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監事制度と理事制度の改善がガバナンスの改善のために重要である。学内から選出する場合には、理事長、理事、監事という序列がある場合が多い。また、学校外部から選任された理事・監事は実態が解らないので、一月、あるいは二週間に一回ぐらいは学校に顔を出して、学校のことを理解する必要がある。
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海外に学校を作った経験があるが、学校法人制度が無いため株式会社としたが、株式会社では利潤を求めるため、ガバナンスは明解にやっている。ただ、株式会社だと学校の教育と経営が離れてしまう感じがする。
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株式会社では、配当を行うのか。
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利益が出ないため配当はしていないが、当然、配当は予定されており、そのための原理・原則で行動させられることとなる。
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私立大学の場合、創立者が実権を握って、自分の学校という意識が非常に強いと聞くが、設立後は個人のものではなく、公のものというような意識の改革が必要ではないかと思う。
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創立者の影響は三代ぐらいは続き、特に戦後できた大学が未だ創立者の力が強く、問題を起こす場合があると考える。また、私立学校法上では、理事の一人一人が代表権を持っており、それを寄附行為で理事長に制限している場合が多い。善意の第三者には、裁判になるとその効力はない。理事の担当を明確化するか、理事会制度を、株式会社制度における取締役会と同様に位置付ける必要がある。寄附行為作成例で示している理事会制度では弱いのではないか。さらに、監事制度は反対に私学法で強い権限が定められており、監事の意識改革が重要である。なお、会計基準では、時価評価と簿価評価のいずれを採るかは学校によって違い、公開しても比較ができないため、統一が必要でないか。
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理事の代表権は寄附行為で理事長のみに制限することはよくあるが、法的には外部には対抗できないのか。
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対抗できない。判例が出ている。あくまでも内部規約である。
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理事には、学校の事情が解らない理事もおり、その場合でも、代表権があるのは問題である。原価・簿価については、認可の際に再評価することを認めており、混乱させる原因となっている。
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時価・簿価の関係について説明すると、学校法人会計基準上は基本的には簿価になる。ただし、有価証券だけは大きく変わったときは時価に変えても構わない。また、認可時に負債率に基準があり、そのときの計算の分母を出す場合に、簿価でなく、時価で見直してそれを分母にしても構わないということになっており、話が解りにくいかと思う。
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学校法人会計基準が成立した時とは状況が異なり、公益法人、独立行政法人、国立大学法人の検討がなされており、財務諸表の公開や公益性の担保という観点が出されている。学校法人についても同様な検討を行わないと、他の制度に遅れることとなると考える。
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私立学校は本来は理事会優先であるが、現実的には代表的な学校は社団法人の仕組みで作っているため、教授会と対立した場合に教授会を優先することがある。理事会の機能を確実に向上させるためには、この問題が最後に出てくる気がする。また、理事の役割を全部決めているが、非常に機能して上手くいっている。そうなると、理事を5人置くという規定が、逆にネックになり、もっと少数にした方が良いのではないか。その代わり、財務の公開など透明性を高め、理事の責任を明確にするなどチェック機能を強化する必要があるのではないか。全理事が代表出来るというのは、結論から言うと、全員無責任になる。
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幼稚園法人は小さい所が多く、法人の解散が問題になる。その際に、悪用されないようにすることが問題になっており、検討の視点の中に入れて頂きたい。また、NPO等としての形で、善意の者が参入出来るようなシステムも検討する必要がある。
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学校法人はNPOの典型的なものである。学校法人のガバナンス強化の議論では、他のNPO等公益法人で特に先進的な事例を示しているような所が参考になると思う。逆にここで一つの結論が出れば、他のNPO等公益法人にも非常に大きな影響を与えると考えられる。
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法的にはそれぞれの理事が代表権を持つことが、今の社会で果たして良いのか検討が必要である。リーダーシップは個人として持つのではなく、組織として発揮する必要があるが、もう少し頻繁に開かれ、業務に密着した理事会にする必要がある。また、評議員機能が不十分であり、理事会と評議員会の関係を法的にもう一度考えた方がいい気がする。教授会と理事会の問題だが、これは今回は検討しないと書いてあるが、全く考えなくていいのか。
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財務三表は難解であり、また、基本金も理解が難しい。財務状況は、臨時的な収入・支出と経常的な収入・支出を分けた方が把握しやすく、財務状況が解れば、問題点も理解出来る。
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ガバナンス機能の強化には、財務情報の公開と併せ、学校の教育内容や経営方針など事業内容の公開が重要である。また、財務情報の公開の場合、今の財務三表では実態が解らない。また、理事の経営意識が教育者という意識が強くて、組織を経営するという展望が企業に比べて少ないように見受けられるので、理事会を制度化して機関としての位置付けを明確にした上で、理事会と理事長の持つ役割、それから、理事のモニタリング機能をはっきりさせる必要があると思う。監事、評議員も同様に何をやるべきかをもう少し啓蒙するように研修をすることが必要かと思う。
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ある私学関係団体では、学校法人の経営困難回避策とクライシス・マネジメントについての中間報告を出した所である。この委員会の議論とも関係あるかと思うが、私立大学が破綻しないためには、何に注意するべきかを検討した。まず、学籍簿の管理のためのフォーマット化を提言している。国立大学法人との比較と私立大学におけるガバナンスの再構築のため、チェックリストを作り、内部監査システムの確立ということで、内部監査の必要性、内部監査機構の設置と運用、あるいは内部監査室の例として、組織図、実務の作業手順をまとめた所である。さらに、外部有識者からのアドバイザリーガードの必要性やアウトソーシング化の提案をしている。
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学校法人がどの様に生き残るかという切実な問題がある。ガバナンスの強化と同時に学校法人の解散などの方法を明確にする必要がある。また、学籍管理の問題があり、どこが管理するのかが非常に難しい。ガバナンスとは少し離れるが、考えておく必要がある。
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学籍簿の管理は所轄庁が責任を負うべきものと考え、検討をしている。なお、破綻に係る問題については、別途検討することとしている。ただ、議論の中で関わりは出てくるのかと思っている。
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理事会の法定人数は多すぎると考える。多様な学校があり、これを前提に考えるべきである。また、基本的には財務公開は賛成だが、実態から申し上げると、学校に財務公開を父母は全然期待していない。教育内容に関心があり、この公開を併せて検討する必要がある。
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親のニーズがないのは、財務三表を見ても解らないからではないか。
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親の関心は破綻しないという所を選ぶという程度である。例えば黒字になったら、授業料引き下げが求められる。
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都道府県レベルでは、理事5人では現実に認可されない。運営の公正性を確保できないという理由であると考える。
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小・中学校設置基準を策定し、最小限の認可基準とするなどの見直しを各都道府県に要望している所であるが、5人という点で問題があれば、検討願いたい。
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学校法人の規模によって随分実態が違う点などは、民間の企業における議論と本当に類似している。民間企業も株式会社(大・中・小会社)、有限会社等多様であり、ある種の基準で規制を分化しないと、形骸化することになる。
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まず、学校法人共通の課題について、検討したい。今後、個別の議論に入っていきたい。 |