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審議会情報

初等中等教育と高等教育との接続の改善について
(中央教育審議会  答申)

   
はじめに
   
  中央教育審議会は,平成10年11月6日に文部大臣から「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」諮問を受けた。その際に,具体的審議事項として,
  1  高等学校及び大学の役割分担の明確化と両者の教育の連携について
  2  高等学校と大学の接続を重視した大学入学者選抜の改善について
  3  その他関連する施策について
の三つが挙げられた。
   
  同年12月に「初等中等教育と高等教育との接続の改善に関する小委員会」を設置し,有識者からのヒアリング等を踏まえながら審議を重ね,平成11年11月1日に「中間報告」を提出した。その後,国民からの意見募集や関係団体からのヒアリングにより,各方面からの意見に耳を傾け,更に審議を重ね,ここに答申をとりまとめた。
   
  初等中等教育と高等教育との接続に関しては,これまでも中央教育審議会において大学入学者選抜の改善を中心に,特に過度の受験競争の緩和を図る観点から,選抜方法の改善等について提言を行ってきたところである。
   
  今回,この答申をとりまとめるに当たっては,国民の幅広い進学希望により大学等への進学率が更に高まることが予想されること,少子化の影響等により全体としては受験競争は緩和される見込みであること,初等中等教育と高等教育のそれぞれにおいても改革が進んでいること等を踏まえ,初等中等教育と高等教育のそれぞれの役割分担を明確にし,両者を見通した教育の在り方を検討した。その上で,入学者選抜のみならず,接続全体の改善を図るという観点から,初等中等教育と高等教育の連携の在り方について第4章で,接続を重視した入学者選抜について第5章で,さらに,職業生活との接続の改善について第6章で提言を行っている。
   
  今後,行政においては,提言した施策を着実に実施すること,また,高等学校や大学関係者をはじめとする教育関係者や企業においては,本答申で提言した方向に沿って具体的に接続の改善を図っていくことをお願いしたい。
   
  また,国民各位におかれては,本答申の趣旨を十分に理解され,子供たち一人一人が充実した人生を送るためにも,主体的な進路選択が実現できるよう御支援・御協力をお願いしたい。