資料2 |
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○ | 昭和50年代中頃から、青少年非行の増加等の教育問題が社会的に大きな関心となり、これに対応するため、臨時教育審議会(臨教審)が発足。臨教審は、戦後教育改革に一定の評価を与えつつ、大局的に見ると明治以降の追いつき型教育の延長線上にあり、深刻な教育荒廃を生むとともに、様々な問題を内包していると総括。この認識の下、臨教審は、21世紀に向けた教育改革の基本的考え方を、![]() ![]() ![]() |
○ | しかし、現在の教育は危機に瀕しており、以下のような様々な問題が発生。 |
○ | このような危機を打開すべく、教育改革国民会議が設置され、平成12年12月に最終報告。15の具体的施策と並んで、教育振興基本計画の策定と教育基本法の見直しの必要性が提言され、本審議会の審議にも引き継がれている。 |
○ | 一方、世界の潮流をみると、各国において教育が重要課題と認識され、「国家戦略としての教育改革」が急速に進行。また、地球的規模での調和ある発展の観点から、持続可能な開発の実現や発展途上国の自立の支援のためにも教育は重要な戦略と位置付け。 |
○ | 国民一人一人の自己実現、幸福の追求と我が国の理想、繁栄の実現を期してたのむべきは教育の力。21世紀初頭のこの10年で我が国の将来が決まる、このままでは我が国が立ち行かなくなるとの危機感を持って、教育の在り方を根本にまでさかのぼった見直しが必要。 |
○ | 教育の在り方を根本にまでさかのぼって見直し、新しい時代の教育の目標を考えるに当たっては、「時代を超えて変わらない価値のあるもの(不易)」と「時代の変化とともに変えていく必要があるもの(流行)」の十分な検討が必要。 |
○ | 教育には、個人の能力を伸長し、人格の完成を目指すという役割と、国家や社会の構成員として有為な国民を育成するという役割があり、これらは時代を超えて不変。 |
○ | いつの時代、どこの国の教育においても大切な不易の価値は、例えば次のとおり。 ・個人の価値の尊重 ・自律心と責任感 ・他人を思いやる心など豊かな人間性 ・公共の精神 ・規範意識 ・伝統や文化を大切にする心 ・人格形成の基礎となる豊かな教養 ・健やかな体 など |
○ | 今後の激動の時代を展望すると、少子高齢化のように、変化の方向性がほぼ確実に予測できるものもあれば、国民の意識のように、不確実性が高く、また様々な要因で変化の方向性が大きく変わり得るものもある。21世紀という新しい時代の教育を考える上で、特に教育上の対応が必要と考えられる変化は、次のとおり。 |
・ | 晩婚化・非婚化の進行 |
・ | 女性の社会進出と家族の変化 |
・ | 少子化に伴う子育ての変化(親の過保護・過干渉、子どもの触れ合い体験や切磋琢磨の機会の減少) |
・ | 若年者の減少と高齢化に伴う人口構造の変化と社会の活力低下 |
・ | 産業・就業構造の変化(空洞化の進展と「知識産業」の増加) |
・ | 企業の淘汰やリストラによる中・高年層の離職増などにみられる終身雇用・年功序列型の昇進・賃金システムの崩壊 |
・ | 能力や学歴と職業のミスマッチの増大 |
・ | 大卒一括採用の減少と、求められる資質や産業構造の変化に伴う高卒需要の大幅減 |
・ | 「就社」から「就職」への意識の変化 |
・ | 「職がない」「選べない」状況や職業意識の変化に伴う「フリーター」の問題 |
・ | 自己のキャリアを重視し、高い能力を学校卒段階で身に付ける必要性 |
・ | 転職の増加と、キャリアアップのための生涯学習機会の充実(専門職大学院の創設など大学院等の教育機会の必要性) |
・ | 「職業意識に関する教育」の充実(「何をしたいのか、そのために何をすべきか」) |
・ | 学校教育において、普通教育的教養に加え、実際的・実用的な視点の重視 |
・ | 起業家精神の涵養 |
・ | 生涯学習の基礎を培う教育(学習方法や学習習慣を身につける教育)の重視 |
・ | 知識・技能の習得が就労機会の確保にとどまらず産業の発展にとっても極めて重要な要素となる知識重視社会の進展 |
・ | 「学校歴」から「学習歴」へ、単に学歴だけではない実際能力が重視される社会 |
・ | 大学・大学院の教育研究機能を社会的に有効に活用する重要性の増加 |
・ | 学校教育の伝統的な枠組みを超えた学習形態の進化 |
・ | 情報リテラシー(情報活用能力)の育成 |
・ | 情報モラル(著作権、他人のプライバシー、自己情報のセキュリティなど)の育成 |
・ | 直接体験の重視 |
・ | 科学技術は世界の発展の原動力 |
・ | ライフサイエンスの進展がもたらす生命倫理の問題など従来想定されていなかった新たな問題の生起 |
・ | 地球環境の変化がもたらす人類的課題の深刻化とその解決のための科学技術への期待の高まり |
・ | 自然と共生する生活スタイルや社会の構築の必要性 |
・ | 豊かさの中で夢や目標を持てない自信喪失社会 |
・ | 相次ぐ不祥事件などにみられる倫理観、使命感の喪失と正義、公正、安全への信頼のゆらぎ |
・ | 世代の断絶(共通の言葉で語れない状況) |
・ | フリーターの増大などにみられる職業意識の変容 |
・ | 家庭、地域、企業など集団への帰属意識の希薄化 |
・ | 真の心の豊かさを求める意識の高まり |
・ | ボランティア活動などにより自己実現を目指す意識の高まり |
・ | 大競争時代にあって安らぎ・癒しを求める意識の高まり |
・ | 家庭の教育力の向上 |
・ | 地域の教育力の向上 |
・ | 道徳教育の充実 |
・ | 職業教育の充実 |
・ | 奉仕活動、体験活動の充実 |
・ | 読書活動の推進 |
・ | 社会の風潮に流されず、自ら考え判断する健全な批判精神の育成 |
・ | 「新たな公共」を創造し、社会を主体的に形成する公共の精神の育成 |
○ | かけがえのない個人の価値の尊重
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○ | 自律と責任(自己決定と自己責任)
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○ | 人格形成の基礎となる豊かな教養
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○ | 努力・向上心
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○ | 自ら考え判断する健全な批判精神
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○ | 困難に立ち向かう意志の強さ
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○ | 逆境にあっても人生を楽しむゆとりある心
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○ | 一人一人の個性に応じて得意分野の能力を最大限伸ばし、自己実現を目指す教育の実施
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○ | 達成感を経験することを通じて自信を持たせ学ぶ意欲を育む
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○ | 知・徳・体の調和のとれた発達 |
○ | 他者を思いやる心
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○ | 弱者の痛みを理解する心
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○ | 自己や他者の生命の尊重
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○ | 美しいものに感動する心
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○ | 自然を愛する心
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○ | 倫理観
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○ | 誠実
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○ | 豊かな情操
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○ | 健やかな体
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○ | 競技力の向上 |
○ | 基礎的・基本的な知識・技能
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○ | 創造性、独創性、世界水準の知識・技能
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○ | チャレンジ精神、向上心
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○ | 指導力(リーダーシップ)
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○ | 優れた研究教育の伸長 |
○ | 「新たな公共」の創造に貢献する意識
(ボランティア活動やNPO活動など互いに支え合う互恵の精神) |
○ | 高い志
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○ | 公共心
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○ | 規範意識
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○ | 我が国の伝統・文化の理解と尊重
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○ | 国や郷土を愛する心
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○ | 「個」と「公」のバランス |
○ | 他国の文化の理解と尊重
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○ | 国際社会の一員としての意識(世界から信頼される日本人)
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○ | 国際社会への貢献
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○ | 平和を希求する心
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○ | 日本人としてのアイデンティティ
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○ | 世界に伍していける語学力や情報活用能力の形成 |
○ | なお、上記![]() ![]() |