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資料4

序章(骨子案)


  
  教育改革国民会議は、日本の教育は危機に瀕しているとの認識のもとに教育基本法見直しの観点として、以下の3点を提示。
1新しい時代を生きる日本人の育成
2伝統、文化など次代に継承すべきものの尊重、発展
3教育振興基本計画の策定など具体的方策の規定

  本審議会は、このような観点も踏まえ、我が国の社会の現状と今後の変化を見通しながら、これからの教育の在り方について審議。その結果、21世紀を迎え、以下のような様々な課題が顕在化。

1 日本社会の再生
バブル崩壊後、潜在力を生かせず長引く経済不況から脱却できない日本経済、国としての自信と目標の喪失
高い倫理観が求められる指導者層における責任観、規範意識の低下とリーダーシップの欠如
若年層が夢や希望を持てない閉塞感漂う社会
伝統、文化など次代に継承すべき価値を尊重する必要性など

2 グローバル化の進展と国際的な大競争時代
グローバル化の進展がもたらす世界規模の大競争の激化
大競争時代の下での産業構造、就業構造の激変、日本的雇用慣行の変容、リストラの進行、フリーターの増加
我が国産業の国際競争力の強化の必要性(ライフサイエンス、ナノテクノロジー、IT等)
東西冷戦構造崩壊後の南北格差の拡大、宗教対立の激化など

3 「知」の世紀への対応
「知」の世紀をリードする人材の育成のための大学改革の推進
地球環境など人類が直面する問題を解決するための知の結集
国家戦略としての科学技術の推進など

4 少子高齢化による社会の活力の衰退
急激な少子高齢化と労働力人口の減少による社会の活力の衰退
18歳人口の減少に伴う大学進学状況の激変
家庭、地域社会の教育力の崩壊など

5 心の危機
自由と責任、権利と義務、個と公のバランスの欠如
社会の構成員としての自立心、自己責任の意識の欠如
倫理観、マナーなどの道徳的価値の軽視
他者への思いやり、弱者への配慮の重要性など

6 教育再生への挑戦
保護者の期待に真に応える学校教育の確立(確かな学力の育成)
子どもの学ぶ意欲、規範意識、勤労意識、体力の向上
過度の平等主義から脱却し、社会の変化に対応する学校教育の改革
世界的な大競争時代に対応する人材を育成する大学改革
外国語を使える日本人の育成の必要性
学校完結型から生涯学習社会への転換の必要性
家庭、地域社会の教育機能の再生など



  危機に直面する我が国社会が、創造性と活力に満ちた豊かな社会として発展を続けるためには、政治、行政、司法制度や経済構造の改革など21世紀にふさわしい国のかたちの再構築を図る一連の諸改革と軌を一にして、教育についても、根本にまで遡った見直しと改革が必要。

  「新しい時代を切り拓くたくましい日本人」の育成のためには、教育の根本法である教育基本法についても、以下の視点から抜本的な見直しが不可欠。

国民から信頼される学校教育の確立
一人一人の個性に応じてその能力を最大限に伸ばす視点
豊かな心と健やかな体をはぐくむ視点
グローバル化、情報化、地球環境、男女共同参画など時代や社会の変化への対応の視点

「知」の世紀をリードする大学改革の推進
「知」の世紀をリードする人材の育成など大学改革の推進の視点

家庭の教育力の回復、学校・家庭・地域社会の連携・協力の推進
家庭教育の重要性の明確化の視点、学校・家庭・地域社会が連携・協力して子どもを育てる視点

「公」に関する国民共通の規範の再構築
「公」に主体的に参画する意識や態度の涵養の視点
日本人のアイデンティティ(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)の視点、国際性の視点、

生涯学習社会の実現
生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が社会で適切に評価されるような「生涯学習社会」の実現

教育振興基本計画の策定
理念を実現するための国としての教育振興基本計画の策定

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