学校法人制度改革特別委員会(第6回)議事録

1.日時

令和4年3月22日(火曜日)16時30分~18時30分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 報告書(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

福原主査、佐野委員、西岡委員、梅本委員、尾崎委員、米澤委員、田中委員、小原委員、川並委員、嵯峨委員、重永委員、尾上委員、福田委員

文部科学省

義本事務次官,森高等教育局私学部長,滝波高等教育局私学部私学行政課長,相原高等教育局私学部私学行政課課長補佐

5.議事録

【福原主査】
 皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより大学設置・学校法人審議会学校法人分科会学校法人制度改革特別委員会の第6回の会議を開催させていただきます。
 先週に続きまして、年度末が近づく御多忙の中、皆さん方には御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 今日は、東京は異常な低温で、朝から雪が舞う中でございましたけれども、この連休の前後に各学校におきましては久しぶりに卒業式が対面で挙行されておりまして、あちらこちらで卒業生の大変明るい笑顔に接することができる時期でございました。そのようなお忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 本日も新型コロナウイルス感染症対策のために、Zoomを用いてウェブ会議として開催をいたし、その様子をただいまもYouTubeライブ配信にて公開をいたしております。
 会議資料、音声等、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります前に、事務局から連絡事項と、本日配付、配信されております資料の確認をいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
【相原補佐】
 私学行政課の相原でございます。本日もよろしくお願いします。
 まず、本日もウェブ会議、そしてライブ配信ということで会議を進めております。御発言に当たりましては、画面に向かって挙手をされるか、Zoomの画面下の参加者ボタンから挙手機能を使っていただくか、そして主査の指名を待ってミュートを解除して御発言いただきまして、終了しましたら、またミュートに戻していただければと思います。
 本日の配付資料は、議事次第にありますとおり、資料1から4、そして参考資料1でございます。資料1と2は前回と同じ資料になります。また、資料3は、前回、報告書(案)に対してどのような御議論があったかを事務局のほうで簡単にまとめた資料となります。また、資料4は前回と同じです。参考資料1は、3月4日付の全私学連合の御意見を田中委員から御発表いただきまして、若干、その点からは古くなっている部分もございますので、意見の異なる部分はそこで更新されたというふうに改めてお考えいただければと思いますが、全体像として、改めて各団体の意見の概要のほうをお配りさせていただいております。
 以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 それでは、本日の議事に入らせていただきます。
 本日の議事の進め方でございますけれども、前回に引き続きまして、議題1として報告書(案)につきまして討議をしてまいります。前回の会議の最後のところで私のほうから申し上げたところでございますけれども、本日、会議を持つといたしましても、これまでの御議論を繰り返したり、あるいは蒸し返すといった趣旨では決してございませんで、前回の延長として、前回、御意見を縷々開陳いただきましたけれども、それで全て尽くされていないことに備えまして、本日、もう一度、念のために会議を設けさせていただいているということでございます。改めて本日の貴重な時間を活用して、報告書(案)の御点検をお願いしたいということでございます。最長2時間ということでございますけれども、よろしくお願いいたします。そして、本日の討議を終えて報告書(案)をまとめさせていただければと考えております。そういたしますと、時間も限られておりますので、取りまとめに向けましての御努力ということをお願いしておきたいと思います。
 併せてですけれども、本報告書(案)につきましては、この委員会が置かれております学校法人分科会の委員の方々にも御意見をお伺いしたところでございます。念のために、そちらの学校法人分科会の委員の方々からどのような御意見が寄せられていたかということをここの場所でも皆さん方にかいつまんで御報告をしておきたいというふうに思います。
 それを含めまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
【相原補佐】
 それでは、資料3になります。こちらは、前回、報告書(案)に対してどのような御議論があったのか、事務局でまとめておりますので、引き続き、御意見、御議論を深めたいという事項につきましては、またこちらを参照の上、お願いできればと思います。その上で、先ほど主査より御紹介ありましたが、本委員会の親会議であります分科会のほうで各委員に報告書(案)の御意見を伺ったところでございまして、本日までに頂戴した御意見を簡単に御紹介したいと思います。
 まず、今回の理事会や評議員会の関係性というところにつきましては、この特別委員会での御議論において、改革会議からの提言から一定の修正が図られたことについて、おおむね賛成の御意見を頂戴いたしました。その上で、評議員会の議決事項の取扱いに関しては少し御意見がございました。一つは、中期計画の取扱い、この委員会の中でも御議論ございましたけれども、それは評議員会の議決は必要ではないのではないかという御意見がありました。また、逆に本委員会では法人の存亡に関わる基礎事項的変更について、評議員会の議決にするということでございましたが、今回、この報告書(案)においては、知事所轄法人は現在の制度を維持するというものでございますが、一部委員からは知事所轄法人についても別扱いにすることは不要ではないかという意見も確認的には出ていたという状況がございます。
 次に、理事会の理事のメンバーに関しまして、今回、大臣所轄法人について、外部理事の役割ということの重要性に鑑みて、複数引き上げるというような御提言をいただいておりますけれども、同様に外部監事ということについても複数、委員のほうからは意見をいただきました。具体的には、主査、村田委員との間でも監事の役割、監事の適格者の御議論もあったかと思いますけれども、今回、退職してから一定年数たった方などの扱いについては、そのような独立性というのも考慮したほうがいいのではないだろうか、そのような御意見も頂戴をいたしておりました。
 それから、もう一つ、評議員会の構成メンバーということで、理事会のメンバーとの関係性というのは、前回、兼職について御議論も頂戴したところですが、分科会の委員のほうからは、規模や創立の歴史を問わず、ガバナンスの徹底を図るという観点から、理事会と同一メンバーを集めた評議員会ということではなく、お互いに協働したりノーと言える関係というのをつくっていくべきであるというような御意見も改めて頂戴をいたしたところです。
 また、任期について、前回、御議論が幾つかありましたが、その中でも少し出ておったかと思いますが、分科会の委員のほうからも、監事の改選につきまして、監事は2人以上、複数選任がされておるわけですけれども、複数の監事の改選が同時期に来ないようにする、そのような工夫というのも認められるべきじゃないだろうかというような御意見をいただきました。
 また、情報公開、情報開示について、特に大臣所轄の学校法人については、共通のプラットフォームでの開示の検討を進めてはどうかというような御意見をいただきました。
 次に、法的な事項ではない部分でガバナンスコードの在り方についても複数御意見を頂戴いたしましたので、幾つか御紹介をいたします。特にガバナンスコードの在り方については、各団体の定め方というものが違っている、国立大学との定め方が違っているというところについて、委員からも御指摘がありました。そして、その上で、特に具体的に今後、ガバナンスコードをコンプライ・オア・エクスプレイン方式にしていくのか、あるいは基準がそれぞれ異なっているのを許容するのかはしっかりと議論していくこと。あるいは、大学、監査協会、私立医科大学協会といった今回のメンバーシップではない団体も含めて、合同でガバナンスコードの協議会のようなものを立ち上げて作成していってはどうか、このような御意見をいただいたというようなところでございます。
 また、学校法人分科会におきましては、この報告書(案)については、また正式に4月に入りまして御報告させていただきたいと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 分科会委員から寄せられた意見についても、口頭で御報告をいただきました。御参考に供したいと存じます。
 それでは、前回の後半部分に続きまして、報告書(案)について、引き続き御意見、御質問等を賜ってまいりたいと存じますので、御意見等がございます委員はお知らせをいただきたいと存じます。また、御要望等もお知らせいただければというふうに思います。
 では、川並委員、どうぞ。
【川並委員】
 前回、資料4について質問したところ、参考であるという話でしたが、今回、また資料として出ましたので、よほど大事なことなのだろうということで、改めて発言をさせていただきます。
 まず、タイトルの「規模に応じた対応案」というのは、規模ではなくて「所轄に応じた」としていただくほうが内容に即しているのではないかと思います。
 また、内容についてですが、大臣所轄と知事所轄と区分されており、大臣所轄の学校法人には大学・短期大学・高等専門学校を有する学校法人と明記をされています。前回、この質問をした際に、社会的影響が大きい学校種であるから大臣所轄であるという説明もいただきましたが、社会的影響が大きい学校種ということは、高等教育機関であるからだと思うのです。それが違うのであれば違うと御説明いただきたいのですが、高等教育というくくりで話が進んでいると解釈をさせていただくと、高等学校の卒業後の教育を担う幾つかの学校種の中には、知事所轄法人に区分されている学校種もあり、そして高等教育を担う機関であると公言されている学校種もあります。したがいまして、社会的影響が大きい高等教育を担うことを宣言されている学校種も、やはり、大臣所轄の学校法人に括弧書きされております「大規模・広域の知事所轄法人」に含めて検討する必要があるのではないかと思っております。社会的影響が大きい高等教育を担う学校法人のガバナンスが、今の知事所轄法人の区分で処理されて良いのかについては、日本私立短期大学協会としても大変疑問に感じるところであり、ぜひこの辺について御検討をいただきたいと思います。
 なお、知事所轄法人の区分の中で小規模法人について触れられている部分がありますが、地方の小規模な短期大学の現状を何度か説明をさせていただきましたとおり、小規模法人についても俎上に上がっていることを鑑みても、ぜひ同様に御検討いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
【福原主査】
 ありがとうございました。規模別という言葉の使い方に始まりまして、所轄、また、学校種という観点での切り分けとともに、やはり規模に基づいて規制というものを考えるのであれば、同じ大臣所轄といえども、他と同じくするということもあり得るのではないかという御指摘を賜りました。今後、この点につきましては、規模という、最初からこの資料のタイトルを使っておりましたので、これを維持してきたところでありますが、有識者委員の複数の方からも、このタイトルはいかがかという御指摘もいただいているところでございます。内容については、各委員、御認識をいただいたところでございますので、今後、報告書で述べさせていただいたところを具体的に法制化していく中で、こういった規制分化というものについて御議論を重ねていくことになろうかというふうに思っています。
 大変貴重な御指摘、大事なことでございますので、最終回の本日御指摘いただいたことは大変重かったかと思います。ありがとうございました。
 重永委員、どうぞ。
【重永委員】
 ありがとうございます。
 これまでの議論の中で、福原先生をはじめ委員の先生方の大変慎重な御議論によって、いろいろと私どもが懸念しておったところが払拭されてきているというふうに思っておりまして、その点、最初に感謝申し上げたいというふうに思います。
 ただ、1点だけなんですけれども、理事と評議員の兼職禁止ということが移行措置を取らずに実施するというようなことになっておりますけれども、ぜひこの件についても、小規模法人ないしは知事所轄の法人につきましては移行措置を設けていただけないかというふうに思っております。
 理事長をはじめ理事が評議員会に出席して、理事会の方針を説明し、評議員に納得いただくように説得もしていくというような体制であるようですので、私どもの意図するところも実現しそうな気はしておるわけですけれども、やはり、理事が全く評議員を兼ねないで、評議員の方たちだけで評議員会を運営していくというようなことについては、やはり戸惑いもあろうかというふうなこともございますし、何よりも評議員が善管注意義務ですとか、場合によっては損害賠償責任を負うですとか、これまでとは違う大変な重責を持たされるわけですから、そういうことを説明をしつつ、それを実感といいますか、納得していただきながら、自分の気持ちに落としていただきながら、この先々、評議員を引き受けていただくということが必要だとしますと、やはり、移行措置というものを十分な期間取っていただくことが必要ではないかなというふうなことをちょっと感じております。ぜひ規模に応じた、あるいは所轄に応じた対応案の中で、移行措置の中に兼職の問題も盛り込んでもらえないかというふうに思うところでございます。
 以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございます。
 田中委員、小原委員とお知らせいただいておりますので、そちらをお伺いした後、前回に重ねて出てきておりますので、理事と評議員の兼職の点は少しフォーカスをして、さらに御意見をいただきながら、報告書としてのまとめを慎重にいたしたいというふうに思っております。
 では、田中委員、そして小原委員の順に追加意見をよろしくお願いします。
【田中委員】
 2点ございまして、1点は今、重永先生のおっしゃったことと関連しておりますが、理事と評議員の兼職の禁止ということは、原則的な考え方からいって妥当であるというのは前回も御議論あったところで、私もそう思っておりますが、やはり、経過措置は重要だと思います。移行期間というものは重要であると思っております。
 もう一つは、今、重永先生が御心配されていた学校法人の運営を御存じない評議員の方だけで評議員会を運営することは、非常に戸惑いがあるだろうということに関してです。これを法令にお入れになるかどうかは分かりませんが、評議員会には理事が陪席するということが本来盛り込まれるべきだと思うんですね。すなわち、理事と評議員は役割が異なるわけです。意思決定をして政策を執行する理事が、評議員の方たちの御質問に答えて、説明責任を果たすということが必要なのです。ですから、学校法人のことが分からない評議員の方だけで評議員会を運営するのではなくて、運営は評議員会の議長がし、評議員会を運営なさるのですが、理事はそこに陪席し、問われたらちゃんと質問に答えるということで、学校法人の運営の内容をよく理解していただくということが大事だと思っておりますというのが1点でございます。
 もう1点、先ほど相原課長補佐様から御指摘いただきました資料3ですけれども、2の学校法人の機関構造設計のところですね。法人意思決定の構造とガバナンス構造との適切な構築のところで、小原委員から御指摘がありましたところの「現状でも問題がないから改革の必要はないと判断するのではなく、」というところは削除はできないかという御提言があったことに関して、その後に私が前回申し上げた文言が、ちょっと私が考えていた文言とここで出していただいている文章が違っておりますので、そこだけもう一度、訂正していただければと思います。
【福原主査】
 はい、お願いします。
【田中委員】
 「現状でも」というと、いかにも何か具体的な学校法人を指しているような印象を与えますので、それよりは、「現状において問題がないとしても、私学のガバナンスの改革が不必要であるとは言えない」ということを述べていただく必要があるのだと思います。そうしますと、誰かが反対しているという意味ではなく、現状をよく考えたときに、たとえ問題がないということがあっても、やっぱり私学のガバナンスをよりよくするためには改革は必要であるということを申し上げると、そういう姿勢を示す。これは認識論といいますか哲学を示すのであって、問題がないから大丈夫だという意味ではないということなんですね。そのような表現にしていただき、やはり改革の必要があるということを我々が認識しているということは、ぜひこの案の中では残していただいたほうがよろしいかなというふうに思っている次第でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 小原委員、次、御発言いただく中で、今の田中委員の御指摘につきまして、関連してお答えいただければと思いますけれども。
 では、次、小原委員、どうぞ。
【小原委員】
 基本的にはその方向で良いのではないかなというような気がいたします。
 私のほうは3月17日に提出された資料の4ページ、2-2、規制区分のところで、最後の3行です。「あわせて、現状の」というのがありますね。「大臣所轄学校法人以外の法人を中心として慎重に措置するとともに、必要に応じて経過措置を定める」とありますが、大臣所轄の学校法人においても大きな改正になります。また、現在の理事、評議員の任期の問題もありますので、やはりどの学校法人であったとしても、経過措置というのは取っておくと、運用していく上でやりやすいと思います。
 次が5ページの3-1、評議員会のガバナンスの現代化を進める観点から、中期計画と役員報酬ということが書かれていますけれども、中期計画というのは財政計画なのか、それともいわゆる学部、学科の改組を含める教学を含めた計画なのか、ここら辺が曖昧です。もし教学のことを含めての中期計画となりますと、先ほど重永委員が指摘したように、直接大学教育に携わることのない人が教育計画まで立てるのは無理です。学校法人分科会でも意見が出たようですけれども、中期計画というのは外しておくべきではないかなという気がいたします。
 これから、6ページ、上から2行目、3行目です。どういう意味なのか、これはもう少しはっきりさせておいたほうがいいと思います。ガバナンス会議の方向へ持っていく、2段目、3段目の含みがあるんではないかなという気がいたしますし、これは双方にとって了解を生じるのではないかなと思います。
 それから、7ページです。いわゆる理事の解任勧告、理事会もできない、監事もできない、そして評議員会が機能しない場合、評議員自ら訴訟を提起できるというと、一人にそれだけの権限を与えるということはいかがなものなのでしょうか。これはさきにうたった協働の機能不全を来すのではないかなというような気がいたします。実際、学校運営、大学運営をやっていて、必ずしもみんなが同じような意見を持っているわけではありませんし、一人にそれだけの権限を与えるというのは、逆の意味で評議員の暴走を来すことではないかなという気がいたします。ここはもう一度、文科省のほうでも文言と内容を検討していただければと思います。
 最後になりますけれども、11ページ、財務情報及び事業報告書の学校法人共通のプラットフォームについて、将来的な課題として、これはここでは取り上げないで、また別のところで取り上げるという意味なのか、ここも少し明示しておいていただければと思います。
 以上です。
【福原主査】
 慎重に、また的確な御指摘をいきまして、ありがとうございました。記述が複数に及んでいるところで、そこだけを見れば十分でないところもあったかというふうに存じますので、御指摘を承っておきたいと思います。
 今、御意見を賜ってまいりましたので、そこまでを踏まえて、前回いただきました修正提案等も踏まえまして、少し報告書(案)の最終まとめに当たっての御意見を、総意をお諮りできればというふうに思います。前回の主な修正意見というものと、今、幾つか開陳された意見に従いまして、お伺いをしていきたいと思います。もし関連することで、それ以外でも報告書についてお気づきの点がありましたら、お手を挙げて御指摘をいただきたいと思います。
 修正意見の一つとして、学校法人の責務と役割の中で、前回、川並委員から「校務」をつかさどる権限というところの「つかさどる権限」は削除すべきではないかという御指摘をいただきましたが、これは川並委員、表現上の問題だけじゃなくて何か御懸念がおありなのでしょうか。
【川並委員】
 表現上の問題で、どうもその一文が入ることによって、経営と教育が分離してしまうような感じがして、経営が教育を最大限配慮するというと、経営が主で、教育が従になるようなイメージがあるので、両輪であるという意味で、この一文を外せばということでございます。
【福原主査】
 ありがとうございます。考えは皆さんと御一緒ですが、それをどのような表現でということが問題で、こういうふうに表現したことで誤解が生じてはいけないという御指摘であったかと存じます。一応、形式的には学校教育法の条文上の文言を持ってきてはおるのですが、特に前後の脈絡におきましては、他の公共性のある法人と比べまして、学校法人の特殊性はまさにそういう校務というか、人を育てる教育を行う学校を設置しているところにあるということで整理を始めたものですので、そこが少し強調されたばかりに、両輪というよりは、御懸念が生じたのではないかというふうに存じました。学校教育法の条文という意味で表現は維持させていただければと存じますが、御懸念が生じないように今後処理をしていただくというふうに思いますので、御了解いただきたいと思います。ありがとうございました。
 その次に、小原委員と田中委員から本日も御意見がありましたけれども、田中委員から「現状において問題がないにしても、私学のガバナンスの改革が不要であるとは言えない」というふうにお伝えをいただきまして、そういう形にすれば、小原委員も何か否定的な、特定の意見が否定されているようなという御懸念も払拭できるのではないかと。不断の改革の姿勢が述べられているということで、皆さん方がやはり真摯に学校教育の現場から改革はこうあるべきだという議論を今回の委員会ではしていただいたことが社会に理解をしていただければというふうに思います。では、田中委員の御指摘で小原委員も御了解ということでございましたので、本日訂正をいただきました田中委員の御指摘の表現を参考にして、誤解が生じないように修文をさせていただく、これでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。
 それから、同じく表現のことですけれども、次のページ、とりわけこれは前回もあり、今回もありましたけど、理事と評議員の兼職の禁止の部分についてです。やはりこれは学校法人全体についての措置ということを法令で定めるのに、知事所轄ではやはり難しいのではないかという現場の声もございました。また一方で、学校法人ガバナンスへの社会的信頼確保を進めるということは今回、当委員会の重要な役割だというふうに皆さん考えていただいており、この機会に学校法人全体として理事と評議員との兼職禁止という措置は必要ではないかというのが多くの意見ではありました。ただ、現状から、それへの移行ということについては、移行措置ですね。しかも、これは先ほど小原委員もおっしゃったように、知事所轄のみならず、大臣所轄でも必要な場合があるのではないかという御指摘もございました。この点、前回、特に嵯峨委員から御懸念が強く出ていたかのように記憶いたしておりますけれども、この点いかがでしょうか。評議員と理事の兼職禁止という点につきまして、前回御指摘いただきましたが、その後の御意見等をいただいたところで、何か御所見等を賜れればと思いますが。本日のところはよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 では、そのときに私のほうで少しコメントさせていただいたのですが、社会福祉法人における制度改革においても同様の議論があり、先ほど御指摘がありました理事と評議員の兼職を禁止するということになったときの懸念としては、全く理事会と離れてしまったところで物事が決められたり進んだりということに関する御懸念が一つあり、また、評議員を選ぶということが実は地方等において困難を来すのではないかという点がもう一つあったかと存じます。同じ問題が社会福祉法人においても議論がされて、法改正がなされるときに、大変慎重な対応がなされたということを私からも申し上げましたけれども、学校法人の改革においても、それに倣った丁寧で慎重な経過措置、移行措置、段階的な実施といったような措置が必要ではないかと先ほども御指摘があったところです。そういう点で、もしよろしければ、事務局のほうから社会福祉法人の改革において兼職を禁止したときのその後の経過措置の例ですね、これが今回、もし皆さんがそういうふうにやっていくのであれば何とかできると思っていただければよろしいかと思いますので、相原さんからお願いできますか。よろしくお願いします。
【相原補佐】
 ただいま主査から御指摘のありました社会福祉法人における改革の実施に当たっての経過措置、これを事務局のほうで、前回の主査の御指摘を踏まえて少し調べておきましたので、御報告したいと思います。
 平成28年の社会福祉法改正の前は、社会福祉法人では評議員会というのは任意の設置ではありましたが、一方で標準的な定款などでも推奨していたようなところもありまして、一部の法人で評議員会が設置されている、このような状況において、評議員会の改革というのが導入されたということでございました。
 改正前の状況におきましては、評議員の人数が13名以上というのが指導上の水準でございました。この際の評議員は、理事と評議員が兼職することが可能という取扱いとなっていたものです。そして、28年の法改正の結果、評議員会というのが全て、小規模な法人も含めて評議員会の必置規制というのが導入されるとともに、評議員の人数につきましては、役員と評議員の兼職禁止を前提に、その変更に伴って、定数は評議員は7人以上ということに引き下げられたということでございました。
 しかしながら、その引下げに伴っても、なお人材の確保等について難しさがあるという意見もあったということで、この経過措置といたしまして、小規模な法人、具体的には、その際、経過措置のほうでは事業収益が4億円以下の法人にされたわけですけれども、主に保育所を1法人設置するのみというような社会福祉法人が念頭にあったというふうに言われておりますが、そのような小規模な法人について、法令上は、本則では7人という、理事と兼職しない評議員を確保するその措置に対しまして、経過措置として、施行後3年間は評議員は4名以上ということで、兼職は禁止の前提ではあるものの、7名という本則の人数を3名引き下げて4名ということで経過措置が設けられた。この際には、保育所等への配慮、また、全国知事会等からも御意見もあって、このような措置が検討されたというふうに伺っておる次第でして、改めて御紹介をさせていただきました。
 よろしくお願いします。
【福原主査】
 あと、経過措置の取られている間に、評議員としての適材というか人材の確保という意味においては、どんな取組がなされたのでしょうか。
【相原補佐】
 これも今、主査がおっしゃられたとおりでありますが、特に保育所などの1施設1法人という小規模な法人において、適材の評議員を探してくるということの困難、これも御意見がかなり出ていたということも踏まえまして、所轄庁や、あるいはそれぞれの市町村の社会福祉協議会におきまして、それぞれの法人の御相談に応じて、この人材に関しても支援を図るというようなことが、これは法令ではございませんけれども、実際上の支援措置として講じられたというふうに伺っております。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 このような先行した法人改革において取られた事例等、また、その成果等も踏まえて、やはり学校法人の改正内容を実施するに当たっても配慮すべきではないかということで、報告書にはそのことも書かせていただきました。また、その部分のみならず、先ほど小原委員から御指摘いただいたところは、大臣所轄法人以外を中心としてということですから、大臣所轄法人の実態を踏まえて、なお配慮しなければならない部分があるとすれば、それも限定的ながら経過措置というようなものが措置される必要性も出てくるのではないかというふうに思われます。いかがでしょうか、そのような形で今回、社会に対して私たち特に私学の関係者が自ら改革をするという姿勢を示しつつ、そしてそれが現状とかけ離れないように措置も段階的に行っていける、そういうところで落ち着かせたいという趣旨でございますが。今日、冒頭、重永委員が、むしろ、主査に代わっておまとめいただいたかのようでございましたけれども、そういう形で報告しようと思いますけれども、重ねて小原委員、いかがでしょうか。
【小原委員】
 大学とか、あるいは兼職を禁止する代わりに評議員の上限を下げれば対応できると思うんですけども、全国8、000ある幼稚園まで、いわゆる法律ですから網がかかるわけですけれども、果たしてそれは現実的なのかどうか、この辺も少し考慮しなければいけないんではないかなと思うんですね。今までの会議、それから改革会議を見ても、都市型のある程度安定した大学ということが中心にあった。ところが、法律上、高等教育と中等教育以下を分けることはできない、私学は一本だということで、幼少中高までが対象になったんですけれども、大学で可能なこと、イコール幼稚園あるいは小学校で可能とは限らないと思うんですね。特に地方に行けば行くほど難しいわけです。私が調査した大学でも、理事すら確保できなかったというのもありますから、兼職を一律というのは、運用上無理があるんじゃないかなという気がするんですね。その辺をどう例外措置を取るかというのは非常に難しいと思うんですけれども。小さな幼稚園のことを考えると、下手すると、廃園というところに追いやられてしまうんじゃないかなという危惧を私は持っております。
 以上です。
【福原主査】
 ありがとうございました。各地域のことや、また、様々な現場を思いやっての御心配もお伝えいただいたところでございます。先ほどの社会福祉法人の件につきましては、例えば認定こども園等の制度が置かれたときに、これを企業型で設置するか、社会福祉法人型で設置するか、学校法人型で設置するかという設置形態の違いがあるものですから、その中で学校法人の場合が社会福祉法人とちょっと違っているという現状もあるように聞いております。
 では、その点について、尾上委員のほうから、ただいまの議論などに接して、現場のお声や御意見等賜れればと思いますが、いかがでしょうか。
【尾上委員】
 本当に小原委員が私どもの8、000園のことを御心配いただき、本当に感謝に絶えません。ただ、前回の会議で申し上げましたように、やはり時代の流れを俯瞰していくと、やはり兼職の方向というのは抗し難いというふうに理解をしております。ただ、今、相原補佐から先行された社会福祉法人の改革の取組について具体的にお話しいただきましたが、やはりそういった経過措置は十分取っていただくと同時に、我々も設置者の理解を深めるというような、十分そういった環境づくりをしっかりとしていただかないと、実行可能なものにならないのかなと思っております。原則は賛成します。
 それで、関連しているかどうか分かりませんが、理事の近親者などが評議員に就任する場合の上限設定という問題もございます。これはまさに今、地方の園、認定こども園は、園長、事務長、教員、家族一丸で幼児教育を提供しているという実情があり、そういった小規模の実情を考慮した上限としていただきたいということも併せてお願いして、理事と評議員との兼任という禁止を原則、私どもは支持し、その努力をしてまいりたいということでよろしゅうございますでしょうか。
【福原主査】
 ありがとうございました。大変配慮に満ちた小原委員並びに現場のお声も踏まえての尾上委員の御意見をいただきましたので、ここのところでは、取りまとめといたしましては、兼職の禁止ということは学校法人ガバナンスの社会的信頼確保を進める上で法令上措置することにしつつも、現状からの移行措置については学校種、規模等を踏まえた経過措置を丁寧に施すべきであろうということでまとめさせていただきたいと存じます。貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、続いてですが、あと、前回いただいた意見等でまだ申し上げていないところですが、一つは表現等についての御懸念が生じているところが幾つかあったように思われます。順次、私のほうで気がついて、このようにということ、再提案をさせていただきたいと思います。1ページ目の大きな1番、2番は点検しました。大きな3番のところで、理事会・評議員会の地位、これは冒頭から議論をさせていただいたところですけれども、一つのアイデアとして、小原委員から理事会が最終意思決定機関というふうに明記してはどうかというアイデアを頂戴いたしましたが、最終とか最高ということを法令上書くと、そのことの意味が大変取り沙汰されておりまして、これは制度を理解するためにそういう表現を用いることはありましても、このような抽象的な表現だと、かえって誤解や批判を受けるということをこれまでの議論で知ったわけでございますので、それを避けるようにして、ここで皆さんの御意見をいただいたのは、適切な権限の配分によって、合理的意思決定と抑制、牽制によりガバナンスの実効性を確保する、こういうことにあったわけでございますので、特に最終意思決定機関というような言い方とか最高の何々ということを今回は避けさせていただいたということを御理解いただければというふうに存じております。
 一方で、理事会と評議員会の関係性について、今日も御指摘ありましたけれども、「必ずしも直ちに不可欠な措置と言えない」のところ、直ちにと言ったら、今はやらないけど、今後あり得るかもしれないと今日も御指摘いただいたので、「直ちに」は直ちに削除させていただくということで御了解いただきたいというふうに思っております。むしろ、誤解を避けるために、そのように修文をさせていただきます。
 それから、同じ理事会と評議員会に関係するところで、有識者の委員等からもございました評議員会の議決事項等についてでございますけれども、御指摘を幾つかいただいたところでございますが、そのときに寄附行為でどうすべきかということに関する御議論、御意見にまで及んでいたかと思います。大変重要なところですので、御指摘いただいたことはありがたく存じますが、報告書の現行の表現は維持しつつも、寄附行為の定め方等につきましては、この後に続く寄付行為作成例の検討といった実務的な役所での検討が続くわけでございますので、ここで賜ってまいりました御意見につきましては、その段階でまた検討していただければというふうに思っており、ここの表現については維持をさせていただければと存じます。この点、梅本委員、重永委員、田中委員、尾崎委員等に御意見いただいておったところですが、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
 それから、理事会の監督機能によるガバナンス強化につきまして、佐野委員から、注記の7が注になっておるけれども、本文中に記載すべき、これは注じゃなくて大変重要だという御指摘がありっました。私もそう思っておるのdですが、ここの部分はやはり会計年度に対応した役員の責任期間というものが学校法人で明確にされていないという趣旨でしょうか、佐野委員。
【佐野委員】
 おっしゃるとおりです。
【福原主査】
 この点、やはりそうですね。ほかの営利事業体、また、他の法人の役員の任期というものにつきましても、やはり決算をきちんとし、報告をしたところで交代をしていくというのを原則としているわけでありますので、この点につきましても、報告書では、注記ではなくして、そういった制度がどのレベルで規定できるかということもあるかと思いますけれども、他の法制も踏まえた上で、佐野委員の御指摘を報告書でもしっかりと、注記ではなく本文で記載できればというふうに思っております。よろしいでしょうか。
 あと、評議員と理事との兼職、大変大きい、重い問題でしたので、これは先ほど皆さんのお知恵と温かな御配慮等の御意見をいただいて、進めることにいたしました。
 その後、評議員会の構成、それから評議員の任期といったところがございました。本日も関連した御意見がありましたが、特に役員近親者の評議員に占める数や割合につきましても、これは先ほどの経過措置が単なる人員だけではなく、割合についても配慮の対象とすべきだという御意見もあったことから、実態に即して制度趣旨が実現できるように措置を講ずるということで、皆さんの理解を整えておきたいと思います。
 それから、評議員の任期についてですけれども、これにつきましても、評議員の任期、一律に長期化すべきではないという御懸念もありましたけれども、これも実態に即しながら、寄附行為で措置できるところでございますので、ここはそういった点をお読み取りいただくということで措置したいと存じます。
 以上のところまではよろしゅうございますでしょうか。そういうふうに皆さんの御理解を整えさせていただいて、必要な報告書の修文を図るということにさせていただきます。ありがとうございます。
 次に、監査体制の充実につきましては、これは主査の覚書も改めた修正案のところで充実をさせていただいて、皆さんの御意見もいただいたところです。まず、小原委員から内部通報は誰がするのかということを明確にすべきだという御指摘、これはまさに内部通報の仕組みをどういうふうにするのかということですから、法制的にどうこうするというよりは、内部統制システム構築の実務において整備されるところかというふうに存じます。ここのところ、御趣旨を踏まえながら、法制におきましてはそこにまでは及びませんけれども、実務を整える際には一つの論点として認識がされるものと思います。
 それから、会計監査人の整備につきましては、御専門の佐野先生からいつも御指摘をいただいているところでございます。この機会に私学振興助成法に基づく監査を私学法に移すこともぜひ検討し、これは可能なのではないかという御指摘をいただきました。この点については、既に随所で御議論がなされているところであります。法制上の要素を含めまして実務的対応に多くの検討を要してきたところでありますし、まだなお要するところであると実務のほうでも認識されているようなところでございますので、くれぐれもこれによる会計士の方々の、あるいは学校法人の実務上、財政上の負担増を避けるということは図らなければなりませんが、今回は合理的な範囲での私学法の法令の改正を施すことから始めさせていただく。そして、学校法人における実務の推移を見て、佐野先生の御指摘というのが今後検討の俎上に上がってこれるような環境整備に努めるということのほうをまず第一歩として認識をしておきたいというふうに思います。佐野先生からはいろんなところでお教えをいただきましたけれども、報告書の段階では、まずそのような第一歩を踏み出すということで御了承いただければと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それから、子法人の在り方と両括弧でタイトルをつけたところですが、子小法人の問題と学校法人のグループ経営の問題とが混在しているのではないかと米澤委員からも指摘を受けまして、また、佐野委員からも、どちらかを前のほうの総論のところに持っていってしまったほうがいいんじゃないかという御指摘もいただいたところでございますけれども、これは主査の覚書で、単独の学校法人の問題だけではなく、今後、学校法人の様々なグループ化に向けて法制度も整えていかなきゃならないという認識の下に、また子法人というものが法規制の間隙を生じさせてはいけないというようなことなどを併せて書いたものですので、そこには2つの問題点があることを整理して、改めてそこのところでもう少し修文して、表現を改めて記述を再整理させていただくということで、それらの意見を受け止めさせていただきたいと思います。米澤委員もそういうことでよろしいでしょうか。そこだけを今回掘り下げるというわけではございませんけれども、そういう再整理はさせていただきたいというふうに思います。
 それから、寄附行為に関しての名称の使い方につきましてであります。「ただし」以下を削除すべきではないか、まだ先に含みを残してしまうことになるのではないかという御指摘がございました。ごもっともかと思います。将来の議論までこの報告書が縛るということはできないことは当然でございますけれども、今回の御議論、それはやはり学校法人ということの特殊性から再認識を出発させたわけでございますので、それを表す象徴的な寄附行為という言葉は今回残すということが議論の出発点でございましたので、それ以外に含みを持たせないということにいたしまして、今回の合意点を示すように工夫をさせていただくということで御了解いただきたいと思います。将来こうあるべきであろうというところまではまだ議論しておりませんので、それは報告書からは削除するようにいたしたいというふうに思います。
 以上が、前回の意見と今日の前半でさらに追加していただいた意見を踏まえて、報告書の修正ということでまとめさせて戴いたところでございますが、今のそれぞれの点を含めて、またそのほかの点でも、何かございましたら、御意見をいただきますが。報告書ということではそれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 田中先生、御意見をいただきましたが、どうぞ。
【田中委員】
 本日、私立大学連盟の理事会がございまして、その中で、やはり2名の理事、大学の学長を務める方から御指摘がありました。今、3-2のところの議論をしていただいておりますけれども、報告書の中では10ページになります。3の2の(1)の10ページにわたったところで、監事の牽制機能の強化のところで、「監事の一部を常勤化することとすべきである」について、やはり御指摘がございまして、この間、私も福原主査からお教えいただいて納得したところでございましたが、それは企業におきましても、例えば取締役の方が取締役を降りた後に監事になることはあると。ですから、内容を十分熟知している方が立場を変えて監事になることがあり得る。それから、給与面でもほぼ同じ給与で雇えるということで私は納得しておりました。ただし、前回私が申し上げたのは、論理的に矛盾があるんじゃないかと言う点もございました。理事会に雇われている、自分の給与がそこから出ている方が監事をすると、公平性が失われるんじゃないかということがやはり本日の私大連の理事会で、2名の学長の方から御指摘がありました。つまり、フルタイムで雇われることが、やはり監事として厳しい意見を理事会に言えなくなるんではないかという御指摘なんです。それは前回、私が申し上げた論理と同じなんですが。そこについて、もう一度、有識者の先生方もいらっしゃいますので、理論的にそれは問題がないということであれば、私の疑念を払拭していただければと思うんです。やはり論理上、自分の給与がある企業から、もしくはある大学から出されている。そうすると、フルタイムで雇われているということは、その雇主に対して厳しい意見を言うことが難しくなるということはないでしょうかというのが再び同じ疑問でございますが、そこについて、ちょっとお教えいただければと思います。
【福原主査】
 尾崎先生、御解説をお願いできますでしょうか。
【尾崎委員】
 福原先生も御解説できると思うのですが、私から説明させていただきます。田中先生がよく「監事は法人に雇われている」とおっしゃっていますがこれは、間違いです。監事と法人との法的関係はあくまでも委任です。ですから、「監事としての事務の委託を受けている」という捉え方を私なんかはするのですが。会社の場合も、監査役は会社に雇われておりません。取締役も会社に雇われておりません。選ばれた人が法人から委任されて、その事務を行っているわけです。ですから、賃金ではなくて報酬です。ですから、監事の報酬をどうするか、理事の報酬をどうするかというのは、これは雇われている労働者の賃金の議論とは違います。
【田中委員】
 なるほど。
【尾崎委員】
 つまり、報酬は役務の対価といいます。労働の対価である賃金はなくて、役務の対価と理解しています。
 常勤と呼ばれていることを、田中先生、よくフルタイムとおっしゃっていますが、フルタイムというのは、働き方の表現方法です。勤務形態です。だから、普通の労働者のように、9時-5時でいなければいけないという話とは違っておりまして、委任事務を果たすために常勤的働き方という言い方、変な言い方ですが、ですので、複数の会社で常勤をするということができるかできないか、理論的にあり得るのです。理論的にはできるだろうとも言われております。そして、常勤であるからといって、朝9時に出勤してタイムレコーダーに入れなきゃいけない、そういう働き方ではないわけですね。ですから、監事の仕事を常時やっていく。つまり、非常勤の人に対する常勤だと理解していただければ結構なわけで、それにふさわしい報酬をどうしますかということです。ですから、報酬面の独立性の確保というのが大変重要でして、会社法の場合は取締役と監査役の報酬は別立てで決めなければいけないというふうになっているのです。そして、その監査役の報酬の適切性については、監査役は自分たちで意見が言えるわけでございまして、そして監査役というのは、今、先生おっしゃったように「横滑り監査役」という言い方を我々はするのですが、取締役を辞めた人が監査役になる、これも一部自己監査になるのですね。例えば3月決算の会社が6月の総会で、その前の取締役だった人が監査役になりますと、4月から6月までの部分は取締役の仕事をやっていた部分になるわけです。しかし、それでも構わないというのが多数説、通説的理解になっております。気持ちが変われば、立場が変われば、自分のやったこともチェックできるし、それ以外の監査役、つまり、これまでやって監査役と業務の引継ぎさえうまくできれば、監査業務はできますよね。ですから、そういう意味におきまして、厳しい意見が言えなくなるのではなくて、厳しい意見を言わなければ、監査役の任務懈怠です。ですから、監事の任務懈怠になります。だから、そこのところは立場が変われば構わないと。そして、常勤という勤務形態と理解していただいて、完全に雇ってしまうという理解ではないというのが会社法的な理解です。だから、監事も同じように考えていいのではないかと私は思っています。
 福原先生、それでよろしいでしょうか。
【福原主査】
 まさにそのことと、現状は理事長が選任してしまうということがあるので、そこのところにきちんと物を言える監事という地位の独立性と職務の公正性というものが図れるのであろうかという疑問も一方であるわけでございます。したがって、今、まさに田中先生のおっしゃったところは、もう一つの選任の仕方にも関わってくることでありますので、これは常勤か非常勤かを問わず、監事といったものの選任の仕方を、まず、理事長が自分が監査される人を選んでしまう、そしてその方の報酬を決めてしまうというようなことを通じて監事の機能が損なわれないようにするということを一方でやっておきながら、職務の執行を監査するという業務監査の内容が大変増えてきましたので、それに対応することが必要になります。
 また、他の会計士の方の監査との関連や、いわゆる三様監査と言われているようなものも含めて、監事の役割が大変複雑になって、大規模なところほど多くなっています。評議員会の前にぱたぱたっと監事にハンコを押してもらって、財務諸表を見てもらうだけで、一、二回出てきてもらえばいいですよというんじゃなくして、かなりの業務、こういったものがあれば、複数置くとともに、それをチームとしてやっていただくときの核になるような方、これを常勤として置いて、内部監査についてもチェックをする。こういったことを、ふだんのほかの監事の方は非常勤ですから要所要所で御登場いただくのですけれども、そういった日常的な監査業務がきちんとできるようにする。取締役会だけではなくして、重要な法人の決定に結びつく委員会にも出席できる方、また、教学監査といった点においても目配りができる方、何よりも、学校法人の監査計画をしっかりと立てて、ほかの監事の方々と一緒に進めていく方、そういう意味合いでの常勤監事といったようなものをこの機会にやはり置くべきではないかという主張であります。ただ、これは大規模なところでも置いていないところもございますし、私大連の監事会議においてもその必要性は叫ばれておりますけれども、まだ置いていないところもあるということで、それぞれの法人の意思に委ねられておりますけれども、この機会に監査体制といったものの整備の中の一つの論点として設けたらどうかということでございます。
 尾崎先生に加えてのお話でしたけれども、尾崎先生、ほかによろしいですか。
【尾崎委員】
 実は田中先生、会社法(商法特例法)で常勤監査役監事という制度ができたのは、監査役会という制度をつくったときなのです。これは資本金5億円以上とか負債総額200億円以上のような大きな株式会社においては取締役会が一方にいて、監事が独任機関だったわけですが、監査役会というのをつくろうと。つまり、大きな会社になりますから、1人の監査役、全部できませんので、複数監査役制度をまず設けて、その次に監査役会です。監査役会を立てて、監査役間で職務分担をして、そして自分たちで監査役会としてまとまった監査意見も書きましょう、効率的な監査をしましょうというときに、ばらばらになってはまずいわけですので、常勤監査役を置きましょうという制度をつくったのです。ですから、本当は常勤監査役とか常勤監事という理屈は、監事会という理事会に対立するものができたときにこそふさわしいのかもしれません。しかし、監事会がなくても常勤という働き方ができますので、監事会というものの前に、まず、常勤制が入ってきても決して悪くない。つまり、監事は常に理事者たちを見ているという体制、常にという言葉が常勤と言われていることの意味だと御理解いただければよいではないでしょうか。
 そして、監事のためには、先ほど言ったように報酬の問題、役員の報酬基準というのがありますが、この役員の中には当然、理事もあれば監事もあるのです。ですから、監事に仕事をたくさんやらせようとすると、やっぱりそれなりの仕事ですし、それなりの仕事じゃないならば、それだけの仕事である。監事の報酬の適正水準というのもあるわけです。これを理事者が決めてしまったら困りますよね。ですから、やはり監事の報酬とか、監事の人事とか、これは独立性を確保する必要があると。
 ちょっと補足させていただきました。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 どうぞ。
【田中委員】
 ありがとうございます。理論上は分かってまいりました。頭では理解できておりますけれども。民間の企業でどうなのかということについて、西岡委員のように民間の企業で監査にお詳しい方、現実問題として、そういう切り分けが可能かどうか。取締役だった方が監査役になったときに、取締役会と対立するようなことも視点として持てるかどうか。確かに、学校法人の場合、大臣所轄、大規模というふうに限定されていますから、尾崎先生や福原先生がおっしゃる通り、形の上で小さい学校法人では難しいと思うんですね。大規模な場合にはあり得るということなんですけれども。大企業であります民間の企業の場合、どうなのか、ちょっと西岡委員からも教えていただければと思いますが。
【福原主査】
 この機会に認識を共有するということが大事かと思います。西岡委員、よろしければ、御経験を御披瀝いただければと。
【西岡委員】
 田中委員、ありがとうございます。
 当社は指名委員会等設置会社の形式でして、取締役会のほかに3委員会、監査委員会、指名委員会、報酬委員会で構成し、全体で監督機能を実現しています。
 今、御議論されていたところでは、一つには社内取締役と社外取締役といった形の役割分担があり、実際に社内取締役として常勤の方を置いています。この取締役には、経営会議や社内の主要な会議にも常時出席いただいているというのが実態としてはございます。
 社外の場合は、どれぐらいまでやっていただけるかということは人によって違ってくると思います。先ほど尾崎委員がおっしゃったように、どのように業務を役務として委託するかというところで、例えば委員会の手当という形で報酬を設計し、報酬と実際の業務の連動をはかっています。
 社外の常勤でない方にどこまでやっていただくかというのは、企業も悩むところではございまして、常勤でない分、社内のことをどうやって理解いただくか、情報の提供など監事を取り巻く環境というところもつくっていく必要があり、そういったところと併せて設計を考えていく必要があるかとは思います。
 以上です。
【田中委員】
 ありがとうございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。監査役も置かなくなった会社法で選択できる仕組みの中では、取締役会が監督に、モニタリングというか、そっちのほうの機能に重点を置かれているので、むしろ、社外取締役を中心に監査等委員を置くというような形もできてきているのが会社の仕組みでございます。まだまだそこまで行ってない、さっき尾崎委員もおっしゃったように、複数監査役といいますか、複数の監事を置くというところまでが今、学校法人での仕組みになっています。しかし、学校法人でも、そういう監事の会議体を置いて、さらに常勤を置くという方向ではどうかということですが、これは、私大連でもほかのところでも、ガバナンスコードでそういったことを推奨している、大規模なところはそのようなことをしたほうがいいんじゃないかということになっており、今のところは、ガバナンスコードによる誘導というレベルなので、これは実態を踏まえて法制レベルでやるのか、ガバナンスコードになるべきかということは、この間のガバナンスコードの実施状況等の実態を踏まえた上で判断していかなきゃならないというふうに思います。
 同じような点でしょうか、小原委員、いかがでしょう。
【小原委員】
 これは大学に限定することで、幼小中高は何も条件緩和しなくてもいいということですかね。
【福原主査】
 もちろん、任意で常勤的にもっと監事的機能を、知事所轄法人であっても、準学校法人であっても、規模が大きくて、自らこういったものをするということは妨げられないというふうに思いますが、義務化するという意味におきましては、まず、一定の所轄または規模といったようなものが前提になるのではないかというふうには想像しています。そういった方向性を、やはり監事機能の強化ということを選任とともに、報告書では示しておきたいと思います。ただ、こうしなきゃならないというところまでは実態の多様性を踏まえると難しいかなというのが報告書の立ち位置でございます。
【小原委員】
 これは大学に限定することで、幼小中高は何も条件緩和しなくてもいいということですかね。
【福原主査】
 もちろん、任意で常勤的にもっと監事的機能を、知事所轄法人であっても、準学校法人であっても、規模が大きくて、自らこういったものをするということは妨げられないというふうに思いますが、義務化するという意味におきましては、まず、一定の所轄または規模といったようなものが前提になるのではないかというふうには想像していますが。そういった方向性を、やはり管理機能の強化ということを選任とともに、方向性を報告書では示しておきたいと。ただ、こうしなきゃならないというところまでは実態の多様性を踏まえると難しいかなというのが報告書の立ち位置でございます。
【小原委員】
 分かりました。給与であれ、報酬であれ、支払いは法人がするわけですから、それに耐えられないところもかなりあるんではないかなと思うので、法令で一律にさせてされてしまうと、今、経営が困難な中小の法人はかなり打撃を受けるんじゃないかなと思いますので、その辺の配慮をしていただければと思います。
 以上です。
【福原主査】
 尾崎委員、加えて何か。
【尾崎委員】
 加えて、皆さん、常勤ということに対する誤解があるようです。監査役にしても監事にしても、基本のスタイルは常勤です。つまり、監事の仕事というのは理事の善管注意義務を常に見ておく必要があるのではないでしょうか。つまり、学校法人の監査をするだけではなくて、あくまでも理事の職務の執行状況を監査するということになっておりますので、基本的に監事は常勤である。しかし、大きくなってしまいますと、そこの役務分担が出てきて、常勤という制度を置くということになってきたのだと理解できるのです。そして、西岡さんがおっしゃっているような指名委員会等設置会社は監査役を置いておりません。これは委員会でやっていくということですが、その代わりに社外取締役を強制し、内部統制をしっかりしろと言っているわけです。内部統制をしっかりしていて、そこをしっかり見てなさいということになっておりますので、今回も内部統制が条文に入ってきますと、内部統制がしっかりすればそれほど、監事の仕事はある意味で楽になります。内部統制を信頼できると。それが機能してないときには、本来、監事の独任機関であれば、実は1年間走り回る必要があるのかもしれません。理事がやっている仕事を見なければいけないわけですから。ですよね。ですから、本来の姿がそちらなのですね。本来の姿がそちらだということを、監査というものについて、期末(決算)だけでない期中の業務監査ということについて誤解しないでいただきたいというふうに思っております。会社法ではこういうふうに教えております。
【田中委員】
 尾崎先生、福原先生、また、西岡委員、ありがとうございました。大変勉強になりました。大分誤解がございましたので、そこのところについてよく理解できてまいりました。理論上よく分かりました。特に大臣所轄の大規模大学に関しては、当然あり得るだろうと思いますので、特に私立大学連盟の幾つかの大学に関してはこういうことが必要になるだろうということで、御指摘、よく承りました。どうもありがとうございました。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 米澤委員。
【米澤委員】
 ありがとうございます。
 国立大学において、東北大学をはじめ幾つかの大規模大学は監事を常勤で置いているんですけれども、私が体験談的に言えることは、オブザーブしていて非常に機能しているというふうに思います。
 以上でございます。
【福原主査】
 国立大学法人における実態から常勤監事が機能していることを御紹介いただきました。ありがとうございました。
 時間も経過してきております。議論のほうも、報告書のまとめという段階におきましては収束したように拝察いたしますが、特にこのほかに修正等に向けての御意見、ございませんでしょうか。
 それでは、先週、17日の会議でいただいた意見、そして本日いただいた意見、それからそれに対して皆さん方に改めて提案させていただいた修文等を踏まえまして報告書に反映させていただきたいと存じますが、その反映につきましては、改めて僣越ながら主査である私に一任をいただきまして、最終的な報告書の取りまとめを本日お述べいただいたこと、議事録を確認して進めさせていただきたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【福原主査】
 ありがとうございます。
 それでは、本委員会の審議結果としてそのような形で報告書をまとめさせていただき、私のほうから学校法人分科会に報告をさせていただきたいというふうに存じます。ありがとうございました。
 それでは、会議を閉会する時期になりました。一言、私より御礼の御挨拶を申し上げましたほか、御多忙の中、義本事務次官が御参加いただいておりますので、最後に一言、御挨拶をいただくことにいたしたいと思います。
 まず、私より、ほんの一言御挨拶申し上げます。本当にありがとうございました。これまでの議論を踏まえて……。
 あっ、その前に米澤委員ですか。まだ挨拶するのは早いかな。よろしいですか。
【米澤委員】
 何もないです。
【福原主査】
 ありがとうございました。でも、もしあれば。
 尾上委員、どうぞ。
【尾上委員】
 福原主査を中心に本当にお取りまとめいただきましたことを心より敬意を表します。
 幼稚園特有なことをちょっと、一、二点だけ最後に申し述べて、これは私学法改正というよりはその後の体制についてということでございます。
 まず、1点目は、私立幼稚園には御案内のように個人立など、学校法人以外の設置体がございます。いわゆる附則6条園が学校法人化して、社会への説明責任を果たすことを支援するために、役員数、評議員数などの移行措置を設けていただきたい。これ、附則6条の幼稚園特有の問題でございます。
 それと、令和元年に私学法改正がなされましたが、小規模な法人を中心に、我々の理解と実践に苦労している現場の実情が実際ございます。それで改革の実施に当たっては、令和元年度の改正分も含めて、所轄庁たる都道府県の担当課において、監事のチェックリストの作成や研修会の開催、監事や評議員の人材確保に関する法人の相談支援などに積極的に応じていただけるよう、国として都道府県に指導助言、予算措置をお願いしたいと存じます。そういったことを御支援いただきながら、連合会としては、ガバナンスの改革について、幼稚園の理解が向上するように積極的に研究と支援を行ってまいりたいと思います。
 すみません、最後に特有の問題だけお話しさせていただきました。よろしくお願いいたします。
【福原主査】
 ありがとうございました。前回、私、最後に、今日もし御意見をいただくのであれば、将来に向かって、報告書としてはそこで御同意いただいたのですけれども、今後の法改正並びにその実施に向けて、さらにはそのほかの今後の議論に向けて、御意見があれば承ると申しておったことを思い出しました。すみません。
 そういう観点で、まださらに何か加えておきたいという御意見があれば承りますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。もう既にいろいろ申ししていただいたのですけれど。ありがとうございました。尾上委員から重ねて御要望としていただきました。
 もちろん、この後、法令、さらには省令、寄附行為に委ねる部分かどうか、その寄附行為に当たっての作成例、さらには先ほど御指摘もありましたけれども、学校法人におけるガバナンスコードの在り方、こういったようなものの実現に向けて随所で御議論が必要になってくることは言うまでもございません。それに向けて、また皆さん方も御尽力を御継続いただければというふうに思います。
 本日の会議の結びといたしまして、一言御挨拶を申し上げておきたいと思います。
 前身となる会議におきまして、大変厳しくも、しかし、激励の意味を込めた報告書や改革案を御提示いただきました。それを私学の関係者がそれぞれの立場でしっかりと受け止めて、社会的な信頼を確保するという機会をこの会が頂戴したものと思います。少子化が進む中、学校を設置する学校法人、我が国における私学の果たす役割を、短い期間でありましたけれども、皆さん方と真剣に討議ができたというのは貴重な時間であり、機会であったというふうに私自身思っております。
 その取りまとめの任が十分に果たせたかどうか、じくじたる思いもございますけれども、私の拙い進行にもかかわりませず、諸先生方の真剣な御参加、また、皆さん方の参加に当たってサポートをいただきました各団体、また、大学、学校等の職員の皆さんの御協力があったことを大変うれしく思い、この機会に厚く御礼を申し上げたいというふうに思います。
 また、最近の傾向として、こういった会議は全てユーチューブ等で公開されております。マスコミも大変注目をしておりました。そういった中で、各先生方が、委員の皆さん方が御経験と見識を持って堂々と我が国の私学の将来を見つめて御意見をいただいたその姿こそ、今後の我が国の私学の発展を約束するものではないかというふうに強く思った次第でございます。
 改めて、主査を務めさせていただいたことを光栄に思いますとともに、厚く御礼を申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、最後に事務局のほうにマイクをお返しするわけでございますけれども、本日御出席をいただいております事務次官から、一言お言葉をいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
【義本事務次官】
 本当に先生方、ありがとうございました。文部科学事務次官の義本でございます。
 福原主査からお話ございましたように、学校法人制度改革特別委員会の委員の皆様におかれましては、今年の1月から3か月間、6回にわたり本当に精力的に御審議を賜りましたことを誠に御礼申し上げたいと存じます。
 昨年来のいろんな経緯があった中において、社会的に注目される在り方について、非常に難しい課題を御議論いただくということで、関係者の丁寧な合意形成を図る場として、この会議が設置されたわけでございますけれども、それぞれの学校種によって、その沿革、あるいは事情も違う中において、学校法人の沿革ですとか多様性にしっかり配慮しながら、かつ、社会の要請に応える改革案の取りまとめに向けて、本当に丁寧に精力的に御議論いただきました。
 福原主査におかれましては、商法のエキスパートというふうな専門性を存分に発揮いただきまして、合意形成に向けた大きな課題でありました理事、理事会と評議員、評議員会の役割など、ガバナンスにおける基本的な仕組みにつきまして、関係者の理解や今後の方向性を捉えるために、本当に重要な役割を果たしていただきました。覚書を作成し、これまでの議論を丁寧に拾ってまとめていただき、御議論を導いていただきましたこと、本当に感謝申し上げたいと存じます。
 また、有識者の皆様方におかれましては、それぞれの御専門の立場ももちろんでございますが、それだけでなく、学校法人の状況ですとか、私学団体の皆様からの御意見も踏まえて、的確な御助言、あるいは御意見をいただきましたこと、感謝を申し上げたいと存じます。
 さらに、特別委員会に御参加いただきました私学団体の皆様におかれましては、それぞれの置かれている御事情がある中におきまして、田中会長を中心にしまして、私学団体全体としての考え方を、本当にその中においてのかんかんがくがくの議論を通じまして、おまとめいただきまして、3月9日の特別委員会でお示しいただきました。御努力に敬意を表しますとともに、この特別委員会での取りまとめに向けて、本当に御協力をいただいたことに深く感謝を申し上げたいと存じます。ありがとうございます。
 本日、福原主査に一任となりました報告書を踏まえまして、我が国の公教育に大きな役割を担う学校法人にふさわしい制度となるよう、文部科学省におきまして、法案の提出に向けてしっかり準備を、最大限努力をさせていただきたいと思います。
 また、法律だけでなくて、ガバナンスコードを含めた運用について、しっかり実効性あるものにするためには、まだまだやらなくちゃいけないことがあると思います。引き続き、先生方におきましては御指導を賜りまして、私どもしっかり形をつくるべく努力してまいりたいと思います。
 改めて、皆様方の御尽力に感謝を申し上げまして、甚だ粗辞ではございますけれども、事務局を代表しまして御挨拶とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。
【福原主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは、相原補佐から御案内をよろしくお願いします。
【相原補佐】
 本当に長時間、長期間にわたりまして熱心に御議論いただきましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。
 報告書の最終版の公表につきましては、本日、主査におまとめいただいたところ、御相談を済ませましたらば、3月中に公表したいということで想定しておるところでございます。
 3か月になりましたが、数々御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 それでは、これにて大学設置・学校法人審議会学校法人分科会学校法人制度改革特別委員会、第6回並びに全日程を終了いたします。
 本当にどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

 ――了――

お問合せ先

文部科学省
高等教育局私学部私学行政課

(高等教育局私学部私学行政課)