令和7年3月27日(木曜日)13時00分~15時00分
文部科学省3階3F1特別会議室及びWeb会議形式
大野会長、上田会長代理、網塚委員、五十嵐委員、上田浩史委員、大須賀委員、大竹委員、梶田委員、川辺委員、木部委員、久保田委員、佐伯委員、佐藤委員、鷹野委員、高橋委員、 田中委員、寺井委員、仲委員、中北委員、原田委員、日野委員、深見委員、水本委員、宮澤委員、明和委員、山崎委員、相澤委員、狩野委員、菅野委員
増子文部科学審議官、坂本サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官、井上科学技術・学術政策局長、髙谷大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、先﨑科学技術・学術総括官、藤原研究開発戦略課長、髙橋政策課資源室長、奥人材政策課長、野田研究環境課長、伊藤科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)、千原科学技術・学術政策研究所所長、岡部科学技術・学術政策研究所企画課長、塩見研究振興局長、生田振興企画課長、助川学術企画室長、中澤基礎・基盤研究課長、柳澤大学研究基盤整備課長、清浦審議官(研究開発局担当)、中川海洋地球課長、ほか関係官
○会長には、科学技術・学術審議会令第4条第1項の規定に基づき、委員が選挙した結果、大野委員が選任された。
○会長代理は、科学技術・学術審議会令第4条第3項の規定に基づき、大野会長が上田委員を指名した。
※事務局から、科学技術・学術審議会に置く部会及び委員会(案)について説明があり、了承された。
【大野会長】 それでは、議事を進めさせていただきたいと思います。
初めに、増子文部科学審議官から御挨拶をお願いいたします。
【増子文部科学審議官】 皆さん、改めまして、文部科学審議官をしております増子でございます。何とぞよろしくお願いします。まず、本日の総会に当たりまして、事務局を代表して一言挨拶をさせていただきます。
まず、委員の皆様におかれては、大変多忙なところ、委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。今期は審議会の委員の約半数の方々に新しい方をお迎えしたところでございまして、先ほど選出された大野先生の下でいろいろ調査審議していただけたらと考えております。申すまでもありませんが、科学技術・イノベーションというのは、社会課題の解決とか経済成長の源泉となるものでございまして、そういう観点からも様々な御意見を賜ればと思っております。それから、今年は科学技術基本法が制定されて、初めての第1期の科学技術基本計画が策定されて、ちょうど30年たつ年でございます。そういう中で、現在、政府内では、次の第7期の科学技術・イノベーション計画を策定すべく、検討に、もう既に入っております。特に重要な柱というのは、やはり研究力をいかに強化していくか、そして優れた人材をいかに育成していくか、これは非常に重要でございますし、併せて基礎研究の成果をしっかりとイノベーションにつなげていく、そういう施策。それから、現在第6期の最終年なのですが、第6期で非常に重要視されたのが経済安全保障です。そういう視点についても含めて、今、政府内で検討しておりまして、来年度、まさに来年の3月までには新しい基本計画を閣議決定すると、そういう段取りですので、この総会でもそういう視点も含めて、様々な観点から忌憚のない御意見をぜひとも賜ればと思います。
簡単ですが、以上でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、会長就任に当たりまして、私からも一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
科学技術は、社会を豊かにするとともに、各国では競争力の中心に位置づけられております。そういう意味で、ここで議論されることは、日本の将来を決め、かつグローバルな中での日本の立ち位置も決まってくる、そういう位置づけになると思います。特に、今お話ありましたけれども、科学技術・イノベーション基本計画の第7期が今、議論され始めたところでありまして、私たちとして、科学、技術、そして学術の現場の在り方、意見をここにインプットしていく、そういう役割もこの総会にございますので、皆様のお力添えと積極的な御参加をよろしくお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは次に、上田会長代理からも御挨拶をお願いしたいと思います。
【上田(輝)会長代理】 会長代理として参画させていただくことになりました上田でございます。私自身は島津製作所に勤めておりますけども、科学技術とはかなり深い縁がありまして、明治初期の日本の近代化、これは科学技術がどんどん進化していく時代でした。その中で、科学技術で社会に貢献するというのが社是になっておりますけども、やはり科学技術をさらに進化していくためには、先ほどもお話がありましたけども、研究力をいかに強化するか。それともう一つ、教育という観点でも、いろんな人を育成していく必要があると思っています。
これまでは科学技術イコール理科系というようなイメージもありましたけども、やはりこれからは総合力、総合知ということを考えますと、人文社会系の方々との協働、あるいは理系と企業、大学、研究機関、こういうところがまさに一致団結して日本の科学技術力を高めていくということが重要になってくると思いますので、今、世界全体が大きく変化している中で、日本の存在感を高めていけるような取組にしていければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、ここでプレスの方は退室をお願いしたいと思います。どうもありがとうございます。
(報道関係者、一般傍聴者退室)
【大野会長】 では、議事を再開させていただきます。
議題3及び4は、まとめて議論をさせていただきたいと思います。議題3は、第13期の調査審議事項についてです。まずは、事務局から第13期の調査審議事項について御説明いただき、その後、議題4の最近の科学技術・学術の動向についてということで、先ほどからお話が出ました第7期の科学技術・イノベーション基本計画策定に向けた動向について御説明をいただきます。その後、両方まとめて意見交換を行いたいと思います。
それでは、調査審議事項について、伊藤科学技術・学術戦略官から説明をお願いいたします。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 それでは、通し番号10ページをお願いします。資料3―1でございます。
こちらにおきまして、審議会における今期第13期の主な検討事項を整理させていただいております。大体、総会の下に設置してある分科会等の会議を中心に整理しているものでございます。
まず研究開発評価ということで、研究開発課題を中心に評価を引き続き推進していくということでございます。それから、日本食品標準成分表の見直しということ。基本計画第7期についてこれから策定作業が進んでいきますけども、そういった計画の状況を踏まえた学術研究の振興全般についての検討。
次に、各対象事項に関する重点戦略とか計画とか、そういったものに基づいて、海洋科学技術、あるいは地震火山観測研究、こういったものの取組を進めていくこと。それから、技術士制度の改革ということで、こちらについては参考資料2にも載っていることでございます。
それから、基礎研究の振興ということで、戦略的創造研究推進事業などの個別施策に基づく取組とか、社会的意義や価値についてこれから検討していくということでございます。また、先端研究施設や設備等の整備・共用・高度化ということで、先ほど部会について審議事項の変更がございましたが、そういった取組を進めていくということ。
それから、研究成果の普及・活用の促進ということで、産学官共創の拠点形成や大学発スタートアップ、地域における科学技術の振興といった検討を行っていくということもございます。
11ページを御覧ください。こちらは生命倫理関係でございまして、人を対象とする生命科学・医学系研究指針について見直しを行う予定でございます。また、多様な研究大学群の形成ということで、先ほどもちょっと話がありましたが、国際卓越研究大学制度とか、あるいは地域中核・特色ある研究大学、こういった取組なども行っていくということでございます。
また、国際戦略の重要性、先ほど文部科学審議官のほうからも話がございましたが、開放性を持った形での研究環境とか国際連携の強化、こういった取組の議論を行っていくということ。それから、DX、オープンサイエンスなどの対応ということで、情報化への取組。そして人材政策ということで、これは研究開発マネジメント人材なども含めたものとして総合的に取り組んでいくことを予定しているところです。
以上です。
【大野会長】 ありがとうございました。
次に、藤原研究開発戦略課長から、第7期の科学技術・イノベーション基本計画策定に向けた動向について説明をお願いいたします。
【藤原研究開発戦略課長】 ありがとうございます。先ほど増子から申し上げましたけれども、現在、科学技術・イノベーション基本計画の次期の策定に向けての動きが進んでおりますので、こちらの状況につきまして御説明をさせていただきたいと思ってございます。
資料4―1、通しページでは15ページになります。こちらは内閣府が作成している資料でございますけれども、基本計画についてまとめられておりますので、最初にこちらを使って状況の御説明をいたします。
「科学技術・イノベーション基本計画について」というページがございますけれども、こちらは科学技術・イノベーション基本法という法律に基づきまして、5年ごとに策定をしています。この中では、政策の方向性や、政府が取り組む施策を整理しております。下のほうに、第1期から第6期まで、過去30年にわたります基本計画のポイントというものを紹介させていただいております。当初、予算の拡充というところから始まりまして、第4期では、2011年ぐらいですけれども、社会実装というところの重要性をより明確にさせた上で、第5期、第6期はSociety5.0という社会像を描くというような形で進んでまいりました。第6期は、来年度が最終年度となってございます。
次のページが現行の第6期基本計画の概要でございます。こちらは、繰り返しですけれども、Society5.0の実現に向けての5年間の施策の整理でございます。我が国が目指す社会として、国民の安全・安心の確保を実現する持続可能で強靱な社会と、それから、一人一人の多様な幸せ、well-beingが実現できる社会というのが目指すべき社会として描かれております。
これを実現するためにということで、下の3つの箱が、具体的な取組が書いてあるところであり、本当に要素、項目でございますけれど、持続可能で強靱な社会への変革では、サイバー空間とフィジカル空間の融合、その他ここに記載のものが位置づけられておりましたし、また、知のフロンティアの開拓・研究力の強化では、多様で卓越した研究を生み出す環境であったり、研究システムの構築といったことが述べられております。また、教育・人材育成のところも、STEAM教育も含めまして記載がされてきたところでございます。
1枚、「現状」のページは、申し訳ございません、ちょっと飛ばさせていただきまして、通しで19ページ、次期基本計画の政府全体での検討状況でございます。こちらは先ほどもお話の中にありましたとおり、昨年末から検討が始まっております。上半分のところが次期に向けての想定される論点ということで、内閣府のほうで整理をしたものでございますけれども、大きく3つの柱で整理をされてございます。1つが国力の基盤となる研究力の強化・人材育成という柱、それから、2つ目が社会変革を牽引するイノベーション力の向上という柱、3つ目が経済安全保障との連携という柱、この3つを挙げまして検討が進められております。
下半分にスケジュールがございますけれども、昨年末の検討開始から、これまで大体月1回程度、内閣府のほうで基本計画専門調査会という会議が開催されておりまして、これまで、目指すべき社会像ですとか、先ほど挙げました論点それぞれにつきまして、テーマを決めて検討が進んできております。こちらは検討を引き続き進めた上で、今年の夏頃に中間取りまとめ、年末を目途に素案をまとめて、来年3月に閣議決定を予定していると、こういった全体スケジュールで動いているところでございます。
そのうち、2月25日に開かれました基本計画専門調査会のテーマが研究力の強化と人材育成でございまして、こちらの会で文科省から、文科省の検討状況をプレゼンする場がございました。その資料を4―2としてつけておりますので、簡単に御紹介させていただきたいと思ってございます。
通し番号21ページは、先ほどSociety5.0という話をさせていただきました、こういったことを目指してきましたということですので、すみませんが説明は省略をさせていただきまして、22ページ、我が国が直面する未来社会、文科省ではこのように理解しておりますという整理のペーパーになります。Society5.0の実現は道半ばであるとか、国際情勢、社会構造の変化が加速している中で、また、先行き不透明で将来の予測が困難な時代において国民の不安が高まっているというような状況があるということ。科学技術的な観点でいいますと、基礎研究と経済社会活動の距離が近接しており、研究の成果が社会実装されるまでの期間が短縮されているという傾向にありますということ。それから、経済安保の重要性が高まる中、科学技術・イノベーション政策との連動を強化していく必要があるのではないかということ。あるいは、今後の経済社会活動の主役となることが予想される先端技術について、その組合せや融合といったことも重要性を増しているというような状況、こういったことを御説明した上で、これまで以上に科学技術・イノベーション力というのが国力に直結する時代であるとまとめさせていただきました。
では、科学技術・イノベーションに求められる役割と、それから研究者が生み出す「知」がどういった関係にあるかを簡単に整理したのが23ページでございますけれども、資料の真ん中辺りを御説明いたします。頑強な国力につながる各国がしのぎを削る重要分野という観点においても、また、先ほど申し上げました予期せぬ未来という中で、今後重要になり得る分野ということにつきましても、いずれも優秀な研究者の知的好奇心に基づく研究、そこから生まれる「知」というのが芽になっていくということ、こちらを私どもは訴えてまいりました。この芽をもちろんイノベーションにつなげるということも大事ですけれども、豊富にその芽を生み出し続ける、こういったことが重要なので、そのためのパフォーマンスを引き出す、これが研究力につながっていくということを説明させていただいた次第でございます。
24ページ目は繰り返しになりますけれども、その科学技術・イノベーションの全体像の中で、「知」を得るエコシステムということを我々しっかり強化していくこと、エコシステムの活性化ということが喫緊の課題であると申し上げた上で、その際、戦略的な国際連携、経済安全保障の観点、「知」の価値化、こういったことも併せて強化していく必要があって、全体を通じて我が国の研究力を強化していくという御説明をさせていただいたところでございます。
次のページは現状ということで、ごく一部ではございますけれども、我々が考える我が国の現状と課題の部分を少し御紹介しております。すみません、こちらは時間の都合上、省略させていただきます。
また、課題は先ほどのとおりですけども、次のページにありますように、こういった課題に対応する取組というのは文科省も進めてまいりました。左上のほうから、例えば国際卓越研究大学、J―PEAKSといったような支援を開始してきた、あるいは経営体としての大学を後押しするための規制緩和の推進といったようなことにも取り組んでまいりました。また、右上に参りまして、創発的研究支援事業に代表されますように、安定的な研究資金と研究に専念できる環境の提供を実現し、結果としてですけれども、研究時間活動割合が、この事業を受けている研究者は高くなっているということも成果としてはございます。また、左下に参りまして、人材の育成・活躍というところでは、博士人材活躍プランを策定して、目標を設定して取組を進めてきたりですとか、大学の「知」を価値につなげるというところについても、計画に基づき取組を進めてきているところでございます。こういった取組を私どもは進めてまいりました。
では、今後はどうしますかということで、研究力強化に向けてということで、この後、資料3ページぐらいございますけれども、28ページを中心にお話をさせていただきたいと思います。大きく5本の施策ということで御提案を差し上げた次第でございます。
1つが施策1というところですけれども、先ほど述べましたように、優秀な研究者の知的好奇心に基づく研究によって得られる「知」が豊富に生み出され続けるようなエコシステムの活性化ということでございまして、例えば、高度かつ高効率な研究環境の実現による研究パフォーマンス最大化といったこと、それから、基盤的経費、科研費等の十分な確保といった取組が重要であるというお話をさせていただいております。特にここの部分につきましては29ページに、より細かく書いております。こういったものも使いながらでございますが、例えば組織・分野の枠を超えた研究ネットワークということでして、上の箱の下の部分でございますが、研究インフラ、研究データ、それから支援機能、人的資源、こういったものを最適に集約し、そしてそれを開放していくプラットフォームを実現していくということ。これを組織、分野を超えて、オール・ジャパンで活用することで、国全体としての研究パフォーマンスの最大化を図ることが重要であるといったようなことをお話しさせていただきましたし、また、下の2つの箱ですが、研究に邁進できる研究環境、それから、挑戦的な研究を後押しする投資の拡大・充実といったところも一体的に取り組んでいく必要があるということを申し上げました。また、中央にありますとおり、これの基盤といいますか、エンジンといいますか、こういったところは研究基盤の維持・強化、具体的には基盤的経費、科研費等の十分な確保、そしてこれによって研究環境のこれ以上の弱体化を防いでいくことが必要であるというものであり、こういった取組を施策1として御紹介したところでございます。
すみません、ちょっと時間の都合で、大分スピードアップさせていただきますが、施策の2つ目が科学技術人材の育成・確保、それから活躍の促進に向けた取組の抜本的な強化ということで、研究者のみならず、技術者、マネジメント人材等を含めまして、処遇改善、活躍促進といったような取組が大事であるということ。施策の3つ目が国際でございますけれども、グローバルな優秀な人材を惹きつけるということと、我が国の研究者が国際的な研究ネットワークに参画できるような、そういった国際連携の強化。そして、右上に参りまして施策4でございますけれども、研究セキュリティーの確保、そして、確保によって安心して研究に取り組める環境の構築、それから、国家として重要な、ここでは例としてAI、量子、マテリアル、そういったものを挙げておりますけれども、こうした重要分野への研究開発投資の拡大の重要性。そして最後、施策5でございますけれども、社会ニーズを踏まえて「知」を創造するということと、得られた「知」を価値化する能力を、大学、そして国研というところで持っていく、そのための施策の必要性といったところ、こうした5本柱で文科省の考え方を御紹介させていただいたところでございます。
30ページ以降は具体的な取組のイメージということで、施策の取組の例を挙げております。こちらにつきましては今日は説明を省かせていただき、また今後も引き続きブラッシュアップしていくところではございますけれども、前期の総会においてこのような考え方をお話ししましたときに、例えば、研究インフラに関することですとか、それから人材に関することといったことで御意見を頂戴しております。こういったものも踏まえながら、今後引き続き、この取組の部分をブラッシュアップしていきたいと思ってございます。
簡単ですが、私からは以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。ただいま、伊藤戦略官、そして藤原課長から御説明いただいたところです。
この件においての意見交換が今日の最大の目玉でございまして、この資料、あるいはそれに加えて今期第13期の調査審議事項、さらには科学技術・学術振興の在り方について、皆様と意見交換をさせていただきたいと思います。御質問、御意見などがあればお願いいたします。
途中で退室されると伺っています仲委員から御意見を伺うところを始めたいと思いますけれども、皆様から1回は発言いただけるように議事進行したいと思います。その意味で、恐縮ですけれども、1回の御発言を2分、あるいは長くても3分ということでお願いしたいと思います。
仲委員、よろしゅうございますか。
【仲委員】 ありがとうございます。今日、後の会議がなくなりまして、ずっといさせていただきますけれども、それでは最初に申します。
包括的な幅広いビジョンをお示しくださいまして、どうもありがとうございます。本当にこの方向で進めていければいいなと思っています。
私の観点から申しますと、1つは、やはり若手人材育成、特に女性研究者を――女性という名前をつけるのもどうかと思いますけれども、ダイバーシティーを広げて、STEAMなどから始めて、5年、10年たつと人材が育ってくるわけですので、小・中学校から理科系、文科系に分けてしまうことなく、人材育成、研究者を育てていく、特に数が少ない女性研究者を育てていく、ということがあろうかなと思います。
もう一つ、人文社会ということで申しますと、特に、裁判記録であるとか、あるいは福祉に関わるいろいろな記録、これらは未来を見据えて政策などをつくっていく重要なデータだと思うんですけれども、当然のことながら、個人情報がたくさん入っているということで、研究資料としては使えないということがあるわけです。研究者が苦労して、関係性を作り上げ、やっと少し、みたいなこともあるわけです。これを、もうAIの時代ですし、個人情報の処理など、匿名化処理なども今進んでいるところですから、進めていただいて、倫理に抵触しないような形で、大量の裁判、福祉、聴取等のデータを使えるようになるといいなと、ほかの分野でも同様のことがあろうかと思いますけれども、思うところです。この2点、申しました。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、ほかに御発言いかがでしょうか。
日野委員。
【日野委員】 日野でございます。それでは、2つお願いがあって、発言します。
28ページの資料で掲げていただいている5つの施策の中で、1つは施策の1、この中で、めくって次のページですけれども、研究基盤の維持・強化というのがございます。この維持・強化というのは非常に重要で、特に、私、地球科学をやっていますが、地球科学というのは相手が非常に息の長いものですから、今までやってきた観測研究、観測そのものをずっと維持していく必要があります。ですが、一方で最先端の技術が必要で、その観測を支えている最先端の技術が実は今、失われようとしている。今までできていたもの、かつて日本国内で作れた装置が、もう今は作れない、そういうような危機的状況にあるということもまたあります。これは決して地球科学だけではなくて、いろんな分野で実はそういうことが起こっているのではないか。
その意味では、施策の別のところにも技術を守るというのがございますけれども、それは流出を防ぐのではなくて、今持っている能力をきちんと維持する、そのための仕組みを確保するというのは、本当に今の日本の科学技術にとって非常に重要なところであって、そこはぜひ強調していただきたい。今この施策の中で読めるものですので、ぜひ重点を置いて強化いただきたい、あるいは現場の声に耳を傾けていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大野会長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
今、手が挙がっていますオンラインで原田委員、お願いいたします。
【原田委員】 原田です。今、南極からですので、ちょっとネットワークが脆弱で申し訳ありません。私からは2つ、意見を述べさせていただきたいと思います。
資料の3―1、10ページ目ですけれども、今、1つ前の御意見にもありましたように、最先端の日本が持つ技術が失われつつあるというのは、私自身、海洋分野でも大変危機感を感じています。そういう点においても重要になってくるのが、いかに研究費等を効率よく使っていくかということかと思います。
10ページ目の最先端研究施設の共用・高度化というところで、これも大変すごくいいなと思っていまして、R7年度の科研費でも導入されていく先端技術機器・設備共用化が促されていく点です。この点は競争的資金の有効な活用という点でもとてもよいことだと思いますし、装置にとっても、常に稼働している状況というのは、装置の寿命を延ばすという点でも大変よいことかなと思いますので、こういったところからまず始めていただいて、研究資金を他の先端的な研究設備の開発に振り分けられるようにということを私も希望いたします。
それから、19ページと28ページに出てきています経済安全保障との連携、こちらも重要な視点と思います。ただ一方で、やはり経済的な発展ばかりに価値を置くようにも聞こえてしまいがちですので、安全保障の観点では、例えば気候変動への対策、対応ですとか、それから食料といった点も重要かと思いますので、こういった多様な価値を認めて、多面的にバランスよく科学技術の推進をしていく、そういうことも重要ではないかと考えております。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、オンラインで中北委員、お願いいたします。
【中北委員】 どうもありがとうございます。中北です。よろしくお願いします。
私のほうは、どちらかというと気候変動関係で少し、今までの議論とも併せてお願いができればと思います。文科省のほうでは、この資料の中では気候変動、ちらちらとあるんですけれども、これからの難儀さを考えると、もう少し深くというか、もう少しちゃんと幾つか書いてあったほうがいいかなと。ゼロエミッション、再エネとかはどちらかというと緩和のほうですけれども、緩和が成功しても、温暖化の影響はかなりこれから深刻になるということで、今お話ありました対応、適応に関することとして、気候変動の影響の将来予測、気温だけではなくて、豪雨であり、災害に関するもの等の基礎的な予測技術の開発というのは大事なものとして考えていただく、挙げていただくというのが大事であるとともに、適応に関しては各省庁関連にはなると思いますけども、そこのまたハブとして、この中に大事なものとして考えていただければと思います。
それから、もう1点だけですが、同じ気候変動絡みですけれども、先ほどおっしゃられました観測技術、これは日本がリードしていって、世界に広めていくというのは非常に大事なことだとずっと認識しています。我々の分野としては、豪雨が激しくなる中、例えば豪雨の気象レーダー観測であり、それから、まだまだこれからの時代になりますけども、温暖化で増える水蒸気をしっかりリモートセンシングで観測できて、それがさらにいろんな実践、応用に役立つ、そういう技術も併せて開発していくと、そういうところは非常に大事だと思いますので、いろんな掛け声、こういう文面の中でも御配慮いただければと思います。
以上でございます。どうもありがとうございました。
【大野会長】 どうもありがとうございました。それでは、ほかにいかがでしょうか。
大竹委員。
【大竹委員】 御説明いただきまして、ありがとうございました。私も2点申し上げたいと思います。大竹でございます。
1点目はP23で、やはり知的好奇心というキーワードが入っているのは非常に重要なところだなと思っていて、この知的好奇心に基づく研究を大切にしていくというスタンスは我々が忘れてはいけないところかなと思っている中で、できれば第7期の間に科研費が充実していくと、非常に国のためにいいのかなと思っているところであります。
もう一つは、28ページ、先ほども言及がありましたけれども、研究セキュリティーのところで「国家として重要な技術分野への研究開発投資を拡大する」というところが太字になっていて、確かにこれは重要なことだと思います。その中で、ここに記載されているAIとか、あるいは量子、マテリアルといった顕在化している重要な分野というのは、もちろんこれは皆さん納得するところだと思うんですけれども、その次のものというのは何なのかと、そこが実は半分ぐらい重要なところなのかなと思います。つまり、この重要な研究技術分野というのを誰がどう決めるのかというところについての戦略が、日本にとってまた重要なところなのかなということは申し上げたいと思います。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
寺井委員、お願いします。
【寺井委員】 ありがとうございます。私は科学技術人材の育成の施策のところで、通しページで33ページです。ここで「技術者」という用語を使っていただいているんですが、この具体的取組のイメージの2つ目のポツです。ここで見ますと、大型研究施設や先端計測・分析のための技術者をイメージされていると思います。その文脈で技術士制度の活用となっておりますので、少し限定的かなと思います。重要なのは、やはり研究開発成果を社会実装する上で技術者がしっかり働くんだと、そういう位置づけであるはずでございますので、研究力強化のためのエコシステムというのを前段で提案されておりますけども、研究者と技術者をつなぐ、あるいは相互乗り入れしていくようなエコシステム、こういったものを少し構築していくというような視点も必要なのかなと思いました。
もう1点は、その下の34ページですが、ここで研究者が遵守すべき規範等の整備・推進ということで具体イメージを書いていただいています。公正な研究活動推進というのは基本であるということは間違いない、当然なんですけども、今日的に研究者とか技術者が求められる倫理ということでいきますと、やはり高度に発達した科学技術を用いた我々人類の行為の結果が、時間的、空間的に広範囲に影響を及ぼしているということなんだと思います。そういうわけで、やはり従前の「何々してはいけない」という――予防倫理という言い方をすると思いますけども――予防倫理を踏まえつつ、科学技術によるよりよい社会を実現させていくために研究者や技術者は何をすべきなのかと、そういうことを自律的に考えていただく、そういう志向倫理という視点をやはり加えるべきではないかなと思います。だからこそ人文社会科学を取り込んだ総合知が求められると考えますので、ぜひその辺を少し加えていただければなと思います。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
オンラインで鷹野委員、そしてその後、山崎委員、御発言いただきたいと思います。それでは、鷹野委員、お願いいたします。
【鷹野委員】 鷹野でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
私からは25ページになりますけれども、データを示してくださっております。例えば日本の博士号取得者が少ないというようなデータも左下のところにあるわけですけれども、一方で、他国、近いところでは、韓国では人口100万人当たりの博士号取得者は大変多くなっております。社会構造も違いますので、一概にそれで学べるかどうか分かりませんけれども、韓国、英国、ドイツ等の状況も踏まえた上で、日本での、理系とは限りませんが、博士課程の取得者、つまり研究者になるような方を増やしていく工夫というのを進めていけたらいいのではないかと思っております。
それからもう1点は、分野横断型の研究の必要性、それが必須であるということはもう既に皆様方、共通認識だと思いますけれども、自然災害などの対応におきまして、自然科学系の視点のみならず、社会科学系の知見が極めて重要であるということも、私は理系ですけども、認識しております。そういった方向性については、やはりこれからも重要視していったらいいかと思っております。
以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは続きまして、山崎委員、お願いいたします。
【山崎委員】 今期から新しく就任しました山崎と申します。お願いいたします。現在は宇宙政策及び宇宙教育などに携わっておりますけれども、最近、宇宙に関しましては、宇宙スキル標準というものを内閣府さんが設定――まだ試作版を――いたしました。日本におきましては少子高齢化、人材不足、どの分野でも喫緊の課題だと思っております。その中で、資料にも書いてくださっておりますように、研究者の環境改善、基盤強化というのは本当に大切だということを私からも強調したいと思います。また、同じく25ページにおきまして、研究者1人当たりのテクニシャンの数も日本では非常に少なくなっています。こうした研究を支える基盤強化の中には、研究者及びそのサポートをされるテクニシャンの数、両方合わせて、ぜひ基盤強化に取り組んでいただければ幸いです。
また、教育に関しましても、初等中等教育、高等教育との連携における人材基盤強化というものも非常に心強く拝見いたしました。現在、私も、宇宙少年団でありましたり、宇宙甲子園などを行わせていただいている中で、やはりそうした初期からの教育支援というものは非常に大きいと感じております。特に大会などに出ようとしますと、学校単位になることもありまして、現場の先生方との連携も欠かせません。またそれから、優秀なチームは国際大会に派遣するというときにも、やはりいろいろな御理解、支援というものが欠かせなくなっております。この辺り、ぜひ有機的な連携が取れればと思っております。
経済安全保障が非常に大切となっている中で、それとともに、やはりグローバルに国際連携の重要さも変わらないと、その観点も引き続き大切だと思っています。例えば福島県の浜通り国際教育拠点の会議などにも参加させていただいている中で、ぜひ日本におけるそうした拠点強化、それから海外、それから日本の中での拠点づくりにおきまして、知の結節点、「知」の価値化と施策5にも書いてくださっていますが、ぜひそうしたほかの分野との連携も横通しで進めていかれることを期待しています。
以上になります。ありがとうございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。それでは、ほかに御意見。
狩野委員、お願いいたします。
【狩野臨時委員】 ありがとうございます。前期が人材委員会と国際委員会でしたので、関係のことを申し上げます。狩野でございます。
私の御提案は、今日のお話を聞いて非常に内容がよいなと思ったのですが、もしそれを実現しようとすると、人材の優秀さの定義を少し広めたほうがよいかなと思っております。今までの日本の社会での優秀性というのは、与えられた、設定された内容に対して、それをどれだけ吸収しっかりできて、繰り返せるかということで測定することを主にしていたと思います。けれども、今回これで要求されている内容は、3つの方面で新しいことを要求するのではないかと思います。
1つ目は、テーマ設定です。テーマ設定は、今まで、素直にやると、その専門の先端に近いテーマの設定であるということだったと思います。しかし、例えば気候変動ということであれば、特に誰の難しさを解決しようとしてそのテーマを設定するのかという方面の気づきができるということが大事なのかなと思います。例えば、暑さで亡くなりそうな人という設定かもしれませんし、気温帯が変わってしまったので魚が捕れなくなってしまった人という設定かもしれませんし、あるいはそれで農作物ができなくなったということかもしれませんし、いろいろな設定ができると思います。それぞれのテーマというのが、今までの最先端と言われているところ、いわゆる科学の最先端と言われているところとは重ならないことも少なくないのではないかということは思うわけです。そうしますと、そういうテーマが気づけるということは、今までの優秀性の定義では上では、ないという設定だったと思いますが、それを優秀であるというふうに持っていかないと、まずは取組ができないのではないかというのが1つ目です。
続いての優秀さの定義の可能性は、新しい組合せができる人ということかと思います。今までいわゆる専門の門の明かりをともし、それを保っていくことがやはり素直さとの関係で優秀さの定義だったかと思います。けれども、何か新しいことをしようとすれば、そこに新しい組合せが必要であります。例えば、先ほどの食べ物あるいは健康の問題であるとすると、建物の設計、あるいは断熱の効果、それからそれと健康の状況という組合せをしようとしたときに、今までの学術の体系ではそれは取扱いができないのではないかということは懸念します。そういうことも、しかしながら、していかないと、社会に応えられないというふうに同意いただけるのであるとすると、そうしたことの優秀性ということを定義していかないといけないのではないでしょうか。
例えば、パンデミックのときのワクチンの開発もそういうようなことを見聞きした覚えがありますけれども、そういう、当時は全く分からなかったんだけれども、でもその意味で振り返ってみれば優秀性があったので、ワクチンをすぐに手に入れることができたということを振り返ると、この優秀性の定義は一つ必要ではないかというのがもう一つです。
もう1点だけございます。それは実現化というところです。よく最先端技術を使いますと、極めて精密なものが作れるわけですけれども、それを市場で売ろうとすると、たくさんの数が必要でありますが、精密さとたくさんの数が作れることというのはなかなか両立しないことがあるかと思います。製品化していくには数を増やすことができる必要があるわけですが、しかしながらスケールアップというところは、そういう意味でいうと論文にしにくいということがあるのかなということがあります。そこを全部スタートアップの人に任せていいのかというと、もう少し知識を思いついた側もそういうことに関われてもいいのかもしれず、こうしたこともできる人がいるのであれば、それは優秀さの定義に加えられるべきかなと思った次第でございます。今申し上げた、つまり、誰かのためというところの設定ができるかどうかという修正、それからそれに関連した新しい組合せがつくれるか、しかもそれはもちろん科学的な妥当性は担保しながらですけれども、それができるという優秀性、そして最後に実現化に関係するところの優秀性というものを加えていかないと、なかなか前に進まないのかなということを思っている次第でございます。
以上です。ありがとうございました。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
続きまして、明和委員、そして高橋委員、続けてお願いいたします。
【明和委員】 明和でございます。御紹介いただいてありがとうございました。私からは、23ページのところにあります科学技術・イノベーションに求められる役割と研究者が「知」、この「知」について少し議論が必要なのかなという意見を述べさせていただきます。
ここで文部科学省がおっしゃっている「知」というのは、英語ではどのように表現されるのか、インテリジェンスなのかインテレクトなのか、つまりこういったことなんですけれども、私たち生物というのは、決してアルゴリズムの存在ではなく、アルゴリズムでは説明できない存在であるということは、私、生物学をやっていて常日頃思っております。既に上田会長代理、大竹委員、それから狩野委員が御指摘いただいているんですけれども、私は、例えば世界各国がしのぎを削る重要分野、こちらは脳科学でいいますと、いわゆるアルゴリズムです。こうした情報知識というものをいかに大量に素早く情報処理するか、こちらに非常に知の有効性があると思っています。それに対しまして、予期せぬ未来で重要となり得る分野、これはやっぱり創造性なんですね。これは前者で使う脳の場所とはまた異なるネットワークが極めて必要になります。そしてこれが知的好奇心、いわゆる感性の部分に非常に直結する役割を果たすという点で言いますと、やっぱり人材育成、この見直しといいますか、再考というのは非常に今求められていて、かつ、今戦略的に非常に重要となっている分野のその先にある分野、大竹委員がおっしゃったような、そうしたものは一体何かということを若い人が考える機会を積極的に提供していくということが大事だと思っております。
私は京都大学に勤めておりまして、学部生、それから大学院生、研究者とよく授業等しますけれども、最近極めて気になるのは、今のコロナ禍以降、若い学生さんたちはAIを壁打ち相手として考えます。つまり、いわゆる自ら創造的に考える力が非常に弱くなっていると、特に私のような人文社会科学の分野に位置する者ですら感じます。対話はありません、多様な人たちの感性に触れる、感じる、本物に触れるという機会がなかなか得られない。そうなったときに、やっぱり予期せぬ未来で重要となる分野を切り開いていく、日本の未来を切り開いていく若い人の人材育成というのは、やはり実はアナログ的、対話の機会をもっともっと豊かにしていくというところは、ぜひ見直していただきたいなと感じております。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 高橋です。委員の中で恐らくスタートアップからの立場が私のみなので、せっかくなのでスタートアップの関連について意見させていただければと思います。
施策5の「知」の価値化のところです。ここに大学発スタートアップの創出促進について施策に入れていただいているんですけれども、やはりシリコンバレーやボストンのケースを見ると、もっともっと大学とか研究機関がスタートアップエコシステムの中心になるという自負を持たなければいけないと思っております。スタートアップ政策の文脈でも、特にやはりこれからディープテックの領域を育てていかないといけないということから、大学や研究機関の役割が非常にこれまでよりも重要視されているという局面にあると思います。
その中でよく大学側で課題になっているのが、スタートアップに関する人がいない問題です。とはいえ大学が、大学の人だけで頑張るというよりは、大学発スタートアップでも民間経験者が経営層にいるほうが成功確率が高いというデータがあるように、やはりエコシステムの中心になるということは、アカデミア以外の、もっと多様なビジネスパーソンとか経営人材というのを巻き込んでいくような仕組み、人材交流を進める仕組みと土壌をつくっていくという施策をやはり入れていかなければ、この「知」の価値化というのは進まないのではないかと思っております。ですので、大学、アカデミアだけで頑張るというよりは、どんどん人を入れていくような仕組みというのを具体的な施策として施策5の中に入れていただくということを期待しております。
以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、五十嵐委員。
【五十嵐委員】 まず初めに、今日説明いただいた最大化プラン、すばらしいと思います。特に24ページ、文科省の役割があります。基本的には赤枠で囲ったところ、ここが文科省の中心の役割なのだというところ、これは原点に返る意味ですばらしいと思いました。
その中で、私も先ほどの明和委員と同じようなことを考えていました。大竹委員から知的好奇心の話があって、その知的好奇心とは一体何だろうと私も考えていたのです。私は技術者ですから、どうしても自然科学的なところに頭が行ってしまうのですけども、それだけではなくて、第6期のときに法律、科学技術基本法を改正して、人文・社会科学、そこのところも取り上げるとしました。自然科学との融合云々ではなくて、人文・社会科学そのものも科学技術として取り上げるときに、知的好奇心とは、宇宙や地球の成り立ちだけではなくて、社会システムというのでしょうか、世の中の不条理というのでしょうか、先ほど冒頭のところで、大国間のエゴがむき出しになっているという話がありました。そういった世の中の不条理がたくさんある中で、人間社会の成り立ち・あり方についての人間の知的好奇心というのは、やはり想像性・想像力なのだろうなと。クリエーションではなくてイマジネーションですよね、他人に共感するとか、世の中の仕組みがおかしいだろうとか、そういうところからの発想の好奇心。
好奇心という言葉と何となく合わないのですけども、そういうところをもっと強化するべきだと思っています。そこで29ページの施策1に具体的な取り組み、「知」を得るエコシステムの強化とあります。本当は基盤的経費と科研費が十分増えればよいのですが、なかなか厳しい中で、組織・分野の枠を超えたネットワークを張って人々がつなぎ合って、それで最大化しようという話ですよね。ぜひここのところ、ネットワークをもっともっと強化していただきたい。そのためには、やはり日本の欠点である人材の流動性です。アカデミアの中だけではなくて、アカデミアと産業界も含めた人材の流動性が昔から全然広がっていかない。そこも含めて、このネットワークの強化というのをぜひやっていただきたいと思いました。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、梶田委員、そして、そこに挙手されている方が4人並んでおられますので、順番に参りたいと思います。
【梶田委員】 どうもありがとうございます。
まず、御説明ありがとうございました。全体に非常にいいことをやっていただいていると思います。特に27ページで人材育成のところで、博士課程学生の支援を第6期中に7,500人から2万2,500に増やしていただいたというのは本当にすばらしいことだと思います。ありがとうございます。ただ、私、自分は東京大学の教員ですけども、共同利用・共同研究拠点というところにいて、いろんな大学の若い学生などを見ておりますと、多くの大学で、もう修士課程から博士課程に行かないというのが当たり前になってしまっていて、ここら辺をやっぱりどうにか変えて、いろんな大学の優秀な学生さんはやはり博士課程に行くんだという、そういうようなマインドをもちろん持ってもらわないといけないし、またそれを後押しするような何かしら政策も必要なんじゃないかと常々思っております。
ちょっとこれに関連してですけども、この博士課程支援が増えたということはすばらしいんですけど、今、五十嵐委員のほうからも少しあったと思うんですけど、今の社会、やっぱり理工系だけでなくて、人文社会科学系のこのような博士課程でしっかりとした教育といいましょうか、研究経験をした人を育てて、社会がどうあるべきかというようなことをしっかりと考えていくような人が重要な世の中に今急激になっているような気がしておりますので、そこら辺のこともぜひお願いできればと思います。
それから、少し話題を替えて、28ページの研究力強化に向けた文部科学省の今後の取組の方向性の1番で、多様で豊富な「知」を得るエコシステムの強化ということを掲げていただいたということ、非常にうれしく思います。その中でも多様で豊富な「知」を支える研究基盤の維持強化ということで、基盤的経費や科研費等の十分な確保ということが書かれており、これは研究の現場にいる人間にとって本当に大切なことだと思っております。ただ、29ページで「研究環境のこれ以上の弱体化を防ぐ」という、そこが何となく、落ちていくのを止めている程度に思えます。というのは、やっぱり国際的に見れば研究力の強化というのは、データでも示されているように、近年各国が競ってきていることだと思うので、もう少しできれば攻めの姿勢でお願いできればなと思うところです。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、川辺委員、お願いします。
【川辺委員】 ありがとうございます。東京海洋大学の川辺でございます。今回から参加させていただいております。小さな大学ですので、皆様のお話よりもさらに縮小された話になるかと思うのですけれども、今、博士研究員など若手研究員を育てていくというお話がありました。非常に重要なことだと思っております。
資料では「エコシステム」という言葉を使われて全体をまとめておられますけれども、では、このエコシステムの構成員はどなたかということを考えてみますと、24ページに文科省の役割ということで「知」と社会をつなぐエコシステムが書かれてますが、主なプレーヤーは研究者、技術者、起業家、それから大学、大学共同体など、まさに「知」のど真ん中にいらっしゃるような方々で、ここでいう「知」というのは「科学知」のことだと思います。しかし、先ほど冒頭で総合知というお話が出てきましたが、科学知に、経験的な知というものをつなげないと、なかなか総合知というものは生まれないのではないかと思っております。ですので、このエコシステムをどうやって実社会に拡大していくのか、例えば、私は海洋分野ですので、漁業者の方々の、日々海に出て観察して得る経験知とか、あるいはそこで語られるナラティブとか、そういったものもやはり知識であろうと思います。こういったものを科学知とどうやって結びつけるのか、そこを考えていただければと思っております。
先ほどの博士研究員の話に戻らせていただきますと、うちの大学では修士課程に行く学生は、分野によりますけれども、7割ぐらいかと思います。でも、日本人学生の多くはそこで就職してしまう。博士課程に行く人は、研究者になると覚悟を決めたような方たちで、本当にごく少数です。今、34ページで具体的なサポートとして示されているSPRINGなどが行われていまして、これによって博士課程に進学する学生が非常に増えたという話も聞いております。そこまではよいのですが、博士課程を出た後に、その人たちが社会に出て研究を続けることができるかというと、そこがなかなか難しい。エコシステムの話に戻りますけれども、その先につなげていくような連携もまた考えていただけたらと思っております。
長くなりまして失礼しました。以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、木部委員、お願いいたします。
【木部委員】 ありがとうございます。今回初めて参加させていただきます。
私は人間文化研究機構というところに勤めています。人文系の大学共同利用機関でございます。今、五十嵐委員からも、それから梶田委員からも、「知」の価値化には人文系と自然系が総合するということが大切だということをおっしゃっていただいて、本当に励まされたというか、うれしい気がいたしました。私どもは人文系の仕事をやっていますが、どうやったら総合的な知が生み出せるか、それから、「知」の価値化というのはいい言葉だなと思って、いろんなところで使わせていただこうと思っていますが、それがどうすれば実現できるかということを考えながら仕事をやっております。
私は人文学・社会科学特別委員会に属しておりましたが、この特別委員会では、これまで人文学・社会科学が自然系と総合するためにどうすればいいかということをずっと検討してきました。これは、言うのは簡単ですけど、実際にどうするかというと、なかなか難しい。特別委員会では、総合化には幾つかのパターンがあるだろうというような検討も行っております。ぜひ実際に「知」の価値化が実現することを考えていきたいと思います。それから、この資料で言いますと、ちょっと後ろのほうになりますけども、34ページの下の点線囲みの下のほうに「人文・社会科学に関する研究開発等の展開」とあります。ぜひこれを総合的な知に、それから「知」の価値化につなげる具体的な仕組みをこれから考えていけたらと思っております。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、久保田委員、お願いいたします。
【久保田委員】 ありがとうございます。久保田でございます。
研究力強化について、通し番号28ページに施策として5本の柱が出ていて、まさしくこのとおりで、すばらしいなと思います。人材育成、それから研究力強化というのはすごい時間がかかるものかなと思っているんですけども、一方、最近、研究分野では、様々なAIが出てきて、環境が非常に変わりつつあり、状況もすごく変化に富んでいるかなと思いますので、この具体的な方法の中には、分野にもよると思いますけど、ぜひフィードバックを速くして、アジャイル的な発想でどんどん変えていくようなやり方も取り入れていただければなと思っております。5年ごとに変わっていますけど、5年固定ではなくて、途中でも何らかの状況に応じて変えていくというようなやり方も、分野によるかもしれませんけども、取り入れていただければと思っている次第です。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
先ほど手を挙げておられた上田委員。
【上田(浩)委員】 今年度から参加させていただいております資源調査分科会の農研機構の上田と申します。よろしくお願いします。
私からは2点ございます。1つは資料26ページの左上に記載されているように、国際卓越研究大学制度あるいはJ―PEAKSによる支援により、日本の研究力を先導する強い大学をつくり出す、これにはもちろん賛同しております。しかしながら、これらの支援を受けていない大学のボトムアップといいましょうか、運営費交付金をきちんと配賦していただいたりすることも必要であると感じております。それが日本の科学技術・イノベーション力の全体的な底上げになると思います。そのためには、大学の数字的な評価軸の設定とか、そういう構築が併せて必要であろうと考えております。
2つ目は、28ページに科研費のことが記載されております。私どもの研究機関では、修士を卒業して、論文博士を取得して研究者になっていく者もいます。ところが現在、科研費の若手研究は、博士号取得後8年以内という規定が設けられております。これだと修士を卒業して博士号を取得しようとモチベーションを抱いている若い研究者は、応募できないことになってしまいます。一定のそういう層がいますので、こういった者も応募できる枠組みをつくっていただきたいと考えております。もちろん28ページの2つ目の枠に記載されておりますように、博士後期課程学生支援という側面も大切でしょうが、家庭事情や金銭的な事情、あるいは優秀だからこそ試験採用で修士卒で入ってくるというふうな研究者の卵もいますので、そういった者が活躍できるようにしていただければと思っています。そういった方が科研費も取得して、自ら研究を磨いていって博士号を取得していくことは、博士号取得者数の主要国レベルへの引上げにつながると思いますので、常日頃から感じてきたことを、この場を借りて申し上げました。よろしくお願いします。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、網塚先生、オンライン、そして田中先生、その後、大須賀先生ということでお願いしたいと思います。網塚委員、お願いします。
【網塚委員】 ありがとうございます。北海道大学の網塚と申します。
私も今後の取組の方向性については、いずれも現場の切実な課題を的確に反映していただいていると、大学に身を置く立場として感じております。研究者に競争が求められるのは当然のことですが、その前提として、安心して挑戦できる土台となる研究環境を整備するということが重要です。それは研究設備だけではなく、技術職員や研究支援人材、マネジメント人材といった幅広い支援人材の育成を含む、包括的な環境づくりが必要であるという点を強調したいと思います。
それから、「知」のエコシステムというキーワードですけれども、大学がその中核として機能することが求められているという点は、私たちも十分に自覚しております。ただ、これまであまり言及がなかった点として、少子化の進行が今後さらに深刻化するという観点は忘れてはいけないと思います。大学の統合や再編が今後さらに加速していくことは避け難い状況にあると認識しています。
大学はそうした変化にも対応しつつ、特に日本人学生の教育の質を保ちながら、研究力や人材育成をどう維持していくか、あるいは強化していくかというのは非常に重たい課題だと思っています。申し上げるまでもなく、大学院の教育は研究と表裏一体なので、学生の成長そのものが大学の研究力を支える側面があります。この点に関しては、中長期的な視点に立った戦略的な政策対応が、これまで以上に強く求めらていると感じています。
私からは以上です。ありがとうございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、会場から田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 皆様、随分もう議論された後なので、全体の方向性とか施策に関しては、前期から引き続き、うまく取り入れられて、よくできていると思うのです。皆様おっしゃっておられますけれども、やっぱり5年の間に結構社会情勢も変わるし、状況も変わると思うので、そういうフィードバックをうまく取り込んでいっていただければいいなというのが1点です。
それと、23ページ、やっぱりこれが一番肝な図かなと一つ思っているのですけれども、やはり世界各国がしのぎを削る重要分野というのと、予期せぬ未来で重要となり得る分野というのでは、見ているタイムスケールも随分違うと思いますので、ある程度長期的に辛抱強く見るというのは、特に先行投資のほうが必要かなと思います。あと、いつも思うのですけれども、特にキャリアパスを考えたときに、やはり人というのは、時間がかかると思うのです。マスターで入られた方がドクター取られるまで一応5年ぐらいかかると思えば、この期の間にようやく1人のドクターの学生さんが生まれるということを考えますと、やはり今いろんな施策を打っていただいて、それはうまくいっているとは思いますけれども、結果が出るのを辛抱強く見るのが重要かなと思います。
先ほど、どなたか委員もおっしゃっていたのですが、情報格差をすごく感じます。どういうことかと申しますと、私、国立研究開発法人に属しているのですけれども、やっぱり産学官うまくネットワークを持ってやれば良いということがあって、文科省のほうでも随分いろんなシステムをつくっていただいています。ただし、それが本当に皆さんに浸透しているかというと甚だ疑問で、御存じの方は御存じなのですけど、御存知ない方は全然知りませんということがままあります。それは、せっかくいいシステムを使ってうまく回っていない部分でもあるので、やはりもっと知れ渡るという努力ももうちょっと必要なのかなと思いました。
それから、あと一つ、すごく小さなことなのですけど、25ページの左下の人口100万人当たりの博士号取得数のグラフがあって、2020年ぐらいから、特にヨーロッパだと思うのでが、英国、フランス、ドイツは上がっていますよね。これは何かうまく施策があったのか、何かイベントがあったのでしょうか。もしもこれが何か本当に良い施策だったら、ぜひ取り入れられたらどうでしょう。瑣末な点ですけど、意見を述べさせていただきました。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
最後に時間がもしあれば、文科省からも今までの様々な御意見に対して対応する話をしてもらいたいと思いますけども、その前に、大須賀委員からお願いいたします。
【大須賀委員】 私は少し違った角度からの発言になりますけれども、どうぞお許しください。
全国約80を超える大学病院が存在します。そして、大学病院というのは文部科学省の管轄下にあります。しかしながら、実際今、大学病院が行っていることは、地域の要請に応える診療、先端医療はありますが、それ以外に厚労省の様々な要請に応える医療を行わなくてはいけないという状況にあります。ただ、そこで働いているのは医療職ではなくて、みなし公務員の教育職です。ですので、本来は研究をすべき立場にあります。
大学病院の上級医の状況に関して申しますと、私が卒業した約三、四十年前は、病棟は研修医で診て、上級医は研究に専念していました。今はそれが許される社会ではありません。上級医の診療に要する時間は毎年増えております。そして、研究に使える時間はどんどん減っております。一方で、大学病院は研究病院でございますので、多くの科研費をはじめ、研究費が投入されております。すなわち、非常に効率の悪い状況が起きていると考えます。なぜそうなっているかというと、現在、大学の附属病院というのは、経営をしなくてはいけない。現在の診療報酬におきましては、多くの大学病院が赤字の状況であります。そして、私のところでもそうですが、本来は研究者、教育者である医師に経営改善のハッパをかけざるを得ないと、そして彼らは一生懸命、日々経営のことを考えて、そして診療していると。これではせっかくの医学研究が廃れていってしまいます。
恐らく文科省さんから見ますと、厚労省さんの話は別だからという話になると思います。私どもも病院を挙げて文科省にお願いに上がったりすることもあるんですけれども、なかなかやはり省庁縦割りなので、大学病院だけ特別に診療報酬の体系を変えるということは考慮してもらえません。ですので、ぜひライフサイエンス、その中でも臨床医学という非常に重要な部分の研究力を高めるために、何らかの方法で省庁を超えた取組を行っていただく、場合によっては特区としていただくなどの取組も考えてほしいと思っております。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。非常に重要なポイントだと思います。日本の医療の未来を切り開く研究を誰がやっているのかということになろうかと思います。ありがとうございました。
それでは、オンラインで手をたしかさっき挙げていらっしゃったと思いましたけれども、佐藤委員、お願いいたします。
【佐藤委員】 千葉大学の佐藤と申します。ありがとうございます。
私も28ページに書かれているイノベーションを担っていくような総合的な施策がされるということについては、全くそのとおりだと思いますし、特に誰の目から見ても今までなかったような新しさが出てくるという意味のイノベーションが大事なことも、これは言うまでもないんですけども、例えばインフラとかエネルギーのような、なくなると非常に困るようなものをこれから日本がどう支えていくかなんていうのは非常に重要なことだと思いますが、少子高齢化の中で、そういう技術は一見成熟していて、あまりこういうイノベーションの対象からは少し遠いのかなと思われるところがありますけども、少子高齢化の中でそういったものを支えていくということを考えると、そこにはやっぱりイノベーションの必要性というのは非常に高いのではないかと思っています。
ですので、こういう施策を実現していく中で、そういった視点のイノベーションという種類のものもあるということを何らかの形で人に気づかせるような、そういった配慮をしていただけるといいかなと思っております。
以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、菅野委員。
【菅野臨時委員】 ありがとうございます。3点、手短に述べさせていただきます。
まず第1点は、先ほどの梶田委員と同じところですけれども、「これ以上の弱体化を防ぐ」というのは少し後ろ向きなので、少し攻めの姿勢でお願いできればと思います。全般的に言えることですけれども、やはり弱いところを強くするというのは書きやすいんですけれども、これまで強みのあるところがある、その強いところをいかにさらに強くするかという観点で考えるというのがもう少し重要なのかなと思います。何が日本の強みかということを考えた場合に、例えば私の材料の分野では、日本では大学がたくさんあって、そこに全て材料の研究者がいる、それが材料の研究の底力になって、これまで強みを発揮してきたということがあります。それをネットワーク化するなど、もう少し違う観点で何らかの施策ができ得るのではないかと考えます。
2点目、これは国際戦略委員会の立場ですけれども、オープンサイエンスというのは基本ですので、そこをもう一度また、私自身も含めて、認識したいと思います。
3点目、人材に関して、先ほど修士から博士の進学に関してありましたけれども、これは前回も指摘したところですが、博士に行く学生を、修士の後、大学が産業に負けていると、獲得競争に負けているという状況です。特に分野によってはそれがもう顕著に出ている。それをどうするかというのは、少し根が深いので、ここでは言いませんけれども、大学の研究をいかに魅力的にするかというのは非常に重要な点です。ただ、一旦産業に行った後、再度大学にもう一度博士を取りにくるというルートは、分野によっては非常に重要なルートになっています。博士に行くルートを多様化するという点も大変重要なポイントであると考えますので、今現在そういう施策もありますけれども、もう少し強みを発揮できればと思います。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、相澤委員、そして水本委員、お願いいたします。
【相澤臨時委員】 相澤です。皆様の御議論を拝聴して、大変勉強になりました。私は情報委員会におりまして、情報基盤という立場から2点ほど意見を述べさせていただきます。
まず情報基盤ですが、科学の競争力として、やはりインフラが重要で、通信ネットワーク、セキュリティーあるいは計算基盤、そしてデータ基盤といったインフラは、電気やガス、水のようなものですけれども、電気代が値上がりするように、万事予算というのはどんどん必要予算が上がっていく中で、やはり最初に御意見出ましたとおり、現状維持だけではむしろ相対的に予算が乏しくなっていくという状況で、ぜひそういった維持管理のところにも配慮をお願いできればというのが1つでございます。
2点目は、その中で、来期に向けてはAIというのが入ってくるのは間違いのないところで、そのAIが入ったときに科学というのがどのようになるかというのは、国策の問題だけではなくて、科学コミュニティー全体として、科学のパラダイムシフトが起きるということだと捉えています。私自身は、その中で重要なのは人間中心というキーワードだと思っていまして、例えば今、いろいろなAIツールが使われる中で、本当でないことが本当らしく言われる、いわゆるハルシネーションということが問題になりますが、それに対して、これは科学的に間違っていると言えるのは科学者だけという意味で、科学への信頼というものを担うのはやはり人間であるということは重要な観点であると思っています。
また、ワークロードという観点も人間中心の見方だと思っていて、例えば論文のカーブ、非常に多く出てきて、必ず右上がりなんですけれども、その背後には査読にかける研究者の労力も右上がりで上がっているという現実があると思っています。これは、ピアレビューシステムは科学の根幹ですけれども、そのピアレビューシステムも今、クライシス、危機だというふうに感じていることもあり、そういった科学者のワークロードも適切に分配されるような形で、この劇的なパラダイムシフトを乗り切っていくというのも次期に向けて重要なことではないかと思っています。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、水本委員、お願いいたします。
【水本委員】 水本でございます。私のほうからは、ちょっと今までとは違う視点で意見を述べさせていただきたいと思います。
この数年間よく言われていることですけれど、日本の、我が国の相対的な研究力の低下、こういうことが叫ばれているわけで、今回議論していただいている基本計画も、これを何とか打破したいという考えに基づいている、これは間違いないと思います。それから、私のところに実は毎週のように、いわゆる世界のトップジャーナルと言われる雑誌が回ってくるわけです。専門外のことなので、中身を詳細に見るというのはなかなか時間取れないんですけれど、その中で日本人研究者の論文がどれぐらいあるのかなとパラパラ見ていると、どうも確かに少ない。非常にいろんな国の研究者の活動に隠れてしまっているような印象を私個人は特に受けています。それと、たまたまなんですけど、この一、二週間うちに、海外の研究関連機関と申し上げたほうがいいと思いますけれど、その人たちと話すことがあって、日本の研究者はいい研究をやっているのになかなか見えてこないねというような趣旨の発言を受けることがありました。
それで翻って、ちょうどたまたま今回の資料の最後のほうの35ページ、36ページに戦略的な国際展開という課題で書かれております。この中に多分関係するのかなと思うんですけれど、申し上げたいことは、日本の研究者は決して、そんなに見劣りする研究をやっているわけではなくて、非常に大きな成果を上げておられると思います。今朝の新聞で、たしか日本人の数学者の方がアーベル賞を受賞されることになったという記事を読みました。それに匹敵するような研究をたくさんやっておられるのに、なかなか世界的なプレゼンスを訴えることができない。日本のいわゆる研究力が強いんだということを、ぜひ研究者自らがそういうことを訴えられるような、そのような――これ、具体的にどうしたらいいのか分かりません。分かりませんけれど、そういうようなことを引き出す施策を、あるいはそういう考え方をこういったところに盛り込んでいただければと思って、発言させていただきました。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、宮澤委員、お願いいたします。
【宮澤委員】 宮澤でございます。今期から本総会に参加しております。
先ほど来よりずっと議論になっております23ページの研究者が生み出す「知」というところに関しまして、そういったものが頑強な国力につながるため、世界各国がしのぎを削る重要分野、また予期せぬ未来で重要となり得る分野の芽になり得るのであれば、やはり幅広い分野をサポートしていただくような体制が必要かなと考えました。
さらに、私は地球科学の分野ですが、既に地球科学あるいは防災の分野の委員の先生方からも御発言がありましたとおり、基盤となる観測等の設備の維持とか更新というものが喫緊の課題にもなっております。そういった基盤設備の維持あるいは更新といったものと、今申し上げたような研究者が生み出す「知」というものがうまくつながるような、そういったものをぜひ考えていただきたいなと思って聞いておりました。
手短ですが、以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
それでは、深見先生。
【深見委員】 深見でございます。先ほどの相澤委員の意見と少し重なるところがありますけれども、今、研究力の評価という点では、かなりパラダイムシフトが起こっていると思います。特に基礎研究の分野では、論文数とかが今まで大きな基調になっておりましたけれども、最近ではいわゆるハゲタカジャーナルと言われるような、ピアレビューがうまく機能していない雑誌もかなり多くなってまいりまして、論文数だけでは必ずしも研究力が評価できないという状況になってきております。そういった中で、ピアレビューの確保ですとか、研究の質の担保というのが今後非常に重要になってくるのではないかと考えました。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございます。
オンラインの佐伯委員、御発言いただければと思います。
【佐伯委員】 佐伯でございます。資料の23ページにありますように、今回、研究者の知的好奇心に基づく研究によって得られる知が非常に大事であるということを打ち出していただきまして、とてもありがたく思っております。そのためにパフォーマンスを最大に引き出すということで、その中で研究時間の確保ということも非常に大事になってくるかと思います。
これまでいろいろな施策が行われてきていると思いますけれども、一つ気になっているのは、様々な施策を実際に契機としてプロジェクトをつくって、そこに申請をしていただいて、それを審査をして採択後も評価をするといったようなことがこれまで必要とされてきて、行われてきておりました。研究者の立場から言いますと、それが必要なことは当然ながら理解はいたしますけれども、かなりの労力と時間を使って申請、あるいは場合によっては評価などに携わっておられる先生方もおられると思います。ですので、そういったものの簡略化ということもぜひ、明文化する必要はないかもしれませんけども、そういったところにも力を注いでいただければなと思いました。
それからもう一つ、今回、様々な形で日本の国力の相対的低下ということが言われておりますけれども、今後日本の国力を相対的に――絶対的にでもいいんですけども――上げていく一つの方策としては、例えばAIであるとか量子であるとか、現在非常に重要であると思われている事柄の先にあるイノベーションを日本が率先して引き出していくということだと思います。つまり、例えばアメリカあるいは中国、そういったところで出てきたイノベーションを日本が追いかけていくというようなことでは、なかなか世界のトップに躍り出るということは難しいと思います。ですので、新しい技術、例えば大学だけではなくて、そこと産業界と協力しながら新しいイノベーションを目指していく、そういったことを日本が先駆けてやっていくんだという意気込みを持ってやっていくことが必要だと思います。
その中で、例えば人材育成が非常に重要になってくるわけですけれども、本日、博士課程の学生がなかなか増えないということについてはいろいろ議論されてきておりますが、例えば、修士の学生からむしろ経済的支援を増やしていって、そのまま博士に行って、研究がいかに重要で楽しいものかということを分かっていただくということも大事ではないかと感じました。その中で学生さんに、より企業との連携を深めていくために、例えばインターンシップ、ジョブ型インターンシップ等、国策としてやっていただいていることもありますけども、そういったものを強化して、産業界との連携をもう少し若い頃からやっていくような、あるいはスタートアップもよいですが、そういったことにも力を入れていっていただければなと思っております。
以上でございます。
【大野会長】 どうもありがとうございました。
これでほぼ全員の皆様に御発言いただいたと思います。残すはここの2人だけなので、上田委員からまずお願いです。
【上田(輝)会長代理】 私のほうからは3点ほどお話しさせていただきます。
28ページ目の資料ですが、この施策1から5、これは非常に重要だと思います。右下の絵も含めて、分かりやすく重要なポイントをまとめておられるなと思ったんですが、この具体化をどうするかというのがやっぱり今後重要になってくると思います。その意味では、このロードマップというのを今後つくっていくことになると思うんですが、ロードマップに関わる議論というものが非常に重要であると思います。
そのロードマップについては、短期、中期、長期という3つの視点で、それぞれ何をやっていくべきか、何ができるかということではなくて、何をやるべきかというところのロードマップを明らかにして、それを共有するということが次のステップで非常に重要なポイントになると思います。これが1点目です。
2点目は、施策5のところの最後に「サイエンスをベースとした社会変革・未来創造」ということが書いてありますが、これも非常に重要だと思います。ただ一方で、これを具体化する人材というのがどれだけいるかとなると、なかなか厳しい状況もあるのではないかなという気がしますので、この具体化する力を向上させるということが我々にとって非常に重要なテーマになると思います。
サイエンスということですが、この定義というのは、基本的には自然科学と人文社会科学の両方を含むということで、我々の世代は理系に行くか文系に行くかで育ってきましたが、これからはもうそういう時代ではないと、文理融合といいますか、そういう人を育成して、このサイエンスをベースにした社会変革・未来創造というのを具体化する人材を育成することが重要になると思います。これが2点目です。
そういうふうに見ますと、3点目は、施策2、3というところに書いてあります。基本的には、変革することができるような能力を持った人材を育成していく、これが2、3に関わる部分でありまして、特に2のところは多様な人材の育成・確保と書いてありますけども、この人材というものを育成していく中で、見える化していくことが大事ではないかなと。そういう人たちにアクセスできるようにするということが重要で、それによって議論を活性化させる、それを活性化させることによって、さらなる能力開発につなげるということが重要ではないかなと思います。先ほど明和委員からも御指摘ありましたけども、やはり私自身も、自ら考える力というのがだんだん若い人の中で、AIを活用することによって若干低下してきているんじゃないかなというのは、企業にいても感じる部分があります。ですから、自ら考える力を向上させるというような人材育成が重要だと。
その人材育成に関わる部分で、施策3も非常に重要だと思います。これは研究活動の戦略的国際展開という話になるんですが、基本的には国際頭脳循環ということで、やはり海外に出ていく、日本に戻ってくる、あるいは海外からいろんな人材を呼び込むということによって、自分で考える力を向上させる、それによって日本の研究活動をレベルアップさせるということが重要になっていくと思いますので、以上3点につきまして今後取り組んでいきたいと思います。
以上です。
【大野会長】 ありがとうございます。それでは、私からも発言させていただきたいと思います。
2点ございますが、1つは、Move37って、聞いたことはございますでしょうか。これは37手目ということなんですけれども、イ・セドルと、それからAlphaGoが対戦をしたときの2局目の37手目で、人間の棋士が意味が分からなかったと。それがAIの大きな、社会が認めるようなことになったきっかけなわけです。今は社会あるいは科学技術全体に、そのMove37が起こりつつあると、何人かの方がおっしゃいましたけれども、パラダイムシフトが起きていると。これはツールとして使わざるを得ない。科学技術、そしてイノベーションを発展させるためにはこれは使っていかざるを得ません。積極的に活用していくというポジションを取るべきだと私は考えています。
一方で、それは少数の営利企業に独占されているところもありますので、日本の組織、例えば大学の一研究室が何かをやろうと思ったときに、もちろんアベイラブルなツールもたくさんありますけれども、それを確実に物にしていくには、やはり基盤として日本の学術界全体がそろえていかなければいけないものだと思います。もちろんそれが人と人との対話の希薄化であったり、そういうことにならないようにするにはどうしたらいいかということも併せて科学技術政策として考えていく必要があると思います。
もう一つは、科学そして学術はグローバルなものです。一方で地政学的な変化は非常に急激に、毎日新聞をにぎわせているように起きています。これらの世界で我々がどのようなポジションを取るのかということは極めて重要に思います。先日スウェーデンに行ってきましたけれども、そこでは、地政学的な変化が科学技術予算に及ぼすインパクトというのはどうなのかということと同時に、人材、これは特にアメリカでは多くの国研の職員等も職を失うような勢いでありまして、ポスドクも職がなくなるというようなこともあります。その中でどうするのかということをスウェーデンの立場で議論していました。日本でもそのようなグローバルにある環境を我々がどのように維持していくのかということは、一つの議論すべきことだと思います。
これは他国の政治の話も絡みますので、なかなか第7期のところにあらわに出す必要もないことだとは思いますけれども、一方で、我々が科学技術の、あるいは学術というものの在り方をそこでどのように表現していくのかというのは、非常に重要なことになるんだと思います。いずれもどちらも非常に速くタイムリーに手を打って前へ進まないといけないという意味で、センス・オブ・アージェンシーが重要になると考えています。
以上で私の発言を終わらせていただきます。皆様から御発言いただきました。ありがとうございます。文科省からこの後、何人か御発言いただきたいと思いますが、例えばドクターが減っていると言いますけれども、最近の統計はそうなのかとかということもあろうかと思います。それでは、井上局長から御発言いただければと思います。
【井上科学技術・学術政策局長】 先生方、ありがとうございます。すみません、これから担当からお答えさせていただきますが、ちょっと私、公務で出なければいけないものですから、今日、本当に現場の切実な、本質的な難しい問題、あるいは我々がいろいろステークホルダーをつないで政策で後押しすればできそうな問題、もう様々な観点で御示唆いただきました。これから、今日のペーパーにもありましたけど、あれはまだざくっとしています。これをきちんとより具体化していきたいと思っております。先生方の御知見もお借りして、これから具体化していきますので、もう先生方の御意見、今日、できればといいましょうか、全部受け止めるつもりでおりますので、そこだけはお約束して、これをいかに具体化していくか、そこをやりますので、それをお約束したいと思います。
すみません、私はもう出ていかなければいけないので、あと個別の博士の話など、担当からお答えさせていただきます。本日はありがとうございます。これからよろしくお願いいたします。
【大野会長】 といっても、あまり時間がありませんので。
【奥人材政策課長】 すみません、振られてしまったので、手短に。博士に関してですけれども、何人の先生に御指摘をいただきました。御承知のとおり、SPRINGという制度を設けまして、ストレートドクターの7割、2万2,500人に経済的な支援をするということで今、施策を進めております。これについては引き続き取組を進めていきたいと思いますし、博士への進学の後押しだけではなくて、多様な社会でのキャリアパスを形成するということを併せてやらせていただきたいと思っています。ちょうど昨日、文科省と経産省と合同で検討会を開いておりまして、最終的に、企業で活躍する人たちのための企業向け・大学向けのガイドブック、プラス、ロールモデル集というのを発表させていただきました。こういうものもうまく活用していただきたいなと思っています。直近のデータを見てみますと、博士への進学者数、ここ2年間上昇傾向にありますので、この傾向をぜひ続けさせていただきたいなと思っております。
1点、英仏の状況がどうなんだという御質問をいただきました。これは詳細分析してみないと分からないところはありますけれども、やはりアカデミア、産業の中でも科学技術・イノベーションに関する重要性というのが高まっていて、それについて志向するような学生の数も増えてきているというのが、結果として博士に進学する数の増加につながっているのではないかなと思いますが、これも含めて、次年度以降の博士号取得者増に向けた施策にうまく取り入れていければなと思っております。
【大野会長】 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
【藤原研究開発戦略課長】 本日はいろいろ御指摘をいただきまして、ありがとうございます。先ほど井上が申したとおりですけれども、これからどんどんこの資料をブラッシュアップしていく中で、本日いただきました御意見を踏まえまして進めていきたいと思っております。例えば、今日いただいたものに全部触れるのは難しいんですけれども、重要技術の継承に関することですとか、それから、今ちょっと科学知に関するような表現になっているところが多いのではないか、総合知あるいは知的好奇心という、「知」って何でしたっけというお話がありましたけれども、こういった点ですとか、あとはJ-PEAKSなど以外の大学に対する支援というようなお話もございました。こちらは私どもの考え方と一致しているところです。そこはしっかり見せていけるようにと思っておりますし、何より、すみません、ちょっと後ろ向きに聞こえてしまうような表現になっていたところがございましたけれども、こちらのほうも工夫してまいりたいと思います。ありがとうございました。
【大野会長】 どうもありがとうございます。よろしゅうございますか。
それでは、これで本日の審議会、終わらせていただきたいと思いますが、何かどうしても御発言になりたいということはございますでしょうか。よろしいですか。
それでは最後に、本日の議事録の取扱いについて、事務局から説明をお願いします。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 事務局でございます。今回、会議は非公開の事項がございましたが、本審議会の運営規則第9条2項に基づき、該当部分の議事録は非公表とさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
【大野会長】 ありがとうございます。皆様、それでよろしゅうございますね。
それでは、このように議事録は後ほど公表ということであります。
事務局からはほかに何かございますか。
【伊藤科学技術・学術戦略官】 本日の議事内容につきましては、非公表の部分も含め、議事のやり取り全体をメールで送らせていただきますので、御確認いただくようお願い申し上げます。また、後日、文科省のホームページに掲載しますので、御承知おきください。
それから、本日の会議資料について、郵送の希望がございましたら、机上に残していただければ事務局で手配いたします。
最後に、次回の日程ですけども、追って御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
以上です。
【大野会長】 どうもありがとうございます。
申し訳ありません、時間に追われるような形で会議を運営しました。これは本来はもっとゆっくり皆様と意見を交換したいわけですけれども、一方で、審議会、何もしゃべらずにお帰りになる有識者がおられては会長としてもったいないと思いますので、御容赦願えればと思います。
それでは、これで本日の科学技術・学術審議会総会第76回を終了いたします。どうもありがとうございました。
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官(制度改革・調査担当)付
電話番号:03-5253-4111(内線3848)
メールアドレス:shingist@mext.go.jp