにした、21世紀に求められる新しい水処理技術の要件を十分に満たす段階には無い。
 本稿では、有力な新しい水処理技術として、強い磁場環境を利用した磁気分離による排水処理技術について紹介する。磁気分離の技術面の特徴は、小型で使い易い強磁場発生が可能な超伝導磁石を用いて、ほとんど薬品を使用せずに、各種の水溶液に対して物理的操作により水処理ができることである。合わせて純粋な物理処理であるので、薬品処理とは違って、処理前後で対象水の水質変化が少ない。その結果、様々な水質の水処理が可能になると共に、処理後の水利用も可能である。この様な特徴は、前項に述べた21世紀の水処理に求められる「環境への負荷の少ない技術であること」「処理水が再利用の対象になり得ること」などの条件を満たしている。なお、超伝導磁石を用いた場合の周囲への磁場の漏れについては、磁石コイルの外側に逆方向に電流が流れる消磁用コイルを設置することにより、磁石本体から約2m離れた位置でペースメーカにも影響を与えない0.5ガウス以下にまで低減される。
 なお、磁気分離処理の要素技術を積極的に活用して様々な新しい水処理技術を開拓する上で重要なことは、対象水を強い磁場で処理可能な状態に引き上げるために、事前に対象水中の対象物質に磁性を与えることである。最近実施された国内の磁気分離についてのプロジェクト研究の成果によって、異なった排水処理に磁性付与法を適用した結果、水質の向上、有用資源の回収、新規排水処理法の開発、新しい水質分析装置の開発、有害物質の除去(地熱水中のヒ素の除去、水中の微量の環境ホルモン)などに成功している。また民間企業でも、磁気分離による水処理技術の開発に着手しており、閉鎖水系で問題となるアオコ除去に成功している。[5]~[9]研究開発の代表的な成果を順に紹介する。

(1)「電解と磁気分離による埋立地浸出水の処理」

(学術振興会未来開拓事業・磁気分離プロジェクト、東京都立大学・神奈川工科大学)
 図1は実証実験装置の外観図である。図2は装置構成と処理過程を示す。前段の電解槽では、鉄電極を用いた電気分解によって水溶液中に鉄イオンが供給されると加水分解を起こし、すぐさま水酸化鉄コロイドが生成される。このコロイドは正に帯電しているため、水溶液中に含まれるマイナスに帯電した有機物などの不純物が電気的に水酸化鉄コロイド表面に引き寄せられて吸着する。また水溶液中のリンとは化学的な結合によりリン酸鉄を生成する。これらの有機物を吸着した水酸化鉄粒子やリン酸鉄粒子は中間の磁気分離処理で磁気フィルターに捕集される。

装置外観「電解と磁気分離装置」の写真

図1 装置外観「電解と磁気分離装置」

電解と磁気分離装置の構成と処理過程の図

図2 電解と磁気分離装置の構成と処理過程

 また磁気分離処理水には、まだ溶解した有機物や窒素および難分解性物質が残っている。そこで、後段の電解槽では、促進酸化法の一つである電気化学的酸化処理を行う。すなわち、発生したOHラジカルによって有機物が分解される反応と、処理水中に塩素イオンが含まれるとHOClの発生が確認されており、NH4との反応によって最終的にはN2放出が期待できる。また環境ホルモンの1つであるビスフェノールAについては、前段の鉄電解による水酸化鉄イオンとの吸着、後段の電極酸化による分解によって、大幅な低減が可能である。
 平成13年9月より12月中旬までの4ヶ月間、東京湾埋立地の排水処理場で、処理水量が毎時100Lの連続処理実験を実施した。処理水の水質は、表1と図3に示す通り、従来の微生物と薬品による処理結果と同等またはそれ以上の水質の改善結果を得た。

表1.浸出水中のCOD, NH4-N, T-N, T-P濃度

CODcr
[mg/L]
NH4--N
[mg/L]
T-N
[mg/L]
T-P
[mg/L]
原水 630 335 363 0.80
鉄電解処理(1)+磁気分離処理水 520 335 363 0.13
電気化学的酸化処理(2)(4.5時間)水 350 212 274 0.12
電気化学的酸化処理(2)(9.0時間)水 200 31.8 80.7 0.10
除去率(%) 68 91 78 88

処理水の脱色効果の写真
図3 処理水の脱色効果
写真
左 埋立浸出水
中央 磁気分離水
右 電気化学的酸化処理水

(2)「メカノケミカル的方法による半導体廃液の磁気分離処理」

(学術振興会未来開拓事業・磁気分離プロジェクト、大阪大学、岡山大学、京都工芸繊維大学)
 太陽電池用のシリコンウエハは高純度シリコンロッドから切断加工されている。この切断は高速度で走る多数のワイヤーにシリコンロッドを押し付けて、スラリー(砥粒と分散液からなる)を供給しながら行われる。切断後のスラリーには、砥粒と共にワイヤーの鉄粉が混ざっている。切断直後のスラリーをそのまま再利用すると、ウエハの加工精度を悪くするため、絶えず新しいスラリーと交換する必要がある。このため、使用済みのスラリーは大量の産業廃棄物となっており、同時にウエハの素材コスト高の一要因となっている。今回は使用済みスラリーに鉄粉が混ざっていることに着目し、磁気分離によって鉄粉を分離除去した結果、スラリーの再利用と産業廃棄物の大幅削減、コスト削減が可能になった。
 この廃水処理システムについて、経済産業省の交付金を得た企業が試作小型実用機を用い、平成13年度に実用化研究が行われた。図4には、スラリーの供給の元でシリコンロッドを高速ワイヤーで切断するシステムを示している。図5には、切断直後と磁気分離処理後のスラリーの色変化が示されている。

シリコンロッドの切断機構の図

図4 シリコンロッドの切断機構

スラリーの色調変化の写真

磁気分離前 磁気分離後
図5 スラリーの色調変化

(3)「コロイド化学的な磁性付与による製紙廃水の磁気分離処理」

(学術振興会未来開拓事業・磁気分離プロジェクト、大阪大学、岡山大学、京都工芸繊維大学)
 製紙廃水に含まれるサイズ剤等の添加剤や染料を高効率でしかも安価な手法により分離除去することは、近年の排出基準の強化に伴う高度排水処理装置の導入を回避し、さらには下水道使用料金の負担増を軽減することにつながるため、現在確立されている古紙再生ルートを存続させるための極めて重要な課題である。
 そこでこれらの問題解決策として、磁気分離法による新たな排水処理法が提案された。対象水の水質に合わせた染料の化学物質にコロイド化学的に磁性付与を行い、磁気分離によって染料の化学物質が効率的に分離除去できる方法である。実験室規模の予備実験では、水質指標のCODが最初200ppmであったのが、排出基準20ppm程度にまで低減された。この方法による実用化研究は、平成13年度からNEDOの事業資金を得た関連企業を支援して装置開発が行われている。目標の指標は、1.工場から排出される排水量に対応可能な高速処理、2.高度処理(CODを20ppm以下)、3.設備投資費が高度処理に比して安価、4.省スペース、5.廃水の処理費用が安価、6.運転に熟練を要しない、7.少ない廃棄物である、などである。
 なお、今後は排水の水質基準が益々厳しくなる傾向にあるので、処理基準の向上と共に製紙プロセス中での処理水の再利用化を視野に入れた研究展開も検討している。

製紙排水の磁気分離処理の図

図6 製紙排水の磁気分離処理

(4)「磁気分離活性汚泥法を用いた余剰汚泥ゼロの都市下水処理」

 (学術振興会未来開拓事業・磁気分離プロジェクト、宇都宮大学)
 100年の実績を持つ微生物を利用した活性汚泥法は、環境負荷の少ない有機排水処理方法である。この方法は、曝気槽で微生物が廃水中の有機物を酸化分解後、最終沈殿池で微生物と浄化された水を分離するため、薬剤などの投入が不要で、低コスト、二次処理として満足できるBOD20mg/L以下の処理水質が得られるなどの利点を持つ。しかしながら、活性汚泥法はバイオリアクターとしての側面も持つため、100g(乾燥重量)の有機物を処理すると微生物は40~70g(乾燥重量)増殖する。増殖分は余剰汚泥と呼ばれ、大量の産業廃棄物発生源となっている。余剰汚泥は肥料などへの再生は困難で、減量化のために大きなエネルギーを消費して脱水・焼却処理をしている。また埋立地に限界が見えて来た現在、活性汚泥法の今後の利用については、技術革新が求められている。
 この立場から新たに開発された磁化活性汚泥法は、余剰汚泥ゼロの排水処理方法として期待されるものである。この新しい活性汚泥法は、微生物の比重が水とほとんど等しく、沈降分離に向いていない事を考慮して、新たに磁気分離法の導入を試みた点に特徴がある。予め一定量の活性汚泥に少量のマグネタイト粉を混ぜ、曝気槽で有機物を酸化・分解後に回転ドラムに巻きつけた磁石シート表面に処理水を通過させると、磁化された活性汚泥はシート表面に付着する。付着した磁化活性汚泥は再度曝気槽に戻されるので、新たな余剰汚泥の発生が押さえられる。

 小規模の実験によれば、活性汚泥用に製作した磁気分離装置は30秒~数分で10g/Lの高濃度汚泥を分離でき、従来の沈降分離より100倍以上高速分離できた。そこで、高濃度汚泥条件で水処理を試みた。100L/d処理できる実験装置を用い、約2年間連続水処理を行った。余剰汚泥の引き抜きを行わなかったが、汚泥濃度は6g/Lまで増加後、一定となった。磁性粉の流出はほとんどなく、強磁性粉も初期投入後は追加の必要がないことが確かめられた。

 処理水の性状は一般の活性汚泥法と同程度で良好な水処理が継続できた。現在、30m3/dの都市下水処理を行えるパイロットプラントを用いた実証実験が進行中である。(図7)

都市下水処理用の磁気分離活性汚泥法の装置の写真

図7 都市下水処理用の磁気分離活性汚泥法の装置

磁気分離活性汚泥法の主な改善点をまとめると次のようになる。

  1. 余剰汚泥のゼロエミッション化が可能となった。
  2. 運転条件が広範囲に許容できるようになり、維持管理が簡略化された。
  3. 磁気分離法は高速・確実なため固液分離施設スペースが大幅に縮小できた。

(5)「コロイド化学的磁性付与方法と磁気分離による地熱水無害化」

(物質・材料研究機構マルチコアプロジェクト、岩手県地域結集事業プロジェクト)
 このプロジェクトでは、小型軽量のBi2223超伝導磁石を岩手県雫石町葛根田渓谷の地熱発電所近くに持ち込んで、処理水量約1トン/時、印加磁場1.7Tの条件で浄化処理実験が行われた。この場合の前処理は、反磁性物質のヒ素に化学的に磁性付与を行っている。実験の結果では、90℃以上の地熱水中のヒ素濃度約4ppmを0.01ppm以下にまで減らすことに成功し、排出基準の0.1ppmはもちろん環境基準0.01ppmをクリヤーしている。この研究プロジェクトでは、将来の高温地熱水の利用に向けて、設備規模とランニングコストのより一層の低減を目指した研究開発に取り組んでいる。
 また環境ホルモンの除去研究にも取り組んでおり、表面を疎水処理した磁性粒子を水中に供給し、その表面に環境ホルモンを吸着するシステムを実証した。希薄なノニルフェノールとビスフェノールAを含む水については処理後の残留濃度を元の1/10にまで低減したと報告されている。この実験では、吸着された環境ホルモンはアルコールなどの有機溶剤で濃縮脱離できること、磁性粒子は再利用が可能であることなども確認されている。

水中の環境ホルモンの除去用磁気分離実験装置の図

図8 水中の環境ホルモンの除去用磁気分離実験装置

(6)「湖沼・ダムのアオコ除去用高温超電導体利用の磁気分離処理装置の開発」

(九州電力株式会社、日立製作所機械研究所)
 湖沼や河川のアオコや有機物の高速除去を目的として、膜分離と磁気分離とを組み合わせた水浄化装置を開発した。動作概要は次の通りである。1被分離対象物質と磁性粒子とを結合させ、磁性フロックを生成する、2磁性フロックをメッシュ間隔数十μmの膜でろ過する、3膜面から磁性フロックを磁気力で脱離させる。図9に動作原理図を示す。
 この装置では、真空容器に封入された高温超伝導バルクが3.2Tに着磁されており、広い空間に強い磁界を作用させている。この装置により、アオコの浄化実験を行った結果、除去率は、アオコの主成分クロロフィルaについて94.2パーセント、原水中の浮遊粒子については96.4パーセント、リンについては93.9パーセントであり、十分に使用可能であることを確認した。
 また、この浄化装置をトレーラに搭載して移動式の水浄化装置として使用する計画がある。(図10参照)

高温超伝導磁石利用の排水処理の図

図9 高温超伝導磁石利用の排水処理

トレーラ搭載型排水処理装置の図

図10 トレーラ搭載型排水処理装置

4.まとめ

 本稿では、21世紀に求められる水処理の必要要件を明らかにすると共に、新しい水処理を展望した。未来技術として有望な物理的な手法による、新しい機能を有する水の生成、環境負荷の少ない排水処理の研究開発の現状を紹介した。これらの新しい水処理技術は、従来の微生物や薬品の大量投与に頼らない方法であり、21世紀の新しい水環境のそれぞれの分野で発展が期待される技術の有力な候補である。
 しかし、その他の水処理技術も含めた21世紀型水処理技術は、実用の可能性を秘めているとは言え、その研究開発活動はまだ始まったばかりである。実用技術としての完成には、これらの研究開発活動に対する国の強力な支援が必要不可欠である。文部科学省による大学・国立研究機関への研究支援、あるいは経済産業省による民間企業への技術開発支援などがなければ、今やっと育ちはじめた新しい水処理技術の芽を実用化という大樹にまでにすることはできない。
 その為には、各分野での水処理に対する啓蒙活動と要望調査を行い、今後の水処理への課題を整理することが重要になる。また具体的な水処理方式の開発研究と同時に、水分子単独、水分子クラスター、水溶液、などの様々な状態での基礎的な観察や分析が必要になる。これらに必要な分析機器が高価なことや、テーマによっては必要な機器が開発されていないことなどの事情があるので、科学技術の基盤確立に必要な機材を整えることも重要である。また科学的見地に基づく水処理技術を開発するには、財政支援の他に、産学の関係者が協力して新たな測定機器や分析装置を開発することも必要である。また、水の潜在能力を引き出す技術を開発する上で、様々な分野の研究者の協力も不可欠である。このためには分野横断的な新しい研究組織が必要である。

(参考文献)

[1]水質汚濁防止法(平成13年改訂)
[2]中西 準子「水の環境戦戦略」岩波新書(新赤本)324
[3]高橋 裕編「首都圏の水」東京大学出版会 1993年初版
[4]都田 昌之「初歩から学ぶ機能水」工業調査会 2002年初版
[5]渡辺 恒雄「強磁場下の磁気分離による環境改善と資源循環利用」平成11年度開始日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業プロジェクト・パンフレット」1999年
[6]渡辺 恒雄「最近の磁気分離研究の状況」電気学会マグネッテイックス研究会資料 MAG-02-54、2002年4月
[7]小原 健司、ほか「超伝導磁気分離システムの開発」応用物理、第71巻、第1号、pp.57―61,2002年1月
[8]「磁気分離研究開発に関するワークショップ成果報告集」独立行政法人・物質材料研究機構 材料研究所 強磁場研究グループ2002年3月発行
[9]林 秀美、ほか「モービル型磁気分離装置の設計」第6回新磁気シンポジウム予稿集、pp.35,2002年11月

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