資料1-3 宇宙開発利用の推進体制について
<内閣府設置法等の一部を改正する法律案の概要(宇宙関連部分)>
< 背景 >
- 宇宙開発利用体制については、平成20年5月に議員立法により宇宙基本法が制定されたことを契機として、宇宙開発戦略本部において議論が積み重ねられ、平成23年9月に方向性が閣議決定された。
- これを踏まえ、宇宙開発利用体制の整備として内閣府に宇宙政策の司令塔機能等を整備する法案を、内閣官房の主導の下で今国会に提出することとなった。
1.内閣府の所掌事務の追加
内閣府に以下の所掌事務を追加する。
- 宇宙開発利用の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な政策に関する企画及び 立案並びに総合調整
- 宇宙開発利用に関する関係行政機関の事務の調整
- 宇宙開発利用の推進(他省の所掌に属するものを除く。)
- 多様な分野において公共の用又は公用に供される人工衛星等(実用準天頂衛星システム等)の整備及び管理 等
2.内閣府における宇宙政策委員会の設置
- 宇宙開発利用に係る政策に関する重要事項、関係行政機関の宇宙開発利用に関する経費の見積りの方針に関する重要事項等の調査審議 等
- 内閣総理大臣又は関係各大臣に対する意見、勧告
3.独立行政法人宇宙航空研究開発機構の見直し
- 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の目的規定における平和利用に関する記述を宇宙基本法と整合的なものとする。
- JAXAの中期目標の策定に当たっては、宇宙基本計画に基づくこととする。
- 主務大臣は、関係行政機関の要請を受けて、我が国の国際協力の推進若しくは国際的な平和及び安全の維持のため特に必要があると認めるとき又は緊急の必要があると認めるときは、JAXAに対し、必要な措置をとることを求めることができるものとする。
- JAXAの業務として、人工衛星等の開発、打上げ、運用等の業務に関し、民間事業者の求めに応じて援助及び助言を行うことを追加する。
- 主務大臣として以下の大臣を追加する
○内閣総理大臣(人工衛星等の開発等の業務(宇宙科学に関する学術研究のためのものを除く)であって宇宙の利用の推進に係る部分)
○経済産業大臣(3.(2)に係る部分)
- 政令により、個別プロジェクトに応じ主務大臣を追加する仕組みを導入する。 等
4.宇宙開発委員会の廃止
文部科学省の宇宙開発委員会を廃止する。
(参考)
宇宙空間の開発・利用の戦略的な推進体制の構築について
平成23年9月30日
閣議決定
宇宙空間の開発・利用の戦略的な推進体制を構築することは、我が国の宇宙政策にとって積年の課題であり、宇宙基本法の理念に基づいて早急に取り組む必要がある。そのため、以下の考えに沿って検討を進め、スクラップアンドビルドを前提に、内閣府に我が国宇宙政策の司令塔機能と準天頂衛星システムの開発・整備・運用等施策実施機能を担当する体制を構築するために必要な法案等を次期通常国会への提出を目途として準備する。
- 「宇宙庁(仮称)」的な一元化ではない形で実効的な宇宙開発利用体制を構築すること。なお、宇宙庁については、科学技術・イノベーション政策の検討とも連携しつつ、将来的な課題として引き続き検討する。
- 宇宙政策において内閣府の司令塔機能と準天頂衛星システムの開発・整備・運用等実施機能を行政組織のどのレベルで切り分けるかについては、中立公正の要請及び組織の肥大化防止の要請を踏まえた実効的な宇宙開発利用体制の構築に向け検討を行うこと。
また、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の主務省については、これまでの文部科学省による監督実績及びその予算の大部分を文部科学省が支出していることを尊重しつつ、宇宙開発戦略本部を支える内閣府が司令塔機能の実効性をどのように確保するかについて検討を行う。
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