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14  G8ケルン・サミット  コミュニケ(仮訳)(抄)

1999年6月18日〜20日  主要8カ国首脳会合

1. 我々8か国の主要な民主主義国の元首及び首相並びに欧州委員会委員長は、第25回経済サミットのためにケルンで会合した。新しい千年期を間近に控えて、我々は、増大しつつある機会について、そして、我々の諸国及び国際社会が直面している課題に対する先を見通した解決策について議論した。

2. グローバリゼーション、すなわち世界的なアイデア、資本、技術、財及びサービスの急速かつ加速しつつある流れを伴う複雑なプロセスは、我々の社会に既に大きな変化をもたらした。それは、我々をかつてない程に結びつけた。一層の開放及びダイナミズムは、生活水準の広範な改善及び貧困の大幅な減少に貢献してきた。統合は、効率、機会及び成長を刺激することにより、雇用の創出に役立ってきた。情報革命並びに文化及び価値観の更なる相互交流は、創造と革新に拍車をかけつつ、民主化への刺激、人権及び基本的な自由のための闘いを強化してきた。しかし同時に、グローバリゼーションは、世界中のある程度の労働者、家庭及びコミュニティーにとって、混乱及び金融面での不確実性のリスクの増大を伴ってきた。

3. 課題は、グローバリゼーションの影響を制御できないことに対する懸念に応えるために、グローバリゼーションのリスクに対応しつつ、グローバリゼーションが提供する機会を活かすことである。我々は、グローバリゼーションの利益を維持しかつ増大させるとともに、そのプラスの効果が世界中の人々に広く共有されることを確保するために努力しなければならない。我々は、したがって、政府及び国際機関、企業及び労働者、市民社会及び個人に対して、この課題に取り組むとともに、環境を保護しつつ、繁栄をもたらし社会的前進を促進するためのグローバリゼーションの十分な潜在能力を実現するために、ともに努力することを要請する。


IV.人々への投資
15. 基礎教育、職業訓練、学位、労働市場に合った技能や知識の生涯を通じた向上及び革新的思考の開発への支援は、知識重視社会に向かいつつある今日、経済・技術進歩を実現する上で重要である。これらはまた、個人を豊かにし、社会的な責任感と参加意識を醸成する。

16. これらの目標の達成を支援するため、我々は、ケルン憲章に規定されている目的及び希望を追求することに合意する。

17. 適応性、雇用可能性、変化への対応は、来るべき新世紀における我々の社会の主たる課題となるだろう。職業間、文化間、コミュニティー間での流動性が重要となろう。また、すべての人々にとって、流動性に対応するためのパスポートとなるのが、教育及び生涯学習であろう。

18. この目的のため、我々は、G8各国及びその他の国々の間での教員、管理者、学生それぞれの間での交流の増加を支援するとともに、我々の専門家に対して交流増加にとっての主要な障害を明らかにし、次回サミットまでに適切な提案を提起するよう要請する。我々は、経済協力開発機構(OECD)及び国連教育科学文化機関(UNESCO)に対し、教員の採用、訓練、報酬、責任についての国際的な最良の慣行についての調査を行うことなどにより、異なる国々がどのように教育の水準を向上しようとしているかについての研究を行うよう要請する。我々は、協力するための方法を共同で模索するとともに、国際機関を通じてG8各国や開発途上国において、遠隔地教育等を通じ、学習及び開発ニーズに対応するための技術の利用を支援することにコミットする。

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