学校法人制度改革特別委員会(第4回)議事録

1.日時

令和4年3月9日(水曜日)13時00分~16時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 個別の論点について
  2. その他

4.出席者

委員

福原主査、佐野委員、西岡委員、梅本委員、尾崎委員、米澤委員、田中委員、小原委員、川並委員、嵯峨委員、重永委員、尾上委員、福田委員

文部科学省

森高等教育局私学部長、滝波高等教育局私学部私学行政課長、小代高等教育局私学部参事官、田井高等教育局私学部参事官付私学経営支援企画室長、相原高等教育局私学部私学行政課課長補佐

5.議事録

【福原主査】
 それでは、ただいまより、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会学校法人制度改革特別委員会の第4回を開催いたします。
 今回も御多忙の中、御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 本日も、新型コロナウイルス感染症対策のために、Zoomを用いたウェブ会議として、開催をいたしまして、その様子をYouTubeにてライブ配信ということで公開をいたします。会議資料、音声など御準備はよろしいでしょうか。
 それでは、本日の委員会の議事に入ります前に、事務局から、連絡事項と本日配布・配信されております資料の確認をいたします。よろしくお願いします。
【相原補佐】
 こんにちは。私学行政課の相原です。
 本日も、ウェブ会議、ライブ配信を用いての会議ということになっておりますので、御発言に当たりましては、画面に向かって挙手をされるか、Zoomの画面下、参加者ボタンから手を挙げる機能を使っていただくか、いずれかをお願いいたします。主査の指名を待って、ミュートを解除して御発言いただき、終わりましたらば、またマイクをミュートに戻していただくようお願いいたします。
 本日の配付資料は、議事次第のとおり、資料1から8。このうち資料の4は、日本私立中学高等学校連合会様から追加でいただいた意見書、資料5は、全私学連合さんの共通の意見書という位置づけでございます。また、参考資料1は前回の議事録、参考資料2はこれまでに提出をいただいておる意見書の再録、新たなものといたしまして参考資料3と4、他の関係団体からの意見書が新たなもの。また、事務局からの参考資料、新たなものとして参考資料5、学校法人関係の資料というのをおつけしております。よろしくお願いします。
【福原主査】
 ありがとうございます。
 それでは、本日の議事に入りたいと思います。本日の進め方でございますけれども、議題1として、学校法人ガバナンス改革に関する個別論点とございますが、大きく2つに分けて議論を進めてまいりたいと思います。まずは、総論、理事・理事会、評議員・評議員会の前回の御議論をいただいた内容に続く、監事、会計監査人、内部統制システムといった部分、既に主要論点に沿って団体からの御意見を頂戴しておきながら、まだこの場で御討議いただいていない部分を先に御討議いただくということにいたします。
 そして、後半、その後に、第2弾として、主査の覚書、それを含めまして、この間の御議論等を踏まえて、皆さんからさらに御意見をいただいてまいりたいというふうに考えております。
 本日は、お忙しい中、御予定いただいておる3時間という委員会の時間帯でございます。長丁場でございますので、途中で10分ほど休憩を入れて、今言ったような形で進めさせていただきたいというふうに存じます。よろしく御協力のほどお願いをいたします。
 そこで、まず、本日、追加で、意見書を提出いただいている部分がございますので、その御説明を簡単にお願いしたいと思います。日本私立中学高等学校連合会の嵯峨委員に、まず、追加提出いただきました意見書につきまして、御説明をいただきます。嵯峨先生、よろしくお願いします。
【嵯峨委員】
 よろしくお願いします。まず、監事の機能についてなんですけれども、中高法人の監事は、まず、そのほとんどが無報酬で依頼しているのが実態であり、適任者も限られている状況にある。令和元年の私立学校法の改正で監事機能が強化され、理事の執行状況の監査、理事会の請求権、招集権、評議員会の招集権、理事の法令違反行為などの差止め請求権などが付与され、これらを踏まえ、中高法人でも取り組んでいるところであるが、さらに、理事会の議事録の確認や、会計監査人による会計監査と監事監査の連携といった役割、権限の強化をすれば、監事の責任、業務量は一層大きなものとなり、新たに引受け手となる人材の確保はより困難になると予想される。また、監事による不正行為や、学校経営、教育関係活動に損害を及ぼす行為を防ぐためにも、監事に対する監督、牽制機能が必要ではないか。
 続いて、会計監査人の設置ですが、各中高法人では、私立学校法に基づき、監事による財産状況などの監査を受け、また、私立学校振興助成法や学校法人会計基準に従い、公認会計士または監査法人による日常的な会計指導などを受けつつ、公認会計士などの監査や都道府県のチェックを受けた上で、計算書類や収支予算書を所轄庁に届け出るなど適正な会計処理に努めているところであり、この上、会計監査人を学校法人の機関として設置する必要はないのではないか。
 一方で、私立学校法では、会計監査人による監査が行われる場合も、監事による監査の実施が必要とされていることなどから、学校法人や監事の負担を軽減することも含め、学校法人会計の在り方について整理する必要があるのではないか。規模に応じた義務づけとしては、法人規模が小さい中高法人にとって、会計監査人の設置、内部統制システムの整備、監事の常勤化、事業活動実態に関する情報開示などを義務づけることは、経費負担や事務量の増加を伴い、新たな財政的負担となり、ひいては、学納金の負担増を招くことになるため、学校法人及び私立学校の健全な運営や教育の充実を全体として見れば、必ずしもプラスにつながるものではない。
 したがって、中高法人以外については、その規模や地域性を鑑み、会計監査人の設置などの義務づけの対象外とすべきである。
 以上です。
【福原主査】
 ありがとうございました。また、各委員からの御質問等に応じて、御意見加えていただいたり、お答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 続きまして、事務局から、その他資料の説明をお願いいたします。会議委員を出していただいていない団体からも、当特別委員会宛てに意見が提出されておりますので、これも併せてこの機会に御紹介いたしたいと思います。よろしくお願いします。
【相原補佐】
 まず、資料の1ですが、前回の審議におけます主な意見を赤字に置きまして、追記をいたしております。特に、評議員・評議員会への部分につきまして、小見出しも付した上で、それぞれ事項別に御意見を付記させていただきましたので、後ほど、御確認いただければと思います。
 資料の3でございます。第1回の会議で提起いたしました主な論点に対しての各私立学校関係団体からの御意見につきまして、本日、追加でただいた中学高等学校連合会さんの御意見の部分も含めまして、また、本日は、この資料3について、議論の範囲が理事会、評議員会以外にも、この資料では、3番、監事、あるいは4番、会計監査人、そして5番、内部統制システム、6番、情報開示ということで、主な論点、全般の主要事項について、改めてこのような形でおまとめさせていただきましたので、これも後ほどの議論の際確認いただきながら、議論を進めていただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
 続きまして、資料の7といたしまして、これまでも、私立幼稚園連合会、私立中学高等学校連合会さんなどから規模に応じたガバナンスの規制の配慮について御意見いただいておりましたところ、今回、全体のガバナンスの基本構造に対して、大臣所轄の学校、あるいは知事所轄の学校法人ということで、大きく2つに分けまして、それぞれ異なる配慮、規制というのを設けることが考えられるような事項というのを事務局のほうでたたき台として整理させていただきました。これまでの主査の覚書で提起されていた部分、あるいは、各団体からの意見書で提起されていた部分も、一部ここに反映はさせていただいております。
 例えば、理事の定数というところにおきましては、附則6条園、幼稚園で、個人立の幼稚園というのも学校教育法上、経過措置として認められておりますが、それが学校法人に移行する場合の理事の定数。理事の定数ということは、評議員の定数にも関わってまいりますけれども、そのような辺りへの措置というのも検討してはどうかというあたり。
 あるいは、前回、尾崎委員からも御指摘あったかと思いますけれども、理事会における外部理事の数というのをどう考えるのかというあたり。この部分は、例えば、大臣所轄、大学を設置する学校法人では2人以上ということで、引き上げるというような考え方。あるいは、幼稚園、中学高等学校連合会からも御意見が出ておりましたが、理事会への理事の職務報告、ある意味、理事会の開催回数というふうに言ってもよろしいかと思いますが、そのような部分では、大臣所轄については年4回以上、知事所轄においては年2回以上と、このように一定の規模に応じた形での規制、区分というのを設けるようなことを考えてはどうか。そのような事項を今回まとめてお示ししておりますので、またその確認をいただければというふうに思います。
 続きまして、参考資料の3でございます。改めて、大学監査協会さんのほうから追加で意見書を頂いております。今回、監事についても審議の事項となっており、ちょうどタイムリーな部分でありますが、監査協会の御意見として、現在の会計監査の在り方、そして監事の監査の実態について、監査報告書の記載文言等も手がかりとして、ここで御意見をいただいており、今回の議論にも参考に資する部分が多いかと思います。ただ、補足を申しますと、今回、この意見いただいておりますところの多くにつきましては、改正後の私立学校法における会計監査報告や、あるいは、監事の監査報告書の記載事項にかなり関わってくる部分、すなわち、法律というよりは、省令レベルでの規定事項が多いかなとは思いますが、また議論の参考にしていただければと思っております。
 もう一点、参考資料の4でございます。こちらも今回の審議の範囲に含まれてきました、会計監査人による監査について、その導入についての意見書ということで頂いております。こちらも現在の私立学校振興助成法に基づく公認会計士、監査法人による監査というものから、私学助成の受給の有無に関わらず、学校法人で一定規模以上の部分について、会計監査人による監査というものを入れていく意義ということで御意見をいただいておるところになります。
 最後に、参考資料の5といたしまして、子法人・子会社に関する議論も今回射程に入ってき得る部分かと思いますので、平成13年の通知を参考でおつけいたしております。私立学校法におきましては、いわゆる子会社・子法人について、出資して設立したいということは、法律上は規制というのがございません。基本的には、私立学校法における学校法人の目的の範囲内で、それに資する事業を行うということに当然限定されるというのがあるかと思いますが、その中で行われる事業に関して、どのようなことに留意をして学校法人の子会社というものを設立したり、または、それに対して事業を活用して有効な事業を行っていくのかというところの留意事項をまとめておるという通知でございますので、これも後ほど併せて御確認いただければと思います。
 また、そのように、設立されるところの出資会社の現状、役割といった部分の研究論文も参考資料の5-2としておつけしておりますので、これも併せて御確認いただければと思います。
 事務局からは以上になります。
【福原主査】
 ありがとうございました。資料7の規模に応じた対応案というのは、既に御議論いただいたところや、あるいは、これから御議論いただくところにつきまして、両面にわたっておりますが、特に今は、冒頭で御紹介申し上げましたように、前回、まだ討議として足を踏み入れていない部分をまず御議論いただきたいということでございますので、その点につきまして、監事ですとか会計監査人制度の導入ですとか、あるいは、その内部統制システムの構築義務等々でございますが、そういった点について、その他の団体で何か初回議会のときの御提出いただいた追加資料、それに加えた追加資料等ございましたらお伺いいたしますけれども、何かございますでしょうか。事務局のほうでまとめていただきました、第2回に出していただいた資料に加えて、何か追加がございましたら、先ほど日本私立中学高等学校連合会のようにありましたら、口頭でも承りますが、よろしいですか。
【田中委員】
 福原主査、すいません。
【福原主査】
 田中先生、どうぞ。
【田中委員】
 私立大学連盟の田中でございますが、全私学連合での会合が3月4日にございましたので、そのことについて、よろしければ御報告させていただければと思います。それは前回……。
【福原主査】
 後半の冒頭で御紹介いただいて、全体をまとめるときのトップバッターでお願いしたいと思っておりましたので、そこでお願いできますでしょうか。
【田中委員】
 分かりました。御計画にあれば結構ですので、お待ちいたします。
【福原主査】
 そこでも、今フォーカスしております監事その他のことに触れていただいておりますけれども、まず、各論点ごとにお出しいただいた意見について、追加があれば伺いたいということでございますので。恐縮ですが。よろしいでしょうか。
【田中委員】
 結構です。よく分かりました。失礼いたしました。
【福原主査】
 川並委員から何かございますか。
【川並委員】
 どこで話していいか分からないんですけれども、資料7が今日出てまいりましたので、改めて、これについて少しお話をさせていただけたらと思うんですが、今でよろしいでしょうか。
【福原主査】
 じゃあ、最初に。そうしたら、追加の資料を、今、皆さんから何かないかと募りましたので、じゃあ、それはないということで、これ以上ない……。
【福原主査】
 そういたしましたら、事務局及び各団体の説明を踏まえまして、監事、会計監査人、内部統制システムといった部分について、コメント、御質問、御意見等をいただく時間帯にしたいと思います。じゃあ、そこの時間帯で、まずトップとして川並委員から御意見いただきます。どうぞ。
【川並委員】
 すいません。まず、規模別の話については、私のほうから何度か指摘をさせていただいておりますが、資料7で、規模に応じた対応案という形で、大臣所轄の学校法人と知事所轄の学校法人という区分について案が出てまいりましたので、少し短期大学法人についてお話をさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
【福原主査】
 はい、どうぞ。
【川並委員】
 まず、短期大学法人というのは、大学を設置する学校法人のうち、4年制大学を設置せずに、短期大学とその他の学校を設置する法人と区分されておりますが、短期大学法人の多くが地方、さらに地方でも大都市から外れた地域に設置されており、長い間、地域の振興と地域の高等教育を支えてきた、小規模な短期大学が元となっている法人が非常に多いことが特徴になっております。
 小規模については、何度かお話をさせていただいているのですが、何となくスルーされている感じがするため、くどいようですが少しだけお話をさせていただきたいんですけれども。
 日本私立学校振興・共済事業団が調査公表している「今日の私学財政」がありますが、この令和3年度版として集計した法人数が、大学法人560法人、短期大学法人が97法人となっています。調査項目として「貸借対照表」があり、この中には学生生徒等数の規模別に集計されております。500名未満では、大学法人が5.4%に対して短期大学法人は20.6%、少し大きく分けて1,000名未満では、大学法人が12.0%に対して短期大学法人が46.4%、2,000名未満という区分になると、大学法人が32.5%に対して短期大学法人85.6%と、ほとんどの短期大学法人が2,000名未満となり、小規模な法人が多いことが分かります。また、法人数では、大学法人と短期大学法人を合わせて657法人ありますが、1,000名未満の学校法人数が112法人、17.0%と、かなりの比率を占めます。この数字を小さいと見るか大きいと見るかは、それぞれのお考えがあると思いますが、小規模な文部科学大臣所管法人の財政負担の大きさは、小規模な法人が多いと言われている高等学校法人以下の学校法人や準学校法人と同じではないかと考えます。
 大臣所轄法人と知事所轄法人という、ざっくりとした分け方は非常に分かりやすいのですが、大臣所轄法人の中にも小規模法人があり、地域の教育を支えている学校法人が多数あることを頭の片隅に入れて、今後の話を進めていただけると幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【福原主査】
 ありがとうございます。規模に応じた対応案の規制区分のところで大臣所轄とされていても、小規模な法人というものに対する配慮をという御意見として承っておきます。川並委員、特にこれから御議論いただく監事、会計監査人、内部統制システム等々のこういった部分、意思決定権限の分配とか理事会・評議員会との関係という形でガバナンスを論じてきた前回までに加えて、そちらのほうのガバナンスを強化する面においては、何か、今の御趣旨で、例えば、こういうところはこういうふうな御要望があるというようなことはございますか。
【川並委員】
 今のところはございません。と申しますのは、会計監査人につきましては、私学振興助成法で定められており、私学助成を受けている短期大学が全て受けているため、そういった意味で大きく変わらないのではとい考えております。
【福原主査】
 ありがとうございます。
【川並委員】
 ただ、全体の論調として、ざっくりと大臣所管法人と区切られてしまうと、非常に苦しい法人も出てくることを御理解いただきたいということでございます。
【福原主査】
 制度設計、運用等に当たって、また御意見ありましたら、加えていただくことにいたします。ありがとうございました。
 それでは、本日の前半部分としてフォーカスいたします監事、あるいは、今回、前身の会議体でも提言がありました会計監査人、あるいは、内部統制システムといったような部分につきまして、これまでの御意見、また、資料等に基づいてコメント、あるいは御質問、御意見ありましたら承りたいと思います。どのような観点からでも結構ですので、いかがでしょうか。佐野委員、どうぞ。
【佐野委員】
 ありがとうございます。今般、監事、会計監査人についてということで、先ほど中高連合会さんからの御意見を伺ったり、また、これまで御提出いただいている私学団体さんからのいろいろな意見を読ませていただきまして、どうも会計監査について共通の理解ができているんだろうかというところが少し気になりましたので、改めて確認させていただきながら意見を申し上げたいと思います。
 例えば、小規模法人さんからの御意見の中で、会計監査人を機関として導入することは小規模法人には負担であるとか、それから、助成法監査も受けていて、この上は会計監査、会計監査人が必要ではないのではないかとか、また、会計士監査と監事監査の連携、これらもすると、今より大変になるんじゃないかといった意見がありまして、確かに、会計監査人を学校法人の機関として考えますと、なるほどと思う面もある一方、会計監査については、もしかしたら誤解もあるのかなというふうに思っているところでございます。
 端的に申し上げまして、会計監査について、重たくなるといいますか、負担が増えるというようなことに関してですけれども、これが今の助成法監査から私学法監査になったとしても、監事を含めまして、学校側の実務負担が助成法より増えるということはまずないというふうに考えております。
 そして、また、助成法監査を受けているのに、さらに私学法監査までダブルで受けるのかと、そういった御疑問もあるようにお見受けするんですけれども、これはもしそうなれば、大規模学校法人であっても相当な事務負担になりまして、その効果などから考えても、まずあり得ない、考えられないというふうに思っているところでございます。
 まず、その辺のところ、誤解があれば、確認をした上でということで、もう少しこの辺のところについて説明をさせていただきたいと思うんです。まず、監査が2つなのか、助成法監査と私学法監査の2つなのかということですけれども、現在、寄附行為で、多くの学校さんは、ほとんど100%が本学の会計は学校法人会計基準によると定めているところだと思います。この助成法の会計基準というのは、御承知のように、第一義的には、補助金の公平配分であるとか成果評価ということなんですけれども、平成16年の私学法の改正につながった学校法人制度改善小委員会、これは設置審の下に組成されたわけですけれども、この小委員会からの、もっと経営判断に役立つような、一般にも分かりやすい基準とすべきではないかといった提言を受けまして、順次、基準の見直し、それから処理の明確化が図られてきたわけです。こういう歴史があります。
 最近時では、例えば、注記の充実であるとか、項目も増えております。付属附則の表も増えています。また、従来の資金収支計算書、消費収支計算書には、重複感がありますねと。これを解消し、経営判断に役立つようにということで、消費収支計算書を、現在の区分表示のある事業活動収支計算書にするなど、こういった形で、現在の助成法に基づく会計基準でも、学校法人の財政状況についての説明責任を果たせるようにというふうに、順次、改正がなされてきている。こういう現実があります。
 一方、御承知のように、私学法の計算書類については、私学法そのものに作成基準が明定されていません。施行規則の4条の4ですか、ここにおいて、一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準、及びその他の学校法人会計の慣行によるとされているのみですから、今後、私学法にこういった会計問題が入っていけば、順次、私学法の会計基準が設定されていくものだと思います。
 つまり、先ほど申し上げた助成法の会計基準は、いずれ報告基準ともいえるこの私学の会計基準に統合していく流れがあるのではないかというふうに思っているところなんです。もちろん、この今後策定されていくであろう私学法の会計基準ではカバーできない経常費補助金交付のためのデータなどもあろうかと思うんですけれども、これについては、助成法の中で、1組の完全な計算書類としてではなくて、そういったものでなくて提供できるデータなどがあるのではないかと思っておりますので、会計基準も私学法への一本化を図ることによって、当然、1法人に1つの計算書類、つまり、1つの監査という流れができてくるというふうに考えているところです。つまり、2つの監査ということはないでしょうということです。
 次に、私学法による監査になると、学校側は、監事も含めて今より大変になるんじゃないかということをについてなんですけれども、御承知のように、我々の会計監査は、監査の指定事項、文科省の告示であるとか都道府県の通知など、これに基づいて、計算書類が学校法人の経営の状況また財政状態を適正に表示しているかということについて意見を述べているわけですけれども、この作成書類であるとか、告示の内容が同じであるならば、監査の根拠法令が助成法から私学法に変わったとしても、現場での監査実務は変わりません。ほとんど変わらない。100%と言っていいと思うんですけれども、計算書類、また告示が変わらなければ、監査実務は変わらないと思います。
 前回、2月22日のこの会議でも、文科省から配付された資料の中にアンケート結果がありましたよね。高等学校法人は94%が助成監査を受けている。さらに、助成法監査の基準、経常費補助金1,000万超となりますけれども、これに該当しなくても、さらに4%が会計士監査を受けていて、全体で98%が受けている。これは幼稚園法人であっても、助成法監査は84~5%、それから、金額基準に満たなくても、会計士監査を受けている法人が13%近くありますので、全体で97~8%の学校法人が、今でも会計士監査を受けているという現実があります。
 これまで全く監査対応したことがないところに新たに会計監査を導入するということではないわけですから、私学の皆様の会計監査対応の負担は、多分、全くと言っていいほど変わらないということが言えるんだと思うんです。
 また、監事さんについて考えてみますと、監事と会計監査人が連携するのが大変というような御意見もあるようでございますけれども、連携だからと言って、会計士監査と一緒に監事さんが現場を動いて監査手続を行うというのが連携とは考えていないんです、コミュニケーションを取る、情報交換をする、情報の共有をするということで、会計士協会のほうから平成22年に、監事との連携についての研究報告を出していますから、これを具体的には参考にしていただければと思うんですけれども、現実問題として、実務的には、監事さんが実際に現場に入って財務状況の監査を独立して完結しているという例は多分ほとんどなくて、会計士監査と連携を取りながら、自己の監査として行っているのではないかなというふうに考えているんです。
 そうしますと、監事さん、先ほど中高連合会さんの中にもありましたけれども、私学法では監事が全部やらなきゃいけないことになっているじゃないかということになっています。それももっともなんですけれども、さきの改革会議でも言われていましたけれども、一定規模以上の大規模法人には、機関設計の中にこれを組み込むとなった場合、他の会計監査人の例に倣いますと、監事さんは、会計監査人の監査の方法であるとか結果の相当性を判断することで、自己の監査意見とすることができて、監事さんとしては、特に会計の部分についての監査についての軽減が図られて、特に業務監査に注力できるんじゃないかというふうになっております。
 じゃあ、大規模学校法人に該当しないそれ以外の学校法人の監事はどうなるんでしょうかということです。これまでどおり、財産の状況を自らの責任で監査しなければならないことになります、助成法のままですと。会計監査人が私学法にないわけですから。監事さんの責任は大規模法人と同様であるにもかかわらず、会計に関する監事の負担は軽減されないといったようなことになってしまうんです。
 しかし、大規模法人以外の小規模法人といいますか、知事所轄法人について、助成法から私学法に会計士監査の根拠を移すことができるとすれば、会計士監査と監事さんとの連携も法的根拠を基にスムーズに進めることができますし、また、会計に関する監査については、監事さんが会計士監査に委ねるという道も、これは法的手当てが必要になりますけれども、そういった道もできて、この部分については、監事の負担と責任が軽減されるのではないかというふうに考えております。
 この連携をスムーズに行えること、そして、会計士と監事が同一法律、これは私学法と考えておりますけれども、私学法に置いたほうが全てよろしいのではないか。つまり、助成法から、大規模法人以外の法人については、機関にするしない、これに関係なく、助成法から私学法に監査の根拠を移す。これによって、先ほどちょっと御案内がありました、中高連合会さんからの監事の負担の軽減にもつながるということになるのではないかと思っているところなんです。
 最後になりますけれども、大規模学校法人とされる法人、それ以外の法人については、会計監査人の機関化の問題ということではなくて、単に、私学法において作成する書類、これには会計士の監査報告が必要であるというように会計士監査の根拠を私学法に移していただく。そして、助成法のほうでは、助成法に基づく添付書類の監査報告書は、私学法の監査報告書でよいというような立てつけがもしできるのであれば、そういった形にできないだろうか。そうしますと、私学の負担が増えることなく、私学法という同一の法律の下で法的根拠を持って、監事と会計士の連携がスムーズに行くようになると思います。
 また、私学法上、閲覧開示とか公表がされることになっている財務情報の信頼性の担保、これも大規模法人に限らず、それ以外の法人についても図ることができます。これは令和元年の私学法の改正のもとになった平成31年の学校法人制度改善検討小委員会、これは設置審の下に組成された委員会ですけれども、この報告の中でも、会計士監査の根拠を助成法から私学法へ移すことを検討すべきであるというふうにしています。
 つまり、財務情報の信頼性の確保、それから監事の会計監査の軽減、こういった視点から、大規模学校法人以外の学校法人について、私学法での機関化ということではなくて、監査の根拠法令の移行について、今回、改めて御検討いただければ、いろいろな問題が解決に近づくのではないかというふうに思っているところでございますので、まず、私学さんのもしかして誤解があるとすれば、それを払拭していただいた上で、大規模法人以外の法人についての解決策を御検討いただいてはいかがかなというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
【福原主査】
 どうもありがとうございました。機関設計という点で、会計監査人制度の導入というのが最初に出てまいりましたので、今のような佐野先生に解説いただいた会計士監査というものの果たす役割を踏まえれば、もう少し理解をし合って制度設計をしていけるのではないかという貴重なコメントを頂戴したところでございます。皆さん方の理解が深まり、合意が推進される御意見になったのではないかと思っております。
 さて、尾崎委員からもコメントまた御意見があるようでございます。尾崎先生、よろしくお願いします。
【尾崎委員】
 今、佐野先生がおっしゃった意見に私も基本的に同調しております。そのとおりだと思って聞いておりました。
 ただ、佐野先生は公認会計士の方でいらっしゃいますので、会計士の立場からの発言ではないかと思われるのは、ちょっとまずいのではないかと思いまして、私、会社法とかを研究している者からしましても、極めて真っ当な御意見であるということを若干補足的に発言させていただきます。屋上屋を架すようでございますけれども、少し時間を頂戴してお話ししたいと思っております。
 私立学校振興助成法14条3項には、「貸借対照表、収支計算書、その他財務計算に関する書類」、これが14条1項書類ですが、「所轄庁の指定する事項に関する公認会計士または監査法人の監査報告書を添付しなければならない。」これが会計監査の根拠になっているのだと思います。
 そして、先ほど来から出ておりますように、多くの学校法人は、いわゆるこの私学助成を受けておられると思いますので、このような公認会計士または監査法人の会計監査を既に受けておられると思います。先ほど川並委員がおっしゃったように、もうあんまり変わらないのじゃないかという感覚、私もそのとおりだと思っております。
 佐野委員の御発言というのは、この仕組みを私立学校法の規定にするだけのことだという御趣旨だと私は理解しました。私学法上の計算処理について、公認会計士または監査法人の監査を受けなさいということだけですので、これは、殊さら負担にはならないのではないかという御説明、大変説得力あるというふうに私は思いました。
 要するに、佐野委員の御発言の趣旨は、会計監査人という機関を設置する云々の議論ではなくて、私学法上の計算書類の信頼性を確保するために、公認会計士または監査法人の監査を受けなさいということを実現することが重要だとおっしゃっていると理解いたします。
 このような職業的会計専門家による会計監査を要求することは、学校法人の公共性からは当然の要請であるとも考えられます。私学助成法の監査の実態を見ますと、学校法人に殊さら多大な追加的負担を求めるものではないと考えられます。私学助成法上の会計監査を多くの学校法人が受けられているということを前提にするならば、それを私学法上の制度にもするだけのことだ、ということだと思います。
 このような形で私学法の改正がなされれば、私学助成法上の会計監査は、公費助成の透明性、公正性確保など、独自の法目的を持っておりますので、これはこれで存続すべきであると考えます。他方、私学助成法も新たな私学法も同じ会計基準に従い、学校法人会計基準ですが、同じ監査基準に従って職業的会計専門家の会計監査を受けるということがより一層明確になるわけで、学校法人の負担という面では、各法の監査報告書を共有する形で制度設計をすればよいと考えられ、むしろ、会計事項については、職業的会計専門家の監査に服することで、私学法上の計算書類の品質保証が確保され、または、品質保証の向上が可能となると考えられます。
 その結果、監事は、先ほど佐野先生がおっしゃったように、会計事項については、公認会計士または監査法人の監査活動に協力し、これが連携ということになるのだと思うのですが、それを監督するという、連携とある意味での緊張関係を形成する仕組みを構築していくことで、会計事項についても監査しなければならないという監事自らの任務の遂行、この点も明確にすべきだと思うのですが、この監事自らの任務遂行については、職業的会計専門家の会計監査の経過と監査の結果の報告を信頼することができる。これは会社法でもそのようなことが言われているわけですが、信頼することができるようになり、余程ひどい公認会計士の監査がない限り、これを信頼することができるということになると考えられておりまして、監事によるガバナンス強化という点では、監事のほうは業務監査に一層集中することができると考えられ、まさに監事によるガバナンス強化という今回の方針とは矛盾しない。むしろ、その効果が発揮できると私も考えます。
 加えて、私学助成法上には、むしろ監事に関する規律が組み込まれておりません。したがって、私学法上の監査における会計事項について、職業的会計専門家の目が加わることで、私学法において、監事と当該職業的会計専門家との連携もより一層充実した形で行えるのではないかという、先ほどの佐野先生の御意見そのものだと私も理解いたしました。そのとおりだと思っております。
 新たに会計監査人という機関を創設するかどうかの問題ではなく、私学法上の計算書類の監査として、職業的会計専門家が品質保証の面でコミットすることを認めるべきであるというのが佐野委員の御発言の趣旨であり、それは、私学助成法上の制度としてあるものをスライドさせれば、学校法人に殊さらの負担を強いるものではないということをおっしゃられていたと思います。佐野委員の御発言に対するこのような理解が正しいのであれば、これはこれまでの報告書で提案していた趣旨と抵触するものではなく、むしろ実現するものであると考えます。
 条文としては、47条1項に基づき計算書類を作成しなければならないという条文に、「監事による監査のほか、特別の利害関係のない公認会計士または監査法人の監査を受けなければならない」という一文を挿入するという形の立法で行くのか、あるいは、同条第1項に文部科学省令への委任がございますので、そちらの中の記載事項というのでしょうかそこで定めるということで行くのか、法律事項とするか省令事項でいくのかどうか、これは今後御議論いただくこととして、方向性としては、会社法を研究している者としては佐野委員の御意見全面的に賛同するという意見を申し上げたいと思います。
 以上です。
【福原主査】
 ありがとうございました。会計ガバナンスと言われるテーマを、会計士監査という面で、公認会計士の専門的な立場からと、また、この法制度、会社法等の組織法の研究者であるお立場から法制面での御意見と、双方で今コメントを頂戴したところでございます。問題の本質と申しますか中核が、皆さんとも共有して見えてきていれば幸いです。
 さて、福田委員から御意見があるようでございます。よろしくお願いします。
【福田委員】
 ありがとうございます。まず、佐野委員の今の御意見といいますか、御指摘、併せまして、尾崎委員のお話も大変分かりやすくといいますか、十分理解をしたところでございます。ありがとうございます。
 ただ、この資料7「規模に応じた対応案」でございますけれども、1回目のときの私ども全国専修学校各種学校総連合会からの意見書でも申し上げましたが、私学助成法の対象になってない準学校法人というようなことでございますけれども、そういう意味では、ぜひ、今、この資料7に寄附行為の定めというふうに書いてございますので、そういった会計監査法人もしくは公認会計士の監査を受けているところというのは、非常に小規模なところではまずないというふうに思っておりますので、そういう意味では、もしこれが義務としてということになれば、追加負担ということは十分考えられると思います。
 その辺を、この表では見えないですけれども、専修学校のほうの団体として一言付け加えさせていただきまして、御配慮のほうお願いできればということでございます。
 以上です。
【福原主査】
 貴重な御指摘だったかと存じます。事務局の方から。
【福田委員】
 ありがとうございます。
【福原主査】
 それでは、事務局の方から、追加の紹介を。
【尾上委員】
 すいません。幼稚園連合会ですけれども。
【福原主査】
 では、幼稚園連合会から。
【尾上委員】
 今の件に関してよろしいですか。
【福原主査】
 どうぞ。
【尾上委員】
 会計士会の佐野先生、会社法の尾崎先生の御指摘はごもっとも至極で、私ども連合会も十分理解はできます。そして、実態は、90%以上、私どもみたいな幼稚園を持つ法人でも、監査法人、公認会計士等による監査を受けているという実態もそのとおりだと思っております。
 ただ、私どもは8,000加盟がありまして、数%でも小規模な園があって、助成法の対象の監査にならない園もあるのも事実です。そういうところは、実態はほとんど、園児数は本当に少なくて、確かに、監事の負担は増えませんよと、実質、逆に有効になるんじゃないですかということも分かるんですが、一応、設置者としましては、一方、今までそういう発生しなかった監査法人等に委ねると、変な話ですが、報酬等も発生して、そういう全く法人として負担にならないとかそういうことでもない。
 私ども会員はいろいろな規模がありますので、本当まだ僅かでありますが、そういう100か200の法人も財政的に厳しいところがあるので、そういった監査法人が新たに義務化されると、その負担が発生するということも、現場としては、そういう実態はまだあるということは、ぜひ御承知おきいただければありがたいなということでございます。
 以上です。
【福原主査】
 ありがとうございました。学校法人の立場と幼稚園等の立場のほうから、議論の隙間が生じないように御指摘があったかというふうに承知いたしました。
 では、今までいろいろな御意見が出てきておりますので、現状も含めまして、事務局のほうからコメントいたしますが。よろしくお願いします。
【相原補佐】
 佐野委員等のほうからも御紹介がありましたが、従前、第2回までお配りしていた学校法人のアンケート、都道府県の所轄法人のアンケートのデータを改めて御紹介いたしますと、高校等を設置する法人では、監査を一切受けてない法人が2%、幼稚園も2%、準学校法人については、先ほど福田委員からもお話があったように、そもそも私学助成の交付を受けておられない法人も多いということもあって、監査を受けてない法人は53%というような、これが実態のデータというふうにまずなっております。改めて確認です。
 それともう一点、今回、会計監査人と呼ばれる仕組み、機関でありますけれども、佐野委員のおっしゃられた部分にも少し関係します。補足すれば、会計監査人、今回の提言されてきた事項の機関というのは、必ずしも、設置という言い方は、もちろん機関としては設置という用語にはなるわけですけれども、常勤という形で常に監査は日常的に入ってもらう、あるいは、それのための独立の事務局がそこに必要となるという趣旨のものでは必ずしもないという言い方もできようかと思います。その点は、先ほど佐野委員から、現在の監査の実務と変わらないという言い方もされていましたが、改めて事務局からもそのように補足をしたいと思います。
 以上です。
【福原主査】
 ありがとうございました。実態を把握するアンケート調査等でありました。この点に関しまして、ほかに御意見いかがでしょうか。特にございませんか。いずれにいたしましても、会計面でのガバナンスということ、それから、監事の方々が、他の様々な仕組みとの連携によって、その会計のガバナンス、さらには、この連携によるガバナンスを実質化していこうという方向性については御理解もいただいているのですけれども、それを実現する制度をつくるに当たって、実情に応じて負担といったようなものが懸念されるというのがそれぞれの御意見から出てきたところであろうかなというふうに拝聴した次第でございます。
 そういたしますと、制度をつくっていくということに向けて、それが実質化する制度をつくっていくという制度設計ということからすると、どのようなものが、今、皆さんの御意見を実現する法制度になるのかなということでありますけれども、この点いかがでしょうか。問題提起、論点の立て方としては、そこに他の会社法をはじめ、他の組織法で言うところの会計監査人という機関の設置を問題提起するというところから始まっているものですけれども、この点についてはいかがですか。何か御意見ございますか。佐野委員、どうぞ。追加してありましたら。
【佐野委員】
 ありがとうございます。先ほど尾崎委員からもフォローがあったとおりなんですけれども、まだ制度設定の全体像が見えない中で結論じみたことを申し上げるというのはちょっと難しいかなと思っています。
 例えば、会計監査人という機関になったときに、選解任はどうなるのか、そうでない場合、機関ではなくて会計士監査を導入するとなりますと、単に学校法人との契約で行くことになるんだと思うんですけれども、現行を引き継がれればですね。その辺の選解任の問題をどうするのか。こういったことも解決しないと、根拠法令が私学法に全部移るんですよといったところで、機関となるべきなのか、機関じゃないほうがスムーズに私学の公共性が高められるのか、その辺のところが議論しにくいかなと思っているんです。
 ただ、私はここで言っている大臣所轄法人、大規模法人以外のところに、今言われている機関としての会計監査人、これを持ってくるのは、これまでの議論の過程、前回も含めた議論の過程からすると、非常に負担、評議員さんの負担が増えたり、そういう人材がいるのかというような問題も発生することから、これは難しいのかなという気もいたします。
 そういったことからすると、大学だから機関のほうがいいというメリットがどこに出てくるのかという問題もあって、この線引きは非常に難しい問題だなと思うんです。機関設計の全体像が見えた中で、会計士監査が機関としてあるほうがこういったプラスの面がある、こうするとガバナンス強化につながる、負担の問題を考えて、そうでないことはこちらですと、そういった区分けが出てくるんだろうと思うので、結論は難しいけれども、少なくとも、大規模法人以外のところについての機関化の話というのは、今、ちょっとしにくいのかなというふうに思っております。
 以上です。
【福原主査】
 どうもありがとうございました。まさにそのとおりではありますが、会計監査人という機関設置ということになりますと明確になりますし、監事との連携ということは法制上も明確に意識されるということにもなってまいりまして、その選任も評議員会の役割という形で設定されてくるのではないかというふうに思います。
 尾崎先生、いかがですか。さらに追加して。
【尾崎委員】
 度々発言して申し訳ございません。今回、佐野先生をはじめ、私の言いたいことは、「会計監査人」の設置ということで、どうも誤解を生んでいるのではないか、その誤解を払拭したいということです。会計監査人の設置ということで、何か負担を強いられる、全く新しいことにしなければいけないのか。これ実は、後で申し上げる「内部統制」についても同じことが言えるのです。
 それはともかく、会計監査人という機関の設置ということになりますと、大変大仰な話だということで、どうも誤解を生んでいるのではないか。先ほど、私は非常に柔らかく、いわゆる会計の職業的な専門家の目を入れなさいと、そのコミットを入れなさいという根拠法規を私立学校法に置くべきではないかというふうに申し上げましたが、誤解を解消したいという御趣旨で佐野先生はおっしゃったのだと私は理解していまして、具体的にこの制度をどう提言するのかは、まだこれから御議論がいろいろとあろうかと思っております。
 そして、私が先ほど立法の条文のことを申し上げたのですが、これは金融商品取引法で、監査証明をするときの規定なのですが、実は、金融商品取引法は会計監査人という制度がありません(金融商品取引法193条の2第1項参照)。しかし、そもそも、こういうプロの監査証明を添付して有価証券報告書等を届出しなければいけないという建付けになっていますが、その条文というのも、その者、これは「発行者」、有価証券報告書の提出者なのですが、「と特別の利害関係のない公認会計士または監査法人の監査証明を受けなければならない」という文言になっております。
 ですから、こういう条文の書き方というのは、法制度上または立法上、決して不可能なことではないわけでございまして、先ほどちょっと申し上げたのは、こういう会計監査を受けなければいけないという根拠条文を私立学校法に置いておいて、ただし、これは例外があるということは、金商法においてもそういうことはいろいろと書いてございますので、そこはこれから御議論されることになるのだろうと思います。
 以上、ちょっと補足させていただきました。
【福原主査】
 ありがとうございました。大学監査協会のほうからの御意見等にもあるように、監査機能の実質化を図るために、その周辺の制度といったようなものをどう整えていけばいいのか、監事という機関が従来からあり、直近の改正等におきましても、責任の重さとともにその機能の実質化を図っておりますから、この方向性から行くと、この周辺にどういった監事の機能を実質化して連携していくために、どういった会計ガバナンスの構造が適切かという議論が出てくるわけでございます。そういう中で、分かりやすいという形で、大規模な学校法人については、より専門家としての会計士監査を導入しているという発信と、その連携による機関相互の連携といったことが意識できるという点にメリットが認められてきて、この特別委員会の前身たる委員会等々においても、会計士監査の導入といったようなことが提起されてきたのではないかというふうに私自身は理解しておりますが。
 ただ、まさにこれまでの議論、あるいは積年のといいますか、議論があったわけで、会計士監査の意味というものが、今、認識されたわけでございます。
 さて、この点につきまして、大体御議論、意見等が出てきたようでありますので、では、ほかに、今ちょっと触れましたけれども、あと、監事ですとか、さらに、これは理事会で構築するわけですけれども内部統制システムといったような問題につきましても、少し御議論を広げていきたいと思いますが、何かございますか。
 これらについては、そんなに、特に御異論があったというわけではなく、既に提出されていた意見でも、そういったものでより理事会の制度をきちっと果たしていくという意味で、理事会が全部監督できるわけじゃないものですから、その部分を、内部統制システムを構築し、内部監査ということを通じて、しっかりやっていこうという、そういう方向性については特に異論はなかったように思います。この点については、負担というよりも、それは必要なんのということは認識されてきたようには拝察いたしておりますが。
 何か、しかしながら、御意見というのがございましたら、承りたいと思います。いかがでしょうか。小原委員、どうぞ。
【小原委員】
 監事の解任勧告に理事会が従わない場合、評議員会が理事を解任できるということがあります。3分の1の評議員をもって評議員会を招集ということになっていますが、その前に、監事の機能として、理事会がその解任勧告を受け付けなかった場合は、監事の権限で評議員会を招集し、その旨諮問、あるいは退任決議を要求するという機能を明示してはどうでしょうか。
 なかなか、3分の1と言っても、3分の1がそろわなかった場合、理事会に対するチェック機能を果たさなくなるわけですから、強制的に監事がある程度、評議員会を招集するということは入れておく必要はあるのではないかなと考えております。
 それでも両方ともといった場合には、いよいよ文科省のほうに直接報告ということになります。手続としては、そういう機能を監事の業務の中に含んでおくこともよろしいのではないかなという気がいたします。
【福原主査】
 ありがとうございます。今の監事の評議員会の監督機能、牽制機能というものを高めていくトリガーというか、招集請求権、その他招集の権限といったようなものを加えることで、重畳的な抑制システムをつくろうというのに当たっての御意見かと思います。
 この点、制度設計上、今の小原委員の御意見に関して、何かコメントございますか。梅本委員や尾崎委員。そういう監事の地位について、よろしいですか。意見として。梅本委員。
【梅本委員】
 梅本です。ありがとうございます。
 たしか、現在の法律ですと、監事に評議員会の招集の権利はなかったかと思うんですけれども、公益法人等でも、特にそれは権限としてはまだございませんので、もちろん、ガバナンスを図るという意味では、極めて有意義な御提言かと思いますので、検討の余地はあるのかなとは感じました。
 以上でございます。
【福原主査】
 法制上の調整ということをいたさねばならぬ段階で、全て実現するとは言い切れませんけれども、貴重な御意見としては承っておけると思います。事務局。
【相原補佐】
 小原委員から大変重要な御指摘をいただいておりました。この御指摘につきましては、現在の私立学校法37条というのが役員の職務ということで、ここに監事の職務権限も列記されております。3項の6号というところで、理事会及び評議員会の招集の請求、そして、次の4項というところで、さらに、理事会または評議員会の招集ということで、監事の権限というふうに現在なっております。
 これは従来、評議員会との関係において招集請求、招集というのが規定されていたのに加えて、さらに、令和元年の改正におきまして、理事会との関係におきましても、この権限というのを明確化するというようなところが図られて、令和2年度から、これが今ようやくスタートしたばかりというような状況でございます。
 以上でございます。
【福原主査】
 現状についての御報告を戴きました。
【小原委員】
 分かりました。私が間違っていました。訂正させていただきます。
【福原主査】
 そこの職務範囲内でということで対応を確認できればというふうに思います。ありがとうございました。
 そのほか、内部統制についていかがですか。尾崎委員、少し何か先ほど内部統制に関して御意見がありますか。
【尾崎委員】
 発言してよろしいですか。
【福原主査】
 どうぞ。
【尾崎委員】
 尾崎ですけれども、発言してよろしいですか。
【福原主査】
 どうぞ。尾崎先生、よろしくお願いします。
【尾崎委員】
 先ほど来からありますように、「内部統制」というのは会計監査にとっても大変重要ですし、今日の一般的理解からいくと、会社法で言うと、監査役監査にとっても内部統制の充実というのは極めて重要になっております。したがって、監事監査あるいは職業的会計専門家による監査の実態、実効性を高めるためにも内部統制というのは必要である。こういうふうな言い方で、そちらのほうから内部統制の充実ということも言えるかと思います。
 加えて、経営者が、これは企業の場合もそうなのですが、その法人を管理するときに、内部統制という手法、これを活用して行うというのが、今日、常識化されていると思うわけです。ただし、内部統制という言葉について一体どういうことであるかというところについては、なかなか完璧に定義ができていないということだろうと私も思っております。
 ただ、不正の防止のためであるというようなことが沿革的な話として出てくるのですが、むしろ、今日、効率的な経営とか、健全な経営とか、こういうふうな点において内部統制は重要だとされています。つまり、従来、守りのガバナンスの中心的な部分とされていたわけですが、これから、少子化を前提として攻めのガバナンスをするときには、法人組織に内部統制がしっかりしていないと、ぐちゃぐちゃな組織になってしまう危険性があるということなのです。
 ここでももう一つ誤解があるというのは、内部統制というのは、全くゼロベースで新しい何かそんなスキーム、ストラクチャーをつくらなきゃいけないのかという誤解もあるのでしょうが、皆さんの学校法人においては、当然、内部において、様々なマニュアルに従っていろいろな統制は行われているはずだと思うわけです。ただ、それがばらばらになってしまっていますと、法人全体として機能しない危険性がありますので、それを体系化して、制度化していくということが、内部統制を求めるということの実質だろうと思います。
 これを実際的にやるのは、法人経営者がそういうふうに、学校内部にいろいろなこういうことがあるわけですが、それを体系的に1つのシステムとしてつくり上げていく。これはまさに経営者である理事会の責任である。
 そして、理事会がちゃんとそのようなことをやっているかどうかを監事が見るというのが内部統制監査の中心だろうと思いますが、内部統制が充実するということは、監事にとってもプラスになりましょう。つまり、監事の省力化になるわけですから会計士にとっても非常に役立つ。当然、会計士にとっては、リスクアプローチを取っていますし、監事の監査もリスクアプローチを取りますので、リスクアプローチを取る上においては、まず重要なのは、対象となる法人の内部統制の状況の評価というのが当然出てきて、そして、それを前提に監査計画を立てて監査手続をやっていくというのが一般的なリスクアプローチだろうと私は理解しております。内部統制というのは、決して難しいものをつくってくれ、一度につくれというのではなく、それは負担も重いわけですが、今あるものを1つの体系的システムとし、やっていく必要があるということです。そして、内部統制の対象は、当然に理事者であるとともに、学校法人の内部のものであるし、かつ、実は監事自身も内部統制の対象にもなるでしょうし、職員、教職員も内部統制という意味では――「統制」と言葉がどうもよくない言葉であると私は思うのですが、当然ターゲットになってくる。
 そういう学校法人全体としてのシステムを内部統制と呼んでいるだけのことですので、ここも誤解が少しあるのかなと思いますが、そんな難しいものをつくれと言っているのでなくて、まず、差し当たって、今あるいろいろなものを体系的に組織運営のためのシステムとして構築してくださいというのが内部統制の話です。そして、それは監事監査、会計専門家であるそういう方々の監査にとってもプラスになる。そして、経営の上にとってもプラスになる。つまり、ウィン・ウィンになるための1つ。しかし、これは完成形というのはあり得ないわけで、常に見直しをやっていって、アップデートしていかないといけない。
 こういうふうなものだということで、どうも、そこのところを御理解いただければ、内部統制については全く反論はないのではないかということでございます。やり方としては、そういうことをやっていただければいいということでございます。
 以上でございます。
【福原主査】
 どうもありがとうございました。加えて、まず佐野委員、それから小原委員。佐野委員、何か。
【佐野委員】
 失礼いたします。学問的といいますか、これは今尾崎委員がおっしゃったとおりのことだと思います。実務的に会計監査を行うに当たって、内部統制システムがあるということは当然前提になっておりまして、これを含めて評価した上で、手続を行っています。これはこの資料7の書き方の問題かと思うんですけれども、知事所轄学校法人は任意となってしまって、あたかも内部統制システムの構築がなくてもいいんだよみたいに読んでしまうと、これはおかしなことになってしまって、内部統制システムというのは、その学校法人の規模に応じて、また、その仕組みに応じて構築されていくものだと思いますので、この「決定義務」、「任意」という言葉が、内部統制システムについて、なくてもいいというのは変な形で、尾崎委員もおっしゃったように、これはどこにでもある。形として明文化されてなくても、当然にあるという前提ですから、これが文書化されるか、システム化されるか、そういった体系化の問題かと思うんです。私どもが監査をやっている中では、内部統制システムは、会計監査の前提として評価をするということは当然のことだと思っております。
【福原主査】
 ありがとうございます。役員または教職員における違法な行為その他といったようなものが、常に理事者が監督できるわけではないので、そういったようなものに端を発して生ずるリスクといったようなものを常に認識して、そういったことがチェックできるシステムを理事者側はしっかり設けておきなさいよと、こういうものであって、それは大規模だから必要なので、直接目配りできる、ふだんの職務の指揮命令系統で目配りできるところは、あえてそういうシステムはつくらなくてもいいですよと。そういうところにまでつくると言うと、かえって負担だから、そこは直接、理事者がちゃんと目配りできる規模のところであれば、それは別に任意ですと。こういう意味で事務局はまとめてくれているというふうに思います。
 まさに会計、内部統制を前提に、会計士監査その他も行われるということではあるんですけれども、ここではガバナンスとともに、一般的な理事者、役員並びに従業員、教職員のそういった不適切な法令違反等があった場合に、それを早く察知して、きちっと問題が対処できるシステムをと、こういったような意味合いが強いということであります。
 小原委員、どうぞ。
【小原委員】
 学校法人の理事会には、教学面と運営面の2つの運営をしていく機能があります。今、いろいろな大学で始めまして、自己点検、自己評価というのがあります。あれは教学面のことに重きを置いて、その結果を踏まえて次年度の計画を立てていく、あるいは、教育の進め方を改善していくということに使われています。それと同じような活動で、運営面の自己点検、自己評価というものも必要ではないのかなという気がいたします。
 これは、通常IR、インスティテューショナル・リサーチとして、海外の大学は進めていることです。内部統制が機能しているかどうかというもの、自分たちを点検するという意味で、インスティテューショナル・リサーチのような活動に、ただ単に教学面ではなくて、運営面の側面も調査項目に入れることをやったらいかがかなと思います。
 内部統制と言うと、理事会の力をさらに強くするのではないかというイメージを与えてしまいます。そこは理事会が中心になって自分たちの自己点検、自己評価する項目に内部統制にふさわしい事項を含ませておいて、インスティテューショナル・リサーチを行うということで対応できると考えています。
 その辺は表現の問題もあると思うんですけれども、もし内部統制が強いというような印象を与えるようであれば、今言ったように、インスティテューショナル・リサーチというような言葉でもって、実際に内部統制ができているかどうか確認するというのは、理事会と評議員会の機能、また、監事の役割としてもいいのではないかなという気がいたします。
【福原主査】
 大変鋭く含蓄がある御指摘いただきまして、ありがとうございました。自律性ということについては、認証評価、自己点検評価という営みを既に大学等は行っておりますので、こういったようなものが教学面を中心にいわゆる内部統制の役割を担ってきていたことも事実でございます。そういった学校、教育機関の特性に合わせた内部統制というものであるということを、今、小原先生の御意見から再認識できたかというふうに思っております。ありがとうございました。
 西岡委員、御意見よろしくお願いします。
【西岡委員】
 ありがとうございます。意見というより御質問ですが、内部統制の必要性というのは、皆さん今おっしゃっていたように、学校がどのように機能しているかということを対外的に分かりやすく示し、確認していく手段としても大事だと思っています。文科省のほうでまとめていただいた資料3の中で、私立短期大学協会の方からの御意見として、整備の在り方を検討すべきといったようなコメントが上がっておりますので、不勉強で、どういった点に問題意識を持っていらっしゃるのかというのがよく分からなかったものですから、今回、整備していく中で触れていくべきところがありましたら、教えていただけたらと思い、質問させていただきたいと思いました。よろしくお願いします。
【福原主査】
 短大協会のほうの御意見ですが、これは事務局のほうでまとめて、こういう表現になっていますが、その内容、今、西岡委員の質問に答えるというか、どこを見れば……。
【西岡委員】
 今表示いただいているところの左から3番目の「この整備の在り方を検討すべき」というところで、何か具体的に問題意識がおありだとしたら、確認させていただければと思いました。
【福原主査】
 資料に目を通していただく、あるいは、川並委員からコメントいただいても結構ですが。
【川並委員】
 川並ですが、後ほど回答させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
【福原主査】
 はい。恐らく、先ほど小原委員からのことも含めて、一般の内部統制という、企業で考えている、会社で一般に言われているものとは違って、学校という教育機関を設置している学校法人ならではの整備の在り方というものがあるはずであろうということをおっしゃっているんじゃないかというふうに私は受け止めておりましたので、その具体化につきましては、また、個別御意見があれば承りたいと思います。西岡委員、そういうことでよろしいですか。今ここでは。
【西岡委員】
 大丈夫です。ありがとうございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 この監事、会計監査人、内部統制システムといったところ、あるいは情報開示のところもございまして、各私学団体から頂戴した意見であったところですけれども、何か……。よろしいですか。
 1つ確認でございますが、監事に関して、監事の選任に関してでございますけれども、ここの部分について、理事長が選任するということが多くなっておりますが、評議員会が監事を選任するという形で論点等のまとめで提起させていただいていますが、この点については、何か御意見ございますか。特に上がってこなかったので、その方向で皆さんよろしいですか。小原委員、どうぞ。
【小原委員】
 たしか、理事長が選任と言うと、個人の好みで選んでいるという誤解が生じますから、「理事会が評議員会に推薦し」というようなことで良いと考えます。
 というのは、評議員会のメンバーに監事を選ぶまでの情報はどこまで集められるかということも気になります。したがって、私も理事長ですけれども、Aだよと、これで決まりという形ではなくて、私が理事会に、こういう人もいるけれども、この中でどうだろうという形で諮って、そこで選んだ候補者を評議員会に推薦するというような手順は入れておくと、理事会からも評議員会から納得できる監事を選ぶことができるのではないかと思います。
 いわゆる手続論のことなんですけれども、そういう形のほうが、今の学校法人に誤解されないのではないかなというような気がいたします。
【福原主査】
 ありがとうございました。田中委員、何か。
【田中委員】
 私も小原先生の意見に全く同感でございます。学校法人に関する情報でございますが、どういう方が協力していただけるかとか、卒業生でそういう監事になっていただける方というのは、学校法人、即ち理事会のほうではかなり情報を持っているわけです。事務局がございまして。ですから、御提案は、評議員の方ですと、本務としてそれぞれ学校法人とは違うお仕事に勤めていて、なかなか情報をまとめて入手できていない。ですから、小原先生のおっしゃるように、理事会が提案をして、評議員会が承認をする。評議員会が、例えば「いや、この方はいかがなものか」とおっしゃれば、そこは修正するということだと思うんです。提案することが理事会であり、評議員会がそれに同意するということが大事で、そこでバランスが取れるというふうに存じております。小原先生の御意見に賛成だということを申し上げたくて手を挙げました。どうもありがとうございました。
【福原主査】
 言葉で「選任」と言ってしまうと、全く候補者から何からというふうに受け止めるのでなくして、最後のところは評議員が選んだということです。米澤先生、何か。
【米澤委員】
 ありがとうございます。基本的に、小原委員、田中委員のそれぞれの御意見はもっとだなと思って伺っておりましたが、それと併せて、すいません、この中に情報公開も含まれているのであれば、資料3の6番のところは、結構、各団体からそれぞれ積極的な形での提案が出ているような気がいたします。問題は、現状において、理事会と評議員会の間にかなり大きな情報の非対象性というか、評議員会が持てる情報というのは限られているということが前提となって、今までの話があると思うんですけれども、この部分を周辺の部分として、例えば、もともと公表しているものをインターネットに載せるだけとか、そういうものも載っておりますし、それから、専修学校の連合会からは、かなり積極的なお話も出ていますので、少しこの辺を参考にできることはしたらいいんじゃないかと思います。
 以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございます。まさに情報の非対象性というところに、ガバナンスが問題になるような事象が発生するということでありますので、それを踏まえて、そのために評議員会、に牽制機能を担わせるのであれば、それに必要な情報の開示というものをきちっとして、情報の非対称性を解消するような制度設計をしておかなきゃいけない。こういうことだと思いますので。ありがとうございました。
 この点、さらに開示ということになりましたら、これあまり事細かく法令でというわけにはいかない場合には、ガバナンス・コードで対応するということもあるかと思いますが、開示ということの意味が、これは手続規制を進めるときに、その手続をきちっと進めていったり権限が発揮できたりするための開示というものと、それから、ステークホルダーに対する説明責任を果たすというか、社会に対してきちっとそういう説明責任を果たすべき開示をするという目的があって、そのほかに、しっかりと公開をすることによって、問題ない運営がされているということを明らかにしていくという、開示の目的というのもあるかと思います。そのような意味では、今、情報開示というものにつきまして、そういった各方面からの意味合いを御指摘いただいたものと受け止めたいと思います。
 特にこの点、かといって、その開示もまた、これは作業ということですので、小規模な学校法人においても、この点について過剰な要求にならないようにという意見が付されていることも認識しておかなければならないと思います。
 尾崎委員、それから小原委員の順に御意見いただきます。尾崎委員。
【尾崎委員】
 どうも。また、度々発言、申し訳ございません。
 私学法38条4項は改正すべきであるという御意見については、私もそのとおりだと思っておりまして、異論がどうもないようでございますが、大変いいことだと思っております。小原先生とか田中先生がおっしゃったように、評議員会に任せてしまうというのは果たしてどうなのかという、つまり、情報を持っていないということだろうという御指摘、そのとおりだと私も思っておりまして、監督機能を強化した評議員会が選任機関になるというのは割と筋が通っているのですが、やはり評議員会というのは、そういう意味で、常置機関と言うのでしょうか、常設というか、なかなか難しいですが、そういう機関ではないというということでいくと、情報を持っているところが情報提供するといいのすが、キーワードは選任プロセスの透明性だと思います。
 つまり、どのような形で監事が選ばれているのか。理事の場合もそうなのですが、選ばれ方の透明性をどのように確保するか。したがって、監事の選任機関、これは評議員会の中に恐らくつくられるわけでございますが、その構成が理事に偏ってしまっているというのはまずいということで、こういう形で選ばれているということを明らかにすることが重要になるのだろうと思います。
 それと、大事な話は監事の独立性であると思いますので、監事は経営者から独立した立場、よく田中先生がおっしゃっている大所高所みたいな、これは評議員だけではなくて、監事というのも、そういうふうなものをしっかり見てやれる、そのためには、ある程度独立性を保障する必要あるということで、会社法上の監査役についても、独立性の保障というのは大変重要なことだとされておりますので、監督機能を実効性あらしめるためには独立性だと。
 こういうふうなことを法律事項で全部細々と書くのはなかなか難しいだろうと思いますので、恐らく、ガバナンス・コードがそういう隙間を埋めていく。そのときに方針となるべきものは、選考の透明性と、選ばれた監事の独立性の保障。こういうふうなことが確保される必要があるのだろうと思っております。具体的な提案については、小原先生とか田中先生のおっしゃるとおりで、私は、推薦するのは理事会で、理事会が推薦して別に構わないと思っております。
【福原主査】
 ありがとうございます。小原委員、どうぞ。
【小原委員】情報を公開なんですけれども、幼稚園協会から出されている、財務状況の開示に対して風評被害が懸念されるということで、慎重にあってほしいということです。これは何も幼稚園協会だけではなくて、中小規模の私立大学、短期大学、全てこの風評被害の対象になりやすくなります。
 実際、何年か前に、潰れる大学のリストが出ました。そのときはたしか、企業会計の観点で評価したようですけれども、その中に私どもの大学含まれていました。私の大学も含めてまだどこも潰れていないです。まさしく風評被害的でした。学校会計と企業会計は全く異質のものですから、その辺を踏まえて情報公開しないと、全く学校会計に分からない人は、あそこの私学はもうすぐ潰れるよとか、ああだこうだというのはすぐ出てくると思われます。実際、連盟のある大学もそういう風評被害に遭って、さらには、それを玉川大学が買収するのだろうという噂まで流れたことは事実です。
 ですから、情報公開の開示というのは、良いようですけれども、気をつけてやらないと、中小規模の大学、短大というものはそういう餌食になるということも十分に踏まえて、文科省のほうも私学法を考えていっていただきたいというのが私どもの考えです。
【福原主査】
 ありがとうございました。
 御意見を賜ってまいりましたけれども、主要な論点の後半部分、本来、前回御意見をいただいておくべきでしたが、今回、まず御意見を賜りました。監事、会計監査人、内部統制システム、また情報公開といった部分につきましては、時間の関係もございますので、既に御提出いただきました意見を踏まえての検討としいたしましては、以上ということにいたしたいと思います。
 本日、3時間というお時間を頂戴いたしておりますので、後半、私学連合からの御説明を得て、私のほうの主査の覚書の少し書き込んだ部分などを御説明して後半の議論に入りたいと思いますが、ただいまから10分ほど休憩を入れて後半に移りたいと思いますが、何分までにすればいいかな。
【相原補佐】
 今36分ですので、46分でよろしいでしょうか。
【福原主査】
 では、46分からということで。厳格で恐縮です。46分に再開させていただくこととしまして、10分休憩させていただきます。後半、田中先生からよろしくお願いします。
(休憩)
【福原主査】
 お時間となりましたが、皆さんよろしゅうございますでしょうか。それでは、委員会再開をさせていただきたいと思います。
 冒頭申し上げましたように、後半ではまず全私学連合でこの機会にまとめていただきました御意見を資料5に基づきまして、会長をお務めでいらっしゃいます田中委員より御説明をいただくことから始めたいと存じます。
 田中先生よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
【田中委員】
 かしこまりました。どうもありがとうございます。お時間いただきまして恐縮でございます。
 これまでの議事録を見ていただいても、これまでの主な意見を資料1でおまとめいただいているものを見ましても、私学団体の間で意見が若干異なるように見えていました。ただ、今回閣議決定しております私学法の改正の方向は動かせないという認識で、私学のガバナンスを高めるという話の際に対象となりますのは我々ですので、逆にあえて言えば、私学の各学校法人は主役といいますか、まさに主な対象でございます。その対象である私学が何を考えているかということについて、やや誤解を招くような表現が新聞にも出ておりましたので、我々がどこまでは合意ができていて、何を問題としているかということについては、しっかりと意見交換をしたほうがよろしいと考えました。
 3月4日に全私学連合での会合を持たせていただきました。全私学連合といいますのは、日本私立大学団体連合会、それから私立短期大学協会、日本私立中学高等学校連合会、日本私立小学校連合会、全日本私立幼稚園連合会というふうになっております5団体でございますが、ただ、私立大学団体連合会は私立大学連盟と私立大学協会、2つございます。また、我々の打合せでは専修学校・専門学校の代表にも御意見をお聞きしましたので、合計では7つの私学の団体、協会の代表者が集まったと考えております。
 そして、正副の会長がほぼ全員集まりましたので、かなり突っ込んだ議論をすることができました。その中で、ここまでは我々は合意しているということをお示しして、私学の者が何を考えているかをお伝えしたほうがよろしいということになりました。特に国会議員の先生方にはどうも私学がばらばらじゃないかという御意見がおありになるようですので、そういう御懸念も払拭するためにも、我々がどこまで考えているかということを申し上げたかったということでございます。
 前置きが長くなりましたが、資料を共有していただければと思いますが、本日の資料5でございます。「学校法人ガバナンス改革に関する考え方」で、3月4日の全私学連合の会議を基に、これをお読みいただければいいんですが、簡単に御説明させていただければと思います。
 冒頭は我々の考え方でございまして、私立学校は大学から幼稚園に至るまでそれぞれ多様な教育を提供してまいりましたと。それが我が国の公教育の発展に寄与してきたという自負を持っておりますし、我が国の公教育の重要な部分を担ってきたという自負もございます。ですから、公教育の重要な部分を私立学校を設置する学校法人が担ってきたとするならば、その学校法人は自らのガバナンスをより透明性の高いものにしなければならないということを確認をいたしております。
 同時に、学校法人のガバナンスの実質化を図るためには、先ほどから議論されておりますが、文部科学大臣所管の大学、短期大学、専門職大学(専門職大学というものは専門学校から発展して出来上がってくることになっておりますが)、と、それとは別に都道府県知事所管の高校、中学、小学校、幼稚園、各種専門学校の違いがあるということを確認いたしました。
 また、そのそれぞれの所管だけではなく、各学校種における規模の違いというものがございますので、これらを簡単にまとめれば、所管や規模の違いというふうに表現させていただきます。それらの所管や規模の違いを持つ学校現場の実情を考慮することが必要だということは申し上げておきたいと考えました。
 令和4年度に予定されております私学学校法の改正におきましては、私立学校の公共性と独立性を踏まえた適切な改正となるようにしていただきたいということをお願いする次第でございます。
 以下の点に関しましては5つの共通項目があり、その下に、なお書きで3つのポイントを出しております。その基本的な考え方を簡単に申し上げますが、理事会の機能・役割は、学校法人の運営に関する最終意思決定、政策立案とその執行であることを確認するということでございます。これは、理事会の役割というものを理解しておく必要があるということを確認すべきと考えておりまして、これは平成26年度、2004年の私学法の改正に基づく考え方に沿っております。
 2番目、評議員会は理事会が諮問機関であることを原則とする。その上で、評議員会の機能・役割として、万が一、理事会や監事が機能しない非常時においては、評議員会が理事会に対する牽制機能を発揮することができるように、評議員会は理事会の業務をチェックし、時には協力し、時には監視する、これが評議員会の役割であるということで我々は一致した認識を持ちました。
 3番目、理事と評議員の兼務を禁じる。これは前回の特別委員会でも佐野先生はじめ多くの先生方からの御指摘をいただいておりますので、理事と評議員の兼務を禁じる。これ役割が異なるからでございます。規模の小さい学校法人におかれましては、理事になる者と評議員になる者の母集団が大体一致しているので、人数が足りないということがございましたので、評議員の下限を引き下げることを主張しております。学校法人のガバナンス改革会議では評議員を最低数3名というふうに出されていますが、それぐらいまで引き下げてもよろしいということがあります。それから、評議員になった方が理事に就くことは妨げない。また、しかしながら、理事になれば役割が異なるので、兼務はやめるということです。また、理事であった者が理事を降りた場合には、評議員になることも妨げないということです。
 ですから、理事であることと評議員であるということは、同じ人物がどちらかになり得るわけですが、どちらかになったならば、担うべき役割が異なるということを認識していただきたいということでございます。
 また、学校法人の特徴によって異なりますので、役員近親者の就任や教職員の兼任は一定上限までは認めることとし、所管や規模の違いなど、私立学校現場の実情を考慮して定めるべきであると。これは先ほどから、幼稚園、短大の代表者の方々からも、また、小中高の代表者の方からも御指摘いただいているところでございます。
 4番目、理事と評議員の人数、理事と評議員の選任方法については、所管や規模の違いなど、私立学校現場の実情を考慮して定めるべきであるということでございます。このあたりは福原主査は、御提案いただいている案の中でもかなり明確にそういうところを配慮していただいていると思っております。
 5番目、監事は学校法人の業務監査の一環として、理事会とともに評議員会の業務についても監査し、不適切な意思決定や行為がなされていると判断した場合には、是正勧告を出すこととすると。監事の機能の強化というのは、令和元年の私学法の改正によってかなりうたわれておりますので、今さら申し上げるべきではないという御指摘もありましたが、ここのところであえて我々の一致した認識として、監事の業務の一環として理事会にも評議員会にも是正勧告を出せるということを再確認しておきたいということでございます。
 その上で、今回私学のガバナンスの透明性を高めるというところで言われていることに関して、以下の「なお書き」がございます。学校法人が正常に機能していないという異常事態が発生した場合の対応として、以下のような措置が必要になるのではないかということです。このあたりは我々も議論の上で合意したところでございますが、まず、理事に法令違反もしくは社会的規範から逸脱した行為があったと相当な根拠をもって疑われる事態が発生した場合、もしくは監事による理事会への是正勧告に理事会が従わないなど、理事会が自浄作用を発揮できない場合には、評議員会が理事長または理事、もしくはその双方を解任する権限を認めるといたしました。これは評議員会の権限を強めるという考え方になります。
 ただ、同時に、評議員に法令違反もしくは社会的規範から逸脱した行為があったと相当の根拠をもって疑われる事態が発生した場合、もしくは監事による評議委員会への是正勧告に評議員会が従わないなど、評議員会が自浄作用を発揮できない場合には、理事会が評議員会の議長または評議員、もしくはその双方を解任する権限を認めるということで、双方に監視することになります。
 そして、法令違反もしくは社会的規範から逸脱した行為があったと相当の根拠をもって疑われる事態が発生しているにもかかわらず、監事が理事会や評議員会に是正勧告を出せないなど、監事機能が不全に陥っている際には、理事会あるいは評議員会から監事に対して辞任勧告を行うことができることとするということで、監事の機能を強化しますが、監事が万全とは限らないので、万が一機能不全などがあった場合には、理事会もしくは評議員会から監事に対して辞任勧告を出すということです。これは三すくみになるわけでございますけれども、このようにそれぞれの組織が相互にチェックをするという仕組が必要であると考えております。
 先ほどにも御異論がございましたが、監事の選任ですとか評議員の選任をどうするのかというところは、やはり設置形態やその規模に応じて異なるということになると思います。そこには、やはり情報の非対称性もございますので、ある程度は推薦ということが行われるとしても、最終的にはその承認ということが必要であると思われます。例えば理事会が監事の候補者を推薦し、評議員会が承認するという仕組があり得ると思います。また、理事会が評議員の一部を推薦し、評議員会がそれを承認するというような、評議員の方たちが自分たちの後任をお互いに選ぶということもあり得ると思います。ただし、その選任の仕方というのは学校法人によって異なるだろうと思いますので、様々な状況というものを視野に入れながら、この最後に3つの○に書きましたように、万が一誤ったことがあった場合にはお互いに是正できるような仕組を提案しております。
 逸脱した行為があったと相当の根拠をもって疑われる、もしくは法令違反があったと相当な根拠を持って疑われるということは、単なる風評被害を防ぐ、SNSによって非難をしたとか攻撃したという程度のことではなく、警察庁もしくは検察庁が動いたとか、新聞社の調査報道によりかなりの根拠を持って情報があるという場合だと思います。単なるうわさではないということまで踏み込んでいるわけでございます。
 大まかにはこういうことでございまして、私学の各代表者の間では、ここまでは合意できるということで、もちろん事情によって様々な詳細が異なってくると思われます。ですから、ハードローでお決めいただきたいところはここまでということで、それから先はソフトローのガバナンスコードで定めていくと考えております。また、選任や解任の仕方に関しては寄附行為にもよるということですが、やはり避けなければならないのは、寄附行為で全てを定めてしまうと、現実には全く牽制機能が効かないような寄附行為をお持ちの学校法人もおありになったということですね。
 今日の日本社会においては幾つかの学校法人において、そういう理事長ですとか、ある特定の方の暴走を止めることができないような寄附行為を定めていた学校法人があったということがございますので、それに対して我々もガバナンスを高めるというところでは合意をしたということを御報告できればと思っております。
 以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。特別委員会の進行と並行して、各私学団体におかれても様々な意見交換の場をお持ちいただきましたほか、今、御紹介がありました7団体をお集まりいただいての全私学連合としてのまとめをいただいたところでございます。
【田中委員】
 すいません、1点、私の発言に誤りがございました。7団体と申し上げたのは誤りでした。5団体、全私学連合ですから、私大連と私大協会を含めても6団体でございまして、専修学校・専門学校の団体の代表はいらしてなかったということでございました。私の誤りでございました。失礼いたしました。
【福原主査】
 こちらこそ失礼いたしました。6団体の全私学連合としての御意見をおまとめいただき、御紹介をいただきました。
 委員会に御参画いただくだけではなく、その間にそういった私学が自ら今抱えている問題、こういったものについて御点検をいただいたことは、今回の委員会におきましても大きな成果であろうかと思いますし、何よりもこの委員会で最終的にまとめさせていただく内容が社会に受け入れられるためにも、そういった営みがあったことは社会も歓迎をしてくれることかと思います。
 改めまして、年度末お忙しい時期に各団体の責任者の方々がお時間を割いて積極的な意見交換をしていただきましたことに対して、心から敬意を表しますとともに御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 なお、ただいま御紹介いただきました「考え方」と題するペーパーについて、各団体から補足のコメントがあるかもしれませんが、それを含めて、これは後半で御意見をいただくということにいたします。もう一つ、私のほうで恐縮ながら提示させていただきました覚書につきまして、先般は、これを改める精力は残っていないと申し上げましたけれども、皆さん方の御熱意を改めて受け止めさせていただきまして、不足の部分がございましたので、これを追加させていただきました。
 まず、恐縮ですが、事務局より、先ほど見え消しの方をと申しましたが、概要のほうを映していただきます。前回も事務局にてパワーポイントで全体像を作っていただきましたが、今回も追加をいたしましたものについて、赤い文字で表示をして、覚書の概要を改めていただきましたので、まずそれを御覧いただきたいと存じます。
 前半の部分、皆さんとともに学校法人の制度の理解を深め、議論を円滑的に進行させる前提は、これは変わりません。ただ、各論に入りまして、各論に入りましたところで、まず、この各機関の意思決定権限の在り方、また、意思決定権限のみならず、様々な機関権限の分配の在り方について、この部分を皆さんの御意見を基に整理させていただき、一定の方向性を提言させていただいております。その中で、前回の覚書では3部構成になっておりましたけれども、その2番目の評議員会等の牽制機能によるガバナンス強化というところにつきまして、理事会の監督機能の強化がそこに付言する形を取っておりましたが、これをまず改めて、1つ別立てにして、この権限分配の在り方のところを項目として内容的には4つという形にさせていただいたということでございます。全体はこういう形で補充をしたところがあるということを御紹介させていただきます。
 そして、見え消しのほうの6-1という資料で御説明をさせていただきます。まず、6-1の資料の7ページまででございますが、7ページのところまでは各論に入りまして、学校法人における理事会・評議員会の地位の中で、学校法人における理事会と評議員会の意思決定権限というところについては、これは前回御議論をいただいたことを踏まえまして、項目を括弧書きでタイトル表示をさせていただいて、前回の御議論をまとめさせていただきました。7ページの(2)の前まででございます。
 そして、7ページの(2)のところから、改めました、追加しました部分を簡単に御説明申し上げたいと思います。7ページの(2)の評議員会等の牽制機能によるガバナンス強化というところにおきまして、まず、問題の所在として、評議員会制度のこれまでの経緯を補足をさせていただきまして、それぞれの機関による、多重の構造の下における理事の業務執行に対する監視・監督機能の確保ということを強調させていただいております。
 そして、理事・理事長の選解任・選定解職等について、これを8ページに向けて記載をさせていただきました。特に理事の選任機関として、評議員会、その他の寄附行為に定める機関を明確にする措置が必要である旨を改めて確認をさせていただきながら、外部理事の数につきましても増やしていくことが有用であるという御意見を付加させていただきました。
 また、その次の「また」のところですけれども、さらに、有事の事態におきまして、理事の解任あるいはその他の措置といったようなところにつきまして追加をさせていただいたわけでございます。
 これは、昨今の不祥事事案といったようなものに見られる事態に対処するための有事の措置といったようなものを加える必要を述べさせていただき、期せずしてと申しますか、こういうことを補修していただいている一方で、先ほどの全私学連合の取りまとめにおかれましても、1から5までの平時の機関の構造の在り方に加えて、学校法人が正常に機能していないといった異常事態が発生したときのことを書いていただき、まさにガバナンス不全の場合のリスクマネジメントもきちっとなし得る法的措置を述べていただいている姿勢と同じ方向を取っているということでございます。
 覚書の見え消しの資料の8ページの下の段の理事の職務執行に対するその他の牽制機能というところにつきましては、先ほど申し上げました理事会の機能といったようなものをこの際しっかりと明確にするということを含めて、重層的なガバナンス構造、適切な協働と相互牽制を機能させるための意思決定権限分配以外の方策が必要であることを改めて書き加えさせていただきました。
 そして、その脈絡におきまして、9ページの冒頭において、理事と評議員との兼職を許している現在の制度をやめて、しかしながら、評議員会には理事が理事の立場において出席をして、しっかりと情報を開示するという、そういう仕組みを確認いたしております。また、評議員会に対する牽制ということを付け加えさせていただきました。
 9ページへと続いていまして、(3)では評議員の選出と評議員会の構成等の適切化に向けて、どのような法制度設計が必要かということについて、「問題の所在」というタイトルで、その認識を紹介させていただいたのに続いて、評議員の資格と評議員の選解任の在り方というところをフォーカスをして、補充をさせていただきました。
 特に評議員の選任方法ということについては、理事会による推薦等があることはもちろんあり得ても、全面的に理事長や理事会に委ねてしまうということは適切ではないという前回提示の認識を踏まえまして、さらに評議員会の本来的な審議機能を自主的に確保する、そして現代的なガバナンス構造として、適切な協働と相互牽制の関係の形成に資する範囲では、やはり理事会による評議員の選任ということも認める余地があることを付記させていただきました。
 ただ、理事、理事会により選任される評議員の数とか、一定のものにつきましては、先ほどの御懸念を払拭するために一定の上限を設けることを法的に措置するということが必要だということを書き加えております。
 評議員に求める資格能力等につきましては、さきに書かせていただいたとおりでございます。
 そして、続いて、評議員と理事の兼職、評議員会のほうの立場からした評議員と理事の兼職や、評議員会の構成ということにつきまして、10ページに及んで追記をさせていただきました。
 ここでは地方に所在する学校法人や小規模な学校法人について、評議員の確保が困難であるという御意見が寄せられたところから、その点について検討をして、追記をしたわけであります。その点、現行の私学法におきましては、理事と評議員の兼職を前提にしているがゆえに、理事の定数の2倍を超える評議員が選任されるということになってございますけれども、実際には全理事が兼職をしているわけではございませんし、理事を兼ねていない評議員だけでも、理事の定数を上回る数が確保されているところでありますので、このため、理事と評議員の兼職を解消するということにいたしましたら、併せて評議員の下限の定数も引き下げるということが可能になってまいりますので、新たに評議員を増員する負担というものは直接に生じないのではないかということで、ここは寄せられました懸念に対しまして、このような説明が可能ではないかと追記させていただいたわけでございます。
 そして、評議員会の機能を健全にし、実質化を図る、また可視化するという意味では、就任される評議員の方々の属性に応じた評議員会構成上の上限割合を設定をする必要があるのではないか。とりわけ役員の近親者の方々、また、同一団体に所属する方々につきましては、その上限の在り方というものを検討するに当たりましては、公益法人制度における公益認定基準といったようなものがございますので、その上限規制の基準を参考にして設定をしていけばどうかということを述べてございます。
 また、教職員、卒業生、こういったものにつきましては、現行私学法において、選任すべき積極的な評議員の類型として、1項の類型として定められてきているわけでございますけれども、この場合にもそれぞれの割合に上限を設けることも含めまして、評議員の構成が特定の利害関係に偏ることなく、幅広いステークホルダーの意見を反映する仕組みを取るべきではないかと述べさせていただきました。全く近親者を入れないとか、あるいは教職員を入れないという議論ではなくして、多くのステークホルダーや伝統を継承する方々も取り入れながらも、一定の偏りがないように設計をすることのほうが大事ではないかということでございます。
 また、評議員会が、ややもすれば逆に大規模になり過ぎて、その機能を果たさないということも懸念をされるところであり、現実にそのような学校法人もかいま見られるところでございますので、そういった場合には、寄附行為で定められる評議員の上限定数を適切な規模とすることについては、ガバナンスコード等によって取り組んでいく必要があるのではないかと追記をいたしたわけでございます。
 そして、10ページから11ページにつきましては、まさに本日御議論をいただいたところにつき、作業を進めさせていただいたことになるわけでございますが、最初にお届けをした覚書では、ここの部分についてはまだ十分な御議論をいただいていたわけではございませんでしたので、極めて簡略でございましたが、皆さん方での御議論と並行して、私のほうも10ページから11ページについて、この追記をさせていただきました。
 とりわけ、10ページの学校法人における監査体制の充実ということにつきましては、これは大学監査協会のほうの本日の御意見書にも表れておりますし、また、本日の各委員からの御意見とも軌を一にしているものというふうに思っております。とりわけ、監事の地位の独立性と職務の公正性を確保するということをベースに付言させていただいております。
 監事は、自らの権限を適切に行使することとともに、理事会のモニタリング機能や評議員会のチェック・監督機能を十全にするための起点となるということが期待されている、ここを強調をしているわけであります。そのようなことから、監事の地位の独立性と職務の公正性を一層強化する必要性を述べさせていただきました。
 そして、この観点から、本日の前段でも御議論いただきました監事の選任につきましては、理事長ではなく、評議員会の任務とするとともに、監事の独立性、職務の公正性を社会にもしっかりと認識をしていただくためにも、役員近親者の監事の就任を禁止をする、そして、既に述べたように評議員についても監事による監査・不正報告の対象とするといった法的措置を導入することが有用ではないかと述べさせていただきました。
 まだ御議論いただいておりませんけれども、常勤監事の必要性が各所で見られるところでございました。しかし、一方で、全ての監事を常勤としてしまうということは、かえって執行部門と近くなり過ぎますし、また、その負担というものもサポート体制を充実させなければなりませんので、負担も募るところでございますので、大規模な大臣所轄の学校法人につきましては、この常勤の監査の必要性が大きくなってまいりますので、一部を常勤化するという方向で検討をすべきではないか。これは法制上、そこまで設けることが妥当かどうか、また、ガバナンスコード等において対応するかどうかという点は検討の対象としなければなりませんが、やはり大規模な利害関係人が大変多い、社会的にも大きな責任を負っておる、そういった学校法人におきましては、常勤の監事がいるという、そういう信頼感、こういったようなものを社会に発信していく必要もあるのではないかということでございます。
 最後に、監査体制について、本日も御意見をいただいておりましたけれども、監事のみならず、重層的な監査体制を構築するために、これまでも言われてまいりました、いわゆる三様監査の明確化という趣旨も踏まえて、幾つか今回の改正論議において加えるべきことを述べさせていただいております。これは本日の御意見いただいたところの項目と同じでございます。内部監査、それからリスクマネジメント、そういったものの構築の必要性、これを理事会の責務として明確にする。
 そして、会計ガバナンスを強化し、財務情報の信頼性を保証するということから、さらには監事の会計以外に関する職務の充実を含めて、そういう効果が表れる会計監査人制度の導入を検討してはどうか、この機会に実現してはどうかという提言でございます。
 この場合には、本日、大変示唆に富む御意見を頂戴をいたしましたが、従来の会計士監査を必要としておる私立学校振興助成法に基づくものについて、これを私学法に根拠を移すということについても検討すべき論点であることを書き加えさせていただきました。
 そのほかに、内部統制システムと言われるものの学校法人版につきましても、これぜひ導入をしておく必要があるのではないかということでございます。
 さらに、会計監査人の導入に当たりましては、会計監査人の独立性、そういったようなものを確保する法的措置も必要であるということを加えさせていただきました。
 最後に、学校法人が今後拡大し、発展をするにつれまして、グループ経営といったものが求められてくることを視野に入れまして、同一学校法人における複数の学校の経営ですとか複数の大臣、大臣所轄、知事所轄等々の学校法人をグループ運営をしていくというものの在り方や、さらに、今日も資料が添えられておりますけれども、子法人の設置という営みにつきましても、今後、学校法人のガバナンスを強化していく上で、隙間が生じない措置が必要であろうということで、結びさせていただきました。
 主査の覚書というものの位置づけは、先ほど申し上げましたように、皆さんからの意見をまとめさせていただきまして、皆さん方の御理解を深め、また議論を進めさせていただく、いわゆる、あるときはたたかれ台になっていたり、また、あるときは批判をいただくことになったり、また、ここは同意できるということを明確にしていただくために作成をして、この特別委員会に供しているところでございます。どうか、恐らく今後もその趣旨で御利用いただければと思いますが、この主査の覚書の役目は恐らく本日までぐらい、本日の御議論をいただくときまでだというふうに認識をいたしているところでございます。
 以上、長くなって恐縮でしたけれども、私学連合からの貴重な御意見に加えまして、主査覚書のいわゆる改訂版を提供させていただきました。
 では、残る時間、今の私学連合会からの御意見に対するコメントや、また、私の主査の下で様々寄せられた御意見をまとめて提言させていただいたことなどを踏まえまして、御意見をいただいてまいりたいと思います。まず、全私学連合の取りまとめに関して、ちょっとコメントしたい、それぞれのお立場のそれぞれの団体からコメントしたいということがありましたら先に承りますけれども、いかがでしょうか。
 田中先生から御紹介いただきました全私学連合全体として最低限こういったところは合意ができるという範囲をまとめていただいたのですが、もう少し、そこをこういう点で、議論があったんだとか、ここで紹介しておきたいということがございましたら、よろしくお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 小原先生どうぞ。
【小原委員】
 福原先生の試案には全私学連合の案の調整はまだなされていませんよね。
【福原主査】
 はい。並行して改訂しておりましたので。
【小原委員】
 そこで、実は全私学連合で少し意見の相違があったのが、評議員の機能のところで「監督」という言葉が用いられていたんです。それは、平成16年に遡って評議員会は理事会の業務をチェックということで合意したんですよね。ところが、先生の案の中には、相変わらず牽制、監督という言葉が入っている。
 監督というのは、下が上を監督するのではなく、上位の者が下ということで、ここでまた理事会と評議員会の立場が逆転しちゃうんじゃないかという懸念は、私は持ちます。言葉の綾で申し訳ないのですが、ここのあたりの調整を全私学の案と先生の案の間でやっていただければと思います。
【福原主査】
 ありがとうございました。最終的に、私も上下関係を決して表示するものではないにしても、そういったことから誤解が拡大してはいけないという御指摘、御教示として承っておきたいと思います。
 全私学連合におきましても、やはり有事の際にはそういった機能を果たすということになりますので、そういう意味では、選解任を含めて、選解任というのがまさに監督機能の最たるものだというふうに思っておりますので、そういった機能を評議員会に与えるという意味で、「監督」という言葉を使わせていただいたわけで、全面的な上下関係における監督というところまで述べたわけではございませんので、注意したいというふうに思っております。ありがとうございました。
 ほかに何か、全私学連合のおまとめに対するコメント、また、私の覚書への何か御意見でも結構でございますが、いかがでしょうか。福田委員どうぞ。
【福田委員】
 ありがとうございます。先ほど私学連合田中先生のほうから6団体というふうに修正がございました。確かに6団体で御議論されたということも聞いておりますし、その後、私学連合からこのような形でということで、今、資料5として出されている考え方を私どものほうにもお示しをいただきました。
 そして、私どもが考えておりますという考えをまた、それこそ1回目にお出しした意見書とほぼそごがないというふうなことで認識をして、その旨を私学連合のほうにはお伝えしたということでございますので、改めて6プラス1で共通認識を持っているということで、お伝えさせていただきます。以上でございます。
【福原主査】
 ありがとうございました。貴重な解説を加えていただきまして、安心をいたしました。
 さて、そのほかにいかがでしょうか。小原先生どうぞ。
【小原委員】
 たびたび申し訳ございません、11ページですけれども、会計監査人制度の導入という意味が少しよく分からないので、もう少し具体的にしていただければと思います。学校会計人による監査を受けることは制度導入なのか、それとも、法人の中に学校会計監査というような部署を設置するのか。
 たしか国立大学は法人ごとに監査法人と契約を結んで、会計監査を受けていると私は聞いています。その会計監査会社と契約することを文科省に上げて、大臣から許可が出て、契約しているというようなことを聞いています。
 そうすると、同じ1条校なのに、一方では会計監査人制度を設置していない、いわゆる外部と契約で会計監査をしてもらっているに対して、私学だけが法人の中にその部署を設けるとなると、中小規模のところは負担が大きくなります。その辺のことをはっきりしていただけると、中小の法人は対応ができます。その辺を少し検討していただければと思います。
【福原主査】
 これは本日前半の御議論の中でも指摘されていたことかと思います。その中で、会計士監査というものを導入することによって財務諸表等の質を保証し、また、会計ガバナンスといったようなものの実効性を確保する。また、併せて監事の皆さん方の御負担がむしろ緩和されることで、他の監査体制との連携といったものが強化されるであろうということが指摘されたわけでございます。
 その際に、これは会計士監査が私学法上も定められれば事足りるのではないか、会計監査人という機関として設置するということまでは必要ないのではないかという意見もあったわけでございます。
 しかしながら、会計監査人と言われたものを機関として設ける、全てではないですが、設けるという大規模な、あるいは大学法人等については、そのようなことを機関設計として明確にしたほうが、これはしっかりとしたガバナンスがなされていることを社会に示すことになるのではないか。
 そのときの実務でございますが、事務局からも御説明がございましたように、会計監査人というものを選任したからといって、物理的に何かそのような部屋を設けたり、また、それへの一定のサポートはこれまでと同様必要でしょうけれども、何か特別にプラスアルファした負担が増えるというわけではなくして、あくまで制度としてそういうふうに位置づけるということであろうかというふうに私も思っているところでございます。
 ですから、機関として会計監査人というものを設けずとも、この会計士監査というものを置くということであれば、それはそれで同じ趣旨をかなえることになろうかというふうには思っておりますので、私のほうの覚書では、先行した前身となる会議体で提起されていた論点をどこまで合意が得られるのかという観点で調べてまいりましたので、他の会社その他の法人等の組織との釣合いで、ここでも会計監査人という機関設計を大学法人については設けてはどうかという提言でございました。
 さて、では、川並先生どうぞ。
【川並委員】
 ありがとうございます。まず、先ほど西岡先生から御指摘がありました件ですが、文部科学省からの質問では具体的な内容が示されていなかったため、その整備のあり方をまずは示すべきであり、回答できないということを表現しております。そのように御理解いただけたらと思います。
【福原主査】
 はい。内部統制のところでしたね。
【川並委員】
 はい。また、福原先生の試案につきまして、いつもこだわるところなのですが今までは規模別が大臣所轄と知事所轄という分け方になっていたのですが、今度、新たに「大規模な大臣所轄法人」という概念が出てきましたけれども、この辺について先生はどのようにお考えになられているのかと、小規模な法人への配慮という意味で、常勤化はなかなか厳しいのではないかと、多くの小さな短期大学では、短期大学設置基準の教員数のぎりぎりで運営しており、これ以上職員を増やすと人件費でパンクしてしまうところもございます。その辺のことについて、お聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
【福原主査】
 はい。先ほどの事務局のほうでも、これまでの議論を踏まえて、必ずしも私の主査覚書での提言どおりではないにしても、規模に応じた対応案というものをお示しいただいて、そこに、分け方としては、大臣所轄の学校法人と知事所轄の学校法人、こういうことになってございますけれども、大臣所轄の学校法人に法令で全てというところまでは合意が得られなかったら、その方向はガバナンスコードなどで対応することになろうかと思います。
 そういったときに、ガバナンスコードの中で、先ほど申し上げたような大規模な大学法人の場合にはやはり常勤化が望ましいとするガバナンスコードとして設けるとか、もっとガバナンスコードレベル、あるいは、もう少し、省令かもしれませんけど、ガバナンスコードのレベルで、ならばもう少し実態に合った細やかな方策が設定できるのではないか、そういう趣旨でございまして、法令段階であまりにも細かく規制区分をしてしまうということは、私としてはあまり良策であるとは考えてございませんので、そのような趣旨でございます。
 それと、やはり規模だけではなくて、質ではないかというふうに思います。この議論、私たち進めるときには、他の公益性のある法人とは違って、学校という私たちの人類の持続性をまさに支えている教育という代えがたい営みを実践する機関を経営している学校法人だと。この固有性というか、特殊性から議論を始めたいというのが私の覚書の冒頭でございました。
 それは、単なる補助金をもらっているから、ほかの法人と同じく公共性があるんだというわけじゃなくして、今申し上げた意味での公共性、学校法人の公共性ということからいたしますと、やはり大学というものは規模の大小に関わらず、そういった営みをしているわけでございますので、そこには御負担その他というものがあっても、それはできるだけのサポート体制を整えながら、ミニマム足並みをそろえておかなければならない公共性を踏まえて実践せねばならぬ事柄があるのではないかというふうに考えているのも正直なところでございます。
 規模の大小に関わらず、代えがたい教育という営みを実践している機関、これを運営している学校法人に共通して社会が求める姿勢や制度というものは備えておかなければならないのではないか。このように考えておりますので、あとは実態に合わせた規制といったようなものを工夫していくことになるのではないかということでございます。
 含みを残しましたけれども、あまりにも寄附行為に、そこを今までのテクニックとしては寄附行為に委ねているんですね。その代わり、寄附行為に委ね過ぎたばっかりに間隙が生じて、ガバナンス不全が生じて、そして社会から批判されるような事態も招いたということは反省材料でございますので、そこのところ現実と理想という狭間でどこまで制度設計が実現するのか、難しいことかと思いますけれども、私の覚書に込められた願いというのはそういうところでございますので、御理解をいただければというふうに思います。
 具体的な何を法律でやるか、何を省令にして、省令でまた細かくやるか、そして、さらに、ソフトローであるガバナンスコードでやるかということは、この後になろうかというふうに存じている次第でございます。
 くどくなってすいません、そういう思いでしたので、よろしく御理解をいただければと思います。
【川並委員】
 申し訳ございません。本当に理念は重々分かっておりまして。
【福原主査】
 ありがとうございます。
【川並委員】
 福原先生に苦しいお答えをさせて申し訳ないと思っておりますが。
【福原主査】
 とんでもございません。
【川並委員】
 今、認証評価も第3クールに入っており、実際に短期大学の認証評価の現場にいる者としては、地方の短期大学が本当に苦しい財政の中で頑張って運営しているという現状の中で、精いっぱいの教育をされている現実を見ると、その負担や、先立つものをと考えたときに、どうしてもそういう頭になってしまうのですが、現実路線で申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。
【福原主査】
 そうですね。そのときに補助金だけに、補助金というか、公的な補助だけに頼らないで、やはり私学ですので、社会に存在するいろんなリソースを教育というものに向けていくためには、社会のリソースを導入していく、導入させていただくときの社会の信頼感というものが必要かというふうに思います。自治体あるいは地域、いろんな企業、その他の団体、こういったものからやっぱり支援が得られるように、今苦しいからこそ、いろんなところから教育というかけがえのない行為をしている学校法人にいろんな社会のリソースが集まって来るような社会の理解を得るというのも、これ大変重要な、今回の議論で重要なことだというふうに思っておりますので、その両面で今後も御議論いただければというふうに思います。
 長くなって恐縮です。ほかにも御意見ございますか。田中先生よろしくお願いします。
【田中委員】
 ありがとうございます。11ページでございますが、4ポチの学校法人における監査体制の充実の(1)のところの後半の最後に段落になります。赤い字で新たに加えていただいたところでありますが、常勤監事の設置についてでございますが、全ての監事を常勤にしてしまうことは、執行部門とかえって近くなり過ぎることによって、監査機能のデメリットになることも指摘されていると御指摘いただいた上で、大規模な大臣所管学校法人については、監査対象となる業務範囲が広いことや、常時の監査の必要性が大きくなることに鑑みれば、監事の一部を常勤化することも検討すべきじゃないかということでございますが、ここについて、ちょっと論理的な矛盾を感じております。
 と申しますのは、監査監事ですと、やはり専門性が高い方でありますから、弁護士資格をお持ちになるか、もしくは公認会計士の資格をお持ちになるような方が大規模大臣所管学校法人はお願いするべき監事役になる場合が多いですね。もしくは、大企業でも相当一流のところで社外監査役を務めている方とか、そういう経験の方であると。
 この方を常勤で雇うということは、もちろん給与面でも非常に大変で、学長や理事長の数倍の給与をお取りになっている場合が多いので、それを払うことが学校法人のルール上不可能になるということが1つございますが、その現実面じゃない面で論理的な問題があるのは、その方、高給を取っている方が、よし、自分がボランティア精神で自分の給料が3分の1になっても、ある学校法人の常勤の監査になろうと、週5日勤めようとお思いになったときに、その方の収入はその学校法人の理事会から支払われることになります。
 そうすると、監事の役目でありながら、学校法人に雇われているがために、その理事会、理事長に対して忖度なしに意見を直言することが難しくなる可能性がございます。つまり、その方の収入は全て、兼務を許さないとすれば常勤ですから、重複の兼務を許さないとすると、その方の収入は全てその学校から払われているので、常勤であるがゆえに厳しい意見を言うことは難しくなるという論理的な矛盾がここには含まれておりまして、明確にこれはおかしいということは、週4日は御自分のお仕事で十分に収入を得ていながら、週1日もしくは場合によっては違う曜日も2時間とか3時間出ることによって、これはおかしいということを直言できるという、つまり、御自分の生活は自分でしっかりと持っていながら、ある学校法人に対して意見を言う監事というのでないと、適正な監事の機能が果たせないということがあると思いまして、常勤監事を置くべきだという御議論は、実は危険性を持っているというふうに私は思っております。論理的に矛盾があると思っています。いかがでしょうか。
【福原主査】
 はい。ここにある中で現実を踏まえて、田中先生から今御指摘をいただいたというふうに思っております。
 しかし、監事の職責を果たす意味で、また、先ほどから議論しております重層的な監査体制を現実のものにするためには、あるときには公認会計士たる会計監査人の報告を受けるスケジュールをつくったり、それぞれの監事の方々に集まってもらった監事の会議体制をつくったりという、やっぱりキーマンを設けて、そしてやっていかなければならないということがあります。会社におきましても、監査役設置会社においては、大会社の場合でありましたならば監査役会というものをつくって、そのうちの1人を常勤化するという制度を設けることで、この監査体制の充実を図っております。また、自治体のほうでも監査委員の場合には常勤の監査委員を設ける。その場合は職員から上がってくる人だけれども、その時点で一度職員としての身分は切れて、改めて独立した常勤監査役としての職に就くということで、独立性が保たれております。また、最近の、これは西岡委員からも解説していただくといいかもしれませんけれども、監査等委員会設置会社の場合、あるいはその監査等委員の方々を社外取締役として設ける監査等委員設置会社の場合ですと、社外取締役として社外からも来ていただきながら、会社の中での常勤があるということのほうがスムーズに行われているようです。そのような組織法上の他の組織における先行事例といったものを経験して、踏まえて書かせていただきました。また、私も、田中先生が会長お務めの私大連にて監事会議を長らく担当させていただいておりましたが、その監事会議の皆さん方の意見におきましても、このような御意見がずっとありましたので、それを踏まえさせていただいたところでございます。
 常務理事とか常任理事はいますよね。それで、理事側に常任がいるのだけれど、監事側にいないということもあります。だからそういう意味で、やはりその常任理事待遇的な常勤監事のような方が監事体制の中に、大規模なところでは、必要ではないか。これは必ずしも弁護士とか会計士をやっておられた方にお願いして人を選んでくるというよりは、職員の中で、例えばずっと経理畑やってきたり、いろんなことをやってきた人の中で退職されて、そこに行かれる、そういう方が就かれるのもよろしいのではないかなというふうに思っているところです。
【田中委員】
 ちょっと確認だけさせていただきたいと思います。すいません。私は誤解していたと思います。学校法人ガバナンス改革会議の御議論でも、その前の有識者会議でも、常勤の監事を置くということをおっしゃっている中で、私が誤解していましたのは、企業における監査役と同じだというふうに私は理解しておりませんでした。社外監査役を常勤化せよというふうに私誤解しておりましたので、大学校法人の中の職員もしくは教員で、その給料を払っている者があるときから立場を変えて監査役になるということでございますね。
 確かに資料でそういう監査役になった、例えば専務をお務めになって、終えて監査役になった方というのは私も存じ上げておりまして、その方も立場を変えて、非常に中立に公正にガバナンスの透明性を高めるために発言されるということでございますので、その意味で、そういう意味だということをどうも私が理解しておりませんでした。
【福原主査】
 とんでもありません。
【田中委員】
 それであるならば可能であろうかと思います。了解いたしました。
【福原主査】
 そういう可能性がほかの各大学やほかの団体でもあったので、これは特に私大連の監事会議でよく議論している内容でもございましたので、それを踏まえさせていただきました。ありがとうございました。
【田中委員】
 どうもありがとうございます。
【福原主査】
 こちらこそどうもありがとうございました。
【田中委員】
 よく分かりました。ありがとうございました。
【福原主査】
 この点、ちょっと今までの議論にあまりなかったのですけれども。
【田中委員】
 ええ。そこのところがどうも誤解を招いている可能性あると思います。本当に小学校や幼稚園の方たちに、そういう税理士さんであっても会計士さんであっても、そういう外の方をお雇いするだけの給与を払うことは難しいという御意見が随分ありまして、無給でお願いしているのに、まして常勤なんて無理という御意見もございましたので、そこは意味が違う。これも大規模校とか設置形態によって相当違うということはお認めいただければと思います。
 よく分かりました。どうもありがとうございます。
【福原主査】
 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか、御意見あったら今伺っておきたいと思います。あと、米澤先生ですとか、あとほかにございますか。最後に御意見をいただく方は、米澤委員、それから尾崎委員という形でよろしいでしょうか。では、そのお二方まで御意見賜ります。
 では、米澤委員、まずどうぞ。
【米澤委員】
 ありがとうございます。主査にまとめていただいたものを最後に、グループ経営の話と、それから子法人の話を入れていただいて、この部分に関して私も理念的にはぜひ入れていただきたいと思っていたので、賛同しているんですけども、ちょっと私自身がそれほど実態を知っているわけではないので、むしろ私学関係者の方に伺いたいところです。まず、子法人に関しては、今日資料で出てきている3-6でしょうか、参考資料ですね、あの中でかなり明確に透明性を高める必要があるということがありますし、以前からこのことは指摘されていると思うので、何らかのことが必要なのかなと思って伺っておりますが、それでよろしいのかというのが1点。
 もう一つは、今までずっと規模の話が出ていたんですけども、基本的には知事所轄か大臣所轄かも含めて、スタンドアローンで全部考えていたということになるんだと思います。
 ただ、実態として、経営の安定も含めて、複数の法人が事実上連合を組んでグループ経営をされたり、あるいは、1つの法人の中に異なる様々な種類の学校が入っているということが行われて、それが経営の安定化につながっている部分もあります。もう一つ、これはかなり日本特殊だと思うんですけども、指定校推薦というのはずっと長い伝統がありますので、要するに小学校に入った学生さんがある程度大学に入るまで在籍が見込めるみたいなところがあると思います。
 ただ、これについて、私自身よく分からないのは、風評被害もあり得るところなので、慎重に申し上げたいと思うんですけども、それが悪いわけでもないだろうし、そうじゃない形があってもいいだろうというふうに思った上で、今、議論しているのは基本的なスタンドアローンで小規模な学校法人に対して、どういうような配慮をすべきかという話をしているんですけれども、やり方次第では、この制度を使って、透明ではない形での制度活用をされるような危険がないかなということをちょっと不安に全く素人目には思うところがございます。
 その辺について、まず、私学関係者の方として、これはリアリティーとして問題なのか、問題じゃないのかみたいなことと、それから、そのことについて、私学関係者の間である程度意見のコンセンサスを得られるのかみたいなところについて、教えていただければありがたいなと思っております。
 以上でございます。
【福原主査】
 それは、同一学校法人で複数の種類の学校を持っている場合という意味でしょうか。
【米澤委員】
 両方なんだと思うんですね。かなり大きな大学、学校法人でも、系列というか、友好法人みたいのを持っているんですよ。それがあったときに、例えば、大臣所轄をむちゃくちゃ厳しくしたときに、仮にですよ、都道府県の所轄のところにやれば、それなりにいろんなことが融通が効くということで、そっちへ移すとか、そういうことをするというのは多分ここでの趣旨ではないわけなので、そういうことは気にはなるんです。ただ、そんな簡単な話でも多分ないんだろうと思うので、その辺のところの実態と、ここにこういうふうにばっと書いてしまったときに問題はないかどうかということを伺いたいということです。今日伺うというよりは、また持ち帰ってでも構わないんですけども、少し問題提起はしておきたいなと思ったということでございます。
【福原主査】
 まさに私も問題提起をしたいがために付け加えさせていただきました。学校法人のグループ化ということに関しても、日頃の設置認可等に当たって、そういった事象というものが散見されるようになってまいりましたので、今後それが会社等の場合と同様に、法制化の必要性を生み出してくる可能性もあると思いまして、最後に加えさせていただいたところです。詳細に書いて、かえって御懸念が生じたかもしれませんけれども、問題提起として受け止めていただければと思います。ありがとうございました。
 では、尾崎先生、最後にどうぞ。
【尾崎委員】
 尾崎です。1点だけなのですが、資料7だったかと思うのですが、「規模に応じた対応案」と書かれているのですが、これ、規模が1つも書いていないのですね。先ほど来からおっしゃっている生徒の数が少ないのだとか、何とかが少ないのだとか、それはまさに小規模法人のことですよね。この資料は所轄だけで分けているような感じがして、所轄で分けるというのも1つの区分基準ですが、先ほど福原先生は、法人法としては大小の規模に関わらず共通のものとおっしゃっていまして、大小という言葉をよく使われているのですが、規模等にかかわらず共通のものは恐らく法人法としての私学法に書くべきであって、そして、その例外をどうするかというときの規制手法として、法律の中にそういう小規模な例外とか大規模な例外とか置くというのもあるわけです。共通項、法律的に違いますと、特則みたいなのを中に置く。
 あるいは、それを省令で対応するというのもあれば、ガバナンス・コードで対応するというのもあるのですが、法律としては、メッセージとしては、普遍的なものはやっぱりメッセージとして送るべきであり、大小区分というのは法律マターだと私は理解しているのですが、この資料をぱっと見た瞬間、大小って一体どこが大小かなという、規模の話です。
 それともう一つ御議論の中から出てきたのは学校種ですよね。幼稚園だとかいろいろ出てくるわけで、そういう基準というのもあるのか、ないのかというのは、これは恐らくこれからの議論だと思うわけで、例えば、地方性というのは先ほどから出てきたわけですが、地方によっての規制区分を設けるか、設けないか、これ法律マターとしてどうするのか。あるいは単なる省令マターで行けるのかどうかという、これもやっぱり議論になりますので、区分、資料は「規模に応じた」って書いてあるのですが、規模が一体どこにあるのかなと思って、ちょっと一言だけ。恐らくこれから先、この区分の中身というのが、何をもって区分していくのか。そして、何をもって私学法として共通項というか、普遍的なものとしていくのかというのは、これからちょっと議論させていただけないかという、頭出しだけでございます。
【福原主査】
 区分規制の問題は、まさに今年の私法学会で尾崎先生が御報告いただくテーマかと思います。
 今の御指摘はごもっともで、規模という言葉が規制区分の基準という意味で使っていたのが少し不適切な表現になっているかもしれません。失礼しました。
 重永委員、どうぞ。
【重永委員】
 すいません、もう時間が過ぎていますのにありがとうございます。
 先ほどの米澤先生のおっしゃったこと、とても大事なことをおっしゃっているように思うんですけれども、いまひとつちょっと趣旨が伝わってこない、後でこれが終わりました後にでも、私学行政課の皆さんのほうから少し、こういうことだったんだよと敷衍していただきますと、次の会議までにお答えできるかなというふうに思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
【福原主査】
 ありがとうございます。
 今日は大変長時間、お時間を頂戴いたしまして、前半後半に分けて御議論をいただいてまいりました。本日までの間にもそれぞれ、先ほど申し上げましたように、大変な御議論いただいておりましたので、進むことができたかというふうに存じております。
 私の覚書は、皆さん方のそういう御議論、御意見を頂戴し、議論を進めるための役割を今回まで果たしてきたわけでございますけれども、これからはこの委員会での成果をまとめる、法改正への手がかりとしてまとめるというミッションが、第3段階としてこの委員会にはあるというふうに認識できます。主査の覚書としての役割というのは、今回の改定とそれに関する御議論に供したというところまでだというふうに思います。
 それらをベースにして、恐らく次回から、この後、事務局が御案内申し上げますけれども、報告書という形で皆さんの御意見をまとめて社会に公表し、また法改正への重要な手がかりとしていただかなければなりません。そういった形にまとめるときに入れられなかったところを入れる、または詰めるところを詰めるということになって、その報告書の点検等を次回以降また進めていくということになろうかというふうに私としては承知をいたしているところでございます。
 そういうことで、本日の予定しておりました委員会の内容といたしましては以上とさせていただきます。今後の進め方も含めて、何か最後に、重永委員から御指摘あった点へのコメントもありましたら、それも含めて、事務局において、今後の当委員会の進め方につきまして御紹介をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【相原補佐】
 本日は大変長時間にわたりまして御熱心に御議論いただきましたこと、御礼を申し上げたいと思います。
 最後に、幾つか質問等もありましたところ、これまた事務局のほうで整理して、重永先生等にもまた御紹介をさせていただくような取扱いとさせていただければと思う。
 主査から御紹介がございましたが、次回の日程、資料8でございます。17日木曜日の15時半から18時半、また長丁場ではございますが、お願いをしております。
 この第5回、次回会議におきましては、これまでの御議論、今日の御議論、そして主査覚書、様々な御意見を頂戴いたしましたものを合流させまして、事務局のほうより報告書案という形で取りまとめたものを供したいというふうに考えております。
 その上で、さらに審議必要ということでございましたらば、予備日ということで第6回、22日火曜日16時半から18時半ということで、こちらも日程のほうを押さえていただくよう、お願いをさせていただきたいと思います。
 今後は今までの議論の上に立って、最終的に法律化していくところ、このあたりをしっかりと特定いたしまして、また、本日最後にも御指摘いただきましたような規模に応じた取扱いのより詳細な部分も含めて、文案としてまとめていきたいというふうに思っております。引き続きよろしくお願いします。
 以上でございます。
【福原主査】
 審議日程、あと1回が正規でお願いしておりますけれども、改めて、できるだけ早く皆さん方にお届けをして、報告書案を練っていただかなければなりません。そこでまた議論の時間を要するということでございましたら、22日も御準備いただきたいというふうに思っております。
 なお、本日まだ言い足りなかったとか、さらに疑問が生じているというところも多々あろうかと存じます。そういった点につきましては、どうぞ御遠慮なく事務局のほうに御意見等をお寄せいただきたいというふうに思っております。
 そして、その御意見の取扱いにつきましては、恐縮ながら主査と事務局に一任をいただければというふうに思います。それを踏まえまして、事務局にて次回、報告書案の提示に、これまでの御意見を取り入れた報告書案の提示に向けて準備をさせていただきたいというふうに思っております。
 年度末、卒業式に、また新年度の準備にと一層忙しい時期に向かう中で、恐縮でございますけれども、大変重要な事業に参加させていただいておりますので、どうか事情を御賢察の上、あと一押しの御協力をお願いをいたしたいというふうに思います。
 本日の会議は以上までとさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

 ――了――

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文部科学省
高等教育局私学部私学行政課

(高等教育局私学部私学行政課)